JP6296289B2 - 床ピット構造及びこれの構築方法 - Google Patents
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Description
そして、このようにPC床版を柱材や桁材によって支持する構造としては、PC床版の四隅を支持する構造が一般的であり、PC床版が受ける荷重を四隅の支持部によってバランスよく負担する構造となっている。
すなわち、生産施設等の床ピットでは、生産する部品を変える場合に生産ラインを大きく変更する場合がある。このような場合には、施設全体を新たに建て替えるか、床ピットの周囲の床も含めた範囲を生産ラインに合わせて変更するといった大規模なレイアウト変更工事を行うこととなり、工事費が増大するうえ、工期が長くなるという問題があった。
また、本発明の他の目的は、PC床版を2辺支持とすることで、PC床版の破損を防ぐことができる床ピット構造及びこれの構築方法を提供することである。
そして、柱材が縦横方向のそれぞれの方向毎に一定の間隔をあけて配列されているので、柱材に対して桁材を取り外すことのみで、桁材の配列方向を横方向及び縦方向のいずれかの向きに変更することが可能となる。そのため、例えば工場の生産ラインの変更に伴い、床ピット内の桁材の配列方向を変更する場合でも、従来のように床ピット全体を変更するといった大規模な工事を行う必要がなくなる利点がある。
また、本発明の床ピット構造及びこれの構築方法によれば、プレキャストコンクリート床版を2辺支持とすることで、プレキャストコンクリート床版の破損を防ぐことができる効果を奏する。
ここで、本実施の形態では、室部11は平面視で長方形をなし、その幅方向(短辺方向)を横方向Xとし、長手方向を縦方向Yとして、以下説明する。
柱材2の寸法や配置間隔L1、L2は、PC床版4の形状、重量、このPC床版4上に走行、或いは設置される機器・設備の重量、及び床ピット部12の高さ等の条件に応じて適宜設定される。本実施の形態では、例えば断面の一辺が70cmのものが採用されている。
柱材2には、上端面2aに突出するアンカーボルト21(図5参照)が4本、埋設されている。このアンカーボルト21を使用して桁材3がボルト締結により着脱可能に固定される。
桁材3は、柱材2からナット22を取り外すことで、長手方向の向きを例えば縦方向Yから横方向Xに変更することが可能である。
先ず、図1に示すように、所定位置に床ピット部12を掘削するとともに側壁及び底壁にコンクリートを打設し、室部11を形成するための骨組材から構成される外壁部13を構築する。次に、床ピット部12のピット底盤12a上に複数の柱材2、2、…をコンクリート打設により立設する。このときの柱材2は、ピット底盤12aにおいて、横方向X及び縦方向Yのそれぞれの方向に沿って一定の間隔をあけて配置される。また、図5に示すように、柱材2の上端面2aには、アンカーボルト21を埋め込み、そのボルト先端側を上端面2aから突設させておく。本実施の形態では、柱材2毎に4本のアンカーボルト21を埋め込む。
このように構築される床ピット部12内は、設備機器やインフラ供給スペースとして利用し、フレキシビリティの向上に寄与することができる。これにより、PC床版4上の床面に配置する設備を少なくすることができ、生産スペースを確保することができ、スペースの有効利用が可能となる。
本実施の形態の床ピット構造1では、図3、図5及び図7に示すように、PC床版4が桁材3に対してプレート5により水平移動が規制され、所望の位置に位置決めされた状態で載置される簡単な構造となることから、PC床版4を桁材3に対して容易に取り付け又は取り外すことができる。そのため、桁材3の仕様の変更や、異なる重量のPC床版への変更などの工事を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態では、PC床版4を2辺支持とすることで、PC床版4の破損を防ぐことができる効果を奏する。
例えば、本実施の形態では、平面視で十字状のプレート5を設け、4つのPC床版4で共有する構成としているが、この形状に限定されることはない。例えば、PC床版4毎にプレート5(凸部)を設けてもよく、PC床版4に形成される切欠部などの凹部も、その凸部の形状に対応した形状に設定することができる。
2 柱材
2a 上端面
3 桁材
3a 上面
4 PC床版(プレキャストコンクリート床版)
4a 支持端
5 プレート(凸部、位置決め部材)
6 ゴム板(緩衝板)
7 グラウト材(固化材)
8 無収縮モルタル材(固化材)
12 床ピット部
12a ピット底盤
21 アンカーボルト
41 切欠部(凹部)
X 横方向
Y 縦方向
Claims (6)
- 所定広さの空間に設けられる床ピット構造であって、
ピット底盤上に立設され、縦横方向に一定の間隔をあけて配列された柱材と、
該柱材の上端面に接合され、前記縦横方向のうちいずれか一方向に延在方向を向けて配列された桁材と、
対向する2辺のそれぞれを配列方向に隣り合う前記桁材に載置させることで架設されたプレキャストコンクリート床版と、
を備え、
前記桁材には、前記プレキャストコンクリート床版の水平移動を規制する位置決め部材が設けられていることを特徴とする床ピット構造。 - 前記位置決め部材は、前記桁材の上面に突設された凸部であり、
前記プレキャストコンクリート床版の下面には、前記凸部に対して緩やかに嵌合される凹部が設けられ、
前記凸部に前記凹部を嵌合させた状態で、前記凹部の前記凸部との間の隙間に固化材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の床ピット構造。 - 前記桁材の前記柱材上に位置する部分に、前記凸部が設けられ、
該凸部は、縦材と横材とを交差させた平面視で十字状をなし、前記縦材及び横材のうちいずれか一方の延在方向が前記桁材の長手方向に向けて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の床ピット構造。 - 前記桁材と前記プレキャストコンクリート床版との間には、前記桁材の長手方向に沿って間隔をあけて複数の緩衝板が介挿されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の床ピット構造。
- 前記桁材と前記プレキャストコンクリート床版との間における前記緩衝板同士の間には、固化材が充填されていることを特徴とする請求項4に記載の床ピット構造。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の床ピット構造の構築方法であって、
前記桁材を前記柱材の上端面に固定し、該桁材を前記縦横方向のいずれか一方向に長手方向を向けて配列する工程と、
前記桁材に前記位置決め部材を設けて、前記プレキャストコンクリート床版の水平方向への移動を規制する工程と、
前記プレキャストコンクリート床版の対向する2辺のそれぞれを配列方向に隣り合う前記桁材に載置させることで架設する工程と、
を有することを特徴とする床ピット構造の構築方法。
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