JP6414578B2 - ロープ繰り出し装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業機械のウインチ等にロープを巻き取るために、ロープを繰り出すロープ繰り出し装置に関する。
従来、作業機械として、下部走行体と、上部旋回体と、ブームと、ウインチと、を備えた移動式クレーンが知られている。ブームは、上部旋回体の前部に取り付けられる。ウインチが、ブームの先端部から垂下されるロープの巻き上げ、繰り出しを行うことで、ロープに接続された吊り荷が吊り上げられる。クレーンの組立段階などにおいて、このようなウインチにロープを巻きこむために、所定のドラム上に巻かれたロープをウインチに向かって順次繰り出すロープ繰り出し装置が知られている。ロープ繰り出し装置がロープを繰り出しながら、ウインチのウインチドラムが回転駆動されることで、ウインチドラムの外周上にロープが巻きこまれていく。
特許文献1には、木製のスプールドラムと、制御ドラムとを備えたロープ繰り出し装置が開示されている。制御ドラムは、スプールドラムとクレーンのウインチとの間に配置される。スプールドラムから引き出されたロープは、制御ドラムによって所定の張力を付与されながら、ウインチによって巻き取られる。前記張力の付与は、ウインチ上におけるロープの乱巻きの発生の防止を可能にする。
また、特許文献2には、内筒と外筒とから構成され、ロープに張力負荷を発生させる装置が開示されている。内筒の内周面には螺旋溝が形成されている。また、外筒は装置本体に固定され、内筒は外筒内で回転駆動される。スプールドラムから引き出されたロープは内筒の外周を周回した後、内筒と外筒との間に開口された排出口を介して、クレーンのウインチなどによって巻き取られる。
特許第3631519号公報 特許第4030024号公報
特許文献1および2に記載された技術では、ドラム軸が鉛直方向に延びるようにスプールドラムが縦置きされている。この場合、スプールドラムに巻かれたロープの引き出し時に、ロープが落下しやすくなる。また、スプールドラムのロープの引き出し位置が上下に移動するため、ロープを所定の高さに保持するためにはロープ繰り出し装置の構造が複雑化するという問題があった。
一方、スプールドラムが、そのドラム軸が水平方向に延びるように横置きされている場合、スプールドラムと張力付与ドラムとの間のフリートアングル(ロープの引き出し角度)が問題となりやすい。フリートアングルが大き過ぎると、ロープの引き出しが適正に行われず、ウインチの巻き込み不良が発生する。このため、従来、スプールドラムが横置きされる場合には、スプールドラムと張力付与ドラムとの間の距離を大きく設定し、フリートアングルを小さくする必要があった。この場合、ロープ繰り出し装置が大型化し、作業スペースが増大してしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、作業に必要なスペースを縮小しながらロープを安定して繰り出すことが可能であるとともに、ロープの乱巻きを抑止することが可能な、ロープ繰り出し装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係るロープ繰り出し装置は、ロープを巻き取り可能なウインチドラムに向かって、張力を付与しながら前記ロープを繰り出すロープ繰り出し装置であって、円筒状の外周面を有し当該外周面上に前記ロープが巻かれた胴部を備え、前記円筒状の外周面の軸心が水平方向に沿って延びるように配置され、前記軸心回りに回転することで前記ロープを繰り出すスプールドラムと、前記スプールドラムと前記ウインチドラムとの間に配置され、前記スプールドラムから繰り出された前記ロープに対して特定の接触位置で接触することで前記ロープに張力を付与する張力付与ドラムと、前記スプールドラムと前記張力付与ドラムとの間に配置され、前記スプールドラムから繰り出された前記ロープをガイドするガイド部と、を有し、前記ガイド部は、前記スプールドラムから繰り出された前記ロープが掛けられる第1周面を備える第1アイドラシーブと、前記第1アイドラシーブを回転可能および前記スプールドラムの前記軸心と平行な軸方向に沿って移動可能に支持する第1支持部と、前記第1アイドラシーブの前記第1周面を通過した前記ロープが掛けられる第2周面を備える第2アイドラシーブと、前記第2アイドラシーブを回転可能および前記軸方向に沿って移動可能に支持する第2支持部と、を備え、前記スプールドラムの前記軸心と平行な方向から見て、前記第1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブは、前記第1周面および前記第2周面上の互いに反対側の領域の面に前記ロープが接触するように、それぞれ前記ロープを支持し、前記第1支持部および前記第2支持部は、前記スプールドラムの回転に伴う前記スプールドラム上の前記軸方向における前記ロープの繰り出し位置の変化に応じて、前記第1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブが、前記スプールドラムおよび前記張力付与ドラムに対して前記ロープの張力によって前記軸方向に沿って相対移動するように、前記第1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブを支持する。
本構成によれば、スプールドラムと張力付与ドラムとの間には、第1および第2のアイドラシーブを含むガイド部が配置されている。第1および第2のアイドラシーブは、互いに反対側の面にロープが接触するように、ロープを支持している。換言すれば、ロープが第1アイドラシーブおよび第2アイドラシーブにジグザグに掛けられている。したがって、第1アイドラシーブと第2アイドラシーブとの間では、スプールドラムと張力付与ドラムとの並び方向に対してロープが交差するように、ロープが架け渡される。このため、ロープがスプールドラムから張力付与ドラムに直接架け渡される場合と比較して、スプールドラムと張力付与ドラムとの間におけるロープのフリートアングルを小さくすることができる。換言すれば、ロープがスプールドラムから張力付与ドラムに直接架け渡される場合と同じフリートアングルを維持しつつ、ロープ繰り出し装置のサイズを小さくすることが可能となる。また、ガイド部の各アイドラシーブは、スプールドラムにおけるロープの繰り出し位置の変化に応じて、軸方向に移動することができる。したがって、ロープのフリートアングルが、スプールドラム側の繰り出し位置の変化によって、著しく大きくなることが抑止される。更に、スプールドラムが横置き姿勢とされているため、ロープの繰り出し位置が上下移動することがなく、ロープの繰り出しを安定して行うことができる。また、待機時にスプールドラムの周面からロープが落下することが抑止される。
上記の構成において、前記スプールドラムの前記軸心と平行な方向から見て、前記1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブが、前記スプールドラムと前記張力付与ドラムとの並び方向と直交する方向において互いにずれていることが望ましい。
本構成によれば、第1アイドラシーブと第2アイドラシーブとの間では、スプールドラムと張力付与ドラムとの並び方向に対してロープが更に大きな角度で交差するように、ロープが架け渡される。このため、ロープがスプールドラムから張力付与ドラムに直接架け渡される場合と比較して、スプールドラムと張力付与ドラムとの間におけるロープのフリートアングルを更に小さくすることができる。
上記の構成において、前記第1アイドラシーブは、前記第2アイドラシーブよりも前記張力付与ドラムに近い位置に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、第1アイドラシーブと第2アイドラシーブとの間において、ロープがスプールドラム側に折り返される領域が部分的に形成される。この結果、少なくとも当該折り返し領域の分だけ、ロープのフリートアングルを更に小さくすることができる。
上記の構成において、前記第1アイドラシーブは、前記第2アイドラシーブよりも上方に配置され、前記ロープは、少なくとも前記第1アイドラシーブの前記第1周面の上端部に接触するように掛けられていることが望ましい。
本構成によれば、少なくとも第1アイドラシーブと第1アイドラシーブよりも下方の第2アイドラシーブとの間の高さの差分だけ、ロープのフリートアングルを小さくすることができる。
上記の構成において、前記スプールドラムの周面が前記ガイド部に対向する領域を上方から下方に移動するような回転方向に沿って前記スプールドラムが回転し、前記スプールドラム上の前記ロープの繰り出し位置が、前記胴部の上端側に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、スプールドラムと第1アイドラシーブとの間で、ロープと当該ロープよりも下方に位置する第2アイドラシーブとの干渉を抑止することができる。
上記の構成において、前記第1アイドラシーブは、前記第2アイドラシーブよりも下方に配置され、前記ロープは、少なくとも前記第1アイドラシーブの前記第1周面の下端部に接触するように掛けられていることが望ましい。
本構成によれば、少なくとも第1アイドラシーブと第1アイドラシーブよりも上方の第2アイドラシーブとの間の高さの差分だけ、ロープのフリートアングルを小さくすることができる。
上記の構成において、前記スプールドラムの周面が前記ガイド部に対向する領域を下方から上方に移動するような回転方向に沿って前記スプールドラムが回転し、前記スプールドラム上の前記ロープの繰り出し位置が、前記胴部の下端側に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、スプールドラムと第1アイドラシーブとの間で、ロープと当該ロープよりも上方に位置する第2アイドラシーブとの干渉を抑止することができる。
上記の構成において、前記スプールドラム、前記ガイド部および前記張力付与ドラムが所定の移動車両の車体上に一体的に搭載され移動可能なように、前記スプールドラム、前記ガイド部および前記張力付与ドラムを支持する台座を更に有することが望ましい。
本構成によれば、作業機械の作業現場などにロープ繰り出し装置を容易に移動することができる。
上記の構成において、前記ウインチドラムから繰り出される前記ロープを、前記ガイド部を介して前記スプールドラムに巻き取ることが可能なように、前記スプールドラムを前記軸心回りに回転させる駆動機構を更に有することが望ましい。
本構成によれば、ロープ繰り出し装置を利用して、スプールドラムにロープを巻きこむことができる。
本発明によれば、作業に必要なスペースを縮小しながらロープを安定して繰り出すことが可能であるとともに、ロープの乱巻きを抑止することが可能な、ロープ繰り出し装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るロープ繰り出し装置およびクレーンの側面図である。 本発明の一実施形態に係るロープ繰り出し装置の上面図である。 本発明の一実施形態に係るロープ繰り出し装置の側面図である。 スプールドラムと張力付与ドラムとの間のフリートアングルを説明するための模式図ある。 本発明の変形実施形態に係るロープ繰り出し装置の側面図である。 本発明の変形実施形態に係るロープ繰り出し装置の側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るロープ繰り出し装置1およびクレーン10の側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本発明に係るロープ繰り出し装置1の構造および機能を説明するために便宜上示すものであり、ロープ繰り出し装置1の使用態様などを限定するものではない。
ロープ繰り出し装置1は、クレーン10などの作業機械に対して、所定の張力を付与しながらロープを繰り出す機能を備えている。図1に示すように、ロープ繰り出し装置1は、地上Gにおいてクレーン10に対向して配置される。以下に、図1に示されるクレーン10の構造を説明する。
クレーン10は、クレーン本体に相当する上部旋回体12と、この上部旋回体12を旋回可能に支持する下部走行体11と、ブームおよびジブを含む起伏部材と、を備える。ブームは、上部旋回体12に起伏可能に支持され、ジブはブームの先端部に起伏可能に支持されている。図1では、ブームの下端部を構成する下部ブーム13が上部旋回体12に装着されている。ジブの回動中心軸は、上部旋回体12に対するブーム(下部ブーム13)の回動中心軸と平行な横軸になっている。
更に、クレーン10は、ブーム起伏用部材であるマスト15と、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト16と、を備える。また、上部旋回体12の前端部には、キャブ14が備えられている。キャブ14は、クレーン10の運転席に相当する。
クレーン10には、各種ウインチ(ウインチドラム)が搭載されている。図1に示すように、ジブを起伏方向に回動させるためのジブ起伏用ウインチ19と、吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ18及び補巻用ウインチ17とが、下部ブーム13に装着される。なお、図1では図示していないが、上部旋回体12には、ブームを起伏させるための不図示のブーム起伏用ウインチも搭載される。補巻用ウインチ17、主巻用ウインチ18およびジブ起伏用ウインチ19は、それぞれ、ロープを巻き取りおよび繰り出し可能なウインチドラムからなる。また、ジブ起伏用ウインチ19、主巻用ウインチ18および補巻用ウインチ17に例示されるウインチドラムは、上部旋回体12に装着されてもよい。
なお、上記のクレーン10の構造は、本実施形態に係るロープ繰り出し装置1の構造、機能および使用態様などを限定するものではない。クレーン10の組立作業において、ジブ起伏用ウインチ19に代表されるウインチドラムに、ロープを巻きこむ作業が発生する。また、ジブ起伏用ウインチ19のロープが損傷した場合には、ジブ起伏用ウインチ19からロープを引き出し、新たなロープを巻きこむ必要がある。このような作業において、ジブ起伏用ウインチ19上に巻き込まれるロープに乱巻きが発生することを防止するためには、ロープに所定の張力を付与しながら、回転するジブ起伏用ウインチ19にロープを繰り出す必要がある。以下に、このような機能を備えたロープ繰り出し装置1の構造について、詳述する。図2および図3は、本実施形態に係るロープ繰り出し装置1の上面図および側面図である。
ロープ繰り出し装置1は、スプールドラム部2と、アイドラシーブ部3(ガイド部)と、ブレーキドラム部4と、台座1Sと、アンカー1Aと、を備える。台座1Sは、スプールドラム部2、アイドラシーブ部3およびブレーキドラム部4を支持する板材からなる。アンカー1Aは、図1に示すように、台座1Sの前方に間隔をおいて配置される。アンカー1Aは、ジブ起伏用ウインチ19の巻き取り力によってロープ繰り出し装置1が移動することを防止するための錘である。なお、図1に示すように、ロープ繰り出し装置1からジブ起伏用ウインチ19に向かう、矢印DK方向をワイヤーロープ5(ロープ)の繰り出し方向と定義する。また、ジブ起伏用ウインチ19が回転されワイヤーロープ5がジブ起伏用ウインチ19に巻き込まれる際には、図1に示すように所定のシーブ100によってワイヤーロープ5の角度が調整される。補巻用ウインチ17、主巻用ウインチ18にワイヤーロープ5が巻き込まれる際には、シーブ100の位置が移動される。
スプールドラム部2は、台座1Sの前端部に配置されている。スプールドラム部2は、スプールドラム20と、一対のスプールドラム支持部2Sと、スプールドラム回転機2Mと、を備える。
スプールドラム20は、円筒状の外周面を有し当該外周面上にワイヤーロープ5が巻かれたドラム胴部21(胴部)と、ドラム胴部21の両端部に配置された一対のフランジ22とを備える。スプールドラム20は、ドラム胴部21の円筒状の外周面の軸心が水平方向に沿って延びるように配置され、ドラム胴部21の軸心回りに回転することでワイヤーロープ5を繰り出す。スプールドラム20は、ロープ繰り出し装置1のスプールドラム支持部2Sに対して着脱可能とされている。なお、スプールドラム20のドラム胴部21上に巻かれたワイヤーロープ5は、軸方向(図2の左右方向)に沿って順に巻き込まれている。このため、スプールドラム20が回転されながらワイヤーロープ5が繰り出されると、スプールドラム20上のワイヤーロープ5の繰り出し位置が、軸方向に沿って往復移動する。
一対のスプールドラム支持部2Sは、台座1Sに配設された一対の壁部からなる。スプールドラム支持部2Sは、スプールドラム20を回転可能に支持する。スプールドラム回転機2Mは、スプールドラム回転軸2Tを備える電動機である。スプールドラム回転軸2Tは、スプールドラム20の回転における軸心となる。スプールドラム回転機2Mは、スプールドラム20にワイヤーロープ5を巻き込む作業時に、スプールドラム20を回転駆動させる。なお、クレーン10のジブ起伏用ウインチ19の巻き取り力によってスプールドラム20からワイヤーロープ5が引き出される際には、スプールドラム回転機2Mは駆動力を発生しない。なお、ワイヤーロープ5の引き出しに伴ってスプールドラム20上のワイヤーロープ5が少なくなった場合には、スプールドラム20が回転慣性によって必要以上に回転する場合がある。このため、当該スプールドラム20の回転を規制するために、必要に応じてスプールドラム回転機2Mが駆動力を発生し、スプールドラム20の回転を制御してもよい。この場合、ワイヤーロープ5の引き出し速度よりも遅い回転速度で、スプールドラム20が回転されることが望ましい。
スプールドラム20がスプールドラム支持部2Sに装着されると、スプールドラム回転機2Mから延びるスプールドラム回転軸2Tが、フランジ22の中央部に開口された不図示の軸穴に挿入、係合される。
アイドラシーブ部3は、前後方向においてスプールドラム20とブレーキドラム40との間に配置されている。アイドラシーブ部3は、スプールドラム20から繰り出されたワイヤーロープ5をガイドする機能を備えている。
アイドラシーブ部3は、第1シャフト31T(第1支持部)と、第2シャフト32T(第2支持部)と、第1アイドラシーブ31と、第2アイドラシーブ32と、フレーム3Sと、を備える。
第1シャフト31Tは、スプールドラム20の軸心と平行な軸方向に沿って延びる円柱状のシャフトからなる。また、第2シャフト32Tは、第1シャフト31Tの前方かつ下方において、第1シャフト31Tと平行に延びる円柱状のシャフトからなる。フレーム3Sは、第1シャフト31Tおよび第2シャフト32Tを支持する。
第1アイドラシーブ31は、スプールドラム20から繰り出されたワイヤーロープ5が掛けられる第1周面31Hを備え、第1シャフト31Tに回転可能に支持されている。また、第2アイドラシーブ32は、鉛直方向において第1アイドラシーブ31に対してずれた位置に配置されている。第2アイドラシーブ32は、第1アイドラシーブ31の第1周面31Hを通過したワイヤーロープ5が掛けられる第2周面32Hを備え、第2シャフト32Tに回転可能に支持されている。更に、本実施形態では、図2に示す状態から、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32が、それぞれ第1シャフト31Tおよび第2シャフト32T上を軸方向(左右方向)にスライド移動可能とされている。なお、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32の支持構造は、第1シャフト31Tおよび第2シャフト32Tの形態に限定されるものではない。第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32が回転可能かつ軸方向に移動可能な態様であればよい。
また、図2および図3を参照して、第1アイドラシーブ31は、第2アイドラシーブ32よりもブレーキドラム40に近い位置に配置されている。詳しくは、図3に示すように、スプールドラム20の軸心と平行な方向から見て、スプールドラム20とブレーキドラム40との並び方向において、第1アイドラシーブ31は、第2アイドラシーブ32よりもブレーキドラム40に近い位置に配置されている。更に、図3に示すように、スプールドラム20と張力付与ドラム40との並び方向と直交する方向において、1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32は互いにずれた位置に配置されている。特に、第1アイドラシーブ31は、第2アイドラシーブ32よりも上方に配置されている。なお、スプールドラム20と張力付与ドラム40との並び方向とは、スプールドラム20の軸心とブレーキドラム40の軸心とを結ぶ方向ともいう。換言すれば、スプールドラム20と張力付与ドラム40との間のワイヤーロープ5の仮想張架方向と直交する方向において、1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32は互いにずれた位置に配置されている。ここで、ワイヤーロープ5の仮想張架方向とは、スプールドラム20上のワイヤーロープ5の繰り出し位置P(図3)と、ブレーキドラム40上のワイヤーロープ5の接触位置とを結ぶ方向である。
また、図3を参照して、スプールドラム20の前記軸心と平行な方向から見て、第1アイドラシーブ31は、第1周面31H(図2)のうち第2アイドラシーブ32とは反対側の領域の面にワイヤーロープ5が接触するようにワイヤーロープ5を支持し、第2アイドラシーブ32は、第2周面32H(図2)のうち第1アイドラシーブ31とは反対側の領域の面にワイヤーロープ5が接触するようにワイヤーロープ5を支持している。すなわち、ワイヤーロープ5が第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32にジグザグに掛けられている。特に、ワイヤーロープ5は、第1アイドラシーブ31の第1周面31Hのブレーキドラム40側において上端部から下端部に向かって掛けられている。また、ワイヤーロープ5は、第2アイドラシーブ32の第1周面32Hのスプールドラム20側において上端部から下端部に向かって掛けられている。
ブレーキドラム部4は、台座1Sの後端部に配置されている。ブレーキドラム部4は、ブレーキドラム40(張力付与ドラム)と、一対のブレーキドラム支持部40Sと、ブレーキドラム回転機41と、を備える。
ブレーキドラム40は、スプールドラム20とジブ起伏用ウインチ19との間に配置されている。換言すれば、ブレーキドラム40は、ロープ繰り出し装置1からジブ起伏用ウインチ19に対するワイヤーロープ5の繰り出し方向(図1、図2の矢印DK)においてスプールドラム20よりも下流側に配置されている。ブレーキドラム40は、スプールドラム20から繰り出されたワイヤーロープ5の一部を支持する円筒状の周面40Hと、周面40Hとジブ起伏用ウインチ19との間で張架されるワイヤーロープ5に張力を付与する張力付与機構と、を備えている。
ブレーキドラム40は、ワイヤーロープ5に対して周面40H上の特定位置で接触することでワイヤーロープ5に張力を付与する。本実施形態では、張力付与機構は、ブレーキドラム回転機41内に配置されている公知のディスクブレーキからなる。すなわち、ジブ起伏用ウインチ19の巻き取り力に対抗して、ブレーキドラム40に所定のブレーキ力が付与されることで、両者の間に張架されたワイヤーロープ5に張力が付与される。ブレーキドラム40は、スプールドラム20の軸心と平行かつ水平方向に延びる軸心回りに回転され、ジブ起伏用ウインチ19に対してワイヤーロープ5を繰り出す。なお、図2に示すように、ブレーキドラム40の周面40Hの外径は、軸方向の中央部から両外側に向けて連続的に拡大している。ワイヤーロープ5は、ブレーキドラム40の回転に伴って、周面40Hの軸方向の中央部に移動した後、ブレーキドラム40から引き出される。
図4は、スプールドラム20とブレーキドラム40との間のフリートアングルθを説明するための模式図ある。図4では、本実施形態に係るスプールドラム部2と比較されるスプールドラム20Xおよび20Yが示されている。スプールドラム20Xおよび20Yは、本実施形態に係る第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32を介することなく、ブレーキドラム40に直接ワイヤーロープ5Xおよび5Yを繰り出す。
フリートアングルθは、2つの回転体の間でワイヤーロープ5が受け渡される際に、一方の回転体(ブレーキドラム40)の中心Lと、同中心線Lと他方の回転体(スプールドラム)の軸方向の端部とを結ぶ直線とがなす角度に相当する。このフリートアングルが大きすぎると、ワイヤーロープの受け渡し、巻き込みが適切に行われず、乱巻きが発生する。
図4において、スプールドラム20XのフリートアングルはθXで示されている。ロープ繰り出し装置1の前後方向のサイズを縮小することを目的として、このスプールドラム20Xをスプールドラム20Yの位置まで移動させると、スプールドラム20YのフリートアングルはθYとなり、θXよりも大きくなる。したがって、ワイヤーロープ5Xよりもワイヤーロープ5Yの方が、乱巻きが発生しやすくなる。
なお、このようなフリートアングルの問題は、ブレーキドラム40とジブ起伏用ウインチ19との間でも同様に発生する。このため、図1に示すように、ロープ繰り出し装置1とジブ起伏用ウインチ19との間には、充分な距離が設けられている。
本実施形態では、上記のようなワイヤーロープ5の乱巻きの発生を抑止しながら、ロープ繰り出し装置1のサイズ、換言すれば、ワイヤーロープ5の繰り出し作業に必要なスペースを縮小するために、ロープ繰り出し装置1がアイドラシーブ部3を備えている。
図3を参照して、ワイヤーロープ5の先端がジブ起伏用ウインチ19(図1)に固定され、ジブ起伏用ウインチ19の巻き取りが開始されると、スプールドラム20、第1アイドラシーブ31、第2アイドラシーブ32およびブレーキドラム40は図3の矢印で示される方向に回転する。なお、スプールドラム部2では、スプールドラム20の周面がアイドラシーブ部3に対向する領域を上方から下方に移動するような回転方向に沿ってスプールドラム20が回転する。そして、スプールドラム20上のワイヤーロープ5の繰り出し位置は、ドラム胴部21の上端側に配置されている。ワイヤーロープ5は、スプールドラム20から後方に向かって案内される。更に、ワイヤーロープ5は、第1アイドラシーブ31で前方に折り返された後、第2アイドラシーブ32によって再び後方に案内され、ブレーキドラム40において所定の張力が付与される。
図2および図4を参照して、本実施形態では、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32は、軸方向に沿ってスライド移動可能とされている。したがって、スプールドラム20の回転に伴う、軸方向におけるワイヤーロープ5の繰り出し位置Pの変化に応じて、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32の軸方向における位置が変化する。詳しくは、スプールドラム20と第1アイドラシーブ31との間のワイヤーロープ5の張力と、第1アイドラシーブ31と第2アイドラシーブ32との間のワイヤーロープ5の張力のバランスによって、第1アイドラシーブ31の軸方向における位置が決定される。同様に、第1アイドラシーブ31と第2アイドラシーブ32との間のワイヤーロープ5の張力と、第2アイドラシーブ32とブレーキドラム40との間のワイヤーロープ5の張力とのバランスによって、第2アイドラシーブ32の軸方向における位置が決定される。
この結果、図4において、ブレーキドラム40とスプールドラム20との間で、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32によって案内されるワイヤーロープ5のフリートアングルθは、θXよりも小さくなる。なお、図4おいて、第1アイドラシーブ31とスプールドラム20との間のワイヤーロープ5と、ブレーキドラム40とスプールドラム20Xとの間のワイヤーロープ5Xとは平行である。すなわち、本実施形態は、図4のスプールドラム20Xから延びるワイヤーロープ5Xの一部を、第2アイドラシーブ32から第1アイドラシーブ31に至るまで部分的に折り返した構成に相当する。
図2において、スプールドラム20上のワイヤーロープ5の繰り出し位置Pが矢印DHで示すように移動すると、ワイヤーロープ5の張力のバランスに応じて、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32が、スプールドラム20およびブレーキドラム40に対して軸方向に沿って相対移動する。したがって、スプールドラム20とブレーキドラム40との間におけるワイヤーロープ5のフリートアングルが常に小さく維持されながら、ワイヤーロープ5が安定して繰り出される。換言すれば、ワイヤーロープ5の繰り出し位置の変化によって、フリートアングルが著しく大きくなることが抑止される。この結果、ブレーキドラム40におけるワイヤーロープ5の乱巻きが抑止される。また、本実施形態では、図4のスプールドラム20Xが搭載されるロープ繰り出し装置のように、ロープがスプールドラム20Xからブレーキドラム40に直接架け渡される場合と比較して、スプールドラム20とブレーキドラム40との間におけるワイヤーロープ5のフリートアングルθを小さくすることができる。換言すれば、ワイヤーロープ5がスプールドラム20からブレーキドラム40に直接架け渡される場合と同じフリートアングルθを維持しつつ、ロープ繰り出し装置1のサイズ(前後方向におけるサイズ)を小さくすることが可能となる。
更に、本実施形態では、スプールドラム20の軸心が水平方向に沿うようにスプールドラム20が横置きされている。このため、スプールドラム20の軸心が鉛直方向に沿うようにスプールドラム20が縦置きされる場合のように、ワイヤーロープ5の繰り出し位置Pが上下に移動することがない。したがって、スプールドラム20から第1アイドラシーブ31にワイヤーロープ5を安定して繰り出すことができる。また、縦置きの場合のように、待機時にスプールドラム20の周面からワイヤーロープ5が重力によって落下することが抑止される。
また、本実施形態では、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32は、鉛直方向において互いに異なる位置に配置されている。このため、第1アイドラシーブ31と第2アイドラシーブ32との間では、ワイヤーロープ5の高さが変化するようにワイヤーロープ5が架け渡される。この結果、ワイヤーロープ5がスプールドラム20からブレーキドラム40に直接架け渡される場合と比較して、スプールドラム20とブレーキドラム40との間におけるワイヤーロープ5のフリートアングルθを小さくすることができる。
更に、本実施形態では、第1アイドラシーブ31は、第2アイドラシーブ32よりもブレーキドラム40に近い位置に配置されている。この場合、第1アイドラシーブ31から第2アイドラシーブ32に対して、ワイヤーロープ5が繰り出し方向上流側に向かって架け渡される。このため、スプールドラム20とブレーキドラム40との間において、ワイヤーロープ5が繰り出し方向上流側に折り返される領域5A(図3)が部分的に形成される。この結果、少なくとも当該折り返し領域の分だけ、ワイヤーロープ5のフリートアングルθを小さくすることができる。
また、本実施形態では、スプールドラム20の周面がアイドラシーブ部3に対向する領域を上方から下方に移動するような回転方向に沿ってスプールドラム20が回転する(図3)。また、スプールドラム20上のワイヤーロープ5の繰り出し位置は、ドラム胴部21の上端側に配置されている。このため、スプールドラム20と第1アイドラシーブ31との間で、ワイヤーロープ5と当該ワイヤーロープ5よりも下方に位置する第2アイドラシーブ32との干渉を抑止することができる。
更に、本実施形態では、台座1Sが、スプールドラム20を含むスプールドラム部2と、アイドラシーブ部3と、ブレーキドラム40を含むブレーキドラム部4と、を支持している。このため、スプールドラム20、アイドラシーブ部3およびブレーキドラム40が、所定のトラック(移動車両)の荷台(車体)上に一体的に搭載され、移動可能とされる。したがって、クレーン10(作業機械)の作業現場などにロープ繰り出し装置1Sを容易に移動することができる。
また、本実施形態では、スプールドラム20に接続されたスプールドラム回転機2M(図2)が、図3の矢印とは反対の方向に沿ってスプールドラム20を回転させることができる。このため、ジブ起伏用ウインチ19(図1)から繰り出されるワイヤーロープ5を、アイドラシーブ部3を介してスプールドラム20に巻き取ることが可能とされる。この結果、ロープ繰り出し装置1を利用して、ジブ起伏用ウインチ19において使用された古いワイヤーロープ5などを、スプールドラム20に巻きこむことができる。
以上、本発明の実施形態に係るロープ繰り出し装置1について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、第1アイドラシーブ31が第2アイドラシーブ32の上方に配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図5は、本発明の変形実施形態に係るロープ繰り出し装置1Pの側面図である。ロープ繰り出し装置1Pは、ロープ繰り出し装置1と同様のスプールドラム部2およびブレーキドラム部4に加え、アイドラシーブ部3Pを備える。アイドラシーブ部3Pは、第1アイドラシーブ31Pと、第2アイドラシーブ32Pとを備える。図5に示すように、第1アイドラシーブ31Pは、第2アイドラシーブ32Pの下方に配置されている。更に、図5では、スプールドラム20の周面がアイドラシーブ部3Pに対向する領域を下方から上方に移動するような回転方向に沿ってスプールドラム20が回転する。そして、スプールドラム20上のワイヤーロープ5Pの繰り出し位置が、ドラム胴部21の下端側に配置されている。
このような構成においても、スプールドラム20上のワイヤーロープ5Pの繰り出し位置Pが軸方向に沿って移動すると、ワイヤーロープ5Pの張力のバランスに応じて、第1アイドラシーブ31Pおよび第2アイドラシーブ32Pの軸方向における位置が移動する。したがって、スプールドラム20とブレーキドラム40との間におけるワイヤーロープ5Pのフリートアングルが常に小さく維持されながら、ワイヤーロープ5Pが安定して繰り出される。また、ワイヤーロープ5Pのフリートアングルを大きくすることなくロープ繰り出し装置1Pの前後方向におけるサイズを縮小することが可能となる。
なお、図5に示す構成では、スプールドラム20と第1アイドラシーブ31Pとの間において、ワイヤーロープ5Pと第2アイドラシーブ32Pとの間に鉛直方向に沿って充分な間隔が形成されている。したがって、スプールドラム20と第1アイドラシーブ31Pとの間で、ワイヤーロープ5Pと当該ワイヤーロープ5Pよりも上方に位置する第2アイドラシーブ32Pとの干渉を抑止することができる。一方、図5において、ワイヤーロープ5Rのようにロープの繰り出し位置が上端側に配置され、スプールドラム20が逆方向に回転された場合、ワイヤーロープ5Rに弛みが発生した際に、ワイヤーロープ5Rが第2アイドラシーブ32Pに干渉する可能性がある。従って、ロープの繰り出し位置がドラム胴部21の上端側に配置される場合には、先の実施形態にように第1アイドラシーブ31が第2アイドラシーブ32よりも上方に配置されることが望ましい(図3)。
(2)上記の実施形態では、第1アイドラシーブ21が第2アイドラシーブ32よりもブレーキドラム40側に配置されている態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図6は、本発明の他の変形実施形態に係るロープ繰り出し装置1Qの側面図である。ロープ繰り出し装置1Qは、ロープ繰り出し装置1と同様のスプールドラム部2およびブレーキドラム部4に加え、アイドラシーブ部3Qを備える。アイドラシーブ部3Qは、第1アイドラシーブ31Qと、第2アイドラシーブ32Qとを備える。図6に示すように、第1アイドラシーブ31Qは、第2アイドラシーブ32Qの上方に配置されている。更に、図6では、第1アイドラシーブ31Qが第2アイドラシーブ32Qよりもスプールドラム20側に配置されている。そして、ワイヤーロープ5Qは、少なくとも第1アイドラシーブ31Qの第1周面の上端部に接触するように掛けられており、少なくとも第2アイドラシーブ32Qの第2周面の下端部に接触するように掛けられている。また、ワイヤーロープ5Qは、第1アイドラシーブ31Qから第2アイドラシーブ32Qに向かって鉛直方向に沿って架け渡されている。また、スプールドラム20の周面がアイドラシーブ部3Qに対向する領域を上方から下方に移動するような回転方向に沿ってスプールドラム20が回転する。そして、スプールドラム20上のワイヤーロープ5Qの繰り出し位置が、ドラム胴部21の上端側に配置されている。
このように、第1アイドラシーブ31Qおよび第2アイドラシーブ32Qが鉛直方向において互いに異なる位置に配置されている態様でもよい。この場合、第1アイドラシーブ31Qと第2アイドラシーブ32Qとの間では、ワイヤーロープ5Qの高さが変化するようにワイヤーロープ5Qが架け渡される。この結果、ワイヤーロープ5Qがスプールドラム20からブレーキドラム40に直接架け渡される場合と比較して、ワイヤーロープ5Qのフリートアングルを小さくすることができる。また、ロープ繰り出し装置1Qの前後方向におけるサイズを縮小することが可能となる。なお、図6において、第1アイドラシーブ31Qが第2アイドラシーブ32Qよりも下方に配置され、各シーブの回転方向が逆方向に設定されてもよい。この場合、ワイヤーロープ5Qは、少なくとも第1アイドラシーブ31Qの第1周面の下端部に掛けられ、少なくとも第2アイドラシーブ32Qの第2周面の上端部に掛けられる。
(3)また、上記の実施形態では、ブレーキドラム部4において、ワイヤーロープ5に所定の張力を付与する機構としてディスクブレーキを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の負荷発生機構を利用して、ブレーキドラム40とジブ起伏用ウインチ19(ウインチドラム)との間に架け渡されるワイヤーロープ5に、張力が付与される態様でもよい。
(4)また、上記の実施形態では、水平方向においてスプールドラム20とブレーキドラム40とが並んで配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。一例として、ブレーキドラム40がスプールドラム20よりも高い位置に配置されてもよい。この場合でも、ワイヤーロープ5が第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32にジグザグに掛けられることで、第1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32の直径分だけワイヤーロープ5のフリートアングルを小さくすることができる。更に、スプールドラム20の軸心と平行な方向から見て、スプールドラム20とブレーキドラム40との並び方向と直交する方向において、1アイドラシーブ31および第2アイドラシーブ32が互いにずれた位置に配置されることが望ましい。また、第1アイドラシーブ31が第2アイドラシーブ32よりもブレーキドラム40側に配置されることが更に望ましい。
(5)また、上記の実施形態では、図1に示すように、ジブ起伏用ウインチ19、主巻用ウインチ18及び補巻用ウインチ17が、下部ブーム13に装着される態様にて示したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、ジブ起伏用ウインチ19、主巻用ウインチ18および補巻用ウインチ17に例示されるウインチドラムは、上部旋回体12に装着されてもよい。この場合、各ウインチドラムは、図1に示される位置よりも後方の上部旋回体12上に配置される。このため、下部ブーム13が上部旋回体12に装着される前などのように、クレーン10の組立過程において障害のない状態で、各ウインチドラムに対するワイヤーロープ5の繰り出し、巻き上げ作業が行われればよい。また、図1のシーブ100と同様の他のシーブユニットが追加装備され、上部旋回体12上の各ウインチドラムにワイヤーロープ5がガイドされてもよい。また、各ウインチドラムが上部旋回体12に装着される前に、単体でワイヤーロープ5を巻き上げ、巻き上げ後に上部旋回体12に装着されてもよい。
1 ロープ繰り出し装置
1S 台座
2 スプールドラム部
20 スプールドラム
21 ドラム胴部(胴部)
22 フランジ22
2M スプールドラム回転機(駆動機構)
2S スプールドラム支持部
2T スプールドラム回転軸
3 アイドラシーブ部(ガイド部)
31 第1アイドラシーブ
31T 第1シャフト(第1軸部)
32 第2アイドラシーブ
32T 第2シャフト(第2軸部)
3S フレーム
4 ブレーキドラム部
40 ブレーキドラム(張力付与ドラム)
40S ブレーキドラム支持部
41 ブレーキドラム回転機
40T ブレーキドラム回転軸
5 ワイヤーロープ
10 クレーン
11 下部走行体
12 上部旋回体
13 下部ブーム
14 キャブ
15 マスト
16 カウンタウエイト
17 補巻用ウインチ
18 主巻用ウインチ
19 ジブ起伏用ウインチ
20 巻取用シーブユニット

Claims (9)

  1. ロープを巻き取り可能なウインチドラムに向かって、張力を付与しながら前記ロープを繰り出すロープ繰り出し装置であって、
    円筒状の外周面を有し当該外周面上に前記ロープが巻かれた胴部を備え、前記円筒状の外周面の軸心が水平方向に沿って延びるように配置され、前記軸心回りに回転することで前記ロープを繰り出すスプールドラムと、
    前記スプールドラムと前記ウインチドラムとの間に配置され、前記スプールドラムから繰り出された前記ロープに対して特定の接触位置で接触することで前記ロープに張力を付与する張力付与ドラムと、
    前記スプールドラムと前記張力付与ドラムとの間に配置され、前記スプールドラムから繰り出された前記ロープをガイドするガイド部と、
    を有し、
    前記ガイド部は、
    前記スプールドラムから繰り出された前記ロープが掛けられる第1周面を備える第1アイドラシーブと、
    前記第1アイドラシーブを回転可能および前記スプールドラムの前記軸心と平行な軸方向に沿って移動可能に支持する第1支持部と、
    前記第1アイドラシーブの前記第1周面を通過した前記ロープが掛けられる第2周面を備える第2アイドラシーブと、
    前記第2アイドラシーブを回転可能および前記軸方向に沿って移動可能に支持する第2支持部と、
    を備え、
    前記スプールドラムの前記軸心と平行な方向から見て、前記第1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブは、前記第1周面および前記第2周面上の互いに反対側の領域の面に前記ロープが接触するように、それぞれ前記ロープを支持し、
    前記第1支持部および前記第2支持部は、前記スプールドラムの回転に伴う前記スプールドラム上の前記軸方向における前記ロープの繰り出し位置の変化に応じて、前記第1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブが、前記スプールドラムおよび前記張力付与ドラムに対して前記ロープの張力によって前記軸方向に沿って相対移動するように、前記第1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブを支持する、ロープ繰り出し装置。
  2. 前記スプールドラムの前記軸心と平行な方向から見て、前記1アイドラシーブおよび前記第2アイドラシーブが、前記スプールドラムと前記張力付与ドラムとの並び方向と直交する方向において互いにずれている、請求項1に記載のロープ繰り出し装置。
  3. 前記第1アイドラシーブは、前記第2アイドラシーブよりも前記張力付与ドラムに近い位置に配置されている、請求項2に記載のロープ繰り出し装置。
  4. 前記第1アイドラシーブは、前記第2アイドラシーブよりも上方に配置され、
    前記ロープは、少なくとも前記第1アイドラシーブの前記第1周面の上端部に接触するように掛けられている、請求項3に記載のロープ繰り出し装置。
  5. 前記スプールドラムの周面が前記ガイド部に対向する領域を上方から下方に移動するような回転方向に沿って前記スプールドラムが回転し、
    前記スプールドラム上の前記ロープの繰り出し位置が、前記胴部の上端側に配置されている、請求項4に記載のロープ繰り出し装置。
  6. 前記第1アイドラシーブは、前記第2アイドラシーブよりも下方に配置され、
    前記ロープは、少なくとも前記第1アイドラシーブの前記第1周面の下端部に接触するように掛けられている、請求項3に記載のロープ繰り出し装置。
  7. 前記スプールドラムの周面が前記ガイド部に対向する領域を下方から上方に移動するような回転方向に沿って前記スプールドラムが回転し、
    前記スプールドラム上の前記ロープの繰り出し位置が、前記胴部の下端側に配置されている、請求項6に記載のロープ繰り出し装置。
  8. 前記スプールドラム、前記ガイド部および前記張力付与ドラムが所定の移動車両の車体上に一体的に搭載され移動可能なように、前記スプールドラム、前記ガイド部および前記張力付与ドラムを支持する台座を更に有する、請求項1乃至7の何れか1項に記載のロープ繰り出し装置。
  9. 前記ウインチドラムから繰り出される前記ロープを、前記ガイド部を介して前記スプールドラムに巻き取ることが可能なように、前記スプールドラムを前記軸心回りに回転させる駆動機構を更に有する、請求項1乃至8の何れか1項に記載のロープ繰り出し装置。
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