JP6410104B2 - 回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機 - Google Patents

回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6410104B2
JP6410104B2 JP2015152561A JP2015152561A JP6410104B2 JP 6410104 B2 JP6410104 B2 JP 6410104B2 JP 2015152561 A JP2015152561 A JP 2015152561A JP 2015152561 A JP2015152561 A JP 2015152561A JP 6410104 B2 JP6410104 B2 JP 6410104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
slot
winding
portions
accommodated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015152561A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017034848A (ja
Inventor
暁斗 田村
暁斗 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2015152561A priority Critical patent/JP6410104B2/ja
Priority to DE102016114020.1A priority patent/DE102016114020A1/de
Publication of JP2017034848A publication Critical patent/JP2017034848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6410104B2 publication Critical patent/JP6410104B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K3/00Details of windings
    • H02K3/04Windings characterised by the conductor shape, form or construction, e.g. with bar conductors
    • H02K3/12Windings characterised by the conductor shape, form or construction, e.g. with bar conductors arranged in slots
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K3/00Details of windings
    • H02K3/04Windings characterised by the conductor shape, form or construction, e.g. with bar conductors
    • H02K3/24Windings characterised by the conductor shape, form or construction, e.g. with bar conductors with channels or ducts for cooling medium between the conductors
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K3/00Details of windings
    • H02K3/04Windings characterised by the conductor shape, form or construction, e.g. with bar conductors
    • H02K3/28Layout of windings or of connections between windings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Description

本発明は、車両等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機に関する。
従来、車両に搭載されて使用される回転電機として、回転可能に設けられ界磁として働く回転子と、該回転子と径方向に対向して配置され電機子として働く固定子とを備えたものが一般に知られている。そして、固定子は、周方向に配列された複数のスロットを有する円環状の固定子コアと、スロットに収容されて固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線よりなる固定子巻線とを備えている。
特許文献1には、固定子コアの軸方向端面から突出して固定子巻線の軸方向両端に形成される一対のコイルエンド部の冷却を均一化することによって、冷却性能を向上し得るようにした固定子が開示されている。この固定子の固定子巻線は、スロットに収容されるスロット収容部と、周方向に異なるスロットに収容されたスロット収容部同士をスロットの外部で接続しているターン部とを有する。
この場合、コイルエンド部を形成する複数のターン部は、固定子コアの軸方向端面から最も離間した部位に周方向に延びる頭頂部を有し、頭頂部は径方向に折れ曲がるクランク部を有している。そして、一方のコイルエンド部を形成する各ターン部に設けられたクランク部の径方向への折れ曲がり方向と、他方のコイルエンド部を形成する各ターン部に設けられたクランク部の径方向への折れ曲がり方向が、回転子の回転方向に対して同一にされている。これにより、回転子が回転した時に、回転子から遠心方向に向かって流れる冷却風や冷却液などの冷媒により、回転子の径方向外側に位置する両コイルエンド部を均一に冷却することが可能となる。
特開2010−115031号公報
ところで、例えばハイブリッド車両や電気自動車に搭載される走行用モータ(電動機)は、正逆両方向に回転可能な回転子が採用されている。このようなモータでは、回転子の回転方向によって、コイルエンド部の内部を流れる冷媒の流れが変化するため、正逆両方向のうちの一方において冷却性が低下することとなる。そのため、冷却性の低下により、導体線の外周面を被覆する絶縁皮膜が熱劣化したり溶融したりして、絶縁不良に至る恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転子の回転方向に関わりなくコイルエンド部の良好な冷却性能を得ることができる回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
周方向に配列された複数のスロット(31)を有する固定子コア(30)と、前記スロットに収容されて前記固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線(41U,41V,41W)よりなる固定子巻線(40)と、を備え、各前記スロットには前記相巻線が径方向1列に偶数本ずつ収容されている回転電機の固定子(20)において、
前記固定子巻線は、前記スロットに収容されるスロット収容部(51C)と、周方向に異なる前記スロットに収容された前記スロット収容部同士を前記スロットの外部で接続しているターン部(52A,52B)とを有するとともに、前記スロット内のN(Nは1以上の自然数)層目と(N+1)層目の前記スロット収容部同士が電気的に接続される波巻き構造を有し、
前記ターン部は、前記固定子コアの軸方向端面(30a)から最も離間した部位に周方向に延びる頭頂部(53A,53B)を有するとともに、前記頭頂部は径方向に折れ曲がるクランク部(54A,54B)を有し、
前記固定子コアの軸方向端面から突出する複数の前記ターン部により構成される円環状のコイルエンド部(40a)は、周方向全域において、周方向に隣り合う所定の前記ターン部の前記頭頂部同士が軸方向に重なる2層構造を有し、軸方向外側に位置する外側頭頂部(53A)の前記クランク部の折れ曲がり方向と軸方向内側に位置する内側頭頂部(53B)の前記クランク部の折れ曲がり方向が逆方向にされている。
この構成によれば、固定子コアの軸方向端面から突出する複数のターン部により構成される円環状のコイルエンド部は、周方向全域において、周方向に隣り合う所定のターン部の頭頂部同士が軸方向に重なる2層構造を有し、軸方向外側に位置する外側頭頂部のクランク部の折れ曲がり方向と軸方向内側に位置する内側頭頂部のクランク部の折れ曲がり方向が逆方向にされている。これにより、回転子が正逆どちらの方向に回転した場合でも、2層構造のうちの、軸方向外側に位置する外側頭頂部のクランク部と軸方向内側に位置する内側頭頂部のクランク部のどちらかに、回転子から冷媒を確実に流すことができる。そのため、回転子の回転方向に関わりなくコイルエンド部の良好な冷却性能を得ることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものであり、特許請求の範囲に記載された各請求項の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
実施形態1に係る固定子を搭載した回転電機の軸方向断面図である。 実施形態1に係る固定子の全体斜視図である。 実施形態1に係る固定子巻線の第1コイルエンド部を示す斜視図である。 実施形態1に係る固定子巻線に用いられる大小一組の導体セグメントの斜視図である。 実施形態1に係る固定子巻線に用いられる大小一組の導体セグメントを模式的に示す正面図である。 実施形態1に係る固定子巻線を構成する導体セグメントの断面図である。 実施形態1に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の径方向断面図である。 実施形態1に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の一部を示す部分斜視図である。 実施形態1に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の外側頭頂部の配置状態を示す説明図である。 実施形態1に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の外側頭頂部を模式的に示す説明図である。 実施形態1に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の内側頭頂部を模式的に示す説明図である。 実施形態1に係る固定子巻線のスター結線図である。 実施形態1に係る固定子巻線を構成する相巻線のうちU相巻線だけを示す巻線配置図である。 図13に示すU相巻線のうち並列巻線U1だけを示す巻線配置図である。 図13に示すU相巻線のうち並列巻線U2だけを示す巻線配置図である。 図13に示すU相巻線のうち並列巻線U3だけを示す巻線配置図である。 図13に示すU相巻線のうち並列巻線U4だけを示す巻線配置図である。 図13に示すU相巻線のうち並列巻線U5だけを示す巻線配置図である。 実施形態1において各A・Bスロットに収容されたU相巻線を構成する5本の並列巻線の配置状態を示す説明図である。 実施形態1において各A・Bスロットの1〜6層目に収容されたU相巻線を構成する5本の並列巻線の配置本数を示す説明図である。 実施形態2に係る固定子を搭載した回転電機の軸方向断面図である。 実施形態2に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の外側層コイルにおける冷却液の流れを示す説明図である。 実施形態2に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の内側層コイルにおける冷却液の流れを示す説明図である。 実施形態2に係る固定子巻線の第1コイルエンド部の外側層及び内側層コイルの複合により発生する冷却液の流れを示す説明図である。
以下、本発明に係る回転電機の固定子の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態に係る固定子20が搭載された回転電機1は、車両用電動機として使用されるものである。この回転電機1は、図1に示すように、有底筒状の一対のハウジング部材10a,10bが開口部同士で接合されてなるハウジング10と、ハウジング10に軸受け11,12を介して回転自在に支承される回転軸13に固定された回転子14と、ハウジング10内の回転子14を包囲する位置でハウジング10に固定された固定子20と、を備えている。
回転子14は、固定子20の内周側と径方向に対向する外周側に、周方向に所定距離を隔てて極性が交互に異なるように配置された複数の磁極を有する。これらの磁極は、回転子14の所定位置に埋設された複数の永久磁石により形成されている。回転子14の磁極の数は、回転電機により異なるため限定されるものではない。本実施形態では、10極(N極:5、S極:5)の回転子が用いられている。
次に、図2〜図20を参照して固定子20について説明する。固定子20は、図2及び図3に示すように、周方向に配列された複数のスロット31を有する円環状の固定子コア30と、固定子コア30のスロット31に分布巻きの波巻きで巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相、V相、W相)の相巻線41U,41V,41Wよりなる固定子巻線40と、各相巻線41U,41V,41Wとインバータ(図示せず)を電気的に接続するU相バスバー61、V相バスバー62及びW相バスバー63と、各相巻線41U,41V,41Wを電気的に接続して中性点を形成する中性線バスバー64とを備えている。
固定子コア30は、円環状の複数の電磁鋼板を固定子コア30の軸方向に積層して形成された一体型のものである。この固定子コア30は、円環状のバックコア33と、バックコア33から径方向内方へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース34とからなり、隣り合うティース34の間にスロット31が形成されている。固定子コア30に形成されたスロット31の数は、回転子14の磁極数(10磁極)に対し、固定子巻線40の一相あたりM(Mは2以上の自然数)個の割合で形成されており、スロット倍数がMとされている。本実施形態では、スロット倍数Mが2とされ、10×3×2=60より、スロット31の数は60個とされている。
固定子巻線40を構成する三相の相巻線41U,41V,41Wは、スロット31に収容されるスロット収容部51Cと、周方向に異なるスロット31に収容されたスロット収容部51C同士をスロット31の外部で接続しているターン部52A,52Bとを有する。この固定子巻線40は、U字形状をなす複数の導体セグメント50を固定子コア30の軸方向一端側からスロット31に挿入して、軸方向他端側に延出した一対の開放端部を互いに周方向反対側へ捻った後、所定の捻り部の端末同士を溶接等により接合して所定のパターンで電気的に接続することにより形成されている。
本実施形態では、基本となる導体セグメント50として、図4に示すように、大きさの異なる2種類の大小セグメント50A,50Bが採用されている。大セグメント50A及び小セグメント50Bは、矩形断面のコイル線材をそれぞれ異なる成形型で押圧成形することによりU字形状に形成されており、互いに平行な一対の直線部51A,51Bと、一対の直線部51A,51Bの一端同士を連結するターン部52A,52Bとからなる。大セグメント50Aと小セグメント50Bは、ターン部52A,52Bの延伸方向長さが異なる。
具体的には、大セグメント50Aのターン部52Aは、7スロットピッチの長さに形成され、小セグメント50Bのターン部52Bは、5スロットピッチの長さに形成されている。これにより、大セグメント50Aのターン部52Aは、小セグメント50Bのターン部52Bの軸方向外側に重なるように配置可能とされている。よって以下、大セグメント50Aのターン部52Aを「外側ターン部52A」と呼び、小セグメント50Bのターン部52Bを「内側ターン部52B」と呼ぶ場合もある。
ターン部52A,52Bの延伸方向(周方向)中央部で固定子コア30の軸方向端面30aから最も離間した部位には、軸方向端面30aと平行に周方向に延びる頭頂部53A,53Bが設けられている。この場合、図5に示すように、外側ターン部52Aの頭頂部(外側頭頂部)53Aの周方向長さL1は、内側ターン部52Bの頭頂部(内側頭頂部)53Bの周方向長さL2よりも所定長さだけ長くなるように設定されている。頭頂部53A,53Bの周方向中央部には、径方向に折れ曲がるクランク部54A,54Bが押圧成形により形成されている。各クランク部54A,54Bの径方向への折れ曲がり量は、1本の導体セグメント50の径方向幅と概ね同じにされている。また、各クランク部54A,54Bの径方向への傾き角度θは、それぞれが同じになるように統一されている。
ここで、軸方向外側に位置する大セグメント50Aの外側頭頂部53Aに形成されたクランク部54Aの径方向への折れ曲がり方向と、軸方向内側に位置する小セグメント50Bの内側頭頂部53Bに形成されたクランク部54Bの径方向への折れ曲がり方向が、逆方向となるようにされている。この場合、大セグメント50Aのクランク部54Aは、周方向一端側(図4の右側)から他端側(図4の左側)に向かうにつれて径方向外側(図4の奥側)へ寄るように折れ曲がっている。一方、小セグメント50Bのクランク部54Bは、周方向他端側(図4の左側)から一端側(図4の右側)に向かうにつれて径方向外側(図4の奥側)へ寄るように折れ曲がっている。
ターン部52A,52Bの頭頂部53A,53Bの周方向両側には、固定子コア30の軸方向端面30aに対して所定の角度で傾斜した斜行部55A,55Bが設けられている。本実施形態の場合には、図5に示すように、大セグメント50Aの斜行部(外側斜行部)55Aの傾斜角度α1と、小セグメント50Bの斜行部(内側斜行部)55Bの傾斜角度α2が同等にされている。また、ターン部52A,52Bの両側にある各斜行部55A,55Bと各直線部51A,51Bとの間には、成形型で押圧成形することによってくの字形状に曲げ加工された立ち上がり部56A,56Bがそれぞれ形成されている。この立ち上がり部56A,56Bは、固定子コア30の軸方向端面30aから露出した部位である。
これら大セグメント50A及び小セグメント50Bは、図6に示すように、断面形状が長方形の導体58と、導体58の外周面を被覆する絶縁被膜59とからなる角線で形成されている。そして、図7に示すように、固定子巻線40を構成する各相巻線41U,41V,41Wは、導体セグメント50の長方形断面の長辺に当たる面が固定子コア30の径方向を向く状態に配置されている。
固定子巻線40の軸方向一方側(図2の上方側)には、固定子コア30の軸方向端面30aから突出した多数のターン部52A,52Bの集合体により円環状の第1コイルエンド部40aが形成されている。また、固定子巻線40の軸方向他方側(図2の下方側)には、固定子コア30の軸方向端面30aから突出した多数の捻り部及び接合部の集合体により円環状の第2コイルエンド部40bが形成されている。
第1コイルエンド部40aは、図8に示すように、周方向に隣り合う所定の大セグメント50Aと小セグメント50Bのターン部52A,52Bの頭頂部53A,53B同士が軸方向に重なる2層構造を有する。即ち、軸方向外側に位置する大セグメント50Aの外側ターン部52Aにより外側層が形成され、軸方向内側に位置する小セグメント50Bの内側ターン部52Bにより内側層が形成されている。この場合、軸方向外側に位置する外側頭頂部53Aのクランク部54Aの径方向への折れ曲がり方向と、軸方向内側に位置する内側頭頂部53Bのクランク部54Bの径方向への折れ曲がり方向が逆方向にされている。
そして、図9に示すように、外側頭頂部53Aの径方向に並んだクランク部54A同士は、径方向への傾き角度θが同じにされて、互いに径方向の離間距離Sを保つように配置されている。この場合、外側頭頂部53Aのクランク部54Aは、径方向に延びる直線Xと直角に交わる直線Yに対して、周方向一端側(図9の右側)から他端側(図9の左側)に向かうにつれて径方向外側(図9の上側)へ傾き角度θで折れ曲がっている。これにより、図10に示すように、回転子14が矢印a方向に左回転した際に、回転子14から遠心方向に向かって流れる冷却風が、外側層の径方向に並んだ外側頭頂部53A同士の間を流れるようになり、冷却性が確保される。
また、内側頭頂部53Bの径方向に並んだクランク部54B同士は、外側頭頂部53Aの場合とは折れ曲がり方向が逆方向の傾き角度θで同じにされて、互いに径方向の離間距離Sを保つように配置されている。これにより、図11に示すように、回転子14が矢印b方向に右回転した際に、回転子14から遠心方向に向かって流れる冷却風が、内側層の径方向に並んだ内側頭頂部53B同士の間を流れるようになり、冷却性が確保される。
この固定子巻線40は、図12に示すように、それぞれ5本の並列巻線U1〜U5,V1〜V5,W1〜W5よりなる三相の相巻線41U,41V,41Wにより構成されており、各相巻線41U,41V,41Wの巻線端がスター結線(Y結線)で結線されている。以下、図13〜図20を参照して、固定子巻線40の巻線仕様について説明する。なお、固定子巻線40を構成する各相巻線41U,41V,41Wは、電気的位相が異なるだけで巻線仕様が同じであるため、それらの代表としてU相巻線41Uの巻線仕様について説明する。
図13は、固定子巻線40を構成する三相の相巻線41U,41V,41WのうちU相巻線41Uだけを示す巻線配置図である。また、図14〜図18は、図13に記載されたU相巻線41Uの巻回状態を容易に理解できるようにするために、U相巻線41Uを構成する各並列巻線U1〜U5のそれぞれの巻回状態を単独で記載した巻線配置図である。なお、本実施形態では、回転電機1の作動時に回転子14の鎖交磁束によって固定子20に形成される極数は、回転子14の磁極数に対応して10極となっており、並列巻線U1〜U5の並列数の倍数に設定されている。ここで極数の10は、2と並列巻線U1〜U5の並列数5の最小公倍数である。
なお、図13〜図18において、時計の12時方向の位置にある極を第1極とし、時計回り方向に順番に、第2極、第3極、・・・、第10極とする。また、図13〜図18においては、各並列巻線U1〜U5の第1コイルエンド部40a側の結線構造が実線で記載され、各並列巻線U1〜U5の第2コイルエンド部40b側の結線構造が破線で記載されている。ここで、各スロット31に6本ずつ収容されるU相巻線41Uのスロット収容部51Cは、固定子コア30の内周側から順番に、1層目、2層目、・・・、5層目、6層目とする。
また、U相巻線41Uが収容されるスロット31は、本実施形態ではスロット倍数Mが2とされていることから、固定子コア30に周方向に隣接して配置されたAスロットとBスロットが周方向に6スロットピッチで設けられている。これらのAスロット及びBスロットに収容される各並列巻線U1〜U5のスロット収容部は、巻き始め側から巻き終わり側に向かって順番に第1スロット収容部、第2スロット収容部、・・・、第24スロット収容部とする。
並列巻線U1は、図14に示すように、巻き始め側の第1スロット収容部が第1極のBスロットの6層目に収容され、第2スロット収容部が時計回り方向に6スロット離れた第2極のBスロットの5層目に収容されている。なお、第1スロット収容部の巻き始め側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、入力側引き出し線42U1とされている。次いで、第3スロット収容部が第3極のAスロットの6層目に収容され、第4スロット収容部が第4極のAスロットの5層目に収容されている。
次いで、第5スロット収容部が第5極のBスロットの4層目に収容され、第6スロット収容部が第6極のBスロットの3層目に収容されている。次いで、第7スロット収容部が第7極のAスロットの4層目に収容され、第8スロット収容部が第8極のAスロットの3層目に収容されている。次いで、第9スロット収容部が第9極のBスロットの2層目に収容され、第10スロット収容部が第10極のBスロットの1層目に収容されている。次いで、第11スロット収容部が第1極のAスロットの2層目に収容され、第12スロット収容部が第2極のAスロットの1層目に収容されている。
次の第13スロット収容部は、第3極のAスロットの1層目に収容されており、第1コイルエンド部40a側において、第12スロット収容部と渡り線45(図8参照)を介して接続されている。次の第14スロット収容部が反時計回り方向に6スロット離れた第2極のAスロットの2層目に収容されており、この第14スロット収容部から反時計回り方向への巻き戻しが開始される。次いで、第15スロット収容部が第1極のBスロットの1層目に収容され、第16スロット収容部が第10極のBスロットの2層目に収容されている。次いで、第17スロット収容部が第9極のAスロットの3層目に収容され、第18スロット収容部が第8極のAスロットの4層目に収容されている。
次いで、第19スロット収容部が第7極のBスロットの3層目に収容され、第20スロット収容部が第6極のBスロットの4層目に収容されている。次いで、第21スロット収容部が第5極のAスロットの5層目に収容され、第22スロット収容部が第4極のAスロットの6層目に収容されている。第23スロット収容部が第3極のBスロットの5層目に収容され、巻き終わり側の第24スロット収容部が第2極のBスロットの6層目に収容されている。なお、第24スロット収容部の巻き終わり側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、中性点側引き出し線43U1とされている。
並列巻線U1は、上記のように固定子コア30の各A・Bスロットに収容されて巻装されている。この場合、第1コイルエンド部40aを形成するターン部52A,52B(図14において実線)は、5スロットピッチの長さに形成された内側ターン部52Bと、7スロットピッチの長さに形成された外側ターン部52Aが周方向に交互に配置されている。また、第2コイルエンド部40bを形成する導体線(図14において破線)は、隣り合うスロット収容部同士を6スロットピッチで接続している。
並列巻線U2は、図15に示すように、巻き始め側の第1スロット収容部が第9極のBスロットの6層目に収容され、第2スロット収容部が時計回り方向に6スロット離れた第10極のBスロットの5層目に収容されている。即ち、並列巻線U2の巻き始めとなる第9極のBスロットは、並列巻線U1の巻き始めとなる第1極のBスロットから反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある。ここで角度72°は、360°を並列巻線U1〜U5の並列数(本実施形態では並列数が5)で除算した角度に相当する。そして、その後に続く並列巻線U2の第2〜第24スロット収容部は、並列巻線U1の第2〜第24スロット収容部と全く同様に、反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある各A・Bスロットに収容されている。
なお、並列巻線U2の第1スロット収容部の巻き始め側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、入力側引き出し線42U2とされている。また、並列巻線U2の第24スロット収容部の巻き終わり側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、中性点側引き出し線43U2とされている。
並列巻線U3は、図16に示すように、巻き始め側の第1スロット収容部が第7極のBスロットの6層目に収容され、第2スロット収容部が時計回り方向に6スロット離れた第8極のBスロットの5層目に収容されている。即ち、並列巻線U3の巻き始めとなる第7極のBスロットは、並列巻線U2の巻き始めとなる第9極のBスロットから反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある。そして、その後に続く並列巻線U3の第2〜第24スロット収容部は、並列巻線U2の第2〜第24スロット収容部と全く同様に、反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある各A・Bスロットに収容されている。
なお、並列巻線U3の第1スロット収容部の巻き始め側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、入力側引き出し線42U3とされている。また、並列巻線U3の第24スロット収容部の巻き終わり側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、中性点側引き出し線43U3とされている。
並列巻線U4は、図17に示すように、巻き始め側の第1スロット収容部が第5極のBスロットの6層目に収容され、第2スロット収容部が時計回り方向に6スロット離れた第6極のBスロットの5層目に収容されている。即ち、並列巻線U4の巻き始めとなる第5極のBスロットは、並列巻線U3の巻き始めとなる第7極のBスロットから反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある。そして、その後に続く並列巻線U4の第2〜第24スロット収容部も、並列巻線U3の第2〜第24スロット収容部と全く同様に、反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある各A・Bスロットに収容されている。
なお、並列巻線U4の第1スロット収容部の巻き始め側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、入力側引き出し線42U4とされている。また、並列巻線U4の第24スロット収容部の巻き終わり側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、中性点側引き出し線43U4とされている。
並列巻線U5は、図18に示すように、巻き始め側の第1スロット収容部が第3極のBスロットの6層目に収容され、第2スロット収容部が時計回り方向に6スロット離れた第4極のBスロットの5層目に収容されている。即ち、並列巻線U5の巻き始めとなる第3極のBスロットは、並列巻線U4の巻き始めとなる第5極のBスロットから反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある。そして、その後に続く並列巻線U5の第2〜第24スロット収容部も、並列巻線U4の第2〜第24スロット収容部と全く同様に、反時計回り方向に角度で72°ずれた位置にある各A・Bスロットに収容されている。
なお、並列巻線U5の第1スロット収容部の巻き始め側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、入力側引き出し線42U5とされている。また、並列巻線U5の第24スロット収容部の巻き終わり側端末は、第1コイルエンド部40a側(図14の手前側)に延出して、中性点側引き出し線43U5とされている。
以上のように巻装された並列巻線U1〜U5は、360°を並列巻線U1〜U5の並列数で除算した角度ずつ周方向にずれて回転対称となる位置に配置されている。この場合、各A・Bスロットには、U相巻線41Uを構成する並列巻線U1〜U5のスロット収容部51Cが径方向1列に偶数本ずつ(本実施形態では6本ずつ)収容されている。また、U相巻線41Uを構成する並列巻線U1〜U5は、各A・Bスロット内のN(Nは1以上の自然数)層目と(N+1)層目のスロット収容部51C同士が電気的に接続されている。本実施形態の場合には、N=1とされている。
そして、U相巻線41Uを構成する5本の並列巻線U1〜U5は、図19に示すように、各A・Bスロット内の全ての層において、M個(M=2で2個)のスロットに均等に配置されている。即ち、図20に示すように、並列巻線U1〜U5は、Aスロット及びBスロットの1〜6層目にそれぞれ2本ずつ均等に配置されている。
また、各A・Bスロット内の各層において、外側頭頂部53Aに繋がるスロット収容部と内側頭頂部53Bに繋がるスロット収容部が周方向に交互に配置されている(図13参照)。そして、軸方向外側に配置される外側ターン部52Aの外側斜行部55Aと、軸方向内側に配置される内側ターン部52Bの内側斜行部55Bは、周方向の少なくとも一部が接触している(図5参照)。この場合、図5に示された2本の外側ターン部52Aと内側ターン部52Bは、右側の外側斜行部55Aと内側斜行部55Bの一部が接触している。外側ターン部52Aの残りの非接触部は、図示されていない他の内側ターン部52Bの内側斜行部55Bと接触している。
そして、U相巻線41Uを構成する並列巻線U1〜U5の入力側引き出し線42U1〜42U5は、U相バスバー61を介してインバータと電気的に接続される。また、V相巻線41Vを構成する並列巻線V1〜V5の入力側引き出し線42V1〜42V5は、V相バスバー62を介してインバータと電気的に接続される。また、W相巻線41Wを構成する並列巻線W1〜W5の入力側引き出し線42W1〜42W5は、W相バスバー63を介してインバータと電気的に接続される。さらに、各相巻線41U,41V,41Wを構成する並列巻線U1〜U5,V1〜V5,W1〜W5の中性点側引き出し線43U1〜43U5,43V1〜43V5,43W1〜43W5は、中性線バスバー64を介して電気的に接続されて中性点を形成する。
以上のように構成された本実施形態の固定子20によれば、複数のターン部52A,52Bにより構成される円環状の第1コイルエンド部40aは、周方向全域において、周方向に隣り合う所定のターン部52A,52Bの頭頂部53A,53B同士が軸方向に重なる2層構造を有し、軸方向外側に位置する外側頭頂部53Aのクランク部54Aの折れ曲がり方向と、軸方向内側に位置する内側頭頂部53Bのクランク部54Bの折れ曲がり方向が逆方向にされている。これにより、回転子14が正逆どちらの方向に回転した場合でも、2層構造のうちの、軸方向外側に位置する外側頭頂部53Aのクランク部54Aと軸方向内側に位置する内側頭頂部53Bのクランク部54Bのどちらかに、回転子14から冷却風(冷媒)を確実に流すことができる。そのため、回転子14の回転方向に関わりなく第1コイルエンド部40aの良好な冷却性能を得ることができる。
また、本実施形態では、径方向に並んだクランク部54A,54B同士は、径方向への傾き角度θが同じにされ、互いに径方向の離間距離Sを保つように配置されている。そのため、径方向に並んだクランク部54A,54B同士の隙間を保つことで冷却風が流れるスペースを確保し、冷却風による冷却性を向上させることができる。
また、本実施形態では、固定子巻線40を構成する相巻線41U,41V,41Wは、断面形状が長方形の角線よりなり、長方形断面の長辺に当たる面が固定子コア30の径方向を向く状態に配置されている。これにより、回転子14が回転した時に、回転子14から遠心方向に流れる冷却風に対して相巻線41U,41V,41Wの接触面積を大きくすることができるので、冷却性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、外側頭頂部53Aの周方向長さL1は、内側頭頂部53Bの周方向長さL2よりも長くされている。固定子コア30からより遠く離れた位置に配置されている外側頭頂部53Aは、内側頭頂部53Bに比べて高温になることから、外側頭頂部53Aの周方向長さL1を長くして、回転子14から流れる冷却風による冷却性を向上させることで、局所的な温度上昇を防止することができる。
また、本実施形態では、スロット31内の各層において、外側頭頂部53Aに繋がるスロット収容部51Cと内側頭頂部53Bに繋がるスロット収容部51Cが周方向に交互に配置されているとともに、軸方向外側に配置される外側ターン部52Aの外側斜行部55Aと、軸方向内側に配置される内側ターン部52Bの内側斜行部55Bは、周方向の少なくとも一部が接触している。回転子14から流れる冷却風が、コイルエンド部40aの軸方向外側に位置する外側層コイルと軸方向内側に位置する内側層コイルのうち一方のコイルに沿って流れる際には、他方のコイルの冷却性が低下して温度が上昇し易い。そのため、外側層コイルと内側層コイルを周方向に交互に配置して、外側斜行部55Aと内側斜行部55Bが接触するように配置することで、外側層コイルと内側層コイルの熱の均一化を図ることができる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る固定子20が搭載された回転電機2は、実施形態1の回転電機1に対して、固定子巻線40の第1コイルエンド部40aに冷却液(液体冷媒)71を供給して冷却する冷却装置70が付加されている点で実施形態1のものと異なる。よって、実施形態1と共通する部材や構成については、同じ符号を付して詳しい説明は省略し、以下、異なる点及び重要な点について説明する。
実施形態2の回転電機2は、図21に示すように、有底筒状の一対のハウジング部材10a,10bが開口部同士で接合されてなるハウジング10と、ハウジング10に軸受け11,12を介して回転自在に支承される回転軸13に固定された回転子14と、ハウジング10内の回転子14を包囲する位置でハウジング10に固定された固定子20と、冷却装置70と、を備えている。なお、固定子20は、実施形態1と同じものである。
ハウジング10の下方部には、ハウジング10内の底部に溜まった冷却液71をハウジング10の外部に排出する排出口15が設けられている。また、実施形態2の回転軸13は、軸中心部を軸方向に延びる冷媒通路16と、冷媒通路16の軸方向両端部から放射方向に延びる複数の放出孔17とを有する。
冷却装置70は、固定子巻線40の第1及び第2コイルエンド部40a,40bに向けてそれぞれ冷却液71を滴下するノズル72,73と、各ノズル72,73及び回転軸13の冷媒通路16に冷却液71を搬送するポンプ74と、回収された冷却液71の熱を放出させる放熱器75と、を備えている。各ノズル72,73は、第1及び第2コイルエンド部40a,40bのそれぞれの上方部に向けて冷却液71を滴下するように、第1及び第2コイルエンド部40a,40bの鉛直方向上方に設置されている。これらノズル72,73とポンプ74と放熱器75は、冷却液搬送用の配管で排出口15と接続されており、冷却液71の循環回路上に設置されている。なお、冷却液71としては、例えばATF(冷却油)などの公知のものを採用することができる。
実施形態2の回転電機2は、固定子20の固定子巻線40への通電により運転が開始されると、回転子14の回転に伴って回転軸13が回転し、回転軸13から駆動力伝達装置等を介して他の機器に駆動力が供給される。これと同時に、冷却装置70のポンプ74及び放熱器75が作動を開始し、回転軸13の冷媒通路16及び各ノズル72,73に冷却液71が搬送される。
冷媒通路16に導入された冷却液71は、回転軸13の回転に伴って発生する遠心力により、各放出孔17から第1及び第2コイルエンド部40a,40bに放出される。第1及び第2コイルエンド部40a,40bに放出された冷却液71は、第1及び第2コイルエンド部40a,40bを伝って冷却しつつハウジング10の底部に落下する。また、各ノズル72,73から第1及び第2コイルエンド部40a,40bの上方部にそれぞれ滴下された冷却液71は、第1及び第2コイルエンド部40a,40bを伝って冷却しつつハウジング10の底部に落下する。
このとき、複数のターン部52A,52Bにより構成される第1コイルエンド部40aは、ターン部52A,52Bの頭頂部53A,53B同士が軸方向に重なる2層構造を有し、軸方向外側に位置する外側頭頂部53Aのクランク部54Aの折れ曲がり方向と、軸方向内側に位置する内側頭頂部53Bのクランク部54Bの折れ曲がり方向が逆方向にされている。そのため、2層構造のうち軸方向外側に位置する外側層コイルでは、図22に示すように、径方向外側から内側に向かって冷却液71が流れる。また、2層構造のうち軸方向内側に位置する内側層コイルでは、図23に示すように、径方向内側から外側に向かって冷却液71が流れる。
これにより、第1コイルエンド部40aの2層構造全体では、図24に示すように、外側層コイルを流れる冷却液71と内側層コイルを流れる冷却液71が複合することによって、第1コイルエンド部40aの外径側と内径側を往復するように蛇行して冷却液71が流れる。よって、第1コイルエンド部40aの広範囲に亘って冷却液71が流れるため、効率良く確実に冷却することができる。
なお、回転軸13の回転方向が逆になった場合でも、2層構造のうち、軸方向外側に位置する外側層コイルを流れる冷却液71と軸方向内側に位置する内側層コイルを流れる冷却液71の流れ方向が逆になるが、結果的には上記と同様に、第1コイルエンド部40aの外径側と内径側を往復するように蛇行して冷却液71が流れる(図24参照)。
その後、第1コイルエンド部40aから落下した冷却液71は、ハウジング10の底部に設けられた排出口15からポンプ74に戻され、ポンプ74から放熱器75を経由して低温化された後、再び回転軸13の冷媒通路16及び各ノズル72,73に搬送され、第1コイルエンド部40aに供給される。これにより、循環回路を循環する冷却液71により回転電機2の冷却が繰り返し行われる。
以上のように構成された本実施形態の回転電機2によれば、固定子巻線40の第1コイルエンド部40aが2層構造を有し、軸方向外側に位置する外側頭頂部53Aのクランク部54Aの折れ曲がり方向と、軸方向内側に位置する内側頭頂部53Bのクランク部54Bの折れ曲がり方向が逆方向にされている固定子20を備えている。そのため、回転子14の回転方向に関わりなく第1コイルエンド部40aの良好な冷却性能を得ることができるなど、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
さらに、実施形態2の回転電機2は、第1コイルエンド部40aに冷却液71を供給して冷却する冷却装置70を備えているため、第1コイルエンド部40aの広範囲に亘って流れる冷却液71によって、効率良く確実に冷却することができるので、より冷却性を向上させることができる。
なお、実施形態2では、第1コイルエンド部40aに対して、内周側に配置された回転軸13の冷媒通路16と外周側に配置されたノズル72,73とによって、径方向両側から冷却液71を供給するようにしているが、どちらか一方側だけから冷却液71を供給するようにしてもよい。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、上記の実施形態の固定子巻線40は、多数のU字形状の導体セグメント50を接続して構成されたものであるが、これに代えて、スロット31に収容される複数のスロット収容部と、異なるスロット31に収容されたスロット収容部同士をスロット31の外部で接続する複数のターン部とを有する波形導線で構成される固定子巻線を採用することができる。
また、上記の実施形態では、本発明に係る回転電機の固定子を車両用電動機に適用した例を説明したが、本発明は、車両に搭載される回転電機としての発電機あるいは電動機、さらには両者を選択的に使用し得る回転電機にも適用することができる。
1,2…車両用電動機(回転電機)、 20…固定子、 30…固定子コア、 30a…軸方向端面、 31…スロット、 40…固定子巻線、 40a…第1コイルエンド部、 41U,41V,41W…相巻線、 U1〜U5,V1〜V5,W1〜W5…並列巻線、 50…導体セグメント、 51C…スロット収容部、 52A…外側ターン部、 52B…内側ターン部、 53A…外側頭頂部、 53B…内側頭頂部、 54A…外側クランク部、 54B…内側クランク部、 55A…外側斜行部、 55B…内側斜行部、 70…冷却装置、 71…冷却液(液体冷媒)。

Claims (6)

  1. 周方向に配列された複数のスロット(31)を有する固定子コア(30)と、前記スロットに収容されて前記固定子コアに巻装されたそれぞれ電気的位相の異なる三相(U相,V相,W相)の相巻線(41U,41V,41W)よりなる固定子巻線(40)と、を備え、各前記スロットには前記相巻線が径方向1列に偶数本ずつ収容されている回転電機の固定子(20)において、
    前記固定子巻線は、前記スロットに収容されるスロット収容部(51C)と、周方向に異なる前記スロットに収容された前記スロット収容部同士を前記スロットの外部で接続しているターン部(52A,52B)とを有するとともに、前記スロット内のN(Nは1以上の自然数)層目と(N+1)層目の前記スロット収容部同士が電気的に接続される波巻き構造を有し、
    前記ターン部は、前記固定子コアの軸方向端面(30a)から最も離間した部位に周方向に延びる頭頂部(53A,53B)を有するとともに、前記頭頂部は径方向に折れ曲がるクランク部(54A,54B)を有し、
    前記固定子コアの軸方向端面から突出する複数の前記ターン部により構成される円環状のコイルエンド部(40a)は、周方向全域において、周方向に隣り合う所定の前記ターン部の前記頭頂部同士が軸方向に重なる2層構造を有し、軸方向外側に位置する外側頭頂部(53A)の前記クランク部の折れ曲がり方向と軸方向内側に位置する内側頭頂部(53B)の前記クランク部の折れ曲がり方向が逆方向にされている回転電機の固定子。
  2. 径方向に並んだ前記クランク部同士は、径方向への傾き角度θが同じにされ、互いに径方向の離間距離Sを保つように配置されている請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記固定子巻線を構成する前記相巻線は、断面形状が長方形の角線よりなり、長方形断面の長辺に当たる面が前記固定子コアの径方向を向く状態に配置されている請求項1又は2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記外側頭頂部の周方向長さL1は、前記内側頭頂部の周方向長さL2よりも長くされている請求項1〜3の何れか一項に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記スロット内の各層において、前記外側頭頂部に繋がる前記スロット収容部と前記内側頭頂部に繋がる前記スロット収容部が周方向に交互に配置されているとともに、
    軸方向外側に配置される外側ターン部(52A)の前記外側頭頂部と前記スロット収容部の間に位置する外側斜行部(55A)と、軸方向内側に配置される内側ターン部(52B)の前記内側頭頂部と前記スロット収容部の間に位置する内側斜行部(55B)は、周方向の少なくとも一部が接触している請求項1〜4の何れか一項に記載の回転電機の固定子。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の固定子(20)と、前記コイルエンド部に液体冷媒(71)を供給して冷却する冷却装置(70)と、を備えている回転電機。
JP2015152561A 2015-07-31 2015-07-31 回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機 Active JP6410104B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015152561A JP6410104B2 (ja) 2015-07-31 2015-07-31 回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機
DE102016114020.1A DE102016114020A1 (de) 2015-07-31 2016-07-29 Stator und drehende elektrische Maschine mit dem Stator

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015152561A JP6410104B2 (ja) 2015-07-31 2015-07-31 回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017034848A JP2017034848A (ja) 2017-02-09
JP6410104B2 true JP6410104B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=57795611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015152561A Active JP6410104B2 (ja) 2015-07-31 2015-07-31 回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6410104B2 (ja)
DE (1) DE102016114020A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017103128A1 (de) 2017-02-16 2018-08-16 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Spulensegment für eine Statorspule und Verfahren zur Herstellung eines Spulensegments
CN107968508A (zh) * 2018-01-25 2018-04-27 博远机电(嘉兴)有限公司 定子绕组结构及电机
JP6958504B2 (ja) * 2018-07-25 2021-11-02 株式会社デンソー 回転電機の固定子
JP7137418B2 (ja) * 2018-09-25 2022-09-14 株式会社小松製作所 ステータ、回転電機及び作業機械
DE102018125827A1 (de) * 2018-10-18 2020-04-23 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Stator für eine elektrische Maschine
DE102018125829A1 (de) * 2018-10-18 2020-04-23 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Stator für eine elektrische Maschine
DE102018218962A1 (de) * 2018-11-07 2020-05-07 Audi Ag Elektrische Maschine
JP7025361B2 (ja) * 2019-02-06 2022-02-24 本田技研工業株式会社 波巻コイルユニット、ステータ及びコイル挿入方法
JP7052767B2 (ja) * 2019-03-28 2022-04-12 株式会社デンソー 回転電機、およびその固定子
JP7365824B2 (ja) * 2019-08-27 2023-10-20 日立Astemo株式会社 回転電機の固定子および回転電機
DE112020004681T5 (de) * 2019-09-30 2022-07-07 Nidec Corporation Stator und motor
US12015317B2 (en) * 2019-09-30 2024-06-18 Nidec Corporation Stator and motor
JP2021093839A (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 本田技研工業株式会社 回転電機のステータ
JP6872289B1 (ja) * 2019-12-13 2021-05-19 三菱電機株式会社 回転電機およびその製造方法
JP6794590B1 (ja) * 2020-03-05 2020-12-02 株式会社東芝 回転電機の固定子および回転電機
JP2024060143A (ja) * 2022-10-19 2024-05-02 株式会社アイシン 回転電機用ステータ

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5163278B2 (ja) * 2007-05-30 2013-03-13 株式会社デンソー 回転電機の固定子
JP5453770B2 (ja) 2008-11-07 2014-03-26 株式会社デンソー 回転電機の固定子およびその製造方法
JP5516562B2 (ja) * 2011-02-09 2014-06-11 株式会社豊田自動織機 コイル、ステータ、コイルの製造方法
JP6394971B2 (ja) * 2015-02-19 2018-09-26 株式会社デンソー 回転電機の固定子
JP6394973B2 (ja) * 2015-02-19 2018-09-26 株式会社デンソー 回転電機
JP6394972B2 (ja) * 2015-02-19 2018-09-26 株式会社デンソー 回転電機の固定子
JP6439622B2 (ja) * 2015-07-31 2018-12-19 株式会社デンソー 回転電機の固定子
JP6477338B2 (ja) * 2015-07-31 2019-03-06 株式会社デンソー 回転電機の固定子

Also Published As

Publication number Publication date
DE102016114020A1 (de) 2017-02-02
JP2017034848A (ja) 2017-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6410104B2 (ja) 回転電機の固定子及びその固定子を備えた回転電機
JP6477338B2 (ja) 回転電機の固定子
JP6439622B2 (ja) 回転電機の固定子
CN105914913B (zh) 旋转电机
JP5942714B2 (ja) 回転電機
CN109075647B (zh) 旋转电机
JP5939446B2 (ja) 固定子及びその固定子を備えた回転電機並びにその固定子の製造方法
JP5541585B2 (ja) 回転電機
WO2016072481A1 (ja) 回転電機の固定子
JP6473824B2 (ja) 回転電機およびその製造方法
JP5502913B2 (ja) 回転電機
JP5862970B2 (ja) 回転電機
JP5417081B2 (ja) 回転電機
JP6159819B2 (ja) 固定子及びこれを備えた回転電機
JP6626514B2 (ja) 回転電機
US20130062978A1 (en) Electric rotating machine
JP5239571B2 (ja) 回転電機
JP6004819B2 (ja) 回転電機およびコイル製造方法
JP5949788B2 (ja) 回転電機
JP5680137B2 (ja) 回転電機
JP2017034873A (ja) 電動機
JP2014107875A (ja) 回転電機
JP2019103298A (ja) 回転電機
JP7283265B2 (ja) 回転電機
JPWO2013179488A1 (ja) 回転電機、回転電機用ステータおよび車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180912

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6410104

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250