JP6409581B2 - 改質土の強度予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カルシウム化合物を含んだ改質材と浚渫土とを混合し、養生して強度を改善した改質土を得る際に、得られる改質土の強度を事前に予測する方法に関する。
航路、泊地、河川等の浚渫により生ずる浚渫土の強度を改良して、改質土として再利用することが行われている。浚渫土は、主に水と土粒子とからなり、水と土粒子との質量比率(水/土粒子)で表される含水比が70〜250%程度と極めて高いことから、ダンプトラック等に山積みして搬送するのは困難である。そのため、これまでに浚渫土の処理が問題とされてきた。
近年では、浚渫土の強度を向上させる改質材を加えて混合し、干潟や浅場の造成工事に使用したり、海底の深堀れ窪地を処理するための埋め戻し工事に使用するなど、改質土としての利用が進みつつある。そのひとつに、改質材として製鋼スラグのほか、高炉水砕スラグや高炉スラグ微粉末を用いて改質土を得る方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
これは、改質材に含まれる遊離石灰等(フリーライム(f-CaO):遊離CaO及びCa(OH))のカルシウム成分と、浚渫土に含まれる珪素成分やアルミニウム成分とが水和反応を起こし、カルシウムシリケート系水和物(CaO-SiO-HO系水和物)やカルシウムアルミネート系水和物(CaO-AlO-HO系水和物)等が形成されることによって、強度が改良されると考えられる。そして、上記特許文献1には、改質土の一軸圧縮強度とフリーライム量との間に強い相関関係があることや、改質土の強度を発現させるためには少なくとも0.5質量%のフリーライム含有率が必要であることが記載されており、改質土の強度設計をする上で、改質材に含まれるフリーライム量がひとつの指標になり得る。
ところが、フリーライム量に基づき浚渫土と改質材との配合設計を行っても、実際に得られる改質土の一軸圧縮強度がばらつくことがあり、その場合には、事前に供試体を作製して所定の期間養生し(通常は28日)、一軸圧縮強度を測定する強度試験に頼らざるを得ないことになる。
そこで、予め、2種以上の試験用改質材を用意し、それぞれを蒸留水に入れて溶出するカルシウムイオン溶出量を測定して、添加対象の浚渫土に対して試験用改質材を配合して得られる各試験用改質土の一軸圧縮強度と前記カルシウムイオン溶出量との関係から相関式を求めておき、実際に浚渫土に添加する改質材のカルシウムイオン溶出量から、得られる改質土の一軸圧縮強度を予測する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2009−121167号公報 特開2014−12930号公報
上述した特許文献2のような方法によれば、実際に発現する改質土の一軸圧縮強度を事前に予測することができ、供試体を作製して養生した上で強度測定を行う従来の強度試験を省くことが可能になる。しかしながら、この方法についても改質土の一軸圧縮強度を精度良く予測する上では、まだ改良の余地があると考えられる。また、浚渫土の種類が変われば相関式も異なるため、ある浚渫土を用いて求めた相関式を別の浚渫土に適用することができず、浚渫土の種類ごとに相関式を作成しなければならないという汎用性の問題もある。
本発明は、これら従来技術の問題を鑑みてなされたものであり、改質材や浚渫土の種類が変わっても改質土の一軸圧縮強度を予測することが可能であり、しかも、実際に得られる改質土の強度と高い精度で一致させることができる強度予測方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、海水を用いた溶出試験における改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量と、pH12〜12.5のアルカリ性水溶液を用いた溶出試験時における浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量とを指標として用いることで、改質土で発現する一軸圧縮強度を精度良く把握することができると共に、改質土や浚渫土の種類が変わっても利用可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)カルシウム化合物を含んだ改質材と浚渫土とを混合し、養生して強度を改善した改質土を得る際に、得られる改質土の強度を予測する方法であって、
2種以上の試験用改質材を用意して、所定質量の試験用改質材を、それぞれ、同一成分かつ同一量の海水に入れて振盪する改質材溶出試験を行い、試験用改質材からのカルシウムイオンの溶出が飽和したときの改質材溶出液のpHから各試験用改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を算出し、
また、2種以上の試験用浚渫土を用意して、所定の乾燥質量の試験用浚渫土を、それぞれpHが12〜12.5の範囲における同一pHかつ同一量のアルカリ性水溶液に入れて振盪する浚渫土溶出試験を行い、試験用浚渫土からの珪素イオンの溶出が飽和したときの珪素イオン濃度から各試験用浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量を算出して、
これらの試験用改質材及び試験用浚渫土を各々組み合わせて配合して得た試験改質土の一軸圧縮強度と、前記水酸化物イオン溶出量と、前記珪素イオン溶出量との関係から相関式を求めた上で、
実際に改質土を得る改質材及び浚渫土について、それぞれの溶出試験に基づく単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量及び単位質量あたりの珪素イオン溶出量をもとに、前記相関式から改質土の一軸圧縮強度を予測することを特徴とする改質土の強度予測方法。
(2)前記改質材溶出試験では浚渫土と混合する利用有姿の改質材を用いて単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を算出し、また、前記浚渫土溶出試験では改質材と混合する利用有姿の浚渫土を用いて単位質量あたりの珪素イオン溶出量を算出する(1)に記載の改質土の強度予測方法。
(3)前記改質材溶出試験に用いる海水は、マグネシウムイオン濃度が0.3〜1.5g/Lであると共に、pHが8.0〜8.3である(1)又は(2)に記載の改質土の強度予測方法。
(4)前記浚渫土溶出試験に用いるアルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液である(1)〜(3)のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
(5)前記改質材溶出試験及び浚渫土溶出試験における振盪時間は、いずれも24時間以上である(1)〜(4)のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
(6)前記カルシウム化合物を含んだ改質材が、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末、消石灰、生石灰、及びセメントからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である(1)〜(5)のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
(7)前記浚渫土は、海域又は汽水域から浚渫された浚渫土である(1)〜(6)のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
(8)得られる改質土は海域環境の修復に用いられるものである(1)〜(7)のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
本発明によれば、カルシウム化合物を含んだ改質材と浚渫土とを混合し、養生して強度を改善した改質土を製造するにあたり、実際に発現する改質土の一軸圧縮強度を高い精度で予測することができ、しかも、改質土や浚渫土の種類が変わっても利用することができる。そのため、従来のように供試体を作製して所定の期間養生し、一軸圧縮強度を調べる強度試験を行う場合に比べて、短時間でかつ簡便に改質土の強度を予測することができ、しかも、汎用性に優れたものである。
図1は、改質材溶出試験によって溶出されるアルカリ溶出量と溶出時間との関係を示すグラフである。 図2は、改質材からのカルシウムイオン溶出量と水酸化物イオン溶出量との関係を示すグラフである。 図3は、種類の異なる浚渫土の粒度分布の一例を示すグラフである。 図4は、本発明に係る強度予測相関式から計算された改質土の一軸圧縮強度と、実測した改質土の一軸圧縮強度との関係を表すグラフである。 図5は、比較参照用として、改質土の一軸圧縮強度(実測値)と改質材溶出液のpHとの関係を表すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
先ず、本発明における改質土の強度が発現するメカニズムについて、カルシウム化合物を含んだ改質材と浚渫土とを混合すると、改質材に含まれる遊離石灰等のカルシウム成分が浚渫土の間隙水(成分組成はほぼ海水成分と同じと考えられる)に溶出し、間隙水中のカルシウムイオン濃度が上昇するに伴い、間隙水のpHが上昇する。一方、このカルシウムイオン濃度とpHが上昇した間隙水によって、浚渫土からは珪素イオンやアルミニウムイオンが溶出する。こうして、pHが上昇した間隙水中においてカルシウムイオンと珪素イオンやアルミニウムイオンとが水和反応を起こし、カルシウムシリケート系水和物(CaO-SiO-HO系水和物)やカルシウムアルミネート系水和物(CaO-AlO−HO系水和物)等が形成され、改質材と浚渫土とがこれらの水和物で結合されることで、改質土の強度が発現すると考えられる。
そして、本発明においては、海水を用いた溶出試験における改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量と、pH12〜12.5のアルカリ性水溶液を用いた溶出試験時における浚渫土の単位重量あたりの珪素イオン溶出量とを、実際に得られる改質土の一軸圧縮強度を予測する指標として用いるようにする。すなわち、改質材溶出試験によって改質材からのカルシウムイオンの溶出が飽和したときの改質材溶出液のpHから改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を算出すると共に、浚渫土溶出試験によって浚渫土からの珪素イオンの溶出が飽和したときの珪素イオン濃度から浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量を算出する。これらの溶出試験を利用する理由については、次のとおりである。
例えば、製鋼スラグのフリーライム量を測定するにあたり、通常は、セメント協会標準試験方法として定められるエチレングリコール法(JCAS I-01:1997)が使用されている。この方法では、指頭に感じない程度の細かさにすりつぶした細粉試料にエチレングリコールを加えて撹拌し、試料中の全ての遊離酸化カルシウム(f-CaO)を溶出させて、その含有率(%)を求めるようにする。
ところが、実際に改質土を得るにあたっては、製鋼スラグ等の改質材は粒度分布を有した状態で浚渫土と混合され、エチレングリコール法での測定試料のようにすりつぶして細粉化されることはない。また、製鋼スラグ等の改質材の表面に存在する遊離酸化カルシウムが水和固化反応に利用されても、粒子内部には、水和反応に利用されない遊離酸化カルシウムがそのまま残されると考えられる。そこで、本発明では、改質材を海水に入れて振盪する改質材溶出試験で測定された、改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を利用する。浚渫土についても同様に、所定のアルカリ性水溶液に入れて振盪する浚渫土溶出試験で測定された浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量を利用する。
ここで、改質材溶出試験については、土壌の汚染に係る環境基準を定める環境庁告示46号に規定の溶出試験(以下、「告示46号試験」と言う)に準拠することができるが、少なくとも、試料液の溶媒として海水を用いる点で相違する。すなわち、告示46号試験では、土壌中のカドミウムや全シアン等を検査する際に、純水に塩酸を加えて水素イオン濃度指数(pH)が5.8以上6.3以下となるようにした溶媒に対して、採取した土壌を入れて試料液とする。ところが、溶媒が純水では、改質土の一軸圧縮強度を予測する上で相応しくない。改質土を得るにあたっては、上述したように、カルシウム化合物を含んだ改質材と浚渫土とを混合して養生し、改質材から供給されるカルシウムイオンによって間隙水のカルシウムイオン濃度やpHが高くなり、上記のようなカルシウム系水和物が生成して強度が発現するが、例えば、改質材が製鋼スラグの場合、そのカルシウムイオン供給源はf−CaOやCS(すなわち2CaO・SiO)等のスラグ鉱物相であり、純水を用いて改質材の溶出試験を行うと、Caイオン量が800mg/l程度で飽和に至るためf−CaOが優先して溶解してカルシウムイオン濃度が高くなり、CSが十分に溶解できずに、製鋼スラグからのカルシウムイオン供給能を適切に評価することができない。
それに対して、海水では、下記式Aや式Bで表されるようなマグネシウムイオンによるpH緩衝効果や、海水中に含まれる硫酸イオンや炭酸イオンが製鋼スラグから溶出されるカルシウムイオンと反応して、下記式Cや式Dのように二水石膏や炭酸カルシウムとして沈殿することにより、製鋼スラグからのカルシウムイオンの溶出が促進されるため、f-CaOだけでなく、CSからのカルシウムイオン供給能を評価することができるようになる。これは、カルシウム化合物を含んだ他の改質材(例えば高炉スラグ微粉末等)の場合にも同様にして考えられる。
式A: Ca(OH)2 + Mg2+ ⇔ Ca2+ + Mg(OH)2
式B: 2CaO・SiO2+ 3H2O + 1.5Mg2+⇔ 2Ca2+ + H3SiO4 + 1.5Mg(OH)2
式C: Ca2+ + SO4 2−+ 2H2O ⇔ CaSO4・2H2O↓
式D: Ca2+ + CO3 2−⇔ CaCO3
上記のように、海水で溶出試験をする際に重要なことは、海水に含まれるマグネシウムイオンをはじめ、硫酸イオンや炭酸イオンによって、pH上昇抑制作用及び改質材からのカルシウムイオン溶出促進作用が十分に発揮されることである。改質材からはカルシウムイオンが溶出し、それに伴い溶媒中の水酸化物イオン濃度が上昇してpHが上昇するが、上記の式のとおり、マグネシウムイオンが水酸化マグネシウムとして、硫酸イオンが二水石膏として、炭酸イオンが炭酸カルシウムとして沈殿することにより、溶媒(海水)中のカルシウムイオン濃度や水酸化物イオン濃度が低減され、改質材からのカルシウムイオンの溶出が促進される。これら3つのイオンのうち、初めにマグネシウムイオンによるpH上昇抑制作用及び改質材からのカルシウムイオン溶出促進作用が発揮されるため、溶媒中のマグネシウムイオン濃度が特に重要である。そして、改質土中では、浚渫土の間隙水によって改質材成分が溶出され、実際の間隙水の組成はマグネシウムイオン濃度が0.3〜1.5g/Lの海水とほぼ同じ組成であることから、好ましくはこのようなマグネシウムイオン濃度の海水を用いて改質材溶出試験を行うのがよい。また、同様に、改質材溶出試験で用いる海水は、好ましくはpHが8.0〜8.3程度に調整されたものであるのがよい。
ところで、環境庁告示46号では、2mm以下の粒度調整した試料を用意し、粒度調整後の試料と溶媒とを質量体積比10%の割合で混合してポリ容器に入れ、このポリ容器を振盪溶出装置にセットして振盪回数を毎分200回、振盪幅を4cm以上5cm以下、室温を概ね25℃、及び常圧を概ね1気圧の条件で6時間の振盪溶出操作を実施する。溶出操作後、溶出液を10分から30分程度静置して、先ず、溶出液の上澄み液を採取して毎分約3000回転で20分間の遠心分離を行い、次いで、遠心分離後の上澄み液を孔径0.45マイクロメートルのメンブランフィルターでろ過して濾液を採取する。
本発明の改質材溶出試験においてもこれに準ずることができるが、上述したように、溶媒としてはマグネシウムイオン濃度が0.3〜1.5g/Lの海水を用いると共に、好ましくは、改質材は浚渫土と混合する利用有姿とし、更には、改質材からのカルシウムイオンの溶出が飽和するまで振盪するようにする。
図1には、振盪回数及び振盪幅を環境庁告示46号と同様にして、平行振盪装置を用いて、液固比10(海水4L、製鋼スラグ0.4kg)で製鋼スラグの溶出試験を行った例が示されている。但し、溶媒は海水を使用し、また、製鋼スラグは利用有姿のまま海水に入れた。その結果、溶出時間1000分(16.7時間)で水酸化物イオン溶出濃度(mol/L)がほぼ飽和することが分かった。そのため、海水に入れた改質材を少なくとも24時間連続振盪することで、十分に改質材のカルシウムイオン供給能を評価できると考えられる。なお、図1における水酸化物イオン溶出濃度(mol/L)は、pHの上昇分の全てがスラグからの溶出成分によって引き起こされたと考えて、下記式によってpHから換算したものである。
水酸化物イオン溶出濃度(mol/L)=10(溶出後の海水pH)−10(溶出前の海水pH−14)
ここで、図2に示したように、改質材からのカルシウムイオン溶出量と水酸化物イオン溶出量との間には相関がある。そのため、海水に入れた改質材を少なくとも24時間連続振盪することで、改質材からのカルシウムイオンの溶出が飽和したときの改質材溶出液のpHから各改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を求めることができる。なお、この図2は、後述する実施例において製鋼スラグA〜Gの試験用改質材の溶出試験で求めたカルシウムイオン溶出量と水酸化物イオン溶出量(表2)との関係をプロットしたものである。
一方、浚渫土溶出試験については、浚渫土をpHが12〜12.5のアルカリ性水溶液に入れて振盪する。上述したように、改質土中では、改質材から浚渫土の間隙水にカルシウムイオンが溶出し、それに伴い水酸化物イオン濃度が上昇してpHが上昇し、改質土中の間隙水のpHは最終的に12〜12.5程度になり、浚渫土はこの間隙水(カルシウムイオン濃度が高く、pHが高い溶液)によって溶出されると考えられることから、浚渫土溶出試験では、溶媒としてpH=12〜12.5のアルカリ性水溶液を用いるようにする。
このようなアルカリ性水溶液としては、溶出試験の最中に沈殿が生じないものを用いるのがよく、好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。仮に、水酸化カルシウム水溶液を用いると、浚渫土から溶出する珪素イオンやアルミニウムイオンと水酸化カルシウム溶液中のカルシウムイオンとが反応し、珪素イオンやアルミニウムイオンが水和物として沈殿してしまうため不都合である。
また、浚渫土の溶出試験では、アルカリ性水溶液量に対する浚渫土の乾燥質量を一定にして行うのがよい。すなわち、液固比10(アルカリ性水溶液1L、浚渫土の乾燥質量0.1kg)とするなどして、浚渫土の土粒子に含まれる珪素イオンの量を相対的に評価できるようにする。ただし、溶出試験を行う際には、乾燥させた浚渫土ではなく、浚渫した利用有姿のままの浚渫土をアルカリ性水溶液に入れるようにする。そして、この浚渫土溶出試験についても、環境庁告示46号に準じて行うことができ、浚渫土からの珪素イオンの溶出が飽和するまで振盪して、珪素イオンの溶出が飽和したときの珪素イオン濃度から浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量を算出する。このときの振盪時間については、改質材の場合と同様に浚渫土の溶出試験を行って確認したところ、好ましくは、アルカリ性水溶液に入れた浚渫土を少なくとも24時間連続振盪するのがよく、これによって、十分に浚渫土の珪素供給能を評価できると考えられる。なお、浚渫土から溶出する珪素イオンの形態としては、H4SiO4 0、H3SiO4 -、H2SiO4 2-、HSiO4 3-、SiO4 4-に加えて、H6Si4O7 2-などの珪素イオンの多量体を考慮する必要がある。
ここで、図3には、採取場所の異なる複数の浚渫土について、それぞれの粒度分布が示されており、ほとんどのものは粒径が1mm以下の土粒子で構成されていることが分かる。また、表1には、種類の異なる浚渫土X、Yについて、浚渫土溶出試験で求めた珪素イオン溶出量と改質土にした場合での一軸圧縮強度とが示されている。これらの浚渫土X、Yでは、珪素イオン溶出量と改質土にした場合の一軸圧縮強度とが同程度である。つまり、改質土にした場合の強度は、細粒分含有率(0.075mm未満)や粘土含有率(1/256mm以下)といった粒度構成に係る浚渫土の物理的因子よりも、むしろ溶出成分(珪素イオン溶出量)などの化学的因子の方が強く影響すると考えられる。このことは、先に述べた改質土の強度発現メカニズム(改質材と浚渫土とがカルシウムシリケート系水和物やカルシウムアルミネート系水和物等で結合される)からも推測できる。なお、アルミニウムイオンの溶出量は珪素イオン溶出量に比べて2オーダーほど小さく、検出下限以下に近い値であることから、本発明では、浚渫土溶出試験における珪素イオン溶出量のみを指標として用いている。
Figure 0006409581
また、本発明においては、予め用意した2種以上の試験用改質材と2種以上の試験用浚渫土とから、単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量と単位質量あたりの珪素イオン溶出量とを算出した上で、これらの試験用改質材及び試験用浚渫土を各々組み合わせて配合して、得られた試験改質土の一軸圧縮強度を測定する。試験改質土を得るにあたっては、実際に目的の改質土を得る場合と同様の割合で試験用改質材と試験用浚渫土とを配合し、所定の期間養生すればよい。また、一軸圧縮強度の測定は、JIS A 1216(土の一軸圧縮試験方法)に従うことができる。
そして、得られた試験改質土の一軸圧縮強度と、上記で求めた水酸化物イオン溶出量と、同じく珪素イオン溶出量との関係から、これらの相関式を求めるようにする。これらの関係については、各データの重回帰分析を行うことで以下の式(1)のように表すことができ、改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量と浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量とを変数として、改質土の一軸圧縮強度を表した積の関数となる(a、b、cは係数である)。
改質土の一軸圧縮強度=a×(改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量)×(浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量) …(1)
上述したように、改質土の一軸圧縮強度は、カルシウムシリケート系水和物の生成量が多いほど大きな値となると考えられる。ここで、5CaO・6SiO・5.5HOという水和物を例にとると、この水和物の生成反応は下記式(2)のように表されて、この水和物の生成反応式の平衡定数Kは下記式(3)のようになる。また、この式(3)を変形すると下記式(4)のように表される。
5Ca2+ + 6H3SiO4 -+ 4OH- ⇔ 5CaO・6SiO2・5.5H2O + 5.5H2O …(2)
平衡定数K=1/{[Ca2+]5 × [H3SiO4 -]6× [OH-]4} …(3)
[Ca2+]5 × [H3SiO4 -]6× [OH-]4 =1/平衡定数K …(4)
この式(2)では、左辺の5Ca2+、6H3SiO4 -、4OH-の濃度が高くなるほど、反応式が右辺に移動して水和物5CaO・6SiO2・5.5H2Oの生成量が多くなると言える(ルシャトリエの原理)。すなわち、改質土の間隙水に含まれるカルシウムイオン濃度、珪素イオン濃度、及び水酸化物イオン濃度が高くなるほど、カルシウムシリケート系水和物の生成量が多くなり、改質土の一軸圧縮強度が大きな値になると言える。この点について式(4)を使って溶解平衡の観点から考えると、改質土の間隙水に含まれるカルシウムイオン濃度(Ca2+)、珪素イオン濃度(H3SiO4 -)、水酸化物イオン濃度(OH-)を式(4)の左辺に代入して求めた値が、式(4)の右辺(1/平衡定数K)の値を超えるとカルシウムシリケート系水和物が生成すると考えることができ、カルシウムシリケート系水和物の生成量と、改質土の間隙水に含まれるカルシウムイオン濃度、珪素イオン濃度、水酸化物イオン濃度との間には積の関係があると推測される。また、カルシウムシリケート系水和物の生成量が多いほど、改質土の一軸圧縮強度は大きな値となると考えられることから、改質土の一軸圧縮強度と、改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量(改質材からのカルシウムイオン溶出量と相関あり)及び浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量との間にも同じく積の関数があると推測される。
そのため、目的の改質土を得る際には、実際に改質土を得る改質材及び浚渫土について、それぞれの溶出試験に基づく単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量及び単位質量あたりの珪素イオン溶出量をもとに、上記の相関式から改質土の一軸圧縮強度を精度良く予測することが可能になる。また、本発明を用いることで、単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を把握した2種以上の改質材を組み合わせたり、単位質量あたりの珪素イオン溶出量を把握した2種以上の浚渫土を組み合わせたりすることで、事前に求めた相関式に基づき、用途に応じて自由に一軸圧縮強度を設計しながら目的の改質土を製造することができるようにもなる。
本発明で用いる浚渫土は、高い含水比(一般には含水比70〜250%程度)を有して、主に水と土粒子とからなるものであり、総じて浚渫により生じたものを用いることができ、例えば、港湾の航路や泊地を拡げる目的や、海底の汚泥・底質汚染を除去する目的等で発生した海底浚渫土を例示することができる。なかでも好適には、海域又は汽水域から浚渫された浚渫土である。
一方の改質材としては、カルシウム化合物を含み、浚渫土と混合して養生する際にカルシウムイオンを溶出するものであればよく、例えば、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末、消石灰、生石灰、セメント等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
ここで、製鋼スラグとは、鉄鋼製造プロセスで副産物として産出されるものであり、転炉や電気炉等の製鋼炉において、銑鉄やスクラップから不要な成分を除去して、靭性・加工性のある鋼にする製鋼工程で生じる石灰分を主体としたものである。具体的には、転炉スラグ、予備処理スラグ、脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、電気炉還元スラグ、電気炉酸化スラグ、二次精錬スラグ、造塊スラグ等を挙げることができる。また、高炉スラグ微粉末とは、銑鉄を製造する製銑過程で生成する溶融状態の高炉スラグに加圧水を噴射するなどして水砕し、急激に冷却した高炉水砕スラグを微粉砕したものである。
また、改質材と浚渫土とを混合する手段については特に制限されず、公知の方法を採用することができる。更に、混合した後の養生方法については、気中養生、水中養生等の一般的な改質土を得るための方法を用いることができ、用途等に応じて養生日数を適宜選択すればよい。
本発明によって得られた改質土は、例えば、海域の潜堤を構築したり、干潟や浅場の造成工事に使用することができるほか、藻場の造成、深堀れ窪地を処理する埋め戻し工事、海面埋め立て工事等に利用することができ、なかでも、海域環境の修復・再生に好適に用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
[試験用改質材の溶出試験]
カルシウム化合物を含んだ改質材として、表2に示したように、製鐵所で回収した7種類の製鋼スラグA〜Gを用意した。これらについては、JIS A 1102の粒度試験に基づき篩い分けを行ったものであり、JIS A 5015「道路用鉄鋼スラグ」に基づくCS-20、CS-30、CS-40のいずれかの規格を満たすように粒度分布が調合されている。また、表2に示したf−CaO含有率(%)は、エチレングリコール法(JCAS I-01:1997)に基づき測定した値である。すなわち、それぞれの製鋼スラグをめのう乳鉢ですりつぶした後、80℃に加熱したエチレングリコールを加え、更にフェノールフタレイン指示薬を数滴加えて撹拌しながら遊離酸化カルシウムを5分間溶出させ、酢酸アンモニウム標準液で滴定して求めた。更に、製鋼スラグの細粒分含有率(%)は、5mmの篩いを通過する粒子の質量を全体の質量で除した比率である。
Figure 0006409581
上記で用意した製鋼スラグ(試験用改質土)A〜Gについて、告示46号試験に準じて、次のようにして、それぞれを個別に海水に入れて溶出試験を行った。
先ず、下記表3に示した成分を有してマグネシウムイオン濃度が0.6g/Lであり、pHが8.0である人工海水1.0Lをポリ瓶に入れた。そして、0.1kgの製鋼スラグAを有姿のままポリ瓶に入れて、製鋼スラグAに係る試料液とした。その他の製鋼スラグについても同様にして、製鋼スラグA〜Gについて、それぞれ液固比10(海水1.0L、スラグ0.1kg)の試料液を準備した。
Figure 0006409581
次いで、製鋼スラグA〜Gに係る各試料液について、それぞれのポリ瓶を平行振盪装置に載せて、振幅4cm以上5cm以下、振盪回数を200rpmとして、連続24時間振盪する溶出試験を行った。溶出操作後、溶出液を10分から30分程度静置して、先ず、溶出液の上澄み液を採取して毎分約3000回転で20分間の遠心分離を行い、次いで、遠心分離後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過して濾液を採取し、JIS K0102 12.1に準拠して濾液のpHを測定し、改質材溶出液濾液のpHから改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を算出した。その結果を表2に示す。ここでは、人工海水のpHが8.0であるため、人工海水の水酸化物イオン濃度は10(8−14)(mol/L)と計算される。同様にして、改質材溶出液濾液のpHの水酸化物イオン濃度は10(溶出液濾液pH−14)(mol/L)となり、この差分を改質材からの水酸化物イオン溶出量として、改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量(mmol/kg)={10(溶出液濾液pH−14)−10(8−14)}÷0.1×1000を求めた。
[試験用浚渫土の溶出試験]
また、浚渫土として、表4に示したように、海域で採取した2種類の浚渫土I、IIを用意した。ここで、表中の細粒分含有率(0.075mm未満)とは、JIS A 1223の土の細粒分含有率試験方法から得られた値である。また、強熱減量はJIS A 1226に準拠する強熱減量試験から得られた値であり、液性限界、塑性限界、及び塑性指数は、それぞれJIS A 1205の土の液性限界・塑性限界試験方法より求めたものである。
Figure 0006409581
上記で用意した2種類の浚渫土(試験用浚渫土)I、IIについて、それぞれをpHが12.0の水酸化ナトリウム水溶液に入れて24時間振盪する溶出試験を行った。このとき、浚渫土の乾燥質量を基準に液固比10(水酸化ナトリウム水溶液1L、浚渫土の乾燥質量0.1kg)となるようにして、乾燥させていない利用有姿の浚渫土をそれぞれ水酸化ナトリウム水溶液に入れて試料液を準備した。また、それ以外については告示46号試験に準じるようにして、改質材の溶出試験と同様にした。
溶出試験の終了後は、ICP発光分光分析法により溶出液の珪素イオン濃度とアルミニウムイオン濃度とを測定して、浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量とアルミニウムイオン溶出量とを算出した。その結果は表4に示したとおりであるが、アルミニウムイオン溶出量は検出下限(0.01mg/L)以下の値であった。
[試験用改質土の作製]
上記で準備した浚渫土Iと製鋼スラグAとを容積比70:30にして(浚渫土Iを容積比率70%、製鋼スラグAを容積比率30%)、電動式ハンドミキサーを用いて撹拌混合した後、φ100mm×L200mmのモールドに詰めて成型し、20℃、湿度60%の恒温室で28日間気中養生して試験改質土I-Aを得た。このようにして得られた試験改質土I-Aについて、JIS A 1216に基づき一軸圧縮強度を測定し、サンプル数3(n=3)としてその平均を求めたところ、174kN/mであった。同様にして、製鋼スラグと浚渫土との組み合わせを変えて配合し、養生して得た試験改質土I-B〜G、II-A〜Gの一軸圧縮強度を測定した。サンプル数3での平均値を表5にまとめて示す。
Figure 0006409581
[強度予測式(相関式)の算出]
上記の溶出試験で得られた各試験用改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量(表2)と各試験用浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量(表4)とを変数として、試験改質土の一軸圧縮強度(養生28日目)(表5)を表わす積の関数について、表計算ソフト(マイクロソフト・エクセル)を用いて重回帰分析を行い算出したところ、次の式(1’)で表される改質土の強度予測相関式が得られた。
改質土の一軸圧縮強度(養生28日目)=0.204×(改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量)1.260×(浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量)1.197 …(1’)
上記で得られた強度予測式(1’)を用いて、例えば試験改質土I-Aの一軸圧縮強度を算出すると86kN/mとなる。同様にして計算された各改質土の一軸圧縮強度について、先の表5の各欄下段の括弧内に示した。また、この強度予測式(1’)を用いて計算された改質土I-A〜G、II-A〜Gの一軸圧縮強度と実測されたそれらの値との関係をまとめると図4のようになる(図4中、〇は改質土I-A〜Gの一軸圧縮強度の実測値であり、△は改質土II-A〜Gの一軸圧縮強度の実測値である)。ちなみに、比較参照用として、図5には、改質土の一軸圧縮強度(実測値)と改質材の溶出液濾液のpHとの関係をまとめた。
この図5では、改質土の一軸圧縮強度と改質材溶出液のpHとの間に正の相関関係が見られるが、浚渫土が変わると相関式が異なることが分かる(浚渫土Iの場合は〇、浚渫土IIの場合は△で示す)。これに対して、図4に示したとおり、本発明に従えば、浚渫土が変わっても同じ相関式で改質土の一軸圧縮強度を予測できることが分かる。
[強度予測実験]
上記で得られた強度予測式(1’)を利用して、製鋼スラグH、Iを改質材として、浚渫土IIIを用いて改質土を製造する場合の強度を予測した。
製鋼スラグH、Iは大きさがJIS A 5015「道路用鉄鋼スラグ」に基づくCS-20の規定を満たすものであって、表6に示したような性状を有しており、これらの製鋼スラグH、Iを400g用意し、上記と同様にして人工海水(pH=8.0)を用いた溶出試験を行ったところ、24時間連続振盪した後の改質材溶出液濾液のpHは表6に示すとおりであった。また、浚渫土IIIは表7に示した性状を有しており、この浚渫土IIIを0.1kg用意し、上記と同様にしてpHが12.0の水酸化ナトリウム水溶液を用いた溶出試験を行ったところ、24時間連続振盪した後の浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量とアルミニウムイオン溶出量は表7に示すとおりであった。
Figure 0006409581
Figure 0006409581
そして、容積比30%の製鋼スラグH、Iに対して容積比70%の浚渫土IIIを混合して養生するとして、先の強度予測式(1’)に基けば、それぞれ163kN/m、77kN/mの一軸圧縮強度を備えた改質土が得られることが予想される。
次に、先の試験用改質土の作製手順と同様にして、実際に、製鋼スラグH、Iに対してそれぞれ浚渫土IIIを上記割合で撹拌混合した後、モールドに詰めて成型して、20℃、湿度60%の恒温室で28日間気中養生して改質土を得た。そして、得られた改質土の一軸圧縮強度をサンプル数3(n=3)で測定したところ、表8に示したように、一軸圧縮強度の平均値はそれぞれ158kN/m、89kN/mであり、先の強度予測式(1’)を用いて予測した値と極めて近い値であることが確認された。
Figure 0006409581

Claims (8)

  1. カルシウム化合物を含んだ改質材と浚渫土とを混合し、養生して強度を改善した改質土を得る際に、得られる改質土の強度を予測する方法であって、
    2種以上の試験用改質材を用意して、所定質量の試験用改質材を、それぞれ、同一成分かつ同一量の海水に入れて振盪する改質材溶出試験を行い、試験用改質材からのカルシウムイオンの溶出が飽和したときの改質材溶出液のpHから各試験用改質材の単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を算出し、
    また、2種以上の試験用浚渫土を用意して、所定の乾燥質量の試験用浚渫土を、それぞれpHが12〜12.5の範囲における同一pHかつ同一量のアルカリ性水溶液に入れて振盪する浚渫土溶出試験を行い、試験用浚渫土からの珪素イオンの溶出が飽和したときの珪素イオン濃度から各試験用浚渫土の単位質量あたりの珪素イオン溶出量を算出して、
    これらの試験用改質材及び試験用浚渫土を各々組み合わせて配合して得た試験改質土の一軸圧縮強度と、前記水酸化物イオン溶出量と、前記珪素イオン溶出量との関係から相関式を求めた上で、
    実際に改質土を得る改質材及び浚渫土について、それぞれの溶出試験に基づく単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量及び単位質量あたりの珪素イオン溶出量をもとに、前記相関式から改質土の一軸圧縮強度を予測することを特徴とする改質土の強度予測方法。
  2. 前記改質材溶出試験では浚渫土と混合する利用有姿の改質材を用いて単位質量あたりの水酸化物イオン溶出量を算出し、また、前記浚渫土溶出試験では改質材と混合する利用有姿の浚渫土を用いて単位質量あたりの珪素イオン溶出量を算出する請求項1に記載の改質土の強度予測方法。
  3. 前記改質材溶出試験に用いる海水は、マグネシウムイオン濃度が0.3〜1.5g/Lであると共に、pHが8.0〜8.3である請求項1又は2に記載の改質土の強度予測方法。
  4. 前記浚渫土溶出試験に用いるアルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
  5. 前記改質材溶出試験及び浚渫土溶出試験における振盪時間は、いずれも24時間以上である請求項1〜4のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
  6. 前記カルシウム化合物を含んだ改質材が、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末、消石灰、生石灰、及びセメントからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
  7. 前記浚渫土は、海域又は汽水域から浚渫された浚渫土である請求項1〜6のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
  8. 得られる改質土は海域環境の修復に用いられるものである請求項1〜7のいずれかに記載の改質土の強度予測方法。
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