JP2001316143A - 製鋼スラグの処理方法、ならびに土中埋設用材料の製造方法および港湾土木用材料の製造方法 - Google Patents
製鋼スラグの処理方法、ならびに土中埋設用材料の製造方法および港湾土木用材料の製造方法Info
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Abstract
実に低減することができる製鋼スラグの処理方法を提供
すること。 【解決手段】 製鋼スラグの処理方法は、フッ素を含有
する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少な
くとも一方からなるセメント物質、および硫酸根を含む
粉末を添加混合して製鋼スラグを安定化する。
Description
的に発生する、例えば溶銑予備処理スラグ、転炉スラ
グ、電気炉スラグさらには二次精錬スラグといった、フ
ッ素を含む製鋼スラグを安定化する製鋼スラグの処理方
法、ならびに土中埋設用材料の製造方法および港湾土木
用材料の製造方法に関する。
ン、硫黄、珪素等の不純物を除去するために、製鋼スラ
グを用いる。製鋼スラグには、スラグの融点を下げて流
動性を向上させ、スラグと溶鋼との反応性を高めるため
に、螢石(CaF2)が添加されることが一般的であ
る。
国の製鋼スラグの排出総量は約1000万トンにも達
し、そのうちの約570万トンが土木工事および埋め立
てに用いられた。製鋼スラグがフッ素を含有している場
合には、スラグが水と接触するとフッ素が溶出する。近
時、環境問題への関心の高まりに伴い、このようなスラ
グからのフッ素溶出量を低減することが検討されてい
る。
低減方法として、水渡らは、先に材料とプロセス(1999
年、12巻、147〜149頁)において、カルシウムアルミネ
ートを含む二次精錬スラグ、または、カルシウムアルミ
ネートの合成化合物を製鋼スラグに添加混合し、フッ素
を含む製鋼スラグの安定化処理を行う方法を提案した。
渡らの提案した方法では、いずれの場合もカルシウムア
ルミネートの水和反応が完了した後にはフッ素の固定化
効果を期待することはできず、スラグからフッ素溶出量
を低減する効果の持続性が低いという問題がある。ま
た、二次精錬の内容によっては、二次精錬スラグがカル
シウムアルミネートを含有せず、鉄鋼スラグの安定化処
理に用いることができない場合もある。
であって、フッ素溶出量を長期間にわたって安定かつ確
実に低減することができる製鋼スラグの処理方法を提供
すること、および、製鋼スラグを原料としてフッ素溶出
量が少ない土中埋設材料または港湾土木用材料を製造す
る方法を提供することを目的とする。
有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少
なくとも一方からなるセメント物質、および硫酸根を含
む粉末を添加混合して安定化することを特徴とする製鋼
スラグの処理方法を提供する。このような処理により、
硫酸根を含む物質から溶出した硫酸イオンがセメント物
質と反応して生成されるエトリンガイトやモノサルフェ
ートやCaO−SiO2−H2O−SO 4系化合物中に
フッ素を固定して、製鋼スラグからのフッ素溶出量を低
減することができる。
に、石膏、およびアルミニウム系イオンを溶出する物質
を添加混合して安定化することを特徴とする製鋼スラグ
の処理方法を提供する。このような処理によっても、ア
ルミニウム系イオンを溶出する物質からのアルミニウム
系イオンが石膏と反応して生成されるエトリンガイトや
モノサルフェート中にフッ素を固定して、フッ素溶出量
を低減することができる。
は水の存在下で進行するので、これらを混合し、水の存
在下で反応させて鉄鋼スラグを安定化することが好まし
い。この場合、製鋼スラグに、上記セメント物質および
硫酸根を含む粉末、または、石膏およびアルミニウム系
イオンを溶出する物質を添加混合した後に、野積み状態
として製鋼スラグ中に含有される水分や、散水や降雨に
よって加わる水分によって常温で反応を進行させてもよ
いが、加温したり、蒸気養生したりすることによって確
実にフッ素を固定化することができる。蒸気養生する場
合には、蒸気は温度の上昇手段だけでなく、水和反応を
行わせるための反応物質としても機能する。さらに、こ
の反応をオートクレーブ中で進行させると100℃以上
に加温しながら加圧できるため、一層確実にフッ素の固
定を行うことができる。
に、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方から
なるセメント物質および水和遅延剤を添加混合して製鋼
スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理
方法を提供する。このような処理により、セメント物質
に含まれるカルシウムアルミネート、カルシウムシリケ
ート、カルシウムアルミニウムシリケートが水和する際
にフッ素を固定するので、フッ素溶出量を低減すること
ができ、かつ、水和遅延剤によりこれらカルシウムアル
ミネート等の水和反応を徐々に進行させ、これらカルシ
ウムアルミネート等のうちフッ素の固定化に寄与してい
ないものの水和反応を抑制するので、効率よくフッ素を
固定することができ、かつ、フッ素溶出量低減効果を長
時間持続させることができる。
に、カルシウムアルミネートを含有する粉末および水和
遅延剤を添加混合して製鋼スラグを安定化することを特
徴とする製鋼スラグの処理方法を提供する。このような
処理によっても、水和遅延剤により、フッ素の固定化に
寄与していないカルシウムアルミネートの水和反応が抑
制され、効率的にフッ素を固定することができ、フッ素
溶出量低減効果を長時間持続させることができる。
製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくと
も一方からなるセメント物質を添加混合して製鋼スラグ
を安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法を
提供する。このような処理により、溶融状態のスラグと
セメント物質とを均一に混合して、カルシウムアルミネ
ート、カルシウムシリケート、カルシウムアルミニウム
シリケートによるフッ素固定反応を効率よく行なわせる
ことができ、より高いフッ素溶出量低減効果を長時間持
続して得ることができる。
に、第1発明から第5発明のいずれかの処理を施し、土
中埋設用材料とすることを特徴とする土中埋設用材料の
製造方法を提供する。
に、第1発明から第5発明のいずれかの処理を施し、港
湾土木用材料とすることを特徴とする港湾土木用材料の
製造方法を提供する。
する。まず、本発明の第1の実施形態について説明す
る。本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼スラ
グに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方か
らなるセメント物質、および硫酸根を含む粉末を添加す
ることにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への
溶出を低減する。
品セメントでもセメント原料(セメントクリンカー)で
もよく、また両者の混合物であってもよい。また、両者
の中間的な材料であってもよい。ここで、セメントとし
ては、例えばポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、超早強ポルトランドセメント、中よう熱ポル
トランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高
炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト、アルミナセメント、膨張セメント、油井セメント、
地熱井セメント等が例示され、これらのうちの1種また
は2種以上の組合せであることが挙げられる。また、セ
メント原料としては、上記セメントのクリンカーが例示
され、これらのうち1種または2種以上の組み合わせを
用いることができる。また、硫酸根を含む粉末として
は、石膏、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸
ナトリウム、および硫酸鉄等の粉末が例示され、これら
のうち1種または2種以上の組み合わせを用いることが
できる。
加した場合と、製鋼スラグにセメント物質とともに硫酸
根を含む粉末を添加した場合とのフッ素溶出量を比較し
た実験結果について述べる。まず、セメント物質として
ポルトランドセメントのみを製鋼スラグに添加し、平成
3年環境庁告示46号に従ってフッ素の溶出試験を行っ
た場合、スラグ100重量部に対して2重量部の添加で
もフッ素溶出量低減効果は得られ、添加量が多いほどフ
ッ素溶出量低減効果は増大した。セメント物質の添加量
を40重量部まで増加させると、製鋼スラグからのフッ
素溶出量を0.8mg/L以下まで低減することができ
た。
に硫酸根を含む粉末として石膏を製鋼スラグに添加し、
平成3年環境庁告示46号に従ってフッ素の溶出試験を
行った場合、製鋼スラグ重量に対してポルトランドセメ
ントを20重量部、石膏を3重量部添加することによっ
て、ポルトランドセメントのみを40重量部添加した場
合と同等に、フッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低
減することができた。
物質とともに硫酸根を含む粉末を添加することによっ
て、より少ない量のセメント物質により効果的にフッ素
溶出量を低減することができる。セメント物質の添加量
の上昇は、スラグ処理の高コスト化を招き、また処理後
のスラグ量が増大してハンドリング性を悪化させるが、
セメント物質とともに硫酸根を含む粉末を添加すること
によりセメント物質添加量を低く抑えることができるの
で、スラグ処理を低コスト化することができ、処理後の
スラグ量を低減することができる。
カニズムは、以下のように説明される。水の存在下にお
いて、製鋼スラグからはCa2+イオンが溶出し、セメ
ント物質に含まれるカルシウムアルミネート、カルシウ
ムアルミニウムフェライト等からカルシウムイオン(C
a2+イオン)およびアルミニウムイオン(pH値が
5.1以上でAlO2 2−イオン)が溶出する。これら
のイオンが硫酸根を含む化合物から溶出した硫酸イオン
(SO4 2−イオン)と反応することにより、エトリン
ガイトおよびモノサルフェートを生成し、この生成反応
の過程で一部の硫酸イオンがスラグから溶出したフッ素
イオン(F−イオン)と置換され、エトリンガイトおよ
びモノサルフェート中にフッ素が固定されるものであ
る。エトリンガイト生成に伴うフッ素の固定化機構は
(1)式で表される。
サルフェート中へのフッ素の固定化機構は(2)式およ
び(2)’式で表される。
に含まれるカルシウムシリケート、カルシウムアルミニ
ウムシリケート等からカルシウムイオン(Ca2+イオ
ン)およびシリコンイオン(pH値が10以上でHSi
O3 −イオン、12以上でSiO3 2−)が溶出する。
これらのイオンが硫酸根を含む化合物から溶出した硫酸
イオン(SO4 2−イオン)と反応することにより、C
a10(SiO4)3(SO4)3(OH)2やCa5
[(Si,S)O4]3(OH)等のCaO−SiO2
−H2O−SO4系化合物を生成し、この生成反応の過
程でスラグから溶出したフッ素イオン(F−イオン)が
水酸基(OH−イオン)サイトに組み込まれて固定され
るものである。
酸イオンと反応してCa10(SiO4)3(SO4)
3[(OH)1−yFy]2が生成する反応は(3)式
で表される。
オンがフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa5
[(Si,S)O4]3(OH,F)が生成する。
4−F系化合物の生成によるフッ素イオンの固定化のほ
かに、硫酸イオンが関与しない反応によってCa5(S
iO 4)2(OH,F)2およびCa6Si2O7(O
H)6等のCaO−SiO2−H2O−F系化合物およ
びゲル状CaO−SiO2−H2O−F系非晶質化合
物、Ca2Al2SiO6(OH,F)2等のCaO−
Al2O3−SiO2−H2O−F系化合物が生成し、
フッ素が固定化される。
物質および硫酸根を含む粉末を添加混合した後に、野積
み状態としておくと、製鋼スラグ中に含まれる水分や、
散水や降雨により供給される水分によって、常温でも進
行する。さらに、加温したり、蒸気養生したりすること
によって、これらの反応は促進され、フッ素の固定をよ
り確実に行うことができる。蒸気養生する場合には、蒸
気は温度の上昇手段だけでなく、水和反応を行わせるた
めの反応物質としても機能する。さらに、これらの反応
をオートクレーブ中で行うと100℃以上に加温しなが
ら加圧できるため、一層確実にフッ素を固定化すること
ができる。
メント物質からエトリンガイトやモノサルフェートやC
aO−SiO2−H2O−SO4系化合物が生成する際
に生じるものであり、これらを生成する反応が完了した
セメント物質や、これらの反応に必要とされる量に満た
ない硫酸イオン量では、フッ素の固定化反応は十分進行
しない。
表面積は2500〜5000cm2/gであり、水の存
在下でセメントから溶出したカルシウムイオン、アルミ
ニウムイオン、シリコンイオンが硫酸イオンと接触する
ことにより、簡単に、エトリンガイト生成反応、モノサ
ルフェート生成反応、CaO−SiO2−H2O−SO
4系化合物の生成反応が進行する。これらの製品セメン
トと同じ程度の比表面積としたセメント原料を用いた場
合にも、製品セメントと同様にエトリンガイト生成反
応、モノサルフェート生成反応、CaO−SiO2−H
2O−SO4系化合物の生成反応が進行する。これらの
ことから、ブレーン比表面積が2500〜5000cm
2/gのセメントまたはセメント原料の少なくとも一方
からなるセメント物質は、硫酸根を含む化合物と共に製
鋼スラグに添加混合された場合に、速やかにエトリンガ
イト生成反応、モノサルフェート生成反応、CaO−S
iO 2−H2O−SO4系化合物の生成反応が進行し、
即効性のフッ素溶出量低減効果を得ることができる。な
お、ここでいうブレーン比表面積とは、JIS R52
01に規定された比表面積試験法に準拠してブレーン空
気透過装置により測定した比表面積の値をいう。
トリンガイト生成反応、モノサルフェート生成反応、C
aO−SiO2−H2O−SO4系化合物の生成反応が
ゆっくり進むことになるため、長期間これらの生成反応
が持続する。したがって、製鋼スラグに添加混合したセ
メント物質のエトリンガイト生成反応、モノサルフェー
ト生成反応、CaO−SiO2−H2O−SO4系化合
物の生成反応を遅らせて、フッ素溶出量低減効果を長期
間持続させたい場合には、粒度の粗いセメント物質を添
加する。
るとエトリンガイト生成量、モノサルフェート生成量、
CaO−SiO2−H2O−SO4系化合物の生成量が
少なくてフッ素溶出量低減効果が小さくなり、0.05
mm未満ではフッ素溶出量低減効果の持続時間が短い。し
たがって、フッ素溶出量低減効果を長期間持続させるた
めには、セメント物質の粒度が0.05〜5mmであるこ
とが好ましい。セメント物質の粒度を0.15〜0.5m
mとすると溶出量の経時変化が少なく、一層好ましい。
ーン比表面積が4500cm2/g以下の粒度のものを
用いることができる。硫酸根を含む粉末の粒度はフッ素
溶出量低減効果に影響を及ぼし、例えば、通常の製品石
膏の粉末度であるブレーン比表面積1500〜4500
cm2/gの石膏は即効性のフッ素溶出量低減効果を奏
し、粒度が0.15〜5mmの石膏は持続性のフッ素溶出
量低減効果を奏する。しかし、硫酸根を含む粉末からの
硫酸イオンの溶出速度は溶出液中の硫酸イオン濃度に大
きく影響を受けるため、硫酸根を含む粉末の粒度は上記
に制限されるものではない。
添加量は、コストおよび処理後のハンドリング性の観点
から、製鋼スラグ100重量部に対して、セメント物質
を30重量部以下、硫酸根を含む粉末を10重量部以下
とすることが好ましい。一方、フッ素溶出量を有効に低
減する観点からは、製鋼スラグ100重量部に対して、
セメント物質を5重量部以上、硫酸根を含む粉末を1重
量部以上とすることが好ましい。
鋼スラグに添加する方法としては、冷却したスラグに添
加する方法と、製鋼工程で得られる溶融状態のスラグに
添加する方法とが考えられ、いずれの場合もフッ素溶出
量低減効果を得ることができる。しかし、溶融状態で添
加混合した場合には、セメント物質とスラグとを混合す
る過程でスラグ中にセメント物質が平均的に溶解し、ま
た、溶解しないで残ったセメント物質の粒子が平均的に
分散することから、均一性が高い。このため、溶融状態
で添加混合した方が、フッ素溶出量の低減効果はより長
時間持続するので好ましい。
添加する場合には、さらに水和遅延剤を添加することに
よっても、フッ素溶出量低減効果をより長期間持続させ
ることができるので、さらに水和遅延剤を添加すること
が好ましい。水和遅延剤としては、オキシカルボン酸
塩、アルキルアミノリン酸塩、グルコン酸塩、しょ糖等
が例示され、これらを単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。水和遅延剤の添加量は、
スラグの種類、セメント物質および硫酸根を含む粉末の
種類、水和遅延剤の種類によっても異なるが、硫酸根を
含む粉末の10重量%以下とすることが好ましい。
明する。本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼
スラグに、石膏、およびアルミニウム系イオンを溶出す
る物質を添加することにより、製鋼スラグに含まれるフ
ッ素の水中への溶出を低減する。
る物質とは、水と接触することにより、アルミニウムイ
オンやアルミン酸イオン等のアルミニウム系イオンを溶
出する鉱物や化合物であり、硫酸アルミニウム、塩化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸ソーダ等
が例示され、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。
カニズムは、水の存在下において、製鋼スラグからはC
a2+イオン、アルミニウム系イオンを溶出する物質か
らはpH値が5.1以上でAlO2 2−イオンが溶出
し、石膏からはCa2+イオンとSO4 2−イオンが溶
出する。これらの溶出イオンが石膏と反応してエトリン
ガイドおよびモノサルフェートを生成する際に、エトリ
ンガイドおよびモノサルフェートの生成に寄与する硫酸
基の一部がフッ素と置換または取り込まれることによ
り、エトリンガイドおよびモノサルフェート中にフッ素
が固定化され、溶出液中のフッ素が低減するものであ
る。エトリンガイドおよびモノサルフェートが生成する
際にフッ素が固定される機構は、それぞれ、前記(1)
式および(2)式で表される。
0%とし、溶出液中のアルミニウムイオン濃度が300
ppmとなるようにアルミニウム系イオンを溶出する物
質を添加すると、フッ素溶出量を0.6mg/lまで低
減することができる。このように本実施形態では、第一
の実施形態におけるセメント物質よりも少量の石膏を添
加することで、より高いフッ素溶出量低減効果を得るこ
とができる。
びアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加混合した
後に、野積み状態としておくと、製鋼スラグ中に含まれ
る水分や、散水や降雨により供給される水分によって、
常温でも進行する。さらに、加温したり、蒸気養生した
りすることによって、これらの反応は促進され、フッ素
の固定をより確実に行うことができる。蒸気養生する場
合には、蒸気は温度の上昇手段だけでなく、水和反応を
行わせるための反応物質としても機能する。さらに、こ
れらの反応をオートクレーブ中で行うと100℃以上に
加温しながら加圧できるため、一層確実にフッ素を固定
化することができる。
する物質の添加量は、コストと処理後のハンドリング性
の観点から、製鋼スラグ100重量部に対して、石膏は
30重量部以下、アルミニウム系イオンを溶出する物質
は10重量部以下とすることが好ましい。一方、フッ素
溶出量を効果的に低減する観点からは、製鋼スラグ10
0重量部に対して、石膏の添加量は10重量部以上、ア
ルミニウム系イオンを溶出する物質の添加量は1重量部
以上とすることが好ましい。
に、石膏の粒度はフッ素溶出量低減効果に影響を及ぼ
し、通常の製品石膏の粉末度であるブレーン比表面積1
500〜4500cm2/gの石膏は即効性のフッ素溶
出量低減効果を奏し、粒度が0.15〜5mmの石膏は持
続性のフッ素溶出量低減効果を奏する。しかし、前述し
たように、硫酸根を含む化合物からの硫酸イオンの溶出
速度は溶出液中の硫酸イオン濃度に大きく影響を受ける
ため、硫酸根を含む化合物の粒度は、特に制限されるも
のではない。
実施形態と同様に、フッ素溶出量の低減効果をより長時
間持続させるためには、溶融状態のスラグに石膏、およ
びアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加すること
により、スラグを安定化処理することが好ましい。ただ
し、この際に用いるアルミニウム系イオンを溶出する物
質としては、結晶水を含まない硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウム、アルミン酸ソーダ等が例示され、これら
のうち1種または2種以上を用いることができる。
明する。本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼
スラグに、セメント物質および水和遅延剤を添加するこ
とにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出
を低減する。
カルシウムアルミネート、カルシウムシリケートおよび
カルシウムアルミニウムシリケートの水和反応を、水和
遅延剤を添加することにより徐々に進行させ、これらが
水和物になる際のフッ素イオンの取り込みを効率よく行
わしめるものである。
O・Al2O3粉末が水共存下でフッ素イオンと反応し
てCa3Al2(OH)12−xFxが生成する場合、
3CaO・Al2O3粉末からカルシウムおよびアルミ
ニウムが溶出してイオンとなる(4)式に示す反応と、
カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イ
オンと反応してCa3Al2(OH)12−xFxが生
成する(5)式に示す反応が進行する。
接フッ素イオンおよび水と反応してCa3Al2(O
H)12−xFxが生成する(6)式に示す反応が進行
する。
aO・SiO2粉末や2CaO・SiO2粉末や2Ca
O・Al2O3・SiO2粉末が水共存下でフッ素イオ
ンと反応して、例えばCa5(SiO4)2(OH,
F)2およびCa6Si2O7(OH)6が生成する場
合、まず3CaO・SiO2粉末からカルシウムおよび
シリコンが溶出してイオンとなる(7)式に示す反応
と、2CaO・SiO2粉末からカルシウムおよびシリ
コンが溶出してイオンとなる(8)式に示す反応と、2
CaO・Al2O3・SiO2粉末からカルシウムおよ
びアルミニウムおよびシリコンが溶出してイオンとなる
(9)式に示す反応が進行する。
ンイオンがフッ素イオンと反応して、Ca5(Si
O4)2(OH,F)2が生成する(10)式に示す反
応およびCa6Si2O7(OH,F)6が生成する
(11)式に示す反応が進行する。
オンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応し
て、例えばCa2Al2SiO6(OH,F)2が生成
する(12)式に示す反応が進行する。
(6)式、および(10)〜(12)式に示した反応以
外の、フッ素が関与しない水和反応は徐々に進行するこ
ととなり、結果的に(5)式、(6)式、および(1
0)〜(12)式に示すフッ素イオンの取り込みが効率
よく起こることになる。
前記第一の実施形態において説明したセメント物質およ
び水和遅延剤を用いることができる。本実施形態におけ
るセメント物質の添加量は、製鋼スラグ100重量部に
対して5〜30重量部とすることが好ましい。また、水
和遅延剤の添加量は、スラグの種類、セメント物質の種
類、水和遅延剤の種類によっても異なるが、セメント物
質の重量に対して10%以下とすればよい。
明する。本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼
スラグに、カルシウムアルミネートを含む粉末とともに
水和遅延剤を添加することにより、製鋼スラグに含まれ
るフッ素の水中への溶出を低減する。
の実施形態における反応機構と同様であり、水和遅延剤
の添加により、(5)式および(6)式以外のフッ素が
関与しない水和反応が徐々に進行することになり、結果
的に(5)式あるいは(6)式で表されるフッ素イオン
の取り込みが効率よく起こることになることで、説明さ
れる。
は、合成されたカルシウムアルミネート化合物、天然に
産するアルミネート鉱物、カルシウムアルミネートを含
む二次精錬スラグの1種または2種以上に由来する粉末
を用いることができる。本発明では、「カルシウムアル
ミネート」とは、例えばCaO・Al2O3、5CaO
・3Al2O3、12CaO・7Al2O3、9CaO
・5Al2O3、2CaO・Al2O3、3CaO・A
l2O3、3CaO・2Al2O3・MgO、4CaO
・Al2O3・Fe2O3、およびこれらの水和物等の
うち1種または2種以上の混合物を意味する。
を含む粉末の平均粒径が2mmを超えると、水存在下にお
いて、これらの粉末と水との反応界面積が少なくなるこ
とにより、粉末からのCaイオンとAlイオンの供給が
遅くなる。例えば3CaO・Al2O3粉末の場合には
(4)式の溶解反応が進行しにくくなり、結果的に
(5)式の反応が進行しにくくなる。また、溶出液中の
フッ素イオンとの反応界面積が小さくなることにより
(6)式の反応が進行しにくくなるため、カルシウムア
ルミネートを含む粉末の平均粒径は2mm以下であること
が望ましく、0.2mm以下であれば一層望ましい。一
方、カルシウムアルミネートを含む粉末の平均粒径が
0.02mm未満であると、取り扱いが面倒になるため
0.02mm以上であることが望ましい。
の量が多いほどフッ素の固定化効果は大きいが、処理コ
ストを低減させるためには、製鋼スラグ100重量部に
対して前記カルシウムアルミネートを含む粉末を20〜
80重量部添加し、さらにカルシウムアルミネートを含
む粉末の10重量%以下の水和遅延剤を添加することが
好ましい。
明する。本実施形態においては、溶融状態のフッ素を含
有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少
なくとも一方からなるセメント物質を添加することによ
り、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出を低減
する。
のみを添加混合する処理では、セメント物質を多量に必
要とし、このためコストが高く、処理後のハンドリング
性が悪くなるおそれがあるが、溶融状態の鉄鋼スラグに
セメント物質のみを添加混合した場合には、セメント物
質を均一に分散させることによりセメント物質の必要量
を低減することができ、これらの問題を改善することが
できる。
前記第1の実施形態において説明したセメント物質を用
いることができ、その添加量は、セメント物質100重
量部に対して、5〜30重量部とすることが好ましい。
を施した製鋼スラグは、水と接触した場合に溶出するフ
ッ素が低減されているので、環境を汚染することなく、
土中埋設用材料または港湾土木用材料として利用するこ
とができる。
は、製鋼工程で発生する溶銑予備処理スラグ、転炉スラ
グ、電気炉スラグ、および二次精錬スラグ等が例示さ
れ、これらのうち少なくとも1種を用いることができ
る。
度:30mm以下、スラグ保有水分:6%)に、表1に示
す量の普通ポルトランドセメント(粒度0.05〜0.
15mm)および石膏(ブレーン比表面積4500cm2/
g)を添加混合する処理を施し、処理後のスラグを2mm
以下に粉砕し、平成3年環境庁告示第46号によるフッ
素溶出試験を行い、フッ素溶出量を測定した。結果を表
1に併せて示す。
ルトランドセメントおよび石膏を添加混合した場合に
は、ポルトランドセメントのみを添加した場合よりも効
果的にフッ素溶出量を低減することができることがわか
る。例えば、製鋼スラグからのフッ素溶出量を0.8m
g/L以下まで低減するためには、セメント物質のみを
添加した場合には製鋼スラグ100重量部に対して40
重量部のポルトランドセメントが必要であったのに対
し、セメント物質とともに石膏を製鋼スラグに添加した
場合には製鋼スラグ100重量部に対してポルトランド
セメントを20重量部および石膏3重量部添加すること
で達成可能である。また、製鋼スラグ100重量部に対
してポルトランドセメントを15重量部および石膏を5
重量部添加した場合にも、製鋼スラグからのフッ素溶出
量は0.8mg/L以下まで低減することができ、同じ
セメント添加量で石膏添加量をさらに10重量部まで増
加させた場合にはフッ素溶出量を0.56mg/Lまで
低減することができた。
(粒度:30mm以下、スラグ保有水分:6%)100重
量部に対して、普通ポルトランドセメント(粒度0.0
5〜0.15mm)20重量部および石膏(ブレーン比表
面積4500cm2/g)3重量部を添加混合し、さらに
適量の水を加えて混練し、養生なし、25℃で1週間養
生、80℃の恒温室で48時間養生、120℃のオート
クレーブ内で6時間養生のそれぞれの条件で処理を施
し、処理後のスラグを2mm以下に粉砕し、平成3年環境
庁告示第46号によるフッ素溶出試験を行い、フッ素溶
出量を測定した。結果を表2に示す。
素溶出量は0.7mg/Lであったが、25℃で1週間
養生するとフッ素溶出量は0.55mg/Lまで低下し
た。また、温度を高くするとより短い養生期間で溶出量
を低減することができた。
00重量部に対して、0.05〜0.15mm、0.15
〜0.5mm、0.5〜1.0mm、1.0〜2.0mmおよ
び2.0〜5.0mmの粒度に調整したポルトランドセメ
ントまたはセメントクリンカー15重量部、および石膏
(ブレーン比表面積4500cm2/g)10重量部を
添加混合する処理を行い、処理後のスラグを採取して平
成3年環境庁告示46号に従って、6時間振とうする試
験を行い、フッ素溶出量を測定した。スラグの処理に用
いたポルトランドセメントまたはセメントクリンカーの
粒度と、フッ素溶出量との関係を図1に示す。
添加した場合も、スラグからのフッ素溶出量は大きく低
減しており、特にポルトランドセメントまたはセメント
クリンカーの粒度が1.0mm以下の場合には、フッ素溶
出量を0.8mg/L以下まで低減することができるこ
とがわかる。
いた場合の溶出試験について、さらに24時間まで振と
うを行った場合のフッ素溶出量を測定した。この場合に
おけるスラグの処理に用いたポルトランドセメントの粒
度と、フッ素溶出量との関係を図2に示す。図2に示す
ように、ポルトランドセメントの粒度が5.0mm以下の
場合にフッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減する
ことができている。これは、長時間の振とうでは、粗大
なセメント粒子からカルシウム、アルミニウム、シリコ
ンが徐々に溶出するため、フッ素イオンが徐々にエトリ
ンガイトやモノサルフェートやCaO−SiO2−H2
O−SO4系化合物中に取り込まれるためである。図2
より、セメント物質によるフッ素の固定化効果は長期に
わたって持続することがわかる。
00重量部に、0.05〜0.15mmの粒度のポルトラ
ンドセメントまたはセメントクリンカー15重量部を添
加し、さらにブレーン比表面積1500cm2/g、3
000cm2/g、4500cm2/gおよび5500
cm2/gのいずれかの粒度に調整した石膏10重量部
を添加して混合する処理を行った。処理後のスラグを採
取し、平成3年環境庁告示46号に従って、6時間振と
うする試験を行い、フッ素溶出量を検出した。スラグの
処理に用いた石膏の粒度と、得られたフッ素溶出量との
関係を図3に示す。
場合も、フッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減さ
せることができており、このことからフッ素溶出量は石
膏粒度には大きく影響を受けないことがわかる。
セメント物質として0.05〜0.15mmの粒度のポル
トランドセメント15重量部、硫酸根を含む粉末として
ブレーン比表面積が4500cm2/gの石膏10重量
部を添加混合する処理、および、さらに水和遅延剤とし
てオキシカルボン酸塩0.2または1.0重量部を添加
して混合する処理を行った。なお、オキシカルボン酸塩
は、あらかじめ水20部に溶解したものを用いた。それ
ぞれの処理後のスラグを採取し、平成3年環境庁告示4
6号に従って、6時間振とうする試験を行い、フッ素溶
出量を検出した。また、24時間および72時間振とう
する試験も行い、同じくフッ素溶出量を測定した。それ
ぞれの場合における振とう時間とフッ素溶出量との関係
を図4に示す。図4より、水和遅延剤を添加しなかった
場合には振とう時間とともにフッ素溶出量が上昇する
が、水和遅延剤を添加した場合にはフッ素溶出量の上昇
を抑制することができることがわかる。
たは二次精錬スラグに、表3に示す量の石膏(ブレーン
比表面積1500cm2/g)、および硫酸アルミニウ
ム(ブレーン比表面積1500cm2/g)を添加混合
する処理を行なった。処理後のスラグについて、平成3
年環境庁告示46号に従ってフッ素溶出試験を行い、フ
ッ素溶出量を測定した。その結果を表3に併せて示す。
て、石膏を5〜30重量部、アルミニウム系イオンを溶
出する物質を1〜15重量部添加することにより、フッ
素溶出量を0.6mg/L以下まで低減させることがで
きることがわかる。
して、石膏(ブレーン比表面積1500cm2/g)1
0重量部、および硫酸アルミニウム(ブレーン比表面積
1500cm2/g)5重量部を添加混合し、さらに適
量の水を加えて混練し、養生なし、25℃で1週間養
生、80℃の恒温室で48時間養生、120℃のオート
クレーブ内で6時間養生のそれぞれの条件で処理を施
し、処理後のスラグを2mm以下に粉砕し、平成3年環境
庁告示第46号によるフッ素溶出試験を行い、フッ素溶
出量を測定した。結果を表4に示す。
素溶出量は0.48mg/Lであったが、25℃で1週
間養生するとフッ素溶出量は0.33mg/Lまで低下
した。また、温度を高くするとより短い養生期間で溶出
量を低減することができた。
00重量部に、粒度0.05〜0.15mmのポルトラン
ドセメント40重量部と、表5に示す量の水和遅延剤
(オキシカルボン酸塩)を添加し、混合する処理を行な
った。なお、水和遅延剤はあらかじめ水20部に溶解し
たものを用いた。処理後のスラグについて、平成3年環
境庁告示46号によるフッ素溶出試験(6時間振とう)
を行い、フッ素溶出量を測定した結果と、72時間振と
うした後のフッ素溶出量の測定結果とを表5に併せて示
す。
ことにより、ポルトランドセメントのみで処理した場合
よりもフッ素溶出量低減効果が長期持続することがわか
る。また、水和遅延剤の効果は4重量部で飽和している
ことから、ポルトランドセメント40重量部に対して水
和遅延剤は4重量部で十分であることがわかる。
00重量部に、粒度0.1mm以下の3CaO・Al2O
3合成化合物または粒度0.1mm以下の二次精錬スラグ
を30重量部、表6に示す量の水和遅延剤(オキシカル
ボン酸塩系)を添加し、平成3年環境庁告示46号で規
定された溶出試験(6時間振とう)を行った。また、7
2時間振とうする試験も行った。それぞれの試験後のフ
ッ素溶出量の測定結果を表6に示す。
物のみまたは二次精錬スラグのみで処理した場合より
も、水和遅延剤を添加することによりフッ素溶出量低減
効果が長期持続することがわかる。また、水和遅延剤の
効果は3重量部で飽和していることから、3CaO・A
l2O3合成化合物または二次精錬スラグ30重量部に
対して水和遅延剤は3重量部で十分であることがわか
る。
銑予備脱リンスラグ100重量部に、表7に示す量のセ
メントを添加し、機械的撹拌する処理を行った後に、ス
ラグヤードに排滓し、凝固させた。また、凝固後の溶銑
予備脱リンスラグ100重量部に、表7に示す量のセメ
ントを添加混合する処理を行なった。それぞれの処理後
のスラグを採取し、平成3年環境庁告示46号で規定さ
れた溶出試験を行った後、フッ素溶出量を測定した。結
果を表7に併せて示す。
ドセメントを添加混合した場合の方が、フッ素溶出量は
低くなっており、また、フッ素溶出量の低減効果がより
長時間持続することがわかる。
膏、硫酸根を含む粉末、アルミニウム系イオンを溶出す
る物質等、水和遅延剤等から選ばれる所定の組み合わせ
からなり、安価かつ成分組成の安定した処理剤を用いて
製鋼スラグに含まれるフッ素を安定化することにより、
フッ素の溶出量を長期間にわたって確実に低減させるこ
とができる。特に、石膏にアルミニウム系イオンを溶出
する物質を加えた処理剤を用いる場合には、極めて少量
の処理剤の添加によりフッ素溶出量を0.8mg/l以
下に低減することが可能である。また、本発明によれ
ば、セメント物質、または、二次精錬スラグやカルシウ
ムアルミネートの合成化合物等のカルシウムアルミネー
トを含む粉末とともに水和遅延剤を処理剤として用いる
ことによって、カルシウムアルミネートの水和反応を遅
らせて、フッ素溶出量低減効果を長時間持続させること
ができる。さらに本発明によれば、製鋼スラグにこれら
の処理を施してフッ素を安定化して、道路材、土木材
料、土中埋設用材料、港湾土木用材料等とすることがで
きる。
振とうした後のフッ素溶出量との関係を示すグラフ。
間振とうした後のフッ素溶出量との関係を示すグラフ。
の関係を示すグラフ。
の関係を示すグラフ。
Claims (26)
- 【請求項1】 フッ素を含有する製鋼スラグに、セメン
トおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメン
ト物質、および硫酸根を含む粉末を添加混合して製鋼ス
ラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方
法。 - 【請求項2】 前記製鋼スラグに前記セメント物質およ
び前記硫酸根を含む粉末を添加混合後、水の存在下で反
応させて製鋼スラグを安定化することを特徴とする請求
項1に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項3】 前記反応を水の存在下で加温して行う
か、または、蒸気養生下で行うことを特徴とする請求項
2に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項4】 前記反応を水の存在下でオートクレーブ
を用い、100℃以上に加温、加圧して行うことを特徴
とする請求項2に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項5】 前記セメント物質の粒度は0.05〜5
mmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいず
れか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項6】 前記製鋼スラグ100重量部に対して、
前記セメント物質を5〜30重量部とし、前記硫酸根を
含有する粉末を1〜10重量部とすることを特徴とする
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製鋼スラ
グの処理方法。 - 【請求項7】 前記硫酸根を含む粉末のブレーン比表面
積は4500cm2/g以下であることを特徴とする請
求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製鋼スラグ
の処理方法。 - 【請求項8】 前記製鋼スラグは溶融状態であることを
特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載
の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項9】 さらに、水和遅延剤を、前記硫酸根を含
む粉末の10重量%以下添加混合することを特徴とする
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の製鋼スラ
グの処理方法。 - 【請求項10】 フッ素を含有する製鋼スラグに、石
膏、およびアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加
混合して製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼
スラグの処理方法。 - 【請求項11】 前記製鋼スラグに石膏、およびアルミ
ニウム系イオンを溶出する物質を添加混合後、水の存在
下で反応させて製鋼スラグを安定化することを特徴とす
る請求項10に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項12】 前記反応を水の存在下で加温して行う
か、または、蒸気養生下で行うことを特徴とする請求項
11に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項13】 前記反応を水の存在下でオートクレー
ブを用い、100℃以上に加温、加圧して行うことを特
徴とする請求項11に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項14】 前記製鋼スラグ100重量部に対し
て、前記石膏を5〜30重量部とし、前記アルミニウム
系イオンを溶出する物質を1〜10重量部とすることを
特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に
記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項15】 前記製鋼スラグは溶融状態であること
を特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項
に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項16】 フッ素を含有する製鋼スラグに、セメ
ントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメ
ント物質および水和遅延剤を添加混合して製鋼スラグを
安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項17】 前記セメント物質を前記製鋼スラグ1
00重量部に対して5〜30重量部とし、前記水和遅延
剤を前記セメント物質の10重量%以下とすることを特
徴とする請求項16に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項18】 フッ素を含有する製鋼スラグに、カル
シウムアルミネートを含有する粉末および水和遅延剤を
添加混合して製鋼スラグを安定化することを特徴とする
製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項19】 前記カルシウムアルミネートを含有す
る粉末は、合成品、天然鉱物、および二次精錬スラグの
うちの1種または2種以上であることを特徴とする請求
項18に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項20】 前記カルシウムアルミネートを含有す
る粉末の粒度は2mm以下であることを特徴とする請求項
18または請求項19に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項21】 前記製鋼スラグ100重量部に対して
前記カルシウムアルミネートを含有する粉末を20〜8
0重量部とし、前記水和遅延剤を前記カルシウムアルミ
ネートを含有する粉末の10重量%以下とすることを特
徴とする請求項18から請求項20のいずれか1項に記
載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項22】 溶融状態のフッ素を含有する製鋼スラ
グに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方か
らなるセメント物質を添加混合して製鋼スラグを安定化
することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項23】 前記製鋼スラグ100重量部に対し
て、前記セメント物質を5〜30重量部とすることを特
徴とする請求項22に記載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項24】 前記製鋼スラグは、製鋼工程で発生す
る溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、お
よび二次精錬スラグのうち少なくとも1種であることを
特徴とする請求項1から請求項23のいずれか1項に記
載の製鋼スラグの処理方法。 - 【請求項25】 フッ素を含有する製鋼スラグに、請求
項1から請求項24のいずれか1項に記載の処理を施
し、土中埋設用材料とすることを特徴とする土中埋設用
材料の製造方法。 - 【請求項26】 フッ素を含有する製鋼スラグに、請求
項1から請求項24のいずれか1項に記載の処理を施
し、港湾土木用材料とすることを特徴とする港湾土木用
材料の製造方法。
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