JP6409542B2 - 無機繊維被覆用水性塗布液及びそれを用いたゴム補強用無機繊維 - Google Patents
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Description
しかしながら、ガラス繊維の場合、多数本のガラス繊維フィラメントにシランカップリング剤及び樹脂等を含有する集束剤を散布し集束させたガラス繊維束、言い換えれば、ストランドをそのまま母材ゴムに埋め込んでも、繊維とゴムとの界面が剥離してしまい補強材としての用をなさない。そのため、伝動ベルトを製造する際に母材ゴムに埋設して使用するゴム補強用ガラス繊維には、母材ゴムと接着するために、ガラス繊維被覆用塗布液をストランドに塗布被覆した被覆層を設ける。
前記(A)は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物及びレゾルシノール−ホルムアルデヒド縮合物のどちらを用いても水素化ニトリルゴムと高い接着性を得ることができる。前記塗布液中に少なくとも、前記(C)又は前記(D)のどちらかを含ませることにより水素化ニトリルゴムとの初期接着力が向上する。
ここで発明者らは、前記(A)と前記(C)及び/又は前記(D)を含む水性塗布液に対して、さらに金属石鹸(B)として知られる添加剤を共存させて得られた「金属石鹸(B)を含有する前記無機繊維被覆用水性塗布液」を無機繊維に塗布し、加熱乾燥させて被覆層とすることを試みた。その結果、得られた被覆層によれば、該被覆層の上に、従来技術のクロロスルホン化ポリエチレンなどの塩素化合物ポリマーを主成分とする2次被覆層を施さなくても水素化ニトリルゴムとの接着力を発現し、また、前記被覆層を形成したゴム補強用無機繊維を母材ゴムに埋設する前に長期に亘って保存(例えば、前記被覆層を形成して、常温で90日間)しても、接着力が低下しないという、驚くべき知見が得られた。
即ち、本発明は、(2)前記(A)、(C)及び(D)を合わせた質量(以下、「塗布液組成物(イ)の全質量」という)を100%基準とする質量百分率で表して、前記(B)を、B/(A+C+D)=0.1〜45質量%の範囲で含有することを特徴とする前記の無機繊維被覆用水性塗布液である。
さらに、本発明は、(3)前記塗布液組成物(イ)の全質量中の前記(A)、(C)及び(D)を合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、前記(A)を、A/(A+C+D)=1〜15質量%の範囲で含有することを特徴とする前記の無機繊維被覆用水性塗布液である。
即ち、本発明は、(5)前記(A)、(C)、(D)及び(E)を合わせた質量(以下「塗布液組成物(ロ)の全質量という」を100%基準とする質量百分率で表して、前記(B)を、B/(A+C+D+E)=0.1〜45質量%の範囲で含有することを特徴とする上記(4)に記載の無機繊維被覆用水性塗布液である。
また、前記塗布液組成物(イ)の全質量中の前記(C)及び/又は前記(D)を、85〜99質量%が好ましい。無機繊維被覆用水性塗布液中に少なくとも、前記(C)又は前記(D)のどちらかが含まれていればよく、無機繊維被覆用水性塗布液中の前記(C)及び/又は前記(D)が、85質量%より少なくなると、被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維と水素化ニトリルゴムとの初期接着力が低くなる。また、前記(C)及び/又は前記(D)が、99質量%を超えると、被覆層が硬くなり、柔軟性が低くなる。より好ましくは88〜95質量%である。
又は、前記塗布液組成物(ロ)の全質量中の前記(A)は、1〜15質量%が好ましい。無機繊維被覆用水性塗布液中の前記(A)の含有が1質量%より少なくても水素化ニトリルゴムとの接着力を得るが、ゴム補強用ガラス繊維を埋設した伝動ベルト又は自動車用タイミングベルトの耐熱性及び機械的耐久性の程度が相対的に低くなる。また、前記(A)の含有が、15質量%を超えても、ゴム補強用ガラス繊維と水素化ニトリルゴムの接着力が高くならない。より好ましくは2〜10質量%である。さらに好ましくは3〜8質量%である。
(A)を、1〜15質量%と、前記(E)を、25〜80質量%と、前記(C)及び/又は、前記(D)を、10〜70質量%との範囲で含有し、前記(B)を、前記塗布液組成物(ロ)質量を基準にして0.1〜45質量%との範囲で含有することを特徴とする上記の無機繊維被覆用水性塗布液である。
り引用)。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
詳しくは、市販の前記(A)の水溶液(群栄化学工業株式会社製、商品名、レジトップ、型番PL−4667、固形分50質量%、実施例において以下使用する)を濃度1質量%の水酸化ナトリウム水溶液で2倍の質量割合で希釈した前記(A)の水溶液(固形分25質量%)を用いた。
当該前記(A)の水溶液、50質量部と、前記(C)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、二ポールL1577K、固形分38質量%)、296質量部と、前記(D)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、2230−LX、固形分40質量%)281質量部と、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B)の水分散液(日東化成工業社製、製品名CSE−6、固形分、45質量%)、28質量部と、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25質量%)、20質量部を加え、全体として1000質量部になるように水を添加し、無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
径9μmのガラス繊維フィラメントを、シランカップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束させたストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、その後、温度280℃で、22秒間乾燥させて被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
当該前記(A)の水溶液、50質量部と、前記(E)のエマルジョン(日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス、固形分、41質量%)、305質量部と、前記(C)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、二ポールL1577K、固形分38質量%)、263質量部と、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B)の水分散液(日東化成工業社製、製品名CSE−6、固形分、45質量%)、28質量部と、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25質量%)、20質量部を加え、全体として1000質量部になるように水を添加し、無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
実施例3
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
レゾルシノール−ホルムアルデヒド縮合物(A)とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
レゾルシノール−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15質量%であった。
実施例9〜12
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して各々16、15、16及び16質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
詳しくは、市販の前記(A)の水溶液(群栄化学工業株式会社製、商品名、レジトップ、型番PL−4667、固形分、50質量%)を濃度1質量%の水酸化ナトリウム水溶液で2倍の質量割合で希釈した前記(A)の水溶液、10質量部と、前記(E)のエマルジョン(日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス、固形分、41質量%)、145質量部と、前記(D)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、2230−LX、固形分40質量%)、439質量部と、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B)の水分散液(日東化成工業社製、製品名CSE−6、固形分、45質量%)、0.5質量部と、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25質量%)、20質量部を加え、全体として1000質量部になるように水を添加し、無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
当該前記(A)の水溶液と、前記(C)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、二ポールL1577K、固形分38質量%)と、前記(D)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、2230−LX、固形分40質量%)と、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B)の水分散液(日東化成工業社製、製品名CSE−6、固形分、45質量%)を、表1の組成になる様に調製して加え、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25質量%)、20質量部を加え、全体として1000質量部になるように水を添加し、無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
(無機繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)と水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンと金属石鹸(B)の水分散液とにアンモニア水と水を添加し、本発明の無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
当該前記(A)の水溶液と、前記(D)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、2230−LX、固形分40質量%)と、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B)の水分散液(日東化成工業社製、製品名CSE−6、固形分、45質量%)を、表1の組成になる様に調製して加え、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25質量%)、20質量部を加え、全体として1000質量部になるように水を添加し、無機繊維被覆用水性塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製した無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15.7質量%であった。
比較例1
(ガラス繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンとにアンモニア水と水を添加し、比較例のガラス繊維被覆用塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製したガラス繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
比較例2
(ガラス繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンと水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとにアンモニア水と水を添加し、比較例のガラス繊維被覆用塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製したガラス繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15質量%であった。
比較例3
(ガラス繊維被覆用水性塗布液の調製)
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(F)のエマルジョンとにアンモニア水と水を添加し、比較例のガラス繊維被覆用塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製したガラス繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して16質量%であった。
比較例4
(ガラス繊維被覆用水性塗布液の調製)
レゾルシノール−ホルムアルデヒド縮合物(A)に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(F)のエマルジョンとにアンモニア水と水を添加し、比較例のガラス繊維被覆用塗布液を調製した。
実施例1と同様に測定し、固形分は25質量%、pHは9.1であった。
参考例1
径9μmのガラス繊維フィラメントを、シランカップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束させたストランド3本を引き揃えた後、実施例1と同じ無機繊維被覆用塗布液を塗布し、その後140℃で22秒間加熱乾燥させて被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。このときの固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全量に対して16質量%であった。
参考例2
径9μmのガラス繊維フィラメントを、シランカップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束させたストランド3本を引き揃えた後、実施例1と同じ無機繊維被覆用塗布液を塗布し、その後360℃で22秒間加熱乾燥させて被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。このときの固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全量に対して14質量%であった。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
実施例1と同様なガラス繊維ストランドに、前述の手順で作製したガラス繊維被覆用水性塗布液を塗布し、実施例1と同様な方法で被覆層を設け、1本のゴム補強用ガラス繊維を作製した。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合である付着量は、ゴム補強用ガラス繊維の全質量に対して15質量%であった。
接着強さの評価試験を説明する前に、試験に使用したゴム組成物を説明する。
(接着強さの評価結果)
各ゴム補強用ガラス繊維の試験ゴムに対する接着強さを表3及び表4に示す。接着強さは、ゴム補強用ガラス繊維を作製後24時間以内、30日経過後、90日経過後についてそれぞれ試験片を作製し、接着強さを測定した。
また、参考例1、2から、実施例の無機繊維被覆用水性塗布液を塗布し、温度150〜350℃を外れた温度で加熱して乾燥したゴム補強用ガラス繊維の接着強さは、試験ゴムA及びBにおいて界面剥離のレベルであることが分かった。
(引張り強さの測定)
引張り試験機において、クランプ間距離150mmに調製したクランプにゴム補強用ガラス繊維を装着し速度を300mm/分とし、試験片が破断されるまでの最大の抵抗値を引張り強さとした。20回、抵抗値を測定し、その平均値を引張り強さとした。
表3が示すように、実施例の無機繊維被覆用水性塗布液を塗布被覆した実施例のゴム補強用ガラス繊維の引張り強さの初期値は、実施例1〜15すべて90N以上を示しており、比較例1〜4と同等のレベルであった。
更に、試験片を沸騰水中で1hrの煮沸した後の引張り強さ、150℃で100hr加熱した後の引張り強さとも、実施例1〜15と比較例1〜4で優位差は見られず、実施例の無機繊維被覆用水性塗布液を塗布被覆した実施例のゴム補強用ガラス繊維は引張り強度の低下も見られないことが分かった。
Claims (10)
- 水素化ニトリル系ゴムベルトに埋設するゴム補強用無機繊維に被覆層を設けるための水性塗布液であって、
該塗布液にモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物又はレゾルシノール−ホルムアルデヒド縮合物から選ばれたヒドロキシベンゼン類−ホルムアルデヒド縮合物(A)と、
金属石鹸(B)と、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)及び/又は水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(D)と、
を含有することを特徴とする無機繊維被覆用水性塗布液。 - 前記(A)、(C)及び(D)を合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、
前記(B)を、B/(A+C+D)=0.1〜45質量%
の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の無機繊維被覆用水性塗布液。 - 前記(A)、(C)及び(D)を合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、前記(A)を、A/(A+C+D)=1〜15質量%
の範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無機繊維被覆用水性塗布液。 - 前記(A)と、前記(B)と、前記(C)及び/又は前記(D)とを含有する請求項1記載の無機繊維被覆用水性塗布液に、
さらに、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(E)を含有すること
を特徴とする無機繊維被覆用水性塗布液。 - 前記(A)、(C)、(D)及び(E)を合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、
前記(B)を、B/(A+C+D+E)=0.1〜45質量%
の範囲で含有することを特徴とする請求項4に記載の無機繊維被覆用水性塗布液。 - 前記(A)、(C)、(D)及び(E)を合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、
前記(A)を、A/(A+C+D+E)=1〜15質量%と、
前記(E)を、E/(A+C+D+E)=25〜80質量%と、
の範囲で含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の無機繊維被覆用水性塗布液。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の無機繊維被覆用水性塗布液を、集束剤を処理した無機繊維ストランドに塗布し加熱して乾燥して被覆層を形成する工程を含むことを特徴とするゴム補強用無機繊維の製造方法。
- 前記加熱温度が150〜350℃である、請求項7に記載のゴム補強用無機繊維の製造方法。
- 請求項7又は8に記載のゴム補強用無機繊維の製造方法により得られたゴム補強用無機繊維が水素化ニトリルゴムに埋設されてなることを特徴とする伝動ベルト。
- 請求項7又は8に記載のゴム補強用無機繊維の製造方法により得られたゴム補強用無機繊維が水素化ニトリルゴムに埋設されてなることを特徴とする自動車用タイミングベルト。
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