JP4410738B2 - ゴム補強用ガラス繊維およびそれを用いた伝動ベルト。 - Google Patents

ゴム補強用ガラス繊維およびそれを用いた伝動ベルト。 Download PDF

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本発明は、伝動ベルトを作製する際に、母材であるゴムに埋設し補強を行うためのゴム補強用ガラス繊維に関する。更に、該ゴム補強用繊維を用いた伝動ベルトに関する。本発明のゴム補強用ガラス繊維は特に自動車用タイミングベルトの補強用として有用である。
一般的に、伝動ベルト、タイヤ等のゴム製品に引っ張り強さおよび寸法安定性を付与するために、ガラス繊維、ナイロン繊維およびポリエステル繊維等の強度の高い繊維を母材であるゴムに補強材として埋設することが行われる。母材ゴムに埋設するゴム補強用繊維には、母材であるゴムとの密着性がよく、界面が強固で剥離しないことが必要とされる。
しかしながら、ガラス繊維をそのまま使用すると、母材ゴムと全く密着しないか、密着したとしても密着性が弱く界面が剥離してしまい補強材としての要をなさない。
そのため、例えば、伝動ベルトには、母材ゴムとガラス繊維の密着性を向上させ、界面の剥離を防止するために、通常、ガラスフィラメントを撚りあわせたヤーンからなるガラス繊維コード゛に、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂と各種ラテックスとを水に分散させたエマルジョンを塗布した後、乾燥させ被覆層としたゴム補強用ガラス繊維が用いられる。該被覆層は、高温下で、ゴム補強用ガラス繊維を母材ゴムに埋め込んで伝動ベルトに成形する際、母材ゴムとガラス繊維とを接着させる効果を有するが、接着力、即ち、接着強さは必ずしも十分な強さではない。
伝動ベルト、例えば、自動車用タイミングベルトはエンジンル−ム内の高温の環境下で使用されるため、母材ゴムには水素化ニトリルゴム(以下、HNBRと略する)が用いられる。前記被覆処理のみを行ったゴム補強用ガラス繊維を埋設した伝動ベルトは、高温下において屈曲し続ける走行状況下において、初期の接着強さが持続されず、長時間の走行においては、ゴム補強用ガラス繊維と母材ゴムとの界面の剥離をきたすことがある。
HNBRとゴム補強用ガラス繊維との接着強さを持続し界面の剥離をきたさず、高温の環境下の走行においても長期信頼性のある伝動ベルトを提供するためのゴム補強ガラス繊維として、ガラス繊維コードに上述の被覆処理を行った後に得られた被覆を1次被覆層として、該2次被覆層上に異なる組成の第2液を塗布し乾燥させて2次被覆層としたゴム補強用ガラス繊維が、例えば、特許文献1〜2に開示されている。
例えば、特許文献1において、ハロゲン含有ポリマーとイソシアネートを含む第2液で処理する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ゴムラテックス、レゾルシン−ホルムアルデヒド水溶性縮合物及びトリアジンチオールを含有するゴム補強用繊維処理剤が開示されている。
また、本出願人の特許出願に関わる特許文献3には、ガラス繊維にアクリル酸エステル系樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とを水に分散させエマルジョンとしたガラス繊維被覆用塗布液を塗布した後、乾燥させてなる被覆層を設け、ハロゲン含有ポリマーと、ハロゲン含有ポリマーの重量に対して0.3重量%〜10.0重量%のビスアリルナジイミドとを有機溶剤に分散させたガラス繊維被覆用塗布液を塗布し、更なる被覆層を設けてなることを特徴とするゴム補強用ガラス繊維が開示されている。該ゴム補強用ガラス繊維は、HNBRとの接着において、好ましい接着強さを示した。
また、本出願人の特許出願に関わる特許文献4には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスとを水に分散させてなるガラス繊維被覆用第1液をガラス繊維に塗布し塗膜を形成した後に乾燥硬化させ1次被覆層とした後で、該1次被覆層上に異なる組成のガラス繊維被覆用第2液を塗布し塗膜を形成した後に乾燥硬化させて2次被覆層としたゴム補強用ガラス繊維において、ガラス繊維被覆用第2液がビスアリルナジイミドとゴムエラストマーと加硫剤と無機充填材とを有機溶剤に分散させてなることを特徴とするゴム補強用ガラス繊維が開示されている。該ゴム補強用ガラス繊維は、HNBRとの接着において、好ましい接着強さを示し、HNBRに埋設し伝動ベルトとして、高温下、長時間走行後も、引張り強さの低下がなく優れた耐熱性を有するものであった。
特公平2−4715号公報 特開平10−25665号公報 特開2004−203730号公報 特開2004-244785号公報
従来、伝動ベルトを製造する際に母材ゴムに埋設して使用するゴム補強用ガラス繊維には、母材ゴムとの接着力を得るために、被覆材がガラス繊維コードに被覆されたものが用いられてきた。
自動車用伝動ベルトには、エンジンの熱に対する耐熱性と雨天走行における耐水性が必要であり、高温下および多湿下での長時間の走行後において、引っ張り強さを持続し寸法安定性に優れていること、即ち、耐熱性、耐水性が要求される。
従来のゴム補強用ガラス繊維、例えば、特許文献1〜4に記載のゴム補強用ガラス繊維において、ゴム補強用ガラス繊維と母材ゴムとの初期の接着強さは得られたが、伝動ベルトに用いると、高温多湿下で長時間走行させた後において、走行前の引っ張り強度を持続し寸法変化のない優れた耐水性および耐熱性を併せ持つ伝動ベルトを与えるものがなく、特に耐水性に劣っているという問題があった。
ゴム補強用ガラス繊維を耐熱ゴムの中に埋設してなる従来の伝動ベルトに比較して、同等以上のゴム補強用ガラス繊維と耐熱ゴムの接着強さを有しつつ、高温下で長時間走行させても被覆層が初期の接着強さを持続する耐熱性に加え、伝動ベルトに水をかけつつ長時間走行させても、被覆層がガラス繊維コードへの水の浸透を防ぐことで初期の接着強さを持続する耐水性を伝動ベルトに与えるゴム補強用ガラス繊維、および該ゴム補強用ガラス繊維を用いることで優れた耐熱性と耐水性を併せ持つ伝動ベルトの開発が待たれている。
本発明は、耐熱ゴムに埋設して伝動ベルトとした際に、伝動ベルトに優れた耐水性と耐熱性を与えるゴム補強用ガラス繊維およびそれを用いた伝動ベルトを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンと、モノヒドロキシベンゼンにホルムアルデヒドを反応させてなるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とを組成物とし水に分散させたエマルジョンをガラス繊維コードに塗布乾燥させて1次被覆層とし、その上層にハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物とを有機溶剤に分散させた2次被覆液を塗布乾燥させて2次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維をHNBRに埋設し伝動ベルトとしたところ、ゴム補強用ガラス繊維とHNBRとに好ましい初期の接着強さを得、伝動ベルトに優れた耐水性および耐熱性を併せ持たせる、具体的には、高温下および注水下の長時間の走行試験後も引っ張り強さを維持し、伝動ベルトに優れた寸法安定性を与えるゴム補強用ガラス繊維が提供されることが判った。
即ち、本発明は、伝動ベルトを作製する際に、母材ゴムに埋設して使用するゴム補強用ガラス繊維であって、複数本のガラス繊維ヤーンからなるガラス繊維コードにモノヒドロキシベンゼンーホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを含有する1次被覆層を形成し、その上層にハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物を含有する2次被覆層を設けてなることを特徴とするゴム補強用ガラス繊維である。
更に、本発明は、2次被覆層の全重量を基準とする重量百分率で表して、ハロゲン含有ポリマーの重量に対して重量百分率で表して、10.0%以上、70.0%以下のハロゲン含有ポリマーと、ハロゲン含有ポリマーの重量を基準とする重量百分率で表して、0.3%以上、10.0%以下のトリアジン系化合物からなる2次被覆層を設けてなることを特長とする上記のゴム補強用ガラス繊維である。
更に、本発明は、トリアジン系化合物がトリアリルシアヌレートまたはトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする上記のゴム補強用ガラス繊維である。
更に、本発明は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂が、モノヒドロキシベンゼンに対するホルムアルデヒドのモル比を0.5以上、3.0以下とし塩基性の触媒で反応させたレゾール型樹脂であることを特徴とする上記のゴム補強用ガラス繊維である。
更に、本発明は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを合わせた重量を基準とした重量百分率で表して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂が、1.0%以上、15.0%以下、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体が、45.0%以上、82.0%以下、クロロスルホン化ポリエチレンが、3.0%以上、40.0%以下の範囲に含まれてなる1次被覆層を有することを特徴とする上記のゴム補強用ガラス繊維である。
更に、本発明は、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体を、スチレン−ブタジエン共重合体に、重量百分率で表して、5.0%以上、80.0%以下の範囲で替えてなることを特徴とする上記のゴム補強用ガラス繊維である。
更に、本発明は、上記のゴム補強用ガラス繊維が母材ゴムに埋設されてなることを特徴とする伝動ベルトである。
更に、本発明は、上記のゴム補強用ガラス繊維が水素化ニトリルゴムに埋設されてなることを特徴とする自動車用タイミングベルトである。
本発明のゴム補強用ガラス繊維は、耐熱ゴムであるHNBRへ埋設した際に、ガラス繊維コードとHNBRとに優れた初期の接着強さを与え、更に、HNBRへ埋設して伝動ベルトとした際に、長時間の使用後、言い換えれば、走行後において、ガラス繊維コードとHNBRの界面が剥離する懸念がなく引っ張り強さを維持し寸法安定性に優れた伝動ベルトを与える。即ち、高温多湿下の走行において、耐熱性および耐水性を併せ持つ伝動ベルトを与える。
本発明は、伝動ベルトを作製する際に、母材ゴムに埋設して使用するゴム補強用ガラス繊維であって、複数本のガラス繊維ヤーンからなるガラス繊維コードにモノヒドロキシベンゼンーホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを含有する1次被覆層を形成し、その上層にハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物を含有する更なる2次被覆層を設けてなることを特徴とするゴム補強用ガラス繊維である。
その製造は、フェノール樹脂に属するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレとを水に分散させた1次被覆液を塗布後乾燥させて、ガラス繊維コードへの水の浸透を防ぐ働きを有する1次被覆層を設けた後、その上層にハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物とを有機溶剤に分散させた2次被覆液を塗布後乾燥させて、母材ゴムとの接着のための更なる2次被覆層を設け乾燥させてゴム補強用ガラス繊維となす。
本発明のゴム補強用ガラス繊維は、従来のゴム補強用ガラス繊維に比較して、母材ゴムとしての耐熱ゴム、例えばHNBRに埋設して伝動ベルトとした際に、ガラス繊維コードへの水の浸透を防ぐことで伝動ベルトに優れた耐水性を与え、耐水性および耐熱性を併せ持たせる。
尚、本発明において、伝動ベルトとは、エンジン、その他機械を運転するために、エンジン、モーター等の駆動源の駆動力を伝えるベルトのことであり、かみ合い伝動で駆動力を伝える歯付きベルト、摩擦伝動で駆動力を伝えるVベルトが挙げられる。自動車用伝動ベルトとは自動車のエンジンルーム内で用いられる耐熱性の前記伝動ベルトのことである。自動車用タイミングベルトとは、前記自動車用伝動ベルトの中で、カムシャフトを有するエンジンにおいて、クランクシャフトの回転をタイミングギヤに伝えカムシャフトを駆動させバルブの開閉を設定されたタイミングで行うための、プーリーの歯とかみ合う歯を設けた歯付きベルトのことである。
従来、耐熱性の伝動ベルトは、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンからなるガラス繊維被覆用塗布液を用いガラス繊維コードに塗布乾燥させたゴム補強用ガラス繊維を耐熱ゴムとしてのHNBRに埋設し作製された。また、該ゴム補強用ガラス繊維に更なる2次被覆層を設け耐熱ゴムとしてのHNBRに埋設し作製された。
従来の伝動ベルトに比較して、モノヒドロキシベンゼンをホルムアルデヒドに反応させたモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンとを含有する1次被覆層を形成し、ハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物とからなる2次被覆層を設けてなる本発明のゴム補強用ガラス繊維をHNBRゴムに埋設し作製した伝動ベルトは、多湿下および高温下おける長時間の走行後も、2次被覆層によるガラス繊維とHNBRの初期の接着強さが持続され、引っ張り強さを持続し寸法安定性に優れており、耐水性、耐熱性を併せ持つ。
その際、2次被覆層の重量を基準とする重量百分率で表して、即ち、2次被覆層の重量を100%基準として、ハロゲン含有ポリマーの含有が10.0%以上、70.0%以下、ハロゲン含有ポリマーの重量を基準とする重量百分率で表して、即ち、ハロゲン含有ポリマーの重量を100%基準として、トリアジン系化合物を0.3%以上、10.0%以下となるように2次被覆用液を調製し、残部、無機充填剤および加硫剤とすることが好ましい。尚、ハロゲン含有ポリマーとしては、クロロスルホン化ポリエチレンが好適に使用でき、無機充填剤としてはカーボン、酸化マグネシウム、加硫剤としてはニトロソ化合物、例えば、p−ニトロソベンゼン、ニトロソベンゼンが挙げられる。
2次被覆層中のハロゲン含有ポリマーの含有が、10.0%より少ないと、前述の優れた耐熱性が得難い。70.0%を超えると、ガラス繊維コードと母材ゴムとの接着強さが弱くなり作製した伝動ベルトは耐久性に劣る。好ましくは、25.0%以上、60.0%以下である。
また、2次被覆中のトリアジン系化合物は、ハロゲン含有ポリマーの重量を基準とする重量百分率で表して、0.3%以上、10.0%以下である。トリアジン系化合物の含有が、0.3%より少ないと、前述の優れた耐熱性が得難い。10.0%を超えると、ガラス繊維コードと母材ゴムとの接着強さが弱くなり作製した伝動ベルトは、耐久性に劣る。
トリアジン系化合物としては、トリアリルシアヌレートまたはトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。
耐熱性のためには、前記ハロゲン含有ポリマーには、ハロゲン含有ゴム配合物、具体的にはクロロスルホン化ポリエチレンを用いることが好ましい。更に、加硫剤としてのニトロソ化合物、例えば、p−ニトロソベンゼン、または亜鉛化合物、無機充填剤、例えばカーボンブラックまたは酸化マグネシウムを前記2次被覆液に添加し、2次被覆層に加えることは、該ゴム補強用ガラス繊維をゴムに埋設して作製した伝動ベルトの耐熱性を高める一層の効果がある。2次被覆液中のハロゲン含有ポリマーの重量を基準とする重量百分率で表して、加硫剤を0.5%以上、50.0%以下、無機充填材を10.0%以上、70.0%以下の範囲で添加すると、作製した伝動ベルトは、いっそうの耐熱性を発揮する。加硫剤の含有が0.5%より少ない、無機充填材の含有が10.0%より少ないと耐熱性を向上させる効果が発揮されず、加硫剤を、50.0%を超えて、無機充填材を、70.0%を超えて加えると、ガラス繊維コードと母材ゴムとの接着強さが弱くなり作製した伝動ベルトは、耐久性に劣る。
本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆に使用するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂としては、モノヒドロキシベンゼンに対するホルムアルデヒドのモル比が0.5以上、3.0以下で、塩基性の触媒で反応させた水溶性もしくは水溶媒レゾール型樹脂が挙げられる。ホルムアルデヒドのモル比が0.5未満では、ゴム補強用ガラス繊維と耐熱ゴムとの接着強さに劣り、3.0を越えると1次被覆液は、ゲル化し易い。好ましくは、0.3〜1.2の範囲である。
本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆に使用されるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂として、例えば、工業用フェノール樹脂として市販されている群栄化学工業株式会社製、商品名、レジトップ、型番PL−4667、PL−4646が挙げられる。
本発明のゴム補強用繊維の1次被覆層の組成物であるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体には、ビニルピリジン:スチレン:ブタジエンの比が、重量比で10〜20:10〜20:80〜60の範囲で重合させてなるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体を用いることが好ましく、市販の日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテクス、JSR株式会社製、商品名、0650、および日本ゼオン株式会社製、商品名、Nipol、型番、1218FS等が挙げられる。尚、前記重量比を外れたビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体を用いた1次被覆を設け、ハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物による2次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維は、母材ゴムとの接着強さに劣る。
本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆層および2次被覆層の組成物として用いるクロロスルホン化ポリエチレンは、重量百分率で表して、塩素含有量が20.0%以上、40.0%以下、スルホン基中の硫黄含有量が0.5%以上、2.0%以下のものが好適に用いられ、例えば、固形分約40重量%のラテックスとして、住友精化株式会社製、商品名、CSM−450が市販されており、本発明に使用される。尚、前述の塩素含有量及びスルホン基中の硫黄含有量を外れたクロロスルホン化ポリエチレンを用いた1次被覆液または2次被覆液を使用し、ガラス繊維コードに被覆を施し作製したゴム補強用ガラス繊維は、母材であるHNBRとの接着性に劣る。
伝動ベルトに使用した際のゴム補強用ガラス繊維と母材ゴムに、所望の接着強さを得るには、本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆層に含まれるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを合わせた重量を基準とする重量百分率で表して、即ち、合わせた重量を100%基準として、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂が1.0%以上、15.0%以下、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体が45.0%以上、82.0%以下、クロロスルホン化ポリエチレンが3.0%以上、40.0%以下の範囲で含まれることが好ましい。
本発明のゴム補強用ガラス繊維において、1次被覆層中のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂の含有量が1.0%より少ないと、ガラス繊維コードの被覆材とした際に、ガラス繊維と母材ゴムの接着強さが弱くなり、伝動ベルトにした際に好ましい耐水性、耐熱性が得難い。モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂の含有量が15.0%を超えると、凝集沈殿を起こし易く1次被覆液の調製が困難となる。よって、本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆層における好適なモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂の含有範囲は、1次被覆層に含まれるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを合わせた重量を基準として、1.0%以上、15.0%以下の範囲である。好ましくは、2.0%以上、12.0%以下の範囲である。
また、本発明のゴム補強用ガラス繊維において、1次被覆層中のビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体の含有量が45.0%より少ないと、ガラス繊維とHNBRとの接着強さが弱くなり、伝動ベルトにした際に好ましい耐熱性が得難い。ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体の含有量が82.0%を超えると、ガラス繊維コードの被覆とした際に、被覆に粘着性が生じ被覆層が転写し易くなり、工程が汚れる等の不具合が生じる。よって、本発明のゴム補強用ガラス繊維におけるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体の好適な含有範囲は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを合わせた重量を基準として、45.0%以上、82.0%以下の範囲である。更に、好ましくは、55.0%以上、75.0%以下の範囲である。
1次被覆層中のクロロスルホン化ポリエチレンが、3.0%より少ないと、伝動ベルトにした際に所望の耐熱性が得難く、クロロスルホン化ポリエチレンが40.0%より多いと、ガラス繊維と母材ゴムの接着強さが弱くなり、伝動ベルトにした際に好ましい耐熱性が得難い。本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆層において、好適なクロロスルホン化ポリエチレンの含有範囲は、1次被覆層中に含まれるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを合わせた重量を基準として、3.0%以上、40.0%以下の範囲である。更に、好ましくは、20.0%以上、35.0%以下の範囲である。
本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆層の組成物の一つであるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体の一部を、他のゴムエラストマーに替えても良い。ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体のみでは、ゴム補強用ガラス繊維の被覆に粘着性が生じ被覆層が転写し易くなり、工程が汚れたりして作業性が悪くなる。他のゴムエラストマーとしてカルボキシル基変性スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム等も挙げられるが、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体との相性が良いスチレン−ブタジエン共重合体が特に好適に使用され、本発明のゴム補強用ガラス繊維の特徴である母材ゴムとの接着性、および母材ゴムとしての耐熱ゴムに埋設し伝動ベルトとした際の耐熱性を損なわない。
ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体の重量を基準とする重量百分率で表して、即ち、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体の重量を100%基準として、スチレン−ブタジエン共重合体5.0%〜80.0%の範囲で、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体に替えて使用できる。5.0%未満では、ゴム補強用ガラス繊維の被覆に粘着性が生じ、被覆層が転写し易くなることを抑制する効果がない。好ましくは、25.0%以上である。80.0%を超えると、母材ゴムとの接着性および母材ゴムとしての耐熱ゴムに埋設し、伝動ベルトとした際の耐熱性が失われる。好ましくは、55.0%以下である。
このようなスチレン−ブタジエン共重合体として、例えば、日本エイアンドエル株式会社から、商品名、J−9049が市販されており、本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆に使用される。
本発明のゴム補強用ガラス繊維の1次被覆層、2次被覆層を形成する際の1次被覆液および2次被覆液に、更に、老化防止剤、pH調整剤、安定剤等を含有させても良い。老化防止剤にはジフェニルアミン系化合物、pH調整剤にはアンモニアが挙げられる。
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを水に分散させた1次被覆液をガラス繊維コードに塗布後乾燥させ1次被覆層とし、その上層にハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物とを有機溶剤に分散させた2次被覆液を塗布後乾燥させて更なる2次被覆層とした本発明のゴム補強用ガラス繊維を作製した(実施例1〜4)。
次いで、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維を作製した(比較例1〜4)。これら本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜4)の耐熱ゴムに対する接着強さ評価試験を行い、評価結果を比較した。
また、これら、本発明のゴム補強用ガラス繊維、または本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維を耐熱ゴムに埋設させた伝動ベルトを作製した。次いで、これら伝動ベルトをプーリーにセットして、耐水性を評価するために、伝動ベルトに水をかけつつ長時間の走行させて、被覆層が初期の接着強さを持続した結果として長時間走行後も引っ張り強さが変化せず、寸法安定性に優れることことを評価するための耐水走行疲労性能評価試験を行い、本発明のゴム補強用ガラス繊維(実施例1〜4)を埋設した伝動ベルト、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維(比較例4)を埋設した伝動ベルトにおける評価結果を比較した。また、耐熱性を評価するために、伝動ベルトに高温下複数のプーリーを用いて、長時間の屈曲走行をさせて、被覆層が初期の接着強さを持続した結果として長時間走行後も引っ張り強さが変化せず、寸法安定性に優れることことを評価するための耐熱耐屈曲走行疲労性能評価試験を行い、本発明のゴム補強用ガラス繊維(実施例1〜4)を埋設した伝動ベルト、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維(比較例3,4)を埋設した伝動ベルトにおける評価結果を比較した。
以下、詳細に述べる。
実施例1
(1次被覆液の調製)
最初に、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂の合成について述べる。
還流冷却器、温度計、攪拌機をつけた三つ口セパラブルフラスコに、モノヒドロキシベンゼン、100重量部、37.0重量%の濃度のホルムアルデヒド水溶液、157重量部(モル比で表せば、1.8)、10.0重量%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液、5重量部を仕込み、80℃に加熱した状態で3時間攪拌した。攪拌を止め、冷却した後、1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、370重量部を加え、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂を得た。
次いで、前述の手順で合成したモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂を用い、市販のビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョンと、クロロスルホン化ポリエチレンエマルジョンとにアンモニア水と水を添加し、1次被覆液を調製した。
詳しくは、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂、83重量部と、ビニルピリジン、スチレン、ブタジエンを、ビニルピリジン:スチレン:ブタジエン=15:15:70重量比となるように重合したビニルピリジン−スチレン−ブタジエン重合体エマルジョンとしての日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス(固形分濃度、41.0重量%)451重量部と、クロロスルホン化ポリエチレンエマルジョンとしての住友精化株式会社製、商品名、CSM450(固形分濃度、40.0重量%)206重量部と、PH調整剤としてアンモニア水(濃度、25.0重量%)22重量部とに、全体として1000重量部になるように水を添加して、1次被覆液を調製した。
1次被覆液中の各成分の含有割合は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを合わせた重量を基準とする重量百分率で表して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂が7.2%、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体が64.2%、クロロスルホン化ポリエチレンが28.6%である。ガラス繊維コードに塗布し乾燥させると、ほぼこのままの重量割合で1次被覆となる。尚、1次被覆液中のビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンの重量は、前記ピラテックスおよびCSM450の固形分濃度から、固形分に換算して求めた。
(2次被覆液の調製)
次いで、クロロスルホン化ポリエチレンと、p−ジニトロソベンゼンと、トリアジン系化合物に属するトリアリルシアヌレートに、カーボンブラックを加え、キシレンに分散させた2次被覆液を調製した。
詳しくは、クロロスルホン化ポリエチレンとしての東ソー株式会社製、商品名、TS−430、100重量部と、p−ジニトロソベンゼン、40重量部とに、クロロスルホン化ポリエチレンの重量を基準として、トリアリルシアヌレートが0.3重量%となるように加え、次いでカーボンブラック、30重量部を加え、キシレン、1315重量部に分散させて2次被覆液を調製した。即ち、クロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、加硫剤であるp−ジニトロソベンゼンを40.0重量%、クロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、トリアジン系化合物に属するトリアリルシアヌレートを0.3重量%、無機充填材であるカーボンブラックを30.0重量%となるようにして2次被覆液を調製した。ガラス繊維コードに塗布し乾燥させると、ほぼこのままの重量割合で2次被覆となる。
(ゴム補強用ガラス繊維の作製)
径9μmのガラス繊維フィラメントを200本集束したガラス繊維束3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆液を塗布し、その後、温度、280℃下で、22秒間乾燥させて被覆層を設けた。この時の固形分付着率、即ち、被覆層の重量割合は、被覆層を設けたガラス繊維束の全重量に対して19.0重量%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維束を、2.54cm当たり2.0回の下撚りを与え、更に13本引き揃えて下撚りと逆方向に2.54cm当たり2.0回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製した2次被覆液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維(実施例1)を作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維を作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の重量割合は、1次および2次被覆層を設けたガラス繊維コードの重量に対して、3.5重量%であった。
実施例2
実施例1に示した手順で、実施例1と同様の1次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに1次被覆層を設けた。
次いで、クロロスルホン化ポリエチレンとしての東ソー株式会社製、商品名、TS−430、100重量部と、p−ジニトロソベンゼン、40重量部とに、クロロスルホン化ポリエチレンの重量を基準として、トリアリルシアヌレートを2.0重量%になるように加え、次いでカーボンブラック、30重量部を加え、キシレン、1315重量部に分散させて2次被覆液を調製した。即ち、クロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、加硫剤であるp−ジニトロソベンゼンを40重量%、トリアジン系化合物に属するトリアリルシアヌレートを2.0重量%、無機充填材であるカーボンブラックを30.0重量%となるようにして2次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに更なる2次被覆層を設けてなる本発明のゴム補強用ガラス繊維(実施例2)を作製した。
実施例3
実施例1に示した手順で、実施例1と同様の1次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに1被覆層を設けた。
次いで、クロロスルホン化ポリエチレンとしての東ソー株式会社製、商品名、TS−430、100重量部と、p−ジニトロソベンゼン、40重量部とに、クロロスルホン化ポリエチレンの重量を基準として、トリアリルシアヌレートが10.0重量%になるように加え、次いでカーボンブラック、30重量部を加え、キシレン、1315重量部に分散させて2次被覆液を調製した。即ち、クロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、加硫剤であるp−ジニトロソベンゼン、40重量部、トリアジン系化合物に属するトリアリルシアヌレートを10.0重量%、無機充填材であるカーボンブラックを30.0重量%となるように2次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに更なる2次被覆層を設けてなる本発明のゴム補強用ガラス繊維(実施例3)を作製した。
実施例4
実施例1に示した手順で、実施例1と同様の1次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに1次被覆層を設けた。
次いで、クロロスルホン化ポリエチレンとしての東ソー株式会社製、商品名、TS−430、100重量部と、p−ジニトロソベンゼン、40重量部とに、クロロスルホン化ポリエチレンの重量を基準として、トリアリルイソシアヌレートを2.0重量%になるように加え、次いでカーボンブラック、30重量部を加え、キシレン、1315重量部に分散させてなる2次被覆液を調製した。即ち、クロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、加硫剤であるp−ジニトロソベンゼン、40重量部、トリアジン系化合物に属するトリアリルイソシアヌレートを2.0重量%、無機充填材であるカーボンブラックを30.0重量%となるようにして2次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに更なる2次被覆層を設け本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例4)を作製した。
比較例1
2次被覆液で2次被覆を設けない以外は、実施例1に示した手順で、実施例1と同様の1次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに1次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1)を作製した。
比較例2
実施例1に示した手順で、実施例1と同様の1次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに1次被覆層を設けた。
次いで、クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製、商品名、TS−430)、100重量部と、p−ジニトロソベンゼン、40重量部と、カーボンブラック、30重量部と、キシレン、1315重量部からなる二次被覆液を用い、実施例1に示した手順で作業を行い、1次被覆層および2次被覆層を設けてなるゴム補強用ガラス繊維(比較例2)を作製した。即ち、2次被覆液中のクロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、40重量部のp−ジニトロソベンゼン、30.0重量%のカーボンブラックをを用いた。
比較例3
実施例1に示した手順で、実施例1と同様の1次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに1次被覆層を設けた。
次いで、クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製、商品名、TS−430)、100重量部と、4、4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、40重量部と、カーボンブラック、30重量部と、キシレン、1315重量部からなる2次被覆液用い、実施例1に示した手順で作業を行い、1次被覆層および2次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維(比較例3)を作製した。即ち、2次被覆液中のクロロスルホン化ポリエチレンの重量に対して、40重量%の4、4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、30重量%のカーボンブラックを用いた。
比較例4
従来のレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレンとからなる1次被覆液を調製した。
実施例1と異なり、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂に替えてレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂(レゾルシンとホルムアルデヒドとのモル比、1.0:1.0で反応させたもの、固形分、8.7重量%)を239重量部使用し、ビニルピリジンとスチレンとブタジエンとを、15:15:70の重量割合で含有するビニルピリジン−スチレン−ブタジエンエマルジョン(日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス、固形分、41.0重量%)の添加量を451重量部に変えた以外は、実施例1と同様に1次被覆液を調製し、実施例1に示した手順で、従来の1次被覆液を調製した。即ち、1次被覆液中のレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレン合わせた重量を基準とする重量百分率で表して、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂が7.2%、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体が64.2%、クロロスルホン化ポリエチレンが28.6%、となるように調整した。
次いで、実施例1に示した手順で、実施例2と同様の2次被覆液を調製し、実施例1と同様の手順で作業を行い、ガラス繊維コードに更なる2次被覆層を設けてなるゴム補強用ガラス繊維(比較例4)を作製した。
(接着強さの評価試験)
接着強さの評価試験を説明する前に、試験に使用した耐熱ゴムを説明する。
母材ゴムとしてのHNBR(日本ゼオン株式会社製、型番、2020)、100重量部に対して、カーボンブラック、40重量部と、亜鉛華、5重量部と、ステアリン酸、0.5重量部と、硫黄、0.4重量部と、加硫促進剤、2.5重量部と、老化防止剤、1.5重量部とを配合してなる耐熱ゴム(以後、耐熱ゴムAとする)、またHNBR(日本ゼオン株式会社製、型番、2010)、100重量部に対して、カーボンブラック、40重量部と、亜鉛華、5重量部と、ステアリン酸、0.5重量部と、1、3−ジ(t−ブチルペロキシイソプロピル)ベンゼン、5重量部と、老化防止剤、1.5重量部とを配合してなる耐熱ゴム(以後、耐熱ゴムBとする)を接着強さの評価試験に使用した。
試験片は耐熱ゴムAまたは耐熱ゴムBからなる3mm厚、25mm幅のゴムシート上に前記ゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4、比較例1〜2)を20本並べ、その上から布をかぶせ、耐熱ゴムAについては、温度、150℃下、196ニュートン/cm2(以後、ニュートンをNと略す)、また耐熱ゴムBについては、温度、170℃下、196N/cm2の条件で端部を除き押圧し、30分間加硫させつつ成形して、接着強さ評価のための試験片、言い換えればゴムシートを得た。この試験片の接着強さの測定を、端部において各々のゴムシートとゴム補強用ガラス繊維を個別にクランプにて挟み、剥離速度を50mm/minとし、ゴムシートからゴム補強用ガラス繊維を剥がす際の最大の抵抗値を測定し、剥離強さとした。剥離強さが大きいほど接着強さに優れる。
(接着強さの評価結果)
接着強さの評価結果を表1に示す。
Figure 0004410738
表1において、ガラス繊維とゴムが界面から剥離していない破壊状態をゴム破壊とし、界面から一部のみでも剥離している破壊状態を界面剥離とした。ゴム破壊の方が、界面剥離より接着強さに優れる。また、剥離強さが大きいほど接着強さに優れる。
実施例1の本発明のゴム補強用ガラス繊維は、表1に示すように、剥離強さを測定したところ、耐熱ゴムAについては323Nであり、耐熱ゴムBについては343Nであり、双方のゴムに対して接着性は良好であり、接着強さに優れていた。
実施例2の本発明のゴム補強用ガラス繊維は、表1に示すように、剥離強さを測定したところ、耐熱ゴムAについては333Nであり、耐熱ゴムBについては352Nであり、双方のゴムに対して接着性は良好であり、接着強さに優れていた。
実施例3の本発明のゴム補強用ガラス繊維は、表1に示すように、剥離強さを測定したところ、耐熱ゴムAについては294Nであり、耐熱ゴムBについては304Nであり、双方のゴムに対して接着性は良好であり、接着強さに優れていた。
実施例4の本発明のゴム補強用ガラス繊維は、表1の実施例4に示すように、耐熱ゴムAについては314Nであり、耐熱ゴムBについては323Nであり、双方のゴムに対して接着性は良好であり、接着強さに優れていた。
また、破壊状態は、本発明の実施例1〜4のゴム補強用ガラス繊維は、表1の実施例1〜4に示すように、耐熱ゴムAを使用した場合、耐熱ゴムBを使用した場合ともにゴム破壊であり、接着強さに優れていた。
比較例1の本発明の範疇に属さないゴム補強用ガラス繊維は、実施例1と同様の手順で、試験片をつくり、接着強さの評価を行ったところ、表1の比較例1に示すように、耐熱ゴムAについては69N、耐熱ゴムBについては78Nであり、接着力が弱く実施例に比べて接着強さに劣っていた。
比較例2の本発明の範疇に属さないゴム補強用ガラス繊維は、実施例1と同様の手順で、試験片をつくり、接着強さの評価を行ったところ、表1の比較例2に示すように、耐熱ゴムAについては157Nで、耐熱ゴムBについては176Nであり、接着力が弱く実施例に比べて接着強さに劣っていた。
比較例3の本発明の範疇に属さないゴム補強用ガラス繊維は、実施例1と同様の手順で、試験片をつくり、接着強さの評価を行ったところ、表1の比較例2に示すように、耐熱ゴムAについては314Nで、接着性は良好であったが、耐熱ゴムBについては186Nであり、接着力が弱く実施例に比べて接着強さに劣っていた。
比較例4の本発明の範疇に属さないゴム補強用ガラス繊維は、実施例1と同様の手順で、試験片をつくり、接着強さの評価を行ったところ、表1の比較例2に示すように、耐熱ゴムAについては304Nで、耐熱ゴムBについては323Nであり、双方のゴムに対して接着性は良好であり、接着強さに優れていた
(耐水性評価)
実施例1〜4および比較例4で作製したゴム補強用ガラス繊維を補強材として、母材ゴムに前記耐熱ゴムBを用い、巾19mm、長さ876mmの伝動ベルトを各々作製し、耐水性を評価するための耐水走行疲労試験を実施した。耐水性は、注水下、伝動ベルトを、歯車、即ち、プーリーを用いて走行させ、一定時間経過の引っ張り強さ保持率、即ち、耐水走行疲労性能で評価する。
図1は、ゴム補強用ガラス繊維を耐熱ゴムに埋設させて作製した伝動ベルトを切断した際の斜視図である。
伝動ベルト1はプーリーに噛み合わせるための高さ3.2mmの突起部1Aを多数有し、突起部を除く背部1Bの厚みが2.0mmで、伝動ベルトの該背部1Bには、断面に見られるように上撚りと下撚りの練り方向が異なるS撚り、6本Z撚り、6本、合わせて12本の各ゴム補強用ガラス繊維2が、S撚りとZ撚りとが交互になるように埋設されている。
図2は、伝動ベルトの耐水走行疲労試験機の概略側面図である。
図2に示すように、各々の伝動ベルト1を図示しない駆動モーターと発電機を備えた耐水走行疲労試験機に装着し耐水性を測定する。
伝動ベルト1は図示しない駆動モーターにより回転駆動される駆動プーリー3の駆動力により、従動プーリー4および5を回転させつつ走行する。従動プーリー5には図示しない発電機に連結されており、発電機を駆動し1kwの電力を発生させる。アイドラー6は、耐水走行疲労試験における走行中に回転しつつ伝動ベルト1を張る役割を有し、伝動ベルト1を張るための荷重として500Nを伝動ベルト1に与える。従動プーリー4、5は、径、60mm、歯数、20Tであり、駆動プーリー3は、径120mmであり、歯数、40Tである。耐水走行疲労試験中の駆動プーリー3の1分間あたりの回転数は、3000rpm、従動プーリー4、5の1分間あたりの回転数は、6000rpmである。回転方向は、伝動ベルト1に平行な矢印で示す。
常温において、図2に示すように、1時間当たり6000mlの水7を、駆動プーリー3と従動プーリー4の間において、伝動ベルト1に均等に滴下させつつ、駆動プーリー3を3000rpmで回転させ、伝動ベルト1を従動プーリー4および5、アイドラー6を用いて走行させた。このようにして、36時間、伝動ベルト1を走行させる耐水走行疲労試験を実施した。耐水走行疲労試験前の伝動ベルト1の引っ張り強さ、および耐水走行疲労試験後の引っ張り強さを測定し、数1の式により試験前に対する試験後の伝動ベルト1の引っ張り強さ保持率を求め、実施例1〜4及び比較例4のゴム補強用ガラス2を用いて作製した伝動ベルト1の耐水性を比較評価した。
(引張り強さ測定)
引張り強さ測定に供する試験片の長さは257mmであり、1本の伝動ベルトから3本切り取り得られる。これら試験片の端部各々をクランプ間距離145mmのクランプにてはさみ、引張り速度を50mm/分とし、ベルトが破壊されるまでの最大の抵抗値を引張り強さとした。1本のベルトから3回、抵抗値を測定し、その平均値を伝動ベルトの引張り強さとした。なお、試験前の引っ張り強さは、同様に作製した10本のベルトから各3回、抵抗値を測定して、その平均値を初期値として用いた。
Figure 0004410738
各々の伝動ベルトの耐水走行疲労試験後の引張り強さ保持率を表2に示す。
Figure 0004410738
表2に示すように、実施例1〜4のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを組成物とした1次被覆液をガラス繊維に塗布乾燥させた被覆層および更なるトリアジン系化合物を添加した2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コード2を用いた伝動ベルト1の走行試験後の引っ張り強さ保持率は、実施例1のゴム補強用ガラス繊維コード2を用いた場合は58%であり、実施例2のゴム補強用ガラス繊維コード2を用いた場合は63%であり、実施例3のゴム補強用ガラス繊維コード2を用いた場合は56%であり、実施例4のゴム補強用ガラス繊維コード2を用いた場合は54%であった。
それに対して、比較例4に示すように、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂を用いない替わりにレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を用いて作製した、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを組成物とした1次被覆液をガラス繊維コードに塗布乾燥させた被覆層および更なるトリアジン系化合物に属するトリアリルシアヌレートを添加した2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コード2の引っ張り強さ保持率は、比較例4のゴム補強用ガラス繊維コード2を用いた場合は43%であり、耐水性に劣っていた。
この耐水走行疲労試験の結果より、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体と、クロロスルホン化ポリエチレンとを組成物とした第1次被覆層上にトリアジン系化合物を0.3%〜10.0%添加したハロゲン含有ポリマーを用いた第2次液を塗布乾燥させた2次被覆層を有した本発明のゴム補強用ガラス繊維コードを用いた伝動ベルト1が優れた耐水性を有することが判った。
(耐熱性評価)
次いで、実施例1〜4及び比較例3,4で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを補強材として、母材ゴムに前記耐熱ゴムBを用い、前述の耐水性評価と同様に、巾19mm、長さ876mmの伝動ベルトを各々作製し、耐熱性を評価するための耐熱耐屈曲走行疲労試験を実施した。耐熱性は、高温下、伝動ベルトを、複数の歯車、即ち、プーリーを用いて、屈曲させつつ走行させ、一定時間経過の引っ張り強さ保持率、即ち、耐熱耐屈曲走行疲労性能で評価する。
図3は、伝動ベルトの耐熱耐屈曲走行疲労試験機の概略側面図である。
図3に示すように、各々の伝動ベルト1を図示しない駆動モーターを備えた耐熱耐屈曲走行疲労試験機に装着し耐熱性を測定する。伝動ベルト1は駆動モーターにより回転駆動される駆動プーリー8の駆動力により、3個の従動プーリー9、9´、9を回転させつつ走行する。アイドラー10は、耐熱耐屈曲走行疲労試験における走行中に伝動ベルト1を張るためのもので、伝動ベルト1を張る役割を有し、伝動ベルト1を張るための荷重として500Nを伝動ベルト1に与える。駆動プーリー8は、径、120mm、歯数、40Tであり、従動プーリー9、9´、9は、径60mmであり、歯数、20Tである。耐熱耐屈曲走行疲労試験中の駆動プーリー8の1分間あたりの回転数は、3000rpm、従動プーリー9、9´、9の1分間あたりの回転数は、6000rpmである。回転方向は、伝動ベルト1に平行な矢印で示す。
温度、130℃の環境下で、図3に示すように、駆動プーリー8を、3000rpmで回転させ、伝動ベルト1を従動プーリー9、9´、9、アイドラー10を用いて屈曲させつつ走行させた。このようにして、500時間、伝動ベルト1を走行させ耐熱耐屈曲走行疲労試験を実施した。耐熱耐屈曲走行疲労試験前の伝動ベルト1の引っ張り強さ、および耐熱耐屈曲走行疲労試験後の引っ張り強さを測定し、数1の式より試験前に対する試験後の伝動ベルト1の引っ張り強さ保持率を求め、実施例1〜4、比較例3,4のゴム補強用ガラス繊維2を用いて作製した伝動ベルト1の耐熱耐屈曲走行疲労性能、即ち、耐熱性を比較評価した。
各々の伝動ベルトの耐熱耐屈曲走行疲労試験後の引っ張り強さ保持率を表3に示す。
Figure 0004410738
表3に示すように、実施例1〜4のゴム補強用ガラス繊維2を用い作製した伝動ベルト1の耐熱耐屈曲走行疲労試験後の引っ張り強さ保持率は、各々95%、92%、88%、93%であり、比較例3のゴム補強用ガラス繊維2を用いた伝動ベルト1の、耐熱耐屈曲走行疲労試験後の引っ張り強さ保持率、73%より優れており、優れた耐熱性を有する。尚、比較例4のゴム補強用ガラス繊維コード2を用い作製した伝動ベルト1の耐熱耐屈曲走行疲労試験後の引っ張り強さ保持率は、90%と比較例3より優れた耐熱性を有する。
この耐熱耐屈曲走行疲労試験の結果より、1次被覆層上にハロゲン含有ポリマーの重量に対して、トリアジン系化合物を0.3%〜10.0%添加したハロゲン含有ポリマーを用いた第2次液を塗布乾燥させた2次被覆層を有した本発明のゴム補強用ガラス繊維を用いた伝動ベルト1が、優れた耐熱性を有することが判った。
実施例1〜4のゴム補強用ガラス繊維はHNBRとの優れた接着強さを有し、実施例1〜4のゴム補強用ガラス繊維2を用い作製した伝動ベルトは、優れた耐水性、耐熱性を有することより、高温多湿下で長時間使用するタイミングベルト等の自動車用伝動ベルトの芯線として使用するに好適である。
本発明により、ガラス繊維コードと耐熱ゴム、例えば、HNBRの接着に対し、好ましい接着強さを与えるガラス繊維コードの被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維を得て、該ゴム補強用ガラス繊維を、HNBRに埋設し伝動ベルトとした際に伝動ベルトに優れた耐水性と耐熱性とを併せ持たせた。よって、エンジン、モーター等の駆動源の駆動力を伝えるための伝動ベルトに補強用として埋設し、特にタイミングベルト等の自動車用伝動ベルトに使用するために、HNBRに埋め込み、自動車用伝動ベルトに高温多湿下における引っ張り強さの維持および寸法安定性を与えるゴム補強用ガラス繊維として使用される。
ゴム補強用ガラス繊維を耐熱ゴムに埋設させて作製した伝動ベルトを切断した際の斜視図である。 伝動ベルトの耐水走行疲労性能試験機の概略側面図である。 伝動ベルトの耐熱耐屈曲走行疲労性能試験機の概略側面図である。
符号の説明
1 伝動ベルト
1A 突起部
1B 背部
2 ゴム補強用ガラス繊維コード
3 駆動プーリー(駆動モーターに連結)
4 従動プーリー
5 従動プーリー(発電機に連結)
6 アイドラ−
7 水
8 駆動プーリー
9、9´、9 従動プーリー
10 アイドラ−

Claims (8)

  1. 伝動ベルトを作製する際に、母材ゴムに埋設して使用するゴム補強用ガラス繊維であって、複数本のガラス繊維ヤーンからなるガラス繊維コードにモノヒドロキシベンゼンーホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを含有する1次被覆層を形成し、その上層にハロゲン含有ポリマーとトリアジン系化合物を含有する2次被覆層を設けてなることを特徴とするゴム補強用ガラス繊維。
  2. 2次被覆層の全重量を基準とする重量百分率で表して、ハロゲン含有ポリマーの重量に対して重量百分率で表して、10.0%以上、70.0%以下のハロゲン含有ポリマーと、ハロゲン含有ポリマーの重量を基準とする重量百分率で表して、0.3%以上、10.0%以下のトリアジン系化合物からなる2次被覆層を設けてなることを特長とする請求項1に記載のゴム補強用ガラス繊維。
  3. トリアジン系化合物がトリアリルシアヌレートまたはトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴム補強用ガラス繊維。
  4. モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂が、モノヒドロキシベンゼンに対するホルムアルデヒドのモル比を0.5以上、3.0以下とし塩基性の触媒で反応させたレゾール型樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維。
  5. モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを合わせた重量を基準とした重量百分率で表して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂が、1.0%以上、15.0%以下、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体が、45.0%以上、82.0%以下、クロロスルホン化ポリエチレンが、3.0%以上、40.0%以下の範囲に含まれてなる1次被覆層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維。
  6. ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体を、スチレン−ブタジエン共重合体に、重量百分率で表して、5.0%以上、80.0%以下の範囲で替えてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維が母材ゴムに埋設されてなることを特徴とする伝動ベルト。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維が水素化ニトリルゴムに埋設されてなることを特徴とする自動車用タイミングベルト。
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