JP2012052262A - ゴム補強用ガラス繊維コード - Google Patents
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Abstract
【課題】伝動ベルトが、高温多湿下で長時間屈曲走行させた後において、屈曲走行前の引張り強度を維持し、優れた寸法安定性を有するゴム補強用ガラス繊維コードを提供する。
【解決手段】モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)とゴム(B)エマルジョンとを水に分散させてなるガラス繊維被覆用第1液を、ガラス繊維ストランド群に塗布し塗膜を形成して乾燥硬化させ、これを撚り数25mm当たり0.5回以上、4.5回以下で一方向に下撚りし糸束とし、この糸束の複数本を撚り数25mm当たり0.5回以上、2.0回以下で下撚り方向と逆の方向に上撚りし、更にクロロスルホン化ポリエチレンを含有するガラス繊維被覆用第2液を塗布乾燥してなるゴム補強用ガラス繊維コード2。
【選択図】図1
【解決手段】モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)とゴム(B)エマルジョンとを水に分散させてなるガラス繊維被覆用第1液を、ガラス繊維ストランド群に塗布し塗膜を形成して乾燥硬化させ、これを撚り数25mm当たり0.5回以上、4.5回以下で一方向に下撚りし糸束とし、この糸束の複数本を撚り数25mm当たり0.5回以上、2.0回以下で下撚り方向と逆の方向に上撚りし、更にクロロスルホン化ポリエチレンを含有するガラス繊維被覆用第2液を塗布乾燥してなるゴム補強用ガラス繊維コード2。
【選択図】図1
Description
本発明は、伝動ベルトを作製する際に、該伝動ベルトの部材であるゴムに埋設し補強を行うためのゴム補強用ガラス繊維コードに関する。更に、該ゴム補強用繊維を用いた該伝動ベルトに関する。
伝動ベルト、タイヤ等のゴム製品に引張り強さおよび寸法安定性を与えるために、ガラス繊維コード、ナイロン繊維、アラミド繊維およびポリエステル繊維等の引張り強さの大きい繊維をゴム製品の部材ゴムに補強材として埋設することは一般的に行われる。ゴム製品の部材ゴムに埋設するゴム補強用繊維には、ゴム製品の部材であるゴムとの接着が強固でその界面で剥離しないことが必要とされる。しかしながら、多数本のガラス繊維コードフィラメントにシランカップリング剤および樹脂等を含有する集束剤を散布し集束させたガラス繊維束をそのままゴム製品の部材ゴムに埋め込んでも、界面で剥離してしまい補強材としての用をなさない。そのため、伝動ベルトを製造する際に該伝動ベルトの部材ゴムに埋設して使用するゴム補強用ガラス繊維コードには、該伝動ベルトの部材ゴムと接着するための被覆材をガラス繊維束に被覆した被覆層を設ける。
例えば、自動車用伝動ベルトは高温のエンジンル−ム内で使用されるため、前記被覆処理を行ったゴム補強用ガラス繊維コードを埋設し芯線とした伝動ベルトであっても、高温下において屈曲し続ける過酷な走行状況において、ゴム補強用ガラス繊維コードと該伝動ベルトの部材ゴムとの初期の接着強さが持続されず、長時間の走行においては、ゴム補強用ガラス繊維コードと該伝動ベルトの部材ゴムとの界面での剥離をきたすこともある。
自動車用伝動ベルトには、高温下のエンジンルーム内で、水がかかり、また、エンジンオイル、潤滑油等の油が付着する過酷な環境下における長時間の屈曲走行後において、引張り強さを持続し伸びがなく寸法安定性に優れていることが要求される。特に、タイミングベルトは、エンジンのカムシャフトおよびクランクシャフトを連結し、バルブの開閉をピストンの上下動に連動させるもので歯付きベルトが使用され、過酷な条件下の長時間の屈曲走行において、破損は言うにおよばず、少しの伸びも許されない。タイミングベルトの部材ゴムは、耐熱ゴムである水素化ニトリルゴム(以下、HNBRと略する)が用いられ、芯線には耐久性が有り、アラミド繊維に比べ安価なことからゴム補強用ガラス繊維コードが用いられ、さらなる寸法安定性と耐久性の向上が望まれている。
伝動ベルトの部材ゴムとしてのHNBRとガラス繊維コードとの初期の接着強さを持続し界面の剥離をきたさず、高温下の屈曲走行においても長期信頼性のある伝動ベルトを提供するための被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維コードとして、ガラス繊維コードに1次被覆層を設け、該1次被覆層上に異なる組成のガラス繊維コード2次被覆用途塗布液を塗布乾燥させて、さらなる2次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維コードが特許文献1〜3に開示されている。
従来、自動車のタイミングベルト等の耐熱性の伝動ベルトは、レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物とゴムエマルジョンからなるガラス繊維被覆用塗布液を用いてガラス繊維コードに塗布乾燥させたゴム補強用ガラス繊維コードを耐熱ゴムとしてのHNBRに埋設し作製された。また、ガラス繊維コードとHNBRの接着性、ひいては耐熱性を高めるために、該ゴム補強用ガラス繊維コードにさらなる2次被覆層を設け耐熱ゴムとしてのHNBRに埋設し作製された。
例えば、特許文献1において、ハロゲン含有ポリマーとイソシアネートを含む第2液で処理する方法が開示されている。
さらに、本出願人の特許出願に係る特許文献2には、レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物とゴムラテックスと含有する1次被覆層を設け、ビスアリルナジイミドとゴムエラストマーと加硫剤と無機充填材とを含有する2次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維コードが開示されている。
また、伝動ベルトとした際の耐水性の向上を目的として、本出願人の特許出願に係る特許文献3には、ガラス繊維コードに被覆するための、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンとを水に分散させエマルジョンとしたガラス繊維被覆用塗布液が開示されている。
また、特許文献4には、ゴムラテックス、レゾルシン−ホルムアルデヒド水溶性縮合物で処理したガラス繊維コードを、下撚り数を25mm当たり2.5〜4.0回、上撚り数を25mm当たり1.5〜1.8回としたゴム補強用ガラス繊維コードが開示されている。
従来の伝動ベルトにおいて、ガラス繊維束に被覆材を塗布したゴム補強用ガラス繊維コードと伝動ベルトの部材ゴムとの初期の接着強さは得られたが、伝動ベルトを高温多湿下で長時間屈曲走行させた後において、屈曲走行前の引張り強度を持続し、寸法変化のない優れた耐熱性、耐水性を併せ持つものがない、特に優れた寸法安定性を有するものがないと言う問題があった。
本発明者らが鋭意検討した結果、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とゴムエマルジョンとの水分散体からなるガラス繊維コード被覆用第1液と、クロロスルホン化ポリエチレンを含有するガラス繊維コード被覆用第2液を用いてなるゴム補強用ガラス繊維コードにおいて、本発明の範疇に入るコード構成にすると、架橋されたHNBRに埋設し伝動ベルトとした際に、高温下および注水下の長時間の走行後も引張り強さを維持し、伝動ベルトに優れた寸法安定性を与えるゴム補強用ガラス繊維コードが提供されることが判った。
すなわち、本発明は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とゴムエマルジョンとを水に分散させてなるガラス繊維コード被覆用第1液を、平均直径、5μm以上、12μm以下のガラス繊維コードのフィラメントが、100本以上、800本以下に引き揃えられたストランド又はこれを複数本集めたストランド群に塗布し塗膜を形成して乾燥硬化させ、これを撚り数、0.5回/25mm以上、4.5回/25mm以下で、一方向に下撚りし糸束とし、この糸束の複数本を撚り数、0.5回/25mm以上、2.0回/25mm以下で、下撚りと逆方向に上撚りし、更にクロロスルホン化ポリエチレンを含有するガラス繊維コード被覆用第2液を塗布乾燥してなるゴム補強用ガラス繊維コードである。
また、本発明は、前記モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)が、モノヒドロキシベンゼンに対するホルムアルデヒドのモル比を0.5以上、3.0以下とし塩基性の触媒で反応させたレゾール型樹脂であることを特徴とする上記ゴム補強用ガラス繊維コードである。
また、本発明は、質量百分率で表して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)がA/(A+B)=3%以上、20%以下、ゴム(B)がB/(A+B)=80%以上、97%以下の範囲に含まれてなることを特徴とする上記ゴム補強用ガラス繊維コードである。
また、本発明は、前記ゴム(B)エマルジョンとして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の群から選ばれるゴム(B)のエマルジョンを1種類、あるいは2種類以上組み合わせて含むガラス繊維コード被覆用第1液で処理することを特徴とするゴム補強用ガラス繊維コードである。
また、本発明は、前記下撚りの撚り数は25mm当たり0.8回以上、2.2回以下である上述のゴム補強用ガラス繊維コードである。
また、本発明は、前記上撚り数は25mm当たり1.0回以上、1.8回以下である上述のゴム補強用ガラス繊維コードである。
また、本発明は、上述のゴム補強用ガラス繊維コードを耐熱ゴムに埋没させてなることを特徴とする伝動ベルトである。
本発明によるゴム補強用ガラス繊維コードは、耐熱ゴムである、例えば、硫黄により、または過酸化物により架橋されたHNBRへ埋設した際に、ガラス繊維コードと架橋されたHNBRとに優れた接着強さを有する。更に、架橋されたHNBRへ埋設して伝動ベルトとした際に、耐熱性および耐水性を併せ持たせ、高温多湿下における伝動ベルトとしての長時間の使用後、言い換えれば、走行後において、ガラス繊維コードと耐熱ゴムの界面が剥離する懸念がなく該伝動ベルトは引張り強さを維持し寸法安定性に優れるゴム補強用ガラス繊維コードを提供することができる。
本発明は、フェノール樹脂に属するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)とゴム(B)エマルジョンとを水に分散させてなるガラス繊維コード被覆用第1液を、平均直径5μm以上、12μm以下のガラス繊維コードのフィラメントが100本以上、800本以下に引き揃えられたストランド又はこれを複数本集めたストランド群に塗布し塗膜を形成して乾燥硬化させ、これを撚り数0.5回/25mm以上、4.5回/25mm以下で一方向に下撚りし糸束とし、この糸束の複数本を撚り数0.5回/25mm以上、2.0回/25mm以下で逆方向に上撚りし、更にクロロスルホン化ポリエチレンを含有するガラス繊維コード被覆用第2液を塗布乾燥してなるゴム補強用ガラス繊維コードである。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードは、従来のゴム補強ガラス繊維コードに比較して、耐熱ゴム、例えば架橋されたHNBRに埋没して伝動ベルトとした際に、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)とゴム(B)エマルジョンによる被覆と撚り方により、優れた耐水性および耐熱性、特に寸法安定性を併せ持たせる。
本発明において、ガラス繊維に塗布し被覆層を形成するガラス繊維被覆用塗布液には、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)とゴム(B)エマルジョンとを水に分散させたガラス繊維被覆用塗布液を用いる。
前記モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)としては、モノヒドロキシベンゼン(D)に対するホルムアルデヒド(E)のモル比が0.5以上、3.0以下、即ち、E/D=0.5以上、3.0以下で、塩基性の触媒で反応させたレゾール型の縮合物を用いることが好ましい。ホルムアルデヒド(E)のモル比がE/D=0.5未満では、ゴム補強用ガラス繊維コードと耐熱ゴムとの接着強さに劣り、E/D=3.0を越えるとガラス繊維被覆用塗布液がゲル化し易い。尚、前記塩基性の触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化バリウム等が挙げられる。酸性の触媒で反応させたノボラック型の縮合物は、ゴムラテックスとの安定性が劣り、使用できない。
前記ゴム(B)エマルジョンのゴム(B)は、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ブタジエンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、塩化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴムを挙げることができ、これらから選ばれるゴム(B)は1種類を用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
伝動ベルトに優れた寸法安定性を与えるゴム補強用ガラス繊維コードを得るには、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の群から選ばれるゴム(B)のエマルジョンを1種類、あるいは2種類以上組み合わせて用いることが好ましい。
ゴム補強用ガラス繊維コード被覆用第1液の組成として、例えば、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合体(A)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)、クロロスルホン化ポリエチレン(E)の組み合わせが挙げられる。
伝動ベルトに使用した際のゴム補強用ガラス繊維コードと母材ゴムに、所望の接着強さを得るには、ガラス繊維被覆用塗布液に含まれるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)とクロロスルホン化ポリエチレン(E)とを合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)が1.0%以上、15.0%以下、即ち、A/(A+C+D+E)=1.0%以上、15.0%以下、アクリロニトリル−ブタジエン共重合(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体が30.0%以上、82.0%以下、即ち、C/(A+C+D+E)=30.0%以上、82.0%以下、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)が3.0%以上、60.0%以下、即ち、D/(A+C+D+E)=3.0%以上、60.0%以下、クロロスルホン化ポリエチレン(E)が3.0%以上、40.0%以下、即ち、E/(A+C+D+E)=3.0%以上、40.0%以下の範囲で含まれることが好ましい。尚、ガラス繊維被覆用塗布液中の含有割合のままに、ゴム補強用ガラス繊維コードの被覆層は形成される。
ゴム補強用ガラス繊維被覆用塗布液中の、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)の含有が1.0%より少ないと、ストランドの被覆材とした際に、ゴム補強用ガラス繊維コードの耐水性、耐熱性が低下する。モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)の含有が15.0%を超えると、ガラス繊維被覆用塗布液が凝集沈殿を起こし易く使用不能となる。よって、本発明のガラス繊維被覆用塗布液における好適なモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)の含有範囲は、ガラス繊維被覆用塗布液に含まれるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)とクロロスルホン化ポリエチレン(E)とを合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、A/(A+C+D+E)=1.0%以上、15.0%以下である。
また、ゴム補強用ガラス繊維被覆用塗布液中の、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の含有が30.0%より少ないと、ゴム補強用ガラス繊維コードと、伝動ベルトとする際に埋め込む母材ゴムである水素化ニトリルゴムとの接着強さが弱くなり、伝動ベルトにした際に好ましい耐熱性が得難い。アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の含有が82.0%を超えると、ストランドに被覆する際に、被覆に粘着性が生じ被覆層が転写し易くなり、工程が汚れる等の不具合が生じる。よって、本発明のガラス繊維被覆用塗布液におけるアクリロニトリル−ブタジエン共重合(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の好適な含有範囲は、ガラス繊維被覆用塗布液に含まれるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)とクロロスルホン化ポリエチレン(E)とを合わせた質量を100%基準とする質量百分率で表して、C/(A+C+D+E)=30.0%以上、82.0%以下である。
また、ゴム補強用ガラス繊維被覆用塗布液中の、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)の含有が3.0%より少ないと、ゴム補強用ガラス繊維コードと、伝動ベルトとする際に埋め込む母材ゴムである水素化ニトリルゴムとの接着強さが弱くなり、伝動ベルトにした際に好ましい耐熱性が得難い。ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)の含有が60.0%を超えると、ストランドに被覆する際に、被覆に粘着性が生じ被覆層が転写し易くなり、工程が汚れる等の不具合が生じる。よって、本発明のガラス繊維被覆用塗布液におけるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)の好適な含有範囲は、ガラス繊維被覆用塗布液に含まれるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)とクロロスルホン化ポリエチレン(E)とを合わせた質量を100%基準として、D/(A+C+D+E)=3.0%以上、60.0%以下である。
また、ゴム補強用ガラス繊維被覆用塗布液中の、クロロスルホン化ポリエチレン(E)の含有が3.0%より少ないと、ゴム補強用ガラス繊維コードと、伝動ベルトとする際に埋め込む母材ゴムである水素化ニトリルゴムとの接着強さが弱くなり、伝動ベルトにした際に好ましい耐熱性が得難い。クロロスルホン化ポリエチレン(E)の含有が40.0%を超えると、ストランドに被覆する際に、被覆に粘着性が生じ被覆層が転写し易くなり、工程が汚れる等の不具合が生じる。よって、本発明のガラス繊維被覆用塗布液におけるクロロスルホン化ポリエチレン(E)の好適な含有範囲は、ガラス繊維被覆用塗布液に含まれるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)あるいはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)とクロロスルホン化ポリエチレン(E)とを合わせた質量を100%基準として、E/(A+C+D+E)=3.0%以上、40.0%以下である。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードの被覆用塗布液に使用されるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)として、例えば、工業用フェノール樹脂として市販されている群栄化学工業株式会社制、商品名、レジトップ、型番PL−4667が挙げられる。
ゴム補強用ガラス繊維被覆用塗布液の組成に、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体のエマルジョンを用い、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体をゴム補強用ガラス繊維コードの被覆層に含有させると、ゴムに埋設して伝動ベルトとした際に、例えば、母材ゴムが水素化ニトリルゴムであれば、ゴム補強用ガラス繊維コードと水素化ニトリルゴムの接着強さが増し、伝動ベルトが伸びることなく、屈曲走行時の寸法安定性が増す。好ましくは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を用いるより、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体を用いると一層の寸法安定効果が増す。
このようなアクリロニトリル−ブタジエン共重合体には、例えば、日本ゼオン株式会社製、商品名、Nipol L1561、Nipol L1562、Nipol SX1503A等が挙げられる。また、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体には、例えば、日本ゼオン株式会社製、商品名、Nipol L1577K、Nipol L1571CL等が挙げられる。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのガラス繊維被覆用塗布液の組成物として用いるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)には、ビニルピリジン:スチレン:ブタジエンの比が、質量比で10〜20:10〜20:80〜60の範囲で重合させてなるビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)を用いることが好ましく、市販の日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテクス、JSR株式会社製、商品名、0650、および日本ゼオン株式会社製、商品名、Nipol2518FS,Nipol2518GL等が挙げられる。尚、前記質量比を外れたビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)を用いたガラス繊維被覆用塗布液を使用した後、塗布後乾燥させてストランドに被覆を施し作製したゴム補強用ガラス繊維コードは、母材ゴムとの接着強さに劣る。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのガラス繊維被覆用塗布液の組成物として用いるクロロスルホン化ポリエチレン(E)は、重量百分率で表して、塩素含有量が20.0%〜40.0%、スルフォン基中の硫黄含有量が0.5%〜2.0%のものが好適に用いられ、例えば、固形分約40質量%のラテックスとして、住友精化株式会社製、商品名、CSM−450が市販されており、本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのガラス繊維被覆用塗布液に使用される。尚、前述の塩素含有量及びスルフォン基中の硫黄含有量を外れたクロロスルホン化ポリエチレン(E)を用いたガラス繊維被覆用塗布液を使用し、ガラス繊維コードに被覆を施し作製したゴム補強用ガラス繊維コードは、母材である架橋されたHNBRとの接着性に劣る。
本発明において、前記塗布液を、平均直径3μm以上、12μm以下のガラス繊維コードのフィラメントが100本以上、800本以下の引き揃えられたストランド又はこれを複数本集めたストランド群に塗布し塗膜を形成して乾燥硬化させ、これを撚り数0.5回/25mm以上、4.5回/25mm以下で一方向に下撚りし糸束とし、この糸束の複数本を撚り数0.5回/25mm以上、2.0回/25mm以下で逆方向に上撚りしたゴム補強用ガラス繊維コードを用いる。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのフィラメントの平均直径が3.0μm以上、12μm以下の範囲であり、3.0μm未満では、ガラスの繊維化は困難で、ガラス繊維コードの生産性に劣る。好ましくは5.0μm以上である。12μmを超えると、ゴム補強用ガラス繊維コードの柔軟性が失われ、伝動ベルトとした際の耐熱性が失われる。好ましくは12μm以下である。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのストランドのフィラメント本数は100本以上、800本以下の範囲であり、100本未満では必要なゴム補強用ガラス繊維コードの太さを得るのに多くのストランド数を必要とし、生産性を著しく下げる。好ましくは200本以上である。800本を超えると、ガラス繊維被覆用塗布液がフィラメント間に含浸し難くなる。好ましくは700本以下である。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのストランドの下撚り糸の撚り数は0.5回/25mm以上、4.5回/25mm以下の範囲であり、0.5回/25mm未満では、フィラメント間のまとまりが無く、ゴム補強用ガラス繊維コードの生産過程での作業性が悪く、生産性を著しく下げる。好ましくは0.7回/25mm以上である。4.5回/25mmを超えると撚り時間が長くなり生産性を著しく下げる。好ましくは4.2回/25mm以下である。
本発明のゴム補強用ガラス繊維コードのストランドの上撚り糸の撚り数は0.5回/25mm以上、2.0回/25mm以下の範囲であり、0.5回/25mm未満では、ゴム補強用ガラス繊維コードを構成する下撚り糸間の一体感が無く、ベルトの生産過程での作業性が悪く、生産性を著しく下げる。好ましくは1.0回/25mm以上である。2.0回/25mmを超えるとゴム補強用ガラス繊維コードを芯線としたベルトの伸びが著しく大きくなる。好ましくは1.8回/25mm以下である。
ストランドにフェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)としてのモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物と、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)と、クロロスルホン化ポリエチレン(E)を含有する1次被覆用塗布液を塗布被覆して、所定の構成と撚り数で撚った後、更に、クロロスルホン化ポリエチレンとp−ジニトロソベンゼンとヘキサメチレンジアリルナジイミドとカーボンブラックを含有する2次被覆層を形成したゴム補強用ガラス繊維コードを製作した。(実施例1)
次いで、ストランドにフェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)としてのモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物と、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(C)と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)と、クロロスルホン化ポリエチレン(E)を含有する1次被覆用塗布液を塗布被覆して、所定の構成と撚り数で撚った後、更に、クロロスルホン化ポリエチレンとp−ジニトロソベンゼンとヘキサメチレンジアリルナジイミドとカーボンブラックを含有する2次被覆層を形成したゴム補強用ガラス繊維コードを製作した。(実施例2、3、4)
次いで、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コードを製作した。(比較例1、2、3)
これら本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)の引張強さ評価試験を行い評価結果を比較した。
次いで、ストランドにフェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)としてのモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物と、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(C)と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)と、クロロスルホン化ポリエチレン(E)を含有する1次被覆用塗布液を塗布被覆して、所定の構成と撚り数で撚った後、更に、クロロスルホン化ポリエチレンとp−ジニトロソベンゼンとヘキサメチレンジアリルナジイミドとカーボンブラックを含有する2次被覆層を形成したゴム補強用ガラス繊維コードを製作した。(実施例2、3、4)
次いで、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コードを製作した。(比較例1、2、3)
これら本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)の引張強さ評価試験を行い評価結果を比較した。
また、これら本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)の耐熱ゴムに対する接着強さ評価試験を行い、評価結果を比較した。
また、これら、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード、または従来のゴム補強用ガラス繊維コードを耐熱ゴムに埋設させた伝動ベルトを作製した。次いで、これら伝動ベルトをプーリーにセットして、耐水性を評価するために、伝動ベルトに水をかけつつ長時間走行させて、被覆層が初期の接着強さを持続した結果として長時間走行後も引張り強さが変化せず、寸法安定性に優れることを評価するための耐水走行疲労性能評価試験を行い、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)を埋設した伝動ベルト、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)を埋設した伝動ベルトにおける評価結果と比較した。また、耐熱性を評価するために、伝動ベルトに高温下複数のプーリーを用いて、長時間の屈曲走行をさせて、被覆層が初期の接着強さを持続した結果として長時間走行後も引張り強さが変化せず、寸法安定性に優れることを評価するための耐熱耐屈曲走行疲労性能評価試験を行い、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例2、4)を埋設した伝動ベルト、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1、2)を埋設した伝動ベルトにおける評価結果を比較した。
以下、詳細に述べる。
実施例1
(1次被覆用塗布液の調製)
フェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)に属するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンとビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョンとアンモニア水と水を添加し、1次被覆用塗布液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
フェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)に属するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンとビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョンとアンモニア水と水を添加し、1次被覆用塗布液を調製した。
詳しくは、市販のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液(群栄化学工業株式会社製、商品名、レジトップ、型番PL−4667、固形分、50質量%)を1質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2倍の質量割合で希釈したモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液を用いた。モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液、96重量部と、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社、商品名、Nipol L1562、固形分濃度、41.0質量%)114重量部と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョン(日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス、固形分、41.0質量%)441重量部を加え、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25.0質量%)22重量部を添加し、クロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョン(住友精化株式会社製、商品名、CSM450、固形分、40.0質量%)168重量部を加え、全体として1000重量部になるように水を添加して、1次被覆用塗布液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
次いで、クロロスルホン化ポリエチレン(E)と、p−ジニトロソベンゼンと、ビスアリルナジイミドに属するヘキサメチレンジアリルナジイミドとに、カーボンブラックを加え、キシレンに分散させた2次被覆液を調製した。
次いで、クロロスルホン化ポリエチレン(E)と、p−ジニトロソベンゼンと、ビスアリルナジイミドに属するヘキサメチレンジアリルナジイミドとに、カーボンブラックを加え、キシレンに分散させた2次被覆液を調製した。
詳しくは、クロロスルホン化ポリエチレン(E)としての東ソー株式会社製、商品名、TS−430、100重量部と、p−ジニトロソベンゼン、40重量部と、N−N‘−ヘキサメチレンジアリルナジイミドとしての丸善石油化学株式会社製、商品名、BANI−H、0.3重量部とに、カーボンブラック、30重量部を加え、キシレン、1315重量部に分散させてガラス繊維コード2次被覆用塗布液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1)を作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
実施例2
(1次被覆用塗布液の調製)
フェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)に属するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体のエマルジョンとビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョンとアンモニア水と水を添加し、1次被覆用塗布液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
フェノール類−ホルムアルデヒド縮合物(A)に属するモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体のエマルジョンとビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョンとアンモニア水と水を添加し、1次被覆用塗布液を調製した。
詳しくは、市販のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液(群栄化学工業株式会社製、商品名、レジトップ、型番PL−4667、固形分、50質量%)を1質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2倍の質量割合で希釈したモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液を用いた。モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液、96重量部と、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)としてのアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体のエマルジョン(日本ゼオン株式会社製、商品名、Nipol L1577K 固形分濃度、38.0質量%)126重量部と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョン(日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス、固形分、41.0質量%)441重量部を加え、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25.0質量%)22重量部を添加し、クロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョン(住友精化株式会社製、商品名、CSM450、固形分、40.0質量%)168重量部を加え、全体として1000重量部になるように水を添加して、1次被覆用塗布液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1)を作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
実施例3
(1次被覆用塗布液の調製)
実施例2と同様の1次被覆液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
実施例2と同様の1次被覆液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり1.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
実施例4
(1次被覆用塗布液の調製)
実施例2と同様の1次被覆液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
実施例2と同様の1次被覆液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.75回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
比較例1
(1次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の1次被覆液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の1次被覆液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり2.0回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
比較例2
(1次被覆用塗布液の調製)
レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物(F)の水溶液に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンとビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョンとアンモニア水と水を添加し、1次被覆用塗布液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物(F)の水溶液に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョンとビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョンとクロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョンとアンモニア水と水を添加し、1次被覆用塗布液を調製した。
実施例1とは異なり、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液を替えてレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂(F)の水溶液(レゾルシンとホルムアルデヒドとのモル比、1.0:1.0で反応させたもの、固形分、9.7質量%)247重量部と、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(C)のエマルジョン(日本ゼオン株式会社、商品名、Nipol L1562、固形分濃度、41.0質量%)114重量部と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体(D)のエマルジョン(日本エイアンドエル株式会社製、商品名、ピラテックス、固形分、41.0質量%)441重量部を加え、pH調整剤としてアンモニア水(濃度、25.0質量%)22重量部を添加し、クロロスルホン化ポリエチレン(E)のエマルジョン(住友精化株式会社製、商品名、CSM450、固形分、40.0質量%)168重量部を加え、全体として1000重量部になるように水を添加して、1次被覆用塗布液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり2.0回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1)を作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
比較例3
(1次被覆用塗布液の調製)
比較例2と同様の1次被覆液を調製した。
(1次被覆用塗布液の調製)
比較例2と同様の1次被覆液を調製した。
(2次被覆用塗布液の調製)
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
実施例1と同様の2次被覆液を調製した。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの作製)
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
径9μmのガラス繊維コードフィラメントを、アクリルシラン系カップリング剤及び樹脂を含有する集束剤を用い200本集束したストランド3本を引き揃えた後、前述の手順で作製した1次被覆用塗布液を塗布し、その後、280℃下で、22秒間乾燥させて1次被覆層を設け1本のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。
この時の固形分付着率、即ち、被覆層の質量割合は、ゴム補強用ガラス繊維コードの全質量に対して20.0%であった。
前記被覆層を設けたガラス繊維コードを、25mm当たり1.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをする作業を施した。その後、前述の手順で作製したガラス繊維コード2次被覆用塗布液を塗布した後、110℃で1分間の乾燥を行い、2次被覆層を設け、本発明のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。このようにして、下練りと上練りの方向を各々逆方向とした2種類のゴム補強用ガラス繊維コードを作製した。各々、S練り、Z練りと称する。
この時の固形分付着率、即ち、2次被覆層の質量割合は、1次及び2次被覆層を設けたガラス繊維束の質量に対して、3.5質量%であった。
(ゴム補強用ガラス繊維コードの引張強さ評価試験と結果)
実施例1〜4および比較例1〜3で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを引張試験機に装着し、クランプ間距離250mm、引張速度250mm/minとし、ゴム補強用ガラス繊維コードが破断したときの抵抗値を測定し引張強さとした。
実施例1〜4および比較例1〜3で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを引張試験機に装着し、クランプ間距離250mm、引張速度250mm/minとし、ゴム補強用ガラス繊維コードが破断したときの抵抗値を測定し引張強さとした。
表1に、各ゴム補強用ガラス繊維コードの引張強さを示す。
表1に示すように、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)ともに引張強さは同等(903〜920N)であり、下撚り数、上撚り数の違いによるゴム補強用ガラス繊維コードの引張強さの差はない。
(接着強さの評価試験)
接着強さの評価試験を説明する前に、試験に使用した耐熱ゴムを説明する。
接着強さの評価試験を説明する前に、試験に使用した耐熱ゴムを説明する。
母材ゴムとしてのHNBR(日本ゼオン株式会社製、型番、2020)、100重量部に対して、カーボンブラック、40重量部と、亜鉛華、5重量部と、ステアリン酸、0.5重量部と、硫黄、0.4重量部と、加硫促進剤、2.5重量部と、老化防止剤、1.5重量部とを配合した。
試験片はHNBRからなる3mm厚、25mm幅のゴムシート上に前記ゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4、比較例1〜3)を20本並べ、その上から布をかぶせ、温度、150℃下、196ニュートン/cm2の条件で端部を除き押圧し、30分間加硫させつつ成形して、接着強さ評価のための試験片を得た。この試験片の接着強さの測定を、端部において各々のゴムシートとゴム補強用ガラス繊維コードを個別にクランプにて挟み、剥離速度を50mm/minとし、ゴムシートからゴム補強用ガラス繊維コードを剥がす際の最大の抵抗値を測定し、接着強さとした。接着強さが大きいほど接着力に優れる。
(接着強さの評価結果)
接着強さの評価結果を表2に示す。表2において、ガラス繊維コードとHNBRが界面から剥離していない破壊状態をゴム破壊とし、界面から一部のみでも剥離している破壊状態を界面剥離とした。ゴム破壊の方が、界面剥離より接着強さに優れる。表2に、各ゴム補強用ガラス繊維コードのHNBRに対する接着強さを示す。
表2に示すように、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)ともに接着強さは同等(316〜323N)であり、剥離状態はゴム破壊であり同様な結果であった。
接着強さの評価結果を表2に示す。表2において、ガラス繊維コードとHNBRが界面から剥離していない破壊状態をゴム破壊とし、界面から一部のみでも剥離している破壊状態を界面剥離とした。ゴム破壊の方が、界面剥離より接着強さに優れる。表2に、各ゴム補強用ガラス繊維コードのHNBRに対する接着強さを示す。
(耐水性評価)
実施例1〜4および比較例1〜3で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを補強剤として、前記の母材ゴムを用い、巾19mm、長さ876mmの伝動ベルトを各々作製し、耐水性を評価するための耐水走行疲労試験を実施した。耐水性は、注水下、伝動ベルトを、歯車、即ち、プーリーを用いて走行させ、一定時間経過の引張り強さ保持率、即ち、耐水走行疲労性能で評価する。
実施例1〜4および比較例1〜3で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを補強剤として、前記の母材ゴムを用い、巾19mm、長さ876mmの伝動ベルトを各々作製し、耐水性を評価するための耐水走行疲労試験を実施した。耐水性は、注水下、伝動ベルトを、歯車、即ち、プーリーを用いて走行させ、一定時間経過の引張り強さ保持率、即ち、耐水走行疲労性能で評価する。
図2は、ゴム補強用ガラス繊維コードを耐熱ゴムに埋設させて作製した伝動ベルトを切断した際の斜視図である。
伝動ベルト1はプーリーに噛み合わせるための高さ3.2mmの突起部1Aを多数有し、突起部を除く背部1Bの厚みが2.0mmで、伝動ベルトの該背部1Bには、断面に見られるように上撚りと下撚りの練り方向が異なるS撚り6本、Z撚り6本、合わせて12本の各ゴム補強用ガラス繊維コード2が、S撚りとZ撚りとが交互になるように埋設されている。
図2は、伝動ベルトの耐水走行疲労試験機の概略側面図である。
図2に示すように、各々の伝動ベルト1を図示しない駆動モーターと発電機を備えた耐水走行疲労試験機に装着し耐水性を測定する。
伝動ベルト1は駆動モーターにより回転駆動される駆動プーリー3の駆動力により、従動プーリー4および5を回転させつつ走行する。従動プーリー5には図示しない発電機に連結されており、発電機を駆動し1kwの電力を発生させる。アイドラー6は、耐水走行疲労試験における走行中に回転しつつ伝動ベルト1を張る役割を有し、伝動ベルト1を張るための荷重として500Nを伝動ベルト1に与える。従動プーリー4、5は、径、60mm、歯数、20Tであり、駆動プーリー3は、径120mmであり、歯数、40Tである。耐水走行疲労試験中の駆動プーリー3の1分間あたりの回転数は、3000rpm、従動プーリー4、5の1分間あたりの回転数は、6000rpmである。回転方向は、伝動ベルト1に平行な矢印で示す。
常温において、図2に示すように、1時間当たり6000mlの水7を、駆動プーリー3と従動プーリー4の間において、伝動ベルト1に均等に滴下させつつ、駆動プーリー3を3000rpmで回転させ、伝動ベルト1を従動プーリー4および5、アイドラー6を用いて走行させた。このようにして、36時間、伝動ベルト1を走行させる耐水走行疲労試験を実施した。伝動ベルト1の端面のガラス繊維コードの解れの有無と、耐水走行疲労試験前の伝動ベルト1の引張り強さ、および耐水走行疲労試験後の引張り強さを測定し、数1の式により試験前に対する試験後の伝動ベルト1の引張り強さ保持率を求め、実施例1〜4及び比較例1〜3のゴム補強用ガラス2を用いて作製した伝動ベルト1の耐水性を比較評価した。
(引張強さ測定)
引張り強さ測定に供する試験片の長さは257mmであり、1本の伝動ベルトから3本切り取り得られる。これら試験片の端部各々をクランプ間距離145mmのクランプにてはさみ、引張り速度を50mm/分とし、伝動ベルトが破壊されるまでの最大の抵抗値を引張り強さとした。1本の伝動ベルトから3回、抵抗値を測定し、その平均値を伝動ベルトの引張り強さとした。
引張り強さ測定に供する試験片の長さは257mmであり、1本の伝動ベルトから3本切り取り得られる。これら試験片の端部各々をクランプ間距離145mmのクランプにてはさみ、引張り速度を50mm/分とし、伝動ベルトが破壊されるまでの最大の抵抗値を引張り強さとした。1本の伝動ベルトから3回、抵抗値を測定し、その平均値を伝動ベルトの引張り強さとした。
引張り強さ保持率(%)は次式より求めた。
引張り強さ保持率(%)=試験後の引張り強さ÷試験前の引張り強さ×100
各々の伝動ベルトの耐水走行疲労試験後の引張り強さ保持率を表3に示す。
表3が示すように、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)を用いた伝動ベルトの引張強さ保持率で、1次組成にアクリル−ブタジエン共重合体を用いた実施例1が55%、アクリル−ブタジエン共重合体の代わりに、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体を用いた実施例2、3および4各々が、60%、62%および61%であり、アクリル−ブタジエン共重合体の代わりに、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体を用いた方が引張強さ保持率は優れていた。
各々の伝動ベルトの耐水走行疲労試験後の引張り強さ保持率を表3に示す。
従来の、下撚り数、上撚り数共に25mm当たり2.0回の撚り数を有する比較例1、2のゴム補強用ガラス繊維コードで作製した伝動ベルトの端面のガラス繊維コードの解れは、無かった。
実施例1のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを1次被覆層とし、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合と、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを1次被覆層とし、実施例2の、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合、あるいは、同じ1次被覆層で実施例3の、25mm当たり1.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合、あるいは、同じ1次被覆層で実施例4の、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.75回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合は、伝動ベルト端面のガラス繊維コードの解れは無かった。
それに対して、比較例3に示すように、従来のレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを1次被覆層とし、25mm当たり1.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合は、伝動ベルト端面のガラス繊維コードの解れがあった。
この耐水走行疲労試験の結果より、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を用いたゴム補強用ガラス繊維コード2に比較して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂を用いたゴム補強用ガラス繊維コード2を心線とする伝動ベルト1は、ゴム補強用ガラス繊維コード2の撚り数を下げても、端面の解れが無いことが判った。
(耐熱性評価)
次いで、実施例1〜4及び比較例1〜3で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを補強材として、前記の母材ゴムを用い、前述の耐水性評価と同様に、巾19mm、長さ876mmの伝動ベルトを各々作製し、耐熱性を評価するための耐熱耐屈曲走行疲労試験を実施した。耐熱性は、高温下、伝動ベルトを、複数の歯車、即ち、プーリーを用いて、屈曲させつつ走行させ、一定時間経過の伝動ベルトの伸び率と端面のガラス繊維コードの解れの有無と引張り強さ保持率、即ち、耐熱耐屈曲走行疲労性能で評価する。
次いで、実施例1〜4及び比較例1〜3で作製したゴム補強用ガラス繊維コードを補強材として、前記の母材ゴムを用い、前述の耐水性評価と同様に、巾19mm、長さ876mmの伝動ベルトを各々作製し、耐熱性を評価するための耐熱耐屈曲走行疲労試験を実施した。耐熱性は、高温下、伝動ベルトを、複数の歯車、即ち、プーリーを用いて、屈曲させつつ走行させ、一定時間経過の伝動ベルトの伸び率と端面のガラス繊維コードの解れの有無と引張り強さ保持率、即ち、耐熱耐屈曲走行疲労性能で評価する。
図3は、伝動ベルトの耐熱耐屈曲走行疲労試験機の概略側面図である。
図3に示すように、各々の伝動ベルト1を図示しない駆動モーターを備えた耐熱耐屈曲走行疲労試験機に装着し耐熱性を測定する。伝動ベルト1は駆動モーターにより回転駆動される駆動プーリー8の駆動力により、3個の従動プーリー9、9’、9”を回転させつつ走行する。アイドラー10は、耐熱耐屈曲走行疲労試験における走行中に伝動ベルト1を張るためのもので、伝動ベルト1を張る役割を有し、伝動ベルト1を張るための荷重として500Nを伝動ベルト1に与える。駆動プーリー8は、径、120mm、歯数、40Tであり、従動プーリー9、9’、9”は、径60mmであり、歯数、20Tである。耐熱耐屈曲走行疲労試験中の駆動プーリー8の1分間あたりの回転数は、3000rpm、従動プーリー9、9’、9”の1分間あたりの回転数は、6000rpmである。回転方向は、伝動ベルト1に平行な矢印で示す。
温度、130℃の環境下で、図3に示すように、駆動プーリー8を、3000rpmで回転させ、伝動ベルト1を従動プーリー9、9’、9”、アイドラー10を用いて屈曲させつつ走行させた。このようにして、500時間、伝動ベルト1を走行させ耐熱耐屈曲走行疲労試験を実施した。耐熱耐屈曲走行疲労試験前の伝動ベルト1の引張り強さ、および耐熱耐屈曲走行疲労試験後の引張り強さを測定し、数1の式より試験前に対する試験後の伝動ベルト1の引張り強さ保持率を求め、実施例1〜4、比較例1〜3のゴム補強用ガラス繊維コード2を用いて作製した伝動ベルト1の耐熱耐屈曲走行疲労性能、即ち、耐熱性を比較評価した。
(伸び率測定)
図4に示すように、2個のプーリー3、3’に伝動ベルトを装着し、片側のプーリーを400Nの力で引張り、30秒後のプーリー間の距離を測定した。2個のプーリーは双方とも、径、60mmであり、歯数、20Tである。
図4に示すように、2個のプーリー3、3’に伝動ベルトを装着し、片側のプーリーを400Nの力で引張り、30秒後のプーリー間の距離を測定した。2個のプーリーは双方とも、径、60mmであり、歯数、20Tである。
伸び率(%)は次式から求めた。
伸び率(%)=(試験後のプーリー間の距離−試験前のプーリー間の距離)÷試験前のプーリー間の距離×100
各々の伝動ベルトの耐熱耐屈曲走行疲労試験後の伝動ベルトの伸び率と引張り強さ保持率と端面のガラス繊維コードの解れの有無を表4に示す。
表4が示すように、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)を用いた伝動ベルトの伸び率は本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例1〜3)を用いた場合と比較し、小さく優れていた。
各々の伝動ベルトの耐熱耐屈曲走行疲労試験後の伝動ベルトの伸び率と引張り強さ保持率と端面のガラス繊維コードの解れの有無を表4に示す。
表4が示すように、本発明のゴム補強用ガラス繊維コード(実施例1〜4)を用いた伝動ベルトは、本発明の範疇にない比較例1のゴム補強用ガラス繊維コードを用いた伝動ベルトは耐熱耐屈曲走行疲労試験後の伝動ベルトの引張り強さ保持率は同等(88〜93%)であったが、本発明の範疇にないゴム補強用ガラス繊維コード(比較例2〜3)を用いた伝動ベルトは、引張り強さ保持率がそれぞれ81%、78%と低下した。
従来の、下撚り数、上撚り数共に25mm当たり2.0回の撚り数を有する比較例1、2のゴム補強用ガラス繊維コードで作製した伝動ベルトの端面のガラス繊維コードの解れは、無かった。
実施例1のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを1次被覆層とし、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合と、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを1次被覆層とし、実施例2の、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合、あるいは、同じ1次被覆層で実施例3の、25mm当たり1.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合、あるいは、同じ1次被覆層で実施例4の、25mm当たり2.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.75回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合は、伝動ベルト端面のガラス繊維コードの解れは無かった。
それに対して、比較例3に示すように、従来のレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体とビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体とクロロスルホン化ポリエチレンを1次被覆層とし、25mm当たり1.0回の下撚りを与え、更に11本引き揃えて下撚りと逆方向に25mm当たり1.5回の上撚りをして、2次被覆層を有するゴム補強用ガラス繊維コードを用いた場合は、伝動ベルト端面のガラス繊維コードの解れがあった。
この耐熱走行疲労試験の結果より、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を用いたゴム補強用ガラス繊維コード2に比較して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂を用いたゴム補強用ガラス繊維コード2を心線とする伝動ベルト1は、ゴム補強用ガラス繊維コード2の撚り数を下げても、端面の解れが無いことが判った。
本発明により、好ましい耐熱性と耐水性を与えるゴム補強用ガラス繊維コードの1次被覆層を設けるためのガラス繊維被覆用塗布液を得て、更に、ゴム補強用ガラス繊維コードに該ガラス繊維コード塗布液を塗布乾燥させて被覆し被覆層としたゴム補強用ガラス繊維コードを、伝動ベルトの伸びを抑制する効果のある好ましい撚り方で撚って、更に、好ましい接着強さを与える2次被覆層を設けたゴム補強用ガラス繊維コードを、架橋されたHNBRに埋設し伝動ベルトとした際に、優れた寸法安定性を与え、伝動ベルトに耐熱性と耐水性と寸法安定性を持たせた。よって、エンジン、モーター等の駆動力を伝えるための伝動ベルトに補強用として埋設し、特にタイミングベルト等の自動車用ベルトに使用するために、HNBRに埋め込み、自動車用伝動ベルトとしての多湿高温下における引張り強さの維持及び寸法安定性を与えるゴム補強用ガラス繊維として使用される。
1 伝動ベルト
1A 突起部
1B 背部
2 ゴム補強用ガラス繊維コード
3、3’ プーリー
4 駆動プーリー(駆動モーターに連結)
5 従動プーリー
6 従動プーリー(発電機に直結)
7 アイドラー
8 水
9 駆動プーリー
10、10’、10” 従動プーリー
11 アイドラー
1A 突起部
1B 背部
2 ゴム補強用ガラス繊維コード
3、3’ プーリー
4 駆動プーリー(駆動モーターに連結)
5 従動プーリー
6 従動プーリー(発電機に直結)
7 アイドラー
8 水
9 駆動プーリー
10、10’、10” 従動プーリー
11 アイドラー
Claims (8)
- モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)とゴム(B)エマルジョンとを水に分散させてなるガラス繊維被覆用第1液を、ガラス繊維ストランド群に塗布し塗膜を形成して乾燥硬化させ、これを撚り数25mm当たり0.5回以上、4.5回以下で一方向に下撚りし糸束とし、この糸束の複数本を撚り数25mm当たり0.5回以上、2.0回以下で下撚り方向と逆の方向に上撚りし、更にクロロスルホン化ポリエチレンを含有するガラス繊維被覆用第2液を塗布乾燥してなるゴム補強用ガラス繊維コード。
- 前記モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂(A)が、モノヒドロキシベンゼンに対するホルムアルデヒドのモル比を0.5以上、3.0以下とし塩基性の触媒で反応させたレゾール型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のゴム補強用ガラス繊維コード。
- 質量100%で表して、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物(A)がA/(A+B)=3質量%以上、20質量%以下、ゴム(B)がB/(A+B)=80質量%以上、97質量%以下の範囲に含まれてなることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載のゴム補強用ガラス繊維コード。
- 前記ゴム(B)エマルジョンとして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体からなる群より選ばれるゴム(B)のエマルジョンを1種類、あるいは2種類以上組み合わせて含むガラス繊維被覆用第1液で処理することを特徴とするゴム補強用ガラス繊維コード。
- 前記下撚りの撚り数は25mm当たり0.8回以上、2.2回以下である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維コード。
- 前記上撚り数は25mm当たり1.0回以上、1.8回以下である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維コード。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のゴム補強用ガラス繊維を耐熱ゴムに埋没させてなることを特徴とする伝動ベルト。
- 前記耐熱ゴムが水素化ニトリルゴムである請求項7に記載の伝動ベルト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010195612A JP2012052262A (ja) | 2010-09-01 | 2010-09-01 | ゴム補強用ガラス繊維コード |
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JP (1) | JP2012052262A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US11534155B2 (en) | 2012-10-12 | 2022-12-27 | Cayenne Medical, Inc. | Systems and methods for repairing soft tissues using nanofiber material |
US11553907B2 (en) | 2015-05-22 | 2023-01-17 | Cayenne Medical, Inc. | Systems and methods for repairing soft tissues |
-
2010
- 2010-09-01 JP JP2010195612A patent/JP2012052262A/ja active Pending
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