JP2007147025A - 歯付ベルト - Google Patents

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Nozomi Shigemitsu
望 重光
Hiroyuki Nishio
裕之 西尾
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Abstract

【課題】モジュラスの高い炭素繊維を用いることで、高負荷時のベルト伸びを小さくし、負荷が加わった場合にもプーリとベルトのかみ合い干渉を少なくしてベルトのジャンピングトルクを向上させる歯付ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】長さ方向に沿って配置した複数の歯部3と、心線1を埋設した背部2とを有し、ベルト長さ方向に14mmピッチで歯部3と歯溝が交互に並べて設けられた歯付ベルト5において、該心線1が炭素繊維からなり心線径が2.5mm〜3.0mmであって、心線ピッチが2.7mm〜3.2mm、そして前記炭素繊維として6,000本のモノフィラメントを束ねたストランドを8本から10本集めて上撚りしたものを使用した歯付ベルト5である。
【選択図】図1

Description

本発明は歯付ベルトに係り、詳しくは高負荷のかかる大型工業機械に使用される歯付ベルトに関する。
電動射出成型機を初めとした大型工業機械に使用される歯付ベルトは、従来歯付ベルトが許容できる範囲を超える大きなトルクを伝達する必要があり、これに伴ってベルトの幅広化、高強力化が進んでいる。しかしながら、幅広ベルトを使用した場合には、1)騒音が大きい、2)設計上のレイアウトが難しい、3)高い張力による装置の負担、4)コスト高、などのデメリットが生じる。この為、より大きなトルクを伝達するのに必要な幅を、従来よりも狭くしたベルトが求められていた。
又、ベルトの心線として、ガラス繊維やアラミド繊維に代わって炭素繊維を使用した伝動ベルトも提案されている。例えば、特許文献3にはウレタンエラストマーのベルト素材に心線として炭素繊維コードを使用し、又特許文献4には熱可塑性エラストマーのベルト素材に、片撚りの炭素素材で撚る前にベルト本体と同じ材質の熱可塑性エラストマーで処理して接着を改善したものが使用されている。又特許文献2には、上撚り係数が2.0〜4.0であって、下撚り係数が上撚り係数の1/2〜3/2にして、初期強力が大きく、伸びが小さく、耐水性、耐屈曲疲労性を改善した歯付ベルトが開示されている。
しかし、従来の歯付ベルトでは、高負荷伝動の場合には、心線の伸びによってベルトのジャンピングが発生し、又走行後のベルト残存強力も走行前に比べて大きく低下することがあった。
特許第295454554号 特開平10‐2379号公報 特公平03‐4782号公報
本発明はこのような問題点を改善するものであり、モジュラスの高い炭素繊維を用いることで、高負荷時のベルト伸びを小さくし、負荷が加わった場合にもプーリとベルトのかみ合い干渉を少なくしてベルトのジャンピングトルクを向上させる歯付ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、長さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、ベルト長さ方向に14mmピッチで歯部と歯溝が交互に並べて設けられた歯付ベルトにおいて、該心線が炭素繊維からなり心線径が2.5mm〜3.0mmであって、心線ピッチが2.7mm〜3.2mm、そして前記炭素繊維として総フィラメント数が6,000本であって、1本のフィラメントを束ねたストランドを8本から10本集めて上撚りしたものを使用した歯付ベルトにある。
請求項2に記載の発明は、前記心線の上撚りを4〜6回/10cmとし、心線の表面に接着層としてレゾルシン‐ホルムアルデヒド‐ラテックス液から得られた少なくとも1層を設けた請求項1に記載の歯付ベルトにある。
請求項3に記載の発明は、長手方向に沿って14mmピッチで配置した複数のゴムを基材とした歯部と、心線を埋設したゴムを基材とした背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトであって、前記背部が、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合して有機過酸化物で架橋したゴム組成物からなる請求項1又は2に記載の歯付ベルトにある。
請求項4に記載の発明は、前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量部添加し、さらにシリカを総ポリマーに対して10〜40質量部配合した請求項3に記載の歯付ベルトにある。
請求項5に記載の発明は、前記ゴム硬度がJISA88度〜95度である請求項3又は4に記載の歯付ベルトにある。
請求項6に記載の発明は、前記歯布が平織物、綾織物、そして朱子織物からなり、該織物のベルト長手方向に配置される緯糸が少なくともパラ系アラミド繊維を含んだものである請求項3から5のいずれかに記載の歯付ベルトにある。
請求項7に記載の発明は、前記織物の緯糸が、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族短繊維糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである請求項6に記載の歯付ベルトにある。
本発明によると、長さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、ベルト長さ方向に14mmピッチで歯部と歯溝が交互に並べて設けられた歯付ベルトにおいて、該心線が炭素繊維からなり心線径が2.5mm〜3.0mmであって、心線ピッチが2.7mm〜3.2mm、そして前記炭素繊維として総フィラメント数が6,000本であって、1本のフィラメントを束ねたストランドを8本から10本集めて上撚りしたものを使用した歯付ベルトであることから、従来品と比較して大幅にジャンピングトルクを向上することができる。
請求項2に記載の発明によると、前記心線の上撚りを4〜6回/10cmとし、心線の表面に接着層としてレゾルシン‐ホルムアルデヒド‐ラテックス液から得られた少なくとも1層を設けた請求項1に記載の歯付ベルトであることから、請求項1の効果に加えて、よりベルト歯の歯ピッチ変化が小さくなり、さらに心線とゴムとの接着性が良くなり、ベルトの耐久性も向上する。
請求項3に記載の発明によると、長手方向に沿って14mmピッチで配置した複数のゴムを基材とした歯部と、心線を埋設したゴムを基材とした背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトであって、前記背部が、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合して有機過酸化物で架橋したゴム組成物からなる請求項1又は2に記載の歯付ベルトであることから、ベルト背部が高強度であり、かつ心線との接着力も確保できるという効果がある。
請求項4に記載の発明によると、前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量部添加し、さらにシリカを総ポリマーに対して10〜40質量部配合した請求項3に記載の歯付ベルトであることから、高負荷下で発生するベルト背面の亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動によるベルトの端面摩耗、損傷を防止することができる。
請求項5に記載の発明によると、前記ゴム硬度がJISA88度〜95度である請求項3又は4に記載の歯付ベルトにあることから、請求項4に記載の効果がさらに向上する。
請求項6に記載の発明によると、前記歯布が平織物、綾織物、そして朱子織物からなり、該織物のベルト長手方向に配置される緯糸が少なくともパラ系アラミド繊維を含んだものである請求項3から5のいずれかに記載の歯付ベルトにあることから、歯布の摩耗が小さく、ベルトの耐久性を向上させる効果がある。
請求項7に記載の発明によると、前記織物の緯糸が、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族短繊維糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである請求項6に記載の歯付ベルトにあることから、請求項6の効果がより向上する。
以下、本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は、本発明形態に係る歯付ベルトの全体斜視概略図である。図1において歯付ベルト5は、長手方向に沿って14mmピッチで配置した複数の歯部3と、歯部3と連続する背部2と、背部2に埋設された心線1と、歯部3の表面に被覆された歯布4とを有する構造である。背部2と歯部3は、ゴム層9で形成されたベルト本体を構成する。又、歯布4は、ベルト長手方向に延在する緯糸7と、ベルト幅方向に延在する経糸8とを織成してなる繊維材料を基材として構成される。
背ゴムのゴム配合物としては、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合したものを用いる。又、水素化ニトリルゴムとしては、耐熱性の観点から水素添加率が少なくとも90%以上であることが必要であり、92〜98%が好適である。そしてこの水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合することによって、モジュラス(引張弾性率)や硬度を高めるようにしているものであり、モジュラス(引張弾性率)や切断強度、さらに高い引き裂き強度や硬度を確保する為には、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量部添加する。不飽和カルボン酸金属塩の量が15質量部未満であるとゴム硬度が所定の硬度にならず、一方40質量部を超えるとゴム硬度が大きくなりすぎ、ベルト剛性が高くなり、屈曲疲労性に劣りベルト寿命が短くなる。
不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したものであり、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸などのジカルボン酸が好ましく、金属としてはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモンなどを用いることができる。
そして、前記水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合物にシリカを配合しても良い。このときのシリカの量は、総ポリマー100質量部に対して10〜40質量部が好ましい。シリカの量が10質量部より少なければシリカを配合した効果がなく、一方シリカの量が40質量部より多い場合は、ゴムのムーニー粘度が高くなり、ベルトを成形するときに歯の形状が正確に出せずベルトの成形不良が多くなってしまう。
さらに高い強度を得るためには、短繊維を総ポリマー100質量部に対して1〜20質量部添加することが好ましい。
上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、樹脂の架橋に使用されているジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルミルパーオキサイド、1.1−t−ブチルぺロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルぺロキシ)へキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルぺロキシ)へキサン、t−ブチルぺロキシベンゾアート、t−ブチルぺロキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートなどが用いられる。そして、その配合量としてはポリマー成分100質量部に対して0.2〜10質量部とする。0.2質量部未満であると架橋が十分に行われず、10質量部を越えると十分な弾性が得られなくなるからである。
こうして得られたゴム組成物の硬度はJISA88度〜95度とする。ここで、硬度が88度より小さいと入力された負荷に対してベルト歯が変形し、ジャンピングの原因となるという問題があり、95度を超えると、高速走行時に衝撃により歯欠けする可能性があるという問題がある。
ここで使用する歯布5はRFL液、イソシアネート溶液或いはエポキシ溶液によって処理される。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはスチレン、ブタジエン、ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどから選ばれる。
上記RFL処理した歯布は、歯部に用いたゴム組成物を含浸付着させ加硫したゴム付帆布である。具体的には歯部に使用したポリマー分にカーボンブラック、シリカなどの補強剤、有機過酸化物、加硫促進剤などを配合したゴム組成物を溶剤によって溶解したゴム糊を作成した後、これを含浸付着させ、そして乾燥させた後に加硫してゴム付帆布にする。また、必要に応じてニッケルジブチル−ジチオカルバメイト(NiDBC)を添加することもできる。
得られたゴム組成物はメチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどから選ばれた溶剤に溶解してゴム糊にした後、該ゴム糊を歯布に塗布、吹き付け等によって含浸付着させ加硫したものである。
歯布5として用いられる帆布は平織物、綾織物、朱子織物などからなる。これらの織物のベルト長手方向に配置される緯糸としては、例えば少なくとも0.3〜1.2デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長手方向の緯糸全量の20〜80質量%含んだものが好ましい。
即ち、緯糸は少なくともパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラミド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである。
また、他の具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族短繊維糸(6ナイロン、66ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものであっても良い。
又、ベルト長手方向に配置する緯糸全量の20〜80質量%がパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸である。この理由として、20質量%未満ではベルト長手方向の歯布の引張強さが低下し、高負荷でのベルト走行時に歯欠けが発生し易くなり、又一方80質量%を越えると、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸の打ち込み方向の剛性が前記理由と同じく過大になる為、均一な厚みの帆布を得ることができなくなる為である。
歯布5の経糸としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィラメント糸、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド繊維のフィラメント糸が緯糸7にパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯布になる。
しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限定されるものではない。
又、心線1として炭素繊維を使用する。心線1は心線径が2.5mm〜3.0mmであって、心線ピッチが2.7mm〜3.2mm、そして前記炭素繊維として6,000本のモノフィラメントを束ねたストランドを8本から10本集めて上撚りしたものを使用する。
そして、前記心線の撚りを4〜6回/10cmとし、心線の表面に接着層としてレゾルシン‐ホルムアルデヒド‐ラテックス液から得られた少なくとも1層を設けるのが好ましい。
炭素繊維のマルチフィラメント糸を構成するモノフィラメント(単繊維)は、その断面形状が実質的に真円形状に近いものであり、数多くのフィラメントを効率よく集合して、密接したフィラメント間の空間を減少させてコードの強度を高めている。具体的には、コード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、フィラメント群が効率よく高充填しており、ベルトの引張り弾性率が50〜85N/mmになる。もし楕円形になると、モノフィラメント同士が擦れ合いよりコードが破断しやすくなる。また、これ以外の形状になると、フィラメントを集合しても密接したフィラメント間の空間が多くなってコードの強度が向上しなくなる。
コード中の処理液(固形分)の含有量は、炭素繊維のマルチフィラメント糸100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは15〜35質量部である。10質量部未満であると、モノフィラメント同士の擦れ合いによりコードの耐疲労性が低下することがあり、一方40質量部を越えるとコードの耐熱性、耐水性、耐溶剤性が低下することがある。
上記処理液(固形分)に含まれるゴムラテックス(固形分)の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがあり、一方80質量部を越えるとコードに粘着性が過剰になり、取扱い性が悪くなる。
上記ゴムラテックスの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。
上記のコードには、その表面に接着層を付着させるが、ここでは接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)から得られた1層であってもよく、またRFL液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層であってもよい。
RFL液は、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好適である。また、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物は、これをゴムラテックスのゴム分100質量部に対して樹脂分が5〜50質量部になるようにゴムラテックスと混合し、更にフェノール樹脂を含むレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとの固形分の質量比が5/95〜40/60に調節する。5/95未満では接着性が著しく低下し、また40/60を超えるとゴムラテックス分が少なくなり、耐熱性が悪くなって屈曲疲労性が低下する。
RFL処理液に使用するゴムラテックスとしては、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、クロロプレンゴムラテックス、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。水素化ニトリルゴムラテックスとビニルピリジンゴムラテックスとは、固形分の質量比が60/40〜95/5で混合される。その水素化ニトリルゴムの質量比が60未満であれば、耐熱性が悪くなり屈曲疲労性が低下し、95を超えると、耐水性が著しく低下する。
使用する炭素繊維コードは下記方法によって処理される。まず未処理無撚りマルチフィラメント糸をゴムラテックスに含浸処理し、その後130〜250℃に調節したオ−ブンに通して熱処理する。続いて、上記処理したマルチフィラメント糸を4〜6回/10cmで片撚りしたコードにした後、このコードをRFL液に含浸処理して接着層を形成する。
また、該処理コードをゴム糊に漬けてゴム層を付着し、この後130〜180℃前後に調節したオ−ブンに通して熱処理する。
このゴム糊としては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)以外に、NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)のゴム配合物トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶剤に溶かして得られたものである。
また、該処理コードを前述と同様にRFL液に含浸処理して下層を形成した後、ゴム糊でオーバーコート処理して上層の2層を形成してもよい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例)
表1に示す配合からなるゴムを通常の方法で混練し、カレンダーロールにて所定の厚さのゴムシートを調整した。又、歯布は、経糸に140d/2本ナイロンフィラメント糸、緯糸に140d/2本ナイロンフィラメント糸とスパンデックス110D/1本からなる合撚糸を使用し、織時組織(経140本/3cm、緯100本/3cm)からなる2/2綾織帆布を製織した。製織後、帆布を水中にて振動を与えて製織時の幅の約1/2幅まで収縮させた後、ゴム糊(表1のポリマーを用いたゴム組成物を所定比率でメチルエチルケトン中に溶解したもの)に浸漬、乾燥した後、153°Cで30分間加硫して0.9mmの処理帆布を歯布とした。この場合、上記帆布は緯糸方向をベルトの長手方向に使用した。
Figure 2007147025
次に、ベルト作製用のS14M歯形100歯数の金型に上記の歯布を巻き付け、SZ撚一対のRFL及び水素化ニトリルゴムをトルエン等の溶剤にて溶かしたゴム糊にて接着処理された炭素繊維6K‐1/8の心線を3.0mmのピッチにてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心線の上に、表1のゴムシートを貼り付けた。更に、加硫缶に投入して通常の圧入方式により歯形を形成させた後165°Cにて30分加圧加硫して、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅(30mm)にカットして走行用歯付ベルトを得た。
従来例として、表1に記載のゴムシートを使用し、さらに表2の心線を使用した。そして、図2に示すように、ベルトの軸離変化率と軸荷重との関係を求め、さらに表3の条件で、ジャンピング試験を行った。その結果を図3に示す。
Figure 2007147025
Figure 2007147025
以上の結果より、本発明の歯付ベルトは従来例よりも軸離変化率が小さい、つまり伸びにくく、ジャンピングトルクも大きい、つまり伝達力が大きいことがわかる。
本発明の実施形態に係る歯付ベルトの全体概略図である。 歯付ベルトの軸離変化率と軸荷重との関係を示すグラフである。 歯付ベルトのジャンピング試験を行った結果を示すグラフである。
符号の説明
1 心線
2 背部
3 歯部
4 歯布
5 歯付ベルト
7 緯糸
8 経糸
9 ゴム層

Claims (7)

  1. 長さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、ベルト長さ方向に14mmピッチで歯部と歯溝が交互に並べて設けられた歯付ベルトにおいて、該心線が炭素繊維からなり心線径が2.5mm〜3.0mmであって、心線ピッチが2.7mm〜3.2mm、そして前記炭素繊維として6,000本のモノフィラメントを束ねたストランドを8本から10本集めて上撚りしたものを使用したことを特徴とする歯付ベルト。
  2. 前記心線の上撚りを4〜6回/10cmとし、心線の表面に接着層としてレゾルシン‐ホルムアルデヒド‐ラテックス液から得られた少なくとも1層を設けた請求項1に記載の歯付ベルト。
  3. 長手方向に沿って14mmピッチで配置した複数のゴムを基材とした歯部と、心線を埋設したゴムを基材とした背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトであって、前記背部が、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合して有機過酸化物で架橋したゴム組成物からなる請求項1又は2に記載の歯付ベルト。
  4. 前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量部添加し、さらにシリカを総ポリマーに対して10〜40質量部配合した請求項3に記載の歯付ベルト。
  5. 前記ゴム硬度がJISA88度〜95度である請求項3又は4に記載の歯付ベルト。
  6. 前記歯布が平織物、綾織物、そして朱子織物からなり、該織物のベルト長手方向に配置される緯糸が少なくともパラ系アラミド繊維を含んだものである請求項3から5のいずれかに記載の歯付ベルト。
  7. 前記織物の緯糸が、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族短繊維糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである請求項6に記載の歯付ベルト。
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