JP4520179B2 - 歯付ベルト - Google Patents

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本発明は、高負荷下で発生する歯布の摩耗や、摩耗による歯部の亀裂からなる歯部の損傷を防止し、これらの防止策によりエンジンあるいは伝動装置の正常な働きを維持する歯付ベルトに関する。
自動車用エンジンのカム軸、インジェクションポンプ、オイルポンプ、ウォータポンプ等を駆動する歯付ベルトは、エンジンの高出力化に伴い、ベルトへの負荷の増大及びエンジンルームのコンパクト化に伴う雰囲気温度の上昇など歯付ベルトの使用環境は近年特に厳しくなってきている為、さらなる耐久性の向上が要求されている。また、一般産業用に使用される歯付ベルトについても、射出成形機等の高負荷駆動用等に用いられるものは取替え周期の延長を要求されている。
歯付ベルトの故障形態は、心線の屈曲疲労及びゴムの耐熱性不良による亀裂発生からのベルト切断と、過負荷や歯布及び歯ゴムの耐熱化不足、歯布の摩耗による歯欠けとに大別される。心線の屈曲疲労及びゴムの耐熱性不足によるベルト切断に対しては、心線材質、心線構成の太径化等の改良、心線処理剤の耐熱性改良が実施されている。また、ゴムの耐熱性改良についても水素添加ニトリルゴムの使用等により故障は減少している(例えば下記特許文献1参照)。
特開2002−168301号公報
しかし、ベルトに高負荷が掛かるエンジン又は産業用駆動装置を駆動する歯付ベルトは、高負荷のためプーリ軸が撓んだり、ベルトの片寄り走行が発生し、プーリフランジ等との摩擦によるベルト側面の異常摩耗及び側面の損傷による切断、歯欠けが発生しやすいものである。
また、高負荷によりベルトが伸びて、オートテンショナーが作動せず、ベルトに適正な負荷が掛からなくなり、エンジンの正常な動作を妨げる現象が生じる。
また、ベルト側面摩耗、損傷、ベルトの伸びに対し、プーリ歯とかみ合う歯付ベルト表面の歯布材料に摩擦係数低減作用のあるフッ素樹脂や層状のグラファイト等を添加した処理を施すことや、心線材料の検討が実施されているが、未だに十分な改良策が見出されていない。
また、歯付ベルトはガラス繊維、アラミド繊維等からなる心線がゴム配合物中に接着埋設されており、歯部はナイロン繊維、アラミド繊維等からなる布が覆う複合体である前述の歯付きベルトに対する要求に対し、心線とゴムの高接着力の要求、特に高負荷、高温下で使用する歯付きベルトに対しては高耐熱接着力の要求は強まっている。
そこで、本発明の目的は、高負荷下で発生する歯部の摩耗や、摩耗による歯部の亀裂からなる歯部の損傷を抑制することによって、エンジンあるいは伝動装置の正常な働きを維持する歯付ベルトを提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の歯付ベルトは、長手方向に沿って所定間隔で配置したゴムを基材とした歯部と、心線を埋設したゴムを基材とした背部、前記歯部の表面を被覆した歯布有する歯付ベルトにおいて、前記歯布の緯糸が少なくともフッ素繊維及びポリウレタン弾性糸からなるコア繊維と前記コア繊維の外周を完全に覆うナイロン繊維及びアラミド繊維のうち少なくとも一方を有するカバーリング繊維とを含むものである。
上記構成により、高負荷下で発生するベルト歯部の摩耗、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動によるベルトの端面摩耗、損傷を抑制することができる。
さらに、接着強度に劣るフッ素繊維が歯部と接触しないため、歯布と歯部との接着強度を向上させることができる。また、使用によってカバーリング繊維が摩耗した場合でも、コア繊維のフッ素繊維が出現し、歯布の摩擦係数を低く維持することができる。
本発明の歯付ベルトは、前記歯布がフッ素樹脂粉末及びグラファイト粉末の少なくとも一方を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液によって処理されものであることが好ましい。
また、本発明の歯付ベルトは、前記歯布が、フッ素樹脂粉末及びグラファイト粉末の少なくとも一方を含むゴム糊処理液によって処理されたものであることが好ましい。
上記構成により、歯布の摩擦係数を低減することができる。
本発明の歯付ベルトは、前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合したものであることが好ましい。
上記構成により、高負荷下で発生するベルト背面の亀裂、損傷によるベルトの損傷を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態の一例を説明する。なお、本発明に係る歯付ベルトは以下の実施の形態例に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る歯付ベルトAの全体斜視概略図である。図1は、本実施形態に係る歯付ベルトAの全体斜視概略図である。図1において、歯付ベルトAは、長手方向に沿って所定間隔で配置したゴム9を基材とした複数の歯部3と、歯部3と連続する背部2と、背部2に埋設された心線1と、歯部3の表面に被覆された歯布4とを有する構造である。そして、歯布4は、ベルトの長手方向に延在する緯糸7と、ベルトの幅方向に延在する経糸8とを織成して成る繊維材料を基材として構成される。
歯部3及び背部2の基材となるゴム9の材質には特に制限はなく、使用条件に応じて適切なものが適宜選択される。自動車エンジン用及び各種エンジン用歯付ベルトの場合、耐熱性と耐油性を備えたH−NBR、CR、CSM等が使用される。一般産業用機械に用いられる歯付ベルトには、H−NBR、CR、CSM以外に、NBR、EPDM、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプロピレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、フッ素ゴム、シリコンゴム等何れの場合も使用可能である。本実施形態例においては、ゴム9として、H−NBRに不飽和カルボン酸金属塩を配合した配合ゴムと、有機過酸化物又は硫黄化合物のいずれかを架橋して形成したゴムについて例示する。
H−NBRとしては、耐熱性の観点から水素添加率が少なくとも90%以上であることが必要であり、92〜98%が好適である。そして、本実施形態例にかかるゴム9は、このH−NBRに不飽和カルボン酸金属塩を配合することによって、モジュラス(引張弾性率)や硬度を高めるようにしているものであり、モジュラス(引張弾性率)や切断伸度、さらに高い引き裂き強度や硬度を確保する為には、上記のようにH−NBRに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量部配合することが好ましい。或いは不飽和カルボン酸金属塩5〜15質量部混合し、短繊維をポリマー成分100に対して1〜20質量部配合することもできる。
ここで、短繊維には、摩擦時に低温で溶融しにくい高融点、又は融点を持たない綿、ビニロン、アラミド、無機繊維等が好ましい。その長さは5mm以下であることが好ましい。繊維長が5mmを越える場合は、ゴムをカレンダー又は押し出し機等で圧延シート状にする時に、配向し易く、ベルトになった場合に、屈曲により早期にクラックが発生し易い。また、短繊維の配向方向は、ベルト幅方向が好ましいが、ベルト長さ方向の配向であってもよい。短繊維の配合量が1質量部より少ないと、短繊維を配合した効果が現れない。一方、短繊維の量が20質量部より多くなると、ゴムのムーニ粘度が上昇し加工(練り工程で分散不良、シート圧延工程で圧延できない、表面肌が悪く厚みが出ない等)できず、歯を精度良く形成することが困難となる。
なお、不飽和カルボン酸金属塩の量が5質量部未満であるとゴム硬度が所定の硬度にならない。一方40質量部を越えるとゴム硬度が大きくなりすぎ、ベルト剛性が高くなり、屈曲疲労性に劣りベルト寿命が短くなる。このように、H−NBRに不飽和カルボン酸金属塩を配合したゴムを使用することによって、背部2の背面硬度が80度(JISA型硬度計)以上とすることができる。背面硬度が80度(JISA型硬度計)以上、好ましくは85度以上とできることから、応力が負荷された場合であっても、ゴムの変形を抑制することができる。
不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したものであり、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸が好ましく、金属としてはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモンなどを用いることができる。
ゴム9は、以上のようにして、配合された後、有機過酸化物又は硫黄化合物のいずれかと架橋して構成されている。
有機過酸化物としては、特に限定されるものではないが、従来よく使用される任意のものであって良い。例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド(t-butyl hydroperoxide)、1,1,3,3テトラブチルヒドロペルオキシド(1,1,3,3-tetramethylbutylhydroperoxide)、p−メンタンヒドロペルオキシド(p-menthane hydroperoxide)、クメンヒドロペルオキシド(cumene hydroperoxide)、ジイソピロプルベンゼンヒドロペルオキシド(di-isopiropylbenzene hydroperoxide)、ジテトラブチルペルオキシド(di-tetra-buthyl peroxide)、ジクミルペルオキシド(dicumyl peroxide)、テトラブチクミルペルオキシド(tetra-butyl cumyl peroxid)、1,3ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(1,3-bis(tert-butylperoxy isopropyl)benzen)、トリアルキルイソシヌレート(trialkyl isocyanurate)等を挙げることが出来る。
硫黄化合物としては一般的な硫黄や硫黄化合物、加硫剤としてはチウラム(Thiurams)系、塩化ジチオカルボメート(Salt of Dithiocarbates)系、スルフォンアミド(Sulfenamides)系、チアゾール(Thiazoles)系等を挙げることが出来る。また有機化合物と硫黄化合物、加硫剤を併用しても良い。
以上のようにゴム9を基材として構成される背部2に埋設される心線1は、一般には、ガラス繊維及びアラミド繊維が使用される。また、ポリベンゾオキサゾール、ポリパラフェニレンナフタレート、ポリエステル、アクリル、カーボン、スチールを組成とする撚コードのいずれでも使用できる。ガラス繊維の組成は、Eガラス、S、U、Kガラス(高強度ガラス)のいずれでもよく、フィラメントの太さ及びフィラメントの集束本数及びストランド本数に制限されない。
この心線1は、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物とゴムラテックスを混合したRFL液によって処理されたものが用いられる。レゾルシンとホルマリンのモル比は1:1.5〜3にすることがゴム9との接着力を高める上で好ましい。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、これをラテックスのゴム分100質量部に対してその樹脂分が2〜30質量部になるようにラテックスと混合したうえ、全固形濃度を5〜40%濃度に調節される。このラテックスとしては、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、H−NBR、エピクロルヒドリン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビニルエステル共重合体等が使用できる。
また、歯布4を構成する経糸8を形成する繊維材料の材質としては、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール、綿等の何れか又はこれらの組み合わせが採用できるが、特に、ナイロン6、ナイロン66が好ましい。
また、歯布4を構成する緯糸7を形成する繊維材料の材質としては、ポリウレタン弾性糸及びフッ素繊維を少なくとも含み、さらにその外周にナイロン繊維及びアラミド繊維のうち少なくとも一方を含むものが採用できる。特に、緯糸7は、フッ素繊維及びポリウレタン弾性糸がコア繊維を形成し、ナイロン繊維及びアラミド繊維のうち少なくとも一方がコア繊維を完全に覆うカバーリング繊維を形成するものであることが好ましい。
フッ素繊維としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などが挙げられる。フッ素繊維は、歯布4の摩擦係数を低減するために用いられ、具体的には、歯布4の摩擦係数が0.2以下であることが好ましい。ポリウレタン弾性糸は、歯付ベルト成形時に歯部3を所定の歯型形状に沿わせるために用いられる。
コア繊維は、ポリウレタン弾性糸及びフッ素繊維を延伸させながら平行に引き揃えた状態のものが用いられるが、コア繊維のうち少なくともフッ素繊維が加撚されていることが好ましい。
カバーリング繊維は、コア繊維の周囲にカバーリングマシンを用いて被覆される。コア繊維に対するカバーリング繊維の巻数は特に限定されるものではないが、使用するコア繊維及びカバーリング繊維の織度を考慮して、コア繊維が完全に被覆されるような巻数が選択される。なお、カバーリング繊維としてナイロン繊維及びアラミド繊維の両方が使用される場合は、両者は混撚りされる。また、カバーリング繊維としてアラミド繊維が用いられる場合には、歯布に耐熱性が付与される。
上記のように、フッ素繊維を含むコア繊維をカバーリング繊維によって完全に被覆することによって、接着性に劣るフッ素繊維が歯布4と歯部3との間の接着面に露出することがなくなるため、歯布4の接着強度を向上させることができる。この場合、フッ素樹脂による摩擦係数低減効果は、ベルトの使用に伴ってカバーリング繊維が摩耗してコア繊維が露出した場合に発揮される。
なお、緯糸7や径糸8の繊維の形態は、フィラメント糸及び紡績糸の何れでも良く、単独組成の撚糸又は混撚糸、混紡糸の何れであっても良い。また、織成構成は綾織り、繻手織り、平織り等何れであっても良い。
この歯布4は、RFL液、イソシアネート溶液あるいはエポキシ溶液によって処理されたあと、歯部3に用いたゴム9と同質のゴムを含浸付着させ加硫するゴム糊処理が行われたものである。具体的にはゴム9に使用したポリマー分を溶剤によって溶解したゴム湖を作製した後、これを含浸付着させ、そして乾燥させた後に加硫してゴム付布にする。また、必要に応じて老化防止剤を添加することもできる。
ゴム9を溶解する溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどから選ばれた溶剤を使用することができる。そして、ゴム9を溶解して得られたゴム糊は、この歯布4に塗布、吹き付け等によって含浸付着させ加硫させることが好ましい。
また、歯布の摩擦係数を低減する目的で、RFL処理液あるいはゴム糊処理液に、フッ素樹脂粉末及びグラファイト粉末の少なくとも一方が添加されるものであることが好ましい。フッ素樹脂粉末は、PTFE、FEP、PFA及びETFEから選択される一種以上の粉末が用いられる。フッ素樹脂粉末及びグラファイト粉末は、上記RFL処理液あるいはゴム糊処理液中のゴム成分100質量部に対して30〜200質量部、より好ましくは、80〜120質量部添加されるものであることが好ましい。
上記構成の本実施形態例によれば、高負荷下で発生するベルト歯部の摩耗、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動によるベルトの端面摩耗、損傷を抑制することができる。
また、接着強度に劣るフッ素繊維が歯部との間の接着面と接触することがないため、歯布と歯部との接着強度を向上させることができる。また、使用によってナイロン繊維及びアラミド繊維の少なくとも一方からなるカバーリング繊維が摩耗した場合でも、コア繊維のフッ素繊維が出現し、歯布の摩擦係数を低く維持することができる。
さらに、歯布の摩擦係数を低減することができ、しかも高負荷下で発生するベルト背面の亀裂、損傷によるベルトの損傷を抑制することができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
表1に示す配合からなるゴムを通常の方法で混練し、カレンダーロールにて所定の厚さのゴムシートA−1を調整した。また、表2に示す繊維を用いて歯布を作製し、表3に示すフッ素樹脂入りRFL処理液C−1に歯布を浸漬し、120℃にて乾燥後180℃にて2分間熱処理した。続いて、表4に示すゴム配合物F−1及びイソシアネート化介物としてポリアリールポリイソシアネート(商品名PAPI)を含むゴム糊処理液C−2、及びゴム配合物F−2及びグラファイトを含むゴム糊処理液C−3にて処理した。
Figure 0004520179
Figure 0004520179
Figure 0004520179
Figure 0004520179
次に、ベルト作製用のZBS歯形120歯数の金型に上記の歯布を巻き付け、SZ撚一対のRFL及び水素化ニトリルゴムをトルエン等の溶剤にて溶かしたゴム糊にて接着処理された表5に示す心線を表6のピッチにてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心線の上に、表1のゴムシートを貼り付けた。更に、加硫缶に投入して通常の圧入方式により歯形を形成させた後165℃にて30分加圧加硫して、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅(30mm)にカットして歯付ベルトを得た。表7に歯付ベルトの歯布とゴムの接着性を示す。
Figure 0004520179
Figure 0004520179
Figure 0004520179
作製したベルトのサイズは、ベルト幅30mm、ベルト歯形ZBS、歯数120歯、歯ピッチ9.525mmであり、通常120ZBS30と表示される。次に、表2のB−1〜B−5の歯布を使用してベルトの走行試験を行った。走行試験装置として、図2に示す22歯のクランクプーリ12、44歯のカムプーリ13、19歯のウォータポンププーリ15、偏心プーリ19、アイドラー21からなるレイアウトの試験装置を使用する。クランクプーリ回転数4000rpmでベルトに掛かる有効張力を3700Nとし、初張力を350Nにて走行試験を行った。200時間走行後の歯底歯布の残存厚みを評価した。表8に各ベルトの走行試験の結果をまとめて示す。
Figure 0004520179
表7及び表8から、コア繊維を完全に覆うカバーリング繊維を有する緯糸で作製された歯布B−4及びB−5を用いた歯付ベルト(実施例1及び実施例2)は、カバーリング繊維を有しない緯糸で作製されたB−1〜B−3を用いた歯付ベルト(比較例1〜3)に比べ、歯底との接着力を有しながら、歯布厚み残存率が高いことも認められ、優れた耐磨耗性を有することが確認された。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。
本発明に係る歯付ベルトの概略斜視図である。 歯付ベルトの走行試験装置の概略図である。
符号の説明
A 歯付ベルト
1 心線
2 背部
3 歯部
4 歯布
7 緯糸
8 経糸
9 ゴム

Claims (4)

  1. 長手方向に沿って所定間隔で配置したゴムを基材とした歯部と、心線を埋設したゴムを基材とした背部、前記歯部の表面を被覆した歯布有する歯付ベルトにおいて、
    前記歯布の緯糸が少なくともフッ素繊維及びポリウレタン弾性糸からなるコア繊維と前記コア繊維の外周を完全に覆うナイロン繊維及びアラミド繊維のうち少なくとも一方を有するカバーリング繊維とを含む、歯付ベルト。
  2. 前記歯布が、フッ素樹脂粉末及びグラファイト粉末の少なくとも一方を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液によって処理されたものである請求項1記載の歯付ベルト。
  3. 前記歯布が、フッ素樹脂粉末及びグラファイト粉末の少なくとも一方を含むゴム糊処理液によって処理されたものである請求項1又は2に記載の歯付ベルト。
  4. 前記ゴムが、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合したものである請求項1〜3のいずれかに記載の歯付ベルト。
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