JP2003214497A - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

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JP2003214497A
JP2003214497A JP2001385448A JP2001385448A JP2003214497A JP 2003214497 A JP2003214497 A JP 2003214497A JP 2001385448 A JP2001385448 A JP 2001385448A JP 2001385448 A JP2001385448 A JP 2001385448A JP 2003214497 A JP2003214497 A JP 2003214497A
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rubber
toothed belt
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tooth
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JP2001385448A
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English (en)
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Sadakichi Sakanaka
貞吉 阪中
Masakuni Yoshida
正邦 吉田
Takeshi Takehara
剛 竹原
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背ゴムと心線との間に強固で耐熱に優れた接
着を得ることができる背ゴムを有した歯付ベルトを提供
する。 【解決手段】 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複
数の歯部3と、心線1を埋設した背部2とを有し、この
歯部3の表面に歯布4を貼着した歯付ベルト5であり、
前記背部2が、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸
金属塩及びフェノール樹脂を配合して有機過酸化物又は
硫黄化合物で架橋したゴム組成物からなる歯付ベルト5
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車用
エンジンのカム軸又はカム軸とインジェクションポンプ
の駆動用、一般産業用機械の同期伝動用等に使用される
歯布被覆の歯付ベルトに関するものである。特に、高負
荷用ベルトに関して、耐摩耗性及び耐歯欠け性を維持し
つつ、特にベルト端面損傷を防ぐ為に改善した発明に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのカム軸、インジェク
ションポンプ、オイルポンプ、ウォータポンプ等を駆動
する歯付ベルトは、エンジンの高出力化に伴い、ベルト
への負荷の増大及びエンジンルームのコンパクト化に伴
う雰囲気温度の上昇など歯付ベルトの使用環境は近年特
に厳しくなってきている為、さらなる耐久性の向上が要
求されている。また、一般産業用に使用される歯付ベル
トについても、射出成形機等の高負荷駆動用等取替え周
期の延長を要求されている。
【0003】歯付ベルトの故障形態は、心線の屈曲疲労
及びゴムの耐熱性不足による亀裂発生からのベルト切断
と過負荷や歯布及び歯ゴムの耐熱性不足、歯布の摩耗に
よる歯欠けに大別される。心線の屈曲疲労及びゴムの耐
熱性不足によるベルト切断に対しては、心線材質、心線
構成の太径化等の改良、心線処理剤の耐熱性改良が実施
されている。また、ゴムの耐熱性改良についても水素添
加ニトリルゴムの使用等により故障は減少している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、ベルトに高負荷
が掛かるエンジン又は産業用駆動装置を駆動する歯付ベ
ルトは、高負荷の為プーリ軸が撓んだり、ベルトの片寄
り走行が発生しプーリフランジ等との摩擦によるベルト
側面の異常摩耗及び側面の損傷による切断、歯欠けが発
生し易い。
【0005】又、高負荷によりベルトが伸びて、オート
テンショナーが作動せず、ベルトに適正な負荷が掛から
なくなり、エンジンの正常な動作を妨げる現象が生じ
る。
【0006】ベルト側面摩耗、損傷、ベルトの伸びに対
し、プーリ歯とかみ合う歯付ベルト表面の歯布材料に摩
擦係数低減作用のあるフッ素樹脂や層状のグラファイト
等を添加した処理を施すことや、心線材料の検討が実施
されているが、未だに十分な改良策が見出されていな
い。
【0007】歯付ベルトはガラス繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維等からなる心線がゴム配合物中に接着埋設されて
おり、歯部はナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等か
らなる帆布が覆う複合体である前述の歯付ベルトに対す
る要求に対し、心線とゴムの高接着力の要求、特に高負
荷、高温下で使用する歯付ベルトに対しては高耐熱接着
力の要求は強まっている。
【0008】本発明は、心線とゴム配合物との接着にお
いて上記問題を解決するために、実施したもので背ゴム
と心線との間に強固で耐熱に優れた接着を得ることがで
きる背ゴムを有した歯付ベルトを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する為、長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の
歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の表面
に歯布を貼着した歯付ベルトであり、前記背部が、水素
化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩及びフェノー
ル系樹脂を配合して有機過酸化又は硫黄化合物で架橋し
たゴム組成物からなる歯付ベルトにある。
【0010】請求項1に記載の発明によると、前記背部
が、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩及び
フェノール系樹脂を配合して有機過酸化物又は硫黄化合
物で架橋したゴム組成物からなる歯付ベルトであること
から、前記ゴム組成物を使用することによって、心線と
背ゴムとの接着力が増す。
【0011】請求項2に記載の発明は、長さ方向に沿っ
て所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背
部とを有し、上記歯部の表面に歯布を貼着した歯付ベル
トにおいて、前記背部が、水素化ニトリルゴムと不飽和
カルボン酸金属塩とを質量比40:60〜50:50で
配合されたポリマー複合体と水素化ニトリルゴムとを7
0:30〜20:80で配合したポリマー分100質量
部に対して、フェノール系樹脂1〜10質量部を配合し
て有機過酸化物又は硫黄化合物で架橋したゴム配合物か
らなる歯付ベルトにある。
【0012】請求項2に記載の歯付ベルトによると、前
記背部が、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属
塩とを質量比40:60〜50:50で配合されたポリ
マー複合体と水素化ニトリルゴムとを70:30〜2
0:80で配合したポリマー分100質量部に対して、
フェノール系樹脂1〜10質量部を配合して有機過酸化
物又は硫黄化合物で架橋したゴム組成物からなる歯付ベ
ルトとしたことから、ゴム組成物のそれぞれの配合材料
の配合量を規定することによって、心線と背ゴムとの確
実な接着力が得られる。
【0013】請求項3に記載の発明によると、前記ポリ
マー分100質量部に対して、ケイ酸系充填剤を5〜5
0質量部配合して有機過酸化物又は硫黄化合物で架橋し
たゴム組成物からなる請求項2に記載の歯付ベルトにあ
る。
【0014】請求項3に記載の発明によると、前記ポリ
マー分100質量部に対して、ケイ酸系充填剤を5〜5
0質量部配合して有機過酸化物又は硫黄化合物で架橋し
たゴム配合物からなる請求項2に記載の歯付ベルトとす
ることで、より大きく確実な、心線と背ゴムとの接着力
が得られる。
【0015】請求項4に記載の歯付ベルトは、前記ポリ
マー分100質量部に対して、シランカップリング剤を
1〜10質量部配合して有機過酸化物又は硫黄化合物で
架橋したゴム配合物からなる請求項3に記載の歯付ベル
トにある。
【0016】請求項4に記載の歯付ベルトによると、前
記ポリマー分100質量部に対して、シランカップリン
グ剤を1〜10質量部配合して有機過酸化物又は硫黄化
合物で架橋したゴム配合物からなる請求項3に記載の歯
付ベルトとすることによって、シランカップリング剤を
配合することにより、ゴム物性の低下をきたすことなく
大きい接着力を保持できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本実施形態に係る歯付ベルトの全体概略
図である。図1において、歯付ベルト5は、長手方向に
沿って所定間隔で配置した複数の歯部3と、歯部3と連
続する背部2と、背部2に埋設された心線1と、歯部3
の表面に被覆された歯布4とを有する構造である。背部
2と歯部3は、ゴム層9で形成されたベルト本体を構成
する。又、歯布4は、ベルトの長手方向に延在する緯糸
7と、ベルトの幅方向に延在する経糸8とを織成してな
る繊維材料を基材として構成される。
【0018】背ゴムのゴム配合物としては、水素化ニト
リルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合したものを用
いる。また、水素化ニトリルゴムとしては、耐熱性の観
点から水素添加率が少なくとも90%以上であることが
必要であり、92〜98%が好適である。そしてこの水
素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合する
ことによって、モジュラス(引張弾性率)や硬度を高め
るようにしているものであり、モジュラス(引張弾性
率)や切断伸度、さらに高い引き裂き強度や硬度を確保
する為には、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金
属塩とを質量比40:60〜50:50で配合されたポ
リマー複合体と水素化ニトリルゴムとを70:30〜2
0:80で配合することが望ましい。
【0019】不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基
を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したも
のであり、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタ
クリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸などのジカルボン酸が好ましく、金属として
はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウ
ム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモンなどを用いるこ
とができる。
【0020】水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金
属塩の質量比は、40:60〜50:50とする。理由
は明確ではないが、不飽和カルボン酸金属塩はポリマー
複合体を高次構造にし、不飽和カルボン酸金属塩がポリ
マー複合体中で微細に分散したフィラーを形成するとも
思われ、当初から水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン
酸金属塩を配合するよりも大きな引張り強さを有する。
【0021】上記ゴム組成物中には、ブレンドしたポリ
マーに対して、フェノール系樹脂が添加される。添加量
は特に限定しないが、ポリマー100質量部に対してフ
ェノール系樹脂の添加量は1〜10質量部が好ましい。
さらには、3〜6質量部がより好ましい。フェノール樹
脂の添加量が1質量部より少ないと、心線と背ゴムとの
確実な接着力が得られず、一方10質量部より多いと加
硫が遅れ、所定の物性が出現しないという問題がある。
前記フェノール樹脂としては、phenol formaldehyde re
sin,terpene phenolresin,alkyl-phenol formaldehyd
e resin 等が挙げられる。
【0022】上記ゴム組成物中には、ブレンドしたポリ
マー100質量部に対して、ケイ酸系充填剤が5〜50
質量部添加される。好ましくは、5〜20質量部添加す
る。ケイ酸系充填剤が5質量部より少ないと、心線と背
ゴムとの確実な接着力が得られず、一方50質量部より
多いと加硫が遅れ、所定の物性が出現しない、又、加工
上、ムーニ粘度が上昇し、加工工程(バンバリー、カレ
ンダー等)で加工できないという問題が発生する。前記
ケイ酸充填剤としては、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ
酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
【0023】又、上記ゴム組成物中には、ブレンドした
ポリマー100質量部に対して、シランカップリング剤
が1〜10質量部添加される。好ましくは、2〜5質量
部添加される。シランカップリング剤が1質量部より少
ないと、ケイ酸カルシウムを添加した場合に接着力が低
下する。一方、10質量部より多いと、スコーチの発生
やブルームしたり、加硫が早くなりすぎて所定の物性を
出現できないという問題が発生する。前記シランカップ
リング剤としては、シラン系として、γ-chloropyltrim
ethoxysilane、γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane,
γ-mercaptopropyltrimethoxysilane,aminofunctional
silane,(N-β-abinoethyl)-γ-aminopropyltrimet
hoxysilane等、アルミニウム系としては、acetoalkoxya
lminumdiisopropylatがあり、チタネート系としては、i
sopropyltriisostearoyltitanate,isopropyltris(dioct
ylpyrophosphate)titanateが挙げられるが、シランカッ
プリング剤はこれらに限定するものではない。
【0024】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、1.1−t−ブチルペロキシ−3.3.5
−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−
2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−
ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサ
ン−3、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピ
ル))ベンゼン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(ベ
ンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベン
ゾアート、t−ブチルペロキシ−2−エチル−ヘキシル
カーボネートなどが用いられる。そして、その配合量と
してはポリマー成分100質量部に対して0.2〜10
質量部とする。0.2質量部未満であると架橋が十分に
行われず、10質量部を越えると十分な弾性が得られな
くなる可能性が有るからである。
【0025】上記硫黄化合物としては、一般的な硫黄や
硫黄化合物、加硫剤としてはチウラム系、塩化ジチオカ
ルボメート系、スルフォンアミド系、チアゾール系等を
挙げることができる。また有機化合物と硫黄化合物、加
硫剤を併用しても良い。
【0026】更に、心線1としては、一般にはガラス繊
維及びアラミド繊維が使用される。また、ポリペンゾオ
キサゾール、ポリパラフェニレンナフタレート、ポリエ
ステル、アクリル、カーボン、スチールを組成とする撚
コードの何れでも使用できる。ガラス繊維の組成はEガ
ラス、Sガラス(高強度ガラス)何れでも良く、フィラ
メントの太さ及びフィラメントの集束本数及びストラン
ド本数に制限されない。
【0027】負荷とともに張力の大きい条件下で歯付ベ
ルト1を使用すると、従来の歯付ベルトの歯布が異常に
摩耗を起こし、比較的早く歯元部にクラックが生じて歯
欠けによる寿命となる為、さらに歯部2の補強が必要で
ある。
【0028】ここで使用する歯布4はRFL液、イソシ
アネート溶液或いはエポキシ溶液によって処理される。
RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラ
テックスに混合したものであり、ここで使用するラテッ
クスとしてはスチレン、ブタジエン、ビニルピリジン三
元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化
ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどから選ばれる。
【0029】上記RFL処理した歯布は、歯部に用いた
ゴム組成物を含浸付着させ加硫したゴム付帆布である。
具体的には歯部に使用したポリマー分にカーボンブラッ
ク、シリカなどの補強剤、有機過酸化物、加硫促進剤な
どを配合したゴム組成物を溶剤によって溶解したゴム糊
を作製した後、これを含浸付着させ、そして乾燥させた
後に加硫してゴム付帆布にする。また、必要に応じて老
化防止剤、例えばN-(1,3-Dimethyl-butyl)-N´-Ph
enylendiamine等を添加することもできる。
【0030】むろん、歯部に用いたポリマー成分にカー
ボンブラック、シリカなどの補強剤、有機過酸化物、加
硫促進剤などを同時に混合配合したゴム組成物とを溶剤
によって溶解したゴム糊を使用することもできる。
【0031】得られたゴム組成物はメチルエチルケト
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルムなどから選ばれた溶剤に溶解してゴム糊にし
た後、該ゴム糊を歯布に塗布、吹き付け等によって含浸
付着させ加硫したものである。
【0032】歯布4として用いられる帆布は平織物、綾
織物、朱子織物などからなる。これらの織物のベルト長
手方向に配置される緯糸としては、例えば少なくとも
0.3〜1.2デニールのパラ系アラミド繊維のフィラ
メント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長
手方向の緯糸全量の20〜80質量%含んだものが好ま
しい。
【0033】即ち、緯糸は少なくともパラ系アラミド繊
維のマルチフィラメント糸を含んだ糸であり、このパラ
系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラミ
ド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な緯
糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント
糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレタ
ン弾性糸の3種の糸を合撚したものである。また、他の
具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフ
ィラメント糸、脂肪族繊維糸(6ナイロン、66ナイロ
ン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)、そして
ウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものであってもよ
い。
【0034】また、ベルト長手方向に配置する緯糸全量
の20〜80質量%がパラ系アラミド繊維のマルチフィ
ラメント系である。この理由として、20質量%未満で
はベルト長手方向の歯布の引張強さが低下し、高負荷で
のベルト走行時に歯欠けが発生しやすくなり、また一方
80質量%を越えると、パラ系アラミド繊維のマルチフ
ィラメント糸の打ち込み方向の剛性が前記理由と同じく
過大になる為、均一な厚みの帆布を得ることができなく
なる為である。
【0035】歯布4の経糸としては、パラ系アラミド繊
維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィラ
メント糸、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイロン
等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル
等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド繊
維のフィラメント糸が緯糸 にパラ系アラミド繊維のマ
ルチフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸
を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯
布になる。しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限
定されるものではない。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例)表1に示す配合からなるゴムを通常の方法で
混練し、カレンダーロールにて所定の厚さのゴムシート
A−1からA−5を調整した。また、歯布は、表2に示
す繊維を用いて、表2に示す処理を行いB−1を得た。
表2におけるRFL処理は、表3に示すC−1の配合か
らなるRFL処理液に、歯布を浸漬し、120°Cにて
乾燥後180°Cにて2分間熱処理したものである。ま
た、表2におけるゴム糊処理は、表4に示すゴム配合物
を表3に示すC−2及びC−3のように、MEK、トル
エンに溶かした後にイソシアネート化合物としてポリア
リールポリイソシアネート(商品名PAPI)を添加し
た処理液に、適宜、MBIやN-(1,3-Dimethyl-Butyl)-N'-p
henyl-p-phenylendiamine、フッ素樹脂粉末又はグラフ
ァイト等の減摩材を添加混合した処理液に歯布を浸漬し
乾燥したものである。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】次に、ベルト作製用のZBS歯形120歯
数の金型に上記の歯布を巻き付け、SZ撚一対のRFL
及び水素化ニトリルゴムをトルエン等の溶剤にて溶かし
たゴム糊及びフェノール樹脂にて接着処理された表5に示す
心線を表6のピッチにてスパイラルに所定の張力で巻き
付けた。この心線の上に、表1のゴムシートを貼り付け
た。更に、加硫缶に投入して通常の圧入方式により歯形
を形成させた後165°Cにて30分加圧加硫して、ベ
ルト背面を一定厚さに研磨し一定幅(15mm)にカッ
トして走行用歯付ベルトを得た。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】作製したベルトのサイズは、ベルト幅15
mm、ベルト歯形ZBS、歯数120歯、歯ピッチ9.
525mmであり、通常120ZBS30と表示され
る。走行試験装置として、図2に示す22歯のクランク
プーリ11、44歯のカムプーリ13、19歯のウォー
タポンププーリ15、偏心プーリ19、アイドラー21
からなるレイアウトの試験装置を使用する。クランクプ
ーリ回転数4000rpmでベルトに掛かる有効張力を
3700Nとし、初張力を350Nにてアラミド心線D
−1を有するベルトにて走行試験を行った。その結果を
表9に示す。
【0045】次に心線とゴムとの接着力を評価した。心
線を所定の寸法のゴムシートで挟み込み、加硫を行っ
た。加硫条件としては、硫黄加硫が160°Cの温度条
件下で20分間、有機過酸化物で加硫した場合が165
°Cの条件下で30分間加硫を行った。そして、心線と
ゴムの接着力をJISK6854に従って測定を行っ
た。その結果を表7及び表8に示す。表7はアラミド心
線とゴムの接着力を、表8はガラス心線とゴムの接着力
を示す。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】表7から歯部ゴムと心線の接着力が150
Nより下回っている従来例及び比較例は表9に示すよう
に早期にベルトが破損するのに対し、実施例1では改善
され、実施例2〜5の改善を施すと、ベルト破損の時間
が大幅に改善できた。
【0050】
【発明の効果】本発明によると、前記背部が、水素化ニ
トリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩及びフェノール系
樹脂を配合して有機過酸化物又は硫黄化合物で架橋した
ゴム組成物からなる歯付ベルトであることから、前記ゴ
ム組成物を使用することによって、心線と背ゴムとの接
着力が増すという効果が有る。
【0051】請求項2に記載の発明によると、前記背部
が、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩とを
質量比40:60〜50:50で配合されたポリマー複
合体と水素化ニトリルゴムとを70:30〜20:80
で配合したポリマー分100質量部に対して、フェノー
ル系樹脂1〜10質量部を配合して有機過酸化物又は硫
黄化合物で架橋したゴム組成物からなる歯付ベルトとし
たことから、ゴム組成物のそれぞれの配合材料の配合量
を規定することによって、心線と背ゴムとの確実な接着
力が得られるという効果が有る。
【0052】請求項3に記載の発明によると、前記ポリ
マー分100質量部に対して、ケイ酸系充填剤を5〜5
0質量部配合して有機過酸化物又は硫黄化合物で架橋し
たゴム配合物からなる請求項2に記載の歯付ベルトとす
ることで、より大きく確実な、心線と背ゴムとの接着力
が得られるという効果が有る。
【0053】請求項4に記載の発明によると、前記ポリ
マー分100質量部に対して、シランカップリング剤を
1〜10質量部配合して有機過酸化物又は硫黄化合物で
架橋したゴム配合物からなる請求項3に記載の歯付ベル
トとすることによって、シランカップリング剤を配合す
ることにより、ゴム物性の低下をきたすことなく大きい
接着力を保持できるという効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの正面図である。
【図2】歯付ベルトの走行試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1 心線 2 背部 3 歯部 4 歯布 5 歯付ベルト 7 緯糸 8 経糸 9 ゴム層 11 クランクプーリ 13 カムプーリ 15 ウォータポンププーリ 19 偏心プーリ 21 アイドラー 23 オートテンショナー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複
    数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の
    表面に歯布を貼着した歯付ベルトにおいて、前記背部
    が、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩及び
    フェノール系樹脂を配合して有機過酸化物又は硫黄化合
    物で架橋したゴム組成物からなることを特徴とする歯付
    ベルト。
  2. 【請求項2】 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複
    数の歯部と、心線を埋設した背部とを有し、上記歯部の
    表面に歯布を貼着した歯付ベルトにおいて、前記背部
    が、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩とを
    質量比40:60〜50:50で配合されたポリマー複
    合体と水素化ニトリルゴムとを70:30〜20:80
    で配合したポリマー分100質量部に対して、フェノー
    ル系樹脂1〜10質量部を配合して有機過酸化物又は硫
    黄化合物で架橋したゴム配合物からなることを特徴とす
    る歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 前記ポリマー分100質量部に対して、
    ケイ酸系充填剤を5〜50質量部配合して有機過酸化物
    又は硫黄化合物で架橋したゴム配合物からなることを特
    徴とする請求項2に記載の歯付ベルト。
  4. 【請求項4】 前記ポリマー分100質量部に対して、
    シランカップリング剤を1〜10質量部配合して有機過
    酸化物又は硫黄化合物で架橋したゴム配合物からなる請
    求項3に記載の歯付ベルト。
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