JP6407445B2 - エレベータ振動低減装置の異常検出装置、エレベータおよびエレベータ振動低減装置の異常検出方法 - Google Patents

エレベータ振動低減装置の異常検出装置、エレベータおよびエレベータ振動低減装置の異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータ振動低減装置の異常状態を検出する異常検出装置、それを備えたエレベータおよびエレベータ振動低減装置の異常状態を検出する異常検出方法に関するものである。
近年、ビルの高層化にともなうエレベータの高速化によって、エレベータかご(以下、「かご」と記す)の振動低減技術の重要性がますます高まっている。ここで、かごの横振動は、昇降路に沿ってかごを案内するレールの曲がりまたは段差による強制変位が主な原因として発生する。従来、レールに沿ってかごを案内するガイド装置にバネまたはダンパなどの免振部材を用いることで振動低減が図られてきたが、振動低減性に関しては限られた性能であった。
そこで、より高速な速度領域において、制振性能と省電力を両立するセミアクティブ制振技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。セミアクティブ制振技術では、エレベータ振動低減装置として、かごの横振動を低減するための摩擦減衰力を可変に調整可能な可変減衰ダンパ装置を用いる。可変減衰ダンパ装置は、加速度センサの検出信号に基づいて摩擦減衰力を変更することで、かごの横振動を低減する。
ここで、特許文献1に記載のセミアクティブ制御技術においては、アクティブ制振技術に比べると制振性能が劣るものの、電磁アクチュエータによって摩擦減衰力の変更を行うのみであるので、消費電力が少ないという利点がある。
国際公開第2013/080826号(段落0020〜0027、図3参照)
特許文献1に記載のセミアクティブ制振技術を適用したエレベータ振動低減装置では、可変減衰ダンパ装置として、電磁アクチュエータによって摩擦減衰力の変更を行う摩擦減衰機構を用いている。また、摩擦減衰機構に用いられる摩擦摺動部材の厚みは、昇降路内の温度変動による摩擦摺動部材の熱膨張といった環境的要因、および摩擦摺動部材の摩耗といった経年的要因によって変動する。
したがって、摩擦摺動部材の厚みの変動が電磁アクチュエータのストローク量を超える場合、ガイド装置のガイドレバーへの摩擦摺動部材の押し付けを行うことができず、その結果、摩擦減衰力の変更が困難となる。つまり、環境的要因および経年的要因によって摩擦摺動部材の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力の変更が困難となる異常状態が発生しうる。そのため、このような異常状態を事前に検出する必要性がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エレベータ振動低減装置において、摩擦摺動部材の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力の変更が困難となる異常状態を検出可能な異常検出装置および異常検出方法と、その異常検出装置を備えたエレベータを得ることを目的とする。
本発明におけるエレベータ振動低減装置の異常検出装置は、ガイド装置のガイドレバーに押し付けられることによって摩擦減衰力を発生させる摩擦摺動部材と、摩擦摺動部材をガイドレバーに押し付ける可動鉄心と、コイルが巻かれ可動鉄心との間に電磁吸引力を発生させる固定鉄心とを含み、摩擦摺動部材の摩擦減衰力を、コイルに流れるコイル電流の調整によって変更するエレベータ振動低減装置の異常状態を検出する異常検出装置であって、エレベータかごの振動信号を検出する加速度センサと、エレベータかごに横方向の振動を発生させる振動発生部を駆動させて、加速度センサによって検出された振動信号から摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触の有無を判定する接触判定を行い、さらに、電流パターンに従ったコイル電流の制御を行いながら、コイルに流れる無負荷接触時の接触電流推定値を推定する接触判定部と、固定鉄心への可動鉄心の吸引が開始される吸引開始時にコイルに流れる吸引開始電流と、コイルにコイル電流が流れていない状態での固定鉄心と可動鉄心との間の磁気ギャップと、接触判定部によって推定された接触電流推定値とを入力として、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値を計算する磁気ギャップ推定部と、を備えたものである。
本発明におけるエレベータは、エレベータ振動低減装置の異常検出装置を備えたものである。
本発明におけるエレベータ振動低減装置の異常検出方法は、ガイド装置のガイドレバーに押し付けられることによって摩擦減衰力を発生させる摩擦摺動部材と、摩擦摺動部材をガイドレバーに押し付ける可動鉄心と、コイルが巻かれ可動鉄心との間に電磁吸引力を発生させる固定鉄心とを含み、摩擦摺動部材の摩擦減衰力を、コイルに流れるコイル電流の調整によって変更するエレベータ振動低減装置の異常状態を検出する異常検出方法であって、エレベータかごに横方向の振動を発生させる振動発生部を駆動させることで加速度センサによって検出された振動信号から摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触の有無を判定する接触判定を行い、さらに、電流パターンに従ったコイル電流の制御を行いながら、コイルに流れる無負荷接触時の接触電流推定値を推定するステップと、固定鉄心への可動鉄心の吸引が開始される吸引開始時にコイルに流れる吸引開始電流と、コイルにコイル電流が流れていない状態での固定鉄心と可動鉄心との間の磁気ギャップと、接触電流推定値とを入力として、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値を計算するステップと、を備えたものである。
本発明によれば、エレベータ振動低減装置において、摩擦摺動部材の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力の変更が困難となる異常状態を検出可能な異常検出装置および異常検出方法と、その異常検出装置を備えたエレベータを得ることができる。
本発明の形態1におけるエレベータの全体構成を示す側面図である。 図1のガイド装置を拡大して示す側面図である。 図2の押付け力調整機構を拡大して示す側断面図である。 図1のコントローラの構成を示すブロック図である。 図4の接触判定処理部によって行われる接触判定の方法を説明するための説明図である。 図4の接触判定部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図4の電磁力推定部によって行われる吸引開始電流および吸引開始時刻の検出の方法を説明するための説明図である。 図3の固定鉄心への可動鉄心の吸引開始時の場合において、可動鉄心に与えられるバネ付勢力および電磁吸引力を示す説明図である。 図3の摩擦摺動部材が無負荷接触時の場合において、可動鉄心に与えられるバネ付勢力および電磁吸引力を示す説明図である。 図3の摩擦摺動部材が押し付け時の場合において、可動鉄心に与えられるバネ付勢力および電磁吸引力を示す説明図である。 本発明の実施の形態2におけるエレベータの全体構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態3における接触判定部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態4における接触判定処理部によって行われる接触判定の方法を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態5において、押し付け時の磁気ギャップ推定値と、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値とを比較するための説明図である。 本発明の形態6におけるコントローラの構成を示すブロック図である。
以下、本発明によるエレベータ振動低減装置の異常検出装置、エレベータおよびエレベータ振動低減装置の異常検出方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の形態1におけるエレベータの全体構成を示す側面図である。図1において、エレベータは、かご室1およびかご枠2を有するかごと、第1の防振ゴム3と、第2の防振ゴム4と、ガイド装置5と、ロープ6と、ガイドレール7と、エレベータ振動低減装置の一例である押付け力調整機構8と、コントローラ9および加速度センサ10を有するエレベータ振動低減装置の異常検出装置とを備えている。
かご室1とかご枠2との間には第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4が設けられており、かご枠2にはロープ6が設けられている。また、かご枠2の上下左右方向の4箇所には、ガイド装置5が設けられている。
乗客が収容されるかご室1は、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4を介してかご枠2に支持されている。かご枠2は、ロープ6を介して昇降路上部に設けられた巻上機(図示せず)に接続されている。かご室1およびかご枠2は、巻上機によってロープ6が巻き取られる、または送り出されることで、上下に移動する。かごの昇降運転時にかごがふらつかないように、かご枠2に設けられたガイド装置5は、ガイドレール7に沿ってかご枠2を案内する。
図2は、図1のガイド装置5を拡大して示す側面図である。なお、図2では、図1においてかご枠2に設けられている一式のガイド装置5の中から右下のものを代表例として示している。
図2において、ガイド装置5は、ガイドベース51と、ガイドレバー52と、第1のベヤリング53と、第2のベヤリング54と、ローラ55と、延長棒56と、受け皿57と、圧縮バネ58とを備えている。
ガイドベース51の片端はかご枠2に固定されている。ガイドベース51の中間部には、第1のベヤリング53を介して、ガイドレバー52が揺動可能に設けられている。ガイドレバー52の中間部には、第2のベヤリング54を介して、ローラ55が回転可能に設けられている。
ガイドベース51の他端中間部には、延長棒56を介して受け皿57が接続されている。受け皿57とガイドレバー52との間には、圧縮バネ58が設けられている。ガイドレバー52は、圧縮バネ58の付勢力によって第1のベヤリング53を回転中心として揺動することで、ローラ55をガイドレール7に圧接させている。
ガイドベース51の下端部とガイドレバー52の揺動端部との間には、押付け力調整機構8によってガイドレバー52の半径方向に沿って駆動される摩擦摺動部材88が設けられている。摩擦摺動部材88が駆動されることでガイドレバー52の揺動に摩擦減衰力Fdが与えられる。
ガイドベース51の他端には、押付け力調整機構8が設けられている。押付け力調整機構8は、ガイドレバー52に対して押し付けられる摩擦摺動部材88の押付力を制御している。押付け力調整機構8および摩擦摺動部材88は、可変減衰ダンパ装置を構成している。
図3は、図2の押付け力調整機構8を拡大して示す側断面図である。なお、図3では、ガイドレバー52の揺動端部(図中の両方向矢印参照)と関連させて、押付け力調整機構8を図示している。
図3において、押付け力調整機構8は、第1の滑り軸受81と、コイル82と、圧縮バネ83と、可動鉄心84と、案内棒85と、第2の滑り軸受86と、固定鉄心87とを備えている。
可動鉄心84は、図中の破線矢印方向に摩擦摺動部材88を駆動可能に構成されている。可動鉄心84は、案内棒85を介して固定鉄心87と磁気ギャップεを空けて接続されている。固定鉄心87と可動鉄心84との間には、圧縮バネ83が挿入されている。圧縮バネ83は、コイル82が通電されない場合に固定鉄心87から可動鉄心84を引き離す役割を果たしている。
固定鉄心87は、ガイドベース51に固定されている。固定鉄心87の中央部には、コイル82が巻かれ、コイル82内の貫通穴には、可動鉄心84が挿入されている。固定鉄心87およびコイル82は、電磁石を構成している。コイル82に通電する場合、固定鉄心87と可動鉄心84との間に、以下の式(1)で示す電磁吸引力Fが発生する。
Figure 0006407445
ここで、式(1)において、μ0は真空透磁率、Sは固定鉄心87と可動鉄心84とのギャップ部の断面積、Nはコイル82のターン数、εは固定鉄心87と可動鉄心84との間の磁気ギャップ、Iはコイル82へ印加した電流量である。
可動鉄心84は、コイル82への通電によって固定鉄心87に吸引される場合に、ガイドレバー52の端部に衝合して、摩擦摺動部材88をガイドレバー52の揺動端部に押し付けるよう構成されている。
摩擦摺動部材88と固定鉄心87との間には、第1の滑り軸受81が設けられている。第1の滑り軸受81は、摩擦摺動部材88を固定鉄心87の貫通穴内に案内および支持している。
固定鉄心87には、可動鉄心84の一部を貫通する案内棒85が設けられている。案内棒85は、第2の滑り軸受86を介して、可動鉄心84を支持および案内するとともに、可動鉄心84と固定鉄心87の間の磁気ギャップεを制限している。
このように、本願発明が適用可能なエレベータ振動低減装置は、ガイド装置5のガイドレバー52に押し付けられることによって摩擦減衰力Fdを発生させる摩擦摺動部材88の摩擦減衰力Fdを、コイル82に流れるコイル電流の調整によって変更する。また、エレベータ振動低減装置は、コイル82にコイル電流が流れない場合、圧縮バネ83によって固定鉄心87から可動鉄心84を引き離す。
ここで、図3に示した押付け力調整機構8の一般的な機能について説明する。コイル82に通電する場合、固定鉄心87に可動鉄心84が吸引される。この場合、可動鉄心84を介して摩擦摺動部材88がガイドレバー52に押し付けられることで、ガイドレバー52と摩擦摺動部材88との間に、以下の式(2)で示す摩擦減衰力Fdが生じる。その結果、ガイドレバー52のガイドベース51に対する揺動が減衰する。
Figure 0006407445
ここで、式(2)において、μは摩擦摺動部材88とガイドレバー52の間に働く摩擦係数である。
一方、コイル82に通電しない場合、圧縮バネ83の付勢力であるバネ付勢力によって摩擦摺動部材88がガイドレバー52から引き離されることになるので、摩擦減衰力Fdが生じなくなる。
図1において、かご枠2には水平方向の振動を検出するための加速度センサ10が設けられている。加速度センサ10によって検出された振動信号は、コントローラ9に入力される。
コントローラ9は、押付け力調整機構8を制御する。コントローラ9は、例えば、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPUと、システムLSI等の処理回路とによって実現される。
コントローラ9は、加速度センサ10からの振動信号に応じて、コイル82への通電量を制御することで、かごの横振動を低減する。この場合、コントローラ9によって実行される減衰調整アルゴリズムは、例えば以下の式(3)に示す条件式を用いることができる。
Figure 0006407445
ここで、
Figure 0006407445
は加速度センサ10によって検出されるかご枠2の水平方向加速度であり、
Figure 0006407445
は水平方向加速度を積分して得られるかご枠2の水平方向速度である。また、αは正の定数である。
式(3)は、条件式
Figure 0006407445
が0未満(<0)となる場合には、コントローラ9がコイル82への通電を行うことでガイドレバー52に最大摩擦力Fmaxを与え、条件式
Figure 0006407445
が0以上(≧0)となる場合には、コントローラ9がコイル82への通電を行わないことでガイドレバー52に最小摩擦力Fminを与えるアルゴリズムを示している。
なお、式(3)は、公知文献(例えば、A Single−Sensor Control Strategy for Semi−Active Suspensions,Sergio M.Savaresi,and Cristiano Spelta,IEEE TRANSACTIONS ON CONTROL SYSTEMS TECHNOLOGY,VOL.17,NO.1,JANUARY 2009)に記載の技術を参考にしている。
このように、加速度センサ10からの振動信号に応じて、コイル82への通電量を制御することで、かごの横振動を低減する技術については公知である。
ここで、上記では、コイル82への通電時において、摩擦摺動部材88がガイドレバー52へ押し付けられることを前提として、かごの横振動を低減する技術を説明した。しかしながら、ガイドレバー52へ摩擦摺動部材88を押し付けるよりも早く可動鉄心84と固定鉄心87が接触するようになると、摩擦摺動部材88をガイドレバー52に押し付けることができなくなる。その結果、摩擦減衰力Fdの変更が困難となる。
ガイド装置5を取り付ける場合、可動鉄心84と固定鉄心87の間の磁気ギャップεが適切な距離を保つように摩擦摺動部材88の露出量が調整されている。しかしながら、摩擦摺動部材88は、昇降路内の温度変動による熱膨張といった環境的要因、および摩耗といった経年的要因によって、厚みが変動する可能性がある。そのため、可動鉄心84のストローク量を超えて摩擦摺動部材88の厚みが減少すると、摩擦摺動部材88をガイドレバー52に押し付けるよりも前に、可動鉄心84と固定鉄心87とが接触する。
このように、ガイドレバー52への摩擦摺動部材88の押し付けが困難となる場合、所望の摩擦減衰力Fdが得られなくなり、その結果、かごの横振動に対する制振性能が悪化する。したがって、環境的要因および経年的要因によって摩擦摺動部材88の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力Fdの変更が困難となる異常状態を事前に検出する必要性がある。
そこで、本願発明では、摩擦摺動部材88の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力Fdの変更が困難となる異常状態を検出可能な異常検出装置および異常検出方法と、その異常検出装置を備えたエレベータを提供する。
次に、先の図1〜図3とともに、図4〜図10を参照しながら、コントローラ9によって実行される異常検出アルゴリズムについて説明する。この異常検出アルゴリズムは、摩擦摺動部材88の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力Fdの変更が困難となる異常状態(以下、単に「異常状態」と略して表記する)を検出するためのものである。
図4は、図1のコントローラ9の構成を示すブロック図である。なお、図4には、上記で説明した加速度センサ10およびコイル82に加えて、さらに、コイル82に流れるコイル電流を検出する電流センサ11、および横方向の振動をかご枠2に発生させる振動発生部12も併せて図示されている。
図4において、コントローラ9は、接触判定部91と、磁気ギャップ推定部92と、異常検出部93とを備えている。また、接触判定部91は、電流制御部911と、駆動指令部912と、接触判定処理部913とを備えている。磁気ギャップ推定部92は、電磁力推定部921と、バネ付勢力推定部922と、磁気ギャップ計算部923とを備えている。
接触判定部91は、ガイドレバー52への摩擦摺動部材88の接触開始時、すなわち、摩擦摺動部材88がガイドレバー52に接触を開始する時におけるコイル82に流れるコイル電流を推定する。以下、ガイドレバー52への摩擦摺動部材88の接触開始時を「無負荷接触時」と表記し、無負荷接触時にコイル82に流れるコイル電流を「接触電流Ic」と表記する。
電流制御部911は、後述する電流パターンに従って電流指令値を生成するとともに、電流センサ11によって検出されたコイル電流が電流指令値と一致するようにコイル電流を調整する。
駆動指令部912は、振動発生部12を駆動させるための駆動指令を生成し、駆動指令を振動発生部12に与えることで、横方向の振動をかご枠2に発生させる。
なお、振動発生部12は、例えば、昇降路上部に設けられた巻上機を用いて構成される。この場合、振動発生部12としての巻上機は、駆動指令部912からの駆動指令に従って、かごを昇降させることでレール変位外乱をガイド装置5に与える。また、この駆動指令は、かごがある速度で昇降路の一部または全部を、上昇または下降するように設定されている。このように構成することで、振動発生部12は、駆動指令部912からの駆動指令に従って、かごを昇降させることでかごに横方向の振動を発生させることができる。
駆動指令部912からの駆動指令に従って振動発生部12がかご枠2に振動を発生させた場合、加速度センサ10は、かご枠2の振動信号を検出する。また、昇降路に設置されたレールによるかごへの強制変位外乱は、昇降路ごとに同一であるので、評価に用いるかご横振動の条件を一定に保つことができる。
接触判定処理部913は、加速度センサ10によって検出された振動信号と、電流制御部911によって生成された電流指令値と、駆動指令部912によって生成された駆動指令とに基づいて、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが接触しているか否かを判定する接触判定を行う。
ここで、接触判定処理部913による接触判定の具体的な方法としては、高速フーリエ変換によって振動信号の周波数スペクトルを計算することで得られる振動信号の周波数成分の違いから、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する方法を用いる。
次に、接触判定処理部913による接触判定の方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、図4の接触判定処理部913によって行われる接触判定の方法を説明するための説明図である。図5では、加速度センサ10によって検出された振動信号の周波数成分を、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無によって比較した結果が示されている。
図5から分かるように、摩擦摺動部材接触時および摩擦摺動部材非接触時のそれぞれに対応する振動スペクトルにおいて、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが接触することでガイドレバー52に摩擦減衰力Fdが発生する場合の第1次ピークωcと、摩擦減衰力Fdが発生しない場合の第1次ピークωnとを比較する。この場合、ωc>ωnという関係が成立する。
そこで、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無によって振動スペクトルの第1次ピークが異なることに着目し、摩擦摺動部材88がガイドレバー52に接触したと判定するための基準周波数ω0を閾値として設定する。
振動ピークとしての第1次ピークωcおよびωnは、摩擦摺動部材88の減衰係数と、圧縮バネ58のバネ定数と、かご室1の重量と、かご枠2の重量と、第1の防振ゴム3のバネ定数と、第2の防振ゴム4のバネ定数と、第1の防振ゴム3の減衰係数と、第2の防振ゴム4の減衰係数とを用いて計算される。ここで、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4のそれぞれのバネ定数は、疲労劣化、酸化劣化等の経時的、環境的な劣化によって変動する。
昇降路内の温度が低い場合、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4のそれぞれのバネ定数が疲労劣化の影響を強く受けるため、それぞれのバネ定数が時間とともに小さくなる。昇降路内の温度が高い場合、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4のそれぞれのバネ定数が酸化劣化の影響を強く受けるため、それぞれのバネ定数が時間とともに大きくなる。すなわち、昇降路内の温度が低い場合には、振動ピークωcおよびωnが小さくなり、昇降路内の温度が高い場合には、振動ピークωcおよびωnが大きくなる。
接触判定処理部913は、昇降路内の温度と、かごが据え付けられてからの経過期間とに関連付けられてあらかじめ想定される振動ピークωcおよびωnのテーブルを持つ。接触判定処理部913は、そのテーブルから、昇降路内の想定温度値と、かごが据え付けられてからの経過期間とに対応する振動ピークωcおよびωnを選択して決定する。
接触判定処理部913は、上記のように決定した振動ピークωcおよびωnを用いて、ωn<ω0<ωcとなるように、基準周波数ω0を閾値として設定する。
このように、接触判定部91は、昇降路内の温度と、かごが据え付けられてからの経過期間とに従って、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定するための閾値を決定する。
駆動指令部912からの駆動指令に従って振動発生部12がかご枠2に振動を発生させる場合に、接触判定処理部913は、加速度センサ10によって検出された振動信号の周波数成分から、振動スペクトルの第1次ピークωを計算する。
接触判定処理部913は、計算した第1次ピークωから、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する。
具体的には、接触判定処理部913は、計算した第1次ピークωについて、ω<ω0となる場合には、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが接触していない、すなわち、「非接触」と判定する。一方、接触判定処理部913は、ω≧ω0となる場合には、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが接触している、すなわち、「接触」と判定する。
このように、接触判定部91は、加速度センサ10によって検出された振動信号の振動スペクトルを計算し、計算した振動スペクトルから、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する。
また、接触判定処理部913は、このような接触判定を行うことで、電流制御部911によってコイル82に印加されるコイル電流の電流値ごとに、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を精度良く判定することができる。
次に、接触判定部91の動作の流れについて、図6を参照しながら説明する。図6は、図4の接触判定部91の動作を説明するためのタイミングチャートである。図6において、横軸は時間を示し、縦軸はコイル82に流れるコイル電流を示している。また、図中の折れ線は、電流制御部911によってコイル82に印加されるコイル電流のパターンを示し、図中の横線は、接触電流Icを示している。
以下、接触判定部91による接触電流Icの推定の流れについて説明する。電流制御部911は、ある一定の電流パターンに従って、コイル82にコイル電流が流れるように、電流指令値を生成する。
ここで、電流制御部911は、一定の電流パターンとして、単位時間あたり一定の電流変化率で単調にコイル電流を増加させるパターン、または単位時間あたり一定の電流変化率で単調にコイル電流を減少させるパターンを用いるように設定されている。
電流制御部911が電流パターンに従ってコイル電流をコイル82に印加する場合、駆動指令部912は、各サイクルの開始時刻において、振動発生部12に駆動指令を与えることで、かご枠2に振動を発生させる。加速度センサ10は、駆動指令部912が振動発生部12に駆動指令を与えることでかご枠2に振動を発生させ始めた時刻から一定時間の間、かご枠2の振動信号を検出する。
接触判定処理部913は、加速度センサ10によって検出された振動信号から、振動スペクトルの第1次ピークωを計算し、その計算結果から、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する。
ここで、図6に示すように、電流制御部911は、前回のサイクルでコイル電流を増加させる動作を行っている間に、接触判定処理部913によって「非接触」と判定された場合、今回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率を1つ前の前回のサイクルと同じ状態にしてコイル電流を増加させる動作を継続する。
また、電流制御部911は、前回のサイクルでコイル電流を増加させる動作を行っている間に、接触判定処理部913によって「接触」と判定された場合、今回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率を1つ前の前回のサイクルよりも小さくして、コイル電流を減少させる動作に切り替える。
一方、電流制御部911は、前回のサイクルでコイル電流を減少させる動作を行っている間に、接触判定処理部913によって「接触」と判定された場合、今回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率を1つ前の前回のサイクルと同じ状態にして、コイル電流を減少させる動作を継続する。
また、電流制御部911は、前回のサイクルでコイル電流を減少させる動作を行っている間に、接触判定処理部913によって「非接触」と判定された場合、単位時間当たりの電流変化率を1つ前のサイクルの前回のサイクルよりも小さくして、コイル電流を増加させる動作に切り替える。
このように、前回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率でコイル電流を増加させる動作を行った場合、前回のサイクルでの接触判定の判定結果に従って、今回のサイクルでは、前回のサイクルでの電流変化率を小さくした状態でコイル電流を減少させる動作および前回のサイクルでの電流変化率を同じにした状態でコイル電流を継続して増加させる動作のいずれかを行う。また、前回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率でコイル電流を減少させる動作を行った場合、前回のサイクルでの接触判定の判定結果に従って、今回のサイクルでは、前回のサイクルでの電流変化率を小さくした状態でコイル電流を増加させる動作および前回のサイクルでの電流変化率を同じにした状態でコイル電流を継続して減少させる動作のいずれかを行う。
電流制御部911がコイル電流を減少させる動作およびコイル電流を減少させる動作のいずれを行う場合でも、駆動指令部912は、各サイクルの開始時に、振動発生部12に駆動指令を与えることでかご枠2に振動を発生させる。
図6に示すように、電流制御部911がコイル電流を増加させる動作およびコイル電流を減少させる動作のいずれかを行うとともに接触判定処理部913が接触判定を行うサイクルが、複数回繰り返されることで、コイル電流は、接触電流Icに収束する。
接触判定処理部913は、サイクルが設定回数分繰り返された場合、最後のサイクルが終了した時点のコイル電流Ilと、その最後のサイクルから1つ前のサイクルが終了した時点のコイル電流Ihとの電流差を計算する。なお、接触判定処理部913は、最後ではなく途中のサイクルが終了した時点のコイル電流Ilと、その途中のサイクルから1つ前のサイクルが終了した時点のコイル電流Ihとの電流差を計算するようにしてもよい。
接触判定処理部913は、計算した電流差が設定範囲内に収まった場合、コイル電流Ilおよびコイル電流Ihの平均値を、接触電流Icの推定値である接触電流推定値Ic’とする。
このように、接触判定部91は、かごに横方向の振動を発生させる振動発生部12を駆動させることで加速度センサ10によって検出された振動信号から、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する接触判定を行う。また、接触判定部91は、さらに、電流パターンに従ったコイル電流の制御を行いながら、接触判定を繰り返すことで、コイル82に流れる無負荷接触時の接触電流推定値Ic’を推定する。したがって、接触判定部91は、無負荷接触時の接触電流Icの推定値として、接触電流推定値Ic’を得ることができる。
磁気ギャップ推定部92は、接触判定部91によって推定された接触電流推定値Ic’を用いて、無負荷接触時の前後における、可動鉄心84に与えられる力を計算する。また、磁気ギャップ推定部92は、その計算結果から、摩擦摺動部材88がガイドレバー52に押し付けられている時の磁気ギャップεを推定する。以下、摩擦摺動部材88がガイドレバー52に押し付けられている時を「押し付け時」と表記する。
次に、磁気ギャップ推定部92の動作の流れについて、図7〜図10を参照しながら説明する。
まず、電磁力推定部921の動作について、図7を参照しながら説明する。図7は、図4の電磁力推定部921によって行われる吸引開始電流I0および吸引開始時刻t0の検出の方法を説明するための説明図である。図7では、固定鉄心87への可動鉄心84の吸引が開始された以降において、電流センサ11によって検出されたコイル電流の時間変化が示されている。図7において、横軸は時間を示し、縦軸は電流センサ11によって検出されたコイル電流を示している。
まず、時刻tsにおいて、電流制御部911は、固定鉄心87への可動鉄心84の吸引を開始するために、コイル82へコイル電流を印加し始める。これにより、コイル82にコイル電流が流れ出す。
コイル82へ印加するコイル電流が増加すると、そのコイル電流の増加に伴い、可動鉄心84に働く電磁吸引力Fも増加を始める。電磁吸引力Fが圧縮バネ83のバネ付勢力よりも大きくなると、可動鉄心84は、固定鉄心87に向かって動き出す。つまり、固定鉄心87への可動鉄心84の吸引が開始される。可動鉄心84が動き始めた場合、可動鉄心84の運動によってコイル82に逆起電力が発生するので、電流センサ11によって検出されるコイル電流が減少する。
電磁力推定部921は、図7に示すようなコイル82に流れるコイル電流の減少変化から、可動鉄心84の吸引が開始された時のコイル電流である吸引開始電流I0と、可動鉄心84の吸引が開始された時の吸引開始時刻t0とを検出する。
このように、磁気ギャップ推定部92は、電流センサ11によって検出されたコイル電流の変化から、コイル82に流れる吸引開始時の吸引開始電流I0を検出する。
図8は、図3の固定鉄心87への可動鉄心84の吸引開始時の場合において、可動鉄心84に与えられるバネ付勢力Fsおよび電磁吸引力Fを示す説明図である。図8において、横軸は磁気ギャップεを示し、縦軸は可動鉄心84に与えられる力の大きさを示している。また、図中の破線は電磁力推定部921によって計算される吸引開始時の電磁吸引力Fを示し、図中の実線はバネ付勢力推定部922によって計算される吸引開始時のバネ付勢力Fsを示している。
固定鉄心87への可動鉄心84の吸引が開始された場合、電磁力推定部921は、検出した吸引開始電流I0を用いて、式(1)に基づいて、以下の式(4)に示すように、磁気ギャップεに対する電磁吸引力Fを計算する。
Figure 0006407445
また、磁気ギャップ計算部923は、コイル82にコイル電流が印加されていない状態での磁気ギャップx0を用いて、式(4)に基づいて、以下の式(5)に示すように、磁気ギャップx0に対応する電磁吸引力F0を計算する。なお、電磁吸引力F0は、吸引開始時において可動鉄心84に働く電磁吸引力である。
Figure 0006407445
なお、磁気ギャップx0は、圧縮バネ83のバネ付勢力によって可動鉄心84が案内棒85の一端に押さえつけられている状態での磁気ギャップに等しい。したがって、磁気ギャップx0は、案内棒85および固定鉄心87の設計によってあらかじめ定められる既知の値である。
ここで、固定鉄心87への可動鉄心84の吸引開始時の場合、すなわち、吸引開始時刻t0の場合では、可動鉄心84に働く電磁吸引力Fと、圧縮バネ83のバネ付勢力とは釣り合う。
したがって、バネ付勢力推定部922は、式(5)によって計算された電磁吸引力F0を用いて、以下の式(6)に示すように、磁気ギャップεに対するバネ付勢力Fsを計算する。このバネ付勢力Fsは、圧縮バネ83のバネ付勢力である。
Figure 0006407445
ここで、式(6)において、ksは圧縮バネ83のバネ定数である。また、式(6)で示すバネ付勢力Fsは、可動鉄心84の吸引が開始されてから摩擦摺動部材88がガイドレバー52に接触するまでに間に成立する関数である。すなわち、無負荷接触時の磁気ギャップをxcとするとき、式(6)は、xc<ε≦x0を満たす。
このように、磁気ギャップ推定部92は、検出した吸引開始電流I0と、コイル82にコイル電流が流れていない状態での磁気ギャップx0とから、可動鉄心84に与えられる吸引開始時のバネ付勢力Fsを計算する。
図9は、図3の摩擦摺動部材88が無負荷接触時の場合において、可動鉄心84に与えられるバネ付勢力Fsおよび電磁吸引力Fを示す説明図である。図9において、横軸は磁気ギャップεを示し、縦軸は可動鉄心84に与えられる力の大きさを示している。また、図中の破線は電磁力推定部921によって計算される無負荷接触時の電磁吸引力Fを示し、図中の実線はバネ付勢力推定部922によって計算される押し付け時のバネ付勢力Fsを吸引開始時のバネ付勢力Fsとともに示している。
固定鉄心87への可動鉄心84の吸引が開始されてから、電流制御部911によってコイル82に印加されるコイル電流が大きくなると、接触電流Icにおいて、ガイドレバー52への摩擦摺動部材88の接触が開始となる。
電磁力推定部921は、接触判定部91によって推定された接触電流推定値Ic’を用いて、式(1)に基づいて、以下の式(7)に示すように、磁気ギャップεに対する電磁吸引力Fを計算する。
Figure 0006407445
ここで、摩擦摺動部材88が無負荷接触時の場合、可動鉄心84に働く電磁吸引力Fと、圧縮バネ83のバネ付勢力とは釣り合う。
したがって、磁気ギャップ計算部923は、バネ付勢力推定部922によって計算された式(6)と、電磁力推定部921によって計算された式(7)との交点を求めることで、無負荷接触時における磁気ギャップ推定値xc’およびバネ付勢力推定値Fc’を計算する。なお、磁気ギャップ推定値xc’は、無負荷接触時の磁気ギャップxcの推定値である。また、バネ付勢力推定値Fc’は、無負荷接触時の圧縮バネ83のバネ付勢力の推定値である。
このように、磁気ギャップ推定部92は、接触判定部91によって推定された接触電流推定値Ic’と、計算した吸引開始時のバネ付勢力Fsとから、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’と可動鉄心84に与えられる無負荷接触時のバネ付勢力推定値Fc’とを計算する。
バネ付勢力推定部922は、磁気ギャップ計算部923によって計算された無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’と、摩擦摺動部材88を圧縮バネとみなしたときのバネ定数kdとを用いて、以下の式(8)に示すように、磁気ギャップεに対するバネ付勢力Fsを計算する。
Figure 0006407445
このバネ付勢力Fsは、圧縮バネ83のバネ付勢力および摩擦摺動部材88のバネ付勢力の和である。また、このバネ付勢力Fsは、押し付け時において、可動鉄心84に与えられるバネ付勢力Fsである。
このように、磁気ギャップ推定部92は、計算した無負荷接触時のバネ付勢力推定値Fc’から、押し付け時のバネ付勢力Fsを計算する。
図10は、図3の摩擦摺動部材88が押し付け時の場合において、可動鉄心84に与えられるバネ付勢力Fsおよび電磁吸引力Fを示す説明図である。図10において、横軸は磁気ギャップεを示し、縦軸は可動鉄心84に与えられる力の大きさを示している。また、図中の破線は電磁力推定部921によって計算される押し付け時の電磁吸引力Fを示し、図中の実線はバネ付勢力推定部922によって計算される押し付け時のバネ付勢力Fsを吸引開始時のバネ付勢力Fsとともに示している。
押し付け時のコイル電流として、押付け力調整機構8を動作する上で想定される最大の押付力Fgを与えるコイル電流Igがコイル82に印加される場合を考える。この場合、電磁力推定部921は、コイル電流Igを用いて、以下の式(9)に示すように、磁気ギャップεに対する電磁吸引力Fを計算する。
Figure 0006407445
ここで、摩擦摺動部材88が押し付け時の場合、可動鉄心84に働く電磁吸引力Fと、圧縮バネ83のバネ付勢力および摩擦摺動部材88のバネ付勢力の和とは釣り合う。
したがって、磁気ギャップ計算部923は、電磁力推定部921によって計算された式(9)と、バネ付勢力推定部922によって計算された式(8)との交点を求めることで、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’および押付力Fgを計算する。なお、磁気ギャップ推定値xg’は、押し付け時の磁気ギャップの推定値である。
このように、磁気ギャップ推定部92は、押し付け時のコイル電流と、計算した押し付け時のバネ付勢力Fsとから、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’を計算する。
以上の図7〜図10を参照しながら説明した磁気ギャップ推定部92の動作についてまとめると次のとおりである。磁気ギャップ推定部92は、電流センサ11によって検出されたコイル電流の変化から、コイル82に流れる吸引開始時の吸引開始電流I0を検出する。磁気ギャップ推定部92は、検出した吸引開始電流I0と、コイル82にコイル電流が流れていない状態での磁気ギャップx0と、接触判定部91によって推定された接触電流推定値Ic’と、コイル82に流れる押し付け時のコイル電流とから、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’を計算する。
より具体的には、磁気ギャップ推定部92は、検出した吸引開始電流I0と、コイル82にコイル電流が流れていない状態での磁気ギャップx0とから、可動鉄心84に与えられる吸引開始時のバネ付勢力Fsを計算する。磁気ギャップ推定部92は、接触判定部91によって推定された接触電流推定値Ic’と、計算した吸引開始時のバネ付勢力Fsとから、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’と可動鉄心84に与えられる無負荷接触時のバネ付勢力推定値Fc’を計算し、計算した無負荷接触時のバネ付勢力推定値Fc’から、押し付け時のバネ付勢力Fsを計算する。磁気ギャップ推定部92は、押し付け時のコイル電流と、計算した押し付け時のバネ付勢力Fsとから、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’を計算する。
したがって、磁気ギャップ推定部92は、押し付け時の磁気ギャップの推定値として、磁気ギャップ推定値xg’を得ることができる。
異常検出部93は、磁気ギャップ推定部92によって推定された磁気ギャップ推定値xg’に基づいて、異常状態を検出する。つまり、磁気ギャップ推定値xg’が小さいほど、可動鉄心84と固定鉄心87とが接触する可能性が高くなるので、この磁気ギャップ推定値xg’を監視することで異常状態が検出可能となる。
具体的には、異常検出部93は、磁気ギャップ推定値xg’があらかじめ設定された閾値xtよりも大きい場合には、押し付け時の磁気ギャップの量が正常と判定する。閾値xtは、磁気ギャップの保守調整が行われる周期の間に想定される摩擦摺動部材88の摩耗量と、あらかじめ設定された最小の許容磁気ギャップxlimとを足したものよりも大きい値として設定される。
上記の想定される摩擦摺動部材88の摩耗量としては、例えば保守調整が行われる周期での最大の摩耗量、あるいは平均の摩耗量などが用いられる。すなわち、保守調整が行われる周期が長くなると閾値xtは大きくなり、保守調整が行われる周期が短くなると閾値xtは小さくなる。
このように、異常検出部93は、保守調整が行われる周期に従って、異常状態を検出するための閾値を決定する。
一方、異常検出部93は、磁気ギャップ推定値xg’が閾値xt以下の場合には、押し付け時の磁気ギャップの量が異常と判定する。この場合、異常検出部93は、異常状態を検出することとなる。
このように、異常検出部93は、磁気ギャップ推定部92によって推定された押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’から、異常状態を検出する。
以上のように、コントローラ9によって実行される異常検出アルゴリズムによって、摩擦摺動部材88が摩耗または変形することでガイドレバー52への押し付けができなくなる前に、異常状態を検出することができる。
以上、本実施の形態1によれば、エレベータかごに横方向の振動を発生させる振動発生部を駆動させることで加速度センサによって検出された振動信号から、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触の有無を判定する接触判定を行い、さらに、電流パターンに従ったコイル電流の制御を行いながら、接触判定を繰り返すことで、コイルに流れる無負荷接触時の接触電流推定値を推定するように構成する。
また、コイルに流れる吸引開始時の吸引開始電流と、コイルにコイル電流が流れていない状態での磁気ギャップと、推定された接触電流推定値とを入力として、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値を計算するように構成する。さらに、推定された接触時の磁気ギャップ推定値から、異常状態を検出するように構成する。
これにより、エレベータ振動低減装置において、摩擦摺動部材の厚みが変動することに起因して摩擦減衰力の変更が困難となる異常状態を検出することができる。
本実施の形態1では、コイルに流れる吸引開始時の吸引開始電流と、コイルにコイル電流が流れていない状態での磁気ギャップと、推定された接触電流推定値とに加えて、コイルに流れる押し付け時のコイル電流をさらに入力とする場合を例示している。この場合、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値として、押し付け時の磁気ギャップ推定値が計算される。
また、本願発明が適用可能なエレベータ振動低減装置は、摩擦摺動部材の押し付け時における変形が無視することができず、可動鉄心に与えられえる電磁吸引力と釣り合うバネ付勢力を計算する際のバネ定数は、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触の有無により異なる2段階のバネ定数を有する。このようなエレベータ振動低減装置に本願発明を適用した場合であっても、無負荷接触時の接触電流を基準とすることで磁気ギャップを推定することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、先の実施の形態1とは異なり、かごに取り付けられているかごドア13を開閉することでかご枠2に振動を発生させるように振動発生部12を構成する場合について説明する。なお、本実施の形態2では、先の実施の形態1と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態2におけるエレベータの全体構成を示す側面図である。図11において、エレベータは、先の図1の構成に加え、かごドア13と、かごドア駆動装置14をさらに備えている。
かごドア13は、開閉時に、昇降路の乗場に設置された乗場ドア(図示せず)と係合することで、一体となって水平方向、すなわち、図中の矢印方向へ駆動する。かごドア駆動装置14は、例えばリンクまたはベルトなどの駆動力を伝達する駆動力伝達部がかごドア13に接続されており、かごドア13を開閉するための駆動力を与える。
本実施の形態2における振動発生部12は、かごドア13と、かごドア駆動装置14とを用いて構成される。この場合、かごドア駆動装置14は、駆動指令部912からの駆動指令に従って、かごドア13を開閉することでかご枠2に振動を発生させる。
このように、本実施の形態2では、先の実施の形態1とは異なり、かごに取り付けられているかごドア13を開閉することでかご枠2に振動を発生させるように振動発生部12を構成している。
以上、本実施の形態2によれば、先の実施の形態1とは異なり、振動発生部は、接触判定部からの駆動指令に従って、かごドアを開閉することでかごに横方向の振動を発生させるように構成される。
これにより、振動の再現性を高めるために、サイクルの開始時に初期状態に戻して接触判定を行う場合、かごを昇降させることで与えられるレール変位外乱による強制振動を発生させる先の実施の形態1と比べて、かごドアの開閉時間がかご昇降時間より短いので、1サイクルあたりの接触判定に必要な時間が短くなる。したがって、より高速に摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触の有無を判定することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3では、先の実施の形態1、2とは異なり、一定時間ごとに離散値を更新する電流パターンに従って、コイル電流をコイル82に印加するように電流制御部911を構成する場合について説明する。なお、本実施の形態3では、先の実施の形態1、2と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1、2と異なる点を中心に説明する。
図12は、本発明の実施の形態3における接触判定部91の動作を説明するためのタイミングチャートである。図12において、横軸は時間を示し、縦軸はコイル82に流れるコイル電流を示している。また、図中の折れ線は、電流制御部911によってコイル82に印加されるコイル電流のパターンを示し、図中の横線は、接触電流Icを示している。
以下、本実施の形態3における接触判定部91による接触電流Icの推定の流れについて説明する。電流制御部911は、先の実施の形態1とは異なる電流パターンに従って、コイル電流をコイル82に印加する。
まず、電流制御部911は、コイル電流が吸引開始電流I0を超えた状態を初期状態として、1つのサイクルで一定時間の間、ある一定のコイル電流をコイル82に印加する。
電流制御部911が電流パターンに従ってコイル電流をコイル82に印加する場合、各サイクルの開始時刻において、駆動指令部912は、振動発生部12に駆動指令を与えることで、かご枠2に振動を発生させる。加速度センサ10は、駆動指令部912が振動発生部12に駆動指令を与えることでかご枠2に振動を発生させ始めた時刻から一定時間の間、かご枠2の振動信号を検出する。
接触判定処理部913は、加速度センサ10によって検出された振動信号の周波数成分から、振動スペクトルの第1次ピークωを計算し、その計算結果から、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する。
電流制御部911は、今回のサイクルで接触判定処理部913によって「接触」と判定され、その判定結果が1つ前の前回のサイクルと同じである場合、前回のサイクルに対する今回のサイクルでのコイル電流の変化量と同じ量だけ、今回のサイクルでのコイル電流を減少させたコイル電流を、次回のサイクルでのコイル電流とする。
また、電流制御部911は、今回のサイクルで接触判定処理部913によって「非接触」と判定され、その判定結果が1つ前の前回のサイクルと同じである場合、前回のサイクルに対する今回のサイクルでのコイル電流の変化量と同じ量だけ、今回のサイクルでのコイル電流を増加させたコイル電流を、次回のサイクルでのコイル電流とする。
一方、接触判定処理部913による今回のサイクルでの接触判定の結果が1つ前の前回のサイクルと異なる場合、接触電流Icが今回のサイクルにおけるコイル電流と、前回のサイクルにおけるコイル電流との間にある。
そこで、電流制御部911は、今回のサイクルで接触判定処理部913によって「接触」と判定され、その判定結果が1つ前の前回のサイクルと異なる場合、今回サイクルでのコイル電流と前回サイクルでのコイル電流との電流差をある数で等分した値だけ今回のサイクルでのコイル電流を減少させたコイル電流を、次回のサイクルでのコイル電流とする。
電流制御部911は、今回のサイクルで接触判定処理部913によって、「非接触」と判定され、その判定結果が1つ前の前回のサイクルと異なる場合、今回サイクルでのコイル電流と前回サイクルでのコイル電流との電流差をある数で等分した値だけ今回のサイクルでのコイル電流を増加させたコイル電流を、次回のサイクルでのコイル電流とする。
このように、電流制御部911は、今回のサイクルでの接触判定の第1の判定結果と、前回のサイクルでの接触判定の第2の判定結果とが同じ場合、第1の判定結果と第2の判定結果とに従って、前回のサイクルに対する今回のサイクルでのコイル電流の変化量と同じ量だけ、今回のサイクルでのコイル電流を変化させたコイル電流を、次回のサイクルでのコイル電流とする。また、電流制御部911は、第1の判定結果と第2の判定結果とが異なる場合、第1の判定結果と第2の判定結果とに従って、今回サイクルでのコイル電流と前回サイクルでのコイル電流との電流差をある数で等分した値だけ、今回のサイクルでのコイル電流を変化させたコイル電流を、次回のサイクルでのコイル電流とする。
図12に示すように、電流制御部911がコイル電流をコイル82に印加する動作を行うとともに接触判定処理部913が接触判定を行うサイクルが複数回繰り返されることで、コイル電流は、接触電流Icに収束する。
接触判定処理部913は、サイクルが設定回数分繰り返された場合、最後のサイクルが終了したとき、その最後のサイクルにおけるコイル電流Ilと、その1つ前のサイクルにおけるコイル電流Ihとの平均値を、接触電流推定値Ic’として検出する。
なお、接触判定処理部913は、コイル電流の増加量または減少量が一定の範囲内に収まり、かつ今回のサイクルと前回のサイクルとのそれぞれの接触判定の結果が異なる場合、その今回のサイクルにおけるコイル電流Ilと、その前回のサイクルにおけるコイル電流Ihとの平均値を、接触電流推定値Ic’として検出してもよい。このように、接触判定部91は、先の実施の形態1とは異なる方法で、無負荷接触時の接触電流Icの推定値として、接触電流推定値Ic’を得ることができる。
ここで、接触判定処理部913が振動スペクトルから摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定する場合、先の実施の形態1における電流パターン、すなわち、連続的にコイル電流を更新するパターンでは、コイル電流を一定に保つ電流パターンと比べて、高速に接触電流推定値Ic’を検出することができる。しかしながら、その一方、振動スペクトルは、一定時間の信号振動の波形によって計算される。したがって、先の実施の形態1における電流パターンを用いた場合、信号取得の途中から摩擦摺動部材88とガイドレバー52が接触すると、そのサイクルが終了した段階においては、接触状態に関わらず、接触判定処理部913によって「非接触」と判定される可能性がある。
これに対して、本実施の形態3における電流パターンを用いた場合、加速度センサ10によって振動信号を検出している間、コイル82に印加するコイル電流を一定に保つ。したがって、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とにおいて、接触状態と非接触状態とが切り替わることがなく、先の実施の形態1における電流パターンと比べて、接触電流推定値Ic’の検出精度が向上する。
以上、本実施の形態3によれば、電流制御部は、先の実施の形態1、2とは異なり、一定時間ごとに離散値を更新する電流パターンに従って、コイル電流をコイルに印加するように構成される。これにより、先の実施の形態1、2と比べて、接触判定の高速性で劣るものの、接触判定途中での接触による検出漏れを防ぐので接触判定の精度が良くなる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、先の実施の形態1〜3とは異なり、振動発生部12がかご枠2に発生させた振動が減衰するまでの時間を用いて、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定するように接触判定処理部913を構成する場合について説明する。なお、本実施の形態4では、先の実施の形態1〜3と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1〜3と異なる点を中心に説明する。
ここでは、本実施の形態4における振動発生部12は、一例として、先の実施の形態2と同様に、かごに取り付けられているかごドア13を開閉することでかご枠2に振動を発生させるように構成している。また、本実施の形態4における電流制御部911は、一例として、先の実施の形態3と同様に、一定時間ごとに離散値を更新する電流パターンに従って、コイル電流をコイル82に印加するように構成している。
図13は、本発明の実施の形態4における接触判定処理部913によって行われる接触判定の方法を説明するための説明図である。図13では、接触判定部91の動作を示したタイミングチャートが示されている。図13において、横軸は時間を示し、縦軸は加速度センサ10によって検出されたかご枠2の水平方向加速度信号を示す。また、図中の破線は、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが非接触状態である場合の加速度信号を示し、図中の実線は、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが接触状態である場合の加速度信号を示す。
ここで、加速度センサ10が加速度信号を検出する時間よりも短い時間の間、駆動指令部912からの駆動指令に従って振動発生部12がかご枠2に振動を発生させる場合を考える。この場合、かご枠2の振動は、振動発生部12がかご枠2に振動を発生させてから長い時間をかけて減衰する。
接触判定処理部913は、振動発生部12がかご枠2に振動を発生させた時の時刻tshakeを基準として、加速度センサ10によって検出された加速度信号の絶対値があらかじめ設定された加速度閾値atを最後に超過した最終時刻tを検出する。
図13から明らかなように、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが非接触状態である場合の最終時刻tuntouchと、それらが接触状態である場合の最終時刻ttouchとの間には、ttouch<tuntouchという関係がある。
そこで、接触判定処理部913は、あらかじめ設定された閾値ttと、検出した最終時刻tと比較することで、接触判定を行う。具体的には、接触判定処理部913は、t>ttとなる場合には、摩擦摺動部材88とガイドレバー52とが非接触状態であると判定する。一方、接触判定処理部913は、t≦ttとなる場合には、それらが接触状態であると判定する。
ここで、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4のそれぞれのバネ定数および減衰係数は、疲労劣化、酸化劣化等の経時的、環境的な要因によって変化するため、無負荷接触時の検出時間も変動する。
昇降路内の温度が低い場合、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4のそれぞれの減衰係数が疲労劣化の影響を強く受けるため、それぞれの減衰係数が時間とともに小さくなる。昇降路内の温度が高い場合、第1の防振ゴム3および第2の防振ゴム4のそれぞれの減衰係数が酸化劣化の影響を強く受けるため、それぞれの減衰係数が時間とともに大きくなる。すなわち、昇降路内の温度が低い場合には、最終時刻ttouchおよびtuntouchが長くなり、昇降路内の温度が高い場合、最終時刻ttouchおよびtuntouchが短くなる。
接触判定処理部913は、昇降路内の温度と、かごが据え付けられてからの経過期間とに関連付けられてあらかじめ想定される最終時刻ttouchおよびtuntouchのテーブルを持つ。接触判定処理部913は、そのテーブルから、昇降路内の想定温度値と、かごが据え付けられてからの経過期間とに対応する最終時刻ttouchおよびtuntouchを選択して決定する。
接触判定処理部913は、上記のように決定した最終時刻ttouchおよびtuntouchを用いて、ttouch<tt<tuntouchとなるように、閾値ttを設定する。
このように、接触判定部91は、昇降路内の温度と、かごが据え付けられてからの経過期間とに従って、摩擦摺動部材88とガイドレバー52との接触の有無を判定するための閾値を決定する。
以上、本実施の形態4によれば、先の実施の形態1〜3とは異なり、接触判定部は、加速度センサによって検出された振動信号が減衰するまでの減衰時間を計算し、計算した減衰時間から、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触の有無を判定する。
これにより、先の実施の形態1〜3とは異なり、接触判定を行う場合に、振動発生部がかご枠に発生させた振動が減衰するまでの時間を用いているので、振動信号の周波数スペクトルを計算する必要がない。したがって、接触判定に要する計算量を減少させることができるので、製品実装に有利である。
なお、本実施の形態4では、かご枠2の振動の減衰を判定する要素として、かご枠2の加速度信号を用いた場合について例示したが、かご枠2の速度信号を用いた場合であっても、上記と同様の手法によって接触判定を行うように接触判定処理部913を構成することができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5では、先の実施の形態1〜4とは異なり、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’を用いて、異常状態を検出するように異常検出部93を構成する場合について説明する。なお、本実施の形態5では、先の実施の形態1〜4と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1〜4と異なる点を中心に説明する。
図14は、本発明の実施の形態5において、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’と、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’とを比較するための説明図である。図14では、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’が変化することで、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’と、可動鉄心84に与えられるバネ付勢力Fsとがどのように変化するかが示されている。図14において、横軸は磁気ギャップεを示し、縦軸は可動鉄心84に与えられる力の大きさを示している。また、図中の破線は電磁力推定部921によって計算される押し付け時の電磁吸引力Fを示し、図中の実線はバネ付勢力推定部922によって計算される押し付け時のバネ付勢力Fsを吸引開始時のバネ付勢力Fsとともに示している。さらに、図中のxc’およびxg’について、互いに対応するものに同じ数字が付されている。
図14から明らかなように、押し付け時の磁気ギャップ推定値x' g1〜x' g3の間の大小関係は、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値x' c1〜x' c3の間の大小関係と対応している。
ここで、電磁吸引力Fは磁気ギャップに逆比例するので、押し付け時の電磁吸引力Fは、磁気ギャップεが大きくなると、単調に減少する。また、可動鉄心84に与えられる押し付け時のバネ付勢力Fsも、磁気ギャップεが大きくなると、単調に減少する。したがって、押し付け時の磁気ギャップ推定値x' g1〜x' g3の間の大小関係と、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値x' c1〜x' c3の間の大小関係とが対応している。
そこで、本実施の形態5における異常検出部93は、押し付け時の磁気ギャップ推定値xg’の代わりに、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’を用いて、異常状態を検出する。
ここで、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’を用いて、異常状態を検出する方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
すなわち、押し付け時の磁気ギャップの量が異常か否かを判定するための閾値xtに対応するように、無負荷接触時の磁気ギャップの量が異常か否かを判定するための閾値xtcを設定する。そして、異常検出部93は、磁気ギャップ推定部92によって推定された無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’と、閾値xtcとを比較する。
異常検出部93は、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’が閾値xtcよりも大きい(すなわち、xc’>xtcが成立する)場合には、無負荷接触時の磁気ギャップの量が正常と判定する。
一方、異常検出部93は、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値xc’が閾値xtc以下である(すなわち、xc’≦xtcが成立する)場合には、無負荷接触時の磁気ギャップの量が異常と判定する。この場合、異常検出部93は、異常状態を検出することとなる。
以上、本実施の形態5によれば、先の実施の形態1〜4とは異なり、異常検出部93は、押し付け時の磁気ギャップ推定値の代わりに、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値から、異常状態を検出するように構成される。また、コイルに流れる吸引開始時の吸引開始電流と、コイルにコイル電流が流れていない状態での磁気ギャップと、推定された接触電流推定値とを入力として、摩擦摺動部材とガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値として、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値が計算される。
これにより、押し付け時の電磁吸引力および押し付け時のバネ付勢力の計算をすることなく、さらに、押し付け時のコイル電流を検出することなく、異常状態を検出することができる。その結果、異常状態を検出するのに必要な時間を短縮することができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6では、先の実施の形態1〜5の各構成に対して、異常検出部93が異常状態を検出したとき、エレベータ振動低減装置が異常状態であることを示す異常情報を外部へ送信する異常発報部94をさらに備えてコントローラ9が構成される場合について説明する。なお、本実施の形態6では、先の実施の形態1〜5と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1〜5と異なる点を中心に説明する。
図15は、本発明の形態6におけるコントローラ9の構成を示すブロック図である。図15において、コントローラ9は、接触判定部91、磁気ギャップ推定部92および異常検出部93に加えて、さらに、異常発報部94を備えている。
異常発報部94は、異常検出部93が異常状態を検出したとき、コントローラ9の外部に設けられた表示器95へエレベータ振動低減装置が異常状態であることを示す異常情報を送信する。表示器95は、異常発報部94から受信した異常情報を表示する。
上記の異常情報は、例えば、異常状態が検出されたエレベータ振動低減装置の取り付け位置の情報と、異常状態が検出されたエレベータ振動低減装置が設置されているかごの情報と、異常状態が検出されたエレベータ振動低減装置が設置されている建物の情報とのうち、少なくともいずれか一つを含む。このような情報を表示器95が表示するように構成することで、異常検出装置を直接確認する必要がなく、エレベータ振動低減装置に異常が発生したことを遠隔からただちに知ることができる。
なお、異常発報部94からの異常情報の送信先は、コントローラ9の外部の表示器95に限らず、例えば、エレベータの制御盤、ビルの管理センター、保守会社および保守用の端末のいずれかに送信してもよい。また、異常情報を送信する手段として、無線通信、有線通信、インターネット回線、電話通信などを用いることができる。
以上、本実施の形態6によれば、先の実施の形態1〜5の各構成に対して、異常発報部をさらに備えてコントローラが構成される。これにより、異常検出装置を直接確認する必要がなく、エレベータ振動低減装置に異常が発生したことを遠隔からただちに知ることができる。
なお、本実施の形態1〜6について個別に説明してきたが、本実施の形態1〜6のそれぞれで開示した構成例は、任意に組み合わせることが可能である。

Claims (16)

  1. ガイド装置のガイドレバーに押し付けられることによって摩擦減衰力を発生させる摩擦摺動部材と、前記摩擦摺動部材を前記ガイドレバーに押し付ける可動鉄心と、コイルが巻かれ前記可動鉄心との間に電磁吸引力を発生させる固定鉄心とを含み、前記摩擦摺動部材の前記摩擦減衰力を、前記コイルに流れるコイル電流の調整によって変更するエレベータ振動低減装置の異常状態を検出する異常検出装置であって、
    エレベータかごの振動信号を検出する加速度センサと、
    前記エレベータかごに横方向の振動を発生させる振動発生部を駆動させて、前記加速度センサによって検出された前記振動信号から前記摩擦摺動部材と前記ガイドレバーとの接触の有無を判定する接触判定を行い、さらに、電流パターンに従った前記コイル電流の制御を行いながら、前記コイルに流れる無負荷接触時の接触電流推定値を推定する接触判定部と、
    前記固定鉄心への前記可動鉄心の吸引が開始される吸引開始時に前記コイルに流れる吸引開始電流と、前記コイルに前記コイル電流が流れていない状態での前記固定鉄心と前記可動鉄心との間の磁気ギャップと、前記接触判定部によって推定された前記接触電流推定値とを入力として、前記摩擦摺動部材と前記ガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値を計算する磁気ギャップ推定部と、
    を備えたエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  2. 前記磁気ギャップ推定部によって推定される前記接触時の磁気ギャップ推定値は、前記無負荷接触時の磁気ギャップ推定値である
    請求項1に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  3. 前記磁気ギャップ推定部は、前記入力に加えて、前記コイルに流れる押し付け時のコイル電流をさらに入力とし、
    前記磁気ギャップ推定部によって推定される前記接触時の磁気ギャップ推定値は、前記押し付け時の磁気ギャップ推定値である
    請求項1に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  4. 前記エレベータ振動低減装置は、前記コイルに前記コイル電流が流れない場合、圧縮バネによって前記固定鉄心から前記可動鉄心を引き離し、
    前記異常検出装置は、前記コイルに流れる前記コイル電流を検出する電流センサをさらに備え、
    前記磁気ギャップ推定部は、
    前記電流センサによって検出された前記コイル電流の変化から、前記コイルに流れる吸引開始時の吸引開始電流を検出し、
    検出した前記吸引開始電流と、前記コイルに前記コイル電流が流れていない状態での磁気ギャップとから、前記可動鉄心に与えられる吸引開始時のバネ付勢力を計算し、
    前記接触判定部によって推定された前記接触電流推定値と、計算した前記吸引開始時のバネ付勢力とから、無負荷接触時の磁気ギャップ推定値と前記可動鉄心に与えられる無負荷接触時のバネ付勢力推定値を計算し、計算した前記無負荷接触時のバネ付勢力推定値から、押し付け時のバネ付勢力を計算し、
    前記押し付け時のコイル電流と、計算した前記押し付け時のバネ付勢力とから、前記押し付け時の磁気ギャップ推定値を計算する
    請求項3に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  5. 前記振動発生部は、
    前記接触判定部からの駆動指令に従って、前記エレベータかごを昇降させることで前記エレベータかごに横方向の振動を発生させる
    請求項1から4のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  6. 前記振動発生部は、
    前記接触判定部からの駆動指令に従って、前記エレベータかごのドアを開閉することで前記エレベータかごに横方向の振動を発生させる
    請求項1から4のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  7. 前記接触判定部は、前記電流パターンに従った前記コイル電流の制御として、
    前回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率で前記コイル電流を増加させる動作を行った場合、前回のサイクルでの前記接触判定の判定結果に従って、今回のサイクルでは、前回のサイクルでの前記電流変化率を小さくした状態で前記コイル電流を減少させる動作および前回のサイクルでの前記電流変化率を同じにした状態で前記コイル電流を継続して増加させる動作のいずれかを行い、
    前回のサイクルで単位時間当たりの電流変化率で前記コイル電流を減少させる動作を行った場合、前回のサイクルでの前記接触判定の判定結果に従って、今回のサイクルでは、前回のサイクルでの前記電流変化率を小さくした状態で前記コイル電流を増加させる動作および前回のサイクルでの前記電流変化率を同じにした状態で前記コイル電流を継続して減少させる動作のいずれかを行う
    請求項1から6のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  8. 前記接触判定部は、前記電流パターンに従った前記コイル電流の制御として、
    今回のサイクルでの前記接触判定の第1の判定結果と、前回のサイクルでの前記接触判定の第2の判定結果とが同じ場合、前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とに従って、前回のサイクルに対する今回のサイクルでの前記コイル電流の変化量と同じ量だけ、今回のサイクルでの前記コイル電流を変化させた前記コイル電流を、次回のサイクルでの前記コイル電流とし、
    前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とが異なる場合、前記第1の判定結果と前記第2の判定結果とに従って、今回サイクルでの前記コイル電流と前回サイクルでの前記コイル電流との電流差をある数で等分した値だけ、今回のサイクルでの前記コイル電流を変化させた前記コイル電流を、次回のサイクルでの前記コイル電流とする
    請求項1から6のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  9. 前記接触判定部は、
    前記加速度センサによって検出された前記振動信号の振動スペクトルを計算し、計算した前記振動スペクトルから、前記摩擦摺動部材と前記ガイドレバーとの接触の有無を判定する
    請求項1から8のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  10. 前記接触判定部は、
    前記加速度センサによって検出された前記振動信号が減衰するまでの減衰時間を計算し、計算した前記減衰時間から、前記摩擦摺動部材と前記ガイドレバーとの接触の有無を判定する
    請求項1から8のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  11. 前記接触判定部は、
    昇降路内の温度と、前記エレベータかごが据え付けられてからの経過期間とに従って、前記接触の有無を判定するための閾値を決定する
    請求項9または10に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  12. 前記磁気ギャップ推定部によって推定された前記接触時の磁気ギャップ推定値から、前記異常状態を検出する異常検出部をさらに備え、
    前記異常検出部は、
    保守調整が行われる周期に従って、前記異常状態を検出するための閾値を決定する
    請求項1から11のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  13. 前記磁気ギャップ推定部によって推定された前記接触時の磁気ギャップ推定値から、前記異常状態を検出する異常検出部をさらに備え、
    前記異常検出部が前記異常状態を検出したとき、前記エレベータ振動低減装置が前記異常状態であることを示す異常情報を外部へ送信する異常発報部をさらに備えた
    請求項1から11のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  14. 前記異常情報は、
    前記異常状態が検出された前記エレベータ振動低減装置の取り付け位置と、前記異常状態が検出された前記エレベータ振動低減装置が設置されているエレベータかごと、前記異常状態が検出された前記エレベータ振動低減装置が設置されている建物とのうち、少なくともいずれか一つを含む
    請求項13に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載のエレベータ振動低減装置の異常検出装置を備えたエレベータ。
  16. ガイド装置のガイドレバーに押し付けられることによって摩擦減衰力を発生させる摩擦摺動部材と、前記摩擦摺動部材を前記ガイドレバーに押し付ける可動鉄心と、コイルが巻かれ前記可動鉄心との間に電磁吸引力を発生させる固定鉄心とを含み、前記摩擦摺動部材の前記摩擦減衰力を、前記コイルに流れるコイル電流の調整によって変更するエレベータ振動低減装置の異常状態を検出する異常検出方法であって、
    エレベータかごに横方向の振動を発生させる振動発生部を駆動させることで加速度センサによって検出された振動信号から前記摩擦摺動部材と前記ガイドレバーとの接触の有無を判定する接触判定を行い、さらに、電流パターンに従った前記コイル電流の制御を行いながら、前記コイルに流れる無負荷接触時の接触電流推定値を推定するステップと、
    前記固定鉄心への前記可動鉄心の吸引が開始される吸引開始時に前記コイルに流れる吸引開始電流と、前記コイルに前記コイル電流が流れていない状態での前記固定鉄心と前記可動鉄心との間の磁気ギャップと、前記接触電流推定値とを入力として、前記摩擦摺動部材と前記ガイドレバーとの接触時の磁気ギャップ推定値を計算するステップと、
    を備えたエレベータ振動低減装置の異常検出方法。
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