JP5738430B2 - エレベータの振動低減装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータの振動低減装置に関し、特に昇降路内を高速で走行するエレベータの振動を低減する制振制御技術に関するものである。
近年、ビルの高層化にともなうエレベータの高速化により、エレベータかご(以下、単に「かご」ともいう)の振動低減技術の重要性がますます大きくなっている。
従来から、エレベータの振動低減装置として、かごの振動を検出する振動センサと、かごに制振力を加えるアクチュエータとを備え、検出された振動とは逆向きの力をアクチュエータからかごに加えるアクティブ制振技術が多く提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載のアクティブ制振技術は、非常に高い制振性能が得られる一方、アクチュエータにより外部から力を加える必要があるので、エネルギー消費が大きくなる問題がある。
そこで、アクチュエータに代えて、減衰力を可変調整できる可変減衰ダンパ装置を備え、振動センサの検出信号に応じて減衰力を可変調整することにより、エレベータかごの振動を低減するセミアクティブ制振技術も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
上記特許文献2に記載のセミアクティブ制振技術は、アクティブ制振技術に比べると、振動低減性能は劣るものの、減衰力を変えるのみなので、少ない消費電力で構成できるという利点がある。
特開2001−122555号公報、段落0021〜0023、図1 特開2004−35163号公報、段落0006、図3
従来のエレベータの振動低減装置は、たとえば特許文献2に記載のセミアクティブ制振技術の場合には、可変減衰ダンパ装置として摩擦減衰機構を用いており、摩擦力は、摩擦係数と垂直押付け力との積で決まるものの、摩擦係数は、温度および湿度などの環境的要因で比較的大きく変動するうえ、摩擦シューの磨り減りといった経年的要因によっても変動し、減衰力が環境的要因および経年的要因により変動し易いという課題があった。
また、摩擦係数の変動を直接知ることはできないので、摩擦シュー押付け力を制御しても、所望の摩擦力が得られず、良好な乗り心地を達成できなくなるという課題があった。
さらに、可変減衰ダンパ装置としてオイルダンパなどを用いた場合にも、オイル粘度が温度などの環境的要因およびオイル劣化などの経年的要因で変化するので、同様に良好な乗り心地を達成できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、減衰力が環境および経年的な要因により変動した場合においても、高い振動低減性能および良好な乗り心地を実現することのできるエレベータの振動低減装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの振動低減装置は、エレベータかごのかご振動を検出する振動センサと、振動センサからの振動検出値に応じて指令値を生成する減衰制御部と、指令値に対する減衰力をエレベータかごに発生させる可変減衰ダンパ装置と、振動検出値に基づきかご振動評価値を算出する評価値計算手段を有し、評価値計算手段によって算出されたかご振動評価値に基づき指令値を変更する減衰調整アルゴリズム変更手段とを備え、減衰調整アルゴリズム変更手段は、指令値を変更した後に振動センサによって検出される振動検出値に基づき評価値計算手段によって算出されるかご振動評価値の大小を比較することで、かご振動評価値が小さくなるように指令値を逐次的に変更するものである。
この発明によれば、減衰制御部からの指令値に対する可変減衰ダンパ装置の減衰力発生比率が変動しても、減衰調整アルゴリズム変更手段が、減衰力の変動の推定結果に応じて減衰調整アルゴリズムを変更するので、安定した振動低減性能、乗り心地性能を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの振動低減装置をエレベータかごとともに示す側面図である。(実施例1) 図1内のガイド装置を拡大して示す側面図である。(実施例1) 図1および図2内の押付け力調整機構を拡大して示す側断面図である。(実施例1) 一般的な摩擦力とかご振動との関係を示す説明図である。(実施例1) 図1内のコントローラの詳細機能を示すブロック図である。(実施例1) 図5内の減衰調整アルゴリズム変更手段の論理処理を示すフローチャートである。(実施例1) この発明の実施の形態1による減衰調整アルゴリズム変更学習イメージを示す説明図である。(実施例1) この発明の実施の形態2に係るエレベータの振動低減装置をエレベータかごとともに示す側面図である。(実施例2) 図8内のMRダンパを拡大して示す側断面図である。(実施例2) 図8内のコントローラの詳細機能を示すブロック図である。(実施例2) この発明の実施の形態3に係るエレベータの振動低減装置をエレベータかごとともに示す側面図である。(実施例3) 図11内の可変オリフィスダンパを拡大して示す側断面図である。(実施例3) 図11内の可変オリフィスダンパを拡大して示す上面断面図である。(実施例3) 図11内のコントローラの詳細機能を示すブロック図である。(実施例3) 図14内の減衰調整アルゴリズム変更手段の詳細機能を示すブロック図である。(実施例3) 周波数域ごとの減衰量と振動レベルとの関係を示す説明図である。(実施例3) この発明の実施の形態4におけるガイド装置の周辺構造を拡大して示す側面図である。(実施例4) この発明の実施の形態4によるコントローラの詳細機能を示すブロック図である。(実施例4) 図18内の減衰調整アルゴリズム変更手段の詳細機能を示すブロック図である。(実施例4) この発明の実施の形態5におけるガイド装置の周辺構造を拡大して示す側面図である。(実施例4) この発明の実施の形態5によるコントローラの詳細機能を示すブロック図である。 図21内の減衰調整アルゴリズム変更手段の詳細機能を示すブロック図である。(実施例4)
(実施例1)
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの振動低減装置の全体構成をエレベータかご(かご室1およびかご枠2)とともに示す側面図である。
図1において、エレベータの振動低減装置は、かご室1およびかご枠2の周辺部に設置されたガイド装置5と、ガイドレール7と、押付け力調整機構8と、コントローラ9と、加速度センサ10と、を備えている。
かご室1とかご枠2との間には、防振ゴム3、4(防振体)が設けられており、かご枠2には、ロープ6が設けられている。また、かご枠2の上下左右方向の4箇所には、ガイド装置5が設置されている。
なお、ここでは、図示を省略しているが、ロープ6の端部にはシャックル板(実施の形態3において、図11とともに後述する)が固定されている。
乗客を収容するかご室1は、防振ゴム3、4を介してかご枠2に支持され、かご枠2は、ロープ6を介して巻上機(図示せず)に繋がっており、かご室1およびかご枠2は、巻上機により上下に移動可能となっている。このとき、かご(かご室1およびかご枠2)の昇降運転時にかごがふらつかないように、かご枠2と一体のガイド装置5がガイドレール7上に沿って案内される。
図2は図1内のガイド装置5を拡大して示す側面図であり、代表的に右下端部のガイド装置5の構造を示している。
図2において、ガイド装置5は、ガイドベース51と、ガイドレバー52と、ベアリング53、54と、ローラ55と、延長棒56と、受け皿57と、圧縮バネ58と、を備えている。
ガイドベース51の一端は、かご枠2に固定されている。
ガイドベース51の中間部には、ベアリング53を介して、ガイドレバー52が揺動可能に設置されている。
ガイドレバー52の中間部には、ベアリング54を介して、ローラ55が回転可能に設置されている。
ガイドベース51の他端中間部には、延長棒56を介して、受け皿57が固定されている。
受け皿57とガイドレバー52との間には、圧縮バネ58が設置されており、圧縮バネ58の付勢力は、ベアリング53を回転中心としてガイドレバー52を揺動させて、ローラ55をガイドレール7に圧接している。
また、ガイドベース51の下端部とガイドレバー52の揺動端部との間には、押付け力調整機構8により駆動される摩擦摺動部材89が配置されており、摩擦摺動部材89は、ガイドレバー52の揺動を減衰させている。
ガイドベース51の他端には、押付け力調整機構8が設置されており、押付け力調整機構8は、ガイドレバー52に対する摩擦摺動部材89の押付け力を制御している。
押付け力調整機構8および摩擦摺動部材89は、可変減衰ダンパ装置を構成している。
図3は図1および図2内の押付け力調整機構を拡大して示す側断面図であり、ガイドレバー52の揺動端部(両方向矢印参照)と関連させて示している。
図3において、押付け力調整機構8は、滑り軸受81と、コイル82と、圧縮バネ83、87と、可動鉄心84と、案内棒85と、滑り軸受86と、固定鉄心88と、を備えており、可動鉄心84は、摩擦摺動部材89を破線矢印方向に駆動可能に構成されている。
固定鉄心88は、ガイドベース51に固定されており、固定鉄心88内の中心部には、コイル82が巻かれ、コイル82内の貫通穴には、可動鉄心84が挿入されている。
固定鉄心88およびコイル82は電磁石を形成しており、コイル82に通電が行われると、固定鉄心88と可動鉄心84との間に、以下の式(1)で示す吸引力Fpが発生する。
Figure 0005738430
ただし、式(1)において、μ0は真空透磁率、Sは固定鉄心88と可動鉄心84とのギャップ部断面積、Nはコイル82のターン数、εは固定鉄心88と可動鉄心84との間の磁気ギャップ、Iはコイル82への通電量である。
可動鉄心84は、コイル82への通電によって固定鉄心88に吸引されたときに、ガイドレバー52の一端に衝合して、摩擦摺動部材89をガイドレバー52の揺動端部に押付けるように構成されている。
可動鉄心84と摩擦摺動部材89との間には、比較的柔らかい材料の圧縮バネ83が挿入されており、圧縮バネ83の付勢力は、コイル82が通電されないときにも、摩擦摺動部材89をガイドレバー52に弱く押付ける役割をはたしている。
摩擦摺動部材89と固定鉄心88との間には、滑り軸受81が設置されており、滑り軸受81は、摩擦摺動部材89を固定鉄心88の貫通穴内に支持および案内している。
また、固定鉄心88には、可動鉄心84の一部を貫通する案内棒85が固定されており、案内棒85は、滑り軸受86を介して、可動鉄心84を支持および案内している。
案内棒85の外周部において、可動鉄心84と固定鉄心88との間には、圧縮バネ87が挿入されており、圧縮バネ87の付勢力は、コイル82が通電されないときに、固定鉄心88から可動鉄心84を引き離す役割をはたしている。
なお、圧縮バネ87の付勢力は、固定鉄心88への可動鉄心84の吸引時(コイル82の通電時)に抵抗力として働くので、圧縮バネ87の材料は、圧縮バネ87と同様に、比較的柔らかいものが選択される。
ここで、図3に示した押付け力調整機構8による一般的な機能について説明する。
押付け力調整機構8は、コイル82に通電したときには、摩擦摺動部材89をガイドレバー52に強く押付け、ガイドレバー52と摩擦摺動部材89との間に、以下の式(2)で与えられる大きい摩擦力Fdを作用させて、ガイドレバー52のガイドベース51に対する揺動振動を減衰させる。
d=μFp ・・・(2)
ただし、式(2)において、μは摩擦摺動部材89とガイドレバー52との間の摩擦係数である。
一方、コイル82に通電しないときには、圧縮バネ83の付勢力のみにより、摩擦摺動部材89がガイドレバー52に押さえつけられることになるので、摩擦力Fdは小さくなる。
図1において、かご枠2には、左右方向振動を検出するための加速度センサ10(振動センサ)が設置されており、加速度センサ10で検出された振動信号は、コントローラ9に入力される。
コントローラ9は、加速度センサ10からの振動信号に応じて、コイル82への通電量を制御し、かご枠2およびかご室1の振動を低減する。
このとき、コントローラ9における減衰調整アルゴリズムとしては、以下の式(3)に示すアルゴリズムを用いることができる。
Figure 0005738430
ただし、式(3)において、
Figure 0005738430
は、加速度センサ10で検出されるかご枠2の左右方向加速度であり、
Figure 0005738430
は、左右方向加速度を積分して得られるかご枠の左右方向速度である。また、αは定数である。
式(3)は、切り替え式
Figure 0005738430
が0未満(<0)の場合には、コイル82に通電して摩擦力を最大摩擦力Fmaxとし、切り替え式
Figure 0005738430
が0以上(≧0)の場合には、コイル82への通電を行わないことにより、摩擦力を最小摩擦力Fminとするアルゴリズムを示している。
なお、式(3)は、公知文献(たとえば、A Single−Sensor Control Strategy for Semi−Active Suspensions,Sergio M.Savaresi and Cristiano Spelta,IEEE TRANSACTIONS CONTROL SYSTEMS TECHNOLOGY,VOL.17,NO.1,JANUARY 2009)に記載の技術を参考にしている。
すなわち、かご枠2およびかご室1の横振動を低減する技術については公知である。
上記説明では、コイル82への通電時に得られる最大摩擦力Fmaxが所望値となることを前提として、かご振動低減効果が得られることを示したが、式(2)、式(3)で与えられる摩擦力Fdは、環境的および経時的な要因によって大きく変動する。
たとえば、式(2)に示すように、摩擦力Fdは摩擦係数μに比例するが、摩擦係数μは、環境的要因(温度や湿度など)によって変動することが知られている。
また、式(1)に示すように、吸引力Fpは、吸引時の固定鉄心88と可動鉄心84との間の磁気ギャップεの2乗に逆比例するが、吸引時の磁気ギャップεは、摩擦摺動部材89が経時的に磨り減って減少するので、通電量Iに対する吸引力Fpも経時的に変動することになる。
これに対し、コントローラ9の制御対象はコイル82への通電量Iであることから、実際に得られる摩擦力Fdは、通電量Iが同じであっても、摩擦係数μおよび磁気ギャップεの変動にともなって変化する。したがって、実際には、上記制御のみでは、所望の摩擦力Fdが得られなくなる。
図4はかご振動のシミュレーション結果の一例を示す説明図であり、摩擦力Fdが所望の値に対して変動したときのかご振動を示している。
図4において、横軸は、コイル82への通電時における摩擦力(減衰力)を示し、縦軸は、走行時におけるかご振動の2乗平均値を示している。
図4から明らかなように、摩擦力(横軸)が大きくなり過ぎた場合と、摩擦力が小さくなり過ぎた場合と、のいずれにおいてもかご振動は悪化する。
以下、図1〜図4とともに、図5〜図7を参照しながら、かご振動の悪化を回避可能なこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
図5はこの発明の実施の形態1によるコントローラ9の詳細機能を示すブロック図である。
図5において、コントローラ9は、減衰制御部91および電源92のみならず、減衰調整アルゴリズム変更手段93と、無人検知手段94と、スイッチ95と、を備えている。
減衰制御部91は、前述のように、加速度センサ10からの振動信号に応じて、電源92を制御することにより、押付け力調整機構8内のコイル82への通電量を制御して減衰力を調整する。
減衰制御部91は、前述の式(3)のアルゴリズムを実現するために、通電量調整を行い、電源92に対する電流指令値Ioを、以下の式(4)のように生成する。
Figure 0005738430
ただし、前述の通り、摩擦係数μおよび磁気ギャップεの変動により、最大電流指令値Imaxの通電時に所望の最大摩擦力Fmaxが得られることは保証されなくなるので、減衰調整アルゴリズム変更手段93は、振動信号に基づき最大電流指令値Imaxに対する減衰力発生比率の変化を推定して、減衰力発生比率の変化の推定結果に基づき、最大電流指令値Imaxの値を変更する。
減衰調整アルゴリズム変更手段93による最大電流指令値Imaxの具体的な調整方法としては、種々の技術が適用可能であるが、ここでは、一例として、黄金分割探索法(Golden Section Search)を用いるものとする。
また、抑制対象となるかご振動は、図4のように、与える減衰力に対して下に凹の特性を示している。
黄金分割探索法は、極小値が所定区間に存在することが分かっている場合に、極小値が存在する区間を逐次的に小さくすることにより、最適点を探索する手法である。
無人検知手段94およびスイッチ95は、減衰調整アルゴリズム変更手段93により算出されるかご振動評価値が、同じかご積載条件(無人条件)のみにおいて有効化されるために、以下のように作用する。
すなわち、無人検知手段94は、かご室1がサービス階床の乗場に停止した状態で、所定時間にわたってかごボタンが操作されない場合に、無人状態であると見なし、スイッチ95に無人状態信号を送信する。
スイッチ95は、無人状態信号が入力された場合にのみ、図5に示したスイッチ位置を選択して、減衰調整アルゴリズム変更手段93による学習および調整を許可し、減衰制御部91にアルゴリズム変更指令を入力する。
次に、図6および図7を参照しながら、図1〜図3および図5に示したこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
図6は減衰調整アルゴリズム変更手段93の論理処理を示すフローチャートであり、上記黄金分割探索手法の論理手順を示している。
図7は図6による減衰調整アルゴリズム変更学習イメージを示す説明図であり、黄金分割探索手法のイメージを示している。
図6において、まず、減衰調整アルゴリズム変更手段93は、最適な最大電流指令値Imaxが存在する最適指令電流候補区間W0(=[IL(0),IR(0)])を初期設定する(ステップST1)。
すなわち、最適指令電流候補区間W0の初期値は、図7内の電流値IL(0)〜IR(0)の区間で表される。
最適な最大電流指令値Imaxは、前述のように、環境的および経年的要因によって変動するが、その変動範囲については、事前に予想することが可能である。
したがって、ステップST1において、最適な最大電流指令値Imaxが存在すると予想される最適指令電流候補区間W0(=[IL(0),IR(0)])は、減衰調整アルゴリズム変更手段93にあらかじめ記憶される。
続いて、減衰調整アルゴリズム変更手段93は、最適指令電流候補区間W0を3分割するための電流値IPL(0)、IPR(0)を算出する(ステップST2、ST3)。
ここで、各電流値IPL(0)、IPR(0)は、IL(0)<IPL(0)<IPR(0)<IR(0)の関係にあり、以下のように表される。
PL(0)=(IL(0)φ+IR(0))/(1+φ)
PR(0)=(IL(0)+IR(0)φ)/(1+φ)
ここで、φは黄金比と呼ばれる値であり、φ=(1+√5)/2である。
また、同時に、前述の式(4)のアルゴリズムにしたがい、Imax=IPL(0)として、かご走行時におけるかご振動値を加速度センサ10により計測し、計測したかご振動値からかご振動評価値f(IPL(0))を算出する(ステップST2)。
同様にして、Imax=IPR(0)のときのかご振動値を計測し、計測したかご振動値からかご振動評価値f(IPR(0))を算出する(ステップST3)。
なお、かご振動評価値f(IPL(0))、f(IPR(0))は、たとえば、走行時のかご振動の2乗平均値または最大値、またはかご振動の2乗平均値および最大値など、かごの振動レベルを評価できる妥当な値であれば何でもよいが、ここでは、一例としてかご振動の2乗平均値とする。
次に、変数kを初期設定(k=0)し(ステップST4)、k=0のときのかご振動評価値f(IPL(k))、f(IPR(k))を比較し、f(IPL(k))>f(IPR(k))の関係にあるか否かを判定する(ステップST5)。
ステップST5において、f(IPL(k=0))>f(IPR(k=0))(すなわち、YES)と判定されれば、最適点(かご振動最小点)が、電流値IPL(0)〜IR(0)の区間内に存在することが分かるので、最適指令電流候補区間W0をW1に変更する(ステップST6)。
このとき、IL(k+1)=IPL(k)、IR(k+1)=IR(k)なので、k=0において、変更後の最適指令電流候補区間W1は、以下のように表される。
1=[IL(k+1),IR(k+1)]=[IPL(k),IR(k)]
=[IL(1),IR(1)]=[IPL(0),IR(0)]
また、同時に、区間W1を黄金比で3分割する電流値IPL(1)、IPR(1)を算出する。
このとき、分割を黄金比とすることにより、IPL(k+1)=IPR(k)、すなわち、IPL(1)=IPR(0)となるので、Imax=IPL(1)としたときのかご振動を計測して評価値を算出する手間を省くことができる。
よって、ステップST6においては、Imax=IPR(1)としたときのみのかご振動を加速度センサ10で計測し、新たなかご振動評価値f(IPR(1))(=f(IPR(k+1)))を算出する。
ここで、電流値IPR(1)は、以下のように表される。
PR(1)=(IL(1)+IR(1)φ)/(1+φ)
一方、ステップST5において、f(IPL(0))≦f(IPR(0))(すなわち、NO)と判定されれば、最適点(かご振動最小点)が電流値IL(0)〜IPR(0)の区間内に存在することが分かるので、最適指令電流候補区間W0を以下の区間W1に変更する(ステップST7)。
1=[IL(k+1),IR(k+1)]=[IL(k),IPR(k)]
=[IL(1),IR(1)]=[IL(0),IPR(0)]
このとき、変更後の区間W1は、図7内のIL(0)〜IR(1)で表される。
また、同時に、区間W1を黄金比で3分割する電流値IPL(1)、IPR(1)を算出すると、IPR(1)=IPL(0)となるので、Imax=IPR(1)としたときのかご振動を計測して評価値を算出する手間を省くことができる。
よって、ステップST7においては、Imax=IPL(1)としたときのみのかご振動を加速度センサ10で計測し、新たなかご振動評価値f(IPL(1))を算出する。
ここで、電流値IPL(1)は、以下のように表される。
PL(1)=(IL(1)φ+IR(1))/(1+φ)
次に、ステップST6、ST7に続いて、k=0における各電流値IPR(k+1)、IPL(k+1)の差分を所定値δと比較し、IPR(1)−IPL(1)<δの関係を満たす(区間W1が十分狭い)か否かを判定する(ステップST8)。
ステップST8において、IPR(1)−IPL(1)<δ(すなわち、YES)と判定されれば、最適な電流指令値Ioptを決定して(ステップST9)、図6の処理ルーチンを終了する。
このとき、最適な電流指令値Ioptは、以下のように表される。
opt=(IPR(k+1)+IPL(k+1))/2
一方、ステップST8において、IPR(1)−IPL(1)≧δ(すなわち、NO)と判定されれば、k=k+1(=2)にインクリメントして(ステップST10)、ステップST5に戻り、ステップST5〜ST8の処理手順を繰り返し実行する。
以下、ステップST8においてNOと判定されるごとに、上記の計測および計算を繰り返し実行することにより、図7に示すように、最適指令電流候補区間W0を、W0→W1→W2→W3→・・・というように、徐々に狭くしていき、ステップST8において、IPR(k+1)−IPL(k+1)<δ(すなわち、YES)と判定された時点で、最適な電流指令値Ioptが決定される(ステップST9)。
このように、減衰調整アルゴリズム変更手段93の処理(図6、図7)により、指令電流値Ioptは、その時点の状況(温度、湿度、摩擦摺動部材89の磨り減り具合など)に応じて、ほぼ最適にかご振動を小さくするように調整される。
なお、ステップST5において、かご振動評価値f(IPL(k))、f(IPR(k))は、同じかご積載条件で比較評価されることが望ましい。
そこで、コントローラ9には、無人検知手段94(図5)が設けられており、同一のかご積載条件(無人状態)のみにおいて、スイッチ95を図5の状態に切替え、減衰調整アルゴリズム変更手段93の処理結果を有効化する。
すなわち、無人検知手段94は、かご室1が乗場に停止し、かつ所定時間にわたってかご室1内のボタンが操作されない場合には、かご室1内が無人状態であると見なし、スイッチ95に無人状態信号を送信する。
これにより、スイッチ95は、無人検知手段94からの無人状態信号を受信した場合のみに、減衰調整アルゴリズム変更手段93による学習および調整を許可し、減衰調整アルゴリズム変更手段93からのアルゴリズム変更指令を減衰制御部91に送信する。
なお、図1〜3においては、説明を簡略化するために、エレベータの振動低減装置の左右方向の振動検出構成および振動抑制構成についてのみ示したが、前後方向(紙面に対して垂直方向)についても、同様に構成可能なことは明らかである。
また、上記説明では、押付け力調整機構8および摩擦摺動部材89による可変減衰ダンパ装置の詳細構成を示したが、これに限定されることはなく、押付け力調整機構8は、振動減衰力を可変調整できるものであれば任意の構成が適用可能である。
また、減衰調整アルゴリズムとして、公知文献に基づく式(3)に示されたものを用いたが、上記アルゴリズムに限定されるものではなく、セミアクティブ制振制御アルゴリズムとして知られている種々のアルゴリズムが適用可能である。
適用可能な具体的な公知理論としては、Karnoppの理論、Krasnickiの理論、Rakhejaの理論などが挙げられる。
Karnoppの理論は、公知文献(たとえば、「D.Karnopp,M.J.Crosy,R.A.Harwood,Vibration Control Using Semi−Active Force Generators,Journal of Engineering for Industry,Transaction of ASME(1974),p619−626」)に参照することができる。
また、Krasnickiの理論は、公知文献(たとえば、「S.Rakheja,S.Sanker,Vibration and Shock Isolation Performance of a Semi−Active“On−Off”Damper,ASME Journal of Vibration,Aconstics,Stress,and Reliability in Design,Vol.107,1985,p398−403」)に参照することができる。
同様に、Rakhejaの理論は、公知文献(たとえば、「E.J.Krasnicki,The Experimental Performance of An“on−off”Active Damper,Shock and Vibration Bulletin,No.51,May,1981,p125−131」)に参照することができる。
さらに、上記説明では、減衰調整アルゴリズム変更手段93の学習方法として、黄金分割探索法を用いた場合について示したが、単なる三分法を用いることも可能であり、シンプレックス法を用いた最適化アルゴリズムを用いることも可能である。
また、無人検知手段94は、かごの停止状況と乗場ボタンの操作状況とから無人状態を検知したが、かご室1内の荷重を検出するために、一般的にエレベータに搭載されている秤装置(図示せず)の検出信号から無人状態を検知してもよく、かご室1およびかご枠2を駆動する巻上機モータの駆動トルクから無人状態を検知してもよい。
さらに、無人検知手段94は必須要件ではなく、無人検知手段94を除去しても、学習精度は落ちるものの、かご振動を評価して、減衰調整アルゴリズムを変更することは可能である。
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図7)に係るエレベータの振動低減装置は、エレベータかご(かご室1およびかご枠2)のかご振動を検出する振動センサ(加速度センサ10)と、振動センサからの振動検出値(振動信号)に応じて指令値(最大電流指令値Imax)を生成する減衰制御部91と、指令値に対する減衰力をエレベータかごに発生させる可変減衰ダンパ装置(押付け力調整機構8)と、振動検出値に基づき指令値に対する減衰力発生比率の変化を推定して、減衰力発生比率の変化の推定結果に基づき、指令値を変更する減衰調整アルゴリズム変更手段93とを備えている。
これにより、減衰制御部91により制御される摩擦力(減衰力)が環境および経年的な要因により変動した場合でも、減衰調整アルゴリズム変更手段93により、減衰力の環境的および経年的な振動レベル変動に応じて、減衰制御部91に記憶された減衰調整アルゴリズムを、かご振動が最も低減するように変更することができる。
したがって、安定した高い振動低減性能実現して、乗客に対して安定な乗り心地を提供することができる。
また、減衰調整アルゴリズム変更手段93による減衰調整アルゴリズムの変更は、実際のエレベータが据え付けられた状態で自動的に行うことができるので、据付時の振動低減装置(押付け力調整機構8)の調整が容易になるという効果もある。
また、減衰調整アルゴリズム変更手段93は、振動検出値に基づきかご振動評価値f(IPL(k))、f(IPR(k))を算出する評価値計算手段(ステップST2、ST3)を有し、指令値の変更時におけるかご振動評価値f(IPL(k))、f(IPR(k))の大小に基づき減衰力発生比率の変化を推定して、かご振動評価値が小さくなるように指令値を逐次的に変更する。
このように、減衰調整アルゴリズムを逐次的に変更するので、抑制対象となるかご振動を直接評価して、かご振動が小さくなるように調整することができ、振動低減性能を高く保つことができる。
また、かご振動評価値f(IPL(k))、f(IPR(k))は、エレベータかごの走行時のかご振動の最大値および2乗平均値の少なくとも一方を含み、最大値または2乗平均値は計算が比較的容易なので、コントローラ9への負荷も軽く実装に向いている。
また、可変減衰ダンパ装置は、摩擦摺動部材89と、摩擦摺動部材89の押付け力を制御する押付け力調整機構8とにより構成されており、摩擦摺動部材89が安価であることから、可変減衰ダンパ装置を安価に構成することができる。
さらに、この発明の実施の形態1に係るエレベータの振動低減装置は、エレベータかごの中が無人であることを推定する無人検知手段94を備えており、減衰調整アルゴリズム変更手段93は、無人検知手段94により無人と推定されたときに、スイッチ95を介して減衰調整アルゴリズムを変更するので。同じ負荷条件下での学習および比較が可能となり、最適化の精度を向上させることができる。
(実施例2)
なお、上記実施の形態1(図1〜図7)では、可変減衰ダンパ装置として、摩擦摺動部材89および押付け力調整機構8を用いたが、図8のように、MR流体(Magneto−rheological fluid)を封入したMRダンパ11を用いてもよい。
図8はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの振動低減装置の全体構成をエレベータかごとともに示す側面図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して説明を省略する。
図8において、MRダンパ11(可変減衰ダンパ装置)は、かご室1とかご枠2との間に設置されている。
また、この場合、かご振動を検出する振動センサとしては、前述の加速度センサ10に加えて、かご室1の横振動を検出する加速度センサ12が設置されている。
加速度センサ10は、かご枠2に設置されてかご枠2の横振動を検出し、加速度センサ12は、かご室1に設置されてかご室1の横振動を検出する。
加速度センサ10、12による検出加速度(振動信号)は、コントローラ9Aに入力されて、MRダンパ11の制御信号の計算に寄与する。
図9はMRダンパ11を拡大して示す側断面図である。
図9において、MRダンパ11は、ハウジング111と、ハウジング111内に挿入されたピストン112と、ハウジング111およびピストン112の各一端に設けられた球体113と、ハウジング111内に封入されたMR流体114と、ハウジング111内の側面に固定された固定側ヨーク115と、ピストン112の先端部に固定された可動側ヨーク116と、可動側ヨーク116に巻回されたコイル117と、各球体113を回転自在に支持する球面軸受118と、を備えている。
コイル117は、可動側ヨーク116およびMR流体114内に通す磁束を発生させ、MR流体114に加える磁場を制御する磁場発生手段として機能する。
ピストン112は、可動側ヨーク116およびコイル117とともに、固定側ヨーク115に対向して、MR流体114内を直動する。
球体113の球面軸受118は、かご室1およびかご枠2にそれぞれ固定されている。
MR流体114は、磁場によって粘性が変化する流体であり、コイル117に電流が流れていないときには、粘度の小さい流体特性を示し、ハウジング111に対するピストン112の水平方向への動きに対してほとんど抵抗力を与えることがないので、減衰力は小さくなる。
一方、コントローラ9AがMRダンパ11のコイル117に電流を流した場合には、可動側ヨーク116と、MR流体114および固定側ヨーク115との間に磁路が形成されるので、MR流体114に磁場が印加されて、MR流体114の粘度が増加する。
したがって、可動側ヨーク116と固定側ヨーク115との間をMR流体114が通り抜けにくくなるので、ハウジング111に対するピストン112の動きは、大きく抵抗力を受けることになる。
このとき、ピストン112の動きに対する減衰力は、コイル117に流す電流に比例して大きくなる。
本来、かご室1は、かご枠2に対し、防振ゴム3、4を介して、ある程度移動可能に支持されているので、MRダンパ11は、ピストン112の駆動方向以外には、動きの制限を与えてはならない。
しかし、ハウジング111およびピストン112の端点に位置する球体113は、球面軸受118を介して支持されているので、ピストン112の駆動方向以外に、自由に動ける構成となっている。
図10はこの発明の実施の形態2によるコントローラ9Aの詳細機能を示すブロック図であり、前述(図5参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して説明を省略する。
図10において、コントローラ9Aは、減衰制御部91Aおよび電源92に加えて、減衰調整アルゴリズム変更手段93Aを備えている。
減衰制御部91Aは、加速度センサ10、12からの振動信号に基づき、電源92からMRダンパ11のコイル117への供給電流を制御する。
減衰調整アルゴリズム変更手段93Aは、加速度センサ12からの振動信号に基づき、減衰制御部91Aに記憶された減衰調整アルゴリズムを逐次的に変更する。
減衰制御部91Aにおける減衰調整アルゴリズムとしては、以下の式(5)に示されるKarnoppの理論を用いることができる。
Figure 0005738430
式(5)は、たとえば、セミアクティブ制振理論として非常によく知られている。
式(5)において、
Figure 0005738430
は、加速度センサ10で検出されるかご枠2の左右方向加速度を積分して得られるかご枠2の左右方向速度であり、
Figure 0005738430
は、加速度センサ12で検出されるかご室1の左右方向加速度を積分して得られるかご室1の左右方向速度である。また、cは、MRダンパ11で発生させる減衰力に関する係数(減衰係数)である。
上記構成により、かご室1の横振動を低減可能なことは知られている。
ここで、MRダンパ11のコイル117への通電により得られる減衰力の大きさは、前述(図2、図3参照)の摩擦ダンパ(押付け力調整機構8および摩擦摺動部材89)と比較すると安定しているものの、MR流体114中の油分の経年的な蒸発などにより、やはり変動することになる。
このとき、コントローラ9Aが実際に制御可能な対象がコイル117への通電量Iであることから、実際に得られる摩擦力Fd(減衰力)は、通電量Iが同じであっても変動するので、前述と同様に、同一の減衰調整アルゴリズムを適用した場合には、所望の摩擦力Fdが得られなくなり、かご振動は悪化する。
そこで、コントローラ9Aは、摩擦力Fdの変動によるかご振動の悪化を回避するために、図10に示すように、コイル117への通電量を制御して減衰力を調整する減衰制御部91Aに加えて、減衰調整アルゴリズム変更手段93Aを備えている。
減衰制御部91Aは、式(5)のアルゴリズムを実現するための通電量の調整を行い、以下の式(6)で示すように、電源92に対する電流指令値Ioを生成する。
Figure 0005738430
ただし、式(6)において、Kは、減衰調整アルゴリズム変更手段93Aで調整される変数である。
前述の実施の形態1では、通電時の電流値を最適な最大電流指令値Imaxで一定としていたが、この発明の実施の形態2においては、通電時の電流指令値Ioを、式(6)のように、加速度センサ10、12からの振動信号に応じて変動させる。
なぜなら、式(5)の制御減衰力(摩擦力Fd)が、かご室1の左右方向速度
Figure 0005738430
およびかご室1の絶対速度に比例して欲しいのに反して、MRダンパ11で発生可能な減衰力は、かご室1とかご枠2との間の相対速度
Figure 0005738430
に比例するので、調整項
Figure 0005738430
が必要となるからである。
このように、可変減衰ダンパ装置の構成および振動センサの配置が異なり、減衰制御部91Aに記憶された減衰調整アルゴリズムが、前述(図5参照)の減衰制御部91とは異なる場合にも、減衰調整アルゴリズム変更手段93Aによる変数K(式(6))の調整方法は、前述(図6、図7参照)と基本的に同じものを用いることができる。
ただし、前述(図6、図7)では、通電量Iを直接調整対象としていたが、この発明の実施の形態2においては、調整対象が変数Kとなる点のみが異なる。
具体的な調整方法については、図6、図7における通電量Iを、変数Kに置き換えればよいので、ここでは詳述を省略する。
以上のように、この発明の実施の形態2(図8〜図10)に係るエレベータの振動低減装置の可変減衰ダンパ装置は、MR流体114およびコイル117(MR流体114に加える磁場を制御する磁場発生手段)からなるMRダンパ11により構成されるとともに、MRダンパ11への給電を制御するコントローラ9Aを備えているので、多少高価になるものの、高い応答特性および比較的安定した挙動特性を実現し、高い制振性能を容易に達成することができる。
すなわち、MRダンパ11による減衰力が経年的なMR流体油分の蒸発などにより変動した場合においても、減衰調整アルゴリズム変更手段93Aにより、減衰制御部91Aに記憶された減衰調整アルゴリズムを、かご振動が最も低減されるように変更することができるので、安定した高い横振動低減性能を達成することができ、乗客に高い乗り心地を提供することができる。
また、減衰調整アルゴリズムの変更は、実際のエレベータが据え付けられた状態で自動的に行うことができるので、据付時の振動低減装置(MRダンパ11)の調整が容易になるという効果もある。
なお、上記説明では、可変減衰ダンパ装置として、与える磁場によって粘性が変化するMRダンパ11を用いたが、与える電場によって粘性が変化する(Electro−rheological fluid)を封入したERダンパを用いてもよく、同様の作用効果を奏する。
また、振動低減装置の左右方向の構成についてのみ示したが、前後方向(紙面に対して垂直方向)についても同様に構成することができる。
さらに、図10では図示を省略したが、前述(図5参照)と同様に、減衰調整アルゴリズム変更手段93Aを有効化するための無人検知手段94およびスイッチ95を設けてもよい。
(実施例3)
なお、上記実施の形態2(図8〜図10)では、可変減衰ダンパ装置として、MRダンパ11を用いたが、図11のように、可変オリフィスダンパ14を用いてもよい。
図11はこの発明の実施の形態3に係るエレベータの振動低減装置の全体構成をエレベータかごとともに示す側面図であり、前述(図1、図8参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して説明を省略する。
図11において、ロープ6の端部には、シャックル板15が固定されており、シャックルバネ16を介してかご枠2を弾性支持している。
可変オリフィスダンパ14(可変減衰ダンパ装置)は、シャックル板15とかご枠2の間にシャックルバネ16と並列に設置されている。
また、この場合、かご振動を検出する振動センサとしては、かご枠2の上下振動を検出する加速度センサ13が設置されている。
加速度センサ13は、平面的にシャックル板15の近傍に位置するように、かご枠2の上部に設置されている。
加速度センサ13からの振動信号は、コントローラ9Bに入力されて、可変オリフィスダンパ14に対する制御信号の計算に寄与する。
図12および図13は1つの可変オリフィスダンパ14を拡大して示す断面図であり、図12は側断面図、図13は図12内のX−X線による上面断面図である。
図12において、可変オリフィスダンパ14は、ハウジング141と、ハウジング141内に挿入されたピストン142と、ハウジング141およびピストン142の各一端に設けられた球体143と、ハウジング141内に封入された粘性流体144と、ピストン142の先端部に固定された固定円板145およびモータ146と、モータ146に固定された可動円板147と、各球体143を回転自在に支持する球面軸受148と、を備えている。
ピストン142の球体143を支持する球面軸受148は、かご枠2に固定されている。すなわち、かご枠2には、球面軸受148および球体143を介してピストン142が設置されている。
一方、ハウジング141の球体143支持する球面軸受148は、シャックル板15に固定されている。すなわち、シャックル板15には、球面軸受148および球体143を介してハウジング141が設置されている。
可動円板147は、モータ146の回転動作により、固定円板145に対して相対的に回転移動する。
図13において、固定円板145には、複数のオリフィス145aが等間隔に設けられている。同様に、可動円板147には、複数のオリフィス145aの各々と対応するように、複数のオリフィス147aが等間隔に設けられている。
コントローラ9Bは、可変オリフィスダンパ14の減衰力を小さくする場合には、固定円板145に設けられたオリフィス145aと、可動円板147に設けられたオリフィス147aとがほぼ完全に一致するように、モータ146を制御する。
これにより、粘性流体144は、オリフィス145a、147aの両方を容易に通り抜けることができ、ハウジング141に対するピストン142の動きに対して、あまり抵抗力を与えないので、可変オリフィスダンパ14の減衰力は小さくなる。
一方、可変オリフィスダンパ14の減衰力を大きくする場合には、コントローラ9Bは、減衰力を大きくするための指令を生成してモータ146を回転駆動し、図13に示すように、可動円板147を回転させて、固定円板145側のオリフィス145aと可動円板147側のオリフィス147aとの重複部により形成される、オリフィス通液孔を小さく設定する。
これにより、粘性流体144がオリフィス通液孔を通り抜ける際に受ける抵抗力が大きくなり、可変オリフィスダンパ14の減衰力が大きくなる。
なお、ハウジング141内に封入された粘性流体144は、前述(図9参照)のMR流体114とは異なり、制御電流によって粘性が変化することはない。
図14はこの発明の実施の形態3におけるコントローラ9Bの詳細機能を示すブロック図であり、前述(図5、図10参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して説明を省略する。
図14において、コントローラ9Bは、前述の実施の形態1(図5)とほぼ同様の構成からなり、加速度センサ13からの振動信号に基づき、可変オリフィスダンパ14内のモータ146を制御する。
減衰制御部91Bにおける減衰調整アルゴリズムとしては、前述の式(3)と同様に、公知文献を参考にした以下の式(7)に示すアルゴリズムを用いる。
Figure 0005738430
ただし、前述の式(3)では、減衰調整アルゴリズムの調整対象が摩擦力Fdであったが、式(7)においては、減衰調整アルゴリズムの調整対象が可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdとなっている。
式(7)において、
Figure 0005738430
は、前述と同様に、加速度センサ13で検出されたかご枠2の上下方向加速度であり、
Figure 0005738430
は、上下方向加速度を積分して得られるかご枠2の上下方向速度である。
コントローラ9Bは、式(7)内の切り替え式
Figure 0005738430
が0未満(<0)の場合には、モータ146を駆動制御して、固定円板145側のオリフィス145aと可動円板147側のオリフィス147aとで形成される、オリフィス通液孔を最小化することにより、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdを最大値cmaxに設定する。
一方、切り替え式
Figure 0005738430
が0以上(≧0)の場合には、コントローラ9Bは、モータ146を駆動制御して、オリフィス通液孔を一致させる(最大化する)ことにより、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdを最小値cminに設定する。
上記構成により、かご枠2およびかご室1の上下方向振動を低減することができる。
しかし、可変オリフィスダンパ14によって得られる減衰係数cdは、オリフィス通液孔の大きさが同じであっても、粘性流体144の粘度によって変動する。
また、粘性流体144の粘度は、用いる流体によって変動の差はあるものの、温度などの環境的な要因によっても変動する。
このとき、コントローラ9Bが実際に制御可能な対象は、モータ146の回転駆動によるオリフィス通液孔の開度であることから、実際に得られる減衰係数cdは、オリフィス通液孔の開度が同じであっても変動するので、所望の減衰係数cdが得られなくなり、やはりかご振動は悪化する。
そこで、コントローラ9Bは、減衰係数cdの変動によるかご振動の悪化を回避するために、減衰調整アルゴリズム変更手段93Bを備えている。
以下、図15および図16を参照しながら、図14内の減衰調整アルゴリズム変更手段93Bの詳細機能について説明する。
図15は減衰調整アルゴリズム変更手段93Bの詳細機能を示すブロック図であり、図16は周波数域ごと(低周波数域、固有振動数域、高周波数域)の減衰量と振動レベルとの関係を示す説明図である。
図16において、黒丸プロット点(実線)は、可変オリフィスダンパ14の減衰力が小さい場合の振動レベルを示し、黒菱形プロット点(破線)は、減衰力が大きい場合の振動レベルを示し、太矢印は減衰力を大きくした場合の帯域ごとの振動レベル変動量を示している。
図15において、減衰調整アルゴリズム変更手段93Bは、加速度センサ13からの振動信号が入力される低周波数域バンドパスフィルタ931、固有振動数域バンドパスフィルタ932および高周波数域バンドパスフィルタ933と、各バンドパスフィルタ931〜933の通過信号に基づき減衰係数cdを推定する減衰係数推定部934と、減衰係数cdに基づき可変オリフィスダンパ14(オリフィス通液孔)の最適開度を計算する最適開度計算部935と、を備えている。
固有振動数域バンドパスフィルタ932は、シャックルバネ16(可変オリフィスダンパ14)の部分が最も大きく振動する振動モードの周波数(固有振動数)を通過帯域としている。
また、低周波数域バンドパスフィルタ931は、シャックルバネ16の部分の固有振動数よりも低い周波数域を通過帯域とし、高周波数域バンドパスフィルタ933は、固有振動数よりも高い周波数域を通過帯域としている。
低周波数域バンドパスフィルタ931、固有振動数域バンドパスフィルタ932および高周波数域バンドパスフィルタ933は、加速度センサ13からの振動信号を、上記の各周波数域別に振り分けて通過させ、減衰係数推定部934に入力する。
ここで、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdが小さい値に固定された場合には、図16の黒丸プロット点(実線)で示すように、シャックルバネ16の部分(固有振動数域)での振動レベルが大きくなるので、固有振動数域バンドパスフィルタ932を通過する振動信号は大きくなるが、固有振動数よりも高い周波数の振動信号、つまり高周波数域バンドパスフィルタ933を通過する高周波数域の振動信号は、顕著に小さくなる。
一方、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdを増加させて大きい値に固定された場合には、図16の黒菱形プロット点(破線)で示すように、固有振動数域での振動レベルは小さくなるが、高周波数域での振動レベルは大きくなる、というトレードオフ(二律背反)の関係を有する。
したがって、減衰係数推定部934は、固有振動数域バンドパスフィルタ932を通過した振動信号と、高周波数域バンドパスフィルタを通過した振動信号とを比較評価することにより、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdの値を推定することができる。
このとき、かご室1およびかご枠2の重量などのパラメータをあらかじめ記憶しておき、減衰係数推定用の付加情報として用いれば、さらに高精度の推定が可能になる。
ただし、上記付加情報(パラメータ)は必須要件ではなく、特に記憶しなくても推定は可能である。
コントローラ9Bは、無人検知手段94においてかご室1内に乗客が存在しないと検知されたときに、可変オリフィスダンパ14の開度を固定した状態でかご室1およびかご枠2を走行させ、減衰係数推定部934において、固有振動数域バンドパスフィルタ932を通過した振動信号と、高周波数域バンドパスフィルタ933を通過した振動信号とを比較評価することにより、走行時の開度での減衰係数cdを推定する。
なお、図16から明らかなように、固有振動数よりも低い周波数帯域での振動レベル、つまり低周波数域バンドパスフィルタ931を通過する振動信号は、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cd(減衰力)が変化しても、ほとんど変動しない。
したがって、低周波数域での振動レベルの値が変化するということは、減衰係数cd以外の条件が異なることを示している。たとえば、無人検知手段94が正しく無人状態を検知することができず、乗客が存在しているにもかかわらず振動レベルを計測した場合などが考えられる。
よって、無人検知手段94の故障時に対処するために、減衰係数推定部934は、低周波数域バンドパスフィルタ931を通過する振動信号をも監視しており、低周波数域バンドパスフィルタ931を通過する振動信号の値が以前の値から大きく異なる場合には、減衰係数cdの推定処理を実行しないようにしている。
最適開度計算部935は、減衰係数推定部934により推定された可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdの値に基づき、オリフィス通液孔の最適開度を決定し、減衰制御部91Bで使用する減衰調整アルゴリズムを変更させる。
以下、減衰制御部91Bは、前述の式(7)の減衰調整アルゴリズムを用いて、減衰係数cdを最大化または最小化するときのオリフィス通液孔の最適開度に制御する。
具体的には、最適開度計算部935は、減衰係数cdの推定値が、前回値よりも増加している場合には、最適開度を前回よりも大きい値に設定して、オリフィス通液孔での抵抗が小さくなるように調整する。
逆に、減衰係数cdの推定値が、前回値よりも減少している場合には、最適開度を前回よりも小さく設定して、オリフィス通液孔での抵抗が大きくなるように調整する。
以上のように、この発明の実施の形態3(図11〜図16)に係るエレベータの振動低減装置の減衰調整アルゴリズム変更手段93Bは、可変オリフィスダンパ14(可変減衰ダンパ装置)の減衰係数cdを推定する減衰係数推定部934を有し、減衰係数推定結果(減衰係数cdの推定値)と指令値とに基づき、指令値に対する減衰力発生比率の変化を推定して、振動検出値に対する減衰力発生比率が一定となるように指令値を変更することにより、減衰制御部91Bにおける減衰調整アルゴリズムを変更する。
また、減衰係数推定部934は、各バンドパスフィルタ931〜933を用いて、加速度センサ13(振動センサ)からの振動検出値から周波数帯域での振動レベルを算出し、周波数帯域での振動レベルの算出値に基づき減衰係数cdを推定する。
これにより、減衰力の環境的、経年的変動に応じた減衰調整アルゴリズムの変更が可能となり、安定した振動低減性能および良好な乗り心地が達成されるとともに、減衰係数推定部934の追加により、減衰力最適化のためのかご室1およびかご枠2の学習走行回数が少なくて済むので、学習および調整時間を短縮することができる。
また、この発明の実施の形態3(図12、図13)による可変減衰ダンパ装置は、粘性流体144と、粘性流体144が通り抜けるオリフィス145a、147aと、オリフィス145a、147a(オリフィス通液孔)の面積を可変調整する手段(モータ146)と、を備え、可変減衰ダンパ機構として適用例の多い構成を採用したので、高い信頼性を実現することができる。
また、可変オリフィスダンパ14の減衰係数cdが、環境的な粘性流体144の粘度変化などによって変動した場合においても、減衰調整アルゴリズム変更手段93Bにより、減衰制御部91Bに記憶された減衰調整アルゴリズムを、減衰係数cdの推定値に応じて変更することができる。
また、前述と同様に、減衰調整アルゴリズムの変更は、実際のエレベータが据え付けられた状態で自動的に行うことができるので、据付時の振動低減装置(可変オリフィスダンパ14)の調整が容易になるという効果もある。
なお、上記説明では、コントローラ9B内の減衰調整アルゴリズム変更手段93B(図15)において、変動した減衰係数cdの推定手段として、各バンドパスフィルタ931〜933および減衰係数推定部934を用いたが、コントローラ9Bの計算能力が十分に高ければ、加速度センサ13からの振動信号を直接、高速フーリエ変換して、周波数特性を導出することにより減衰係数cdを推定してもよい。
また、図11においては、かご室1およびかご枠2の上下方向振動を低減する場合について示したが、前述の実施の形態1、2(図1、図8参照)のように、かご室1およびかご枠2の横振動を低減する場合にも、図15に示す減衰調整アルゴリズム変更手段93B(減衰係数推定部934および最適開度計算部935)を用いて、減衰制御部91Bを調整する手法が流用可能なことは明らかである。
(実施例4)
なお、上記実施の形態3(図11〜図16)では、可変減衰ダンパ機構として、シャックルバネ16の部分に並設された可変オリフィスダンパ14を用い、振動センサとして加速度センサ13を用いたが、図17のように、可変減衰ダンパ機構として、ガイド装置5Cのガイドベース51と延長棒59との間に設置された可変オリフィスダンパ18を用い、振動センサとして、加速度センサ10のみならず変位センサ17を用いてもよい。
図17はこの発明の実施の形態4におけるガイド装置5Cの周辺構造を拡大して示す側面図であり、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して説明を省略する。
図17において、ガイド装置5Cは、前述(図2)の構成に加えて、延長棒59を備えている。
ガイド装置5Cのガイドベース51には、変位センサ17が設置されており、変位センサ17で検出された変位信号は、コントローラ9Cに入力されている。
同様に、かご枠2の横方向振動を検出する加速度センサ10からの振動信号も、コントローラ9Cに入力されている。
変位センサ17は、ガイドベース51に固定された反射型の光センサなど(破線参照)からなり、ガイドレバー52に対向配置されて、ガイドベース51とガイドレバー52との間の相対的な変位を測定する。
延長棒59は、ガイドレバー52に固定されて水平方向に延びており、延長棒59とガイドベース51との間には、可変オリフィスダンパ18が設置されている。
可変オリフィスダンパ18の構成については、前述(図11〜図13参照)の可変オリフィスダンパ14と基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
たとえば、ガイドレール7において曲がりなどの変位が生じると、ローラ55の揺動により、ガイドレバー52は、ガイドベース51に対して揺動するが、可変オリフィスダンパ18は、ガイドベース51に対するローラ55およびガイドレバー52の揺動を減衰させるダンパ装置として機能する。
変位センサ17は、ガイドベース51とガイドレバー52との間の相対的な変位を測定しているが、言い換えれば、可変オリフィスダンパ18の可動部と固定部との間の相対的な変位を測定している。
コントローラ9Cは、加速度センサ10からの振動信号と、変位センサ17からの変位信号とを受けて、可変オリフィスダンパ18を制御する。
図18は図17内のコントローラ9Cの詳細機能を示すブロック図であり、前述(図5、図10、図14参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して説明を省略する。
図18において、コントローラ9C内の減衰制御部91Cおよび減衰調整アルゴリズム変更手段93Cは、加速度センサ10および変位センサ17の各検出信号をそれぞれ入力情報としている。
減衰制御部91Cにおける減衰調整アルゴリズムとしては、たとえば前述のKarnoppの理論を用いることができる。
この場合も、考え方は基本的に前述と同様であるが、入力情報(検出信号)が前述と異なるので、減衰制御部91Cの切り替え式を改めて示すと、以下の式(8)のように表される。
Figure 0005738430
式(8)において、
Figure 0005738430
は、加速度センサ10で検出されるかご枠2の左右方向加速度を積分して得られるかご枠2の左右方向速度であり、
Figure 0005738430
は、変位センサ17で検出されるガイドベース51とガイドレバー52との間の相対変位を微分して得られる相対速度である。
言い換えると、
Figure 0005738430
は、ガイドレバー52の速度、ひいてはガイドレール7の速度を示す。また、cは、可変オリフィスダンパ18で発生させる減衰に関する係数(減衰係数)である。
減衰制御部91Cは、式(8)に応じて可変オリフィスダンパ18で発生させる減衰力を変動させることにより、かご枠2およびかご室1の横振動を低減することができる。
しかし、環境的な変動要因により、所望の減衰係数が達成できなくなるので、前述のように、やはりかご振動は悪化し、かご振動の悪化によって乗り心地が悪化する。
そこで、コントローラ9Cは、減衰係数の変動による乗り心地の悪化を回避するために、減衰調整アルゴリズム変更手段93Cを備えている。
以下、図19を参照しながら、図18内の減衰調整アルゴリズム変更手段93Cの詳細機能について説明する。
図19は減衰調整アルゴリズム変更手段93Cの詳細機能を示すブロック図であり、前述(図15参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
図19において、減衰調整アルゴリズム変更手段93Cは、減衰係数推定部934Cおよび最適開度計算部935の前段側に挿入された積分器936、937と、減算器938とを備えている。
加速度センサ10で計測されたかご枠2の横方向加速度は、積分器936、937により二階積分され、かご枠2の変位xに変換される。
減算器938は、かご枠2の変位xから、変位センサ17で計測された相対変位(x−d)を減算し、ガイドレール7の変位dを算出して減衰係数推定部934Cに入力する。
減衰係数推定部934Cは、減算器938の減算結果(ガイドレール7の変位d)と、加速度センサ10で計測されたかご枠2の左右方向加速度
Figure 0005738430
とから、エレベータかごを簡易な1慣性モデルと仮定して、以下の式(9)により、可変オリフィスダンパ18の減衰係数cを推定する。
Figure 0005738430
ただし、式(9)において、mはかご室1およびかご枠2の総重量、kは圧縮バネ58で規定されるバネ定数である。
なお、式(9)による減衰係数cの推定値は、時々刻々と変化する状態量となるので、減衰係数推定部934Cは、式(9)の算出値に平均化処理などを施し、減衰係数cを定数として抽出する。
こうして得られた可変オリフィスダンパ18の減衰係数cの推定値に基づき、最適開度計算部935は、減衰係数を最大化するときのオリフィス通液孔の最適開度を決定する。
以下、減衰制御部91Cは、式(8)の減衰調整アルゴリズムを用いて、減衰係数cを最大化するときのオリフィス通液孔の最適開度に制御する。
具体的には、最適開度計算部935は、減衰係数推定部934Cで得られた減衰係数cの推定値が前回値よりも増加している場合には、最適開度を前回よりも大きい値に設定して、オリフィス通液孔での抵抗が小さくなるように調整する。
逆に、減衰係数推定部934Cで得られた減衰係数cの推定値が前回値よりも減少している場合には最適開度を前回よりも小さい値に設定して、オリフィス通液孔での抵抗が大きくなるように調整する。
以上のように、この発明の実施の形態4(図17〜図19)に係るエレベータの振動低減装置は、可変減衰ダンパ装置の変位を検出する変位センサ17をさらに備え、減衰係数推定部934Cは、変位センサ17からの変位検出値と加速度センサ10(振動センサ)からの振動検出値とに基づき、減衰係数cを推定する。
上記構成により、可変オリフィスダンパ18の減衰係数cが、環境的な粘性流体の粘度変化などにより変動した場合においても、減衰調整アルゴリズム変更手段93Cにより、減衰制御部91Cに記憶された減衰調整アルゴリズムを、推定レール変位をもとに推定した減衰係数cに応じて変更可能となるので、安定した高い横振動低減性能を達成することができ、乗客に高い乗り心地を提供することができる。
また、減衰調整アルゴリズムの変更は、実際のエレベータが据え付けられた状態で自動的に行うことができるので、据付時の振動低減装置(可変オリフィスダンパ18)の調整が容易になるという効果もある。
また、前述の実施の形態3と同様の作用効果に加えて、変位センサ17から得られる変位信号を利用することから、減衰係数cをさらに高精度に推定することが可能になる。
なお、上記説明では、エレベータかごを1慣性モデルとして扱い、減衰係数cの推定式として式(9)を用いたが、これに限定されることはなく、より多くのパラメータを付加情報として事前に記憶しておくことが可能であれば、エレベータかごを多慣性モデルとして扱うことより、さらに複雑で詳細な推定式を用いて、さらに高信頼性化を実現することもできる。
また、前述(図5、図14参照)と同様に、コントローラ9C内に無人検知手段94およびスイッチ95を設け、減衰調整アルゴリズム変更手段93Cによる学習処理を、同一のかご積載条件(無人条件)のみで行うようにすることも可能である。
実施の形態5.
なお、上記実施の形態4(図17〜図19)では、振動センサとして、変位センサ17に加えて、加速度センサ10を用いたが、図20のように、変位センサ17のみを用いてもよい。
図20はこの発明の実施の形態5におけるガイド装置5Cの周辺構造を拡大して示す側面図であり、前述(図17参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「D」を付して説明を省略する。
図20においては、かご振動を検出する振動センサとして、ガイドベース51に固定された変位センサ17のみが用いられており、ガイド装置5Cの周辺構成において、加速度センサ10が除去された点のみが前述(図17)と異なる。
図20において、変位センサ17で検出される変位信号は、ガイドレール7とかご枠2との間の相対的な変位に相当するので、厳密にはかご枠2の振動と一致しない。
しかし、ガイドレール7は、比較的まっすぐに据え付けられることから、かご室1およびかご枠2の高速走行時において、かご枠2の振動による変位xは、ガイドレール7の変位dと比較すると十分大きい(x>>d)ので、x≒x−dと近似することができる。
図21はこの発明の実施の形態5によるコントローラ9Dの詳細機能を示すブロック図であり、前述(図18参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「D」を付して説明を省略する。
減衰制御部91Dにおける減衰調整アルゴリズムとしては、前述の公知文献を参考にした式(7)を用いる。
ただし、この場合、式(7)内の
Figure 0005738430
は、変位センサ17で得られる相対変位から近似推定されたかご枠2の変位
Figure 0005738430
を微分して得られるかご枠2の横方向近似速度である。
また、
Figure 0005738430
は、かご枠2の横方向近似速度をさらに微分して得られるかご枠2の横方向近似加速度である。
式(7)に応じて、可変オリフィスダンパ18で発生させる減衰力を変動させることにより、かご枠2およびかご室1の横振動を低減することができる。
しかし、環境的な変動要因により所望の減衰係数が達成できなくなり、前述のように、かご振動が悪化して乗り心地が悪化する。
そこで、コントローラ9Dは、乗り心地の悪化を回避するために、減衰調整アルゴリズム変更手段93Dを備えている。
図22は減衰調整アルゴリズム変更手段93Dの詳細機能を示すブロック図であり、前述(図19参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「D」を付して説明を省略する。
図22において、減衰調整アルゴリズム変更手段93Dは、減衰係数推定部934Dおよび最適開度計算部935に加えて、初期変位記憶部939を備えている。
初期変位記憶部939は、エレベータかごの初期据え付け時において、可変オリフィスダンパ18の開度を一定に固定した状態で、エレベータを走行させたときに、変位センサ17で計測される振動レベルに対応した値(ガイドレール7とかご枠2との間の相対的な変位x−d≒x)を、初期変位として記憶しておく。
エレベータの実稼働状態においては、可変オリフィスダンパ18の開度を初期据え付け時と同じ値に固定し、減衰係数推定部934Dは、変位センサ17から走行時の相対的な変位信号を検出し、初期変位記憶部939に記憶された初期変位(振動レベル)と、実稼働時の変位信号(振動レベル)とを比較する。
このとき、実稼働時の変位信号(振動レベル)が初期変位よりも大きくなっている場合には、初期状態と比較して可変オリフィスダンパ18の減衰係数cが小さくなっていることを示し、逆に、実稼働時の変位信号(振動レベル)が初期変位よりも小さくなっている場合には、可変オリフィスダンパ18の減衰係数cが大きくなっていることを示す。
したがって、減衰係数推定部934Dは、現状の相対的な変位信号(振動レベル)と初期変位(振動レベル)とを比較することにより、可変オリフィスダンパ18の減衰係数cを推定し、推定された減衰係数cを最適開度計算部935に入力する。
最適開度計算部935は、減衰係数cが減少している場合には、最適開度を小さく設定するための指令を減衰制御部91Dに送り、減衰係数cが増加している場合には、最適開度を大きく設定するための指令を減衰制御部91Dに送る。
以上のように、この発明の実施の形態5(図20〜図22)によれば、減衰調整アルゴリズム変更手段93Dにおいて、振動センサとして変位センサ17を用い、可変オリフィスダンパ18の減衰係数cが環境的な粘性流体の粘度変化などによって変動しても、可変オリフィスダンパ18の相対的な変位信号の初期状態と現状状態とを比較結果から減衰係数cを推定し、減衰制御部91Dの減衰調整アルゴリズムを最適に変更することできるので、前述と同様に、安定した高い横振動低減性能を達成することができ、乗客に高い乗り心地を提供することができる。
なお、前述(図5、図14参照)と同様に、コントローラ9D内に無人検知手段94およびスイッチ95を設け、減衰調整アルゴリズム変更手段93Dによる学習処理を、同一のかご積載条件(無人条件)のみで行うようにすることも可能である。
1 かご室、2 かご枠、3 防振ゴム、5、5C ガイド装置、6 ロープ、7 ガイドレール、8 押付け力調整機構(可変減衰ダンパ装置)、9、9A〜9D コントローラ、10、12、13 加速度センサ(振動センサ)、11 MRダンパ(可変減衰ダンパ装置)、14、18 可変オリフィスダンパ(可変減衰ダンパ装置)、15 シャックル板、16 シャックルバネ、17 変位センサ(振動センサ)、51 ガイドベース、52 ガイドレバー、53、54 ベアリング、55 ローラ、56、59 延長棒、57 受け皿、58、83、87 圧縮バネ、81、86 滑り軸受、82、117 コイル、84 可動鉄心、85 案内棒、88 固定鉄心、89 摩擦摺動部材、91、91A〜91D 減衰制御部、92 電源、93、93A〜93D 減衰調整アルゴリズム変更手段、94 無人検知手段、95 スイッチ、111、141 ハウジング、112、142 ピストン、113、143 球体、114 MR流体、115 固定側ヨーク、116 可動側ヨーク、118、148 球面軸受、144 粘性流体、145 固定円板、145a、147a オリフィス、146 モータ、147 可動円板、931 低周波数域バンドパスフィルタ、932 固有振動数域バンドパスフィルタ、933 高周波数域バンドパスフィルタ、934、934C、934D 減衰係数推定部、935 最適開度計算部、936、937 積分器、938 減算器、939 初期変位記憶部。

Claims (9)

  1. エレベータかごのかご振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサからの振動検出値に応じて指令値を生成する減衰制御部と、
    前記指令値に対する減衰力を前記エレベータかごに発生させる可変減衰ダンパ装置と、
    前記振動検出値に基づきかご振動評価値を算出する評価値計算手段を有し、前記評価値計算手段によって算出された前記かご振動評価値に基づき前記指令値を変更する減衰調整アルゴリズム変更手段と
    を備え、
    前記減衰調整アルゴリズム変更手段は、
    前記指令値を変更した後に前記振動センサによって検出される前記振動検出値に基づき前記評価値計算手段によって算出される前記かご振動評価値の大小を比較することで、前記かご振動評価値が小さくなるように前記指令値を逐次的に変更することを特徴とするエレベータの振動低減装置。
  2. 前記かご振動評価値は、前記エレベータかごの走行時のかご振動の最大値および2乗平均値の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの振動低減装置。
  3. エレベータかごのかご振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサからの振動検出値に応じて指令値を生成する減衰制御部と、
    前記指令値に対する減衰力を前記エレベータかごに発生させる可変減衰ダンパ装置と、
    前記振動検出値から前記可変減衰ダンパ装置の減衰係数を推定する減衰係数推定部を有し、前記減衰係数推定部によって推定された前記減衰係数に基づき前記指令値を変更する減衰調整アルゴリズム変更手段と
    を備え、
    前記減衰調整アルゴリズム変更手段は、
    前記減衰係数推定部によって推定された前記減衰係数の推定値と、前回に推定された前記減衰係数の前回値とを比較することで、前記減衰係数の推定値が前記減衰係数の前回値よりも増加している場合には、前記指令値を大きくするように変更し、前記減衰係数の推定値が前記減衰係数の前回値よりも減少している場合には、前記指令値を小さくするように変更し、前記減衰係数の推定値が一定となるように前記指令値を変更することを特徴とするエレベータの振動低減装置。
  4. 前記減衰係数推定部は、
    前記振動検出値から周波数帯域での振動レベルを算出し、
    前記周波数帯域での振動レベルの算出値に基づき前記減衰係数を推定することを特徴とする請求項3に記載のエレベータの振動低減装置。
  5. 前記可変減衰ダンパ装置の変位を検出する変位センサをさらに備え、
    前記減衰係数推定部は、前記変位センサからの変位検出値と前記振動検出値とに基づき、前記減衰係数を推定することを特徴とする請求項3に記載のエレベータの振動低減装置。
  6. 前記可変減衰ダンパ装置は、
    摩擦摺動部材と、
    前記摩擦摺動部材の押付け力を制御する押付け力調整機構と
    により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエレベータの振動低減装置。
  7. 前記可変減衰ダンパ装置は、
    粘性流体と、
    前記粘性流体が通り抜けるオリフィスと
    前記オリフィスの面積を可変調整する可変調整手段と
    により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエレベータの振動低減装置。
  8. 前記可変減衰ダンパ装置は、
    MR流体と、
    前記MR流体に加える磁場を制御する磁場発生手段と
    により構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエレベータの振動低減装置。
  9. 前記エレベータかごの中が無人であることを推定する無人検知手段をさらに備え、
    前記減衰調整アルゴリズム変更手段は、前記無人検知手段により無人と推定されたときに、前記減衰調整アルゴリズムを変更することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のエレベータの振動低減装置。
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