JP6405948B2 - レギュレータ用半導体集積回路 - Google Patents
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Description
そこで、従来、シリーズレギュレータにおいては、上記のような過電流からチップを保護するため、出力電流が所定の値を越えると、いわゆる「フ」の字特性あるいは垂下型特性に従って出力電圧Voutを低下させるように制御する過電流保護機能を有する電流制限回路を設けることが行なわれている(特許文献1)。
そこで、このような誤検出を防止するため、負荷容量が大きい場合には積分回路を構成するコンデンサの容量値を大きくすることが考えられる。しかし、積分回路を構成するコンデンサの容量値を大きくすると、電源再投入時の復帰時間が長くなってしまう。つまり、特許文献2に記載されているラッチアップ保護回路では、ラッチアップ現象を検出するまでの時間と電源再投入時の復帰時間を独立に決められないという課題がある。
また、本発明の他の目的は、ラッシュ電流を誤ってラッチアップ発生と判定する誤検出を防止しつつラッチアップの発生を検出して出力電圧を遮断することができるレギュレータ用の半導体集積回路を提供することにある。
入力端子と出力端子との間に接続された制御用トランジスタと、
出力側からのフィードバック電圧に応じて出力電圧が一定になるように前記制御用トランジスタを制御する出力電圧制御回路と、
前記制御用トランジスタとカレントミラー回路を構成するように接続された電流検出用のトランジスタと、前記電流検出用のトランジスタと直列に接続される電流−電圧変換素子により変換された電圧と所定の第1電圧とを比較する第1電圧比較回路とを備え、前記制御用トランジスタにより前記出力端子へ流される出力電流が所定の電流値よりも高い状態を検出する電流監視回路と、
前記電流監視回路が、出力電流が所定の電流値よりも高い状態を検出している期間を計時する第1タイマ回路と、
出力電圧が所定の電圧値に下がった時点からの経過時間を計時する第2タイマ回路と、
を備え、
前記出力電圧制御回路は、前記第1タイマ回路の計時時間が予め定められた第1時間よりも長くなった場合に、前記制御用トランジスタをオフ状態にして前記出力電流を遮断し、前記第2タイマ回路の計時時間が予め定められた第2時間よりも長くなった場合に、前記制御用トランジスタをオン状態にして前記出力電流を流すように構成され、
前記出力電圧と所定の第2電圧とを比較する第2電圧比較回路と、前記第2電圧比較回路の出力信号を遅延する遅延回路と、を備え、前記第1電圧比較回路は、前記遅延回路からの信号によって、前記入力端子に入力されている電圧が立ち上がった後、所定時間を経過するまで動作しないように構成した。
さらに、前記出力電圧と所定の第2電圧とを比較する第2電圧比較回路と、前記第2電圧比較回路の出力信号を遅延する遅延回路とを備え、前記第1電圧比較回路は、前記遅延回路からの信号によって、前記入力端子に入力されている電圧が立ち上がった後、所定時間を経過するまで動作しないように構成することにより、電源投入時のラッシュ電流を誤ってラッチアップ発生と判定する誤検出を防止しつつ、ラッチアップの発生を検出して出力を停止することができる。
これにより、ラッチアップ現象に相当するような異常電流を検出するまでの出力電流監視時間と出力停止後再起動までの時間を、それぞれ使用するシステムに応じて最適な値に設定することができる。
これによって、ラッチアップ現象を検出する異常電流の値を、使用するシステムに応じて自由に決めることができるようになる。
これにより、ラッチアップ現象に相当するような異常電流を検出したときは出力電流監視時間を経過してから再起動までの時間の計時を開始できるとともに、ラッチアップ電流よりも大きな異常電流を検出したときは検出した時点から再起動までの時間の計時を開始することができ、異常電流発生後再起動までの時間を短縮することができる。
これにより、ラッチアップの発生頻度を外部のカウンタ回路で計数することができ、それによってノイズの発生し易いシステムや環境を把握することができる。
図1は、本発明を適用したシリーズレギュレータの一実施形態を示す。なお、特に限定されるわけではないが、図1において太線で囲まれている回路を構成する素子は、1個の半導体チップ上に形成され、半導体集積回路(レギュレータ用IC)10として構成される。レギュレータ用ICには、基準電圧Vrefを生成する基準電圧回路11や、直流電圧源からの直流電圧VCCが印加される電圧入力端子VINの電圧Vinの立ち上がりを検出して、内部回路の動作を有効にするためのイネーブル信号EN3を生成する入力電圧立上り検出回路12が設けられている。
出力端子OUTには、出力電圧Voutを安定化させる外付けのコンデンサCOUTが接続され、出力端子OUTと接地点との間には、放電用のNPNトランジスタTr3が接続されている。このトランジスタTr3は、電源がオフされた際にオンされて出力端子OUTに接続されているコンデンサCOUTの電荷を引き抜いて出力電圧Voutを素早く立ち下げる働きをする。
さらに、上記出力電圧監視用コンパレータ14の出力端子には、該コンパレータの出力電圧を分圧する抵抗R5,R6と、この抵抗R5とR6との接続ノードに接続されたインバータ15と、抵抗R5とR6との接続ノードに接続された外部端子VOCとが設けられている。
本実施形態のレギュレータ用IC10においては、電源投入後、電圧入力端子VINの入力電圧VCCが立ち上がるまで待機する(ステップS1:No)。そして、入力電圧VCCが立ち上がる、すなわち入力電圧立上り検出回路12から出力される信号EN3がハイレベルになる(ステップS1:Yes)と、内部回路が動作を開始する(ステップS2)。
その後、正常に再起動時間(例えば10ms)を計時していれば(ステップS17:Yes)、レギュレータを再起動(ステップS18)してステップS1に戻り入力電圧VCCが立ち上がっているか判断して上記動作を繰り返す。また、ステップS17で正常に再起動時間を計時していない場合(ステップS17:No)には、負荷またはレギュレータ用ICに何らかの異常があるため、異常状態となる。
このとき、まだ出力電圧は立ち上がっておらずフィードバック電圧VFBが低いため、制御回路19によってトランジスタTr1が強いオン状態されて、出力電流Ioutとして出力端子に接続されているコンデンサを充電する比較的大きなラッシュ電流が流れる(期間T1)。なお、タイミングt1とt2は異なるが、図3の時間スケールではほぼ同時であるので、図3では同一のタイミングとして表している。
これにより、コンパレータ16の反転入力端子側に接続されているスイッチ・トランジスタTr7がオフされることで、外部端子CDに接続されているコンデンサC1の充電が開始され、ノードN1の電位Vn1が徐々に上昇して行き、所定時間T2(1mS)を経過するとコンパレータ16の出力が変化してRSフリップフロップ18がセットされる。すると、RSフリップフロップ18の反転出力端子/Qの出力信号LDO_CONTがローレベルに変化して、制御回路19が誤差アンプ13の動作すなわちレギュレータ動作を停止させるため、出力電圧Voutが立ち下がり始める(タイミングt6)。
なお、このときにも、出力端子に向かってラッシュ電流が流れるが、出力電圧監視用のコンパレータ14の出力による電流監視用コンパレータ15のマスク動作で、電流監視用コンパレータ15によるラッシュ電流の誤検出が防止される。
さらに、異常な出力電流が流れている時間を計時するタイマ回路および電源再起動までの時間を計時するタイマ回路を、定電流源とコンデンサとで構成するとともに、前記コンデンサを外付け素子として接続可能な外部端子を設けているので、ラッチアップ電流の検出のための時間と電源再起動までの時間を別々に設定することができ、使用するシステムに最適な電源装置を実現することができる。
図4のタイミングチャートでは、タイミングt5で負荷に異常(短絡等)が発生して出力電流Ioutが増加するとともに出力電圧Voutが低下すると、電流監視用コンパレータ15が異常電流を検出して出力信号LAT_DETがローレベルに変化するとともに、出力電圧監視用コンパレータ14が出力電圧Voutの低下(例えば5V→2.5V)を検出して出力信号VOUT_COMPがローレベルに変化する。
また、トランジスタTr8がオフされることで外部端子CRに接続されているコンデンサC2の充電が開始され、ノードN2の電位Vn2が徐々に上昇して行き、タイミングt5から所定時間(10mS)を経過するとコンパレータ17の出力が変化して、制御回路19が誤差アンプ13の動作すなわちレギュレータ動作を開始させるため、出力電圧Voutが立ち上がり始める(タイミングt7)。
なお、タイミングt5で、ICの制限電流値以上の電流が流れた場合には、カレントリミット回路が動作して垂下型特性に従って出力電圧Voutが立ち下がる。この場合にも出力電圧Voutが立ち下がることに応じて出力電圧監視用のコンパレータ14の出力電圧VOUT_COMPがローレベルに変化することで、レギュレータの再起動時間を計時するタイマ回路の動作を開始させることができる。
第1の変形例は、図1に破線で示すように、RSフリップフロップ18の反転出力端子/Qから出力される信号LDO_CONTを、チップ外部へ出力するための外部端子LCOを設けるようにしたものである。
図5は、この第1の変形例のレギュレータ用ICの応用システムの例を示す。図5のシステムは、シリーズレギュレータ用IC10を備えた電源装置から供給される電源によって動作するマイクロコンピュータ21を備えたシステム20において、シリーズレギュレータ用IC10に設けられた外部端子LCOから出力される信号LDO_CONTを計数するためのカウンタ回路22を設けたものである。なお、カウンタ回路22が計数した値は、マイクロコンピュータ21が読み込んでも良いし、図示しない検査装置が読み込むようにしても良い。
そのため、遊技機の制御システムに図5のシステムを適用することで、マイクロコンピュータが暴走するおそれがあるラッチアップの発生頻度をカウンタ回路で計数することができ、それによってノイズの発生し易い遊技機や環境を把握することができる。
この変形例は、出力復帰時間を計時するためのタイマ回路を構成するコンパレータ17の制御信号を変えたものである。具体的には、上記実施例(図1)では、コンパレータ17の反転入力端子側に接続されているスイッチ・トランジスタTr8をオン・オフする制御信号を、出力電圧監視用コンパレータ14の出力信号LOUT_COMPとしているものを、この変形例では図6に示すように、異常電流の検出時間を計時するためのタイマ回路を構成するコンパレータ16の出力信号を、トランジスタTr8をオン・オフする制御信号としたものである。
このような構成においても、図3に示すようなタイミングに従って、ラッチアップ電流の検出によるレギュレータ動作の停止と、その後、所定時間経過するとレギュレータを再起動させる制御が可能である。コンパレータ16の出力信号と出力電圧監視用コンパレータ14の出力信号LOUT_COMPの両方の信号に基づいてトランジスタTr8をオン・オフする制御信号を生成するようにしても良い。
さらに、以上の説明では、本発明をシリーズレギュレータ用ICに適用した例を説明したが、本発明にそれに限定されるものではなく、二次電池を充電する充電装置を構成する充電制御用ICにも利用することができる。
12 入力電圧立上り検出回路
13 誤差アンプ
14 出力電圧監視用コンパレータ
15 電流監視用コンパレータ
19 制御回路
Tr1 電圧制御用トランジスタ
Tr2 電流検出用トランジスタ
Tr5,Tr6 定電流用トランジスタ
Claims (5)
- 入力端子と出力端子との間に接続された制御用トランジスタと、
出力側からのフィードバック電圧に応じて出力電圧が一定になるように前記制御用トランジスタを制御する出力電圧制御回路と、
前記制御用トランジスタとカレントミラー回路を構成するように接続された電流検出用のトランジスタと、前記電流検出用のトランジスタと直列に接続される電流−電圧変換素子により変換された電圧と所定の第1電圧とを比較する第1電圧比較回路とを備え、前記制御用トランジスタにより前記出力端子へ流される出力電流が所定の電流値よりも高い状態を検出する電流監視回路と、
前記電流監視回路が、出力電流が所定の電流値よりも高い状態を検出している期間を計時する第1タイマ回路と、
出力電圧が所定の電圧値に下がった時点からの経過時間を計時する第2タイマ回路と、
を備え、
前記出力電圧制御回路は、前記第1タイマ回路の計時時間が予め定められた第1時間よりも長くなった場合に、前記制御用トランジスタをオフ状態にして前記出力電流を遮断し、前記第2タイマ回路の計時時間が予め定められた第2時間よりも長くなった場合に、前記制御用トランジスタをオン状態にして前記出力電流を流すように構成され、
前記出力電圧と所定の第2電圧とを比較する第2電圧比較回路と、前記第2電圧比較回路の出力信号を遅延する遅延回路と、を備え、前記第1電圧比較回路は、前記遅延回路からの信号によって、前記入力端子に入力されている電圧が立ち上がった後、所定時間を経過するまで動作しないように構成されていることを特徴とするレギュレータ用半導体集積回路。 - 前記第1タイマ回路および第2タイマ回路は、それぞれ、コンデンサと該コンデンサを充電可能な定電流源とによって構成されるとともに、前記第1タイマ回路を構成するコンデンサを外付け素子として接続可能な第1外部端子と、前記第2タイマ回路を構成するコンデンサを外付け素子として接続可能な第2外部端子とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレギュレータ用半導体集積回路。
- 前記電流-電圧変換素子は、当該電流-電圧変換素子が前記電流検出用のトランジスタと直列形態となるように設けられた所定の外部端子に外付け素子として接続可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレギュレータ用半導体集積回路。
- 前記第2タイマ回路は、前記第2電圧比較回路の出力信号によって、前記出力電圧が前記第2電圧よりも低くなった時点から計時動作を開始するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレギュレータ用半導体集積回路。
- 前記第1タイマ回路が前記第1時間を計時したことに応じて前記制御用トランジスタがオフ状態にされたことを示す信号を外部へ出力可能な外部端子が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレギュレータ用半導体集積回路。
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