JP2014010660A - 電力制御装置 - Google Patents

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啓允 鈴木
Keiji Fukumura
慶二 福村
Koji Yoshii
宏治 吉井
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Abstract

【課題】持続的な過電流、一時的過電流、及び半短絡電流が生じるシステムのための電力制御装置を提供する。
【解決手段】電力制御装置3は、半導体スイッチ11と、半導体スイッチ11を駆動する駆動回路12と、出力電流Ioutを検出する電流センサ14と、出力電流Ioutに基づいて、半導体スイッチ11を制御する電流監視及び制御回路13とを備える。電流監視及び制御回路13は、出力電流Ioutが電流しきい値Idet_th以上である状態が不感時間Tdead1にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフし、出力電流Ioutがしきい値Idet_thより大きいしきい値Ilim_th以上である状態が、不感時間Tdead1より短い不感時間Tdead2にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源装置からレギュレータやドライバ回路などの負荷装置に電力を供給する際に電流を制限する電力制御装置に関する。
電源装置からレギュレータやドライバ回路などの負荷装置に電力を供給するとき、出力端子の短絡事故や、負荷装置の破壊などによって、定格電流を超過した過電流が生じることがある。過電流が流れることを防止するために、負荷装置と電源装置との間に過電流保護装置を備えたシステムが知られている。
従来の過電流保護装置は、一般に、保護対象(負荷や装置の内部素子など)に流れる駆動電流を監視対象とし、この駆動電流が所定しきい値に達したとき、その状態が所定時間(ノイズマスク時間)にわたって持続した時点で、保護対象の装置に過電流が生じていると判断し、当該装置の動作をシャットダウンさせるように構成されていた。
例えば、特許文献1の過電流保護回路は、短期間でもその電流が流れた場合には半導体スイッチが破損するおそれのある電流に対応した第1のしきい値と、当該第1のしきい値よりも低い第2のしきい値を用い、検出された電流値が第1のしきい値以上になったときは即時に半導体スイッチをオフし、検出された電流値が第1のしきい値未満かつ第2のしきい値以上である場合はその電流が一定期間以上にわたって持続的に流れたと判断されたときに半導体スイッチをオフすることを特徴とする。これにより、監視対象の電流値に応じて保護動作の緊急度を判断し、その判断結果に基づいて、負荷装置を保護することが可能となる。
ところで、過電流は、所定時間にわたって持続的に発生する場合(以下、「事故電流」という)に限らず、例えば、瞬間的に流れる突入電流やノイズによって発生したり、負荷装置側の容量成分(コンデンサ)に充電する際に発生したりするなど、システムが正常に動作しているときであっても発生することがある(以下、「一時的過電流」という)。なお、負荷装置側の容量成分(コンデンサ)とは、例えば、負荷装置の入力段に設けられた入力フィルタ(LCフィルタ)を構成するコンデンサや、電源の瞬断時に負荷装置への電力供給を補償するための蓄電手段としてのコンデンサなど、過電流保護装置から負荷装置側の回路に存在しているあらゆる容量成分を含む。
システムの安定性を向上させるために大容量のコンデンサを用いた場合、特許文献1の過電流保護装置では、コンデンサ充電電流のような一時的かつ瞬間的な過電流であっても事故電流として検出し、半導体スイッチをオフしてしまう。そこで、過電流が発生した場合に、それが事故電流であるのか、それとも一時的過電流であるのかを判断し、事故電流である場合にのみ半導体スイッチをオフする技術が知られている。
例えば、特許文献2の半導体遮断器は、電源装置及び負荷装置の間に設けられた半導体スイッチと、電源装置から負荷装置へ半導体スイッチを介して流れる電流を検出する電流検出回路と、負荷装置側へ出力されている電圧(以下、「出力電圧」という)を検出する電圧検出回路とを備えている。この半導体遮断器は、半導体スイッチを流れる電流と、出力電圧との双方を監視することで、過電流が発生した場合に、それが事故電流であるのか、それとも一時的過電流であるのかを判断し、事故電流である場合にのみ半導体スイッチをオフする。詳しくは、半導体スイッチを流れる電流がしきい値以上か否か判断し、しきい値以上である場合には半導体スイッチのオン・オフ(以下、「リトライ動作」という)を繰り返し、リトライ動作を予め設定された回数にわたって繰り返したときにリトライ動作を停止し、半導体スイッチを完全にオフする。あるいは、リトライ動作の繰り返しが予め設定された回数に達するまでに、出力電圧が予め設定された電圧しきい値以上になったとき、又は出力電圧が予め設定された電圧しきい値以下になったとき、又は出力電圧の変化量が予め設定されたしきい値以上になったときに、リトライ動作を停止し、半導体スイッチを完全にオフする。
しかしながら、システムにとって危険な状態は、事故電流が発生した場合だけではない。例えば、出力端子が完全には短絡せず、中途半端に短絡することで中程度の電流(以下、「半短絡電流」という)が流れている場合、この状態が長時間にわたって持続すれば、発熱により危険が生じる。半短絡電流を検出するには特許文献1の方法を用いらなければならないが、前述したように、特許文献1の方法では、過電流が発生したとき、それが事故電流なのか、それとも一時的過電流であるのかを判別できないという課題がある。
本発明の目的は、以上の課題を解決し、電源装置から負荷装置に電力を供給する際に電流を制限する電力制御装置であって、過電流が発生した場合に、それが事故電流であるのか、それとも一時的過電流であるのかを判断し、事故電流である場合にのみ半導体スイッチをオフし、さらに、半短絡電流が長時間にわたって持続しているときにも半導体スイッチをオフする電力制御装置を提供することにある。
本発明の態様に係る電力制御装置によれば、
電源装置から負荷装置に供給される電力を制御する電力制御装置において、上記電力制御装置は、
上記電力制御装置の入力電圧端子及び出力電圧端子の間に設けられた半導体スイッチと、
上記半導体スイッチを駆動する駆動回路と、
上記半導体スイッチに流れて上記電力制御装置から出力される出力電流を検出する電流センサと、
上記出力電流に基づいて、上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御する電流監視及び制御回路とを備え、
上記電流監視及び制御回路は、
上記出力電流が第1の電流しきい値以上である状態が第1の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフし、
上記出力電流が上記第1の電流しきい値より大きい第2の電流しきい値以上である状態が、上記第1の不感時間より短い第2の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフするように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする。
本発明の電力制御装置によれば、過電流が発生した場合に、それが事故電流であるのか、それとも一時的過電流であるのかを判断し、事故電流である場合にのみ半導体スイッチをオフし、さらに、半短絡電流が長時間にわたって持続しているときにも半導体スイッチをオフすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る直流給電システム1の構成を示すブロック図である。 図1の電力制限回路23による電流制限を説明するための出力電圧Voutに対する出力電流Ioutの特性を示す概略図である。 図1の電力制御装置3が半短絡電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。 図1の電力制御装置3が一時的過電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。 図1の電力制御装置3が事故電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る直流給電システム1Aの構成を示すブロック図である。 図6の電力制御装置3Aが負荷装置4に関連付けられた電圧降下を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態の第1の実施例に係る直流給電システム1AAの構成を示すブロック図である。 図8の電力制御装置3Aによる電流制限を説明するためのレギュレータ出力電圧Vroutに対する出力電流Ioutの特性を示す概略図である。 図8の電力制御装置3Aが負荷装置4Aの過電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態の第2の実施例に係る直流給電システム1ABの構成を示すブロック図である。 図11のNTCサーミスタ6の温度特性を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る直流給電システム1Bの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の第1の実施例に係る直流給電システム1BAの構成を示すブロック図である。 図14のNTCサーミスタ6Aの温度特性を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態の第2の実施例に係る直流給電システム1BBの構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る直流給電システム1Cの構成を示すブロック図である。 図17の基準電流源24Aの構成を示す回路図である。 本発明の第5の実施形態に係る直流給電システム1Dの構成を示すブロック図である。 図19のタイマ26Aの構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る直流給電システム1Eの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る電力制御装置について説明する。各図面にわたって、同様の構成要素は同じ符号で示す。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る直流給電システム1の構成を示すブロック図である。直流給電システム1は、所定電圧の直流電力を供給する電源装置2と、直流電力の供給を受けて動作する負荷装置4と、電源装置2から負荷装置4に供給される電力を制御する電力制御装置3とを備える。
本実施形態において、電源装置2は、所定電圧の直流電力(例えば、3V、4V、又は他の電圧)を負荷装置4へ供給できるものである限り、その具体的構成は特に限定されるものではない。また、本実施形態において、負荷装置4は、その入力段に、入力電力安定化やノイズ対策などのために、コンデンサ及びコイルを含む入力フィルタ(LCフィルタ)を備えている。また、負荷装置4は、電源装置2から供給される直流電力が瞬断した場合に動作用電圧を補償するための蓄電手段(コンデンサ)を備えている。つまり、負荷装置4は、電源装置2からみると容量成分(コンデンサ)を有する負荷であり、従って、負荷装置4へ電力を供給する際には、コンデンサへ充電するために一時的過電流が発生する可能性がある。また、一時的過電流は、前述のように、瞬間的に流れる突入電流やノイズなどの他の原因によっても発生する可能性がある。電力制御装置3は、通常は導通状態にあって、短絡又は半短絡により直流給電システム1に危険が生じたとき、電源装置2から負荷装置4に供給される電流を制限又は遮断する。特に、電力制御装置3は、当該電力制御装置3に流れる一時的過電流、事故電流、及び半短絡電流を検出し、過電流が発生した場合に、それが事故電流であるのか、それとも一時的過電流であるのかを判断し、事故電流である場合にのみ電流を遮断し、さらに、半短絡電流が長時間にわたって持続しているときにも電流を遮断するように構成される。
電力制御装置3は、電力制御装置3の入力電圧端子VIN及び出力電圧端子VOUTの間に設けられた半導体スイッチ11と、半導体スイッチ11を駆動する駆動回路12と、半導体スイッチ11に流れて電力制御装置3から出力される出力電流Ioutを検出する電流センサ14と、出力電流Ioutに基づいて、駆動回路12を介して半導体スイッチ11を制御する電流監視及び制御回路13とを備える。入力電圧端子VINは電源装置2の正極に接続され、出力電圧端子VOUTは負荷装置4に接続される。電力制御装置3はさらに接地端子GNDを備え、接地端子GNDは、例えば電源装置2の負極に接続される。半導体スイッチ11は、半導体スイッチング素子(例えばMOSFET)を備える。半導体スイッチ11がMOSFETである場合、ソースが電源装置2の側に接続され、ドレインが負荷装置4の側に接続され、ゲートには駆動回路12からの駆動信号が入力される。電流監視及び制御回路13は、駆動回路12を介して、半導体スイッチ11を「オン状態」、「オフ状態」、及び「制限状態」のいずれかに制御する。半導体スイッチ11が「オン状態」であるときは、電源装置2から負荷装置4に電力が供給され、「オフ状態」であるときは、電力供給が停止され、「制限状態」であるときは、半導体スイッチ11に流れる電流を予め設定された電流値以下に制限することで電力供給が制限される。半導体スイッチ11がオン状態にあるとき、入力電圧端子VINにおける入力電圧Vinとほぼ同じ電圧が出力電圧Voutとして出力電圧端子VOUTから出力される。出力電流Ioutは、負荷装置4の動作及び半導体スイッチ11の状態に応じて、電源装置2から入力電圧端子VIN、電流センサ14、半導体スイッチ11、及び出力電圧端子VOUTを介して負荷装置4まで流れる。電流センサ14は、出力電流Ioutの大小に比例する検出電流Isenseを生成する。すなわち、出力電流Ioutが大きくなるほど検出電流Isenseも大きくなり、出力電流Ioutが小さくなれば検出電流Isenseも小さくなる。
電流監視及び制御回路13は、電圧オフセット回路21、電圧比較器22、電流制限回路23、基準電流源24,28、電流比較器25,29、タイマ26,30、NOR回路27,31、及び制御回路32を備える。
電圧オフセット回路21は、入力電圧Vinを予め設定された電圧降下量にわたってオフセットする。オフセット後の入力電圧をVbiasとする。電圧比較器22は、オフセット後の入力電圧Vbiasと、出力電圧Voutとを比較し、「Vbias>Vout」のとき、すなわち、短絡などに起因して出力電圧Voutが低下しているとき、信号Vshort=H(ハイレベル)を出力する一方、「Vbias≦Vout」のとき、信号Vshort=L(ローレベル)を出力する。
基準電流源24は、出力電圧端子VOUTにおいて、又は出力電圧端子VOUTよりも後段において半短絡状態が発生したときの半短絡電流のしきい値Idet_thに対応する、予め設定された半短絡電流の基準電流Idet_refを生成する。半短絡電流の基準電流Idet_refは、「Iout=Idet_th」になるときに電流センサ14から送られる検出電流Isenseに等しく設定される。電流比較器25は、半短絡電流の基準電流Idet_refと検出電流Isenseとを比較し、「Idet_ref≦Isense」のとき(すなわち、半短絡電流が流れ、「Idet_th≦Iout」になっているとき)、信号V1=Hを出力し、「Idet_ref>Isense」のとき(すなわち、「Idet_th>Iout」のとき)、信号V1=Lを出力する。信号V1は、タイマ26、NOR回路27、及び制御回路32に送られる。NOR回路27には、信号V1と、制御回路32によって生成されるタイマイネーブル信号Ten1とが入力され、これらの信号の両方がローレベルのとき、リセット信号Rst1=Hを出力し、そうでないときは、リセット信号Rst1=Lを出力する。タイマ26は、信号V1がL→Hに遷移したとき(従って、リセット信号Rst1=Lのとき)、クロック信号Clk1の発振を開始し、その後、リセット信号Rst1がローレベルである間は、クロック信号Clk1を発振し続ける。リセット信号Rst1=Hのとき、クロック信号Clk1はリセットされてローレベルになる。以下、本明細書では、クロック信号Clk1(及び後述のクロック信号Clk2、Clk3)が発振せず、ローレベルのままである状態を「L」と表す。タイマイネーブル信号Ten1は、所定時間にわたってクロック信号Clk1を発振し続けるために、制御回路32によって生成される(詳細後述)。タイマイネーブル信号Ten1は、電力制御装置3の起動時に必ずローレベルに初期化される。
基準電流源28は、直流給電システム1の定格電流(又は直流給電システム1を構成する電源装置2、電力制御装置3、及び負荷装置4のいずれかの定格電流)を超過した過電流のしきい値Ilim_thに対応する、予め設定された過電流の基準電流Ilim_refを生成する。過電流の基準電流Ilim_refは、「Iout=Ilim_th」になるときに電流センサ14から送られる検出電流Isenseに等しく設定される。前述した半短絡電流のしきい値Idet_thは、過電流のしきい値Ilim_thよりも小さい(従って、前述した半短絡電流の基準電流Idet_refは、過電流の基準電流Ilim_refよりも小さい)。電流比較器29は、過電流の基準電流Ilim_refと検出電流Isenseとを比較し、「Ilim_ref≦Isense」のとき(すなわち、過電流が流れ、「Ilim_th≦Iout」になっているとき)、信号V2=Hを出力し、また、信号Vshort=Hのとき(すなわち、「Vbias>Vout」のとき)、かつ、制御回路32によって生成される遮断信号Shut1(詳細後述)がハイレベルであるときにも、信号V2=Hを出力し、その他のときには、信号V2=Lを出力する。信号V2は、タイマ30、NOR回路31、及び制御回路32に送られる。NOR回路31には、信号V2と、制御回路32によって生成されるタイマイネーブル信号Ten2とが入力され、これらの信号の両方がローレベルのとき、リセット信号Rst2=Hを出力し、そうでないときは、リセット信号Rst2=Lを出力する。タイマ30は、信号V2がL→Hに遷移したとき(従って、リセット信号Rst2=Lのとき)、クロック信号Clk2の発振を開始し、その後、リセット信号Rst2がローレベルである間は、クロック信号Clk2を発振し続ける。リセット信号Rst2=Hのとき、クロック信号Clk2はリセットされてローレベルになる。タイマイネーブル信号Ten2は、所定時間にわたってクロック信号Clk2を発振し続けるために、制御回路32によって生成される(詳細後述)。タイマイネーブル信号Ten2は、電力制御装置3の起動時に必ずローレベルに初期化される。
制御回路32は、信号V1=H又は信号V2=Hが入力されたとき、対応する発振するクロック信号Clk1又はClk2に基づいて、予め設定された不感時間、オフ時間、及びオン時間を内部のラッチ及びカウンタなどの論理演算回路(図示せず)により計時することで、半導体スイッチ11のオン状態及びオフ状態を示す遮断信号Shut1を生成する。電流監視及び制御回路13は、遮断信号Shut1を駆動回路12に送り、これにより、半導体スイッチ11を「オン状態」又は「オフ状態」に制御する。遮断信号Shut1=Hのとき、半導体スイッチ11はオン状態になり、遮断信号Shut1=Lのとき、半導体スイッチ11はオフ状態になる。遮断信号Shut1は電流比較器29にも送られる。遮断信号Shut1はさらに、必要であれば外部回路(図示せず)により使用するために、電力制御装置3の状態出力端子SOUT1に送られる。
電流制限回路23は、過電流の基準電流Ilim_refと検出電流Isenseとを比較し、「Ilim_ref≦Isense」のとき(すなわち、「Ilim_th≦Iout」のとき)、出力電流Ioutの上限をしきい値Ilim_thで制限させる制限信号Ilim_ctrlを生成する。電流制限回路23はさらに、信号Vshort=Hのとき(すなわち、「Vbias>Vout」のとき)、出力電流Ioutの上限をしきい値Ilim_thより小さい予め設定されたしきい値Ishortで制限させる制限信号Ilim_ctrlを生成する。しきい値Ishortは、短絡などに起因して出力電圧Voutが低下しているとき(すなわち、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの電位差が増大しているとき)、電力制御装置3による消費電力の増大を抑制するために設定される。しきい値Ishortが高いと、出力電圧Voutが低下しているときに消費電力が増大し、直流給電システム1が破壊されるおそれがある。電流監視及び制御回路13は、制限信号Ilim_ctrlを駆動回路12に送り、これにより、出力電流Ioutの上限をしきい値Ilim_th又はIshortで制限する「制限状態」になるように半導体スイッチ11を制御する。
図2は、図1の電力制限回路23による電流制限を説明するための出力電圧Voutに対する出力電流Ioutの特性を示す概略図である。図2のグラフ中の実線は、電源ICでは一般的なフォールドバック特性(fold back特性、又は、フの字特性)を示す。前述のように、半導体スイッチ11がオン状態にあるとき、通常の状態では、出力電圧Voutは入力電圧Vinにほぼ等しい。出力電流Ioutは負荷装置4の動作に応じて増減するが、その上限はしきい値Ilim_thで制限される。さらに、出力電圧Voutが減少し、「Vbias>Vout」になったとき(すなわち、信号Vshort=Hのとき)、出力電流Ioutの上限はしきい値Ishortで制限される。
図2の特性に関して、出力電圧Vout及び出力電流Ioutの組は、電力制御装置3の外部の条件(電源装置2又は負荷装置4の状態など)に応じて決まる。出力電圧Voutが入力電圧Vinにほぼ等しいとき、出力電流Ioutは、オームの法則より、出力電圧Vout(又は入力電圧Vin)と、負荷装置4の抵抗成分(負荷抵抗)とによって決まる。図2の原点を通る右上がりの点線は、所定値の負荷抵抗が与えられたときにおける、その負荷抵抗のみから求めた出力電圧Vout及び出力電流Ioutの関係(すなわち、オームの法則によって得られる関係)を示し、この点線の傾きは負荷抵抗の大きさを示す。例えば、入力電圧Vin=3Vであり、負荷抵抗が10Ωであるとき、出力電流Iout≒300mAとなる。同じ条件下で負荷抵抗が1Ωであるとき、電流制限を行わないのであれば、出力電流Iout≒3Aとなる。
厳密には、半導体スイッチ11はごくわずかなオン抵抗を有する。この値は半導体スイッチの製品に依存するが、以下、例えば10mΩであるとする。このとき、出力電圧Voutは、入力電圧Vin=3Vを半導体スイッチ11のオン抵抗10mΩと負荷抵抗10Ωとにより分圧した値、すなわち、「Vout=3V×10/(10+0.01)=2.997V(≒3V=入力電圧Vin)」となる。また、出力電流Ioutは、電流制限を行わないのであれば、「Iout=3V/10.01Ω=299.7mA(≒300mA=3V/10Ω)」となる。図2の「Iout=0、Vout=Vin」の点を通る右下がりの点線(及びそれに重畳するフォールドバック特性の部分)は、電流制限を行わないときの出力電圧Vout及び出力電流Ioutの関係を示し、この点線の傾きは半導体スイッチ11のオン抵抗の大きさを示す。同じ条件下で負荷抵抗が1Ωであるとき、「Vout=3V×1/(1+0.01)=2.9703V、Iout=2.9703A」となり、これらの「Vout=2.9703V、Iout=2.9703A」の値は、図2の右上がりの点線と右下がりの点線との交点に一致する。
電流制限回路23は、出力電流Ioutの上限をしきい値Ilim_thで制限する。以下、過電流のしきい値Ilim_th=1Aであるとする。電流制限を行うとき、出力電圧Voutは低下してしまう。出力電圧Voutがどこまで低下するかは、負荷抵抗に依存する。図2のフォールドバック特性と右上がりの点線との交点ではオームの法則が満たされるので、出力電圧Vout及び出力電流Ioutは、これらの交点において、すなわち、「Iout=Ilim_th、Vout=Vlim1」又は「Iout=Ishort、Vout=Vlim2」のときに安定する。従って、「Iout=Ilim_th」のとき、出力電圧VoutはVinからVlim1に低下する。
出力電圧Voutが入力電圧Vinよりも異常に低下している状態は、電力制御装置3自体の消費電力が増大した危険な状態である。例えば、負荷抵抗が10Ωであるとき、前述のように「Vout=2.997V、Iout=299.7mA」になり、電力制御回路3自体の消費電力は「(3.0V−2.997V)×0.2997A=0.899mW」であり、極めて小さく安全である。一方、負荷抵抗が1Ωであるとき、電流制限を行わないのであれば、前述したように出力電流Iout=2.9703Aとなるが、電流制限を行うことにより、出力電流Ioutの上限は過電流のしきい値Ilim_th=1Aで制限される。このときの出力電圧Voutは、前述のように図2のフォールドバック特性と右上がりの点線との交点の値、すなわち「Vout=Vlim1」になる。ここで、「Vlim1=1.0V」とする。このときの電力制御回路3自体の消費電力は「(3.0V−1.0V)×1A=2W」となり、これは、負荷抵抗が10Ωであるときの消費電力0.899mWに比べて極めて大きく、直流給電システム1を発熱させ、極めて危険である。
また、出力電流Ioutの上限がしきい値Ishortで制限されているとき、出力電圧Vout及び出力電流Ioutは、図2のフォールドバック特性と右上がりの点線とのもう1つの交点「Iout=Ishort、Vout=Vlim2」において安定する。
また、負荷抵抗が1Ωであるとき、出力電圧Voutを0V→4Vに増大させると、出力電圧Vout及び出力電流Ioutは、「Iout=Ishort、Vout=Vlim2」において安定する。
以上説明したように、所定値の負荷抵抗が与えられたときの出力電圧Vout及び出力電流Ioutは、図2のフォールドバック特性と右上がりの点線との交点として決まる。
なお、電流比較器29に遮断信号Shut1を送る理由は、以下の通りである。電流比較器29は、「Ilim_th≦Iout」になっているとき、又は、「Vbias>Vout」であり、かつ、遮断信号Shut1=Hのとき、信号V2=Hを出力する。言い換えると、電流比較器29は、電流制限回路23により出力電流Ioutの上限がしきい値Ilim_th又はIshortで制限されているとき、信号V2=Hを出力する。出力電流Ioutの上限がしきい値Ishortで制限されるのは、「Vbias>Vout」のとき、すなわち、出力電圧Voutが低下しているときであるが、出力電圧Voutは、短絡などに起因して低下することに加えて、遮断信号Shut1=Lのとき(すなわち、半導体スイッチ11がオフ状態であるとき)にも低下する。従って、遮断信号Shut1=Lのときには信号V2=Hを出力しないようにするために、電流比較器29に遮断信号Shut1を送っている。
次に、図3〜図5を参照して、電力制御装置3の動作についてさらに説明する。図3〜図5(及び図7及び図10)において、時間t1〜t8などは特定の瞬間を示し、不感時間Tdead1、オフ時間Toff1、及びオン時間Ton1などは所定長さの時間区間を示す。
図3は、図1の電力制御装置3が半短絡電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。図3の動作では、負荷装置4側の容量成分が極めて小さい場合を想定する。
電力制御装置3が起動した後、時間t1までは、「Idet_th>Iout」の状態が続く。「V1=L、かつ、Ten1=L」であるので、リセット信号Rst1=Hであり、リセット信号Rst1=Hである間は、クロック信号Clk1は初期化された状態(Clk1=L)のままである。時刻t1において、電力制御装置3の外部の条件(電源装置2又は負荷装置4の状態など)に起因して半短絡電流が発生し、「Idet_th≦Iout」になると、電流比較器25は信号V1をL→Hに遷移させ、これに応じて、リセット信号Rst1がH→Lに遷移し、タイマ26が起動してクロック信号Clk1の発振を開始する。制御回路32は、信号V1=Hが入力されたとき、発振するクロック信号Clk1に基づいて、予め設定された不感時間Tdead1を計時する。不感時間Tdead1は、その時間以上にわたって半短絡電流が持続したときに発熱により危険になる時間である。不感時間Tdead1は、半短絡電流のしきい値Idet_thの大きさや、許容できる温度などによって決まる。制御回路32は、信号V1=Hが不感時間Tdead1にわたって持続したとき(すなわち、「Idet_th≦Iout」の状態が不感時間Tdead1にわたって持続したとき)、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させる。ただし、図3の例では、時間t1から不感時間Tdead1が経過する前、時間t2において「Idet_th>Iout」になるので、信号V1はH→Lに遷移し、リセット信号Rst1がL→Hに遷移し、クロック信号Clk1=Lになり、遮断信号Shut1=Hのままである。
図3の時間t3において、「Idet_th≦Iout」になると、電流比較器25は信号V1をL→Hに遷移させ、リセット信号Rst1がH→Lに遷移し、タイマ26はクロック信号Clk1の発振を開始し、制御回路32は、不感時間Tdead1を計時する。制御回路32は、前述のように、信号V1=Hが不感時間Tdead1にわたって持続したとき(時間t4)、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させる。遮断信号Shut1をH→Lに遷移させると、出力電流Iout=0になり、信号V1がH→Lに遷移するが、このとき、制御回路32は、クロック信号Clk1を発振させ続けるために、タイマイネーブル信号Ten1をL→Hに遷移させる。時間t4において遮断信号Shut1をH→Lに遷移させた後、制御回路32は、半導体スイッチ11をオフ時間Toff1にわたってオフする状態(遮断信号Shut1=L)と半導体スイッチ11をオン時間Ton1にわたってオンする状態(遮断信号Shut1=H)とを交互に繰り返すサイクル動作を開始する。制御回路32は、クロック信号Clk1に基づいて、予め設定されたオフ時間Toff1及びオン時間Ton1を計時する。オフ時間Toff1及びオン時間Ton1のサイクル動作を繰り返す間、制御回路32は、これらの時間を計時するために、タイマイネーブル信号Ten1=Hのままにし、これにより、リセット信号Rst1=Lのままになり、クロック信号Clk1は発振し続ける。
制御回路32は、サイクル動作を繰り返す間、各オン時間Ton1において、信号V1=Hが当該オン時間Ton1にわたって持続しているか否か(すなわち、「Idet_th≦Iout」の状態が当該オン時間Ton1にわたって持続しているか否か)を判断し、持続していれば、サイクル動作を続ける。制御回路32は、サイクル動作を繰り返す間、いずれかのオン時間Ton1において信号V1=Lになったとき(すなわち、「Idet_th>Iout」になったとき)、半短絡電流による危険が解消したと判断し、サイクル動作を終了する。図3の例では、時間t7以後において電力制御装置3の外部の条件(電源装置2又は負荷装置4の状態など)に起因して負荷電流が低減し、時間t8においてサイクル動作を終了している。サイクル動作を終了するとき、制御回路32は、遮断信号Shut1=Hのままにする一方、タイマイネーブル信号Ten1をH→Lに遷移させ、これにより、リセット信号Rst1がL→Hに遷移し、クロック信号Clk1=Lになる。サイクル動作を終了した後、タイマ26及び制御回路32はスタンバイ状態となる。
図3の動作では、常に「Iout<Ilim_th」の状態にあり、「V2=L、かつ、Ten2=L」であるので、リセット信号Rst2=Hであり、リセット信号Rst2=Hである間は、クロック信号Clk2は初期化された状態(Clk2=L)のままである。
図3の動作によれば、オフ時間Toff1及びオン時間Ton1のサイクル動作を繰り返すことにより、半短絡電流が流れ続けることを防止しながら、半短絡電流による危険が解消したときには、すぐに通常動作に復帰することができる。
図4は、図1の電力制御装置3が一時的過電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。図4の動作では、負荷装置4側の容量成分が大きい場合を想定する。図4の時間t11〜t15までは、図3の時間t1〜t5までと同様である。
図4の例では、時間t15において遮断信号Shut1がL→Hに遷移したとき、負荷装置4側の容量成分を充電するための過電流が発生している。過電流は、負荷装置4側の容量成分を充電する間、時間t15〜t16の充電時間Tcにわたって発生し、このとき、出力電流Ioutの上限は過電流のしきい値Ilim_thで制限される。出力電圧Voutは、負荷装置4側の容量成分が充電されるにつれて、充電時間Tcにわたって0Vから入力電圧Vinまで次第に増大する。時刻t15において過電流が発生し、「Ilim_th≦Iout」(実際には、「Ilim_th=Iout」)になると、電流比較器29は信号V2をL→Hに遷移させ、これに応じて、リセット信号Rst2がH→Lに遷移し、タイマ30が起動してクロック信号Clk2の発振を開始する。制御回路32は、信号V2=Hが入力されたとき、発振するクロック信号Clk2に基づいて、予め設定された不感時間Tdead2を計時する。不感時間Tdead2は、その時間以上にわたって過電流が流れることを許容できない時間であり、不感時間Tdead2以上にわたって過電流が流れたときは事故電流とみなされ、不感時間Tdead2未満にわたって過電流が流れたときは事故電流ではない一時的過電流とみなされる。制御回路32は、信号V2=Hが不感時間Tdead2にわたって持続したとき(すなわち、「Ilim_th≦Iout」の状態が不感時間Tdead2にわたって持続したとき)、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させる。ただし、図4の例では、時間t15から不感時間Tdead2が経過する前、時間t16において、負荷装置4側の容量成分の充電が終了して「Ilim_th>Iout」になり、従って、信号V2はH→Lに遷移し、リセット信号Rst2がL→Hに遷移し、クロック信号Clk2=Lになり、遮断信号Shut1=Hのままである。図4の動作では、タイマイネーブル信号Ten2=Lのままである。
その後、制御回路32は、図3の動作と同様に、オフ時間Toff1及びオン時間Ton1のサイクル動作を繰り返す。
不感時間Tdead2の長さは、以下のように決定される。過電流が発生し、ほぼ同時に「Idet_th≦Iout」かつ「Ilim_th≦Iout」になったときは、制御回路32は、不感時間Tdead1及びTdead2の計時をそれぞれ開始する。この過電流を、半短絡電流としてではなく過電流として検出するために、不感時間Tdead2は、「Tdead1>Tdead2」を満たすように設定される。なお、図4の時間t15では、すでに半短絡電流を検出してサイクル動作を行っている最中であるので、「Idet_th≦Iout」を検出しても、不感時間Tdead1の計時を重ねて開始してはいない。さらに、負荷装置4側の容量成分が大きいほど、充電時間Tcも大きくなる。この充電時間Tcが不感時間Tdead2よりも大きい場合には、出力電圧Voutが入力電圧Vinに到達できなくなってしまう。従って、不感時間Tdead2は、その時間中に負荷装置4側の容量成分に充電するのに十分な長さ、すなわち「Tdead2>Tc」を満たすように設定される。不感時間Tdead2は、入力電圧Vinや、負荷装置4側の容量成分の大きさなどによって決まる。
図4の例では、オフ時間Toff1及びオン時間Ton1のサイクル動作を繰り返す間、オン時間Ton1において一時的過電流を検出しているが、サイクル動作を行っていない時間t11又はt13などにおいて一時的過電流を検出してもよい。
負荷装置4側の容量成分が大きい場合、出力電圧Voutが0VからVinまで立ち上がるとき負荷装置4側の容量成分を充電する電流は、図2の特性となる。言い換えると、負荷装置4側の容量成分が大きい場合、出力電圧Voutが立ち上がるとき、電流制限回路23が出力電流Ioutの上限を制限し、信号V2がL→Hに遷移する。
図5は、図1の電力制御装置3が事故電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。図5の動作では、負荷装置4側の容量成分が極めて小さい場合を想定する。負荷装置4の抵抗成分(例えば1Ω)による負荷電流が流れる場合を想定し、このため、図2を参照して説明したように、出力電圧Voutが低下すれば、出力電流Ioutも低下する。
電力制御装置3の外部の条件(電源装置2又は負荷装置4の状態など)に起因して過電流が発生し、時刻t21において「Idet_th≦Iout」になり、時刻t22において「Ilim_th≦Iout」になる。時間t22〜t23において過電流が発生し、このとき、出力電流Ioutの上限は過電流のしきい値Ilim_thで制限される。出力電流Ioutの上限を過電流のしきい値Ilim_thで制限するとき、図2を参照して説明したように、出力電圧VoutはVinからVlim1に低下する。「Idet_th≦Iout」になると、電流比較器25は信号V1をL→Hに遷移させ、これに応じて、リセット信号Rst1がH→Lに遷移し、タイマ26が起動してクロック信号Clk1の発振を開始する。「Ilim_th≦Iout」になると(又は、「Vshort=H、かつ、Shut1=H」になると)、電流比較器29は信号V2をL→Hに遷移させ、これに応じて、リセット信号Rst2がH→Lに遷移し、タイマ30が起動してクロック信号Clk2の発振を開始する。制御回路32は、信号V1=Hが入力されたとき、発振するクロック信号Clk1に基づいて不感時間Tdead1を計時し、さらに、信号V2=Hが入力されたとき、発振するクロック信号Clk2に基づいて不感時間Tdead2を計時する。制御回路32は、信号V1=Hが不感時間Tdead1にわたって持続したとき(すなわち、「Idet_th≦Iout」の状態が不感時間Tdead1にわたって持続したとき)、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させる。さらに、制御回路32は、不感時間Tdead1が経過する前に、信号V2=Hが不感時間Tdead2にわたって持続したとき(すなわち、「Idet_th≦Iout」又は「Vshort=H、かつ、Shut1=H」の状態が不感時間Tdead2にわたって持続したとき)、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させる。ただし、図5の例では、時間t22から不感時間Tdead2が経過する前、時間t23において「Ilim_th>Iout」になり、時間t21から不感時間Tdead1が経過する前、時間t24において「Idet_th>Iout」になる。「Idet_th>Iout」になると、信号V1はH→Lに遷移し、リセット信号Rst1がL→Hに遷移し、クロック信号Clk1=Lになり、遮断信号Shut1=Hのままである。「Idet_th>Iout」になると、信号V2はH→Lに遷移し、リセット信号Rst2がL→Hに遷移し、クロック信号Clk2=Lになり、遮断信号Shut1=Hのままである。
その後、再び過電流が発生し、時刻t25において「Idet_th≦Iout」になり、時刻t26において「Ilim_th≦Iout」になる。「Idet_th≦Iout」になると、電流比較器25は信号V1をL→Hに遷移させ、リセット信号Rst1がH→Lに遷移し、タイマ26はクロック信号Clk1の発振を開始し、制御回路32は、不感時間Tdead1を計時する。「Ilim_th≦Iout」になると、電流比較器29は信号V2をL→Hに遷移させ、リセット信号Rst2がH→Lに遷移し、タイマ30はクロック信号Clk2の発振を開始し、制御回路32は、不感時間Tdead2を計時する。制御回路32は、前述のように、不感時間Tdead1が経過する前に、信号V2=Hが不感時間Tdead2にわたって持続したとき(時間t27)、事故電流が発生したと判断し、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させる。遮断信号Shut1をH→Lに遷移させると、出力電流Iout=0になり、信号V2がH→Lに遷移するが、このとき、制御回路32は、クロック信号Clk2を発振させ続けるために、タイマイネーブル信号Ten2をL→Hに遷移させる。また、出力電流Iout=0になると、信号V1がH→Lに遷移し、クロック信号Clk1=Lになる。時間t27において遮断信号Shut1をH→Lに遷移させた後、制御回路32は、半導体スイッチ11をオフ時間Toff2にわたってオフする状態(遮断信号Shut1=L)と半導体スイッチ11をオン時間Ton2にわたってオンする状態(遮断信号Shut1=H)とを交互に繰り返すサイクル動作を開始する。制御回路32は、クロック信号Clk2に基づいて、予め設定されたオフ時間Toff2及びオン時間Ton2を計時する。オフ時間Toff2及びオン時間Ton2のサイクル動作を繰り返す間、制御回路32は、これらの時間を計時するために、タイマイネーブル信号Ten2=Hのままにし、これにより、リセット信号Rst2=Lのままになり、クロック信号Clk2は発振し続ける。
制御回路32は、サイクル動作を繰り返す間、各オン時間Ton2において、信号V2=Hが当該オン時間Ton2にわたって持続しているか否か(すなわち、「Ilim_th≦Iout」又は「Vshort=H、かつ、Shut1=H」の状態が当該オン時間Ton2にわたって持続しているか否か)を判断し、持続していれば、サイクル動作を続ける。図5の例では、時間t27〜t31にわたって「Vshort=H」になる場合を想定する。このとき、出力電流Ioutの上限はしきい値Ishortで制限される。出力電流Ioutの上限をしきい値Ishortで制限するとき、図2を参照して説明したように、出力電圧VoutはVinからVlim2に低下する。制御回路32は、サイクル動作を繰り返す間、いずれかのオン時間Ton2において信号V2=Lになったとき(すなわち、「Ilim_th>Iout」又は「Vshort=L」になったとき)、過電流による危険が解消したと判断し、サイクル動作を終了する。図5の例では、時間t30以後において外部の条件(電源装置2又は負荷装置4の状態など)に起因して負荷電流が低減し、時間t31においてサイクル動作を終了している。サイクル動作を終了するとき、制御回路32は、遮断信号Shut1=Hのままにする一方、タイマイネーブル信号Ten2をH→Lに遷移させ、これにより、リセット信号Rst2がL→Hに遷移し、クロック信号Clk2=Lになる。サイクル動作を終了した後、タイマ30及び制御回路32はスタンバイ状態となる。
図3及び図4のオフ時間Toff1及びオン時間Ton1と、図5のオフ時間Toff2及びオン時間Ton2との関係は、以下の通りである。図5のオン時間Ton2は、出力電流Ioutの上限をしきい値Ilim_th又はIshortで制限している状態、すなわち危険な状態であるので、消費電力は高くなっている。図3及び図4のオフ時間Toff1と、図5のオフ時間Toff2では、半導体スイッチ11がオフ状態であるので、消費電力はゼロである。よって、「Toff1=Toff2」かつ「Ton1=Ton2」と設定してしまうと、オフ時間Toff1及びオン時間Ton1のサイクル動作における平均消費電力に対し、オフ時間Toff2及びオン時間Ton2のサイクル動作におけるにおける平均消費電力が非常に高くなってしまい、直流給電システム1の発熱量を増大させることになる。よって、一般的には、「Toff1≪Toff2」及び「Ton1≫Ton2」の少なくとも一方を満たすように設定する。これらの時間を調整することにより、実際の直流給電システム1に応じて、事故電流を検出した後のサイクル動作における平均消費電力をユーザーが自由に調整することができる。
また、制御回路32は、タイマイネーブル信号Ten1=Hのとき、オフ時間Toff1又はオン時間Ton1であり、タイマイネーブル信号Ten1=Lのとき、その他の時間(不感時間Tdead1及びTdead2を含む)であると判断することができる。従って、遮断信号Shut1=Hのとき、タイマイネーブル信号Ten1=Lであれば、信号V1=Hが不感時間Tdead1にわたって持続するか否かを判断し、持続したときには、オフ時間Toff1及びオン時間Ton1のサイクル動作を開始する。一方、遮断信号Shut1=Hのとき、タイマイネーブル信号Ten1=Hであれば、信号V1=Hがオン時間Ton1にわたって持続するか否かを判断し、持続したときには、遮断信号Shut1をH→Lに遷移させ(オフ時間)、サイクル動作を継続し、そうでないときには、遮断信号Shut1=Hのままにして、サイクル動作を終了する。同様に、制御回路32は、タイマイネーブル信号Ten2=Hのとき、オフ時間Toff2又はオン時間Ton2であり、タイマイネーブル信号Ten2=Lのとき、その他の時間であると判断することができる。
図5の例では、時間t27〜t31において「Vshort=H」になり、出力電流Ioutの上限をしきい値Ishortで制限し、出力電圧Vout=Vlim2になっている場合を説明したが、これに代えて、「Vshort=L」であり、出力電流Ioutの上限がしきい値Ilim_thで制限された場合でも、同様に動作可能である。この場合、「Ilim_th≦Iout」の状態がオン時間Ton2にわたって持続しているか否か)が判断される。また、時間t22又はt25などにおいて「Vshort=H、かつ、Shut1=H」になったとき、不感時間Tdead2の計時を開始してもよい。
出力電流Ioutの上限を過電流のしきい値Ilim_thで制限した状態は、出力電流Ioutの上限が制限されているとはいえ、出力電圧Voutの低下により消費電力が増大しているので、極めて危険な状態である。よって、図5の動作では、不感時間Tdead2が経過した後に半導体スイッチ11をオフ状態にすることにより、出力電流Iout(従って消費電力)を0にしている。さらに、図5の動作によれば、オフ時間Toff2及びオン時間Ton2のサイクル動作を繰り返すことにより、過電流が流れ続けることを防止しながら、過電流による危険が解消したときには、すぐに通常動作に復帰することができる。
以上の説明では、一時的過電流として、負荷装置4の容量成分を充電する電流を想定したが、これに限らず、任意の一時的過電流にも対処することができる。
電流監視及び制御回路13内の各信号V1,V2,Ten1,Ten2,Rst1,Rst2,Clk1,Clk2,Shut1,Vshortは、ハイレベルのとき、例えば入力電圧Vin(例えば、3V、4V、又は他の電圧)と等しい値にされ、ローレベルのとき、例えば0Vにされるが、他の値を用いてもよい。
以上説明したように、電流監視及び制御回路13は、「Idet_th≦Iout」である状態が不感時間Tdead1にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフし、「Ilim_th≦Iout」以上である状態が、不感時間Tdead2にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフするように駆動回路12を介して半導体スイッチ11を制御する。
また、電流監視及び制御回路13は、「Idet_th≦Iout」である状態が不感時間Tdead1にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフ時間Toff1にわたってオフする状態と半導体スイッチ11をオン時間Ton1にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第1のサイクル動作を開始し、オン時間Ton1において「Idet_th>Iout」になったとき、第1のサイクル動作を終了する。電流監視及び制御回路13は、「Ilim_th≦Iout」である状態が不感時間Tdead2にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフ時間Toff2にわたってオフする状態と半導体スイッチ11をオン時間Ton2にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第2のサイクル動作を開始し、オン時間Ton2において、「Ilim_th>Iout」になったとき、第2のサイクル動作を終了する。
また、電流監視及び制御回路13は、「Ilim_th≦Iout」又は「Vshort=H、かつ、Shut1=H」である状態が不感時間Tdead2にわたって持続したとき、第2のサイクル動作を開始し、オン時間Ton2において、「Ilim_th≦Iout」及び「Vshort=H」のいずれでもないとき、第2のサイクル動作を終了する。
また、電流監視及び制御回路13は、不感時間Tdead1、オフ時間Toff1、及びオン時間Ton1を計時するときのみ、タイマ26を動作させ、不感時間Tdead2、オフ時間Toff2、及びオン時間Ton2を計時するときのみ、タイマ30を動作させる。
以上説明したように、本実施形態の電力制御装置3によれば、過電流(Ilim_th≦Iout)が発生した場合に、それが事故電流(不感時間Tdead2以上にわたって持続するとき)であるのか、それとも一時的過電流(不感時間Tdead2未満にわたって持続するとき)であるのかを判断し、事故電流である場合にのみ半導体スイッチ11をオフし、さらに、半短絡電流(Idet_th≦Iout)が不感時間Tdead1以上にわたって持続するときにも半導体スイッチ11をオフすることができる。
出力電流Ioutの上限を過電流のしきい値Ilim_thで制限することにより、直流給電システム1の安全性が向上する。
また、過電流のしきい値Ilim_th、半短絡電流のしきい値Idet_th、不感時間Tdead1及びTdead2、オフ時間Toff1及びToff2、オン時間Ton1及びTon2は、それぞれ個別に設定可能であり、直流給電システム1及び他の外部装置の特性に応じて最適に設計可能である。
第2の実施形態.
図6は、本発明の第2の実施形態に係る直流給電システム1Aの構成を示すブロック図である。直流給電システム1Aの電力制御装置3Aは、図1の電力制御装置3の構成に加えて、電圧監視及び制御回路15を備えたことを特徴とする。第1の実施形態で説明したように、電流監視及び制御回路13は、出力電流Ioutに基づいて、半導体スイッチ11を「オン状態」、「オフ状態」、及び「制限状態」のいずれかに制御するが、一方、電圧監視及び制御回路15は、負荷装置4に関連付けられた検出電圧Vsenに基づいて、半導体スイッチ11を「オン状態」又は「オフ状態」に制御する。電圧監視及び制御回路15は、検出電圧Vsenに基づいて遮断信号Shut2(詳細後述)を生成する。駆動回路12Aは、図1の駆動回路12と同様に、電流監視及び制御回路13によって生成される遮断信号Shut1及び制限信号Ilim_ctrlに応じて動作するとともに、電圧監視及び制御回路15によって生成される遮断信号Shut2に応じて動作する。
負荷装置4において過電流が発生すると検出電圧Vsenが降下する。従って、電圧監視及び制御回路15は、検出電圧Vsenの降下を検出することにより、負荷装置4に過電流が流れることを防止する。
電圧監視及び制御回路15は、基準電圧源41、電圧比較器42、タイマ43、NOR回路44、及び制御回路45を備える。
電圧監視及び制御回路15には、電力制御装置3Aの電圧監視端子SENを介して、負荷装置4に関連付けられた検出電圧Vsenが入力される。基準電圧源41は、予め設定された基準電圧Vrefを生成する。電圧比較器42は、検出電圧Vsenと基準電圧Vrefとを比較し、「Vsen<Vref」のとき、信号V3=Hを出力し、「Vsen≧Vref」のとき、信号V3=Lを出力する。信号V3は、タイマ43、NOR回路44、及び制御回路45に送られる。NOR回路44には、信号V3と、制御回路45によって生成されるタイマイネーブル信号Ten3とが入力され、これらの信号の両方がローレベルのとき、リセット信号Rst3=Hを出力し、そうでないときは、リセット信号Rst3=Lを出力する。タイマ43は、信号V3がL→Hに遷移したとき(従って、リセット信号Rst3=Lのとき)、クロック信号Clk3の発振を開始し、その後、リセット信号Rst3がローレベルである間は、クロック信号Clk3を発振し続ける。リセット信号Rst3=Hのとき、クロック信号Clk3はリセットされてローレベルになる。タイマイネーブル信号Ten3は、所定時間にわたってクロック信号Clk3を発振し続けるために、制御回路45によって生成される(詳細後述)。タイマイネーブル信号Ten3は、電力制御装置3の起動時に必ずローレベルに初期化される。
制御回路45は、信号V3=Hが入力されたとき、発振するクロック信号Clk3に基づいて、予め設定された不感時間、オフ時間、及びオン時間を内部のラッチ及びカウンタなどの論理演算回路(図示せず)により計時することで、半導体スイッチ11のオン状態及びオフ状態を示す遮断信号Shut2を生成する。電圧監視及び制御回路15は、遮断信号Shut2を駆動回路12Aに送り、これにより、半導体スイッチ11を「オン状態」又は「オフ状態」に制御する。遮断信号Shut2=Hのとき、半導体スイッチ11はオン状態になり、遮断信号Shut2=Lのとき、半導体スイッチ11はオフ状態になる。遮断信号Shut2はさらに、必要であれば外部回路(図示せず)により使用するために、電力制御装置1Aの状態出力端子SOUT2に送られる。
図7は、図6の電力制御装置3Aが負荷装置4に関連付けられた電圧降下を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。
電力制御装置3が起動した後、時間t41までは、「Vsen≧Vref」の状態が続く。「V3=L、かつ、Ten3=L」であるので、リセット信号Rst3=Hであり、リセット信号Rst3=Hである間は、クロック信号Clk3は初期化された状態(Clk3=L)のままである。時刻t41において、負荷装置4に過電流が流れて「Vsen<Vref」になると、電圧比較器42は信号V3をL→Hに遷移させ、これに応じて、リセット信号Rst3がH→Lに遷移し、タイマ43が起動してクロック信号Clk3の発振を開始する。制御回路45は、信号V3=Hが入力されたとき、発振するクロック信号Clk3に基づいて、予め設定された不感時間Tdead3を計時する。制御回路45は、信号V3=Hが不感時間Tdead3にわたって持続したとき(すなわち、「Vsen<Vref」の状態が不感時間Tdead3にわたって持続したとき)、遮断信号Shut2をH→Lに遷移させる。ただし、図7の例では、時間t41から不感時間Tdead3が経過する前、時間t42において「Vsen≧Vref」になるので、信号V3はH→Lに遷移し、リセット信号Rst3がL→Hに遷移し、クロック信号Clk3=Lになり、遮断信号Shut2=Hのままである。
図7の時間t43において、「Vsen<Vref」になると、電圧比較器42は信号V3をL→Hに遷移させ、リセット信号Rst3がH→Lに遷移し、タイマ43はクロック信号Clk3の発振を開始し、制御回路45は、不感時間Tdead3を計時する。制御回路45は、前述のように、信号V3=Hが不感時間Tdead3にわたって持続したとき(時間t44)、遮断信号Shut2をH→Lに遷移させる。遮断信号Shut2をH→Lに遷移させたとき、制御回路45は、クロック信号Clk3を後述のサイクル動作を行う間に発振させ続けるために、タイマイネーブル信号Ten3をL→Hに遷移させる。時間t44において遮断信号Shut2をH→Lに遷移させた後、制御回路45は、半導体スイッチ11をオフ時間Toff3にわたってオフする状態(遮断信号Shut2=L)と半導体スイッチ11をオン時間Ton3にわたってオンする状態(遮断信号Shut2=H)とを交互に繰り返すサイクル動作を開始する。制御回路45は、クロック信号Clk3に基づいて、予め設定されたオフ時間Toff3及びオン時間Ton3を計時する。オフ時間Toff3及びオン時間Ton3のサイクル動作を繰り返す間、制御回路45は、これらの時間を計時するために、タイマイネーブル信号Ten3=Hのままにし、これにより、リセット信号Rst3=Lのままになり、クロック信号Clk3は発振し続ける。
制御回路45は、サイクル動作を繰り返す間、各オン時間Ton3において、信号V3=Hが当該オン時間Ton3にわたって持続しているか否か(すなわち、「Vsen<Vref」の状態が当該オン時間Ton3にわたって持続しているか否か)を判断し、持続していれば、サイクル動作を続ける。制御回路45は、サイクル動作を繰り返す間、いずれかのオン時間Ton3において信号V3=Lになったとき(すなわち、「Vsen≧Vref」になったとき)、負荷装置4の過電流による危険が解消したと判断し、サイクル動作を終了する。図7の例では、時間t47以後において電力制御装置3の外部の条件(電源装置2又は負荷装置4の状態など)に起因して負荷電流が低減し、時間t48においてサイクル動作を終了している。サイクル動作を終了するとき、制御回路45は、遮断信号Shut2=Hのままにする一方、タイマイネーブル信号Ten3をH→Lに遷移させ、これにより、リセット信号Rst3がL→Hに遷移し、クロック信号Clk3=Lになる。サイクル動作を終了した後、タイマ43及び制御回路45はスタンバイ状態となる。
図1の制御回路32と同様に、制御回路45は、タイマイネーブル信号Ten3=Hのとき、オフ時間Toff4又はオン時間Ton4であり、タイマイネーブル信号Ten3=Lのとき、その他の時間(不感時間Tdead3を含む)であると判断することができる。
電圧監視及び制御回路15内の各信号V3,Ten3,Rst3,Clk3,Shut2は、ハイレベルのとき、例えば入力電圧Vin(例えば、3V、4V、又は他の電圧)と等しい値にされ、ローレベルのとき、例えば0Vにされるが、他の値を用いてもよい。
以上説明したように、電圧監視及び制御回路15は、「Vsen<Vref」である状態が不感時間Tdead3にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフするように駆動回路12Aを介して半導体スイッチ11を制御する。
また、電圧監視及び制御回路15は、「Vsen<Vref」である状態が不感時間Tdead3にわたって持続したとき、半導体スイッチ11をオフ時間Toff3にわたってオフする状態と半導体スイッチ11をオン時間Ton3にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第3のサイクル動作を開始し、オン時間Ton3において「Vsen≧Vref」になったとき、第3のサイクル動作を終了する。
また、電圧監視及び制御回路15は、不感時間Tdead3、オフ時間Toff3、及びオン時間Ton3を計時するときのみ、タイマ43を動作させる。
基準電圧Vref、不感時間Tdead3、オフ時間Toff3、オン時間Ton3は、それぞれ個別に設定可能であり、直流給電システム1A及び他の外部装置の特性に応じて最適に設計可能である。
図6の電力制御装置3Aによれば、電流監視及び制御回路13と、電圧監視及び制御回路15とを備えたことにより、直流給電システム1Aにおいてより多くの異常状態を検出できるようになり、直流給電システム1Aの用途を増やすことができる。
図8は、本発明の第2の実施形態の第1の実施例に係る直流給電システム1AAの構成を示すブロック図である。直流給電システム1AAは、図6の電力制御装置3Aを備える。図8の直流給電システム1AAは、図6の負荷装置4に代えて、レギュレータ5及び抵抗R1を含む負荷装置4Aを備え、レギュレータ5は、電力制御装置3Aの出力電圧Vout(例えば4V)からレギュレータ出力電圧Vrout(例えば3V)を生成し、実際の負荷である抵抗R1に供給する。電力制御装置3Aは、負荷装置4に関連付けられた検出電圧Vsenとして、レギュレータ5及び抵抗R1の間のノードにおける電圧Vroutを監視する。
図9は、図8の電力制御装置3Aによる電流制限を説明するためのレギュレータ出力電圧Vroutに対する出力電流Ioutの特性を示す概略図である。抵抗R1の抵抗値に応じてそこに流れる電流は増減するが、電力制御装置3Aは、その出力電流Ioutの上限を予め設定可能なしきい値Ilim_vrで制限する。出力電流Ioutの上限を予め設定可能なしきい値Ilim_vrで制限しているとき、図2を参照して説明したように、レギュレータ出力電圧Vrout及び出力電流Ioutは、フォールドバック特性と右上がりの点線との交点A、Bにおいて安定する。図9に示すように、抵抗R1の抵抗値が小さいほど、レギュレータ出力電圧Vroutは低下する。レギュレータ出力電圧Vroutが小さいほど(すなわち、抵抗R1の抵抗値が小さいほど)、レギュレータ5には大きな過電流が流れ、危険な状態にある。従って、電力制御装置3Aは、レギュレータ出力電圧Vroutに基づいて、内部の半導体スイッチ11を「オン状態」又は「オフ状態」に制御する。
図10は、図8の電力制御装置3Aが負荷装置4Aの過電流を検出したときの動作を示すタイミングチャートである。レギュレータ出力電圧Vroutの上限を3Vに設定する。抵抗R1の抵抗値が通常時において1MΩであるとすると、このとき、電力制御装置3Aの出力電流Ioutは3μAになる。短絡などに起因して抵抗R1=2Ωになると、図9を参照して説明したように、出力電流Ioutが増大して、その上限がしきい値Ilim_vrで制限された状態になり、レギュレータ出力電圧Vroutは、基準電圧Vref未満の点Bまで低下する(時間t53)。以後、図7と同様に動作する。
負荷装置4Aは、レギュレータ5及び抵抗R1以外の回路であってもよい。また、負荷装置4Aに関連付けられた検出電圧Vsenは、図8に示すものとは異なるノードにおける電圧であってもよい。
以上説明したように、電力制御装置3Aは、負荷装置4Aに関連付けられた電圧を監視することで、直流給電システム1の消費電力を制御できる。
図11は、本発明の第2の実施形態の第2の実施例に係る直流給電システム1ABの構成を示すブロック図である。直流給電システム1ABは、図6の電力制御装置3Aを備える。直流給電システム1ABは、入力電圧Vinと接地との間に直接接続された抵抗R2及びNTCサーミスタ6を備える。NTCサーミスタ6は、負荷装置4(又は、温度を検出することを希望する他の位置)に近接して設けられ、負荷装置4の温度が増大すると低下する抵抗値を有する。抵抗R2は、温度が変化しても実質的に一定の抵抗値を有する。電力制御装置3Aは、負荷装置に関連付けられた検出電圧Vsenとして、抵抗R2及びNTCサーミスタ6の間のノードにおける電圧Vtherm1を監視する。従って、負荷装置に関連付けられた検出電圧Vsenは、負荷装置4の温度に応じて変化する。
図12は、図11のNTCサーミスタ6の温度特性を示す概略図である。図12に示すように、抵抗R2及びNTCサーミスタ6の間のノードにおける電圧Vtherm1は、温度が上昇するほど低下する。過電流により発熱した結果、危険な状態にあると判断して検出する温度のしきい値Temp1は、抵抗R2の抵抗値と、NTCサーミスタ6の抵抗値と、電力制御装置3Aの電圧監視及び制御回路15の基準電圧Vrefとを調整することによって、調整可能である。
図11の電力制御装置3Aによれば、NTCサーミスタ6により負荷装置4の温度を検出して、当該温度がしきい値Temp1を超えて増大したときには、内部の半導体スイッチ11を「オフ状態」にして、直流給電システム1ABの発熱を停止することが可能である。
図8又は図11の電力制御装置3Aは、レギュレータ出力電圧Vrout又は電圧Vtherm1が基準電圧Vref未満に低下したとき、必要であれば外部回路(図示せず)により使用するために、遮断信号Shut2を電力制御装置3Aの状態出力端子SOUT2から出力してもよい。
第3の実施形態.
図13は、本発明の第3の実施形態に係る直流給電システム1Bの構成を示すブロック図である。図6の電力制御装置3Aは、危険な状態として、「Vsen<Vref」になるときを検出したが、「Vsen>Vref」を検出してもよい。図13の直流給電システム1Bにおいて、電力制御装置3Bは、図6の電圧比較器42とは逆の反転入力端子及び非反転入力端子を有する電圧比較器42Aを備えた電圧監視及び制御回路15Aを備える。電圧比較器42Aは、「Vsen≧Vref」のとき、信号V3=Hを出力し、「Vsen<Vref」のとき、信号V3=Lを出力する。
図14は、本発明の第3の実施形態の第1の実施例に係る直流給電システム1BAの構成を示すブロック図である。直流給電システム1BAは、図13の電力制御装置3Bを備える。直流給電システム1ABは、入力電圧Vinと接地との間に直接接続されたNTCサーミスタ6A及び抵抗R3を備える。図14のNTCサーミスタ6A及び抵抗R3は、図11のNTCサーミスタ6及び抵抗R2とは逆に接続されている。電力制御装置3Bは、負荷装置に関連付けられた検出電圧Vsenとして、NTCサーミスタ6A及び抵抗R3の間のノードにおける電圧Vtherm2を監視する。従って、負荷装置に関連付けられた検出電圧Vsenは、負荷装置4の温度に応じて変化する。
図15は、図14のNTCサーミスタ6Aの温度特性を示す概略図である。図15に示すように、NTCサーミスタ6A及び抵抗R3の間のノードにおける電圧Vtherm2は、温度が上昇するほど増大する。過電流により発熱した結果、危険な状態にあると判断して検出する温度のしきい値Temp2は、NTCサーミスタ6Aの抵抗値と、抵抗R3の抵抗値と、電力制御装置3Aの電圧監視及び制御回路15の基準電圧Vrefとを調整することによって、調整可能である。
図14の電力制御装置3Bによれば、NTCサーミスタ6Aにより負荷装置4の温度を検出して、当該温度がしきい値Temp2を超えて増大したときには、内部の半導体スイッチ11を「オフ状態」にして、直流給電システム1BAの発熱を停止することが可能である。
図16は、本発明の第3の実施形態の第2の実施例に係る直流給電システム1BBの構成を示すブロック図である。直流給電システム1BBは、図13の電力制御装置3Bを備える。電力制御装置3Bは、負荷装置4に関連付けられた検出電圧Vsenとして、入力電圧Vinを監視する。図16の直流給電システム1BBでは、不感時間Tdead3を0に設定する。このとき、例えば、負荷装置4が破壊するほどの高い過電圧が入力電圧Vinとして検出された場合、電力制御装置3Bは、不感時間Tdead3=0であるので、内部の半導体スイッチ11を直ちにオフ状態にし、過電圧が負荷装置4へ印加されることはなく、負荷装置4の破壊を防止することができる。検出する過電圧は、電力制御装置3Bの電圧監視及び制御回路15Aの基準電圧Vrefを調整することによって、調整可能である。
図14又は図16の電力制御装置3Bは、電圧Vtherm2又は入力電圧Vinが基準電圧Vrefを超えて増大したとき、必要であれば外部回路(図示せず)により使用するために、遮断信号Shut2を電力制御装置3Bの状態出力端子SOUT2から出力してもよい。
図6の電力制御装置3A及び図13の電力制御装置3Bにおいて、複数の電圧監視及び制御回路15又は15Aと、複数の電圧監視端子SENとを設けることにより、複数の電圧を監視対象として設定することができる。
複数の電圧監視及び制御回路において、不感時間Tdead3、OFF時間Toff3、ON時間Ton3は、それぞれ個別に設定可能であり、詳細な検出条件又は多様な検出条件を設定して、直流給電システム及び他の外部装置の特性に応じて最適な電力制御が可能である。
第4の実施形態.
図17は、本発明の第4の実施形態に係る直流給電システム1Cの構成を示すブロック図である。図17の直流給電システム1Cは、図1の電力制御装置3の基準電流Idet_ref及びIlim_refを、電力制御装置3の外部から調整可能にしたことを特徴とする。電力制御装置3Cは、基準電流源24A及び28Aを備えた電流監視及び制御回路13Aを備える。基準電流源24Aは、電力制御装置3Cの調整端子ADJ1を介して抵抗R4の一端に接続され、抵抗R4の他端は接地される。同様に、基準電流源28Aは、電力制御装置3Cの調整端子ADJ2を介して抵抗R5の一端に接続され、抵抗R5の他端は接地される。
図18は、図17の基準電流源24Aの構成を示す回路図である。基準電流源24Aは、基準電圧源51、比較器52、トランジスタM1、M2を備える。基準電流源24Aは、基準電圧源51の基準電圧Vref_adjと、調整端子における帰還電圧Iadj1とが同電圧になるよう動作する負帰還回路である。このとき、トランジスタM1に流れる電流I_bias1は、抵抗R4と帰還電圧Iadj1とで決まり、「I_bias1=Iadj1/R4」と表される。前述の通り、「Vref_adj=Iadj1」となるので、上式は、「I_bias1=Vref_adj/R4」となる。トランジスタM2は、トランジスタM1とのサイズ比Ratio1によって、カレントミラー電流を発生し、このカレントミラー電流が基準電流Idet_refとして出力される。すなわち、「Idet_ref=Ratio1×(Vref_adj/R4)」を満たす。これにより、サイズ比Ratio1及び基準電圧Vref_adjを予め設定し、抵抗R4の抵抗値を調整することで、ユーザーが所望の基準電流Idet_refを設定可能である。
図17のもう1つの基準電流源28Aについても、同様の方法で基準電流Ilim_refを外部から調整することが可能である。
第5の実施形態.
図19は、本発明の第5の実施形態に係る直流給電システム1Dの構成を示すブロック図である。図19の直流給電システム1Dは、図1の電力制御装置3のクロック信号Clk1及びClk2の周期を、電力制御装置3の外部から調整可能にしたことを特徴とする。電力制御装置3Dは、タイマ26A及び30Aを備えた電流監視及び制御回路13Bを備える。タイマ26Aは、電力制御装置3Dの調整端子ADJ3を介してコンデンサC1の一端に接続され、コンデンサC1の他端は接地される。同様に、タイマ30Aは、電力制御装置3Dの調整端子ADJ4を介してコンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC2の他端は接地される。
図20は、図19のタイマ26Aの構成を示すブロック図である。タイマ26Aは、シュミットトリガ回路61及び抵抗R6を含み、シュミットトリガ回路61及び抵抗R6と、外部のコンデンサC1とは、発振器として動作する。これにより、抵抗R6の抵抗値及びシュミットトリガ回路61のしきい値を予め設定し、コンデンサC1の容量値を調整することで、ユーザーが所望の周期をクロック信号Clk1に設定可能である。
前述のように、制御回路32は、信号V1又はV2が入力されたとき、対応する発振するクロック信号Clk1又はClk2に基づいて、予め設定された不感時間、オフ時間、及びオン時間を内部のラッチ及びカウンタなどの論理演算回路(図示せず)により計時する。従って、クロック信号の発振の周期を調整することで、不感時間、オフ時間、及びオン時間の長さを調整することができる。
図19のもう1つのタイマ30Aについても、同様の方法でクロック信号Clk2の周期を外部から調整することが可能である。
以上説明したクロック信号の周期を外部から調整する方法は、図6又は図13のタイマ43にも適用可能である。
第6の実施形態.
図21は、本発明の第6の実施形態に係る直流給電システム1Eの構成を示すブロック図である。図1の電力制御装置3では、半導体スイッチ11のオン状態及びオフ状態は、出力電流Ioutに基づく遮断信号Shut1によって制御されたが、出力電流Ioutとは無関係な外部からの制御信号に基づいて制御してもよい。直流給電システム1Eは、チップイネーブル端子CEと、チップイネーブル端子CEを介して入力される制御信号に応じて動作する駆動回路12Bとを備えた電力制御装置3Eを備える。
制御信号がハイレベルであるとき、半導体スイッチ11は電流監視及び制御回路13によって制御され、制御信号がローレベルであるとき、半導体スイッチ11は常にオフ状態になる。これによって、必要に応じて、出力電流Ioutの状態にかかわらず半導体スイッチ11をオフ状態にすることができるので、直流給電システム1の電力制御をより自由かつ詳細に設定することが可能である。
以上説明したチップイネーブル端子CEを介して制御信号を駆動回路12Bに入力する方法は、図6又は図13の電力制御装置3A、3Bにも適用可能である。
以上説明したように、本発明の態様に係る電力制御装置によれば、
電源装置から負荷装置に供給される電力を制御する電力制御装置において、上記電力制御装置は、
上記電力制御装置の入力電圧端子及び出力電圧端子の間に設けられた半導体スイッチと、
上記半導体スイッチを駆動する駆動回路と、
上記半導体スイッチに流れて上記電力制御装置から出力される出力電流を検出する電流センサと、
上記出力電流に基づいて、上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御する電流監視及び制御回路とを備え、
上記電流監視及び制御回路は、
上記出力電流が第1の電流しきい値以上である状態が第1の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフし、
上記出力電流が上記第1の電流しきい値より大きい第2の電流しきい値以上である状態が、上記第1の不感時間より短い第2の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフするように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする。
上記電力制御装置において、
上記電流監視及び制御回路は、
上記出力電流が上記第1の電流しきい値以上である状態が上記第1の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチを第1のオフ時間にわたってオフする状態と上記半導体スイッチを第1のオン時間にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第1のサイクル動作を開始し、
上記第1のオン時間において上記出力電流が上記第1の電流しきい値未満になったとき、上記第1のサイクル動作を終了し、
上記出力電流が上記第2の電流しきい値以上である状態が上記第2の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチを第2のオフ時間にわたってオフする状態と上記半導体スイッチを第2のオン時間にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第2のサイクル動作を開始し、上記第2のオフ時間及び上記第2のオン時間は、上記第2のオフ時間が上記第1のオフ時間より長いこと、及び、上記第2のオン時間が上記第1のオン時間より短いことのすくなくとも一方を満たすように設定され、
上記第2のオン時間において、上記出力電流が上記第2の電流しきい値未満になったとき、上記第2のサイクル動作を終了することを特徴とする。
上記電力制御装置において、
上記第1の電流しきい値は、上記出力電圧端子において、又は上記出力電圧端子よりも後段において、半短絡状態が発生したときの電流に対応し、
上記第2の電流しきい値は、上記電力制御装置の定格電流を超過した電流に対応し、
上記電流監視及び制御回路は、上記出力電流の上限を上記第2の電流しきい値で制限するように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする。
上記電力制御装置において、
上記電流監視及び制御回路は、
上記出力電圧端子における出力電圧が上記入力電圧端子における入力電圧に対して予め設定された電圧低下量を超えて低下したとき、上記出力電流の上限を上記第2の電流しきい値より小さい第3の電流しきい値で制限するように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御し、
上記出力電流が上記第2の電流しきい値以上である状態が上記第2の不感時間にわたって持続したとき、又は、上記出力電流の上限を上記第3の電流しきい値で制限し、かつ、上記出力電流が上記第3の電流しきい値に達している状態が上記第2の不感時間にわたって持続したとき、上記第2のサイクル動作を開始し、
上記第2のオン時間において、上記出力電流が上記第2の電流しきい値以上である状態及び上記出力電流の上限を上記第3の電流しきい値で制限している状態のいずれでもないとき、上記第2のサイクル動作を終了することを特徴とする。
上記電力制御装置において、
上記電流監視及び制御回路は第1及び第2のタイマを備え、上記第1の不感時間、上記第1のオフ時間、及び上記第1のオン時間を計時するときのみ、上記第1のタイマを動作させ、上記第2の不感時間、上記第2のオフ時間、及び上記第2のオン時間を計時するときのみ、上記第2のタイマを動作させることを特徴とする。
上記電力制御装置は、上記負荷装置に関連付けられた電圧に基づいて、上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御する電圧監視及び制御回路をさらに備え、
上記電圧監視及び制御回路は、上記負荷装置に関連付けられた電圧が電圧しきい値未満である状態が第3の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフするように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする。
上記電力制御装置において、
上記電圧監視及び制御回路は、
上記負荷装置に関連付けられた電圧が上記電圧しきい値未満である状態が上記第3の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチを第3のオフ時間にわたってオフする状態と上記半導体スイッチを第3のオン時間にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第3のサイクル動作を開始し、
上記第3のオン時間において上記負荷装置に関連付けられた電圧が上記電圧しきい値以上になったとき、上記第3のサイクル動作を終了することを特徴とする。
上記電力制御装置において、上記電圧監視及び制御回路は第3のタイマを備え、上記第3の不感時間、上記第3のオフ時間、及び上記第3のオン時間を計時するときのみ、上記第3のタイマを動作させることを特徴とする。
上記電力制御装置において、上記負荷装置に関連付けられた電圧は、上記負荷装置の出力電圧であることを特徴とする。
上記電力制御装置において、上記負荷装置に関連付けられた電圧は、上記電力制御装置の入力電圧端子における入力電圧であることを特徴とする。
上記電力制御装置において、上記負荷装置に関連付けられた電圧は、上記負荷装置の温度に応じて変化することを特徴とする。
本発明の態様に係る作用効果は、以下の通りである。
外付け部品や複数の制御ICを必要とせずに、「事故電流と一時的過電流の判別」や「半短絡電流の検出」、「負荷装置への供給電流の瞬時制限」という、正確かつ安全な過電流保護を、本発明の技術を実装した単一のICで実現できるので、省スペース化及び低コスト化、各動作検証の簡素化を実現できる。また、2つの電流しきい値Idet_th、Ilim_th、不感時間Tdead1、不感時間Tdead2は、予め個別に設定可能であるので、個別の直流給電システムに応じて最適な電力制御を実現できる。
外付け部品(特にフューズ素子)や複数の制御ICを必要とせずに、「危険状態を検出したことにより半導体スイッチを遮断した後の、遮断(オフ時間)、自動的な再度の電力供給、及び再度の判断(オン時間)からなるサイクル動作」を含む正確かつ安全な過電流保護を、本発明の技術を実装した単一のICで実現できるため、省スペース化及び低コスト化、各動作検証の簡素化を実現できる。また、オフ時間及びオン時間は予め個別に設定可能であるため、個別の直流給電システムに応じて最適な電力制御を実現できる。
さらに電圧監視端子を設けることで、正確かつ安全な過電流保護動作に加えて、異常電圧時の電力制御を、本発明の技術を実装した単一のICで実現できるため、省スペース化及び低コスト化、各動作検証の簡素化を実現できる。
外付け部品や複数の制御ICを必要とせずに、「負荷装置に関連付けられた電圧の異常を電圧監視端子を介して検出し、半導体スイッチ遮断後の、遮断(オフ時間)、自動的な再度の電力供給、及び再度の判断(オン時間)からなるサイクル動作」を、本発明の技術を実装した単一のICで実現できるため、正確かつ安全な電力制御、省スペース化及び低コスト化、各動作検証の簡素化を実現できる。また、オフ時間及びオン時間は予め個別に設定可能であるため、個別の直流給電システムに応じて最適な電力制御を実現できる。
電圧監視端子を設けたことで、外付け部品や複数の制御ICを必要とせずに、「半導体スイッチング素子の後段の負荷装置の電力状態の管理」を、本発明の技術を実装した単一のICで実現できるため、正確かつ安全な電力制御が可能、省スペース化及び低コスト化、各動作検証の簡素化を実現できる。
電圧監視端子を設けたことで、外付け部品や複数の制御ICを必要とせずに、「システム内の詳細な温度管理」を、本発明の技術を実装した単一のICで実現できるため、正確かつ安全な電力制御が可能、省スペース化及び低コスト化、各動作検証の簡素化を実現できる。
タイマを常時動作させず、必要なときだけ動作させることで、回路全体の動作電流を抑え、低消費電力化を実現できる。
本発明は、例えば、パワーMOSFETの過電流保護装置、パワースイッチIC、及びパワースイッチを内蔵するICの過電流保護回路などに適用可能である。
1,1A〜1E…直流給電システム、
2…電源装置、
3,3A〜3E…電力制御装置、
4,4A…負荷装置、
5…レギュレータ、
6,6A…NTCサーミスタ、
11…半導体スイッチ、
12,12A,12B…駆動回路、
13,13A,13B…電流監視及び制御回路、
14…電流センサ、
15,15A…電圧監視及び制御回路、
21…電圧オフセット回路、
22…電圧比較器、
23…電流制限回路、
24,24A,28,28A…基準電流源、
25,29…電流比較器、
26,26A,30,30A…タイマ、
27,31…NOR回路、
32…制御回路、
41…基準電圧源、
42,42A…電圧比較器、
43…タイマ、
44…NOR回路、
45…制御回路、
51…基準電圧源、
52…比較器、
61…シュミットトリガ回路、
C1,C2…コンデンサ、
M1,M2…半導体スイッチ、
R1〜R6…抵抗。
特開2007−74794号公報 特開2011−217498号公報

Claims (11)

  1. 電源装置から負荷装置に供給される電力を制御する電力制御装置において、上記電力制御装置は、
    上記電力制御装置の入力電圧端子及び出力電圧端子の間に設けられた半導体スイッチと、
    上記半導体スイッチを駆動する駆動回路と、
    上記半導体スイッチに流れて上記電力制御装置から出力される出力電流を検出する電流センサと、
    上記出力電流に基づいて、上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御する電流監視及び制御回路とを備え、
    上記電流監視及び制御回路は、
    上記出力電流が第1の電流しきい値以上である状態が第1の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフし、
    上記出力電流が上記第1の電流しきい値より大きい第2の電流しきい値以上である状態が、上記第1の不感時間より短い第2の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフするように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする電力制御装置。
  2. 上記電流監視及び制御回路は、
    上記出力電流が上記第1の電流しきい値以上である状態が上記第1の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチを第1のオフ時間にわたってオフする状態と上記半導体スイッチを第1のオン時間にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第1のサイクル動作を開始し、
    上記第1のオン時間において上記出力電流が上記第1の電流しきい値未満になったとき、上記第1のサイクル動作を終了し、
    上記出力電流が上記第2の電流しきい値以上である状態が上記第2の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチを第2のオフ時間にわたってオフする状態と上記半導体スイッチを第2のオン時間にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第2のサイクル動作を開始し、上記第2のオフ時間及び上記第2のオン時間は、上記第2のオフ時間が上記第1のオフ時間より長いこと、及び、上記第2のオン時間が上記第1のオン時間より短いことのすくなくとも一方を満たすように設定され、
    上記第2のオン時間において、上記出力電流が上記第2の電流しきい値未満になったとき、上記第2のサイクル動作を終了することを特徴とする請求項1記載の電力制御装置。
  3. 上記第1の電流しきい値は、上記出力電圧端子において、又は上記出力電圧端子よりも後段において、半短絡状態が発生したときの電流に対応し、
    上記第2の電流しきい値は、上記電力制御装置の定格電流を超過した電流に対応し、
    上記電流監視及び制御回路は、上記出力電流の上限を上記第2の電流しきい値で制限するように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする請求項2記載の電力制御装置。
  4. 上記電流監視及び制御回路は、
    上記出力電圧端子における出力電圧が上記入力電圧端子における入力電圧に対して予め設定された電圧低下量を超えて低下したとき、上記出力電流の上限を上記第2の電流しきい値より小さい第3の電流しきい値で制限するように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御し、
    上記出力電流が上記第2の電流しきい値以上である状態が上記第2の不感時間にわたって持続したとき、又は、上記出力電流の上限を上記第3の電流しきい値で制限し、かつ、上記出力電流が上記第3の電流しきい値に達している状態が上記第2の不感時間にわたって持続したとき、上記第2のサイクル動作を開始し、
    上記第2のオン時間において、上記出力電流が上記第2の電流しきい値以上である状態及び上記出力電流の上限を上記第3の電流しきい値で制限している状態のいずれでもないとき、上記第2のサイクル動作を終了することを特徴とする請求項2又は3記載の電力制御装置。
  5. 上記電流監視及び制御回路は第1及び第2のタイマを備え、上記第1の不感時間、上記第1のオフ時間、及び上記第1のオン時間を計時するときのみ、上記第1のタイマを動作させ、上記第2の不感時間、上記第2のオフ時間、及び上記第2のオン時間を計時するときのみ、上記第2のタイマを動作させることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の電力制御装置。
  6. 上記電力制御装置は、上記負荷装置に関連付けられた電圧に基づいて、上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御する電圧監視及び制御回路をさらに備え、
    上記電圧監視及び制御回路は、上記負荷装置に関連付けられた電圧が電圧しきい値未満である状態が第3の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチをオフするように上記駆動回路を介して上記半導体スイッチを制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の電力制御装置。
  7. 上記電圧監視及び制御回路は、
    上記負荷装置に関連付けられた電圧が上記電圧しきい値未満である状態が上記第3の不感時間にわたって持続したとき、上記半導体スイッチを第3のオフ時間にわたってオフする状態と上記半導体スイッチを第3のオン時間にわたってオンする状態とを交互に繰り返す第3のサイクル動作を開始し、
    上記第3のオン時間において上記負荷装置に関連付けられた電圧が上記電圧しきい値以上になったとき、上記第3のサイクル動作を終了することを特徴とする請求項6記載の電力制御装置。
  8. 上記電圧監視及び制御回路は第3のタイマを備え、上記第3の不感時間、上記第3のオフ時間、及び上記第3のオン時間を計時するときのみ、上記第3のタイマを動作させることを特徴とする請求項7記載の電力制御装置。
  9. 上記負荷装置に関連付けられた電圧は、上記負荷装置の出力電圧であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の電力制御装置。
  10. 上記負荷装置に関連付けられた電圧は、上記電力制御装置の入力電圧端子における入力電圧であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の電力制御装置。
  11. 上記負荷装置に関連付けられた電圧は、上記負荷装置の温度に応じて変化することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の電力制御装置。
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