以下、本発明の二次電池の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために、図面における各部の縮尺を適宜変更する場合がある。また、以下の説明における上下左右は、各部材の位置関係を説明する便宜的な方向であり、必ずしも鉛直方向や水平方向に対応するものではない。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る二次電池100の外観斜視図である。図2は、図1に示す二次電池100の分解斜視図である。詳細は後述するが、本実施形態の二次電池100は、正極集電板40Pから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q1が、負極集電板40Nから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q2よりも多くなるように、各集電板40と電池容器10との間の絶縁部材1,2(図3参照)が異なる構成を有することを最大の特徴としている。
電池容器10は、上部に開口部11dを有する有底角筒状の電池缶11と、電池缶11の開口部11dを閉塞する電池蓋12とを備え、電極体30を収容している。電池容器10は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金によって製作することができ、電池缶11は、これらの材料を、例えば深絞り加工することによって製作することができる。電池缶11は、概ね長方形平板状の底壁11bと、底壁11bの長手方向に沿う一対の矩形の広側壁11aと、底壁11bの短手方向に沿う一対の矩形の狭側壁11cとを有している。
電池蓋12は、平面形状が概ね長方形の平板状の部材であり、例えばレーザ溶接によって電池缶11の開口部11dの全周に亘って接合されることで、電池缶11の開口部11dを閉塞している。電池蓋12は、長手方向の両端部にそれぞれ外部端子20と集電板40とが組み付けられて蓋組立体50を構成している。電池蓋12は、長手方向の中間部にガス排出弁13及び注液口14が設けられている。
ガス排出弁13は、例えば、電池蓋12をプレス加工して薄肉化し、又は薄膜状の部材を電池蓋12に設けた開口にレーザ溶接等によって接合することによって形成されている。ガス排出弁13は、電池容器10の内圧が所定の圧力を超えて上昇したときに開裂して電池容器10の内圧を低減する。注液口14は、電池缶11を電池蓋12によって閉塞した電池容器10内に非水電解液を注入するために設けられ、非水電解液の注入後に、例えばレーザ溶接によって注液栓15を接合することによって封止される。
図3は、図2に示す蓋組立体50の分解斜視図である。図4は、図3に示す負極外部端子20Nとその周辺の部材を電池蓋12の長手方向に平行なIV-IV線に沿って切断した拡大断面図である。なお、本実施形態の二次電池100は、正極外部端子20P及び正極集電板40Pと、負極外部端子20N及び負極集電板40Nとが、概ね鏡像対称の構成を有している。したがって、以下では、図4に示す負極外部端子20Nの各構成について詳細に説明し、正極外部端子20Pの各構成についての説明を適宜省略する。
蓋組立体50は、主に、一対の外部端子20と、電池蓋12と、一対の絶縁部材1,2と、一対の集電板40とによって構成されている。一対の外部端子20は、電池容器10の一部である電池蓋12に設けられ、一方は正極外部端子20Pであり、他方は負極外部端子20Nである。各外部端子20は、端子部21と、外部絶縁体22と、接続部材23と、ガスケット24とを有している。
正極外部端子20Pの端子部21及び接続部材23の材質は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金であり、負極外部端子20Nの端子部21及び接続部材23の材質は、例えば銅又は銅合金である。外部絶縁体22の材質は、例えばポリプロピレン(PP)等の絶縁性を有する樹脂であり、ガスケット24の材質は、例えばテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の絶縁性を有する樹脂である。
端子部21は、電池蓋12の長手方向を長辺方向とする概ね長方形の板状の部材である。端子部21は、中央部に設けられた円形の貫通孔21aと、電池蓋12に対向する下面に設けられた凹部21bと、該凹部21bに隣接して設けられた一対の溝部21cとを有している。貫通孔21aは、凹部21bに係合する接続部材23の穴23dと連通する位置に設けられている。凹部21bは、端子部21に対向する接続部材23の上面の形状に対応する円形状に形成され、接続部材23のフランジ部23bの一部を係合させる。
溝部21cは、端子部21の長辺方向において凹部21bの両側に設けられ、端子部21の短辺方向に端子部21を横断するように延在している。溝部21cは、端子部21の上面に溶接接合されるバスバーB(図5C参照)の溶接部Bwと凹部21bとの間に設けられる。端子部21は、上面にバスバーBから圧力が作用した場合に、溝部21cにおいて折れ曲がることによってガスケット24に作用する圧力を緩和し、ガスケット24の変形を抑制する。
外部絶縁体22は、端子部21と電池蓋12との間に配置されてこれらを電気的に絶縁する。外部絶縁体22は、中央部に設けられた円形の貫通孔22aと、端子部21と対向する面に設けられた凹部22bと、電池蓋12と対向する面に設けられた一対の係合凹部22cとを有している。貫通孔22aは、接続部材23を挿通させて、内側に接続部材23のフランジ部23bと、ガスケット24のフランジ部24bとを配置する。凹部22bは、内側に端子部21を係合させて保持する。係合凹部22cは、電池蓋12に設けられた円柱状の突起部12bと係合し、外部絶縁体22を電池蓋12上に位置決めする。
接続部材23は、軸部23aと、軸部23aの一端に設けられたフランジ部23bと、軸部23aの他端に設けられた円筒部23cと、フランジ部23bの中央部に設けられた穴23dと、円筒部23cに設けられた穴23eとを有する。軸部23aは円柱状に設けられ、フランジ部23bは端子部21側の端部に円盤状に設けられ、円筒部23cは軸部23aの集電板40側の端部に円筒状に設けられている。
ガスケット24は、円筒状の円筒部24aと、円筒部24aの端子部21側の端部に設けられたフランジ部24bと、接続部材23を挿通させる貫通孔24cとを有する。ガスケット24は、フランジ部24bが接続部材23のフランジ部23bと電池蓋12の上面との間に配置され、円筒部24aが接続部材23の軸部23aと電池蓋12の貫通孔12aとの間に配置されて、接続部材23と電池蓋12とを電気的に絶縁する。
電池蓋12は、長手方向の両端部に設けられた貫通孔12aと、外部絶縁体22に対向する上面に貫通孔12aに隣接して設けられた突起部12bと、絶縁部材2に対向する下面に突起部12bに対応して設けられた係合凹部12cとを有する。貫通孔12aは、接続部材23の軸部23a及びガスケット24の円筒部24aを挿通させる円筒状に形成されている。突起部12bは、外部絶縁体22の係合凹部22cに係合する円柱状に形成されている。係合凹部12cは、絶縁部材2の突起部2bを係合させる有底円筒状に形成されている。また、電池蓋12の上面の貫通孔12aの周囲には、環状の溝部12dが形成されている。
一対の集電板40のうち、正極集電板40Pは、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金によって製作され、負極集電板40Nは、例えば銅又は銅合金によって製作されている。各集電板40は、電池蓋12に略平行に配置される基部41と、電極体30を構成する電極に接続される一対の接続片42と、を備えている。
集電板40の基部41は、電池蓋12の長手方向を長辺方向、電池蓋12の短手方向を短辺方向とする概ね長方形板状に形成され、外部端子20の接続部材23を挿通させる貫通孔41aを有している。集電板40の接続片42は、電池蓋12の長手方向端部側の基部41の長手方向端部に設けられ、基部41の短手方向の両側から下方へ曲折され、電池缶11の広側壁11aに沿って電池缶11の底壁11bへ向けて垂下する一対の板状に形成されている。各集電板40の基部41と電池蓋12との間には、それぞれ絶縁部材1,2が配置され、集電板40が電池蓋12に対して電気的に絶縁されている。
ここで、正極外部端子20Pを電極体30に接続する正極集電板40Pを第1集電板とし、負極外部端子20Nを電極体30に接続する負極集電板40Nを第2集電板とすると、第1集電板は、第2集電板よりも単位時間の発熱量が多い構成を有している。より具体的には、本実施形態の二次電池100において、第1集電板である正極集電板40Pの金属材料の抵抗率は、第2集電板である負極集電板40Nの金属材料の抵抗率よりも高い。
すなわち、第1集電板である正極集電板40Pの材質がアルミニウムである場合、その抵抗率ρpは、ρp=2.65×10−8[Ωm]である。第2集電板である負極集電板40Nの材質が銅である場合、その抵抗率ρnは、ρn=1.68×10−8[Ωm]である。各集電板40の寸法が同一である場合、電流経路の断面積S及び長さLは等しくなるため、正極集電板40Pの抵抗Rp及び負極集電板40Nの抵抗Rnは、それぞれ以下の式(1)及び(2)で表すことができる。
Rp=ρp×(L/S) …(1)
Rn=ρn×(L/S) …(2)
したがって、各集電板40に流れる電流Iが等しいとすると、正極集電板40Pの単位時間の発熱量Qp及び負極集電板40Nの単位時間の発熱量Qnは、それぞれ以下の式(3)及び(4)で表すことができる。また、第1集電板である正極集電板40Pの単位時間の発熱量Qpと、第2集電板である負極集電板40Nの単位時間の発熱量Qnの比Qp/Qnは、以下の式(5)で表すことができる。
Qp=I2×Rp …(3)
Qn=I2×Rn …(4)
Qp/Qn=ρp/ρn=1.58 …(5)
すなわち、正極集電板40Pの材質がアルミニウムであり、負極集電板40Nの材質が銅である場合、第1集電板である正極集電板40Pは、第2集電板である負極集電板40Nの単位時間の発熱量Qnよりも、概ね1.58倍程度、単位時間の発熱量Qpが多い構成を有することになる。なお、25℃におけるアルミニウムの物理的性質は、例えば、熱伝導率が約236[W/(mK)]、比熱が約913[J/(kg・K)]、密度が約2700[kg/m3]である。また、25℃における銅の物理的性質は、例えば、熱伝導率が約350[W/(m・K)]、比熱が約385[J/(kg・K)]、密度が約8900[kg/m3]である。
本実施形態の二次電池100は、各集電板40と電池蓋12との間にそれぞれ絶縁部材1,2を有している。絶縁部材1,2は、集電板40と電池蓋12との間に配置され、一方の面が集電板40の基部41と熱伝達可能に接し、他方の面が電池蓋12と熱伝達可能に接し、集電板40と電池蓋12とを電気的に絶縁する。本実施形態の二次電池100の二次電池では、第1集電板である正極集電板40Pと電池容器10の電池蓋12との間に配置された絶縁部材1を第1絶縁部材とし、第2集電板である負極集電板40Nと電池容器10の電池蓋12との間に配置された絶縁部材2を第2絶縁部材とする。
本実施形態の二次電池100は、第1絶縁部材と第2絶縁部材とが、異なる構成、すなわち、第1絶縁部材を介して第1集電板から電池容器10へ移動する単位時間の熱量が第2絶縁部材を介して第2集電板から電池容器10へ移動する単位時間の熱量よりも多い、異なる構成を有することを最大の特徴としている。換言すると、二次電池100は、正極側の絶縁部材1と負極側の絶縁部材2とが、絶縁部材1を介して正極集電板40Pから電池蓋12へ移動する単位時間の熱量q1[W]が絶縁部材2を介して負極集電板40Nから電池蓋12へ移動する単位時間の熱量q2[W]よりも多い、異なる構成を有している。
より具体的には、本実施形態の二次電池100において、第1絶縁部材である正極側の絶縁部材1の熱抵抗率1/λpは、第2絶縁部材である負極側の絶縁部材2の熱抵抗率1/λnよりも低い。より詳細には、第1絶縁部材である絶縁部材1の材質は、例えば、熱伝導率λpが約0.5[W/(mK)]程度、熱抵抗率1/λpが約2.0[mK/W]程度のポリエチレンであり、第2絶縁部材である絶縁部材2の材質は、例えば、熱伝導率λnが約0.1[W/(mK)]程度、熱抵抗率1/λnが約10.0[mK/W]程度のポリプロピレンである。
各集電板40から絶縁部材1,2を介して電池蓋12に移動する単位時間当たりの熱量q1,q2[W]は、絶縁部材1,2の伝熱面積をそれぞれAp,An[m2]、絶縁部材1,2の厚さをそれぞれtp,tn[m]、各集電板40と電池蓋12との温度差をそれぞれΔKp,ΔKn[K]とすると、以下の式(6)及び(7)で表すことができる。
q1=λp×(ΔKp/tp)×Ap …(6)
q2=λn×(ΔKn/tn)×An …(7)
本実施形態の二次電池100において、絶縁部材1,2は、同一の形状及び寸法に形成されている。すなわち、絶縁部材1,2は、厚さtp,tnが等しく、長手方向の寸法すなわち長さlp,lnが等しく、短手方向の寸法すなわち幅wp,wnが等しく、集電板40及び電池蓋12に接する伝熱面積Ap,Anが等しい。したがって、絶縁部材1,2を介して電池蓋12に移動する単位時間の熱量q1,q2[W]の比q1/q2は、以下の式(8)で表すことができる。
q1/q2=(λp/λn)×(ΔKp/ΔKn)=5.0×ΔKp/ΔKn…(8)
したがって、仮に、各集電板40と電池蓋12との温度差ΔKp,ΔKnが等しいとすると、絶縁部材1を介して電池蓋12に移動する単位時間の熱量q1[W]は、絶縁部材2を介して電池蓋12に移動する単位時間の熱量q2[W]の5倍程度多くなる。また、正極集電板40Pと電池蓋12との温度差ΔKpが負極集電板40Nと電池蓋12との温度差ΔKnよりも大きい場合、絶縁部材1を介して電池蓋12に移動する単位時間の熱量q1[W]は、絶縁部材2を介して電池蓋12に移動する単位時間の熱量q2[W]の5倍よりも多くなる。
絶縁部材2は、平面視で電池蓋12の長手方向を長辺方向、電池蓋12の短手方向を短辺方向とする概ね長方形の板状の部材である。絶縁部材2は、中央部に設けられた貫通孔2aと、電池蓋12に接する面に設けられた突起部2bと、集電板40の基部41に接する面に設けられた係合凸部2cとを有している。
貫通孔2aは、接続部材23の軸部23a及びガスケット24の円筒部24aを挿通させる円形状に設けられている。突起部2bは、電池蓋12の係合凹部12cに係合する円柱状に形成されている。係合凸部2cは、絶縁部材2を短手方向に横断するように延在し、絶縁部材2の長手方向に間隔を開けて設けられた一対の係合凸部2cの間に、集電板40の基部41を係合させるように設けられている。
次に、図3に示す蓋組立体50の組立手順について説明する。図5A、図5B及び図5Cは、蓋組立体50の組立手順を説明する工程図である。負極外部端子20N及び負極集電板40Nとは、鏡像対称の構成を有している。そのため、以下では、図4に示す負極外部端子20N側の各構成の組立手順について詳細に説明し、正極外部端子20P側の各構成の組立手順についての説明を適宜省略する。
まず、図5Aに示すように、端子部21の下面の凹部21bに接続部材23のフランジ部23bを係合させ、凹部21bの周縁部とフランジ部23bの周縁部との間を、例えばレーザ溶接によって接合し、端子部21と接続部材23とを電気的に接続する。次に、図5Bに示すように、外部絶縁体22の凹部22bに端子部21を嵌め込んで、接続部材23のフランジ部23bを外部絶縁体22の貫通孔22aの内側に配置するとともに、接続部材23をガスケット24の貫通孔24cに挿通させる。
その状態で、接続部材23を電池蓋12の貫通孔12aに挿入し、電池蓋12の突起部12bを外部絶縁体22の係合凹部22cに係合させ、外部絶縁体22を電池蓋12上に配置するとともに、外部絶縁体22の貫通孔22aの内側にガスケット24電極体30のフランジ部24bを配置する。これにより、外部絶縁体22は、端子部21と電池蓋12との間に配置されてこれらを電気的に絶縁する。また、ガスケット24は、フランジ部24bが接続部材23のフランジ部23bと電池蓋12との間に挟持され、円筒部24aが接続部材23の軸部23aの外周面と電池蓋12の貫通孔12aの内周面との間に配置され、接続部材23と電池蓋12との間を電気的に絶縁する。
次に、絶縁部材2の貫通孔2aに、電池蓋12の貫通孔12aを貫通した接続部材23の円筒部23cを挿通させ、絶縁部材2の突起部2bを電池蓋12の係合凹部12cに嵌入して係合させる。そして、集電板40の基部41の貫通孔41aに接続部材23の円筒部23cを挿通させ、集電板40の基部41を絶縁部材2の一対の係合凸部2cの間に係合させる。この状態で、金型D1及び金型D2を用いて、接続部材23の円筒部23cを塑性変形させて拡径させ、図5Cに示す円盤状のかしめ部23fを形成する。
より詳細には、図5Bに示すように、金型D1の平坦な押圧面を端子部21の上面に当接させ、金型D1の押圧面に設けられた突起D1aを端子部21の貫通孔21a及び接続部材23の穴23dに挿入する。この状態で、金型D2の円錐形の先端部を接続部材23の円筒部23cの穴23eに圧入することで、接続部材23の円筒部23cが外側に押し広げられるように塑性変形して拡径する。このとき、金型D1の突起D1aを端子部21の貫通孔21a及び接続部材23の穴23dに挿入することで、金型D2に対して接続部材23を精度よく位置決めし、円筒部23cを精度よく塑性変形させることができる。
次に、図5Cに示すように、金型D2を金型D3に交換して円盤状のかしめ部23fを形成する。金型D3は、平坦面D3aとその周囲の傾斜面D3bとを有する凹状に形成され、金型D2によって塑性変形した円筒部23cをさらに押圧して塑性変形させ、金型D3に対応する円盤状のかしめ部23fを形成する。これにより、接続部材23の軸部23aと円筒部23cとの間の段部が集電板40の基部41に当接し、ガスケット24のフランジ部24bが適度に圧縮され、電池蓋12の溝部12d内に弾性変形して電池蓋12に密着する。また、電池蓋12と集電板40の基部41との間で絶縁部材2が適度に締め付けられ、電池蓋12と集電板40の基部41に密着する。
かしめ部23fは、集電板40の基部41の下面に接するとともに、周縁部がレーザ溶接によって集電板40の基部41の下面に接合される。これにより、外部端子20の端子部21と集電板40とが、接続部材23を介して電気的に接続される。以上により、外部端子20と集電板40とが電池蓋12に対して電気的に絶縁された状態で互いに電気的に接続され、各部材が電池蓋12に対して一体的に固定されて、蓋組立体50が構成される。蓋組立体50は、図2に示すように、集電板40に電極体30を接合することで、電極体30を電池容器10内に支持する。
図6は、図2に示す二次電池100の電極体30の巻き終わり側の端部を展開した状態を示す分解斜視図である。電極体30は、長尺帯状の正極電極31と負極電極32とを、長尺帯状のセパレータ33,34を介在させて捲回軸Aを中心に捲回した扁平な捲回電極群である。
電極体30は、正極電極31及び負極電極32が平坦に積層された一対の平面部30aと、平面部30aの両側で正極電極31及び負極電極32が湾曲して積層された半円筒状の一対の湾曲部30bを有している。一対の湾曲部30bは、電極体30の捲回軸A方向及び厚さ方向に垂直な高さ方向の両側に形成されている。電極体30は、捲回軸Aが電池缶11の底壁11b及び広側壁11aと平行になるように電池缶11内に挿入され、一対の平面部30aが電池缶11の一対の広側壁11aに対向して配置され、一対の湾曲部30bが電池蓋12及び電池缶11の底壁11bに対向して配置される。
セパレータ33,34は、正極電極31と負極電極32との間を絶縁すると共に、最外周に捲回された負極電極32の外側にもセパレータ34が捲回されている。セパレータ33,34は、例えば、ポリオレフィン系の樹脂材料によって製作することができ、具体的には、ポリプロピレン樹脂材料及びポリエチレン樹脂の少なくとも一方を含む多孔質の樹脂材料によって製作されている。
正極電極31は、正極集電体である正極箔31aと、正極箔31aの両面に正極活物質合剤を塗工することによって形成された正極合剤層31bとを有している。正極電極31の幅方向の一側は、正極合剤層31bが形成されない未塗工部であり、正極箔31aが露出した箔露出部31cとされている。正極電極31は、箔露出部31cが負極電極32の箔露出部32cと捲回軸A方向の反対側に配置され、捲回軸Aを中心に捲回されている。
正極電極31は、例えば、正極活物質に導電材、結着剤及び分散溶媒を添加して混練した正極活物質合剤を、幅方向の一側を除いて正極箔31aの両面に塗布し、乾燥、プレス、裁断することによって製作することができる。正極箔31aとしては、例えば、厚さが10μmから20μm程度のアルミニウム箔を用いることができる。正極箔31aの厚みを含まない正極合剤層31bの厚さは、例えば、約90μmである。
正極活物質合剤の材料としては、例えば、正極活物質として100重量部のマンガン酸リチウム(化学式LiMn2O4)を、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛を、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を、分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を、それぞれ用いることができる。正極活物質は、前記したマンガン酸リチウムに限定されず、例えば、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウム、一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物を用いてもよい。また、正極活物質として、層状結晶構造を有するコバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、及びこれらの一部を金属元素で置換又はドープしたリチウム−金属複合酸化物を用いてもよい。
負極電極32は、負極集電体である負極箔32aと、負極箔32aの両面に負極活物質合剤を塗工することによって形成された負極合剤層32bとを有している。負極電極32の幅方向の一側は、負極合剤層32bが形成されない未塗工部であり、負極箔32aが露出した箔露出部32cとされている。負極電極32は、箔露出部32cが正極電極31の箔露出部31cと捲回軸A方向の反対側に配置されて、捲回軸Aを中心に捲回されている。
負極電極32は、例えば、負極活物質に結着剤及び分散溶媒を添加して混練した負極活物質合剤を、幅方向の一側を除く負極箔32aの両面に塗布し、乾燥、プレス、裁断することによって製作することができる。負極箔32aとしては、例えば、厚さが5μmから10μm程度の銅箔を用いることができる。負極箔32aの厚みを含まない負極合剤層32bの厚さは、例えば、約70μmである。
負極活物質合剤の材料としては、例えば、負極活物質として100重量部の非晶質炭素粉末を、結着剤として10重量部のPVDFを、分散溶媒としてNMPをそれぞれ用いることができる。負極活物質は、前記した非晶質炭素に限定されず、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(例えば、SiO、TiSi2等)、又はそれらの複合材料を用いてもよい。負極活物質の粒子形状についても特に限定されず、鱗片状、球状、繊維状又は塊状等の粒子形状を適宜選択することができる。
なお、前記した正極合剤層31b及び負極合剤層32bに用いる結着材は、PVDFに限定されない。前記した結着材として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体及びこれらの混合体などを用いてもよい。
電極体30の捲回軸A方向において、負極電極32の負極合剤層32bの幅は、正極電極31の正極合剤層31bの幅よりも広くなっている。また、電極体30の最内周と最外周には負極電極32が捲回されている。これにより、正極合剤層31bは、電極体30の最内周から最外周まで負極合剤層32bの間に挟まれている。
電極体30は、捲回軸A方向の両端部に、集電板40を接合するための電極の箔積層部31d,32dが設けられている。より詳細には、電極体30の捲回軸方向Xの一方の端部に、正極電極31の箔露出部31cが捲回されて積層された正極電極31の箔積層部31dが設けられ、捲回軸方向Xの他方の端部に負極電極32の箔露出部32cが捲回されて積層された負極電極32の箔積層部32dが設けられている。箔積層部31d,32dは、電極体30の厚さ方向において捲回軸Aの一側と他側に二つに分けて束ねられ、例えば、超音波圧接又は抵抗溶接等によって、それぞれ集電板40の一対の接続片42の一方と他方に接合される。
ここで、図6に示すように、電極体30の捲回軸A方向において、セパレータ33,34の幅は負極合剤層32bの幅よりも広いが、正極電極31及び負極電極32の箔露出部31c,32cは、それぞれセパレータ33,34の幅方向端部よりも幅方向外側に突出している。したがって、セパレータ33,34は、正極電極31及び負極電極32の箔積層部31d,32dを束ねて集電板40に接合する際の支障にはならない。
以上により、電極体30は、箔積層部31d,32dに接合された集電板40を介して外部端子20に電気的に接続される。より具体的には、電極体30は、正極電極31が正極集電板40Pを介して正極外部端子20Pに電気的に接続され、負極電極32が負極集電板40Nを介して負極外部端子20Nに電気的に接続される。また、電極体30は、集電板40を介して蓋組立体50に固定され、蓋組立体50によって支持される。
蓋組立体50によって支持された電極体30は、図2に示すように、集電板40とともに、絶縁ケース60によって覆われて電池缶11に対して絶縁された状態で、開口部11dから電池缶11の内部に挿入される。絶縁ケース60の材質は、例えば、ポリプロピレン等の絶縁性を有する樹脂材料である。蓋組立体50は、電池蓋12によって電池缶11の開口部11dを閉塞した状態で、例えばレーザ溶接によって電池蓋12を電池缶11の開口部11dの全周に亘って接合することで、電池容器10内に電極体30を封入する。
その後、電池蓋12の注液口14を介して電池容器10内に非水電解液を注入し、例えばレーザ溶接によって注液口14に注液栓15を接合して電池容器10を密閉する。電池容器10に注入する非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を用いることができる。
二次電池100は、図5Cに示すように、外部端子20の端子部21にバスバーBが接合されることで、他の複数の二次電池100と例えば直列に接続される。二次電池100は、外部端子20及び集電板40に供給された外部発電電力を電極体30に蓄積して充電され、電極体30に蓄積された電力を外部端子20から外部機器に供給する。
ここで、本実施形態の二次電池100は、前述のように、正極集電板40Pの単位時間の発熱量Qpが、負極集電板40Nの単位時間の発熱量Qnよりも多い構成を有している。そのため、二次電池100の充放電時に、正極集電板40Pの温度は、負極集電板40Nの温度よりも上昇しやすい。正極集電板40Pと負極集電板40Nとの間の温度差が拡大すると、これらに接続された電極体30の温度勾配が増大し、電極体30を構成する正極電極31及び負極電極32が劣化する虞がある。
そこで、本実施形態の二次電池100は、絶縁部材1と絶縁部材2とが、絶縁部材1を介して正極集電板40Pから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q1が、絶縁部材2を介して負極集電板40Nから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q2よりも多い、異なる構成を有している。これにより、発熱量Qpが多い正極集電板40Pの温度上昇を抑制し、正極集電板40Pと負極集電板40Nとの間の温度差を減少させ、二次電池100の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態の二次電池100は、絶縁部材1,2を前記のような異なる構成とするために、第1絶縁部材である絶縁部材1の熱抵抗率1/λpが、第2絶縁部材である絶縁部材2の熱抵抗率1/λnよりも低くなるようにしている。このように、絶縁部材1,2を、絶縁部材1を介して放熱する熱量q1が絶縁部材2を介して放熱する熱量q2よりも多い、異なる構成とするために、絶縁部材1,2の材質を異ならせることで、同一の寸法及び形状の絶縁部材1,2を用いることができる。
また、本実施形態の二次電池100は、第1絶縁部材である絶縁部材1の熱抵抗率1/λpを、第2絶縁部材である絶縁部材2の熱抵抗率1/λnよりも低くするために、絶縁部材1の材質をポリエチレンとし、絶縁部材2の材質をポリプロピレンとしている。これにより、絶縁部材1,2として通常用いることができる材料によって、発熱量Qpが多い正極集電板40Pの温度上昇を抑制し、正極集電板40Pと負極集電板40Nとの間の温度差を減少させ、二次電池100の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態の二次電池100は、第1集電板が正極集電板40Pであり、第2集電板が負極集電板40Nであり、正極集電板Pの金属材料の抵抗率ρpは、負極集電板40Nの金属材料の抵抗率ρnよりも高い構成を採用している。そのため、正極集電板Pの材質を通常用いられるアルミニウム又はアルミニウム合金とし、負極集電板40Nの材質を通常用いられる銅又は銅合金とすることができる。
また、前述の特許文献1に記載された蓄電素子は、電池容器に対して正極端子又は負極端子のいずれか一方を電気的に接続していることから、電池容器の電位と外部環境との間の電位差が比較的に大きくなりやすい。そのため、正極端子及び負極端子を電池容器に対して電気的に絶縁する場合と比較して電池容器が腐食しやすくなるという課題がある。これに対し、本実施形態の二次電池100は、電池容器10に対して正極外部端子20P及び負極外部端子20Nの双方を外部絶縁体22及びガスケット24によって絶縁している。したがって、本実施形態の二次電池100によれば、特許文献1の蓄電素子と比較して、電池容器10の腐食を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の二次電池100によれば、電極体30の温度勾配を減少させ、正極電極31及び負極電極32の劣化を抑制することができる。
[実施形態2]
以下、本発明の実施形態2に係る二次電池について、図1から図6までを援用し、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態の蓋組立体50Aを示す斜視図である。
本実施形態の二次電池は、正極集電板40Pの厚さTpが、負極集電板40Nの厚さTnよりも厚く、絶縁部材1と絶縁部材2の配置を逆にしている点で、前述の実施形態1で説明した二次電池100と異なっている。本実施形態の二次電池のその他の点は、前述の実施形態1で説明した二次電池100と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の二次電池において、負極集電板40Nの厚さTnは、正極集電板40Pの厚さTpよりも薄くされ、正極集電板40Pの厚さTpは、負極集電板40Nの厚さTnの1.58倍よりも厚くされている。例えば、正極集電板40Pの厚さTpが、負極集電板40Nの厚さTnの2倍であるとすると、正極集電板40Pにおける電流経路の断面積Sは、負極集電板40Nにおける電流経路の断面積Sの2倍となる。したがって、上記式(1)から(4)に基づいて、負極集電板40Nの単位時間の発熱量Qnと、正極集電板40Pの単位時間の発熱量Qpとの比Qn/Qpは、以下の式(9)で表すことができる。
Qn/Qp=(ρn/ρp)×2=1.27 …(9)
すなわち、正極集電板40Pの材質がアルミニウムであり、負極集電板40Nの材質が銅である場合、負極集電板40Nは、正極集電板40Pの単位時間の発熱量Qpよりも概ね1.27倍程度、単位時間の発熱量Qnが多い構成を有することになる。
したがって、本実施形態の二次電池では、前述の実施形態1の二次電池100とは逆に、負極集電板40Nを第1集電板とし、正極集電板40Pを第2集電板とする。すなわち、本実施形態の二次電池において、第1集電板である負極集電板40Nは、第2集電板である正極集電板40Pよりも単位時間の発熱量が多い構成を有している。
また、本実施形態の二次電池では、絶縁部材1と絶縁部材2の配置を置換し、熱抵抗率1/λpが相対的に低い第1絶縁部材としての絶縁部材1を負極集電板40Nと電池蓋12との間に配置し、熱抵抗率1/λnが相対的に高い第2絶縁部材としての絶縁部材2を正極集電板40Pと電池蓋12との間に配置している。
すなわち、第1絶縁部材である絶縁部材1と第2絶縁部材である絶縁部材2とは、絶縁部材1を介して第1集電板である負極集電板40Nから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q1が、絶縁部材2を介して第2集電板である正極集電板40Pから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q2よりも多い、異なる構成を有することになる。
したがって、本実施形態の二次電池によれば、実施形態1の二次電池100と同様に、充放電時により高温になりやすい負極集電板40Nから電池容器10へ放熱する熱量q1を、正極集電板40Pから電池容器10へ放熱する熱量q2よりも増加させ、発熱量Qnが多い負極集電板40Nの温度上昇を抑制し、正極集電板40Pと負極集電板40Nとの間の温度差を減少させ、二次電池100の劣化を抑制することができる。
[実施形態3]
以下、本発明の実施形態3に係る二次電池について、図1から図6までを援用し、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8Aは、本実施形態の二次電池の正極外部端子20P近傍の拡大断面図であり、図8Bは、本実施形態の二次電池の負極外部端子20N近傍の拡大断面図である。
本実施形態の二次電池は、第1絶縁部材である絶縁部材1の厚さtpが、第2絶縁部材である絶縁部材2の厚さtnよりも薄く、絶縁部材1と絶縁部材2の材質が同一である点で、前述の実施形態1で説明した二次電池100と異なっている。その他の点は、前述の実施形態1で説明した二次電池100と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の二次電池は、絶縁部材1の材質と絶縁部材2の材質がともにポリプロピレンであり、絶縁部材1,2の熱伝導率λp,λnは等しくなる。したがって、絶縁部材1,2が集電板40及び電池蓋12に接する伝熱面積Ap,Anが等しいとすると、各集電板40から絶縁部材1,2を介して電池蓋12に移動する単位時間当たりの熱量q1,q2[W]の比は、前記式(6)及び(7)に基づいて、以下の式(10)で表すことができる。
q1/q2=(ΔKp/ΔKn)×(tn/tp) …(10)
したがって、例えば、正極集電板40Pと電池蓋12との間の温度差ΔKpが負極集電板40Nと電池蓋12との間の温度差ΔKnの1.2倍であった場合、第2絶縁部材である絶縁部材2の厚さtnを第1絶縁部材である絶縁部材1の厚さtpの1.2倍よりも厚くすることができる。これにより、絶縁部材1と絶縁部材2とは、絶縁部材1を介して正極集電板40Pから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q1が、絶縁部材2を介して負極集電板40Nから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q2よりも多い、異なる構成を有することになる。
したがって、本実施形態の二次電池によれば、実施形態1の二次電池100と同様に、充放電時により高温になりやすい正極集電板40Pから電池容器10への放熱する熱量q1を、負極集電板40Nから電池容器10へ放熱する熱量q2よりも増加させ、発熱量Qpが多い正極集電板40Pの温度上昇を抑制し、正極集電板40Pと負極集電板40Nとの間の温度差を減少させ、二次電池100の劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態の二次電池では、第1絶縁部材である絶縁部材1の厚さtpを、第2絶縁部材である絶縁部材2の厚さtnよりも薄くすることで、絶縁部材1を介して放熱する熱量q1が絶縁部材2を介して放熱する熱量q2よりも多い構成について説明した。しかし、絶縁部材1を介して放熱する熱量q1が絶縁部材2を介して放熱する熱量q2よりも多い構成は、第1絶縁部材である絶縁部材1の厚さtpが、第2絶縁部材である絶縁部材2の厚さtnよりも薄い構成に限定されない。例えば、第1絶縁部材である絶縁部材1の伝熱面積Apを、第2絶縁部材である絶縁部材2の伝熱面積Anよりも大きくすることで、同様の効果を得ることができる。
すなわち、絶縁部材1の材質と絶縁部材2の材質がともにポリプロピレンであり、第1絶縁部材である絶縁部材1の厚さtpと、第2絶縁部材である絶縁部材2の厚さtnが等しいとすると、各集電板40から絶縁部材1,2を介して電池蓋12に移動する単位時間当たりの熱量q1,q2[W]の比は、前記式(6)及び(7)に基づいて、以下の式(11)で表すことができる。
q1/q2=(ΔKp/ΔKn)×(Ap/An) …(11)
したがって、例えば、正極集電板40Pと電池蓋12との間の温度差ΔKpが負極集電板40Nと電池蓋12との間の温度差ΔKnの1.2倍であった場合、第1絶縁部材である絶縁部材1の伝熱面積Apを第2絶縁部材である絶縁部材2の伝熱面積の1.2倍よりも大きくすることができる。伝熱面積Ap,Anは、絶縁部材1,2の長さlp,lnと幅wp,wnの少なくとも一方を異ならせることによって調整することができる。これにより、絶縁部材1と絶縁部材2とは、絶縁部材1を介して正極集電板40Pから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q1が、絶縁部材2を介して負極集電板40Nから電池容器10へ移動する単位時間の熱量q2よりも多い、異なる構成を有することになり、本実施形態の二次電池と同様の効果を得ることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。