JP6400679B2 - 金属板を製造するための方法および設備 - Google Patents

Description

本発明は、押出設備を用いて、特にマグネシウムあるいはマグネシウム合金から成る僅かな厚さを有するストランド状の形材から、金属板を製造するための方法および設備に関する。

液状の合金を鋳造することによる金属シートの製造と続く多数の圧延処理工程と熱処理工程が一般的に知られている。厚い金属シートから薄い金属シートへの多数の圧延パスに基づいて、この方法は極めて費用がかかる。鋳造組織から変形可能な鍛造加工組織を得るには複数の工程が必要不可欠である。圧延パスの回数が多いと費用がかかる。

特許文献１には、押出し、圧延、鍛造あるいは鋳造により、圧力変形を用いてマグネシウムあるいはマグネシウム合金から形材あるいは金属シート部材を製造するための方法と装置が開示されており、液状の融解物は、半製品を製造するための連続鋳造装置あるいは押出装置内に装入され、その直後にこの半製品は加熱状態で変形されることによりその最終形状にされ、製造中全体における融解物から凝固したあとの材料の温度は、２５０℃〜３００℃の範囲に保持され、成形部材が冷却するまでの鋳造の製造工程は、ひっくるめて不活性雰囲気あるいは真空の中で実施される。

これらの方法工程を実施するための装置は、その機構部が、溶解炉、ロールスタンドを備えているか備えていない連続鋳造装置あるいは押出プレス機、一つあるいは複数の加圧機の切断装置および冷却装置の連結体から成り、前述の装置から成るこれらの全体あるいは一部が、不活性ガス室あるいは真空室内に配置されていることを特徴とする。

さらに特許文献２にはマグネシウムから金属シート部材を製造するための方法が記載されており、この方法において、金属シート部材は圧延工程のすぐ続いて少なくとも一つの加圧機を用いた変形により３５０℃〜４５０℃の温度範囲で製造されることができる。融解物炉あるいは融解物坩堝、連続鋳造装置、一つあるいは複数のロールスタンド、切断装置、一つあるいは複数の加圧機および冷却装置から成り、かつ不活性ガス室あるいは真空室内で運転される、この方法を実施するために提示された装置は、切断装置と変形加圧機として形成された加圧機の間に打抜き装置が設けられており、この打抜き装置により、切断装置から到来するシートバー内に寸法が安定しかつ横断面積が安定した打抜き孔および／または型孔が導入可能であることを特徴とする。

特許文献３により、マグネシウムあるいはマグネシウム合金から形材あるいは金属シート部材を製造するためのまた別の方法が記載されており、この方法において、変形により、好ましくは圧縮成形により金属シートの形式の半製品が最終的な形状でもたらされ、変形工程の貯直前の方法工程において、表面が平削りにより、好ましくは削り取りにより汚れを落とされる。

この方法ではさらに、幅が制限された部材だけが製造されることができ、その理由は、部材が大きい場合、制御すべき作動圧力のための著しい追加費用が必要になることが欠点である。工具と機械フレームは、相当する反対圧力でもって半製品あるいは部材を製造する際に重要である押出圧力に耐えられねばならず、従って必然的にはるかに大きく採寸されねばならない。

特許文献４は、横断面が段付けされており、かつフルセクションを有する、異なる壁厚を備えた金属シートを製造するための方法を開示しており、金属シートの横断面は、厚さ方向の金属シートの横断面に似ており、この金属シートの場合、半製品から金属シートが圧延され、半製品を製造するために、周囲に配置され、半製品の所望の壁厚変化を備えた中空形材が押出しされ、その際に、中空形材は表面ラインに沿って切開かれ、かつ変形されて半製品になる。さらにその際に、二つの相補形材が積重ねられ、相補形材の刻み目を付けられた接触側の内の少なくとも一つは分離手段を備えており、相補形材は両者とも円筒形の、すなわち段付されていないロールで同時に圧延される。圧延前に、相補形材は両者とも二つの対向している二つの母線に沿って分離される。

この方法により、各々二つの部材が製造される。製造過程は断続的であり、比較的狭い部材だけが製造されることができるにすぎない。さらに短所は、二つの異なる壁厚により構成された半製品の製造と段付された圧延機構のために、製造工程が比較的複雑であることである。

特許文献５から、金属シート部材を製造するための方法およびこの方法を実施するための装置が公知である。本方法は、管状体を押出しあるいは連続鋳造する工程、管状体をその長手方向にスライスする工程と、管状体を伸ばして扁平体にする工程と、それ自体公知の製造技術を用いて、扁平体を図に従った部材に製造する工程とを備えている。本装置は、基本的に溶解ユニット、連続鋳造装置あるいは押出プレス機、長手方向切断装置、ロールスタンド、一つあるいは複数の変形ユニットの連結体から成る。

特許文献６からは、軽金属から、好ましくはマグネシウムから金属シートあるいは金属シート部材を製造するための方法が知られている。一つあるいは複数の上記方法の工程において、押出形材は、開いた構造であるいは閉じた構造で、引続く切り開きでもって開いた構造に製造され、この方法は続いて一つあるいは複数の工程において、圧延工程と曲げ工程を介して矯正圧延と矯正曲げの作用を受ける。

独国特許第１０１５００２１号明細書 独国特許第１０３１７０８０号明細書 独国特許出願公開第１０２４７１２９号明細書 独国特許第４３３３５００号明細書 独国特許出願公開第１０２２００８０４８号明細書 独国特許出願公開第１０２００７００２３２２号明細書

本発明の課題は、特にマグネシウムあるいはマグネシウム合金から成る厚さの僅かな綱状の形材から、金属板を製造するための方法および設備を呈示する事であり、押出工具から出る、開いているかあるいは閉鎖された押出形材は変形されて一枚の金属板になることができる。

本発明によれば、この課題は請求項１に挙げられた作業工程に提示された構成と、請求項５に挙げられた特徴により解決される。押出プレス機の押出ダイから出る、開いたかあるいは閉じた押出形材は、変形されて平坦な金属シートになり、続いて伸ばしによる定義された変形作用を受ける。

第一の工程において、金型から出る押出形材が、製造される金属板の長さに対応して分離され、第二の工程において、開いたかあるいは閉じた押出形材は、曲げられ開かれてＵ字状の形材になる前に、閉じた形材は予めその母線に沿って切開かれる。第四の工程において、外側に向かって進む把持要素を用いてＵ字状の形材が、変形されて金属板になるように、引続く第三の工程において、Ｕ字状の形材は広げユニット内に運ばれ、かつ把持要素を用いてＵ字状の形材の長手方向側において捕捉される。引続いて、第五の工程において、金属板は定義された伸ばし工程において真直ぐにされる。

Ｕ字状の形材を金属板に変形することは、一組のローラ対により支持されることができ、このローラ対はＵ字状の形材内に走入され、かつ個々のローラの運動により各々長手方向の縁部領域の方向に走入される。

金属板への変形は、好ましくは２００℃を超える温度領域で、かつ好ましくは不活性雰囲気において行われる。

設備は押出形材を作る金型と金型に接続する変形ユニットを備えた押出プレス機から成り、変形ユニットは分離ユニット、曲げ開きユニット及び広げユニットから形成されている。広げユニットは、二つの可動な把持要素かあるいは一つの固定された把持要素と一つの可動な把持要素から成っていてもよい。代替え的に、広げユニットはＵ字状の形材に走入可能な二つの可動なローラから成り、個々のローラは縁部領域の方向に互いから離間するように移動可能であってもよい。

広げユニットの構成の別の可能性は、広げユニットが把持ユニットとＵ字状の形材に挿入可能な二つの可動なローラの組合せから構成されることにある。製造すべき金属板の表面を保護するために、ローラは耐熱性で弾力のある表面被覆を備えている。その際に使用されるローラは、表面被覆を生じさせないように形成されている。

本発明の有利な改良と態様は、通常の従属請求項と以下に原理に基づいて記載された実施例から明らかである。

実施例に基づき本発明を詳しく説明する。

本設備の原理に従った構成を示す。 工具の構想を示す。 形成される両端部の態様を示す。 形成される両端部の別の態様を示す。 ローラを介した拡張を示す。 開いた形材の工具構想を示す。 開いた形材の工具構想を示す。 開いた形材の工具構想を示す。 開いた形材の工具構想を示す。 開いた形材の工具構想を示す。 開いた形材の工具構想を示す。 開いた形材の工具構想を示す。

図１は押出形材から金属板を製造するための方法を実施するための設備の原理に基づいた構成を示す。設備は基本的に、押出形材を製造するための押出プレス機１と成形ユニット５から成る。この成形ユニットは分離ユニット２、曲げ開きユニット３および広げユニット４から成る。

押出プレス機１を用いて、マグネシウム合金から成る押出用ビレットは、押出形材、例えば管状の形材に形成される。管状の形材が、金属板の対応する所定の長さに合致する長さに達すると、押出プレス機１は停止される。分離ユニット２を用いて、管状の形材は長さを短くされる。

分離装置２は、例えば回動するジェットノズル、レーザー、切断ローラあるいは並走する鋸状体から成る。管状の形材の分離が機械加工で行われる限り、マグネシウム切屑あるいはマグネシウムの粉塵による火災の危険を最小限に抑えるために、吸出し装置が設けられている。分離箇所において、壁厚の２５〜８５％の深さの刻み目を付け、管状の形材の部分をもぎ取る可能性もある。

引続いて、管状の形材の分離される部分は、曲げ開きユニット３に引渡される。ここで、管状の形材の部分は外面に沿って切開かれ、かつスロットウェッジおよび選択的に若干のロールにより曲げられ開かれてＵ字状の形材になる。その際に、管の接触は、後になってから金属シートの除去領域に存在する切断面の領域でだけ行われる。解くことは、例えば長手方向に走行可能な吸引ジェットノズル、レーザー切断装置あるいは類似品により行われる。

解いてＵ字状の形材になるまで切開かれ、かつ曲げ開かれた後、形材は広げユニット４に引渡される。広げユニットは、平坦な底面と二つの可動な捕捉要素から成り、捕捉要素はＵ字状の形材の長手方向側面を検出し、かつＵ字状の形材を広げて平坦な金属板にする。

図２は開いた管状の形材８を押出すための橋渡し工具用の工具構想を示す。橋渡し工具は基本的に、金型６と軸部分７からなり、これらの間には形材８の壁厚を決定する間隙が形成される。形材８の下側の開いた端部には、成型された端部９が設けられている。

図３ａと３ｂは、成型された端部９のための変形を示す。これらの成型された端部は曲げられているかあるいは太くなった部分として形成されている。

開いた管状の形材８が押出プレス機を離れた後、形材は広げられる。第一の工程において、形材８は切断装置を用いて相応する長さに切断される。広げることは、一方では成形ローラ１０を介して行われてもよい。これらの成形ローラは、図４に示されるように、レール案内の様式を形成し、かつ管状の形材８を広げてＵ字状の形材８にする。

他方において、分離されて開いた管状の形材８は、その長手方向の開口部でもって二つの作用可能な角のあるアングル型１１に押付けられるか、あるいはこの開いた管状の形材は、金型を離れるのと同時に作用可能な角のあるアングル型１１に押付けられる（図５ａ）。角のあるアングル型１１を互いに離すことにより、開いた管状の形材８は、Ｕ字状に曲げられ開かれる（図５ｂ）。

次いで、Ｕ字状に曲げられ開かれた形材８は広げユニット４に引渡される。ここで形材８は、その長手方向側面においてコレット１２を用いて捕捉され（図５ｃ、図５ｄ）、かつ広げられて平坦な金属シート１３になる（図５ｅ）。成型された端部９により、形材８の確実な把持と保持が保証されることができる。

コレット１２は浮遊するように嵌め込まれておりかつ液圧シリンダと片側であるいは両側で接続されており、それにより形材８の長手方向縁部の成型された端部９への嵌合が達せられる。それにより、長手方向両縁部での成型された端部９における僅かな凹面のあるいは凸面の撓みが補整されることができる。

液圧のクランプ工程の後、広げられた形材８は液圧シリンダを介して真直ぐ伸ばされる。コレット１２の過度に滑らかな回転運動は、旋回可能な液圧シリンダを介して実施される。従って伸ばされる材料は座屈力の妨げを受けない（図５ｆ）。

最終の伸びにおいて、浮遊するようなコレット１２は固定停止部に対して整向され、それにより、金属板の全幅にわたる一定の伸びが保証される。コレット１２にわたる熱伝導を最小限にするために、コレットはセラミックの被覆層を備えている。

伸ばす工程の後、コレット１２は開けられ、伸ばされた金属シート１３は長手方向に空気圧シリンダを用いて押出される。伸ばされた金属シート１３は、一方では技術的な加工に関連して、例えばプレス、内抜きなどにより引渡されることができる。他方において、伸ばされた金属シート１３を切断すること、すなわち成型された端部を除去することおよび金属シート１３を積上げることも可能である。

本方法と本設備の本質的長所は、把持要素を用いて、金属板を横方向に伸ばすことが実施されることができることにある。その際に、横方向への伸びは１〜１０％の範囲で行われることができる。金属板を伸ばすことにより、一方では平坦度が相応するように改善され、他方では金属板の厚さ形状が達せられることができる。同じように、その際に、表面の欠陥を引き起こす接触点が、後の可視表面に存在しないことが大切である。
本発明の特徴は次のとおりである。
１． マグネシウムあるいはマグネシウム合金から成るわずかな厚さを有するストリップ状の形材から、金属板を製造するための方法であって、
先行する方法工程において、開いたあるいは閉じた押出形材が製造され、場合によっては、閉じた押出形材がその母線に沿って切開かれる方法において、
第一の工程において、押出形材が製造される金属板の長さに対応して切断されるかあるいは刻み目を付けられ、
開いたあるいは閉じた押出形材が、第二の工程において、曲げられ開かれてＵ字状の形材になる前に、閉じた形材が予めその母線に沿って切開かれ、
第三の工程において、Ｕ字状の形材が、広げユニット内に運ばれ、かつ把持要素を用いてＵ字状の形材の長手方向側において捕捉され、
第四の工程において、外側に向かって進む把持要素を用いてＵ字状の形材が、変形されて金属板になり、
第五の工程において、金属板が伸ばしによる定義された変形作用を受けることを特徴とする方法。
２． Ｕ字状の形材の金属板への変形が、ローラ対により行われて、Ｕ字状の形材に走入され、個々のローラが各々長手方向の縁部領域の方向に移動されることを特徴とする上記の特徴１に記載の方法。
３． 金属板への変形が２００℃を超える温度領域で行われことを特徴とする上記の特徴１または２に記載の方法。
４． 方法工程１〜５が、不活性雰囲気あるいは保護雰囲気において実施されることを特徴とする上記の特徴１に記載の方法。
５． 押出形材から金属板を製造するための上記の特徴１に記載の方法を実施するための設備において、
設備が押出形材を作る金型と金型に接続する成形ユニット（５）を備えた押出プレス機（１）から成り、成形ユニット（５）が分離ユニット（２）、曲げ開きユニット（３）及び広げユニット（４）から形成されていることを特徴とする設備。
６． 広げユニット（４）が二つの可動な把持要素から成ることを特徴とする上記の特徴５に記載の設備。
７． 広げユニット（４）が一つの固定された把持要素と一つの可動な把持要素から成ることを特徴とする上記の特徴５に記載の設備。
８．広げユニット（４）がＵ字状の形材に走入可能な二つの可動なローラから成り、個々のローラが縁部領域の方向に互いから離間するように移動可能であることを特徴とする上記の特徴５に記載の設備。

１ 押出プレス機
２ 分離ユニット
３ 曲げユニット
４ 広げユニット
５ 成形ユニット
６ 金型
７ 軸部分
８ 開いた形材
９ 成型された端部
１０ 成形ローラ
１１ アングル型
１２ コレット
１３ 金属シート

Claims (6)

1. マグネシウムあるいはマグネシウム合金から成るストリップ状の形材から、金属シートを製造するための方法であって、
   先行する方法工程において、開いたあるいは閉じた押出形材が製造され、そして、製造される金属シートの長さに応じて切断され、閉じた押出形材がその母線に沿って切開かれる方法において、
   第一の工程において、開放管状の押出形材（８）は、その長手方向が開口部でもって二つの可動な角のあるアングル型（１１）に押し付けられ、かつ、その角のあるアングル型（１１）を互いに離すように動かすことによって、Ｕ字状の輪郭に曲げられ；、
   第二の工程において、Ｕ字状の形材が、広げユニット（４）内に運ばれ、かつ把持要素を用いてＵ字状の形材の長手方向側において捕捉され、そして、外側に向かって進む把持要素を用いてＵ字状の形材が、変形されて金属シートになり、
   第三の工程において、金属シートが横方向における伸ばしによって定義された変形作用および厚さの形状化を受け、
   ここで、該押出形材を金属シートに変形する全ての工程が、２００℃を超える温度領域で行われることを特徴とする方法。
2. Ｕ字状の形材の金属シートへの変形を支持することに加えて、ローラ対がＵ字状の形材に走入され、個々のローラが各々長手方向の縁部領域の方向に移動されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
   
3. 押出形材から金属シートを製造するための請求項１に記載の方法を実施するための設備において、
   設備が押出形材を作る金型と金型に接続する成形ユニット（５）を備えた押出プレス機（１）から成り、成形ユニット（５）が、製造される金属シートの長さに応じて押出形材を切断するための分離ユニット（２）、互いに離すことが可能な二つの角のあるアングル型（１１）を用いて形材をＵ状に曲げるための曲げ開きユニット（３）及び液圧シリンダに接続されたコレット（１２）の形態の可動把持要素を備え、Ｕ字状の形材を金属シートに巻き広げ、そして、金属シートを伸ばすための広げユニット（４）から形成されていることを特徴とする設備。
4. 広げユニット（４）が二つの可動な把持要素から成ることを特徴とする請求項３に記載の設備。
5. 広げユニット（４）が一つの固定された把持要素と一つの可動な把持要素から成ることを特徴とする請求項３に記載の設備。
6. 広げユニット（４）が、把持要素に加えて、Ｕ字状の形材に走入可能な二つの可動なローラから成り、個々のローラが長手方向の縁部領域の方向に互いから離間するように移動可能であることを特徴とする請求項３に記載の設備。

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