JP6399931B2 - 即席麺の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生麺を蒸煮処理せずに、高温熱風乾燥する即席麺の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、生麺を蒸煮処理せずに短時間で高温熱風乾燥を行った場合においても、従来よりも更に優れた食味食感を得ることができる、即席熱風乾燥麺の製造方法に関する。
昨今、即席麺において消費者は、日常生活において「本格派」を志向することがその流れとなっている。例えば、即席ラーメンにおいては、簡便性だけではなく、今までよりも本格的な食感であったり、今までよりも本格的な見た目であったり、消費者の要求が厳しくなっている。昨今の、このような消費者の多種多様な要求に応えるべく、各企業がしのぎを削り、即席麺の技術革新を行っている。
一般的に、即席麺を製造する方法としては、主原料である小麦粉に各種副原料を配合し、ミキサー等で混捏後に常法で製麺し、蒸煮後に所定の乾燥方法により油揚げ麺及び非油揚げ麺つまりノンフライ麺が得られる。非油揚げ麺においては、熱風乾燥やマイクロ波乾燥、フリーズドライ、寒干し乾燥等の乾燥方法が考えられている。
また、従来より、常法により製麺した麺線を、蒸煮処理せずに乾燥処理を行う手法も知られている。即ち、生麺線の状態のまま、乾燥処理を行ったものである(特許文献1(特公昭54−44731号公報)、特許文献2(特開昭59−173060号公報)、特許文献3(特公昭56−26382号公報))。
これらの方法は、生麺線を蒸煮処理をせずに乾燥処理を行うものであり、いわゆる乾麺の製造方法とほぼ同様な製造方法であるが、通常の乾麺の製造方法に対して、乾燥処理時に使用する熱風の温度が高いのが特徴となっているものである。即ち、通常の乾麺の熱風温度(50℃前後)に対して、100℃以上の熱風を使用することで、短時間で乾燥処理を行うことが可能となり、且つ、水の沸点以上の温度で加熱できるため、麺線内部の澱粉質のα化処理を行いつつ麺線の内部構造をポーラスな構造にすることが可能となる製法である。そのため、従来の乾麺に比べて、麺線のα化度が高いのが特徴でありまた、乾燥後の麺線内部の構造がポーラスな構造の為に、復元時間を短縮した麺線を得られる、とされていた。
しかしながら、近年においても、日常生活において「本格派」を志向する消費者の要求は、止まるところを知らない。よって、当然のことに、即席麺においても、消費者の更なる要求(例えば、食味食感等の官能的特性に関する要求)は、更に厳しさを増しているということが現状である。
特公昭54−44731号公報 特開昭59−173060号公報 特公昭56−26382号公報
本発明の目的は、昨今の消費者の「より厳しい要求」に応えることができる即席麺の製法を提供することにある。
本発明のより具体的な目的は、従来において生麺線を蒸煮処理せずに、高温熱風乾燥処理を行うタイプにおいても、従来よりも更に優れた食味食感を得ることができる、即席熱風乾燥麺の製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、生麺線を直接に高温乾燥処理するに際して、特定の範囲の湿度および温度の熱風を用いて、生麺線を調湿しつつ高温熱風乾燥することが、上記目的の達成に極めて効果的なことを見出した。
本発明の即席熱風乾燥麺の製造方法は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、少なくとも小麦粉および澱粉を含む主原料から作製した生麺線を成形充填した後、湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃の熱風を用いて生麺線を調湿高温熱風乾燥することを特徴とするものである。
上記構成を有する本発明によれば、主原料として小麦粉と澱粉を使用し、且つ、調湿を行いつつ高温熱風処理を行うことで、従来からある製法と比べて、麺線表面の澱粉質のα化を適度に高めた状態で乾燥処理することができる。このため、(従来の技術においては避けがたかったところの)高温熱風処理による食味食感の低下を効果的に防止することが可能となった結果、本発明においては、従来におけるよりも、食味食感を向上させることができる。
一方、生麺線を蒸煮処理せずに高温乾燥処理する従来技術においては、少なくとも小麦粉および澱粉を含む主原料から作製した生麺線を成形充填した後、湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃の熱風を用いて生麺線を調湿高温熱風乾燥することを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法は、なかった。
本発明において、従来技術になかった良好な官能的特性(食味食感、等)を有する即席麺が得られる理由は、本発明者の知見によれば、以下のように推定される。
すなわち、従来技術の方法(特許文献1、2および3)等においては、生麺線に対して「直接に」高温熱風処理を行ってしまうために、乾燥後の麺線の表面のα化が「微妙に」不充分となる傾向があることを、本発明者は詳細な比較実験により見出した。
更に、本発明者の知見によれば、従来の方法では、生麺線に直接高温熱風を吹き付けるために、乾燥極初期段階に、麺線表面の硬化が起こってしまう傾向が顕著であることをも、本発明者は詳細な比較実験により見出した。従来においては、結果として得られる麺線の食感に関して、表面の張りが強く、喫食時のコシが強すぎる食感となってしまっていたものと推定される。
これに対して、本発明によれば、上述した従来の高温熱風乾燥による即席麺の「潜在的な欠点」であったところの、「乾燥後麺線表面α化の不充分さ」および「喫食時の強すぎるコシ」が共に解消されるため、良好な官能的特性(例えば、食味食感)を有する即席熱風乾燥麺が得られるものと推定される。
本発明は、例えば、以下の態様を含むことができる。
[1] 少なくとも小麦粉および澱粉を含む主原料から作製した生麺線を成形充填した後、湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃の熱風を用いて生麺線を調湿高温熱風乾燥することを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法。
[2] 前記調湿高温熱風乾燥工程により得られるα化度をαWとし、該工程と同じ温度条件を用いて調湿を行わない場合の工程により得られるα化度をαDとした際に、これらα化度の差(αW−αD)が0.1〜15である[1]に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
[3] 前記澱粉が、主原料中10質量%〜35質量%配合されている[1]または[2]に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
[4] 前記小麦粉および澱粉が先ず混合処理に供され、且つ、該混合処理時に、該小麦粉と澱粉の全体量の35%〜45%の水が加水される[1]〜[3]のいずれか1項に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
[5] 前記調湿熱風乾燥処理の後に、湿度10mmHg〜100mmHg、温度が80℃〜120℃の熱風を用いる第二乾燥処理を更に行う[1]〜[4]のいずれか1項に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
[6] 前記澱粉が、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチの生澱粉、またはそれらの澱粉を原料としたエーテル化工澱粉、エステル化工澱粉から選ばれる[1]〜[5]のいずれか1項に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
上述したように本発明によれば、食味食感に優れた即席高温熱風乾燥麺を得ることができる。
なお、通常の(即席麺でない)乾麺(竿かけ乾燥)の製法では「麺線の割れ・裂け」の現象を調湿で防いでいるが、本発明の高温熱風乾燥においても、調湿を行うことにより、問題点を、ある程度は解決することができる。
本発明に従う調湿下の高温熱風乾燥工程を実施するための装置系の一例を示す模式断面図である。図1(A)は、熱風を麺線塊に対して下方から上方に吹き付ける場合の、湿度・熱風の各条件の測定箇所を示す。図1(B)は、熱風を麺線塊に対して上方から下方に吹き付ける場合の、湿度・熱風の各条件の測定箇所を示す。 本発明の試験例において得られた、条件(1)から(6)の比較試験の切断強度の測定結果を表すグラフである。図2の縦軸の単位はグラムである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(調湿下の高温熱風乾燥)
本発明においては、生麺線を、調湿しつつ高温熱風乾燥することが特徴である。この「調湿の高温熱風乾燥」以外の工程においては、即席熱風乾燥麺の分野において従来公知の工程を、特に制限なく使用することができる。
(即席麺)
本発明における「即席麺」ないし「即席乾燥麺」は、いわゆる煮込みタイプ、熱湯を注加して調理するタイプ、等のいずれでもよい。食味食感、湯戻り時間の点からは、本発明は、煮込みタイプに対して、より好適に使用可能である。
(麺の材料)
本発明においては、麺の材料は、特に制限されない。すなわち、従来より即席麺の製造に使用されている材料を、特に制限無く使用することが出来る。より具体的には、例えば、社団法人 日本即席食品工業協会監修「新・即席めん入門」日本食糧新聞社発行(平成10年)の第52〜62頁に記載されている主原料、副原料を、本発明において特に制限なく使用することが出来る。
(主原料)
本発明において使用する主原料(以下、本明細書において「粉原料」と称する場合がある)は、小麦粉と澱粉を使用する。本発明の製法においては、主原料として澱粉を使用しない場合には、高温熱風乾燥時のα化度が低くなる傾向があり、湯戻し時間が長く必要になる等の、不適当な即席麺しか得られない。
(小麦粉)
本発明において好適な使用可能な主原料たる「小麦粉」としては、例えば、小麦粉ではASW(オーストラリア産白色中間質小麦、蛋白質10%前後)、HRW(アメリカ産赤色硬質小麦、蛋白質11%前後)等を挙げることができる。
(澱粉)
本発明において好適な使用可能な主原料たる「澱粉」としては、例えば、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、小麦澱粉などを使用することができる。これらの澱粉を原料として得られるエーテル化工澱粉、エステル化工澱粉、架橋化工澱粉、酸化工澱粉等の、各種「化工澱粉」をも、本発明において好適に使用することができる。本発明の効果を、より良いレベルで得るためには、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチの生澱粉、もしくはそれらを原料としたエーテル化工澱粉、エステル化工澱粉を使用することが好ましい。
(好適な澱粉)
本発明において、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチは、小麦粉に比べて、糊化開始温度が低く、更には水の吸水量が大きいため、高温熱風乾燥時に容易にα化する特性を有する。更には、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチをエーテル化工、エステル化工処理することで前述の特徴をさらに高めることも可能である。これらの澱粉の調製方法及びその化工度は特に限定しないが、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチを原料としたエーテル化工澱粉、エステル化工澱粉を用いた澱粉を使用することが好ましい。エーテル化工澱粉としては、ヒドロキシプロピル澱粉が好ましく、エステル化工澱粉としては、酢酸澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉が好ましい。また、中度又は高度架橋澱粉を使用した場合、その食感はコシが強いものとなり易い傾向がある。このため、中度又は高度架橋澱粉を本発明に使用する際には、本発明において期待する効果を得るために、他の要素を調整(例えば、小麦粉のタンパク量を下げる等)することが好ましい。
(澱粉の添加量)
澱粉の添加量は、小麦粉に対して、10〜35質量%、更には15〜30質量%とすることが好ましい。澱粉の添加量が少ない場合は、高温熱風乾燥時のα化度が低くなる傾向があり、喫食時に湯戻りが悪く、粉っぽい食感になってしまう傾向がある。他方、澱粉の添加量が多いと製麺工程において、麺帯がべたついてしまい、作業性が悪くなってしまい、生産効率の悪いものとなる傾向がある。
(副原料)
本発明において、使用可能な副原料としては、特に制限されない。本発明において、使用可能な副原料としては、例えば、かんすい、リン酸塩、塩、増粘多糖類、卵、グルテン等が挙げられる。
(麺の製法)
本発明において使用可能な「麺」の製法は、生麺線を成形充填し、次いで調湿高温熱風乾燥を行うことを除き、特に制限されない。本発明の好適な態様においては、例えば、主原料として、小麦粉と澱粉を使用し、常法によりミキシング処理を行い、ドウを作成した後、ドウを複合・圧延後、切刃で切り出した生麺線を、一食ずつリテイナー(バスケット)に成形充填し、湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃の熱風を用いて生麺線を調湿高温熱風乾燥する。これにより、食味食感・復元性に優れた膨化乾燥麺を得ることができる。
以下、本発明の好適な態様において使用可能な「麺」の製法(各工程)について述べる。
<ドウ作成工程>
製麺方法としては小麦粉と澱粉を主原料として使い、必要に応じて、グルテン等をブレンドした後、食塩、かんすい等を含む副原料と、水とを、ミキサーにより混捏してドウを作成することができる。本発明の効果を得るためには、加水率(粉原料に対する、使用した水の量)を、35〜45%にしておくことが好ましい。これは、その後の乾燥工程に於いて、麺線内部のα化度を高めるために必要な水分であり、水分が少ない(35%より低い)場合は、乾燥後の麺線のα化が不充分で、喫食時の食感が硬く、粉っぽくなる傾向がある。
<切り出し工程>
得られたドウを用い、ロール圧延により、圧延し、薄く延ばした麺帯を、切刃装置にて連続的に切り出す。
<計量・型詰・成形工程>
上述の手法により得られた生麺線を一食分ずつの重量になるように切断し、乾燥用リテイナー(バスケット)に一食ずつ成形充填し、その後、調湿高温熱風乾燥処理することにより麺線を膨化乾燥し目的とする麺線塊を得ることができる。
以下、本発明における調湿高温熱風乾燥工程について述べる。
<調湿高温熱風乾燥工程>
本発明における調湿高温熱風乾燥工程においては、生麺線を、湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃の熱風を用いて生麺線を調湿高温熱風乾燥することが特徴である(この「調湿高温熱風乾燥工程」における湿度および温度の詳細な測定方法については、後述する)。
(湿度)
本発明における調湿高温熱風乾燥工程においては、該乾燥時の湿度が、80mmHg未満であると、麺線表面に与える湿度(水分)が足りずに、麺線表面部分の硬化(変性)を防ぐことができない。他方、該湿度が300mmHgを超えると、湿度が高すぎて、麺線塊が収縮して、乾燥効率が悪くなってしまい、且つ、麺線表面のα化が高くなり過ぎ麺線同士の結着が強くなりすぎてしまい、喫食時の麺線塊のほぐれが悪いものとなってしまう。なお、本発明における湿度の単位は、絶対湿度の表記であり、例えば、絶対湿度「125℃、100mmHg」は、相対湿度で表せば、「125℃で約5.7%」となる。このような絶対湿度−相対湿度の換算においては、例えば、使用した湿度計(株式会社 山武 商品名:AVS300)の取扱説明書(1992年11月初版発行)における「付−2」の式を使用して、換算することができる。
以下に、30℃、70%RH(相対湿度)とし、110℃と150℃まで温度を上げた場合の相対湿度と絶対湿度の変化を以下に算出した。
なお、参考のために、これらの各温度(30℃、110℃および150℃)における飽和水蒸気圧の値をも併せて示した。
<温度> <飽和水蒸気圧> <相対湿度> <絶対湿度>
30℃ 32mmHg 70%RH 22mmHg
(4245Pa) (2971Pa)
110℃ 1074mmHg 2%RH 22mmHg
(143186Pa) (2971Pa)
150℃ 3568mmHg 0.6%RH 22mmHg
(475686Pa) (2971Pa)
(乾燥温度)
本発明の調湿高温熱風乾燥工程において、乾燥温度が110℃未満であると麺線の膨化が不充分となり、且つ、α化度も低くなる傾向が生ずる。他方、乾燥温度が150℃を超えると部分的に麺線に焦げを生じて、商品価値を損なう傾向がある。
(好適な調湿高温熱風乾燥の条件)
本発明においては、熱風の湿度が90mmHg〜200mmHgが好ましく、更には、100mmHg〜180mmHg、更に100mmHg〜150mmHg、特に110mmHg〜150mmHgであることが好ましい。熱風の温度は、110℃〜140℃であることが好ましく特に115℃〜130℃であることが好ましい。また、前記調湿熱風乾燥の後に、第二乾燥処理を設けても良い。第二乾燥処理は、湿度10mmHg〜100mmHg、温度が80℃〜120℃であることが好ましい。このような熱風を用いて、麺線塊の最終水分が6〜14%となるように乾燥することが好ましい。
(風速)
調湿高温熱風乾燥時の風速が1m/S未満であると、麺線塊中を良好に通気することが困難となって、乾燥ムラを生じてしまう傾向が生ずる。他方、該風速が15m/Sを超えると工業的に見てエネルギーがかかり過ぎる傾向が生ずる。
(好適なα化度)
本発明においては、上述したように、温度および調湿の湿度をコントロールすることにより、好適なα化度を得ることが好ましい。すなわち、本発明に従う調湿高温熱風乾燥工程において、該調湿高温熱風乾燥工程により得られるα化度をαとし、該工程と同じ温度条件を用いて調湿を行わない場合の工程により得られるα化度をαとした際に、該αは50〜60%であることが好ましく、更には51〜58%(特に51〜57%)であることが好ましい。
このαと、調湿を行わない場合の数値(α)との差(すなわち、α−α)は、+15%以下であることが、乾燥効率、喫食時のほぐれの点から好ましい。この差(α−α)は、更には10%以下(特に8%以下)であることが好ましい。(α−α)が15%を超える(α化度を上げてしまう)と、麺線塊の収縮が起こり、熱風の通気が悪くなり、乾きが悪くなる欠点が生じる傾向がある。この麺線塊の収縮度が大になると、喫食時のほぐれも悪くなってしまう傾向がある。
本発明の効果の点からは、上記(α−α)は、0.1%以上であることが好ましい。この(α−α)は、更には0.5%以上(特に、0.8%以上)であることが好ましい。
本発明の効果の一つである喫食時の「麺線表面の張りが強い」、「コシの強すぎる」等の官能的な欠点解消を図る点からは、基本的には、乾燥時の極初期段階から、調湿のされた高温熱風を吹き付けるべきである。即ち、乾燥時の極初期段階で調湿をしていない熱風を用いて麺線表面を乾かし始めてしまうと、麺線表面部分の硬化(変性)が始まってしまうために、その後、調湿熱風を吹き付けても、麺線表面の硬化(変性)は元に戻すことはできないことを、本発明者は見出している(後述する試験例・実施例を参照)。よって、乾燥機に麺線塊を投入した時点で、調湿された高温熱風を吹き付けなければ、本発明の効果を期待することはできない。また、乾燥初期段階に、ある程度の調湿を行えば、調湿の程度は徐々に減らして行くことも可能である。調湿の量を乾燥途中から少なくすることで、無駄なエネルギーを削減することもできる。ただし、本発明においては、「調湿された高温熱風の吹き付け」の誤差程度の遅れは、許容されるものとする。この、「誤差程度の遅れ」は、10秒以下であることが好ましく、5秒以下であることが更に好ましい。
(湿度・熱風の各条件の測定箇所)
本発明に使用すべき調湿・熱風乾燥機は特に制限されない。なお、図1(A)、図1(B)においては、図示した蒸気パイプにより加湿を行っている。また、本発明における湿度・熱風の温度、風速の各条件は図1に示した箇所で測定を行うことが好ましい。例えば、リテイナーに対して、下方から上方に熱風を吹き付ける場合(図1の(A))は、リテイナーの下側(すなわち、麺線塊に対する調湿熱風供給口と、該麺線塊との間)で測定することが好ましい。他方、リテイナーに対して、上方から下方に熱風を吹き付ける場合(図1の(B))は、リテイナーの上側(すなわち、麺線塊に対する調湿熱風供給口と、該麺線塊との間)で測定を行うことが好ましい。
(湿度の調整方法)
本発明における調湿高温熱風乾燥の湿度の調整方法は、特に制限されない。本発明においては、例えば、熱風に蒸気を送り込んで湿度を高める方法や、水を熱風に噴霧して、湿度を高める等の種々の方法が、好適に使用可能である。
(熱風の向き)
本発明におけるリテイナーに対しての熱風の向きは、特に制限されない。該熱風の向きは、必要に応じて可変としても良い。熱風の向きを可変とする本発明の態様においては、例えば、麺線塊の乾燥効率の点からは、少なくとも乾燥初期段階は、リテイナーに対して下方から上方に熱風を吹き付けることが好ましい。他方、該乾燥初期段階の後は、リテイナーに対して下方から上方に熱風を吹き付けても良く、逆に、リテイナーに対して上方から下方に熱風を吹き付けても良い。更に、必要に応じて、乾燥初期段階の後に、リテイナーの上方から下方の熱風と、下方から上方の熱風とを、ある一定の間隔で、交互に吹き付けることが好ましい。
(温度・湿度・風速の計器)
本発明で使用した各条件の計器を以下に示す。
温度計:東洋熱科学 株式会社 商品名:TR−8
湿度計:株式会社 山武 商品名:AVS300
風速計:株式会社テストー(Testo)商品名:06359640(ベーンタイプ)
(収縮の程度)
本発明においては、麺線塊の収縮の程度を、出来る限り抑制することが好ましい。より具体的には、本発明における「調湿高温熱風乾燥工程」に供される直前の麺線塊の外径をDとし、「調湿高温熱風乾燥工程」直後の麺線塊の外径をDとした場合に、該Dにおける「外径の保持率」、すなわち、R=100×(D/D)(%)が95%以上であることが好ましい。更に、この外径の保持率Rは、96%以上、更には97%以上(特に98%以上)であることが好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
実施例A1
下記の試験により、調湿高温熱風乾燥の効果を確認した。
<麺線の製造>
処方:小麦粉(ASW、蛋白9.5%)8kg、エステル化工タピオカ澱粉(商品名:桜II:松谷化学工業株式会社)2kg、食塩150g、かんすい(炭酸ナトリウム)50g、水3800ml
乾燥前の条件:切刃18番角、麺厚1.4mmの麺線を20cmに裁断し、120gをφ125mmの乾燥用リテイナー(テフロン(登録商標)コート)に充填し、5分前後高温熱風乾燥し、最終水分10%前後の麺線塊を得た。熱風は、125℃、風速5m/Sで行い、調湿の条件を変えて、比較試験を行った。
調湿高温熱風乾燥の条件は、以下の7種類の条件を用い、比較試験を行った。
(7種類の条件)
(1) 調湿なし 300秒乾燥
(2) 50mmHg調湿 300秒乾燥
(3) 100mmHg調湿 300秒乾燥
(4) 200mmHg調湿 300秒乾燥
(5) 300mmHg調湿 330秒乾燥
(6) 400mmHg調湿 360秒乾燥
(7) 400mmHg調湿 60秒 + 調湿なし 260秒
なお、上記条件(1)においては、麺線塊からの蒸発水分により、乾燥途中でMAX20mmHg湿度が高められたが、蒸気を追加して湿度を高めたのではないので、調湿の条件としては、「調湿なし」とした。
<水分の測定>
水分の測定は、以下のようにして行った。
電気乾燥機:ヤマト科学(株) 商品名:DN―41
得られた麺線 2gを電気乾燥機で105℃、2時間乾燥させ、乾燥前後の重量差により水分量を測定する。
<α化度測定>
本発明のα化度の測定方法は、グルコアミラーゼ第二法により測定をした。この「グルコアミラーゼ第二法」の詳細に関しては、必要に応じて、財団法人日本食品分析センターの「糊化度(α化度)の測定方法」を参照することができる(http://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-35.html)。
<収縮の程度>
本発明における麺線塊の収縮の程度は、高温熱風乾燥後の麺線塊の外径(D)における保持率、R=100×(D/D)(%)で評価した(ここに、Dは、「調湿高温熱風乾燥工程」に供される直前の麺線塊の外径である)。以下の表1のデータにおいては、いずれもD=125mmである。
上記した麺線塊(円形)の外径(DおよびD)は、ノギス(シンワ測定株式会社製、商品名 19912)を用いて、麺線塊の外径の最大値を測定して、1mm未満を四捨五入した。
上記により得られた麺のα化度の測定結果と乾燥後の麺線塊の状況、官能評価を表1に示す。
Figure 0006399931
上記表に示すように、調湿を行いながら乾燥することにより、麺線のα化度を高められることがわかる。調湿を行うことで、調湿を行わないで乾燥する時と比べて、食感が、より優れたものとなることがわかる。
また、調湿が400mmHg位になると、調湿の程度が強くなり乾燥後の麺線塊が縮小傾向にあり、喫食時のほぐれが、むしろ低下する傾向にある。更には、仮に、条件(7)のように、乾燥初期段階のみを400mmHgの調湿を行い、その後「調湿無し」の乾燥を行ったとしても、初期調湿の程度が比較的に高すぎるため、前述の問題点(ほぐれの低下)は、あまり改善されなかった。即ち、本発明の調湿高温熱風乾燥で行う調湿の程度は、80〜300mmHgが効果的であり、80〜200mmHgが好ましく、更には、100〜150mmHgが好ましい。
次に、調湿を行うタイミングについて比較試験2を行い、麺線の切断強度(喫食時の麺の硬さ)を数値化した。
上記実施例A1の試験方法と同様な条件で行い、高温熱風乾燥の条件は、以下の6種類の条件を用い、比較試験を行った。
実施例A2
(6種類の条件)
(1)(125℃、 風速8m/S、調湿なし 300秒)
(2)(125℃、 風速8m/S、調湿なし 60秒)+(125℃、 風速8m/S、調湿200mmHg 240秒)
(3)(125℃、 風速8m/S、調湿なし 30秒)+(125℃、 風速8m/S、調湿200mmHg 300秒)
(4)(125℃、 風速8m/S、調湿200mmHg 60秒)+(125℃、 風速8m/S、調湿なし 260秒)
(5)(125℃、 風速8m/S、調湿200mmHg 120秒)+(125℃、 風速8m/S、調湿なし 210秒)
(6)(125℃、 風速8m/S、調湿200mmHg 330秒)
(麺線の切断強度の測定)
お湯500mlを鍋にかけ、沸騰した後に、その切断強度を測定すべき麺線のサンプル80gを入れ、3分間麺線塊を箸でほぐしつつ煮込んだ。麺線塊投入から3分後、該麺線塊を鍋から取り出して器に移し「湯戻し後の時間」の計測を開始した。この際、時間の測定手段としては、セイコーエスヤード社製、商品名セイコーストップウォッチ「S052」のストップウォッチを用いた。
該ストップウォッチにより、正確に1分間(60秒間)カウントした後、素早く湯を麺線から分離して、該麺線の切断強度をレオメーターで測定した。
<切断強度の測定条件>
レオメータ:不動工業株式会社製、商品名NRM−2010−CW
麺線4本をプレート上に乗せ、ピアノ線を用いて切断強度を測定し、平均値を算出する。
条件(1)から(6)の比較試験の切断強度の測定結果を、図2のグラフに示す。
また、条件(1)から(6)の官能結果と測定結果を表2に示す。
Figure 0006399931
図2、表2より、条件(1)(2)(3)と、条件(4)(5)(6)では、麺の硬さが異なることが数値からも理解できる。図2より、乾燥初期段階から調湿を行わないと、麺が硬くなることが理解できる。これは、調湿を行わないで、生麺線の高温熱風乾燥を行ってしまうと、麺線表面が硬化(変性)してしまうためであると考えられる。この点、本発明においては、高温熱風乾燥の乾燥初期段階に調湿を行うことで麺線表面の硬化(変性)を防ぐことができ、この結果、「喫食時の表面の張りが強い」、「喫食時のコシの強すぎる」という従来の高温熱風乾燥麺の欠点を、本発明は解決することができる。
次に、小麦粉に対する澱粉の添加の効果を示すべく比較試験3を行った。
実施例A3
上記試験例1の試験方法と同様な条件で行い、処方の粉原料のみを変更して、澱粉の添加の効果の比較試験を行った。また、ミキシング時の加水量については、澱粉の添加量に合わせて、加水量も同時に調整し、各条件とも同じような練り具合になるよう調整をした。また、調湿高温熱風乾燥の条件としては、温度125℃、風速8m/S、湿度200mmHgの熱風を5分間吹き付けて、最終水分10%前後の麺線塊を得た。
粉原料の配合の条件は、以下の5種類の条件を用い、比較試験を行った。
(5種類の条件)
(1)小麦粉(ASW、蛋白9.5%)10kg
(2)小麦粉(ASW、蛋白9.5%)9kg、エステル加工タピオカ澱粉(商品名:桜II:松谷化学工業株式会社)1kg
(3)小麦粉(ASW、蛋白9.5%)8kg、エステル加工タピオカ澱粉(商品名:桜II:松谷化学工業株式会社)2kg
(4)小麦粉(ASW、蛋白9.5%)7kg、エステル加工タピオカ澱粉(商品名:桜II:松谷化学工業株式会社)3kg
(5)小麦粉(ASW、蛋白9.5%)6kg、エステル加工タピオカ澱粉(商品名:桜II:松谷化学工業株式会社)4kg
条件(1)から(5)の乾燥後の麺線の強度及び乾燥後の麺線のα化度及び官能評価を表3に示す。
Figure 0006399931
表3より、澱粉の添加量を増やしていくことで、α化度を高めることが可能となった。また、澱粉の添加量を増やすことで、ミキシング時の加水量も増える結果となり、澱粉と加水量との相乗効果により、α化度が高まっていると考えられる。澱粉を添加することで、効果的にα化を高めることができ、喫食時の食味食感が良好なものとなる。澱粉を添加しないと、食味食感が優れない傾向にある。
以下、実施例Bにより本発明を更に具体的に説明する。
<実施例B1>
小麦粉800g(ASW、蛋白9.5%)、エステル化工タピオカ澱粉200g(桜II:松谷化学工業株式会社)の粉原料に対し、炭酸ナトリウム6g、食塩10gを400mlの水に溶解したコネ水で混捏、圧延して、切刃20番角型、麺厚1.40mmの麺線で切りだしたのち、麺重120gにカットした生麺線をφ125mmの乾燥用リテイナー(バスケット)に成形充填し、温度125℃、風速8m/S、湿度150mmHgの熱風を5分間吹き付けて、最終水分10%前後の即席熱風乾燥麺を得た。
<実施例B2>
小麦粉800g(ASW、蛋白9.5%)、エーテル化工馬鈴薯澱粉200g(AG600:松谷化学工業株式会社)の粉原料に対し、炭酸ナトリウム6g、食塩10gを410mlの水に溶解したコネ水で混捏、圧延して、切刃18番角型、麺厚1.40mmの麺線で切りだしたのち、麺重120gにカットした生麺線をφ125mmの乾燥用リテイナー(バスケット)に成形充填し、温度125℃、風速8m/S、湿度200mmHgの熱風を5分間吹き付けて、最終水分10%前後の即席熱風乾燥麺を得た。
<実施例B3>
小麦粉800g(ASW、蛋白9.5%)、エーテル化工馬鈴薯澱粉200g(AG600:松谷化学工業株式会社)の粉原料に対し、炭酸ナトリウム6g、食塩10gを410mlの水に溶解したコネ水で混捏、圧延して、切刃18番角型、麺厚1.40mmの麺線で切りだしたのち、麺重120gにカットした生麺線をφ125mmの乾燥用リテイナー(バスケット)に成形充填し、温度120℃、風速8m/S、湿度200mmHgの熱風を3分間吹き付けてた後、温度120℃、風速8m/S、湿度100mmHgの熱風を1.5分間吹き付けて、最終水分10%前後の即席熱風乾燥麺を得た。
<比較例1>
小麦粉1000g(ASW、蛋白9.5%)の粉原料に対し、炭酸ナトリウム6g、食塩10gを320mlの水に溶解したコネ水で混捏、圧延して、切刃20番角型、麺厚1.40mmの麺線で切りだしたのち、麺重120gにカットした生麺線をφ125mmの乾燥用リテイナー(バスケット)に成形充填し、温度125℃、風速8m/S、湿度150mmHgの熱風を5分間吹き付けて、最終水分10%前後の即席熱風乾燥麺を得た。
<比較例2>
実施例B1の乾燥条件である湿度150mmHgを湿度400mmHgに変更し、それ以外の条件は実施例B1と共通として、同様の即席熱風乾燥麺を得た。
<比較例3>
実施例B2の乾燥条件である湿度200mmHgを湿度50mmHgに変更し、それ以外の条件は実施例B2と共通として、同様の即席熱風乾燥麺を得た。
上記により得られた実施例B1〜3および比較例1〜3により得られた即席乾燥麺について、以下の評価を行った。得られた結果を、以下の表4に示す。
Figure 0006399931
以上の結果より、主原料に小麦粉と澱粉を使用し、生麺線を短時間で高温熱風乾燥する場合、乾燥初期から調湿を行いつつ高温熱風乾燥することで、麺線表面の硬化(変性)を防ぐことが同時に可能となる。更に、喫食時には、湯戻りが良い麺であって、しかも喫食時の「麺線表面の張りが強い」、「コシの強すぎる」の従来の熱風乾燥麺の官能的な欠点を解決した麺を得ることができる。
即ち、本発明は、生麺線を蒸煮せずに成形充填し高温熱風乾燥処理する即席熱風乾燥麺において、高温熱風乾燥時の熱風を湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃に調整し、使用することで、麺線表面の硬化(変性)を防ぐことが可能となる。更に、喫食時には、湯戻りが良い麺であって、しかも喫食時の「麺線表面の張りが強い」、「コシの強すぎる」等の、従来の熱風乾燥麺の官能的な欠点を解決した麺を得ることができる。また、使用する粉原料として、澱粉を添加することで、高温熱風乾燥時の麺線のα化を効果的に高めることが可能となり、食味食感の優れた高温熱風乾燥麺を得ることができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも小麦粉および澱粉を含む主原料から生麺線を作製し、該生麺線を蒸煮処理せずに成形充填した後、湿度80mmHg〜300mmHg、温度が110℃〜150℃の熱風を用いて該生麺線を調湿高温熱風乾燥することを含む即席熱風乾燥麺の製造方法であって、前記澱粉が、主原料中1質量%〜3質量%配合されており、該調湿高温熱風乾燥の開始5秒以内から該生麺線へ調湿された高温熱風が吹き付けられることを特徴とする即席熱風乾燥麺の製造方法。
  2. 前記調湿高温熱風乾燥工程により得られるα化度をαとし、該工程と同じ温度条件を用いて調湿を行わない場合の工程により得られるα化度をαとした際に、これらα化度の差(α−α)が0.1〜15%である請求項1に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  3. 前記小麦粉および澱粉が先ず混合処理に供され、且つ、該混合処理時に、該小麦粉と澱粉の全体量の35%〜45%の水が加水される請求項1または2のいずれかに記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  4. 前記調湿熱風乾燥処理の後に、湿度10mmHg〜100mmHg、温度が80℃〜120℃の熱風を用いる第二乾燥処理を更に行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  5. 前記澱粉が、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチの生澱粉、またはそれらの澱粉を原料としたエーテル化工澱粉、エステル化工澱粉から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
  6. 前記調湿高温熱風乾燥が、α化度50〜60%の麺線を与えるように行われる請求項1〜5のいずれか1項に記載の即席熱風乾燥麺の製造方法。
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