JP6398795B2 - 乗物用シート - Google Patents

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本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートクッションの前部の座面角度を調節可能なフロントチルト機構と、シートクッションに取り付けられた空調装置と、を有する乗物用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、シートクッションに空調装置が備え付けられたものが知られている。上記空調装置は、クッションパッドを下側から支える支持バネに取り付けられて、クッションパッドの通風路内に下側から風を送り込む構成となっている。上記支持バネは、クッションフレームの枠内に一体的に張設されてクッションパッドを定位置で下側から支える構成となっている。
特開2013−126789号公報
しかし、上記従来技術では、シートクッションが前部の座面角度を調節可能なフロントチルト機構を備えている場合、支持バネに取り付けられた空調装置を、座面角度の調節により上げ下げされるクッションパッドに対して、適切に追従させることができない。本発明は、上述した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、空調装置をフロントチルト機構の動作に適切に追従させられる形に設けることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートクッションの前部の座面角度を調節可能なフロントチルト機構と、シートクッションに取り付けられた空調装置と、を有する乗物用シートである。フロントチルト機構は、シートクッションの両サイドフレーム間に架橋されたフロントパネルが両サイドフレームとの連結点まわりに高さ方向に回転することでシートクッションの前部の座面角度を調節する構成となっている。空調装置は、両サイドフレーム間に架橋された丸パイプとフロントパネルの底部との間に架橋され、フロントパネルの底部に対して回転可能に枢着され、丸パイプに対して半径方向の外側から嵌め込まれて回転可能かつ半径方向に摺動可能に連結されている。
この第1の発明によれば、空調装置は、フロントチルト機構の動作によりフロントパネルと丸パイプとの距離が変化しても、丸パイプに対して半径方向に摺動することで上記の変化量を逃がして、フロントパネルの移動を阻害することなくフロントパネルと丸パイプとの間に架橋された状態に保たれる。したがって、空調装置をフロントチルト機構の動作に適切に追従させることができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 空調装置の取付構造を分解して表した斜視図である。 図1のIII-III線断面図である。 図3からフロントチルト機構を動作させた状態を表した断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のシート1の構成について、図1〜図4を用いて説明する。本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の運転席として構成されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成となっている。
上述したシートバック2は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、図示しない電動式のリクライナを介してシートクッション3の左右両サイドの後端部に連結された状態とされている。これにより、シートバック2は、常時はシートクッション3に対する背凭れ角度が固定された状態に保持され、上述した不図示の電動式のリクライナを動作させることで背凭れ角度が調節される構成とされている。
シートクッション3は、車両のフロア上に、左右一対のスライドレール4を間に介して連結された状態とされている。これにより、シートクッション3は、常時はフロアに対する前後方向の位置が固定された状態に保持され、上記位置固定状態を解除してスライドレール4を前後動させることによりフロアに対する前後方向の位置が調節される構成とされている。
また、シートクッション3は、上述した左右一対のスライドレール4に対して、電動式のシートリフタ5を間に介して連結された状態とされている。これにより、シートクッション3は、常時はフロアに対する高さ位置が固定された状態に保持され、上記電動式のシートリフタ5を動作させることによりフロアに対する高さ位置が調節される構成とされている。
また、シートクッション3は、その前部が電動式のフロントチルト機構6により座面角度を高さ方向に調節することのできる構成とされている。また、シートクッション3は、その内部にシートクッション3の着座による蒸れを防止するための換気を行う吸気式の空調装置10を備えた構成となっている。上記空調装置10は、上述したシートクッション3のフロントチルト機構6の動作によって相対移動を行う2部材間(後述するフロントパネル3Fbとフロントパイプ5Cとの間)に架橋されているが、フロントチルト機構6の動作に適切に追従することができる状態とされている。
以下、上述した空調装置10のシートクッション3への取り付け方について、シートクッション3の具体的な構成と併せて詳しく説明していく。先ず、シートクッション3の構成について説明する。シートクッション3は、図1及び図3に示すように、その内部の骨格を構成する金属製のクッションフレーム3Fと、クッションフレーム3Fに上方側から組み付けられて乗員の着座荷重を軟らかく受け止める発泡ウレタン製のクッションパッド3Pと、クッションパッド3Pに上方側から被せ付けられてシートクッション3の外観意匠を形成する布製のクッションカバー3Cと、を有する構成とされている。
上述したクッションフレーム3Fは、シートクッション3の外周縁形状に沿った平面視四角枠状の形に組まれた構成となっている。具体的には、クッションフレーム3Fは、左右一対のサイドフレーム3Faと、各サイドフレーム3Faの前端部間に架橋されて着座乗員の大腿部を下方側から支えるフロントパネル3Fbと、を有し、各サイドフレーム3Faの前部間と後部間とにそれぞれ金属製の丸パイプ材から成るフロントパイプ5Cとリヤパイプ5Dとがシート幅方向に架橋されていることで、全体が平面視四角枠状の形に組まれた構成となっている。ここで、フロントパイプ5Cが本発明の「丸パイプ」に相当する。
上述した各サイドフレーム3Faは、それぞれ、前後方向に長尺な板形状にプレスカットされた1枚の鋼板材により形成されている。上記各サイドフレーム3Faは、それぞれ、シート幅方向に面を向ける形に立設されて、それらの上縁部と下縁部とがそれぞれシート内側に折り曲げられることにより、曲げや捩りに対する構造強度が高められていると共に、外周部にエッジを立たせない形に丸められた形状とされている。
フロントパネル3Fbは、シート幅方向に長尺な板形状にプレスカットされた1枚の鋼板材により形成されている。上記フロントパネル3Fbは、上述した各サイドフレーム3Faの前端部間に上方側に面を向けて跨る形にセットされている。上記フロントパネル3Fbは、その左右両側部に結合された各チルトアーム6Aが、それぞれ、互いに同軸上に設けられたシート幅方向を向く回転軸6Bにより各サイドフレーム3Faの外側部に回転可能に軸連結された状態として設けられている。これにより、フロントパネル3Fbは、上述した各回転軸6Bを中心とした高さ方向の回転移動により、着座乗員の大腿部を支える角度が変えられる構成とされている。上述した各回転軸6Bは、フロントパイプ5Cよりも後方側で、かつ、僅かに上方側の位置に配設されている(図3参照)。
上述したフロントパネル3Fbは、図1に示すように、その前側の縁部や左右両側の各縁部がそれぞれシート下方側に折り曲げられて、曲げや捩りに対する構造強度が高められていると共に、外周部にエッジを立たせない形に丸められた形状とされている。また、フロントパネル3Fbは、そのシート幅方向の中央の後部領域に、後下がりに傾斜した傾斜支持部3Fb1が形成されている。上記傾斜支持部3Fb1により、フロントパネル3Fbは、着座乗員の大腿部を前上がりの安楽な角度姿勢で支えることのできる構成とされている。また、上記フロントパネル3Fbの上方側に面を向けるシート幅方向の中央の前部領域には、車両の前部衝突の発生時に着座乗員のいわゆるサブマリン現象を防止するための図示しないエアバッグユニットの収納部となる横長状の凹部3Fb2が形成されている。
シートリフタ5は、左右一対のフロントリンク5Aと、左右一対のリヤリンク5Bと、各フロントリンク5Aの上端部同士を一体的に繋ぐフロントパイプ5Cと、各リヤリンク5Bの上端部同士を一体的に繋ぐリヤパイプ5Dと、車両外側のリヤリンク5Bに昇降動作のための回動力やブレーキ力を伝達する駆動ユニット5Eと、を有する左右一対の4節リンク機構によって構成されている。
各フロントリンク5Aは、各側のサイドフレーム3Faの内側に配置されている。各フロントリンク5Aは、それらの上端部に、フロントパイプ5Cがシート幅方向に貫通して差し込まれて一体的に溶着された状態とされている。各フロントリンク5Aは、それらの上端部に通された上述したフロントパイプ5Cの各端部が各側のサイドフレーム3Faに連結軸5A1によって回転可能に軸連結され、それらの下端部が連結軸5A2によって各側のスライドレール4の上部にそれぞれ回転可能に軸連結された状態とされている。これにより、各フロントリンク5Aは、上述したフロントパイプ5Cを介して互いに一体的となって回動することができる状態とされて、曲げや捩りに対する構造強度が高められた状態とされている。
各リヤリンク5Bも、各側のサイドフレーム3Faの内側に配置されている。各リヤリンク5Bは、それらの上端部に、リヤパイプ5Dがシート幅方向に貫通して差し込まれて一体的に溶着された状態とされている。各リヤリンク5Bは、それらの上端部に通された上述したリヤパイプ5Dの各端部が各側のサイドフレーム3Faに連結軸5B1によって回転可能に軸連結され、それらの下端部が連結軸5B2によって各側のスライドレール4の上部に回転可能に軸連結された状態とされている。これにより、各リヤリンク5Bは、上述したリヤパイプ5Dを介して互いに一体的となって回動することができる状態とされて、曲げや捩りに対する構造強度が高められた状態とされている。
そして、車両外側に配置されたリヤリンク5Bには、同リヤリンク5Bに回転駆動力やブレーキ力を伝達するための駆動ユニット5Eが連結されている。上記シートリフタ5は、図示しないスイッチの操作によって駆動ユニット5Eが駆動操作されることにより、車両外側のリヤリンク5Bに回動力が伝達されて、各側のリヤリンク5Bやフロントリンク5Aが一斉に昇降動作するよう操作されるようになっている。また、上記シートリフタ5は、上記不図示のスイッチの操作が行われていない時には、駆動ユニット5Eにより発揮されるブレーキ力によって、各側のリヤリンク5Bやフロントリンク5Aの動きが止められた状態に保持されるようになっている。
フロントチルト機構6は、上述したフロントパネル3Fbの左右両側部に結合されて後方側に延出するチルトアーム6Aと、各チルトアーム6Aの後端部を各サイドフレーム3Faに回転可能に軸連結する回転軸6Bと、フロントパネル3Fbに各サイドフレーム3Faに対する回転駆動力やブレーキ力を伝達する駆動ユニット6Cと、を有する構成となっている。上記フロントチルト機構6は、図示しないスイッチの操作によって駆動ユニット6Cが駆動操作されることにより、フロントパネル3Fbが各側のサイドフレーム3Faに対して回転軸6Bを中心に昇降動作するように操作されるようになっている。また、上記フロントチルト機構6は、上記不図示のスイッチの操作が行われていない時には、駆動ユニット6Cにより発揮されるブレーキ力によって、フロントパネル3Fbの動きを止めた状態に保持するようになっている。
クッションパッド3Pは、軟質ポリウレタンフォーム原料を発泡成形して形成したものである。上記クッションパッド3Pは、図3に示すように、上述したクッションフレーム3Fの上部に組み付けられることにより、その前後左右の各周縁部が、クッションフレーム3Fの各枠部によって下方側から強く支持された状態とされ、中央部がクッションフレーム3Fの枠内に架橋された図示しない面状の支持体によって下方側から広く軟らかく面で支えられた状態とされるようになっている。上述したクッションパッド3Pは、上記のようにクッションフレーム3Fの上部に組み付けられた後、その上方側から被せ付けられるクッションカバー3Cの各周縁部がクッションフレーム3Fの外周部を経由して底部に引き込まれて止着されることにより、クッションフレーム3Fの上部に組み付けられた状態として保持されている。
空調装置10は、上述したチルト動作を行うフロントパネル3Fbと、チルト動作に追従しないフロントパイプ5Cと、の間に架橋されて設けられている。具体的には、上記空調装置10は、図2に示すように、通風機となるベンチレータ11と、ベンチレータ11の上面部にビス締めされた金属製の取付プレート12と、ベンチレータ11の上面側の吸気口に接続されたゴム製のダクト13と、取付プレート12の前端部に連結されたシート幅方向を向く金属製の軸ピン14と、取付プレート12の後端部にビス締めされた樹脂フック15と、フロントパネル3Fbの底面部にボルト締めされた金属製の取付ブラケット16と、を有する。
上述した取付プレート12は、1枚の金属板がプレスカットされて形成されており、その四隅が上述したベンチレータ11の上面部にビス締めされて一体的に結合されている。上記取付プレート12の中央部には、上述したベンチレータ11の上面部に形成された吸気口を上方側に空ける丸孔12Aが貫通して形成されている。また、上記取付プレート12の前端側の左右両端部には、上述した軸ピン14をシート幅方向に挿通した状態に連結するための軸支片12Bが上方側に折り曲げられて形成されている。
ダクト13は、その図示下端側となる一端が上述したベンチレータ11の上面側に形成された吸気口に接続され、図示上端側となる他端が図3に示すようにクッションパッド3Pの底面部に形成された図示しない配風溝の接続口に接続された状態となって設けられている。上記ダクト13は、その管路がゴム製となっていることから、クッションパッド3Pとベンチレータ11との間を繋ぐ管路を前後左右に柔軟に曲げ撓ませることができるようになっている。
軸ピン14は、図2に示すように、上述した取付プレート12に形成された左右一対の軸支片12Bと、後述する取付ブラケット16の左右両端部に下方側に折り曲げられて形成された左右一対の軸支片16Bと、にそれぞれシート幅方向に貫通して差し込まれて連結された状態とされている。上記連結により、軸ピン14は、上述した取付プレート12を介してベンチレータ11を取付ブラケット16に回転可能に軸連結した状態とするようになっている。
樹脂フック15は、上述した取付プレート12の後端部にビス締めされることで、取付プレート12から上方側に立ち上がって側面視で後方側にU字の開口を向けた形に設けられた状態とされている。上記樹脂フック15は、詳しくは、その後方側に開口するU字の内周面が、フロントパイプ5Cに半径方向の外側から嵌め込んで回転可能かつ半径方向に摺動可能な状態に係合することが可能な高さ方向の開口幅を有した形に形成されている。具体的には、上記樹脂フック15は、そのU字の高さ方向に向かい合う内周面間の幅(内径)が一定のまま開口まで延びる平坦部15Aを有した形状とされている。上記樹脂フック15は、上記U字の開口からフロントパイプ5Cを内部に受け入れることにより、平坦部15Aがフロントパイプ5Cを上下側から挟み込む形に嵌合し、フロントパイプ5Cに対して回転可能かつ開口の内外に向かう半径方向に摺動可能な状態に組み付けられるようになっている。
取付ブラケット16は、1枚の金属板がプレスカットされて形成されており、上述したフロントパネル3Fbの傾斜支持部3Fb1の下面にあてがわれて2本の取付ボルト16Aにより一体的に締結されて固定された状態とされている。上記取付ブラケット16には、その左右両端部に、上述した軸ピン14をシート幅方向に挿通した状態に連結するための軸支片16Bが下方側に折り曲げられて形成されている。
上述した取付ブラケット16には、更に、上述したダクト13の上端を内部に通して取り付けた状態に保持することのできる枠状の保持部16Cが形成されている。上記保持部16Cは、図3に示すように、上述した取付ブラケット16の後端部に形成されており、取付ブラケット16がフロントパネル3Fbの底面部にボルト締結されることで、フロントパネル3Fbから後方側に張り出した位置に形成されるようになっている。上記保持部16Cは、その枠内部にダクト13の上端が通されることでダクト13の上端の外周面に環状に窪んで形成されたくびれ部13Aに外周側から嵌合して、ダクト13の上端を定位置に保持するようになっている。上記支持により、保持部16Cは、ダクト13の上端をクッションパッド3Pの底面部に形成された図示しない配風溝の接続口に接続した状態に保持するようになっている。
なお、上記ダクト13の下端は、上述した取付プレート12の中央部に形成された丸孔12Aに通されることで、その外周面に環状に窪んで形成されたくびれ部13Bが丸孔12Aの周縁部に嵌合して、ベンチレータ11の吸気口に接続された状態に保持されるようになっている。上記ダクト13の接続により、空調装置10は、ベンチレータ11により発揮される吸引力をクッションパッド3Pの図示しない配風溝の接続口に伝えて、同配風溝の所々の箇所から高さ方向に貫通して空けられた通気孔から空気を吸い込んで、シートクッション3の表面を換気して着座による蒸れを防止するようになっている。
上記構成の空調装置10は、上述した各構成部品が1つに組み付けられた状態で、次のように、フロントパネル3Fbとフロントパイプ5Cとの間に架橋されている。先ず、樹脂フック15をフロントパイプ5Cに前側から嵌め込んで、樹脂フック15のU字内にフロントパイプ5Cを嵌合させた状態にする。次に、取付ブラケット16をフロントパイプ5Cの底面部にあてがえて取付ボルト16Aにより一体的に締結する。これにより、空調装置10が、フロントパネル3Fbに対して軸ピン14のまわりに回転することができる状態に連結される。また、空調装置10が、フロントパイプ5Cに対して樹脂フック15を介してフロントパイプ5Cのまわりに回転することができ、かつ、半径方向にスライドすることもできる状態に連結される。
上記連結により、空調装置10は、その前側の回転中心となる軸ピン14が、取付ブラケット16の軸支片16Bや取付プレート12の軸支片12Bに対して全周が閉断面で囲まれた、径方向に動かされることのない高い構造強度で連結された状態となる。そして、上記空調装置10は、上記構造強度の高い連結状態とされた前側の軸ピン14を支点に、後側のフロントパイプ5Cに嵌合している樹脂フック15を、フロントパネル3Fbのチルト動作に伴って、フロントパイプ5Cのまわりに回転させたり半径方向に摺動させたりすることができるようになっている。したがって、空調装置10は、フロントパネル3Fbに対して凹部3Fb2より後側の前後幅の狭い傾斜支持部3Fb1の下面に取り付けられる構成であっても、構造強度が高く、かつ、フロントパネル3Fbのチルト動作に追従する際に、軸ピン14を中心とした軸回転による少ない移動軌跡でフロントパネル3Fb等の他の構造物と干渉しにくい形に動かされる構成とされている。
具体的には、上記樹脂フック15は、図4に示すように、上述したフロントパネル3Fbがフロントチルト機構6のチルトアップ動作によって回転軸6Bを中心に上方側に押し上げられることにより、上記軸ピン14により引き上げられる形でフロントパイプ5Cのまわりに図示時計回り方向に回転しながら上前方向に摺動するようになっている。上記樹脂フック15は、フロントパネル3Fbが図4に示す最大位置までチルトアップされても、平坦部15Aがフロントパイプ5Cに上下側から挟み込んだ形に嵌合した状態を維持可能なフック長(受け入れ長さ)を有した形状とされている。
また、上記樹脂フック15は、上記フロントパネル3Fbがフロントチルト機構6のチルトダウン動作によって下方側に落とされることにより、上記軸ピン14により押し下げられる形でフロントパイプ5Cのまわりに図示反時計回り方向に回転しながら後下方向に摺動するようになっている。このような動作によって、空調装置10は、フロントパネル3Fbのチルト動作をつかえさせることなく、フロントパネル3Fbのチルト動作に追従してスムーズに動くことができるようになっている。
上述した樹脂フック15は、金属製のフロントパイプ5Cに嵌合して直接接触していても、それ自体が樹脂製であることから、金属同士の接触とはならず、フロントパイプ5Cに対する摺動音や叩き音等の異音を発生させにくくなっている。また、樹脂フック15は、そのU字の先端側の縁部が成形時に角張らないように丸められた形に形成されていることから、その上部に被せ付けられるクッションパッド3Pの底面部に傷を付けたり着座時の異物感を感じさせたりしにくいようになっている。
上記空調装置10は、上述したフロントチルト機構6の動作に追従して動く時には、クッションパッド3Pとベンチレータ11との間を繋ぐゴム製のダクト13がクッションパッド3Pとベンチレータ11との位置関係の変化する形に合わせて柔軟に曲げ撓まされるようになっている。したがって、上記ダクト13によって、ベンチレータ11の吸気口とクッションパッド3Pの下面に形成された図示しない配風溝の接続口とを適切に繋いだ状態に保持することができる。
以上をまとめると、本実施例のシート1(乗物用シート)は、次のような構成となっている。すなわち、シート1は、シートクッション3の前部の座面角度を調節可能なフロントチルト機構6と、シートクッション3に取り付けられた空調装置10と、を有する。フロントチルト機構6は、シートクッション3の両サイドフレーム3Fa間に架橋されたフロントパネル3Fbが両サイドフレーム3Faとの連結点(回転軸6B)まわりに高さ方向に回転することでシートクッション3の前部の座面角度を調節する構成となっている。空調装置10は、両サイドフレーム3Fa間に架橋されたフロントパイプ5C(丸パイプ)とフロントパネル3Fbの底部との間に架橋され、フロントパネル3Fbの底部に対して軸ピン14により回転可能に枢着され、フロントパイプ5Cに対して樹脂フック15が半径方向の外側から嵌め込まれて回転可能かつ半径方向に摺動可能な状態に連結されている。
このような構成となっていることにより、空調装置10は、フロントチルト機構6の動作によりフロントパネル3Fbとフロントパイプ5Cとの距離が変化しても、フロントパイプ5Cに対して半径方向に摺動することで上記の変化量を逃がして、フロントパネル3Fbの移動を阻害することなくフロントパネル3Fbとフロントパイプ5Cとの間に架橋された状態に保たれる。したがって、空調装置10をフロントチルト機構6の動作に適切に追従させることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の運転席以外のシートにも適用することができる他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の他の乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。また、空調装置は、シートクッションの着座面から空気を吹き出して着座による蒸れを防止するための換気を行う吹き出し式の構成であってもよい。
また、空調装置が取り付けられる丸パイプは、シートクッションの両サイドフレーム間に架橋されるものであればよく、両サイドフレーム間に軸回転可能な状態に架橋されるものでも一体的に結合されて設けられるものであってもよい。また、丸パイプは、シートリフタの各フロントリンクの中間部同士又は下端部同士を連結するロッドとして構成されるものであってもよい。
また、空調装置を丸パイプに嵌め込んで回転可能かつ半径方向に摺動可能に連結する構造を、金属製のU字状のフックによって構成してもよい。その場合には、フックのU字の先端側の縁部を開口を狭める形にプレス曲げして角張らせない形にすることにより、その上部に被せ付けられるクッションパッドの底面部に傷を付けたり着座時の異物感を感じさせたりしにくいようにすることができる。また、フックの開口を狭める形に曲げることで、フックを丸パイプに嵌め込むことでフックを丸パイプから脱落させないように仮保持した状態にすることができ、空調装置のフロントパネルへの取付作業を簡便にすることができる。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
3F クッションフレーム
3Fa サイドフレーム
3Fb フロントパネル
3Fb1 傾斜支持部
3Fb2 凹部
3P クッションパッド
3C クッションカバー
4 スライドレール
5 シートリフタ
5A フロントリンク
5A1 連結軸
5A2 連結軸
5B リヤリンク
5B1 連結軸
5B2 連結軸
5C フロントパイプ(丸パイプ)
5D リヤパイプ
5E 駆動ユニット
6 フロントチルト機構
6A チルトアーム
6B 回転軸
6C 駆動ユニット
10 空調装置
11 ベンチレータ
12 取付プレート
12A 丸孔
12B 軸支片
13 ダクト
13A くびれ部
13B くびれ部
14 軸ピン
15 樹脂フック
15A 平坦部
16 取付ブラケット
16A 取付ボルト
16B 軸支片
16C 保持部

Claims (1)

  1. シートクッションの前部の座面角度を調節可能なフロントチルト機構と、前記シートクッションに取り付けられた空調装置と、を有する乗物用シートであって、
    前記フロントチルト機構は、前記シートクッションの両サイドフレーム間に架橋されたフロントパネルが前記両サイドフレームとの連結点まわりに高さ方向に回転することで前記シートクッションの前部の座面角度を調節する構成となっており、
    前記空調装置は、前記両サイドフレーム間に架橋された丸パイプと前記フロントパネルの底部との間に架橋され、前記フロントパネルの底部に対して回転可能に枢着され、前記丸パイプに対して半径方向の外側から一定の開口幅で延びる一対の平坦部を有したU字状のフックが嵌め込まれて回転可能かつ半径方向に摺動可能に連結されている乗物用シート。
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