JP6397948B2 - 感光性転写材料、パターン形成方法およびエッチング方法 - Google Patents

感光性転写材料、パターン形成方法およびエッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は感光性転写材料、パターン形成方法およびエッチング方法に関するものである。
有機EL表示装置や、液晶表示装置や、静電容量型入力装置などには、パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性転写材料を用いて任意の基板上に転写した感光性樹脂組成物層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光し、部分的に硬化した後に現像する方法が広く使用されている。
感光性樹脂組成物は感光システムの違いから、活性光線を照射した部分が像として残るネガ型と、活性光線を照射していない部分を像として残すポジ型とに分けられる。ネガ型では露光部が硬化するため、得られたパターン形状が不良であった場合には基板ごと廃棄する必要がある。一方、ポジ型では活性光線を照射することにより酸を発生する感光剤を用いて露光部の溶解性を高めるため、パターン露光時点では露光部および未露光部がいずれも硬化せず、得られたパターン形状が不良であった場合には全面露光などによって基板を再利用(リワーク)できる。そのため、いわゆるリワーク性に優れる観点からは、ポジ型の感光性樹脂組成物が好ましく用いられている。
このようなポジ型感光性樹脂組成物を用いた転写材料の例として、特許文献1〜3に記載の転写材料が知られている。
特許文献1には、支持フィルムと、この支持フィルム上にポジ型感放射線性樹脂組成物から形成された樹脂膜とを有する転写フィルムが記載されている。この文献では、ポジ型感放射線性樹脂組成物として、酸により解離して酸性官能基を生じる酸解離性官能基を有する構造単位を有する重合体、感放射線性酸発生剤、および有機溶媒を含有する化学増幅型のポジ型感放射線性樹脂組成物が記載されている。同文献では、ポジ型感放射線性樹脂組成物をメッキパターニング用のドライフィルムレジストとして用いると、感度や解像性などに優れるとともに、基板との密着性に優れ、現像後に開口部に残渣を発生させず、メッキ後の樹脂膜のクラック発生を抑制することができ、かつメッキの樹脂膜への押し込みを抑制することができるとともに、露光量の変化に対して形成されるパターンの寸法変化が小さく、また、環境中に存在するアミンによりT−topが発生してもそれを解消できると記載されている。
なお、特許文献1には、転写フィルムの樹脂膜の厚みを5〜200μmとして用いることができると記載されている。
特許文献2には、支持体上に化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して形成した感光性エレメントを用いてレジストパターンを形成する方法が記載されている。特許文献2では、酸によって切断される結合および2以上のエチレン性不飽和結合を分子内に有する熱重合性化合物と、前記熱重合性化合物の熱重合反応を開始させる熱重合開始剤と、活性エネルギー線照射により酸を発生する化合物とを含有する、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。この文献には、−O−C−O−部位を有する熱重合性化合物を用いたポジ型感光性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2の熱重合性化合物は重合体(ポリマー)ではなく、重合性化合物(モノマー)のみが記載されている。特許文献2の[0021]には、熱重合性化合物の−O−C−O−部位が、酸により切断されて−OH基とケトン化合物に分解し、この−OH基の形成によりアルカリ性の水溶液に可溶化するとの記載があることから、熱重合性化合物の−O−C−O−部位は酸基を保護しているものではなかった。なお、特許文献2の実施例では露光後の硬化膜をメタノールで現像していることからも、特許文献2はアルカリ性の水溶液による現像性を高めるために酸基を有する熱重合性化合物を用いることは検討されていない。
特許文献3には、ポジ型感光性樹脂組成物をフィルム基材に塗布し、次いで脱溶剤し感光性ドライフィルムを作る工程と、前記感光性ドライフィルムを、パターンを配した基板上に圧着し感光層を形成する工程と、前記感光層に、マスクを通して活性光線を照射する工程と、前記感光層をアルカリ水溶液により現像する工程と、前記感光層を水及び酸性水溶液からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒によりリンスする工程と、前記感光層の全体に活性光線を照射する工程と、100℃〜400℃でキュアする工程とを具備することを特徴とする樹脂パターンの製造方法により、ベーク工程後に得られたFPCの反りを低減し、機械物性を向上させ、溶剤耐性を改善することのできることが記載されている。特許文献3の化学増幅型のポジ型ドライフィルムでは、アルカリ可溶性樹脂としてポリイミド樹脂が用いられており、活性光線を照射することにより酸を発生する感光剤としてナフトキノンジアジド化合物が組み合わせて用いられていたが、アルカリ可溶性樹脂が架橋性基や酸基の保護基を有する態様については記載がなかった。
特許第4544219号公報 特許第4654938号公報 特開2010−211109号公報
ここで、転写フィルムを用いてパターン形成する場合、欠陥なくパターンを転写できる温度を低くすることが感光層の熱反応に起因するパターン形成能の低下回避の観点から求められている。しかしながら、支持フィルムとポジ型感放射線性樹脂組成物層の間に熱可塑性樹脂層をクッション層として有していない特許文献1に記載の転写フィルムを用いてパターン形成すると、欠陥なくパターンを転写できる温度が高く、すなわち転写性に不満が残ることがわかった。
一方、特許文献1のように酸により解離して酸性官能基を生じる酸解離性官能基を有する構造単位を含む重合体を用いる場合、露光現像にはポストベーク(露光現像後の加熱)を行うことが酸により解離して酸性官能基を生じる酸解離性官能基の脱離促進の観点から求められている。また、酸基の保護基を有していない樹脂を用いる場合も、パターンを形成したレジスト部のエッチング液への耐性向上の観点からポストベークを行うことが求められていることがある。ポストベークを行う場合、ポストベーク後のパターン部分の断面形状がドーム状で角がなくテーパー角が小さいこと(いわゆる耐熱矩形性が良好であること)がエッチング後のメタルパターンの解像度の観点から重要となる。
しかしながら、保護基を有する重合体を用いずに、保護基を有するモノマーを用いている特許文献2に記載の転写フィルムは、耐熱矩形性の点で不満が残ることがわかった。
また、酸基の保護基を有していないポリイミド樹脂を用い、露光時に窒素が発生するナフトキノンジアジドを感光剤に使用している特許文献3に記載の方法では、加熱架橋によるエッチング液への耐性付与の観点からポストベークを行う必要があるが、上記の耐熱矩形性に不満が残ることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、ポジ型であって、転写性が良好であり、耐熱矩形性に優れる感光性転写材料を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂組成物層とをこの順で有し、前記感光性樹脂組成物層が、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を含む重合体成分と、光酸発生剤とを感光性樹脂組成物層に含む感光性転写材料を用いることで、転写性が良好であり、耐熱矩形性に優れる感光性転写材料が得られ、上記課題を解決できることを見出すに至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下のとおりである。
[1] 支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂組成物層とをこの順で有し、前記感光性樹脂組成物層が(A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を含む重合体成分および(B)光酸発生剤を含むことを特徴とする感光性転写材料。
[2] [1]に記載の感光性転写材料は、前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)が、カルボキシ基またはフェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層が、(C)ヘテロ環状化合物を含有することが好ましい。
[4] [3]に記載の感光性転写材料は、前記(C)ヘテロ環状化合物の含有量が、前記感光性樹脂組成物層の全固形分量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。
[5] [3]または[4]に記載の感光性転写材料は、前記(C)ヘテロ環状化合物がエポキシ基を有することが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の感光性転写材料は、前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体が、下記一般式(A1)または一般式(A1’)で表される構成単位を有する重合体であることが好ましい。
一般式(A1)
(一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR1およびR2のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R3はアルキル基またはアリール基を表し、R1またはR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は水素原子またはメチル基を表す。)
一般式(A1’)
(一般式(A1’)中、R11およびR12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR11およびR12のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R13はアルキル基またはアリール基を表し、R11またはR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R14はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基またはシクロアルキル基を表す。)
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層が、前記重合体成分として前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を2種以上含有し、かつ、前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体として、下記一般式(A2’)で表される構成単位を有する重合体を含有することが好ましい。
一般式(A2’)
(一般式(A2’)中、R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR31およびR32のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R33はアルキル基またはアリール基を表し、R31またはR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子またはメチル基を表し、X0は単結合またはアリーレン基を表す。)
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性転写材料は、前記熱可塑性樹脂層と前記感光性樹脂組成物層の間に、さらに中間層を含むことが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層の膜厚が0.5〜10μmであることが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層に、さらに増感剤を含むことが好ましい。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層に、さらに塩基性化合物を含むことが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか1項に記載の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層の保護フィルムをさらに含むことが好ましい。
[13] [1]〜[12]のいずれか1項に記載の感光性転写材料は、除去可能なエッチング用レジストを形成するための感光性転写材料であることが好ましい。
[14] 基板の少なくとも一方の面に、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の感光性転写材料を用いて感光性樹脂組成物層を形成する感光性樹脂組成物層形成工程と、前記感光性樹脂組成物層を露光する露光工程と、露光された前記感光性樹脂組成物層を現像する現像工程と、を有することを特徴とするパターン形成方法。
[15] [14]に記載のパターン形成方法は、さらに、前記現像して得られた感光性樹脂組成物層からなるパターン画像を加熱処理するポストベーク工程を有することが好ましい。
[16] [14]または[15]に記載のパターン形成方法により作製したパターンをエッチング用レジストとして用いてエッチングを行う工程と、前記エッチング処理後に前記パターンを薬品処理により除去する工程と、を含むことを特徴とするエッチング方法。
本発明によれば、ポジ型であって、転写性が良好であり、耐熱矩形性に優れる感光性転写材料を提供することができる。
本発明の感光性転写材料を用いて形成することができる透明電極パターンを含む、静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。 本発明における前面板の一例を示す説明図である。 本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 開口部が形成された強化処理ガラスの一例を示す上面図である。 マスク層が形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素が形成された前面板の一例を示す上面図である。
以下、本発明の感光性転写材料、パターン形成方法およびエッチング方法について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[感光性転写材料]
本発明の感光性転写材料は、支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂組成物層とをこの順で有し、前記感光性樹脂組成物層が(A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を含む重合体成分および(B)光酸発生剤を含むことを特徴とする。
このような構成により、本発明の感光性転写材料は、ポジ型であって、転写性が良好であり、耐熱矩形性に優れる。
また、本発明の感光性転写材料は取り扱い性に優れることが好ましく、特にタッキネス(粘着性)が少ないことがより好ましい。特に、重合性化合物(モノマー)を用いた特許第4654938号公報に記載のポジ型感光性樹脂組成物に比べて、前記重合体成分を含む本発明の感光性転写材料は、このような取り扱い性、タッキネスに優れる。
さらに本発明の感光性転写材料は、感度に優れ、解像力が良好であり、線幅安定性に優れることが好ましい。
以下、本発明の感光性転写材料の好ましい態様について説明する。
{支持体}
本発明の感光性転写材料は、支持体を含む。
支持体としては、可撓性を有し、加圧下または、加圧および加熱下で著しい変形、収縮もしくは伸びを生じない材料を用いることができる。このような支持体の例として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
支持体の厚みには、特に制限はなく、5〜200μmの範囲が一般的であり、取扱い易さ、汎用性などの点で、特に10〜150μmの範囲が好ましい。
また、支持体は透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
また、本発明の感光性転写材料に用いられる前記支持体には、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
{感光性樹脂組成物層}
本発明の感光性転写材料は、感光性樹脂組成物層を含み、前記感光性樹脂組成物層が、前記(A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を含む重合体成分および(B)光酸発生剤を含む。
<成分A:重合体成分>
前記感光性樹脂組成物層中、前記(A)重合体成分が、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を含む。
前記(A)重合体成分は、さらに、これら以外の重合体を含んでいてもよい。本発明における(A)重合体成分(以下、「(A)成分」というがある)は、特に述べない限り、必要に応じて添加される他の重合体を含めたものを意味する。
<<構成単位(a1)>>
前記(A)重合体成分が構成単位(a1)を有することにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物層を有する感光性転写材料とすることができる。
本発明における「酸基が酸分解性基で保護された基」における酸基や酸分解性基としては、酸基および酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシル基、および、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、後述する式(A1)または式(A1’)で表される基のエステル構造、テトラヒドロピラニルエステル基、または、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)は、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位、または、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位であることが好ましい。
本発明の感光性転写材料は、前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)が、カルボキシ基またはフェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位であることがより好ましい。
以下、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位と、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位について、順にそれぞれ説明する。
<<<酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位>>>
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位とは、フェノール性水酸基を有する構成単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位である。
上記フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレンまたはα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位(例えばノボラック系の樹脂における構成単位)のヒドロキシル基が酸分解性基によって保護された構成単位が、感度の観点から好ましく、下記一般式(A1)または一般式(A1’)で表される構成単位を有する重合体であることがさらに解像度も高める観点からより好ましい。
一般式(A1)
一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR1およびR2のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R3はアルキル基またはアリール基を表し、R1またはR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は水素原子またはメチル基を表す。
前記一般式(A1)中、R1およびR2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R1およびR2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R1およびR2は、それぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、少なくとも一方が水素原子であることがより好ましい。
前記一般式(A1)中、R3はアルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
1またはR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R1またはR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。前記環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5または6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
前記一般式(A1)中、R4は水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
一般式(A1’)
一般式(A1’)中、R11およびR12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR11およびR12のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R13はアルキル基またはアリール基を表し、R11またはR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R14はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基またはシクロアルキル基を表す。
前記一般式(A1’)中、R11およびR12がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R11およびR12がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R11およびR12は、それぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、少なくとも一方が水素原子であることがより好ましい。
前記一般式(A1’)中、R13はアルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
11またはR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよい。
前記一般式(A1’)中、R14は水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位に用いることができる上記酸分解性基としては、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールで保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。さらに、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が下記一般式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が下記一般式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
一般式(a1−10)
(式(a1−10)中、R101およびR102は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、但し、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基を表す。R101またはR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
上記一般式(a1−10)中、R101〜R103は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101およびR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101およびR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
上記一般式(a1−10)において、R101、R102およびR103がアルキル基を表す場合、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
上記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
上記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることがさらに好ましい。上記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でもフッ素原子または塩素原子が好ましい。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
また、上記アルキル基がシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていてもよい。
上記一般式(a1−10)において、R101、R102およびR103がアリール基を表す場合、上記アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。上記アリール基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、シリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102およびR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103またはR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、上記一般式(a1−10)において、R101およびR102のいずれか一方が、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=メチル基、R102=水素原子、R103=エチル基の場合や、例は、R101=メチル基、R102=水素原子、R103=エチル基であってR101およびR103が互いに結合して5員環を形成した場合や、R101=R102=R103=メチル基の場合や、R101=R102=メチル基でR103=ベンジル基の場合が例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられる重合性単量体としては、例えば、特開2011−215590号公報の段落番号0042に記載のものなどが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられる重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体における酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位の共重合割合は、当該酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を含む重合体に対して10〜50%が好ましく、20〜40%がより好ましく、25〜40モル%が特に好ましい。
また、すべての重合体成分(前記重合体成分が2以上の重合体の混合物である場合は、含まれる重合体すべてを意味する)を構成単位(モノマーユニット)に分解したうえで、すべての構成単位のmol数に対する、酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位(a1)の割合は、0〜40モル%であることが好ましく、10〜35モル%であることがより好ましく、15〜30モル%であることが特に好ましい。
<<<酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位>>>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位は、カルボキシル基を有する構成単位のカルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位に用いることができる上記カルボキシル基を有する構成単位としては、特に制限はなく公知の構成単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)が挙げられる。
以下、上記カルボキシル基を有する構成単位として用いられる、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)と、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)について、それぞれ順に説明する。
<<<<分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)>>>>
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、ケイ皮酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基を有する構成単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、または不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、を用いることがより好ましい。
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<<エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)>>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有する構成単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
上記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、または無水コハク酸、が好ましい。
上記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位に用いることができる上記酸分解性基としては、上述の前記酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位に用いることができる酸分解性基を用いることができる。
これらの酸分解性基の中でもカルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。さらに酸分解性基の中でもカルボキシル基が前記一般式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が前記一般式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
前記一般式(a1−10)で表される保護カルボキシル基を有する構成単位を形成するために用いられる重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、特開2011−221494号公報の段落番号0037〜0040に記載の合成方法などで合成することができる。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位の中でも、下記一般式(A2’)で表される構成単位が、感度を高める観点から好ましい。
(一般式(A2’)中、R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR31およびR32のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R33はアルキル基またはアリール基を表し、R31またはR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子またはメチル基を表し、X0は単結合またはアリーレン基を表す。)
前記一般式(A2’)中、R31およびR32がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R31およびR32がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R31およびR32は、それぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
前記一般式(A2’)中、R33は、アルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記一般式(A2’)中、R31またはR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R31またはR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。前記環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5または6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
前記一般式(A2’)中、R34は水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(A2’)中、X0は単結合またはアリーレン基を表し、単結合が好ましい。
前記一般式(A2’)で表される構成単位構成単位の中でも、下記一般式(A2’’)で表される構造単位が、さらに感度を高める観点からより好ましい。
(式中、R121は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R122〜R128はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記一般式(A2’’)中、R121は水素原子またはメチル基が好ましい。
前記一般式(A2’’)中、R122〜R128は、水素原子が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは水素原子またはメチル基を表す。
酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体における酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位の共重合割合は、当該酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体に対して5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、30〜50モル%が特に好ましい。
また、すべての重合体成分を構成単位(モノマーユニット)に分解したうえで、すべての構成単位のmol数に対する、酸基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1)の割合は、0〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることが特に好ましい。
<<その他の構成単位>>
前記感光性樹脂組成物層の前記(A)成分は、上記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)に加えて、これら以外のその他の構成単位(a3)を有していてもよい。これらのその他の構成単位(a3)は、上記重合体成分(A)に用いられる重合体、すなわち、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体が共重合成分として含んでいてもよい。また、上記重合体成分(A)に用いられる酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含有する重合体とは別に、実質的に酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含まずに他の構成単位を有する重合体がその他の構成単位(a3)を有していてもよい。
その他の構成単位(a3)となるモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。また、後述するとおり、酸基を有する構成単位を有していてもよい。その他の構成単位(a3)となるモノマーは、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構成単位(a3)は、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落番号0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位(a3)としてスチレン類、脂肪族環式骨格を有する基が、電気特性の観点で好ましい。具体的にはスチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらにまた、その他の構成単位(a3)として(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点で好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含有する重合体を構成する構成単位中、上記の構成単位(a3)の含有率は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることができ、さらには、5モル%以上とすることができる。上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の諸特性が良好となる。
その他の構成単位(a3)として、酸基を含む構成単位を有することが好ましい。酸基を含む構成単位を有することにより、アルカリ性の現像液に溶けやすくなり、本発明の効果がより効果的に発揮される。本発明における酸基とは、pKaが10以下のプロトン解離性基を意味する。酸基は、通常、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を含む構成単位として、重合体に組み込まれる。このような酸基を含む構成単位を重合体中に含めることにより、アルカリ性の現像液に対して溶けやすくなる傾向にある。
前記その他の構成単位に用いられる酸基を含む構成単位の酸基としては、カルボン酸基由来のもの、スルホンアミド基に由来のもの、ホスホン酸基に由来のもの、スルホン酸基に由来のもの、フェノール性水酸基に由来するもの、スルホンアミド基、スルホニルイミド基等が例示され、カルボン酸基由来のものおよび/またはフェノール性水酸基に由来のものが好ましい。
前記その他の構成単位に用いられる酸基を含む構成単位は、スチレンに由来する構成単位やビニル化合物に由来する構成単位に対して酸基が置換した構成単位であることや、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることがより好ましい。
さらに、酸基のエステルを含む構成単位を有することも、現像液に対する溶解性や、膜の物理物性を最適化する観点から好ましい。
本発明では、特に、前記その他の構成単位(a3)として、カルボキシル基を有する構成単位、または、フェノール性水酸基を有する構成単位を含有することが、感度の観点で好ましい。
前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)として、前記酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を有する重合体は、前記その他の構成単位(a3)の中でもフェノール性水酸基に由来する構成単位を共重合成分として含むことが好ましく、ヒドロキシスチレンまたはα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位を共重合成分として含むことがより好ましく、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位を共重合成分として含むことが特に好ましい。
前記酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を有する重合体における酸基を含む構成単位の共重合割合は、酸基がフェノール性酸基である場合は該酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を有する重合体に対して50〜90モル%が好ましく、60〜75モル%がより好ましい。
また、酸基がカルボン酸性酸基である場合は該酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を有する重合体に対して0〜30モル%が好ましく、5〜10モル%がより好ましい。
前記酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を有する重合体における酸基のエステルを含む構成単位の共重合割合は、該酸分解性基で保護された保護フェノール基を有する構成単位を有する重合体に対して0〜30モル%が好ましく、0〜10モル%がより好ましく、0モル%が特に好ましい。
前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)として、前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を有する重合体は、前記その他の構成単位(a3)の中でもカルボン酸基由来の構成単位および/またはそのエステルを共重合成分として含むことが好ましく、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ベンジルまたは(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル由来の構成単位を共重合成分として含むことがより好ましい。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を有する重合体における酸基を含む構成単位の共重合割合は、酸基がフェノール性酸基である場合は該酸分解性基で保護されたカルボキシル基を有する構成単位を有する重合体に対して50〜90モル%が好ましく、60〜75モル%がより好ましい。
また、酸基がカルボン酸性酸基である場合は該酸分解性基で保護されたカルボキシル基を有する構成単位を有する重合体に対して0〜30モル%が好ましく、5〜10モル%がより好ましい。
前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を有する重合体における酸基のエステルを含む構成単位の共重合割合は、該酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を有する重合体に対して10〜80モル%が好ましく、30〜70モル%がより好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。
<重合体成分の好ましい実施形態>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位は、上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、前記感光性樹脂組成物層を露光後に速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を用いることが好ましい。
本発明の感光性転写材料では、前記(A)重合体成分中、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体は1種であっても2種以上であってもよい。本発明の感光性転写材料は、前記重合体成分として前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を2種以上含有することが好ましい。その中でも、前記重合体成分として前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体と、前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を含有する重合体とを含有することがより好ましい。
本発明の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層が、前記重合体成分として前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を2種以上含有し、かつ、前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体として、前記一般式(A2’)で表される構成単位を有する重合体を含有することが感度を高める観点から特に好ましい。
前記感光性樹脂組成物層が、前記重合体成分として前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を2種以上含有し、かつ、前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体として、前記一般式(A1)または前記一般式(A1’)で表される構成単位を有する重合体のうち少なくとも一方と、前記一般式(A2’)で表される構成単位を有する重合体とを含有することが感度および解像度をともに高める観点からより特に好ましい。
前記重合体成分として前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を2種以上含有する場合、前記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を有する重合体と前記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位を含有する重合体の割合は、質量比で10:90〜100:0であることが好ましく、30:70〜60:40であることがより好ましく、1:1であることが特に好ましい。
<<酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含有する重合体の分子量>>
前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含有する重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、諸特性が良好である。
数平均分子量と重量平均分子量の比(分散度)は1.0〜5.0が好ましく1.05〜3.5がより好ましい。
<<重合体成分(A)の製造方法>>
また、(A)成分の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも上記(a1)および上記(a3)で表される構成単位を形成するために用いられる重合性単量体を含む重合性単量体混合物を有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
前記感光性樹脂組成物層は、全固形分100質量部に対し、(A)成分を50〜99.9質量部の割合で含むことが好ましく、70〜98質量部の割合で含むことがより好ましい。
<<他の重合体成分>>
また、上記重合体成分(A)に用いられる酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含有する重合体とは別に、実質的に酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含まずに他の構成単位を有する重合体を有していてもよい。上記重合体成分(A)に用いられる重合体とは別に、実質的に酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を含まずに他の構成単位を有する重合体を含む場合、該重合体の配合量は、全重合体成分中、60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
前記感光性樹脂組成物層中にこれらの実質的に構成単位(a1)を含まずに他の構成単位(a3)を有する重合体は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
これらの実質的に構成単位(a1)を含まずに他の構成単位(a3)を有する重合体として、例えばポリヒドロキシスチレンを用いることができ、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、Joncryl 586(以上、BASF製)等を用いることもできる。
<成分B:光酸発生剤>
前記感光性樹脂組成物層は、(B)光酸発生剤を含有する。本発明で使用される光酸発生剤(「(B)成分」ともいう。)としては、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等の放射線を照射することにより酸を発生することができる化合物である。本発明で使用される(B)光酸発生剤(「(B)成分」ともいう)としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。放射線の照射により発生される酸のpKaの値は好ましくは、4.0以下であり、さらに好ましくは3.0以下である。下限値は特に定めるものではないが、例えば、−10.0以上とすることができる。
前記(B)光酸発生剤としては、イオン性光酸発生剤と、非イオン性光酸発生剤を挙げることができる。
非イオン性光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性の観点から、本発明の感光性転写材料は、前記(B)光酸発生剤がオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、およびジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0083〜0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
一般式(B1)
(一般式(B1)中、R21は、アルキル基またはアリール基を表す。波線は他の基との結合を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記一般式(B2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
(式(B2)中、R42は、アルキル基またはアリール基を表し、X10は、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2または3であるとき、複数のX10は同一でも異なっていてもよい。)
10としてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
10としてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。
10としてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。m4は、0または1が好ましい。上記一般式(B2)中、m4が1であり、X10がメチル基であり、X10の置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、またはp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(B3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
(式(B3)中、R43は式(B2)におけるR42と同義であり、X11は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
上記一般式(B3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
1としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
上記一般式(B3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)〜(viii)等が挙げられ、1種単独で使用、または、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(viii)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の(B)光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
上記一般式(OS−1)中、R411は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、または、ヘテロアリール基を表す。R412は、アルキル基、または、アリール基を表す。
401は−O−、−S−、−NH−、−NR415−、−CH2−、−CR416H−、または、−CR415417−を表し、R415〜R417はアルキル基、または、アリール基を表す。
421〜R424は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、または、アリール基を表す。R421〜R424のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
421〜R424としては、水素原子、ハロゲン原子、および、アルキル基が好ましく、また、R421〜R424のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R421〜R424がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、さらに置換基を有していてもよい。
上記一般式(OS−1)で表される化合物は、下記一般式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
上記一般式(OS−2)中、R401、R402、R421〜R424は、それぞれ式(OS−1)におけるのと同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、上記一般式(OS−1)および上記一般式(OS−2)におけるR401がシアノ基、または、アリール基である態様がより好ましく、上記一般式(OS−2)で表され、R401がシアノ基、フェニル基またはナフチル基である態様が最も好ましい。
また、上記オキシムスルホネート化合物においてオキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)のついてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
本発明に好適に用いうる上記一般式(OS−1)で表される化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0128〜0132に記載の化合物(例示化合物b−1〜b−34)が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
本発明では、上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
(一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。)
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R1におけるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるヘテロアリール基は、少なくとも1つの環が複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR23、R26およびR29のうち、1つまたは2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
23、R26およびR29におけるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、X1〜X3はそれぞれ独立にOまたはSを表し、Oであることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)において、X1〜X3を環員として含む環は、5員環または6員環である。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、n1〜n3はそれぞれ独立に1または2を表し、X1〜X3がOである場合、n1〜n3はそれぞれ独立に1であることが好ましく、また、X1〜X3がSである場合、n1〜n3はそれぞれ独立に2であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表す。その中でも、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にアルキル基またはアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基およびアルコキシスルホニル基は、置換基を有していてもよい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、m1〜m3はそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、上記(OS−3)〜(OS−5)のそれぞれの置換基について、特開2011−221494号公報の段落番号0092〜0109に記載の(OS−3)〜(OS−5)の置換基の好ましい範囲も同様に好ましい。
また、上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(OS−6)〜(OS−11)のいずれかで表されるオキシムスルホネート化合物であることが特に好ましい。
(式(OS−6)〜(OS−11)中、R301〜R306はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R307は、水素原子または臭素原子を表し、R308〜R310、R313、R316およびR318はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、R311およびR314はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、R312、R315、R317およびR319はそれぞれ独立には水素原子またはメチル基を表す。)
上記一般式(OS−6)〜(OS−11)における好ましい範囲は、特開2011−221494号公報の段落番号0110〜0112に記載される(OS−6)〜(OS−11)の好ましい範囲と同様である。
上記一般式(OS−3)〜上記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0114〜0120に記載の化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
前記感光性樹脂組成物層において、(B)非イオン性光酸発生剤は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは全固形分、より好ましくは重合体の合計)100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。2種以上を併用することもできる。
イオン性光酸発生剤の例として、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類等を挙げることができる。これらのうち、トリアリールスルホニウム塩類およびジアリールヨードニウム塩類が好ましい。
イオン性光酸発生剤として使用されるトリアリールスルホニウム塩類は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
(一般式(1)中、R505、R506及びR507は、それぞれ、置換基を有していてもよい、アルキル基又は芳香族基を表し、アルキル基の場合、互いに連結し環を形成してもよい;X-は共役塩基を表す。)
505、R506及びR507におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい。そのようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、などが挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、ターシャリーブチル基が好ましい。また、R505、R506及びR507のうち、2つ以上がアルキル基の場合、その2つ以上のアルキル基が互いに連結し環を形成していることが好ましく、そのような環形態としては硫黄原子を含んだ形で5員環(チアシクロペンタン)、及び、6員環(チアシクロヘキサン)が好ましい。
505、R506及びR507における芳香族基としては、炭素数6〜30の芳香族基が好ましく、置換基を有していてもよい。そのような芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ターシャリーブチルフェニル基、4−フェニルチオフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基が挙げられる。
また、一般式(1)で表されるイオン性光酸発生剤は、R505〜R507のいずれかで結合し、2量体等の多量体を形成してもよい。例えば、前記4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基は2量体の一例であり、前記4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基における対アニオンは、X-と同様である。
505、R506及びR507におけるアルキル基及び芳香族基が有していてもよい置換基としては、芳香族基が好ましく、具体的にはフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基が特に好ましい。これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていてもよい。
-における共役塩基としては、アルキルスルホン酸の共役塩基、アリールスルホン酸の共役塩基、BY4 -(Yはハロゲン原子を表す。以下についても同様である。)、PY6 -、AsY6 -、SbY6 -、又は、下記一般式(3)若しくは一般式(4)で表される一価のアニオンが好ましく、アルキルスルホン酸の共役塩基、アリールスルホン酸の共役塩基、PY6 -、又は、一般式(3)で表される1価のアニオンが特に好ましい。
アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸の共役塩基としては、炭素数1〜7のアルキルスルホン酸の共役塩基が好ましく、更に炭素数1〜4のアルキルスルホン酸の共役塩基がより好ましく、酸の形で表記すると例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸が特に好ましい。
アリールスルホン酸の共役塩基としては、酸の形で表記すると例えば、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。
-におけるBY4 -、PY6 -、AsY6 -、SbY6 -中のYは、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
(一般式(3)及び一般式(4)中、R521、R522及びR523はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基、又は、R521とR522とが互いに炭素原子数2〜6のアルキレン基若しくは炭素原子数2〜6のフッ素原子を有するアルキレン基で結合した環を表す。)
一般式(3)及び一般式(4)中、R521、R522及びR523における炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。また、炭素原子数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ドデカフルオロペンチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。これらのうち、R521、R522及びR523は、炭素原子数1〜10のフッ素原子を有するアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜6のフッ素原子を有するアルキル基が特に好ましい。
一般式(3)及び一般式(4)中、R521とR522とが互いに結合して環を形成する場合の炭素原子数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等を挙げることができる。また、炭素原子数2〜6のフッ素原子を有するアルキレン基としては、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチレン基、デカフルオロペンチレン基、ウンデカフルオロヘキシレン基等を挙げることができる。これらのうち、R521とR522とが互いに結合して環を形成する場合は、炭素原子数2〜6のフッ素原子を有するアルキレン基で結合することが好ましく、特に炭素原子数2〜4のフッ素原子を有するアルキレン基で結合することが好ましい。
また、一般式(1)で表されるイオン性光酸発生剤としては、下記一般式(5)で表される光酸発生剤であることが好ましい。
(式中、R510、R511、R512及びR513はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい、アルキル基又は芳香族基を表し、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい二価の芳香族基を表し、X1-及びX2-はそれぞれ独立に、共役塩基を表す。)
510、R511、R512及びR513におけるアルキル基及び芳香族基は、一般式(1)のR505、R506及びR507が表すアルキル基及び芳香族基と同義であり、好ましい態様も同様である。また、有していてもよい置換基も同様である。
1-及びX2-における共役塩基は、一般式(1)のX-が表す共役塩基と同義であり、好ましい態様も同様である。
Ar3及びAr4における二価の芳香族基としては、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
イオン性光酸発生剤として使用されるトリアリールスルホニウム塩類の具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートまたは4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート等が挙げられる。
市販されている化合物としては、TPS−102,103,105,106,109,300,1000、MDS−103,105,109,205、209、BDS−109、DTS−103,105、MNPS−109、HDS−109,(以上、みどり化学社製)、GSID−26−1、Cyracure UVI−6976(以上、BASF社製)が挙げられる。
イオン性光酸発生剤として使用されるジアリールヨードニウム塩類は下記一般式(2)の一般式で表される。
一般式(2)
(一般式(2)中、R508及びR509はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、X-は共役塩基を表す。)
一般式(2)中、R508及びR509における芳香族基は、一般式(1)のR505、R506及びR507が表す芳香族基と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(2)中、X1-における共役塩基は、一般式(1)のX-が表す共役塩基と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、一般式(2)で表される光酸発生剤は、R508〜R509で結合し、2量体等の多量体を形成してもよい。例えば、前記4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基は2量体の一例であり、前記4−(4’−ジフェニルスルホニオフェニルチオ)フェニル基における対アニオンは、前記X-と同様のものである。
イオン性光酸発生剤として使用されるジアリールヨードニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、フェニル,4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
市販されている化合物としては、DPI−105,106,109,201、BI−105,MPI−105,106,109、BBI−102,103,105,106,109,110,201,300、301(以上、みどり化学社製)が挙げられる。
イオン性光酸発生剤として使用される第四級アンモニウム塩類の具体例としては、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記具体例の他、(B)成分の具体例としては、以下のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記感光性樹脂組成物層における成分Bの含有量は、重合体成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。成分Bの含有量が0.1質量部以上であると、所望の感度(高感度化)が得やすく、また、10質量部以下であると、塗膜の透明性を確保しやすい。
また、非イオン性光酸発生剤の添加量は、1質量%以下であることが好ましく、実質的に非イオン性光酸発生剤を含まない態様が好ましい。
<成分D:溶剤>
前記感光性樹脂組成物層は、溶剤を含有することが好ましい。前記感光性樹脂組成物層は、本発明の必須成分と、さらに後述の任意の成分を溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
前記感光性樹脂組成物層に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、前記感光性樹脂組成物層に使用される溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落番号0174〜0178に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類またはジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することがさらに好ましい。
また、成分Dとしては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、または、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
前記感光性樹脂組成物層における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分100質量部当たり、50〜95質量部であることが好ましく、60〜90質量部であることがさらに好ましい。
<成分E:増感剤>
前記感光性樹脂組成物層は、(B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましく、特に非イオン性光酸発生剤を用いるときは増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。
増感剤を含有させることで、露光感度が一段と向上し、また、可視光の吸収効率が低い非イオン性光酸発生剤を用いる場合、露光光源がg、h線混合線の場合に特に有効である。
増感剤としては、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体が好ましく、アントラセン誘導体がより好ましい。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
アクリドン誘導体としては、アクリドン、N−ブチル−2−クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、2−メトキシアクリドン、N−エチル−2−メトキシアクリドンが好ましい。
チオキサントン誘導体としては、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−クロロチオキサントンが好ましい。
クマリン誘導体としては、クマリン−1、クマリン−6H、クマリン−110、クマリン−102が好ましい。
ベーススチリル誘導体としては、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキサゾール、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ナフトチアゾールが挙げられる。
ジスチリルベンゼン誘導体としては、ジスチリルベンゼン、ジ(4−メトキシスチリル)ベンゼン、ジ(3,4,5−トリメトキシスチリル)ベンゼンが挙げられる。
増感剤の具体例としては、下記が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記において、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基を表す。
前記感光性樹脂組成物層における増感剤の含有量は、重合性成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。増感剤の含有量を0.1質量部以上とすることにより所望の感度が得やすく、また10質量部以下とすることにより塗膜の透明性を確保しやすい。
<成分S:塩基性化合物>
前記感光性樹脂組成物層は、塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0204〜0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記感光性樹脂組成物層における塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.001〜3質量部であることが好ましく、0.005〜1質量部であることがより好ましい。
<成分F:ヘテロ環状化合物>
前記感光性樹脂組成物層は、必要に応じ、ヘテロ環状化合物を含有することが好ましい。ヘテロ環状化合物を添加することにより、前記感光性樹脂組成物層により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができ、線幅安定性も向上する。
ヘテロ環状化合物としては、重合体成分を除けば特に制限はない。例えば、以下に述べる分子内にエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有ヘテロ環状化合物、そのほか、各種環状エーテル・環状エステル(ラクトン)などの含酸素モノマーや、環状アミン・オキサゾリンといった含窒素モノマー、さらには珪素・硫黄・リンなどのd 電子をもつヘテロ環モノマー等を添加することができる。
前記感光性樹脂組成物層中におけるヘテロ環状化合物の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度に優れた硬化膜が得られ、耐薬品性に優れた硬化膜が得られ、線幅安定性も向上する。ヘテロ環状化合物は複数を併用することもでき、その場合はヘテロ環状化合物を全て合算して含有量を計算する。
〔分子内にエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物〕
分子内にエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、JER828、JER1007、JER157S70(三菱化学社製)、JER157S65((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落番号0189に記載の市販品などが挙げられる。
その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402、EX−111,EX−121、EX−141、EX−145、EX−146、EX−147、EX−171、EX−192(以上ナガセケムテック製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上新日鐵化学製)セロキサイド2021P、2081、2000、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177((株)ダイセル)、などが挙げられる。
これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ、脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、脂肪族エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内にオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−201、OXT−211、OXT−212、OXT−213、OXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独でまたはエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
これらの中でも、本発明の感光性転写材料は、前記ヘテロ環状化合物がエポキシ基を有することが、線幅安定性を改善する観点から好ましい。
また、分子内にアルコキシシラン構造とヘテロ環状構造の両方を有する化合物も好適に用いることができる。たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
<成分W:界面活性剤>
前記感光性樹脂組成物層は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記一般式(I−1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
一般式(I−1)
(式(I−1)中、R401およびR403はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。)
上記Lは、下記一般式(I−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。一般式(I−2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
一般式(I−2)
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
その他、特許第4502784号公報の段落[0017]、特開2009−237362号公報の段落[0060]〜[0071]に記載の界面活性剤も用いることができる。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記感光性樹脂組成物層における界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.001〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜3質量部であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
前記感光性樹脂組成物層には、上記成分に加えて、さらに前記感光性樹脂組成物層には、金属酸化物粒子、ヘテロ環状化合物以外の架橋剤、アルコキシシラン化合物、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。例えば、静電容量型入力装置のマスク層の形成に本発明の感光性転写材料を用いる場合には、感光性樹脂組成物に着色剤を含有させ、着色感光性樹脂組成物層とすることが好ましい。また、静電容量型入力装置の透明電極パターンに本発明の感光性転写材料を用いる場合には、感光性樹脂組成物層に導電性繊維等を含有させ、導電性感光性樹脂組成物層とすることが好ましい。
〔金属酸化物粒子〕
前記感光性樹脂組成物層は、屈折率や光透過性を調節することを目的として、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子は、透明性が高く、光透過性を有するため、高屈折率で、透明性に優れたポジ型感光性樹脂組成物が得られる。
金属酸化物粒子は、当該粒子を除いた材料からなる樹脂組成物の屈折率より屈折率が高いものであることが好ましく、具体的には、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の粒子がより好ましく、屈折率が1.70以上の粒子が更に好ましく、1.90以上の粒子が特に好ましい。
ここで、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であるとは、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率が1.50以上であることを意味し、上記範囲の波長を有する全ての光における屈折率が1.50以上であることを要しない。また、平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を、測定点の数で割った値である。
なお、本発明における金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
光透過性で屈折率の高い金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウムが特に好ましく、二酸化チタンが最も好ましい。二酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
樹脂組成物の透明性の観点から、成分Cの平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、3〜80nmが特に好ましい。ここで粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、金属酸化物粒子は、1種単独で使用してよいし、2種以上を併用することもできる。
前記感光性樹脂組成物層における金属酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物により得られる光学部材に要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、前記感光性樹脂組成物層の全固形分に対して、5〜80質量%とすることが好ましく、10〜70質量%とすることがより好ましい。
〔ヘテロ環状化合物以外の架橋剤:ブロックイソシアネート化合物〕
前記感光性樹脂組成物層では、架橋剤として、ブロックイソシアネート系化合物も好ましく採用できる。ブロックイソシアネート化合物は、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、前記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物およびこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
前記感光性樹脂組成物層におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
前記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
前記オキシム化合物としては、オキシム、および、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、アセトキシム等が例示できる。
前記ラクタム化合物としてはε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
前記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
前記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
前記アミン化合物としては、1級アミンおよび2級アミンが上げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
前記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
前記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる、
前記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
前記感光性樹脂組成物層に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
〔アルコキシシラン化合物〕
前記感光性樹脂組成物層は、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、前記感光性樹脂組成物層により形成された膜と基板との密着性を向上でき、さらに前記感光性樹脂組成物層により形成された膜の性質を調整することができる。アルコキシシラン化合物としては、ジアルコキシシラン構造を有する化合物またはトリアルコキシシラン構造を有する化合物が好ましく、トリアルコキシシラン構造を有する化合物がより好ましい。アルコキシシラン化合物が有するアルコキシ基の炭素数は1〜5が好ましい。アルコキシシラン化合物の分子量は100〜500が好ましく、150〜400がより好ましい。
前記感光性樹脂組成物層に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。なお、前記アルコキシシラン化合物としては、アルコキシシラン構造を有し、かつ、前記ヘテロ環状化合物にも含まれる化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど)も用いることができる。
具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、下記具体例に示される化合物も好ましく採用できる。
上記具体例において、Phはフェニル基である。
前記感光性樹脂組成物層におけるアルコキシシラン化合物は、特にこれらに限定することなく、公知のものを使用することができる。
前記感光性樹脂組成物層におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、感光性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましく、5〜25質量部がさらに好ましい。
本発明では、5〜25質量部の割合とすることにより、感度、絶縁性および保存安定性を総合的に評価したときに、特に優れたものとなる。
〔酸化防止剤〕
前記感光性樹脂組成物層は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−23、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−37、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−51、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、アデカスタブA−611、アデカスタブA−612、アデカスタブA−613、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブPEP−36Z、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、アデカスタブCDA−1、アデカスタブCDA−6、アデカスタブZS−27、アデカスタブZS−90、アデカスタブZS−91(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス245FF、イルガノックス1010FF、イルガノックス1010、イルガノックスMD1024、イルガノックス1035FF、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1330、イルガノックス1520L、イルガノックス3114、イルガノックス1726、イルガフォス168、イルガモッド295(BASF(株)製)などが挙げられる。中でも、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035、イルガノックス1098を好適に使用することができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を前記感光性樹脂組成物層に添加してもよい。
〔分散剤〕
前記感光性樹脂組成物層は、分散剤として公知のものを用いることができ、酸基を有する分散剤が好ましい。
〔酸増殖剤〕
前記感光性樹脂組成物層は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。
本発明に用いることができる酸増殖剤は、酸触媒反応によってさらに酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数、pKaとして3以下であるのが好ましく、特に2以下であるのが好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報の段落番号0203〜0223、特開平10−282642号公報の段落番号0016〜0055、および、特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
具体的には
等を挙げることができる。
酸増殖剤の感光性組成物への含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、10〜1,000質量部とするのが、露光部と未露光部との溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部とするのがさらに好ましい。
〔現像促進剤〕
前記感光性樹脂組成物層は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、特開2012−042837号公報の段落番号0171〜0172の記載を参酌でき、かかる内容は本願明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
前記感光性樹脂組成物層における現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、感光性組成物の全固形分100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
〔その他の添加剤〕
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落番号0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、WO2011/136074A1に記載の窒素含有化合物および熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
さらに、前記感光性樹脂組成物は、特許第4502784号公報の段落[0018]に記載の熱重合防止剤、さらに、特開2000−310706号公報の段落[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤、特開2005−221726号公報に記載の材料などが用いられるが、これに限られたものではない。
<感光性樹脂組成物層の膜厚>
感光性樹脂組成物層の膜厚は、0.5〜10μmが好ましい。感光性樹脂組成物層の膜厚が10μm以上の場合には、パターンの解像度が低下し、0.5μm未満では、エッチング液への耐性が不足する。
前記感光性樹脂組成物層の膜厚としては、0.8〜5μmが更に好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。
<感光性樹脂組成物層の形成方法>
各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
<熱可塑性樹脂層および感光性樹脂組成物の粘度>
本発明における熱可塑性樹脂層の100℃で測定した粘度が1000〜10000Pa・secの領域にあり、感光性樹脂組成物の100℃で測定した粘度が2000〜50000Pa・secの領域にあり、さらに次式(A)を満たすことが好ましい。
式(A):熱可塑性樹脂層の粘度<感光性樹脂組成物の粘度
ここで、各層の粘度は、次のようにして測定できる。大気圧および減圧乾燥により、熱可塑性樹脂層あるいは感光性樹脂組成物用塗布液から溶剤を除去して測定サンプルとし、例えば、測定器として、バイブロン(DD−III型:東洋ボールドウィン(株)製)を使用し、測定開始温度50℃、測定終了温度150℃、昇温速度5℃/分および振動数1Hz/degの条件で測定し、100℃の測定値を用いることができる。
{熱可塑性樹脂層}
本発明における感光性転写材料は、支持体と感光性樹脂組成物層との間に熱可塑性樹脂層が設けられる。
このような積層順で前記熱可塑性樹脂層を有する感光性転写材料を用いて、感光性樹脂組成物層を転写すると、低温で転写することができ、すなわち転写性が良好となる。また、感光性樹脂組成物を転写して形成した要素に気泡が発生し難くなり、均一な膜を形成することができることから、エッチングレジストとして用いたときに基板面内のパターン均一性の観点から好ましい。
前記熱可塑性樹脂層はアルカリ可溶性であることが好ましい。熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む。)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであり、対象面の凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、特開平5−72724号公報に記載の有機高分子物質を成分として含む態様が好ましく、ヴィカー(Vicat)法〔具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法〕による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれる少なくとも1種を含む態様が特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルまたはそのケン化物等とのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルまたはそのケン化物との共重合体、ポリ塩化ビニルや塩化ビニルと酢酸ビニルまたはそのケン化物等との塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロン等のポリアミド樹脂などの有機高分子が挙げられる。
熱可塑性樹脂層の層厚は、3〜30μmが好ましい。熱可塑性樹脂層の層厚が3μm未満の場合には、ラミネート時の追随性が不十分で、下地表面の凹凸を完全に吸収できないことがある。また、層厚が30μmを超える場合には、支持体への熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥(溶剤除去)に負荷がかかったり、熱可塑性樹脂層の現像に時間を要したりし、プロセス適性を悪化させることがある。前記熱可塑性樹脂層の層厚としては、4〜25μmが更に好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性の有機高分子を含む調製液を塗布等して形成することができ、塗布等の際に用いる調製液は溶媒を用いて調製できる。溶媒には、該層を構成する高分子成分を溶解し得るものであれば特に制限なく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
{他の層}
本発明で用いる感光性転写材料には、感光性樹脂組成物と熱可塑性樹脂層との間に中間層を設けたり、あるいは感光性樹脂組成物の表面に保護フィルムなどを更に設けたりして好適に構成することができる。本発明の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物層の保護フィルムをさらに含むことが好ましい。
本発明で用いる感光性転写材料には、複数層を塗布する際および塗布後の保存の際における成分の混合を防止する目的で、中間層を設けることが好ましい。中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜が好ましく、露光時の感度がアップし、露光機の時間負荷を低減し得、生産性が向上する。
前記中間層および保護フィルムとしては、特開2006−259138号公報の段落[0083]〜[0087]および[0093]に記載のものを適宜使用することができる。
<感光性転写材料の作製方法>
本発明における感光性転写材料は、特開2006−259138号公報の段落[0094]〜[0098]に記載の感光性転写材料の作製方法に準じて作製することができる。
具体的に中間層を有する本発明における感光性転写材料を形成する場合には、支持体上に、熱可塑性の有機高分子と共に添加剤を溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、この熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂や添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、この中間層上に更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した感光性樹脂組成物層用塗布液を塗布し、乾燥させて感光性樹脂組成物層を積層することによって、好適に作製することができる。
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、基板の少なくとも一方の面に、本発明の感光性転写材料を用いて感光性樹脂組成物層を形成する感光性樹脂組成物層形成工程と、前記感光性樹脂組成物層を露光する露光工程と、露光された前記感光性樹脂組成物層を現像する現像工程と、を有することを特徴とする。
本発明のエッチング方法は、本発明のパターン形成方法により作製したパターンをエッチング用レジストとして用いてエッチングを行う工程と、前記エッチング処理後に前記パターンを薬品処理により除去する工程と、を含むことを特徴とする。
以下、本発明の感光性転写材料をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いてレジストパターンを得る場合について、静電容量型入力装置の透明電極パターンを形成する方法を例にして、本発明のパターン形成方法および本発明のエッチング方法を説明する。
(カバーフィルム除去工程)
本発明のパターン形成方法は、本発明の感光性転写材料が前記カバーフィルムを有する場合は、本発明の感光性転写材料から前記カバーフィルムを除去するカバーフィルム除去工程を有することが好ましい。
このとき、前記感光性樹脂組成物層形成工程では、基板の少なくとも一方の面に、前記カバーフィルムが除去された本発明の感光性転写材料を用いて感光性樹脂組成物層を形成することが好ましい。
(感光性樹脂組成物層形成工程)
感光性樹脂組成物層形成工程は、基板の少なくとも一方の面に、本発明の感光性転写材料を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程である。前記感光性樹脂組成物層形成工程は、前記カバーフィルムが除去された前記感光性転写材料の前記感光性樹脂組成物を基材上に転写する工程であることが好ましい。
この際、前記感光性転写材料の感光性樹脂組成物を基材にラミネート後、前記支持体(仮支持体)を除去する方法が好ましい。
感光性樹脂組成物の基材表面への転写(貼り合わせ)は、感光性樹脂組成物を基材表面に重ね、加圧、加熱することに行われる。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
(露光工程、現像工程、およびその他の工程)
前記露光工程、現像工程、およびその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0035]〜[0051]に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
前記露光工程は、基材上に転写された前記感光性樹脂組成物層を露光する工程である。
具体的には、前記基材上に形成された感光性樹脂組成物層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、および中間層を介してマスク上方から露光する方法が挙げられる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂組成物層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
尚、パターニング露光は、支持体を剥離してから行ってもよいし、支持体を剥離する前に露光し、その後、支持体を剥離してもよい。マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
前記現像工程は、露光された感光性樹脂組成物層を現像する工程である。
前記現像は、現像液を用いて行うことができる。前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は感光性樹脂組成物層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、前記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等のいずれでもよい。ここで、前記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂組成物に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、ポジ型では露光部分を除去することができる。尚、熱可塑性樹脂層や中間層を設けた場合には、現像の前に感光性樹脂組成物の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
本発明のパターン形成方法は、さらに、前記現像して得られた感光性樹脂組成物層を含むパターンを加熱処理するポストベーク工程を有することが好ましく、前記熱可塑性樹脂層と前記中間層を除去工程後に前記現像して得られた感光性樹脂組成物層からなるパターンを加熱処理するポストベークを行う工程を含むことがより好ましい。
前記ポストベーク工程を有することにより、前記感光性樹脂組成物層において酸による保護基の脱離を促進することができ、好ましい。本発明の感光性転写材料における前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)は、カルボキシル基をアセタールで保護することが、保護基脱離の活性化エネルギーを低下させ、露光後の加熱処理を回避する観点から好ましい。
前記ポストベークの加熱は0.08〜1.2atmの環境下で行うことが好ましく、0.5atm以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、1.1atm以下の環境下で行うことがより好ましく、1.0atm以下の環境下で行うことが特に好ましい。さらに、約1atm(大気圧)環境下で行うことが特別な減圧装置を用いることなく製造コストを低減できる観点からより特に好ましい。
前記ポストベークの温度は、110〜170℃であることが好ましく、120〜160℃であることがより好ましく、130〜150℃であることが特に好ましい。
前記ポストベークの時間は、1〜30分であることが好ましく、2〜10分であることがより好ましく、2〜4分であることが特に好ましい。
前記ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよいが、空気環境下で行うことが、特別な減圧装置を用いることなく製造コストを低減できる観点から特に好ましい。
本発明のパターン形成方法は、ポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。前記ポスト露光工程は、前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程である。
(エッチング)
本発明のエッチング方法は、本発明のパターン形成方法により作製したパターンをエッチング用レジストとして用いてエッチングを行う工程を含む。
前記エッチングは、特開2010−152155公報の段落[0048]〜[0054]等に記載の公知の方法でエッチング、レジスト剥離を適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプまたはアルカリ性タイプのものを適宜選択すればよい。酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせたものを使用してもよい。また、アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせたものを使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本発明でエッチングマスク(エッチングパターン)として使用される樹脂パターンは、上述した感光性樹脂組成物を使用して形成されることにより、このような温度域における酸性およびアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮する。したがって、エッチング工程中に樹脂パターンが剥離することが防止され、樹脂パターンの存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
前記エッチング後、ライン汚染を防ぐために必要に応じて、洗浄工程・乾燥工程を行ってもよい。洗浄工程については、例えば常温で純水により10〜300秒間基材を洗浄して行い、乾燥工程については、エアブローを使用して、エアブロー圧(0.1〜5kg/cm2程度)を適宜調整し、行えばよい。
本発明のエッチング方法は、前記エッチング処理後に前記パターン(以下、樹脂パターンとも言う)を薬品処理により除去する工程を含む。
次いで、樹脂パターンの剥離方法としては、特に限定されないが、例えば、30〜80℃、好ましくは50〜80℃にて攪拌中の剥離液に基材を5〜30分間浸漬する方法が挙げられる。本発明でエッチングマスクとして使用される樹脂パターンは、上述のように45℃以下において優れた薬液耐性を示すものであるが、薬液温度が50℃以上になるとアルカリ性の剥離液により膨潤する性質を示す。このような性質により、50〜80℃の剥離液を使用して剥離工程を行うと工程時間が短縮され、樹脂パターンの剥離残渣が少なくなるという利点がある。すなわち、前記エッチング工程と剥離工程との間で薬液温度に差を設けることにより、本発明でエッチングマスクとして使用される樹脂パターンは、エッチング工程において良好な薬液耐性を発揮する一方で、剥離工程において良好な剥離性を示すことになり、薬液耐性と剥離性という、相反する特性を両方とも満足することができる。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分や、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶液に溶解させたものが挙げられる。前記の剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により剥離してもよい。
(静電容量型入力装置の透明電極パターンを形成する方法)
本発明の感光性転写材料をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いて静電容量型入力装置の透明電極パターンを得る場合について説明する。
前記静電容量型入力装置は、前面板と、前記前面板の非接触側に、少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、前記(2)、(3)および(5)のうち少なくとも1つを本発明のパターン形成方法および本発明のエッチング方法で形成されることが好ましい。
(1)マスク層
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
前記静電容量型入力装置は、さらに前記(1)〜(5)の要素の全てまたは一部を覆うように透明保護層を設置することが好ましい。
まず、静電容量型入力装置の構成について説明する。図1は、静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。図1において静電容量型入力装置10は、前面板1と、マスク層2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層7と、から構成されている。
前面板1は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、図1において、前面層1の各要素が設けられている側を非接触面と称する。前記静電容量型入力装置10においては、前面板1の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。以下、前面板を、「基材」と称する場合がある。
また、前面板1の非接触面上にはマスク層2が設けられている。マスク層2は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成される。
前記静電容量型入力装置10には、図2に示すように、前面板1の一部の領域(図2においては入力面以外の領域)を覆うようにマスク層2が設けられている。更に、前面板1には、図2に示すように一部に開口部8を設けることができる。開口部8には、押圧によるメカニカルなスイッチを設置することができる。
前面板1の接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン3と、第一の透明電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する絶縁層5とが形成されている。前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。
また、前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、本発明の感光性転写材料をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いて形成されてなることが好ましい。その他、前記導電性繊維を用いた感光性樹脂組成物を有する感光性転写材料を用いて製造することもできる。ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落[0014]〜[0016]等を参考にすることができる。
また、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、前面板1の非接触面およびマスク層2の前面板1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図1においては、第二の透明電極パターンが、前面板1の非接触面およびマスク層2の前面板1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。
図3を用いて第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4について説明する。図3は、本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。図3に示すように、第一の透明電極パターン3は、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン4は、第一の透明電極パターン3と絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図3における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン3を形成する場合、前記パッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図3に示すように接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、且つ、絶縁層5によって第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
図1において、マスク層2の前面板1とは逆側の面側には導電性要素6が設置されている。導電性要素6は、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4とは別の要素である。図1においては、導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
また、図1においては、各構成要素の全てを覆うように透明保護層7が設置されている。透明保護層7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層5と透明保護層7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。絶縁層5と透明保護層7とを構成する材料としては、表面硬度、耐熱性が高いものが好ましく、公知の感光性シロキサン樹脂材料、アクリル樹脂材料などが用いられる。
前記静電容量型入力装置の製造方法においては、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および導電性要素6のうち少なくとも1つは、本発明の感光性転写材料をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いてエッチング処理して形成されてなることが好ましい。また、黒色のマスク層2と絶縁層5と、必要に応じて透明保護層7との少なくとも一要素も、仮支持体と熱可塑性樹脂層と光硬化性樹脂層とをこの順で有する感光性フィルムを用いて形成されることも好ましい。
前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および導電性要素6のうち少なくとも1つは、本発明の感光性転写材料をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いてエッチング処理して形成されてなることが好ましい。
エッチング処理によって、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6を形成する場合、まず黒色のマスク層2等が形成された前面板1の非接触面上に、黒色のマスク層2が設けられた部分について少なくとも無機絶縁層を設け、前面板1の非接触面上または無機絶縁層上にITO等の透明電極層をスパッタリングによって形成する。次いで、前記透明電極層上に前記光硬化性樹脂層としてエッチング用光硬化性樹脂層を有する本発明の感光性転写材料を用いて露光・現像によってエッチングパターンを形成する。その後、透明電極層をエッチングして透明電極をパターニングし、エッチングパターンを除去することで、第一の透明電極パターン3等を形成することができる。
導電性光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6を形成する場合、前記前面板1の表面上に、黒色のマスク層2が設けられた部分について少なくとも無機絶縁層を設け、前面板1の非接触面上または無機絶縁層上に前記導電性光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
前記マスク層2、絶縁層5および透明保護層7は、感光性フィルムを用いて光硬化性樹脂層を前面板1に転写することで形成することができる。例えば、黒色のマスク層2を形成する場合には、光硬化性樹脂層として黒色光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて、前記前面板1の表面に前記黒色光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。絶縁層5を形成する場合には、前記光硬化性樹脂層として絶縁性の光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて、第一または第二の透明電極パターンが形成された前記前面板1の表面に前記光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。透明保護層7を形成する場合には、前記光硬化性樹脂層として透明の光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて、各要素が形成された前記前面板1の表面に前記光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
前記静電容量型入力装置の態様例として、図4〜8の態様を挙げることができる。図4は、開口部8が形成された強化処理ガラス11の一例を示す上面図である。図5は、マスク層2が形成された前面板の一例を示す上面図である。図6は、第一の透明電極パターン3が形成された前面板の一例を示す上面図である。図7は、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4が形成された前面板の一例を示す上面図である。図8は、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素6が形成された前面板の一例を示す上面図である。これらは、上記説明を具体化した例を示すものであり、本発明の範囲はこれらの図面により限定的に解釈されることはない。
前記透明電極パターンや他の導電性要素などを、本発明の感光性転写材料をエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いて形成する場合、感光性転写材料は、基材にラミネートされた後、必要なパターン様に露光され、ポジ型材料の場合は露光部分を現像処理して除去することでパターンを得ることができる。この際、現像は熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂組成物層を別々の液で現像除去してもよいし、同一の液で除去してもよい。必要に応じて、ブラシや高圧ジェットなどの公知の現像設備を組み合わせてもよい。現像の後、必要に応じて、ポスト露光、ポストベークを行ってもよい。
また、後の転写工程におけるラミネートによる感光性樹脂組成物層の密着性を高めるために、予め基材(前面板)の非接触面に表面処理を施すことができる。前記表面処理としては、シラン化合物を用いた表面処理(シランカップリング処理)を実施することが好ましい。シランカップリング剤としては、感光性樹脂と相互作用する官能基を有するものが好ましい。例えばシランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。加熱槽を用いてもよく、ラミネータの基板予備加熱でも反応を促進できる。
《静電容量型入力装置、および静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置》
本発明のパターン形成方法を用いることによって得られる静電容量型入力装置、および当該静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
MATHF:2−テトラヒドロフラニルメタクリレート(合成品)
MAEVE:1−エトキシエチルメタクリレート(和光純薬工業社製)
PHS:パラヒドロキシスチレン
PHS−EVE:パラヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体
PHS−THF:パラヒドロキシスチレンの2−テトラヒドロフラニル保護体
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業社製)
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬社製)
BzMA:ベンジルメタクリレート
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[合成例1:PHS−EVEの合成]
アルカリ可溶性樹脂(VP−8000 日本曹達(株)社製)20gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)320gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、エチルビニルエーテル24gおよびp−トルエンスルホン酸0.35gを加え、室温にて1時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.28g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水、共沸分のPGMEAを留去し、酸分解性基で保護されたアルカリ可溶性樹脂であるPHS−EVEを得た。得られた樹脂の重量平均分子量は11,000であった。また、多分散度は、1.13であった。
ポリマーPHS−EVEの構造は、p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。
[合成例2:PHS−THFの合成]
アルカリ可溶性樹脂(VP−8000 日本曹達(株)社製)15.6gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)100gをフラスコ中で溶解し、減圧蒸留を行い、水とPGMEAを共沸留去した。含水が十分低くなったことを確認した後、2,3−ジヒドロフラン2.7gおよびp−トルエンスルホン酸0.015gを加え、室温にて2時間撹拌した。そこへトリエチルアミンを0.090g加えて反応を止めた。反応液に酢酸エチルを添加、さらに水洗した後、減圧留去によって酢酸エチル、水を留去し、保護率25モル%の可溶性樹脂であるポリマーPHS−THFを得た。得られた樹脂の重量平均分子量は12,000であった。また、多分散度は、1.13であった。
ポリマーPHS−THFの構造は、p−ヒドロキシスチレンの2−テトラヒドロフラニル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)である。
[合成例3:重合体ノボラック−EVEの合成]
特開2003−98671号公報の実施例1と同様の方法で合成した。得られた樹脂の重量平均分子量は5,000であった。また、多分散度は、7.0であった。
[合成例4:MAEVE共重合体の合成]
MAEVE共重合体を以下のごとく合成した。
エチルビニルエーテル144.2部(2モル当量)にフェノチアジン0.5部を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸86.1部(1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.0部を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部および硫酸ナトリウム5部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル(MAEVE)134.0部を無色油状物として得た。
得られたメタクリル酸1−エトキシエチル(63.28部(0.4モル当量))、BzMA(52.83部(0.3モル当量))、MAA(8.61部(0.1モル当量))、HEMA(26.03部(0.2モル当量))およびEDM(110.8部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(商品名、和光純薬工業(株)製、4部)およびEDM(100.0部)の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより、MAEVEをモノマーの1つとして用いて合成したMAEVE共重合体のEDM溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られたMAEVE共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
[合成例5:MATHF共重合体の合成]
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
得られたメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イルを、メタクリル酸1−エトキシエチルの代わりに用いた以外は合成例4のMAEVE共重合体の合成と同様にして、MATHF共重合体を合成した。
得られたMATHF共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、14,000であった。
[実施例1〜15および比較例1〜3]
<1.感光性樹脂組成物の調製>
(感光性樹脂組成物の調製)
下記表1に示す組成となるように、各成分を溶解混合し(界面活性剤F−554は下記表2に掲載せず)、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、感光性樹脂組成物塗布液を得た。尚、配合比は、下記表2に記載の固形分組成で、10質量%PGMEA溶液とした。
実施例および比較例に用いた各化合物を示す略号の詳細は、以下の通りである。
(上記合成例に記載した以外のバインダー)
PHS:下記構造のパラヒドロキシスチレン
(モノマ−)
モノマーA:特許第4654938号公報の段落番号[0126]〜[0130]に記載の方法に従って合成した下記構造の化合物
(光酸発生剤)
PAG−1:特表2002−528451号公報の段落番号[0108]に記載の方法に従って合成した下記構造の化合物(Ts部分はトリスルホネートを表す)。
NAI−105:下記構造のトリフルオロメタンスルホン酸−1,8−ナフタルイミド
(感光剤)
NQD(ナフトキノンジアジド):下記構造の化合物(製造元:ダイトーケミックス社製、品番:DTEP−250)
(熱重合開始剤)
開始剤1:下記構造の2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
(増感剤)
増感剤1:下記構造のジブトキシアントラセン(製造元:川崎化成社製、品番:9,10−ジブトキシアントラセン)
(塩基性化合物)
塩基性化合物1:下記構造の化合物(製造元:東洋化成工業製、品番:CMTU)
(ヘテロ環状化合物)
ヘテロ環状化合物1:デナコールEX−321L(ナガセケムテックス(株)製)
ヘテロ環状化合物2:下記構造の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名、KBM−403 信越化学工業(株)製)
(界面活性剤)
界面活性剤F−554:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤(DIC製)
<2.感光性転写材料の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体(仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に上記にて調製した、下記表1および表2に記載の組成の各実施例および比較例の感光性樹脂組成物を乾燥膜厚が1.4μmとなるように塗布、乾燥させた。
このようにして、仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が1.4μmの感光性樹脂組成物層を設け、最後に保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM−N)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層と感光性樹脂組成物層と保護フィルムとが一体となった実施例1〜15、比較例1〜3の感光性転写材料を作製した。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール :11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :6.36質量部
・メチルエチルケトン :52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
:5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) :13.6質量部
・モノマー1(商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製)
:9.1質量部
・フッ素系ポリマー :0.54質量部
上記のフッ素系ポリマーは、C613CH2CH2OCOCH=CH2 40部とH(OCH(CH3)CH27OCOCH=CH2 55部とH(OCHCH27OCOCH=CH2 5部との共重合体で、重量平均分子量3万、メチルエチルケトン30質量%溶液である(商品名:メガファックF780F、大日本インキ化学工業(株)製)
なお、熱可塑性樹脂層用塗布液H1の溶剤除去後の120℃の粘度は1500Pa・secであった。
(中間層用塗布液:処方P1)
・ポリビニルアルコール :32.2質量部
(商品名:PVA205、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン :14.9質量部
(商品名:K−30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 :524質量部
・メタノール :429質量部
[評価]
<転写性の評価>
作成した感光性転写材料をラミネート速度1m/min、ラミネートロール温度を変化させて0.7mm厚のガラス基板(EagleXG)にラミネートし、欠陥なく転写可能となる温度により転写性を評価した。
1点:欠陥なく転写可能となる温度が150℃以上
2点:欠陥なく転写可能となる温度が140℃以上150℃未満
3点:欠陥なく転写可能となる温度が130℃以上140℃未満
4点:欠陥なく転写可能となる温度が120℃以上130℃未満
5点:欠陥なく転写可能となる温度が120℃未満
<タッキネスの評価>
作成した感光性転写材料の表面を指で押し、粘着性を感じるものを1点、粘着しないものを5点とした。
<感度の評価>
洗浄、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したガラス基板にラミネートロール温度130℃でラミネートし、PET仮支持体を剥離して、感光性転写材料つきのガラス基板を作製した。作製した感光性転写材料つきのガラス基板をマスクを介して露光現像し、10μmのラインアンドスペースパターンがちょうど10μmとなる露光量を最適露光量として感度を評価した。
1点:100mJ/cm2以上の露光量を必要
2点:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満の露光量が必要
3点:20mJ/cm2以上50mJ/cm2未満の露光量が必要
4点:10mJ/cm2以上20mJ/cm2未満の露光量が必要
5点:10mJ/cm2未満の露光量が必要
<解像度の評価>
洗浄、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したガラス基板にラミネートロール温度130℃でラミネートし、PET仮支持体を剥離して、感光性転写材料つきのガラス基板を作製した。作製した感光性転写材料つきのガラス基板をマスクを介して露光現像し、ラインアンドスペースパターンのうち解像しうる最も小さなパターンを解像度とした。
1点:解像度が5μm以上
2点:3.0μmが解像するが2.5μmは解像しない
3点:2.5μmが解像するが2.0μmは解像しない
4点:2.0μmが解像するが1.5μmは解像しない
5点:1.5μmが解像する。
<耐熱矩形性の評価>
洗浄、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したガラス基板にラミネートロール温度130℃でラミネートし、PET支持体を剥離して、感光性転写材料つきのガラス基板を作製した。作製した感光性転写材料つきのガラス基板をマスクを介して露光現像し、その後140℃で3分ポストベークし、ポストベーク後の3μmのラインアンドスペースパターン部分の形状の矩形性を評価した。
1点:断面形状がドーム状で角がなく、テーパー角が45°未満
2点:断面形状がドーム状で角がなく、テーパー角が45°以上60°未満
3点:断面形状がドーム状で角がなく、テーパー角が60°以上75°未満
4点:断面形状に角があり、テーパー角が60°以上75°未満
5点:断面形状に角があり、テーパー角が75°以上
<線幅安定性の評価>
洗浄、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理したガラス基板にラミネートロール温度130℃でラミネートし、PET支持体を剥離して、感光性転写材料つきのガラス基板を作製した。作製した感光性転写材料つきのガラス基板をマスクを介して10μmのラインアンドスペースパターンがちょうど10μmとなる露光量にて露光、現像し、かかるラインアンドスペースパターン付き基板を10枚準備し、基板1枚ごとに10点、光学式計測器ZYGO New View7200(ZYGO corp.製)にて、10μmのライン幅を測定し、計100点の実測線幅の標準偏差(σ)を計算した。評価基準は下記の通りである。
1:標準偏差σが0.4μm以上
2:標準偏差σが0.2μm以上、0.4μm未満
3:標準偏差σが0.15μm以上、0.25μm未満
4:標準偏差σが0.1μm以上、0.15μm未満
5:標準偏差σが0.1μm未満
上記表1および表2より、本発明の感光性転写材料は、ポジ型であって、転写性が良好であり、耐熱矩形性に優れることがわかった。
一方、(A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を感光性樹脂組成物層に含まず、モノマー成分を用いて感光性樹脂組成物層を形成した比較例1の感光性転写材料は、耐熱矩形性が悪いことがわかった。
熱可塑性樹脂層を有していない比較例2の感光性転写材料は転写不可であり、転写性が悪いことがわかった。具体的には、基板にラミネートしたあと、支持体を剥離するときに感光性樹脂組成物層も一部剥離されてしまった。
(A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体と光酸発生剤を感光性樹脂組成物層に含まず、感光材を用いて感光性樹脂組成物層を形成した比較例3の感光性転写材料は、耐熱矩形性が悪いことがわかった。
なお、本発明の感光性転写材料は、タッキネス、感度、解像力および線幅安定性も良好であることが分かった。
[実施例101〜115]
<ITO基板への貼り合せ、エッチングによるパターン形成>
実施例1〜15の感光性転写材料を、ITO基板上に株式会社日立インダストリイズ製LamicI型を用いて140℃で加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/minでラミネートした。その後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を100mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した。その後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成した。その後、エッチング工程前に140℃で3分間のポストベーク加熱処理を行った。
このレジストパターンをエッチング用レジスト(いわゆるマスク)として用いて、ITO基板を、ITOエッチャント(3%シュウ酸水溶液)に40℃/1min浸漬させることで、ウェットエッチングによりITOのパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(MS2001、富士フイルムエレクトロ二クスマテリアルズ社製)に70℃/7min浸漬させて、上記レジストパターンを剥離した。
実施例1〜15の感光性転写材料をエッチング用レジストとして用いて得られたITOパターンは、欠陥がなく、静電容量型入力装置用の透明電極パターンとして用いることができる程度であることがわかった。すなわち、本発明の感光性転写材料は除去可能なエッチングレジストとして用いたときにも、良好な特性を示すことがわかった。
1 :前面板
2 :マスク層
3 :第一の透明電極パターン
3a :パッド部分
3b :接続部分
4 :第二の透明電極パターン
5 :絶縁層
6 :導電性要素
7 :透明保護層
8 :開口部
10 :静電容量型入力装置
11 :強化処理ガラス
12 :別の導電性要素

Claims (16)

  1. 支持体と、熱可塑性樹脂層と、感光性樹脂組成物層とをこの順で有し、
    前記感光性樹脂組成物層が(A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を含む重合体成分および(B)光酸発生剤を含み
    前記感光性樹脂組成物層が化学増幅型の感光システムでパターン形成される感光性樹脂組成物層のみからなることを特徴とする感光性転写材料。
  2. 前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)が、カルボキシ基またはフェノール性水酸基がアセタールの形で保護された基を有する構成単位であることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写材料。
  3. 前記感光性樹脂組成物層が、分子内にエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の感光性転写材料。
  4. 前記分子内にエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物の含有量が、前記感光性樹脂組成物層の全固形分量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項3に記載の感光性転写材料。
  5. 前記分子内にエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物がエポキシ基を有することを特徴とする請求項3または4に記載の感光性転写材料。
  6. 前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体が、下記一般式(A1)または一般式(A1’)で表される構成単位を有する重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
    一般式(A1)
    (一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR1およびR2のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R3はアルキル基またはアリール基を表し、R1またはR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は水素原子またはメチル基を表す。)
    一般式(A1’)
    (一般式(A1’)中、R11およびR12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR11およびR12のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R13はアルキル基またはアリール基を表し、R11またはR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R14はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基またはシクロアルキル基を表す。)
  7. 前記感光性樹脂組成物層が、前記重合体成分として前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体を2種以上含有し、かつ、
    前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位(a1)を有する重合体として、下記一般式(A2’)で表される構成単位を有する重合体を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
    一般式(A2’)
    (一般式(A2’)中、R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともR31およびR32のいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、R33はアルキル基またはアリール基を表し、R31またはR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は水素原子またはメチル基を表し、X0は単結合またはアリーレン基を表す。)
  8. 前記熱可塑性樹脂層と前記感光性樹脂組成物層の間に、さらに中間層を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  9. 前記感光性樹脂組成物層の膜厚が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  10. 前記感光性樹脂組成物層に、さらに増感剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  11. 前記感光性樹脂組成物層に、さらに塩基性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  12. 前記感光性樹脂組成物層の保護フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  13. 除去可能なエッチング用レジストを形成するための感光性転写材料であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
  14. 基板の少なくとも一方の面に、請求項1〜13のいずれか1項に記載の感光性転写材料を用いて感光性樹脂組成物層を形成する感光性樹脂組成物層形成工程と、
    前記感光性樹脂組成物層を露光する露光工程と、
    露光された前記感光性樹脂組成物層を現像する現像工程と、
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  15. さらに、前記現像して得られた感光性樹脂組成物層からなるパターン画像を加熱処理するポストベーク工程を有することを特徴とする請求項14に記載のパターン形成方法。
  16. 請求項14または15に記載のパターン形成方法により作製したパターンをエッチング用レジストとして用いてエッチングを行う工程と、
    前記エッチング処理後に前記パターンを薬品処理により除去する工程と、
    を含むことを特徴とするエッチング方法。
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