JP6397787B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性と、70〜100℃での耐圧縮永久ひずみには優れるものの、スチレン系エラストマーを主成分とするため、より高温下での耐圧縮永久ひずみや耐熱老化性、及び機械的強度が劣るという欠点を有する。
特許文献3に記載の熱可塑性エラストマー組成物は、耐熱性に優れるものの柔軟性が不十分であり、また柔軟性を付与するためにゴム成分を増加させると成形性が悪くなる欠点を有する。
〔1〕 成分A:エポキシ基を有する(メタ)アクリルゴム、
成分B:融点が160〜300℃のポリエステルエラストマー、及び
成分C:ポリカプロラクトン
を含有してなり、
前記成分Aと前記成分Bの質量比(成分A/成分B)が60/40〜90/10であり、前記成分Cの含有量が、成分Aと成分Bの合計100質量部に対して、2〜20質量部である、熱可塑性エラストマー組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物を加熱成形して得られる成形体
に関する。
脂肪族有機酸としては、フマル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、モンタン酸等が挙げられ、脂肪族有機酸の炭素数は、好ましくは4〜30、より好ましくは6〜28である。芳香族有機酸としては、安息香酸、トリメチル安息香酸等が挙げられる。これらの中では、成形性と強度の観点から、炭素数8〜20の脂肪族有機酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
〔単量体組成〕
ガスクロマトグラフ質量分析計(アジレントテクノロジー(株)製ガスクロマトグラフ 7890A、日本電子(株)製質量分析計Jms-Q1000GC K9)を用い、550℃で試料を加熱分解し、熱分解物の質量分析を行うことで単量体組成を解析する。
〔ガラス転移温度〕
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して25℃から280℃まで10℃/minで昇温して得られるチャートからガラス転移温度を決定する。
〔融点〕
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。
〔曲げ弾性率〕
ASTM D790規格に従い、射出成形で得られた127mm×12.7mm 厚さ3.2mmの試験片を、温度23℃、相対湿度50%で40時間置いた後、オートグラフを用いて1.4mm/minの速度で垂直の変位を加え、荷重−たわみ曲線から曲げ弾性率を算出する。
〔重量平均分子量(Mw)〕
ヘキサフルオロイソプロパノールを溶離液として、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)の測定を行い、ポリメチルメタクリレート(PMMA)分子量標準の測定結果によって重量平均分子量を算出する。
〔融点(Tm)〕
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して25℃から280℃まで10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。
〔数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)〕
ヘキサフルオロイソプロパノールを溶離液として、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)の測定を行い、ポリメチルメタクリレート(PMMA)分子量標準の測定結果によって数平均分子量と重量平均分子量を算出する。
(1) 熱可塑性エラストマー組成物(プレスシート)の作製
240℃に加熱されたバッチ式ニーダー「プラストグラフEC50型」(ブラベンダー社製)に表6、7に示す組成比(質量比)の原料成分を合計で54g投入し、100r/minの回転数で混合物を240〜290℃で溶融混練した。混練時間10分で、溶融状態の混練物を全量取り出し、室温で冷却して、組成物を得た。
各組成物を240℃に加熱された熱プレス装置「TB-50-2」(東邦マシナリー(株)製、50t油圧プレス)を用い、厚さ2mm×幅12cm×長さ15cmの型枠内で、5MPaで2分間加熱し、5MPaで3分間冷却プレス加工を施し、プレスシートを作製した。
〔A硬さ〕
プレスシートを恒温恒湿室(温度23℃、相対湿度50%)に24時間以上静置し、シートの状態を安定させた。2mm厚さのプレスシートを3枚重ね、JIS K7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験法」に準じて、A硬さを測定した。
A硬さと同様に、JIS K7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験法」に準じて、D硬さを測定する。
プレスシートから、型抜機を用いてJIS K7113に記載の3号試験片を作製し、(株)島津製作所製の引張試験機(オートグラフ AG-50kND型)を用いて、23℃の温度環境下、200mm/minの速度で試験片を引っ張った。試験片破断時の応力(MPa)を破断強度として記録した。破断強度が大きいほど、機械的強度が良好である。
プレスシートから、型抜機を用いて29mmの円盤シートを7枚作製し、圧縮永久ひずみ試験片用金型を用いて200℃で10分間、5MPaの加熱及び5MPaで10分間冷却の条件下で熱プレス加工を施し、直径29mm、高さ12.5mmの円柱状の試験片を作製した。JIS K6262「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温、高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方」に準じて、120℃、24時間の条件下で、圧縮永久ひずみ率(%)を測定した。圧縮永久ひずみ率が小さいほど、耐熱性が良好である。
キャピラリーレオメータ((株)東洋精機製作所、キャピログラフグラフ1D)により、試料17gの設定温度を240℃に設定し、直径1mm×10mm長のダイを用いて剪断速度3648/secで、見かけ粘度(Pa・s)を測定した。見かけ粘度が低いほど、成形性が良好である。
プレスシートから、型抜機を用いてJIS K7113に記載の3号試験片を作製し、ギヤーオーブン((株)東洋精機製作所、CTD-45P)を用いて150℃で500時間加熱後、23℃の恒温室に24時間放置後、上記(2)の機械的強度〔引張破断強度〕と同じ方法で引張試験を行い、引張強度及び引張破断伸びの保持率(加熱処理後の測定値/加熱処理前の測定値×100、%)を求めた。保持率が高いほど、耐熱老化性が良好である。
2mm厚のプレスシートを、30mm四方に切断し、ギヤーオーブン((株)東洋精機製作所、CTD-45P)を用いて150℃で168時間加熱し、加熱前後での質量減少率(加熱後に減少した質量/加熱前の質量×100、%)を測定した。
例えば、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2の対比から、ポリカプロラクトンの配合により、械的強度等を損なうことなく、成形性が向上していることが分かる。
また、耐熱老化性は、成分Aの(メタ)アクリルゴムとしてアクリル酸エチルを単量体単位中40モル%以上含むものを使用し、成分Bのポリエステルエラストマーとしてソフトセグメントがポリエステル型ポリマーブロックであるものを使用した場合に顕著に向上するが、表8に示すように、成分Aを構成するアクリル酸エチルが単量体単位中40モル%未満である実施例3及び成分Bのソフトセグメントがポリエーテル型ブロックである実施例4と比べて、これらの要件を充足する実施例2では、150℃で500時間加熱という極めて過酷な条件下でも、引張強度や引張破断伸びの低下が顕著に抑制されていることが分かる。
比較例6は、実施例2と対比して、ポリエステルエラストマーに対するエポキシ基を有するアクリルゴムの量が少ないため、柔軟性、機械的強度、及び耐熱性が低下している。
比較例7は、実施例2と対比して、エポキシ基を有するアクリルゴムではなくカルボキシ基を有するアクリルゴムを配合しているために、耐熱性が低下している。
比較例9は、実施例2と対比して、ポリエステルエラストマーではなく硬質ポリエステル樹脂を配合しているために、柔軟性、機械的強度、耐熱性、及び成形性に著しく欠けている。
比較例13〜15では、液状ポリエステル可塑剤を使用しているため、機械的強度、耐熱性、及び成形性が低下している。また、液状のポリエステル可塑剤を使用した場合には、表9に示す高温下での質量減少率が大きいことからも明らかなように、高温下での使用により可塑剤自体が揮散しやすいという欠点を有する。
また、比較例2と比較例10の対比により、ゴム架橋剤の配合により、機械的強度は向上しているものの成形性が著しく低下しているのに対し、実施例11と比較例10の対比により、ゴム架橋剤を配合していても、ポリカプロラクトンの配合により、機械的強度を損なうことなく、成形性が向上していることが分かる。
表10に示す、エポキシ基含有アクリルゴム又はカルボキシ基含有アクリルゴム、ポリエステルエラストマー(ペルプレン S1002(東洋紡(株)製))、及び架橋剤(ケミノックス AC-6(ユニマテック(株)製)、ヘキサメチレンジアミンカーバメート)を、ニーダーにより混練し、冷却して、組成物を得た。得られた組成物の物性を表10に示す。A硬さ、D硬さ、引張破断強度、及び圧縮永久ひずみ率の測定方法は、前記と同じである。ただし、圧縮永久ひずみ率は、120℃、24時間ではなく、70℃、24時間の条件下で測定した。混練トルクは、組成物製造過程でのニーダーの混練トルクを混練開始後10分の時点で計測した。
この結果から、エポキシ基を有する参考例A1〜A2の組成物はカルボキシ基を有する参考例B1〜B2の組成物に比べて、引張強度や耐圧縮永久ひずみ性が優れているものの、成形性が劣るという課題があることが分かる。
Claims (7)
- 成分A:エポキシ基を有する(メタ)アクリルゴム、
成分B:融点が160〜300℃のポリエステルエラストマー、及び
成分C:ポリカプロラクトン
を含有してなり、
前記成分Aと前記成分Bの質量比(成分A/成分B)が60/40〜90/10であり、前記成分Cの含有量が、成分Aと成分Bの合計100質量部に対して、2〜20質量部である、熱可塑性エラストマー組成物。 - 成分Aのエポキシ基を有する(メタ)アクリルゴムを構成する(メタ)アクリル単量体が、アクリル酸エチルを40モル%以上含み、成分Bのポリエステルエラストマーがポリエステル型ポリマーブロックからなるソフトセグメントを含むブロック共重合体である、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 成分Bのポリエステルエラストマーが、融点が160℃を超える結晶性ポリエステルブロックからなるハードセグメントとガラス転移温度が0℃未満のポリエステル型ポリマーブロックからなるソフトセグメントを含むブロック共重合体である、請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに、成分D:エポキシ基と反応性を有するゴム架橋剤を、成分Aと成分Bの合計100質量部に対して、0.1〜20質量部含有する、請求項1〜3いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに、成分E:結晶性ポリエステル可塑剤を、成分Aと成分Bの合計100質量部に対して、0.1〜30質量部含有する、請求項1〜4いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに、成分F:有機酸金属塩を、成分Aと成分Bの合計100質量部に対して、0.01〜5質量部含有する、請求項1〜5いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜6いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物を加熱成形して得られる成形体。
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