JP6397753B2 - タイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤを含むタイヤに関する。
特許文献1,2には、タイヤのトレッド部に形成されたブロックのヒールアンドトウ摩耗の発生を抑制しつつ、ブロックの打撃音に起因する騒音の低減を試みたタイヤが開示されている。
具体的には、特許文献1には、ブロックを硬度の異なる踏み込み側部、中間部、及び蹴り出し側部に分割することが開示されている。また、特許文献2には、ブロックの踏み込み側のエッジを円弧面とし、蹴り出し側にトレッドゴムより高弾性率のゴム部を設けることが開示されている。
特許文献1,2を含む従来のタイヤは、ブロックのような陸部の高さ方向の構成について詳細に検討されておらず、ヒールアンドトウ摩耗の抑制と陸部の打撃音に起因する騒音低減の両立を必ずしも効果的に実現していない。
特開2007−283813号公報 特開平11−78428号公報
本発明は、タイヤのトレッド部に形成されたブロックのような陸部のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、陸部の打撃音に起因する騒音を低減することを課題とする。
本明細書において「陸部」とは、少なくともタイヤ周方向の両側にエッジを有するように、つまり、タイヤの回転方向に対して踏み込み側と蹴り出し側のエッジを少なくとも有するように、溝で区画されたタイヤのトレッド部の要素を言う。陸部は、ブロックに加え、リブに溝を形成することで区画された部分を含む。本明細書において、「溝」とは、タイヤ周方向に沿って延びるようにトレッド部に設けられた主溝に加え、主溝の範疇には属さない副溝を含む。副溝は、タイヤ幅方向に沿って延びるようにトレッド部に設けられた横溝、タイヤ幅方向に対して傾斜して延びるようにトレッド部に設けられた傾斜溝、並びに陸部に形成された切り込みであるサイプを含む。
本発明は、回転方向が指定されたトレッド部に設けられ、前記回転方向における踏み込み側と蹴り出し側にそれぞれエッジを備え、第1の硬度を有する第1のゴムからなる陸部と、前記陸部の前記踏み込み側のエッジから前記蹴り出し側のエッジに向けてタイヤ周方向に拡がる領域である踏み込み側部に設けられ、前記第1の硬度より低硬度の第2の硬度を有する第2のゴムからなる、少なくとも1層の低硬度ゴム層とを備え、前記低硬度ゴム層のうち最上層のもののさらに上に前記第1のゴムからなる層が存在する、タイヤを提供する。
タイヤ回転時には、陸部のうち踏み込み側部が最初に路面に接地する。踏み込み側部が接地時に路面から受ける衝撃(入力)に起因する打撃音によって騒音が生じる。陸部の踏み込み側部に低硬度ゴム層を設けることで、接地時の衝撃が緩和される。この衝撃緩和により、打撃音による騒音が低減される。
一般に陸部、特にブロックでは、踏み込み側部よりも蹴り出し側部(蹴り出し側のエッジから踏み込み側のエッジに向けてタイヤ周方向に拡がる領域)で摩耗がより進行する。その結果、陸部の摩耗量がタイヤ周方向に不均一となる現象(ヒールアンドトウ摩耗)が発生する。このヒールアンドトウ摩耗は、蹴り出し側端部が路面から離れる際のすべり量が、踏み込み側端部が路面から離れる際のすべり量よりも大きいことが影響している。低硬度ゴム層は蹴り出し側部より低硬度であるため、相対的に蹴り出し側部よりも摩耗容易性が高い。この低硬度ゴム層と蹴り出し側部の摩耗容易性の差が、踏み込み側部と蹴り出し側部のすべり量の差を打ち消すように作用する。その結果、陸部の摩耗量のタイヤ周方向の分布が均一化され、ヒールアンドトウ摩耗が抑制される。
以上のように、低硬度ゴム層を設けることで、陸部のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、陸部の打撃音に起因する騒音を低減できる。
低硬度ゴム層は、踏み込み側部のタイヤ幅方向全体に設けてもよいし、タイヤ幅方向の一部に設けても良い。また、踏み込み側部に対してタイヤ幅方向に断続的に低硬度ゴム層を設けてもよい。
前記低硬度ゴム層は前記陸部の高さ方向に間隔をあけて複数層設けられ、前記陸部の高さ方向の最上層の前記低硬度ゴム層は、前記陸部の頂面に対して間隔をあけて設けられる。
前記陸部は、主溝と横溝又は傾斜溝とによって区画されたブロックであってもよいし、リブに副溝を設けることで区画された部分であってもよい。
陸部の踏み込み側部に低硬度ゴム層を設けることで、陸部のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、陸部の打撃音に起因する騒音を低減できる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す模式的な展開図。 第1実施形態のブロックの斜視図。 図2の線III−IIIに沿った断面図。 第1実施形態の変形例に係るブロックの図3と同様の断面図。 第1実施形態の変形例に係るブロックの図3と同様の断面図。 第1実施形態の変形例に係るブロックの図3と同様の断面図。 第1実施形態の変形例に係るブロックの図3と同様の断面図。 第1実施形態の変形例に係るブロックの図3と同様の断面図。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤが備えるブロックの平面図。 第2実施形態のブロックの斜視図。 本発明の第3実施形態に係る空気入りタイヤが備えるブロックの平面図。 第3実施形態のブロックの斜視図。 本発明の第4実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す模式的な展開図。 第4実施形態のリブの斜視図。 本発明の第5実施形態に係る空気入りタイヤが備えるリブの平面図。 第5実施形態の変形例に係るリブの図11と同様の断面図。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途の制限を意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、タイヤという)1のトレッド部2を示す。タイヤ1、従ってトレッド部2の回転方向は、図において矢印RDで示す一方向に指定されている。本実施形態におけるトレッド部2は、ブロック型のトレッドパターンを有する。トレッド部2のタイヤ幅方向(図において符号WDで示す。)の中央領域CEと中間領域MEには、本発明における陸部の一例である複数のブロック3が、タイヤ周方向(図において符号PDで示す。)に配列されている。また、トレッド部2のタイヤ幅方向の側部領域SEにも、ブロック3より大型の複数のブロック4がタイヤ周方向(図において符号PDで)に配列されている。以下、ブロック3に本発明を適用した場合を説明するが、ブロック4にも本発明を適用できる。
図2及び図3を併せて参照すると、個々のブロック3は、タイヤ周方向に沿って延びる一対の主溝5と、タイヤ幅方向に沿って延びる一対の横溝(本発明における副溝の一例)6とによって区画されており、概ね直方体状である。本実施形態では、主溝5が延びる方向はタイヤ周方向と概ね一致している。しかし、主溝5は全体としてタイヤ周方向と同様の方向に延びていればよく、例えば主溝5はジクザク状であってもよい。
ブロック3は、概ね四角形の頂面3a、横溝6に臨む端面3b,3c、及び主溝5に臨む側面3d,3eを有する。頂面3aと回転方向RDにおける踏み込み側(図において符号TSで概念的に示す)の端面3bとによって、踏み込み側のエッジ3fが形成されている。また、頂面3aと回転方向RDにおける蹴り出し側(図において符号KSで概念的に示す)の端面3cとによって、蹴り出し側のエッジ3gが形成されている。
以下の説明では、ブロック3の踏み込み側のエッジ3fから蹴り出し側のエッジ3gに向けて拡がる領域(踏み込み側のエッジ3fを含むが蹴り出し側のエッジ3gまでは達しない)を、踏み込み側部3hと言う場合がある。また、ブロック3の、蹴り出し側のエッジ3gから踏み込み側のエッジ3fに向けて拡がる領域(蹴り出し側のエッジ3gを含むが踏み込み側のエッジ3fは含まない)を、蹴り出し側部3iと言う場合がある。
ブロック3の踏み込み側部3hには、複数層(本実施形態では3層)の低硬度ゴム層7A,7B,7Cが設けられている。ブロック3を含むトレッド部2を構成するトレッドゴム(第1のゴム)の硬度(第1の硬度)よりも、低硬度ゴム層7A〜7Cを構成するゴム(第2のゴム)の硬度(第2の硬度)が低硬度である。例えば、低硬度ゴム層7A〜7Cを構成するゴムは、トレッドゴムよりもJIS A硬度が3°以上低い。本実施形態では、3層の低硬度ゴム層7A〜7Cの硬度は同一である。
本実施形態における低硬度ゴム層7A〜7Cの形状、寸法、及び配置は、以下の通りである。
低硬度ゴム層7A〜7Cの形状と寸法は同一であり、個々の低硬度ゴム層7A〜7Cは厚さTHがタイヤ周方向及びタイヤ幅方向の両方で均一な、シート状ないしは扁平な直方体状である。
個々の低硬度ゴム層7A〜7Cは、ブロック3の踏み込み側の端面3bから蹴り出し側の端面3cに向けて延びているが、蹴り出し側の端面3cに達することなく終端している。個々の低硬度ゴム層7A〜7Cは、踏み込み側の端面7aがブロック3の踏み込み側の端面3bに露出しているが、蹴り出し側の端面7bは蹴り出し側の端面3cから露出していない。低硬度ゴム層7A〜7Cのタイヤ周方向の長さLrは、例えばブロック3のタイヤ周方向の長さLbの75%以下に設定される。
個々の低硬度ゴム層7A〜7Cは、ブロック3のタイヤ幅方向全体に連続して設けられており、側面7c,7dがブロック3の側面3d,3eに露出している。
3層の低硬度ゴム層7A〜7Cは、ブロック3の高さ方向に互いに一定の間隔S1をあけて設けられている。ブロック3の高さHb方向での最上層の低硬度ゴム層7Aは、ブロック3の頂面3aに対して間隔S2をあけて配置されている。
タイヤ1の回転時には、ブロック3の踏み込み側部3h(特に、エッジ3h近傍)が最初に路面に接地する。踏み込み側部3hが接地時に路面から受ける衝撃(入力)に起因する打撃音によって、騒音が生じる。これに対して、本実施形態では、踏み込み側部3hにトレッドゴムより低硬度のゴムからなる低硬度ゴム層7A〜7Cを設けており、低硬度ゴム層7A〜7Cはブロック3の他の部分(トレッドゴム)よりも弾性変形しやすい。そのため、低硬度ゴム層7A〜7Cを設けたことにより、踏み込み側部3hの接地時の衝撃が緩和される。この衝撃緩和により、打撃音による騒音が低減される。言い換えれば、仮に低硬度ゴム層7A〜7Cを設けない場合と比較すると、低硬度ゴム層7A〜7Cを設けた本実施形態におけるブロック3では、踏み込み側部3hが路面に対して柔らかな態様で接地し、それによって打撃音による騒音が低減される。
一般に、ブロックの踏み込み側部よりも蹴り出し側部で摩耗がより進行する。その結果、ブロックの摩耗量がタイヤ周方向に不均一となる現象(ヒールアンドトウ摩耗)が発生する。このヒールアンドトウ摩耗は、蹴り出し側端部が路面から離れる際のすべり量が、踏み込み側端部が路面から離れる際のすべり量よりも大きいことが影響している。本実施形態におけるブロック3では、踏み込み部3hに低硬度ゴム層7A〜7Cを設けており、これらの低硬度ゴム層7A〜7Cはトレッドゴムからなる蹴り出し側部3iよりも低硬度であるため、相対的に蹴り出し側部3iよりも摩耗容易性が高い。
タイヤ1の使用開始後、摩耗が進行して頂面3aが削れて最上層の低硬度ゴム層7Aが露出すると、摩耗速度が一時的に速まる。具体的には、摩耗が低硬度ゴム層7まで達するまで(頂面3aと低硬度ゴム層7の間の間隔S2の領域)は、踏み込み側部3hは蹴り出し側部3iと同じトレッドゴムからなり、このときの摩耗速度よりも低硬度ゴム層7Aが露出したときの摩耗速度が速い。最上層の低硬度ゴム層7Aが削れるとトレッドゴムが露出するが、さらに摩耗が進行すると2層目の低硬度ゴム層7Bが露出し、再び摩耗速度が一時的に速まる。さらに、2層目の低硬度ゴム層7が削れるとトレッドゴムが露出するが、さらに摩耗が進行すると3層目の低硬度ゴム層7Cが露出して再び摩耗速度が速まる。低硬度ゴム層7A〜7Cの摩耗容易性は、トレッドゴムからなる蹴り出し側部3iの摩耗容易性よりも高い。言い換えれば、摩耗進行に伴って低硬度ゴム層7A〜7Cが露出すると、踏み込み側部3hの摩耗容易性が蹴り出し側部の摩耗容易性よりも一時的に高くなる。低硬度ゴム層7A〜7Cと蹴り出し側部3iの摩耗容易性の差は、踏み込み側部3hと蹴り出し側部3iのすべり量の差を打ち消すように作用する。その結果、ブロック3の摩耗量のタイヤ周方向の分布が均一化され、ヒールアンドトウ摩耗が抑制される。
以上のように、踏み込み側部3hに低硬度ゴム層7A〜7Cを設けることで、陸部のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、陸部の打撃音に起因する騒音を低減できる。
以下、図4Aから図4Eに示す本実施形態の変形例を説明する。これらの説明では、第1実施形態との相違点についてのみ言及する。
図4Aの変形例では、低硬度ゴム層7A〜7Cの厚さTHはタイヤ周方向に分布を有する。具体的には、低硬度ゴム層7A〜7Cの厚さTHは、最も踏み込み側、すなわちブロック3の踏み込み側の端面3bで露出している端面7bで最大であり、蹴り出し側部3iに向けて漸減している。ブロック3の踏み込み側部3hが接地する際に路面から受ける衝撃(入力)は、踏み込み側のエッジ3f及びその近傍で最も大きい。従って、踏み込み側の端面3bで低硬度ゴム層7A〜7Cの厚さTHを大きく設定することで、効果的に路面から受ける衝撃を緩和し、打撃音による騒音を低減できる。
図4Bの変形例では、ブロック3の頂面3aに比較的隣接して配置された1層の低硬度ゴム層7Aのみが設けられている。ヒールアンドトウ摩耗は、摩耗初期に特に発生しやすい傾向がある。そのため、頂面3aに隣接して単一の低硬度ゴム層7Aを設けることによっても、ヒールアンドトウ摩耗抑制の効果が得られる。
図4Cの変形例では、低硬度ゴム層7A〜7Cのタイヤ周方向の長さLrは、最上層の低硬度ゴム層7Aで最大であり、2層目の低硬度ゴム層7B、3層目の低硬度ゴム層7Cの順で長さLrが長い。つまり、上層側(ブロック3の頂面3a)側に向けて低硬度ゴム層7A〜7Cのタイヤ周方向の長さLrが漸増している。逆に言えば、ブロック3の頂面3aから離れる程、低硬度ゴム層7A〜7Cの長さLrが短くなっている。
図4Dの変形例では、低硬度ゴム層7A〜7Cの厚さTHは、最上層の低硬度ゴム層7Aで最大であり、2層目の低硬度ゴム層7B、3層目の低硬度ゴム層7Cの順で厚さTHが大きい。つまり、上層側に向けて低硬度ゴム層7A〜Cの厚さTHが漸増している。逆に言えば、ブロック3の頂面3aから離れる程、低硬度ゴム層7A〜7Cの厚さTHが薄い。
図4Eの変形例では、5層の低硬度ゴム層7A〜7Eが設けられている。最上層の低硬度ゴム層7Aと2層目低硬度ゴム層7Bとの間の間隔S1が最小であり、ブロック3の頂面3aから離れる程、隣接する2層の低硬度ゴム層間の間隔S1が漸増している。言い換えれば、ブロック3の頂面3aから離れる程、低硬度ゴム層7A〜7Eの配置密度が減少している。
図4Cから図4Eのいずれの構成でも、ブロック3の頂面3aから離れる程、トレッドゴム中で低硬度ゴム層7A〜7Dが占める割合が減少している。摩耗末期に近づく程、つまりブロック3の摩耗が進行してブロック3の高さHbが減少する程、ブロック3の剛性が高くなる。この摩耗進行に伴うブロック3の剛性の向上は、踏み込み側部3hと蹴り出し側部3iのすべり量の差を減少させるように作用する。従って、摩耗が進行する程、低硬度ゴム層7A〜7Dの摩耗容易性によって踏み込み側部3hと蹴り出し側部3iのすべり量の差を打ち消す必要性が低下する。従って、図4Cから図4Eのようにブロック3の頂面3aから離れる程、トレッドゴム中で低硬度ゴム層7A〜7Dが占める割合が減少させることで、摩耗初期、摩耗中期、及び摩耗末期のいずれにおいても、ヒールアンドトウ摩耗を適切に抑制することができる。図4Aから図4Eの構成以外に、図3に示す構成で、最上層から下層に向けて低硬度ゴム層7A〜7Cの硬度を漸増しても、同様の効果が得られる。このような下層に向けて低硬度ゴム層7A〜7Cの硬度を漸増する構成は、図4Cから図4Eについても採用できる。
以下、本発明の第2から第5実施形態を説明する。これらの実施形態において、特に言及しない点は、第1実施形態と同様である。また、これらの実施形態に関する図面中で、第1実施形態と同一又は同様の要素には、同一又は同様の符号を付している。図4Aから図4Eを参照した変形例と同様の構成、並びに最上層から下層に向けて低硬度ゴム層7A〜7Cの硬度を漸増させる構成は、第2から第5実施形態でも採用できる。
(第2実施形態)
図5及び図6に示す第2実施形態では、ブロック3は一対の主溝5と、タイヤ幅方向に対して傾斜して延びる一対の傾斜溝(本発明における副溝の一例)8によって区画されている。
ブロック傾斜溝8に臨むブロック3の踏み込み側及び蹴り出し側の端面3b,3cはタイヤ1の回転方向RD(タイヤ周方向)に対して傾斜しており、頂面3aは平行四辺形状である。そのため、タイヤ1の回転時には、ブロック3の踏み込み側部3hのうち、エッジ3fの回転方向RDの先端3j及びその近傍が最初に路面に接地する。そのため、本実施形態では、踏み込み側部3hのタイヤ幅方向全体ではなく、エッジ3fの回転方向RDの先端3j及びその近傍にのみ低硬度ゴム層7A〜7Cを設けている。このようにブロック3の踏み込み側部3hの一部に低硬度ゴム層7A〜7Cを設けることによっても、ブロック3のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、ブロック3の打撃音に起因する騒音を低減できる。
(第3実施形態)
図7及び図8に示す本発明の第3実施形態に係るブロック3では、踏み込み側の端面3bは、タイヤ幅方向の中央がブロック3の高さHb全体で一定幅に窪んだ形状を有する。言い換えれば、ブロック3の踏み込み側のエッジ3fは、タイヤ幅方向に延びる一対の第1部分3k,3kと、これらの第1部分3k,3kの間に配置された単一の第2部分3mとを備える。第2部分3mは第1部分3k,3kに対してタイヤ1の回転方向の下流側に配置されている。
タイヤ1の回転時には、ブロック3の踏み込み側部3hのうち、エッジ3fの第1部分3k,3k及びそれらの近傍が最初に路面に接地する。そのため、本実施形態では、踏み込み側部3hのタイヤ幅方向全体ではなく、エッジ3fの第1部分3k,3k及びそれらの近傍にのみ低硬度ゴム層7A〜7Cを設けている。このようにブロック3の踏み込み側部3hに断続的に低硬度ゴム層7A〜7Cを設けることによっても、ブロック3のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、ブロック3の打撃音に起因する騒音を低減できる。
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係るタイヤ1のトレッド部2を示す。本実施形態におけるトレッド部2は、リブ型のトレッドパターンを有する。トレッド部2の中央領域CEには主溝5によって区画されたリブ11が設けられている。リブ11には、副溝(横溝、傾斜溝、又はサイプ)が形成されていない。トレッド部2の中間領域には、それぞれ主溝5によって区画された一対のリブ12が形成されている。リブ12には、一方の側面12bから他方の側面12cに向けて延びる複数の傾斜溝14が一定間隔をあけて設けられている。個々の傾斜溝14は、リブ12の一方の側面12bで開放しているが、他方の側面12cに達することなく終端している。トレッド部2の側部領域SEには、リブ12より大型の一対のリブ13が設けられており、これらの13にもリブ12と同様の傾斜溝14が形成されている。以下、リブ12に本発明を適用した場合を説明するが、リブ13にも本発明を適用できる。
図10を併せて参照すると、リブ12は、それぞれタイヤ周方向に隣接する一対の傾斜溝14によって区画された複数の分割リブ部(本発明における陸部の一例)15を備える。個々の分割リブ部15は傾斜溝14に臨む端面15b,15cと主溝5に臨む側面15dを有する。分割リブ部15の頂面15aと踏み込み側の端面15bによって、踏み込み側のエッジ15fが形成されている。また、頂面15aと蹴り出し側の端面15cによって、蹴り出し側のエッジ15gが形成されている。第1実施形態におけるブロック3と同様に、分割リブ15は、エッジ15fを含む踏み込み側部15hと、エッジ15gを含む蹴り出し側部15iとを備える。
分割リブ部15の踏み込み側部15hには、エッジ15fの幅方向全体に低硬度ゴム層7A〜7Cが設けられている。タイヤ回転時には、分割リブ部15のうち踏み込み部15hが最初に路面に接地するので、踏み込み部15hにトレッドゴムより低硬度の低硬度ゴム層7A〜7Cを設けることで接地時の衝撃を緩和し、騒音を低減できる。また、リブ12の摩耗進行に伴って順に露出する低硬度ゴム層7A〜7Cと蹴り出し側部15iとの摩耗容易性の差が、踏み込み側部15hと蹴り出し側部15iのすべり量の差を打ち消すように作用し、個々の分割リブ部15のヒールアンドトウ摩耗が抑制される。
(第5実施形態)
図11に示す本発明の第5実施形態では、リブ12に形成された傾斜溝14は、リブ12の側面12b,12c間を貫通するように設けられており、個々の分割リブ部15の頂面15aは平行四辺形状である。タイヤ1の回転時には、分割リブ部15の踏み込み側部15hのうち、エッジ15fの回転方向RDの先端15j及びその近傍が最初に路面に接地する。そのため、本実施形態ではエッジ15fの回転方向RDの先端15j及びその近傍にのみ低硬度ゴム層7A〜7Cを設けている。これらの低硬度ゴム層7A〜7Cにより、分割リブ部15のヒールアンドトウ摩耗を抑制しつつ、分割リブ部15の打撃音に起因する騒音を低減できる。第4実施形態と同様に、踏み込み側のエッジ15fのタイヤ幅方向全体及びその近傍に低硬度ゴム層7A〜7Cを設けてもよい。
図12に示す第5実施形態の変形では、傾斜溝14に代えて、リブ12に切り込み(サイプ16)を形成することで、個々の分割リブ部15を区画している。本発明は、横溝や傾斜溝で画定されるブロックや分割リブ部に限定されず、この変形例のように、タイヤの回転方向に対して踏み込み側と蹴り出し側のエッジを少なくとも有するように区画されたタイヤのトレッド部の要素に対して適用できる。
空気入りタイヤを例に本発明を説明したが、本発明は非空気入りタイヤ、樹脂タイヤのような空気タイヤの範疇に含まれないタイヤにも適用できる。
1 タイヤ
2 トレッド部
3,4 ブロック
3a 頂面
3b,3c 端面
3d,3e 側面
3f,3g エッジ
3h 踏み込み側部
3i 蹴り出し側部
3j 先端
3k 第1部分
3m 第2部分
5 主溝
6 横溝(副溝)
7A,7B,7C,7D 低硬度ゴム層
7a,7b 端面
7c,7d 側面
8,14 傾斜溝
11,12,13 リブ
12b,12c 側面
15 分割リブ部
15a 頂面
15b,15c 端面
15d 側面
15f,15g エッジ
15h 踏み込み側部
15i 蹴り出し側部
15j 先端
16 サイプ
RD 回転方向
WD タイヤ幅方向
PD タイヤ周方向
CE 中央領域
ME 中間領域
SE 側部領域
TH 厚さ
Lb ブロックの長さ
Lr 低硬度ゴム層の長さ
S1 低硬度ゴム層間の間隔
S2 最上層の低硬度ゴム層と頂面の間隔
TS 踏み込み側
KS 蹴り出し側
Hb ブロックの高さ

Claims (8)

  1. 回転方向が指定されたトレッド部に設けられ、前記回転方向における踏み込み側と蹴り出し側にそれぞれエッジを備え、第1の硬度を有する第1のゴムからなる陸部と、
    前記陸部の前記踏み込み側のエッジから前記蹴り出し側のエッジに向けてタイヤ周方向に拡がる領域である踏み込み側部に設けられ、前記第1の硬度より低硬度の第2の硬度を有する第2のゴムからなる、少なくとも1層の低硬度ゴム層と
    を備え
    前記低硬度ゴム層のうち最上層のもののさらに上に前記第1のゴムからなる層が存在する、タイヤ。
  2. 前記低硬度ゴム層は、前記踏み込み側部のタイヤ幅方向全体に設けられている、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記低硬度ゴム層は、前記踏み込み側部のタイヤ幅方向の一部に設けられている、請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記低硬度ゴム層は、前記踏み込み側部に対してタイヤ幅方向に断続的に設けられている、請求項1に記載のタイヤ。
  5. 前記低硬度ゴム層は前記陸部の高さ方向に間隔をあけて複数層設けられている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記陸部の高さ方向の最上層の前記低硬度ゴム層は、前記陸部の頂面に対して間隔をあけて設けられている、請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記陸部は、主溝と横溝又は傾斜溝とによって区画されたブロックである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記陸部は、リブに副溝を設けることで区画された部分である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ。
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