JP5865066B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関する。
トレッドのリブ列に、該リブ列を挟む周方向溝に夫々開口したサイプが形成されており、該サイプのタイヤ幅方向両端部に、該サイプの中央部よりも浅い底上げ部が夫々設けられた空気入りタイヤが開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−163015号公報
上記した従来のサイプにおける底上げ部の幅及び深さは、雪氷上性能、乾燥路面走行性能、摩耗性能を考慮して設定される。このうち雪氷性能の向上のためには、サイプの開き及びエッジ効果を向上させることが有効であるため、底上げ部の幅は小さく設定され、深さは大きく設定される。また乾燥路面走行性能の向上のためには、ブロック剛性を向上させることが有効であるため、底上げ部の幅は大きく設定され、深さは小さく設定される。
しかしながら、リブ列がジグザグに形成されている場合、タイヤ幅方向における該リブ列の周方向剛性の最大点は、タイヤ幅方向に周期的に変化する。またジグザグのリブ列のエッジにタイヤ周方向の力が加わると、エッジ方向と垂直方向に力が発生することにより、サイプの端部にはタイヤ幅方向に対して角度を持つせん断力が生じる。ジグザグのリブ列にサイプを設けるにあたっては、このようなタイヤ周方向剛性の最大点が変化する振幅や、サイプの端部に生じるせん断力の影響を考慮する必要がある。
本発明は、上記事実を考慮して、雪氷上性能を確保しつつ、摩耗性能を向上させることを目的とする。
請求項1の発明は、トレッドに、タイヤ周方向に延びる周方向溝によって区画され、タイヤ周方向にジグザグ状に形成されたリブ列と、該リブ列においてタイヤ幅方向に延び、最深部が続く深底部と、該深底部のタイヤ幅方向両側において該深底部よりも浅く形成されると共に、前記リブ列を挟む前記周方向溝に夫々開口する浅底部とを有し、該浅底部のタイヤ幅方向の幅が、前記リブ列のタイヤ幅方向両側のエッジのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部の頂部側で大きく、凹となる谷部の最深部側で該山部の頂部側よりも小さくなるように設定されたサイプと、を有している。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、ジグザグ状のリブ列に、深底部及びそのタイヤ幅方向両側の浅底部を有するサイプが形成されており、該浅底部のタイヤ幅方向の幅は、リブ列の両側のエッジのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部の頂部側で大きく、凹となる谷部の最深部側で該山部の頂部側よりも小さくなるように設定されているので、リブ列がジグザグ状であっても該リブ列のタイヤ周方向剛性の最大点が変化する振幅が抑制される。これにより、リブ列にタイヤ周方向の力が加わった際に、サイプの端部にタイヤ幅方向に対して角度を持つせん断力が生じ難くなり、偏摩耗の発生が抑制される。また同時に、リブ列におけるサイプのエッジ長さや、開き易さにより、エッジ効果の発生が確保されるため、雪氷上性能も確保される。このように、請求項1に記載の空気入りタイヤによれば、雪氷上性能を確保しつつ、摩耗性能を向上させることができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記リブ列のタイヤ幅方向中心を通りタイヤ周方向に延びる中心線を基準として、タイヤ幅方向における前記リブ列のタイヤ周方向剛性最大点の位置が該リブ列のジグザグに伴って周期的に変化するタイヤ周方向のある位置での振幅をanとし、該ある位置における両側の前記浅底部のタイヤ幅方向の幅の差の絶対値を2bnとすると、1/2an<bn<2anである。
ここで下限を1/2anとしたのは、これを下回ると、サイプの端部におけるせん断力の発生を抑制し難くなるからである。また上限を2anとしたのは、これを上回ると、浅底部のタイヤ幅方向の幅が小さくなり過ぎる場合があるからである。
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、サイプの両側の浅底部のタイヤ幅方向の幅の差を適切に設定しているので、偏摩耗の発生をより一層抑制することができる。
請求項3の発明は、トレッドに、タイヤ周方向に延びる周方向溝によって区画され、タイヤ周方向にジグザグ状に形成されたリブ列と、該リブ列においてタイヤ幅方向に延び、最深部が続く深底部と、該深底部のタイヤ幅方向両側において該深底部よりも浅く形成されると共に、前記リブ列を挟む前記周方向溝に夫々開口する浅底部とを有し、該浅底部のタイヤ幅方向の幅が、前記リブ列のタイヤ幅方向両側のエッジのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部の頂部側及び凹となる谷部の最深部側で、該山部の頂部と該谷部の最深部との中間部よりも大きくなるように設定されたサイプと、を有している。
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、ジグザグ状のリブ列に、深底部及びそのタイヤ幅方向両側の浅底部を有するサイプが形成されており、該浅底部のタイヤ幅方向の幅は、リブ列の両側のエッジのうち、山部の頂部側及び谷部の最深部側で大きく、山部の頂部と谷部の最深部との中間部で極小となるように設定されているので、リブ列の幅が小さいためにサイプの全幅が小さくなってしまう場合でも、両側の浅底部のタイヤ幅方向の幅をより多く確保して、偏摩耗の発生を抑制することができる。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記リブ列のジグザグの周期をTとすると、該リブ列のタイヤ幅方向両側の前記エッジは、タイヤ周方向において1/4T〜3/4Tの位相差を有している。
ここで、位相差の下限を1/4Tとし、上限を3/4Tとしたのは、該位相差が小さい場合には、サイプ両側の浅底部付近に生ずるせん断力の差が、改善を必要とするレベルではなくなるからである。
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、リブ列の両側のエッジの位相差が比較的大きい場合にも、偏摩耗の発生を抑制することができる。
ここで、下限を0.3としたのは、これを下回ると、サイプの全幅が大きい場合に、深底部の幅が小さくなり過ぎるからである。また上限を0.8としたのは、これを上回ると、サイプの全幅が小さい場合に、サイプの両側の浅底部のタイヤ幅方向の幅が小さくなり過ぎるからである。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの全幅に対する前記深底部の幅の割合は、0.3〜0.8である。
請求項5に記載の空気入りタイヤでは、サイプの全幅に対する深底部の幅の割合を適切に設定しているので、該深底部により雪氷上性能を確保すると共に、浅底部でブロック剛性を確保することができる。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の空気入りタイヤによれば、雪氷上性能を確保しつつ、摩耗性能を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
請求項2に記載の空気入りタイヤによれば、偏摩耗の発生をより一層抑制することができる、という優れた効果が得られる。
請求項3に記載の空気入りタイヤによれば、リブ列の幅が小さいためにサイプの全幅が小さくなってしまう場合でも、両側の浅底部のタイヤ幅方向の幅をより多く確保して、偏摩耗の発生を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
請求項4に記載の空気入りタイヤによれば、リブ列の両側のエッジの位相差が比較的大きい場合にも、偏摩耗の発生を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
請求項5に記載の空気入りタイヤによれば、深底部により雪氷上性能を確保すると共に、浅底部でブロック剛性を確保することができる、という優れた効果が得られる。
空気入りタイヤにおけるトレッドのリブの一例を示す拡大展開図である。 サイプを示す、図1における2−2矢視拡大断面図である。 サイプを示す、図1における3−3矢視拡大断面図である。 空気入りタイヤにおけるトレッドのリブの変形例を示す拡大展開図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。図1において、本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、リブ列12と、サイプ14とを有している。
リブ列12は、トレッド16に、タイヤ周方向に延びる周方向溝18によって区画され、タイヤ周方向にジグザグ状に形成されている。図示の例では、周方向溝18も夫々タイヤ周方向にジグザグ状に形成されており、該周方向溝18を挟んでタイヤ幅方向に隣接する陸部列20(ブロック列又はリブ列)のエッジ22もジグザグ状となっている。なお、この陸部列20のエッジ22については、ジグザグ状に限られず、タイヤ周方向に例えば直線状であってもよい。
リブ列12のジグザグの周期をTとすると、該リブ列12のタイヤ幅方向両側のエッジ12L,12Rは、タイヤ周方向において1/4T〜3/4Tの位相差Dを有している。この位相差Dが存在することにより、該リブ列12の幅がタイヤ周方向において周期的に変化している。なお位相差Dは、雪氷上操縦安定性能やタイヤ騒音性能の確保のため必要な意匠である。
ここで、位相差Dの下限を1/4Tとし、上限を3/4Tとしたのは、該位相差Dが小さい場合には、後述するサイプ14における両側の浅底部26付近に生ずるせん断力の差が、改善を必要とするレベルではなくなるからである。なお、周期Tは一定のものに限られず、複数種類の周期Tを適宜組み合わせて、ジグザグ形状にピッチバリエーションを持たせ、ノイズ低減を図ってもよい。
図2,図3において、サイプ14は、リブ列12においてタイヤ幅方向に延び、最深部が続く深底部24と、該深底部24のタイヤ幅方向両側において該深底部24よりも浅く形成されると共に、リブ列12を挟む周方向溝18に夫々開口する浅底部26とを有している。図1に示されるように、リブ列12の幅が周期的に変化していることに伴い、サイプ14の全幅Wn(図2,図3)も周期的に変化している。この全幅(Wn)を「全長」と呼ぶこともできる。なお、深底部24は、周方向溝18よりも浅く形成されている。
各々のサイプ14において、両側の浅底部26のタイヤ幅方向の幅An,Bnは、リブ列12のタイヤ幅方向両側のエッジ12L,12Rのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部12Pで大きく、凹となる谷部12Cで該山部12Pよりも小さくなるように設定されている。この浅底部26のタイヤ幅方向の幅(An,Bn)を、「長さ」と呼ぶこともできる。
図1において細線Lで示されるように、リブ列12のタイヤ周方向剛性最大点の中心は、リブ列12のタイヤ幅方向中心を通りタイヤ周方向に延びる中心線CLを基準として、該リブ列12のジグザグに伴って周期的に変化する。この周期的変化により、細線Lは正弦波となる。なお、加減速時にリブ列12に生じるせん断力、及びその際のサイプ14の開きや倒れ込みの最大点も、同様の周期の正弦波となる。
中心線CLを基準とすると、タイヤ周方向のある位置での細線Lの振幅はanである。この振幅anは、例えば解析により求めることができる。図1では、細線Lの形状は、各サイプ14における両側の浅底部26の幅が夫々等しい、即ちAn=Bnである場合を想定しているため、各周期Tにおける細線Lの振幅anの最大値は、中心線CLに対して対称となっている。An≠Bnの場合には、サイプ14の両端部の剛性が均等でなくなるため、各周期Tにおける細線Lの振幅anの最大値は、中心線CLに対して非対称となる。
タイヤ周方向のある位置での細線Lの振幅anを用い、該位置における両側の浅底部26のタイヤ幅方向の幅An,Bnの差の絶対値を2bnとすると、1/2an<bn<2anである。このbnを調整幅と呼ぶこととする。ここで、下限を1/2anとしたのは、これを下回ると、サイプ14の端部におけるせん断力の発生を抑制し難くなるからである。また上限を2anとしたのは、これを上回ると、浅底部26の幅An,Bnが小さくなり過ぎる場合があるからである。細線Lが中心線CLと交わる位置では、An=Bnとなる。
浅底部26の幅An,Bnの求め方について説明すると、まず該浅底部26の幅に関し、サイプ14の全幅Wnに対して適切な比率を有する仮の幅A0,B0を設定する。一例として、A0/Wn、B0/W0が、夫々0.2〜0.7となる比率が適切である。この幅A0,B0は、例えばタイヤ周方向の各位置において夫々一定である。A0=B0に設定してもよい。
図1において、サイプ14の左側(エッジ12L側)の端部から幅A0の位置をタイヤ周方向に順に結んだ線が二点鎖線L1であり、サイプ14の右側(エッジ12R)側の端部から幅B0の位置をタイヤ周方向に順に結んだ線が二点鎖線L2である。
この仮の幅A0,B0に、上記した調整幅bnを足し引きしたものが、浅底部26の幅An,Bnとなる。細線Lの振幅anが存在する山部12Pでは調整幅bnを足し、その反対側となる谷部12Cでは該調整幅bnを引く。従って、図1の2−2断面線の位置では、左側が谷部12C、右側が山部12Pであるため、左側の幅Anについて、An=A0−bnであり、右側の幅Bnについて、Bn=B0+bnである。但し、A0≦bnであると、浅底部26の幅Anが確保できなくなるため、仮の幅A0は、A0>bnの関係を満たすように設定される。望ましくは、A0−bn≧1.5mmに設定される。
また左側が山部12P、右側が谷部12Cの部位では、An=A0+bn、Bn=B0−bnである。但し、B0≦bnであると、浅底部26の幅Bnが確保できなくなるため、仮の幅B0は、B0>bnの関係を満たすように設定される。望ましくは、B0−bn≧1.5mmに設定される。
山部12Pと谷部12Cの境界部12Bである3−3断面線の位置では、細線Lが中心線CLと交差しており、an=0となるため、An=A0,Bn=B0となる。
図1において、サイプ14の左側(エッジ12L側)の端部から幅Anに相当する位置を、該サイプ14が設けられないタイヤ周方向位置も含めて求め、タイヤ周方向に順に結んだ線が細線Aである。またサイプ14の右側(エッジ12R)側の端部から幅Bnの位置を、該サイプ14が設けられないタイヤ周方向位置も含めて求め、タイヤ周方向に順に結んだ線が細線Bである。換言すれば、この細線A,Bがサイプ14と交わった位置が、該サイプ14における浅底部26と深底部24の境界となっている。
なお、図面における二点鎖線L1,L2及び細線A,B,Lは、本実施形態の説明のために記載した想像線であり、何れもリブ列12に形状として表れるものではない。しかしながら、二点鎖線L1,L2については、仮の幅A0,B0を適切に設定することで求めることができる。また細線Lについては、各サイプ14における両側の浅底部26の幅An,Bnが等しいとき(An=Bn)には、リブ列12のタイヤ幅方向の中点を、該サイプ14が設けられないタイヤ周方向位置も含めて求めて行き、これらをタイヤ周方向に順に結ぶことによって得ることができる。
なお、サイプ14の全幅Wnに対する深底部24の幅の割合は、0.3〜0.8とすることが望ましい。即ち、[Wn−(An+Bn)]/Wn=0.3〜0.8である。ここで、下限を0.3としたのは、これを下回ると、サイプ14の全幅Wnが大きい場合に、深底部24の幅が小さくなり過ぎるからである。また上限を0.8としたのは、これを上回ると、サイプ14の全幅Wnが小さい場合に、サイプ14の両側の浅底部26の幅が小さくなり過ぎるからである。
図2,図3において、浅底部26の深さD1及び深底部24の深さD2は、雪氷上性能、乾燥路面走行性能、摩耗性能を考慮して適宜設定される。
(変形例)
図4に示されるように、サイプ14の浅底部26のタイヤ幅方向の幅An,Bnについて、リブ列12のタイヤ幅方向両側のエッジ12L,12Rのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部12P及び凹となる谷部12Cで、タイヤ周方向における該山部12Pと該谷部12Cの境界部12Bよりも大きくなるように設定してもよい。タイヤサイズ等によって、リブ列12の幅が小さいためにサイプ14の全幅Wn(図2,図3参照)が小さくなってしまう場合でも、両側の浅底部26の幅An,Bnをより多く確保して、偏摩耗の発生を抑制することができるからである。なお、ここでの幅An,Bnの大小は、タイヤ周方向に複数形成されるサイプ14同士の間で比較される。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、本実施形態に係る空気入りタイヤ10では、ジグザグ状のリブ列12に、深底部24及びそのタイヤ幅方向両側の浅底部26を有するサイプ14が形成されており、該浅底部26の幅An,Bnは、リブ列12の両側のエッジ12L,12Rのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部12Pで大きく、凹となる谷部12Cで小さくなるように設定されているので、リブ列12がジグザグ状であっても該リブ列12のタイヤ周方向剛性の最大点が変化する振幅が抑制される。即ち、細線Lの振幅anが、図示されるものより抑制された状態となる。なお、図示される細線Lは、既述したように、各サイプ14における両側の浅底部26の幅An,Bnが夫々等しいときのものである。
これにより、リブ列12にタイヤ周方向の力が加わった際に、サイプ14の端部にタイヤ幅方向に対して角度を持つせん断力が生じ難くなり、偏摩耗の発生が抑制される。また同時に、リブ列12におけるサイプ14のエッジ長さや、開き易さにより、エッジ効果の発生が確保されるため、雪氷上性能も確保される。このように、空気入りタイヤ10によれば、雪氷上性能を確保しつつ、摩耗性能を向上させることができる。
またサイプ14の両側の浅底部26の幅An,Bnの差を適切に設定することで、偏摩耗の発生をより一層抑制することもできる。トレッド16の設計の際には、リブ列12の形状に対応した細線A,B(図1)を求めておき、タイヤ周方向における各サイプ14と細線A,Bとの交点を求めることで、各サイプ14における浅底部26の幅An,Bnを容易に求めることができる。
更に、リブ列12の両側のエッジ12L,12Rの位相差Dの範囲を適切に設定することで、該位相差Dが比較的大きい場合にも、偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、サイプ14の全幅Wnに対する深底部24の幅の割合を適切に設定することで、該深底部24により雪氷上性能を確保すると共に、浅底部26でブロック剛性を確保することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、調整幅bnについて、1/2an<bn<2anであるものとしたが、調整幅bnの範囲はこれに限られない。またリブ列12のタイヤ幅方向両側のエッジ12L,12Rについての位相差Dが、ジグザグの周期Tに対して、1/4T〜3/4Tの範囲にあるものとしたが、位相差Dはこれに限られない。更に、サイプ14の全幅Wnに対する深底部24の幅の割合が、0.3〜0.8であるものとしたが、該幅の割合はこれに限られない。
(試験例)
比較例と実施例に係るタイヤについて、雪氷上加速性能、雪氷上減速性能及び摩耗性能について、実車による評価を行った。タイヤサイズは、195/65R15である。
比較例に係るタイヤは、タイヤ周方向の各サイプ14の浅底部26の幅をAn=A0,Bn=B0,かつAn=Bnとしたものである。換言すれば、比較例に係るタイヤは、浅底部26の幅を、図1における二点鎖線L1,L2で示されるように一定としたものである。これに対し、実施例に係るタイヤは、浅底部26の幅を、図1における細線A,Bで示されるように変化させたものである。
結果は表1に示されるとおりである。表1において、雪氷上加速性能及び雪氷上減速性能は、比較例を100とした指数で示されている。この結果から、比較例では、リブ列にヒール&トゥ摩耗(偏摩耗)が発生したのに対し、実施例では、雪氷上加速性能及び雪氷上減速性能について比較例と同様の性能を確保しつつ、リブ列でのヒール&トゥ摩耗(偏摩耗)の発生を抑制できることがわかる。
Figure 0005865066
10 空気入りタイヤ
12 リブ列
12C 谷部
12L エッジ
12P 山部
12R エッジ
14 サイプ
16 トレッド
18 周方向溝
24 深底部
26 浅底部
an 振幅
An 幅
bn 調整幅
Bn 幅
D 位相差
T 周期
Wn 全幅

Claims (5)

  1. トレッドに、タイヤ周方向に延びる周方向溝によって区画され、タイヤ周方向にジグザグ状に形成されたリブ列と、
    該リブ列においてタイヤ幅方向に延び、最深部が続く深底部と、該深底部のタイヤ幅方向両側において該深底部よりも浅く形成されると共に、前記リブ列を挟む前記周方向溝に夫々開口する浅底部とを有し、該浅底部のタイヤ幅方向の幅が、前記リブ列のタイヤ幅方向両側のエッジのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部の頂部側で大きく、凹となる谷部の最深部側で該山部の頂部側よりも小さくなるように設定されたサイプと、
    を有する空気入りタイヤ。
  2. 前記リブ列のタイヤ幅方向中心を通りタイヤ周方向に延びる中心線を基準として、タイヤ幅方向における前記リブ列のタイヤ周方向剛性最大点の位置が該リブ列のジグザグに伴って周期的に変化するタイヤ周方向のある位置での振幅をanとし、該ある位置における両側の前記浅底部のタイヤ幅方向の幅の差の絶対値を2bnとすると、1/2an<bn<2anである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッドに、タイヤ周方向に延びる周方向溝によって区画され、タイヤ周方向にジグザグ状に形成されたリブ列と、
    該リブ列においてタイヤ幅方向に延び、最深部が続く深底部と、該深底部のタイヤ幅方向両側において該深底部よりも浅く形成されると共に、前記リブ列を挟む前記周方向溝に夫々開口する浅底部とを有し、該浅底部のタイヤ幅方向の幅が、前記リブ列のタイヤ幅方向両側のエッジのうち、タイヤ幅方向に凸となる山部の頂部側及び凹となる谷部の最深部側で、該山部の頂部と該谷部の最深部との中間部よりも大きくなるように設定されたサイプと、
    を有する空気入りタイヤ。
  4. 前記リブ列のジグザグの周期をTとすると、
    該リブ列のタイヤ幅方向両側の前記エッジは、タイヤ周方向において1/4T〜3/4Tの位相差を有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイプの全幅に対する前記深底部の幅の割合は、0.3〜0.8である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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