JP4740301B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、複数のサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤであって、特にアイス路面におけるアイス制動性能と、ドライ路面におけるドライ制動性能とを両立した空気入りタイヤに関する。
従来より、スタッドレスタイヤのアイス性能を向上させる目的で、タイヤパターンの各部(センター部、メディエイト部、ショルダー部)に複数のサイプを配置したものが知られている。かかるサイプの形状としては、サイプの深さ方向に形状が変化しない平面または波形のサイプが従来は一般的であった。このようなサイプをブロックに形成することにより、エッジ効果、除水効果、および凝着効果が向上するため、サイプの本数は近年増加する傾向にあった。
しかし、サイプの本数を増やしてサイプ密度を高めていくと、エッジ数は増えるものの、ブロック全体の剛性が低下してサイプが倒れ込むことにより、逆にエッジ効果が小さくなり、アイス性能も低下するという問題が生じる。このような問題の解決方法として、サイプの形状を深さ方向で変化させ、サイプの倒れ込みを抑制するため、サイプを3次元化する方法がある。
下記特許文献1では、ブロックに複数のサイプを形成した空気入りタイヤにおいて、該ブロックの中央部に形成されたサイプを、タイヤ幅方向にジグザグ状または波形状サイプ(いわゆる2Dサイプ)とし、該ブロックの端部に形成されたサイプを、タイヤ幅方向および深さ方向にジグザグ状または波形状サイプ(いわゆる3Dサイプ)とすることにより、ブロックの倒れ込みを均一なものとし、サイプのエッジ効果を増長させる点が記載されている。また、下記特許文献2では、ブロックに複数のサイプを形成した空気入りタイヤにおいて、ブロックの中央部で、端部よりもサイプを密に配設し、該ブロック陸部の端部に形成されたサイプを3Dサイプ、中央部に形成されたサイプを2Dサイプとすることにより、端部のブロック剛性を確保し、かつブロック剛性の高い中央部にて、サイプ本数を多くする点が記載されている。しかし、これらの文献に記載の空気入りタイヤでは、ともにブロック中央部の接地圧が高いため、制動時等においてサイプが閉じてしまい、サイプのエッジ効果が十分に発揮されない傾向がある。このため、これらの空気入りタイヤでは、アイス制動性能が十分なものではなかった。
また、下記特許文献3では、ブロックに複数のサイプを形成した空気入りタイヤにおいて、ブロックの中心部に形成され、タイヤ幅方向に延びるサイプのサイプ厚みを、ブロック端部のサイプ厚みよりも厚くすることにより、サイプの除水効果およびエッジ効果を高める点が記載されている。かかる文献に記載の空気入りタイヤでは、ブロック中央部のサイプ厚みを厚くすることで、ブロックの中央部にてサイプのエッジ効果が高まる。しかし、ブロック端部にてサイプが倒れ込み易くなり、該部位にて接地面積が低下する傾向がある。このため、かかる空気入りタイヤでは、ドライ制動性能の面で、さらなる改良の余地があった。
また、下記特許文献4では、ブロックに複数のサイプを形成した空気入りタイヤにおいて、少なくとも該サイプの一方の溝壁面に、接地時に他方の溝壁面に接触する複数の突起を、踏面から2mmまでの間に形成することにより、サイプのエッジ効果を高めることが記載されている。しかし、かかる空気入りタイヤでは、ブロックの幅方向中心部にてサイプの倒れ込みが不十分となる一方で、ブロックの幅方向端部にてサイプが倒れ込み易くなり、該部位にて接地面積が低下する傾向がある。このため、かかる空気入りタイヤでは、アイス制動性能およびドライ制動性能の両面で、さらなる改良の余地があった。
特開2006−82659号公報 特開2007−22361号公報 特開2000−264023号公報 特開2006−168501号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アイス路面におけるアイス制動性能と、ドライ路面におけるドライ制動性能とを両立した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ブロック単体にてせん断時におけるサイプのエッジ効果の影響について考察するため、せん断時におけるブロック各部位の接地圧を計測した。その結果、ブロックの幅方向中心領域では、アイス路面走行時およびドライ路面走行時の両方において、接地圧が高くなることでサイプが閉じ易く、サイプのエッジ効果が十分に発揮されないことを見出した。一方、ブロックの幅方向端部では、特にドライ路面走行時に接地圧が高く、サイプが倒れ込み易いことを見出した。本発明は、上記の検討の結果なされたものであり、下記の如き構成により上述の目的を達成するものである。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、複数のサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、ブロックの幅方向中心領域に位置するサイプ中心部と、その両端に位置するサイプ端部とからなり、前記サイプ中心部は、対向する内壁面の長さ方向に隔設配置された複数の凸部と、前記凸部と噛み合う凹部とを有するものであり、前記サイプ中心部の幅方向最外側に位置する前記凸部の大きさを、前記サイプ中心部の内側に位置する前記凸部の大きさよりも大きくしたことを特徴とする。
上記の空気入りタイヤでは、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさが相対的に小さいため、サイプ中心部の内側にて、サイプを適度に倒れ込み易くすることができ、空気入りタイヤのアイス制動性能を向上することができる。
さらに、サイプ中心部の幅方向最外側に位置し、サイプ端部に近接する凸部の大きさが、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさよりも大きく設定されているため、サイプ中心部の幅方向最外側にて、凸部と凹部との係合力が特に大きくなる。この結果、特にドライ路面走行時、接地圧の高いサイプ端部の倒れ込みを抑え、サイプ端部での接地面積を確保することができ、空気入りタイヤのドライ制動性能を向上することができる。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、複数のサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、ブロックの幅方向中心領域に位置するサイプ中心部と、その両端に位置するサイプ端部とからなり、前記サイプ中心部は、対向する内壁面の長さ方向に隔設配置された複数の凸部と、前記凸部と噛み合う凹部とを有するものであり、前記サイプ中心部の幅方向最外側に位置する前記凸部は、段差を有する二段凸部であることを特徴とする。
上記の空気入りタイヤは、サイプ中心部の幅方向最外側に位置し、サイプ端部に近接する凸部が段差を有する二段凸部であるため、サイプが倒れ込む際に噛み合う二段凹部との係合力がさらに大きくなり、サイプ端部の倒れ込みをより効果的に抑えることができる。その結果、特にドライ路面走行時に、サイプ端部での接地面積をより効果的に確保することができ、空気入りタイヤのドライ制動性能をより向上することができる。加えて、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさが相対的に小さいため、サイプ中心部の内側にて、サイプを適度に倒れ込み易くすることができ、サイプのエッジ効果を高めることができる。その結果、空気入りタイヤのアイス制動性能とドライ制動性能とを両立することができる。
上記の空気入りタイヤにおいて、前記サイプ中心部の幅方向最外側に位置する前記凸部の大きさを、前記サイプ中心部の内側に位置する前記凸部の大きさよりも大きくしたものであることが好ましい。かかる空気入りタイヤにおいては、サイプ中心部の幅方向最外側に位置する凸部の大きさが、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさよりも大きく、かつサイプ中心部の幅方向最外側に位置する凸部が段差を有する二段凸部であることから、サイプが倒れ込む際に噛み合う二段凹部との係合力が特に大きくなり、ドライ路面走行時に、サイプ端部での接地面積を十分に確保することができる。このため、空気入りタイヤのドライ制動性能を特に向上することができる。
また、上記の空気入りタイヤにおいて、前記サイプ中心部のサイプ厚みは、前記サイプ端部のサイプ厚みより厚く形成されたものであることが好ましい。かかる空気入りタイヤにおいては、特にアイス路面走行時、接地圧の高いサイプ中心部の剛性を低下させることができる。これにより、特にサイプ中心部の内側にて、サイプを適度に倒れ込み易くすることができ、空気入りタイヤのアイス制動性能をさらに向上することができる。
また、上記の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、波形状のサイプ中心部と直線状のサイプ端部とからなり、前記サイプ中心部は、対向する内壁面の谷部に隔設配置された複数の凸部と、前記凸部と噛み合う凹部とを有するものであることが好ましい。かかる空気入りタイヤにおいては、サイプ中心部を波形状とすることで、いわゆる波形サイプの長所を生かすことができ、かつサイプ中心部は、対向する内壁面の谷部に隔設配置された複数の凸部と、該凸部と噛み合う凹部とを有するため、係合力をより高めることができる。さらに、サイプ端部を直線状とすることで、サイプ端部での剛性の低下を抑制することができる。これにより、かかる空気入りタイヤでは、アイス制動性能とドライ制動性能とを、特にバランスよく向上することができる。
図1は本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態を示すトレッドパターンの概略展開図である。図2は同実施形態のタイヤトレッド部に配置されたブロックの拡大概略平面図である。図3(a)は、図2におけるI−I矢視断面図、図3(b)は、図2におけるII−II矢視断面図である。
図において、1はタイヤトレッド部、2はこのタイヤトレッド部1に設けられたブロックである。ブロック2はタイヤ周方向に延びる主溝3とタイヤ幅方向に延びる横溝4とで区画されて配置されている。なお、図1中、TCはタイヤトレッドセンターライン、SHはショルダー端部を示している。
このブロック2には、図示のとおり、タイヤ幅方向に延びるサイプ5がタイヤ周方向に等間隔をおいて配置されている。これらのサイプ5は、直線状、波形状、ジグザグ状、あるいは矩形状であってもよいが、本実施形態では、ブロックの幅方向中心領域に位置する波形状のサイプ中心部5aと、その両端に位置する直線状のサイプ端部5bとからなる。サイプ中心部5aの波線の周期は、いわゆる波形サイプの特性を好適に発現する上で1.5〜4mmが好ましく、振幅(両側頂部の高さの和)は1〜2mmが好ましい。また、サイプ5の深さは3〜10mmが好ましい。
また、サイプ中心部5aのサイプ厚みTは、サイプ端部5bのサイプ厚みTよりも厚く形成されている。この場合、特にアイス路面走行時、接地圧の高いサイプ中心部5aの剛性を低下させることができる。これにより、特にサイプ中心部5aの内側にて、サイプを適度に倒れ込み易くすることができ、空気入りタイヤのアイス制動性能をさらに向上することができる。
本実施形態において、サイプ中心部5aの厚みTは、サイプ端部5bの厚みTの1.5T〜4Tとすることが好ましい。サイプ中心部5aの厚みTをサイプ端部5bの厚みTの1.5T未満としたタイヤは、サイプ中心部5aの厚みTがサイプ端部5bの厚みTとさほど変わらず、しかもサイプ端部5bによるサイプ中心部5aの動きに規制がかかりすぎるため、サイプ間領域の段差摩耗は抑えられるが、サイプ中心部5aにて得られるエッジ効果は乏しくなる。一方、サイプ中心部5aの厚みTをサイプ端部5bの厚みTの4Tを超えて設定した場合は、サイプ中心部5aの厚みTがサイプ端部5bの厚みTと比較して過剰に厚くなることから、サイプ中心部5aの動きに対するサイプ端部5bの規制が不十分となり、サイプ間領域において段差摩耗が発生し易く、さらにはサイプのエッジ効果が不十分となる。
具体的にはサイプ中心部5aの厚みTは、0.5mm〜2.5mmであることが好ましく、サイプ端部5bの厚みTは、0.2mm〜1.0mmであることが好ましい。厚みTが0.2mm未満のサイプ端部は、厚みが過剰に薄すぎるため加工性に乏しく、これに対して厚みTが1.0mmを超えるサイプ端部は、厚みが厚すぎるため、特にドライ路面走行時にサイプ端部にてサイプが過剰に倒れ込み、接地面積が低下する場合があり、さらにサイプ中心部5aの動きに対するサイプ端部5bの規制が不十分となり、サイプ間領域において段差摩耗が発生し易い。また、サイプ中心部の厚みTが0.5mm未満であると、サイプ中心部でのエッジ効果が不十分となり、2.5mmを超えると、サイプ間領域の段差摩耗が発生し易い。
図2において、Yはブロック2の幅方向長さ、Yはサイプ中心部5aの幅方向長さ、Yはサイプ端部5bの幅方向長さを示す。ここで、本発明においては、サイプ5のサイプ中心部5aの幅方向長さYをブロック幅Yの0.8Y以下、サイプ端部5bの幅方向長さYをブロック幅Yの0.1Y以上とすることが好ましい。サイプ5のサイプ中心部5aの幅方向長さYをブロック幅方向長さYの0.8Yを超えて設定した場合、厚みの厚いサイプ中心部5aの設定範囲が大きく、厚みの薄いサイプ端部5bの設定範囲が小さすぎることから、特にドライ路面走行時にサイプ端部にてサイプが過剰に倒れ込み、接地面積が低下する場合がある。加えて、ブロック中心領域の自由な動きを、このサイプ端部5bを配置したブロック端領域2bで規制することが困難となり、サイプとサイプとの間で段差摩耗が発生し易くなる。
図3(a)は、図2におけるI−I矢視断面図であって、サイプ中心部5aの内側に位置する凸部6および凹部7の要部拡大図を示し、図3(b)は、図2におけるII−II矢視断面図であって、サイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する凸部6および凹部7の要部拡大図を示す。本実施形態では、サイプ中心部5aは、対向する内壁面の谷部に隔設配置された複数の半球状の凸部6と、凸部6と噛み合う半球状の凹部7とを有する。この場合、サイプ中心部5aにおいて、長さ方向に対して交互に凸部6および凹部7を有することとなり、ブロックの倒れ込み方向により凸部6と凹部7との係合力が左右されにくい。
図4は、サイプ5の縦断面斜視図を示す。図4に示すとおり、サイプ中心部5aの幅方向最外側に位置し、サイプ端部5bに近接する凸部6の大きさが、サイプ中心部5aの内側に位置する凸部6の大きさよりも大きく設定されているため、サイプ中心部5aの内側にて、適度なサイプの倒れ込みを確保しつつ、サイプ中心部5aの幅方向最外側にて、凸部6と凹部7との係合力を大きくすることができる。その結果、本実施形態に係る空気入りタイヤでは、アイス路面におけるアイス制動性能と、ドライ路面におけるドライ制動性能とを両立することができる。なお、「サイプ中心部5aの内側に位置する凸部」とは、具体的にはサイプ中心部の幅方向最外側に位置する凸部よりも、幅方向内側に位置する凸部を意味するものとする。なお、本実施形態では、サイプ中心部5aの深さ方向に凸部6および凹部7をそれぞれ2列有するものを示すが、1列または3列有するものであってもよい。
図4に示すとおり、サイプ端部5bには凸部および凹部を設けないことが好ましい。サイプ中心部5aだけでなく、サイプ端部5bにも凸部および凹部を有する空気入りタイヤは、その操縦安定性が悪化する傾向がある。
ここで、図3(b)に示すとおり、サイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する半球状の凸部6の直径をWout、高さをHout、図3(a)に示すとおり、サイプ中心部5aの内側に位置する半球状の凸部6の直径をWin、高さをHinとした場合、Wout>Win、かつHout>Hinである場合、サイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する半球状の凸部6が、サイプ中心部5aの内側に位置する凸部6の大きさよりも大きく設定されることとなり、サイプ中心部5aの幅方向最外側にて、凸部6と凹部7との係合力が大きくなる。特に、Wout>2.5×Win、かつHout>2.5×Hinであると、サイプ中心部5aの内側にて、適度なサイプの倒れ込みを確保しつつ、サイプ中心部5aの幅方向最外側にて、凸部6と凹部7との係合力を特に大きくすることができ、空気入りタイヤのアイス制動性能とドライ制動性能とを、さらにバランスよく向上することができる。
また、本実施形態のサイプ5では、サイプ中心部5aは波形状サイプ、サイプ端部5bは直線状サイプを採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、サイプ中心部5aおよびサイプ端部5bとも波形状サイプ、サイプ中心部5aおよびサイプ端部5bとも直線状サイプ、サイプ中心部5aを直線状サイプとしつつサイプ端部5bを波形状サイプとする構成も採用することができる。また、サイプ中心部5aのサイプ厚みTは、サイプ端部5bのサイプ厚みTよりも厚く形成されているが、サイプ中心部5aのサイプ厚みTと、サイプ端部5bのサイプ厚みTとを略同等としてもよい。
また、本実施形態のサイプ5は、タイヤ幅方向に対して平行に延びるサイプとして構成されているが、これに限定されず、タイヤ幅方向に対して角度をつけた傾斜状サイプにも適用できる。さらには、本実施形態のブロックは、タイヤ幅方向に対して平行なブロック端縁部を有し、かつタイヤ周方向に対して平行なブロック端縁部を有するいわゆる四角形状面のブロック2であり、このブロックに上記サイプ5が配置されているが、タイヤ幅方向或いはタイヤ周方向に対して角度をつけた例えば菱形形状面のブロックに、タイヤ幅方向に対して平行または傾斜角を持つサイプ5を配置することもできる。
また、本実施形態のサイプ5は、1つのブロック2内に6本間隔を置いて配置されているが、特にその数は限定されるものではない。さらにまた、本発明のサイプと、タイヤ幅方向全体にわたって一定厚みからなる通常のサイプと組み合わせて配置することもできる。
なお、本発明のサイプをブロックに成形するには、厚みの異なるブレードを組み合わせて1本のサイプ用ブレードとしてタイヤ成型用金型に設置し、慣用のタイヤ製造方法を採用することによって容易に製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、前述の如き作用効果を奏し、優れたアイス性能を有するため、特にスタッドレスタイヤとして有用である。
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
(1)前述の実施形態では、サイプ中心部の幅方向最外側に位置する凸部の大きさを、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさよりも大きくした例を示したが、図5に示すとおり、サイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する凸部を、段差を有する二段凸部60とし、該二段凸部と噛み合う凹部を、段差を有する二段凹部70としてもよい。この場合、サイプ中心部の幅方向最外側に位置し、サイプ端部に近接する凸部が段差を有する二段凸部60であるため、サイプが倒れ込む際に噛み合う二段凹部70との係合力がさらに大きくなり、サイプ端部の倒れ込みをより効果的に抑えることができる。その結果、特にドライ路面走行時に、サイプ端部での接地面積を高め、空気入りタイヤのドライ制動性能をより向上することができる。段差を有する二段凸部の形状としては特に限定されないが、例えば図5に示すとおり、直径の異なる二つの半球状凸部を重ねて配置したものが挙げられる。
(2)なお、サイプ中心部の幅方向最外側に位置する二段凸部の大きさを、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさと略同等とした場合でも、上述のとおり空気入りタイヤのドライ制動性能を向上することができるが、サイプ中心部の幅方向最外側に位置する二段凸部の大きさを、サイプ中心部の内側に位置する凸部の大きさよりも大きくすると、サイプが倒れ込む際、二段凸部と二段凹部との係合力が特に大きくなる。このため、ドライ路面走行時に、サイプ端部での接地面積を十分に確保することができ、空気入りタイヤのドライ制動性能を特に向上することができる。また、図5に示すサイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する二段凸部60の直径をWout、高さをHout、サイプ中心部5aの内側に位置する半球状の凸部6の直径をWin、高さをHinとした場合、Wout>2.5×Win、かつHout>2.5×Hinであると、ドライ路面走行時に、サイプ端部での接地面積を十分に確保することができ、空気入りタイヤのドライ制動性能を特に向上することができるため好ましい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、タイヤの各性能評価は、次のようにして行った。
(1)アイス制動性能
テストタイヤ(サイズ205/65R15)を実車(国産3000ccクラスのFRセダン)に装着し、1名乗車の荷重条件にて、アイス路面を走行させ、速度40km/hで制動力をかけてABSを作動させた際の制動距離を指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好なアイス制動性能を示す。
(2)ドライ制動性能
テストタイヤ(サイズ205/65R15)を実車(国産3000ccクラスのFRセダン)に装着し、1名乗車の荷重条件にて、ドライ路面(舗装道路)を走行させ、速度40km/hで制動力をかけてABSを作動させた際の制動距離を指数で評価した。なお、評価は従来品(比較例1)を100としたときの指数表示で示し、数値が大きいほど良好なドライ制動性能を示す。
実施例1
サイプ中心部とサイプ端部とが共に波形状であって、その厚みが共に0.5mmであるサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備え、ブロックの幅方向長さをYとした場合にサイプ中心部の幅方向長さを0.7Y、サイプ中心部の幅方向最外側に位置する半球状の凸部の直径を1.5mm、高さを0.75mm、サイプ中心部の内側に位置する半球状の凸部の直径を0.5mm、高さを0.25mmに設定した空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
実施例2
図1および2に示すブロックを有するトレッドパターンを備え、サイプ端部5bの厚みTを0.5mm、サイプ中心部5aの厚みTを1.25mm(=2.5T)、ブロックの幅方向長さをYとした場合にサイプ中心部5aの幅方向長さYを0.7Y、図3(b)に示すサイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する半球状の凸部6の直径Woutを1.5mm、高さHoutを0.75mm、図3(a)に示すサイプ中心部5aの内側に位置する半球状の凸部6の直径Winを0.5mm、高さHinを0.25mmに設定した空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
実施例3
図1および2に示すブロックを有するトレッドパターンを備え、サイプ端部5bの厚みTを0.5mm、サイプ中心部5aの厚みTを1.25mm(=2.5T)、ブロックの幅方向長さをYとした場合にサイプ中心部5aの幅方向長さYを0.7Y、図5に示すサイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する二段凸部60の直径Woutを0.5mm、高さHoutを0.25mm、図3(a)に示すサイプ中心部5aの内側に位置する半球状の凸部6の直径Winを0.5mm、高さHinを0.25mmに設定した空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
実施例4
図1および2に示すブロックを有するトレッドパターンを備え、サイプ端部5bの厚みTを0.5mm、サイプ中心部5aの厚みTを1.25mm(=2.5T)、ブロックの幅方向長さをYとした場合にサイプ中心部5aの幅方向長さYを0.7Y、図5に示すサイプ中心部5aの幅方向最外側に位置する二段凸部60の直径Woutを1.5mm、高さHoutを0.96mm、図3(a)に示すサイプ中心部5aの内側に位置する半球状の凸部6の直径Winを0.5mm、高さHinを0.25mmに設定した空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
比較例1
サイプ中心部とサイプ端部とが共に波形状であって、その厚みが共に0.5mmであるサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備え、該サイプの内壁面に凸部および凹部を有しない空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
比較例2
サイプ中心部とサイプ端部とが共に波形状であって、その厚みが共に0.5mmであるサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備え、ブロックの幅方向長さをYとした場合にサイプ中心部の幅方向長さを0.7Y、サイプ中心部の幅方向最外側およびサイプ中心部の内側に位置する半球状の凸部6の直径を0.5mm、高さを0.25mmに設定した空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
比較例3
図1および2に示すブロックを有するトレッドパターンを備え、サイプ端部5bの厚みTを0.5mm、サイプ中心部5aの厚みTを1.25mm(=2.5T)、ブロックの幅方向長さをYとした場合にサイプ中心部5aの幅方向長さYを0.7Yと設定し、かつサイプの内壁面に凸部および凹部を有しない空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
Figure 0004740301
表1のとおり、実施例1〜4の空気入りタイヤは、比較例1の空気入りタイヤに比べて、アイス制動性能およびドライ制動性能の両方が向上していることがわかる。一方、比較例2および比較例3の空気入りタイヤは、実施例1〜4の空気入りタイヤに比べて、アイス制動性能およびドライ制動性能の両方が劣る結果となり、さらなる向上余地があることがわかる。
本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態を示すトレッドパターンの概略展開図 本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態のタイヤトレッド部に配置されたブロックの拡大概略平面図 (a)は、図2におけるI−I矢視断面図、(b)は、図2におけるII−II矢視断面図 サイプの縦断面斜視図 別実施形態に係るサイプ中心部の幅方向最外側に位置する凸部および凹部の要部拡大図
符号の説明
1:タイヤトレッド部
2:ブロック
3:主溝
4:横溝
5:サイプ
5a:サイプ中心部
5b:サイプ端部
6:凸部
7:凹部
60:二段凸部
70:二段凹部
SH:タイヤショルダー端部
Y:ブロックの幅方向長さ
:サイプ中心部の幅方向長さ
:サイプ端部の幅方向長さ
:サイプ中心部の厚み
:サイプ端部の厚み

Claims (3)

  1. 複数のサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、ブロックの幅方向中心領域に位置する波形状のサイプ中心部と、その両端に位置する直線状のサイプ端部とからなり、
    前記サイプ中心部は、対向する内壁面の谷部に隔設配置された複数の凸部と、前記凸部と噛み合う凹部とを有するものであり、
    前記サイプ中心部のサイプ厚みは、前記サイプ端部のサイプ厚みより厚く形成されたものであり、
    前記サイプ中心部の幅方向最外側に位置する前記凸部の大きさを、前記サイプ中心部の内側に位置する前記凸部の大きさよりも大きくしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 複数のサイプを形成したブロックを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、ブロックの幅方向中心領域に位置する波形状のサイプ中心部と、その両端に位置する直線状のサイプ端部とからなり、
    前記サイプ中心部は、対向する内壁面の谷部に隔設配置された複数の凸部と、前記凸部と噛み合う凹部とを有するものであり、
    前記サイプ中心部のサイプ厚みは、前記サイプ端部のサイプ厚みより厚く形成されたものであり、
    前記サイプ中心部の幅方向最外側に位置する前記凸部は、段差を有する二段凸部であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記サイプ中心部の幅方向最外側に位置する前記凸部の大きさを、前記サイプ中心部の内側に位置する前記凸部の大きさよりも大きくしたものである請求項2に記載の空気入りタイヤ。
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