JP6085828B2 - 空気入りタイヤ用トレッド - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ用トレッドに関し、詳しくは、低摩擦係数路面でのグリップを向上するための空気入りタイヤ用トレッド、及びそのようなトレッドを具備した空気入りタイヤに関する。
タイヤのグリップ性能、特に氷、雪、湿潤路面のような低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させる目的で、いわゆるサイプと呼ばれる細い切れ込みが用いられている。このサイプは、空気入りタイヤのトレッドのブロックやリブといった接地要素の接地面に開口し、いわゆるエッジ効果と、路面の水膜を除去する効果により、そのような路面におけるグリップ性能を向上させている。多くの場合、このサイプは上記エッジ効果や水膜を除去する効果を最大限に発揮させるため、タイヤ幅方向に延びるように設けられている。
低摩擦係数路面でのグリップ性能をさらに向上させる手段として、接地要素に設けられたサイプの数(または密度)を増加させ、エッジ効果と、路面の水膜を除去する効果を向上させる技術が知られている。ところが、接地要素に設けられたサイプの数(または密度)を増加させると、接地要素の剛性が低下し、それにより、接地要素の変形量が増加して、トレッドパターンの耐久性が低下する。
特許文献1には、接地要素であるブロックに、接地面に開口する円形の小穴を形成して、低摩擦係数路面でのグリップ性能とトレッドパターンの耐久性を両立させるようにした技術が開示されている。
また、特許文献2には、周方向溝及び横方向溝によって区切られた接地要素であるブロック内で、タイヤ幅方向に延びるサイプと小穴を組み合わせて配置したトレッドが開示されている。この特許文献2の技術では、トレッドの端部領域に位置する接地要素には小穴のみを配置し、トレッドの中間部領域に位置する接地要素にはサイプと小穴を配置し、トレッドの中央領域に位置する接地要素にはサイプのみを配置することにより、低摩擦係数路面でのグリップ性能とトレッドパターンの耐久性を両立させるようにしている。
特許文献3には、特にその図2(b)に示されているように、複数の略V字型に形成された比較的長さの短い細い切れ込みを接地要素であるブロックに設けることにより、低摩擦係数路面でのグリップ性能とトレッドパターンの耐久性を両立させるようにした技術が開示されている。この特許文献3には、サイプ中心長さを3.5〜8.5mmの範囲内としたサイプ溝(細い切れ込み)を、ブロックに多数配置するようにしている。
特開昭62−055202号公報 特開2007−210534号公報 特開2005−186827号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、ブロック内に小穴を配置した場合、全てをサイプとした場合と同程度のサイプ密度を保とうとすると、低摩擦係数路面でのグリップ性能に重要な接地要素の接地面積を減らしてしまい、低摩擦係数路面でのグリップ性能の向上が限定的になってしまうという問題点がある。言い換えると、このような小穴を用いて接地要素の接地面積を保つためには、接地要素のサイプ密度を下げなければならないという問題点がある。ここで、サイプ密度とは、接地要素内のサイプ及び小穴の、タイヤ回転軸に平行かつ接地面に垂直な面に投影した投影長さの総和を、接地要素のサイプ及び小穴を含まない接地面積で除したものである。
また、特許文献3に開示された技術では、低摩擦係数路面でのグリップ性能及びトレッドパターンの耐久性の向上は十分ではなく、これらの性能のさらなる向上が求められている。
そこで本発明は、上述した従来技術が抱える問題点を解決するためになされたものであり、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させると共にトレッドパターンの耐久性をより向上させることが出来る空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、タイヤ横方向に延びる複数の横方向溝と、これらの周方向溝及び横方向溝によって区切られた複数の接地要素と、横方向溝により接地要素に形成される横方向エッジと、周方向溝により接地要素に形成される周方向エッジと、を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、接地要素には、複数の切れ込み要素が形成され、これらの切れ込み要素は、少なくとも2つの微小切れ込みからなる少なくとも1つの一連の微小切れ込みを含み、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みは、少なくともタイヤが新品時にトレッドの接地面上に形成される一つの円弧部及び両端部を有し、且つ、トレッドの接地面に幅Eで開口し且つ周方向溝および横方向溝のどちらにも開口しないよう延び、その切れ込み長さが3.0mm以下であり、一連の微小切れ込みは、少なくとも、接地要素の一方の横方向エッジから延び且つ前記接地要素において前記周方向エッジが平均して延びる方向に平行な方向に測定した接地要素の平均長さの25%の長さを有する領域に形成され、同一接地要素上に形成された複数の切れ込み要素のうちの一連の微小切れ込みの1つが、最も横方向エッジに近接するように形成されていることを特徴としている。
ここで、「切れ込み要素」とは、少なくとも「微小切れ込み」を含み、さらに、後述する「細い切れ込み」を含むものであっても良い。
「一連の微小切れ込み」とは、複数の微小切れ込みが、連続的に配列されている微小切れ込みを言う。
「切れ込み長さ」とは、微小切れ込みの実長さであり、その微小切れ込みが延びる方向に沿った長さである。
上述したように構成された本発明においては、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みが、従来知られているサイプと比較して、接地要素の接地面積を維持しながら、接地要素の接地面に開口する微小切れ込みの数を増加させることが出来、ひいては微小切れ込みの密度を増加させることが出来、その結果、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。
さらに、本発明においては、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの切れ込み長さが3.0mm以下と短く、転動中に開きづらくなるので、接地要素の剛性を向上させることが出来、その結果、トレッドパターン耐久性を向上させることが出来る。雪で覆われた低摩擦係数路面走行時には、そのような微小切れ込みは転動中に開きづらいので、微小切れ込み内に雪を噛み込むことによるエッジ効果の低減や水膜除去効果の低減を防止することが出来、その結果、特に雪で覆われた低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。このような効果は、本発明のように一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みが溝に開口しないことにより、より確実に得られる。
さらに、本発明においては、一連の微小切れ込みは、少なくとも、接地要素の一方の横方向エッジから延び且つ接地要素において周方向エッジが平均して延びる方向に平行な方向に測定した接地要素の平均長さの25%の長さを有する領域に形成されているので、タイヤ転動時に最も力のかかる接地要素の横方向エッジ近傍部において、接地要素の剛性を高く保ちつつ、微小切れ込みのエッジ効果及び除水効果を効果的に追加することが出来、その結果、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。
また、同一接地要素上に形成された複数の切れ込み要素のうちの一連の微小切れ込みの1つが、最も横方向エッジに近接するように形成されているので、より効果的に接地要素の倒れこみを抑制し、接地要素の接地面積の減少をおさえながら、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みによる除水効果を追加することが可能となる
また、少なくとも新品時に一つの円弧部を有するよう形成された一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みは、その円弧部のエッジを様々な方向に向けることが出来、微小切れ込みによるエッジ効果をより向上させ、これにより、低摩擦路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。また、そのような微小切れ込みが一つの円弧部を有するので、微小切れ込みの両端間を接続する仮想直線に垂直な方向から加わる力に対する微小切れ込みの変形のし易さを減少させることが出来、これにより、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを有する接地要素の剛性を向上させることが出来る。その結果、トレッドパターン耐久性を向上させることが出来る。このような一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの変形しにくさの増加は、このような微小切れ込みを接地要素内に形成するための金型要素に関しても同様で、特に型抜き時、各々の微小切れ込みを接地要素内に形成するための金型要素にゴム(加硫ゴム)からかかる力に対して、金型要素が変形しにくくなり、その結果、このような一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを有するトレッドの生産性をも向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みのうち、隣り合う微小切れ込み間の同一接地要素内における互いに最も近い部分の接地面上の長さが0.2mm以上1.2mm以下である。
このように構成された本発明においては、低摩擦係数路面でのグリップ性能及びトレッドパターン耐久性との向上を図ることが出来る。即ち、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込み間の最も近い部分の接地面上の長さを0.2mmよりも小さくすると、隣り合う微小切れ込み間の接地面の剛性が下がり、トレッドパターン耐久性が低下する。一方、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込み間の最も近い部分の接地面上の長さを1.2mmよりも大きくすると、接地要素内の微小切れ込みの数、微小切れ込みの密度を増加させることが難しくなり、低摩擦係数路面でのグリップ性能が低下してしまう。なお、この「最も近い部分の接地面上の長さ」とは、一連の微小切れ込みにおける互いに隣り合う微小切れ込み間のあらゆる長さのうち、最も短いもののことを言う。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの両端部を接続する仮想直線の延びる方向が、同一接地要素内における一連の微小切れ込みにおけるすべての微小切れ込みについて一方の横方向エッジが延びる方向と平行である。
このように構成された本発明においては、より効果的に、最も力のかかる接地要素の横方向エッジ近傍部において、接地要素の剛性を高く保ちつつ、微小切れ込みのエッジ効果及び除水効果を効果的に追加することが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの両端部を接続する仮想直線の延びる方向が、同一接地要素内における一連の微小切れ込みにおけるすべての微小切れ込みについて平行である。
このように構成された本発明においては、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを接地要素の接地面内により効率的に配置することが可能となるので、接地要素の微小切れ込みの数及び/又は微小切れ込みの密度を効率的に増加させることが出来、これにより、低摩擦係数路面でのグリップ性能をより確実に向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの、切れ込み長さと、円弧部の円弧の半径とが、
(5×切れ込み長さ)−(3×円弧の半径)≧3 (単位:mm)
の関係性を満たす。
このように構成された本発明においては、型抜き時、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを接地要素内に形成するための金型要素にかかる力に対して、金型要素がより確実に変形しにくくなるようにすることが出来る。即ち、上記の切れ込み長さと円弧半径との関係性を満たせない場合、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを接地要素内に形成するための金型要素が型抜き時にかかる力に対抗できず、座屈してしまうことにより生産性が低下してしまう可能性がある。従って、上記関係性を満たすように一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを形成すれば、生産性を向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの、切れ込み長さと、トレッド面上の幅Eとが、
切れ込み長さ/幅E≧4
の関係性を満たす。
このように構成された本発明においては、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みは、微小切れ込みの水膜除去効果を発揮しながら、トレッドパターン耐久性を向上させるために十分な剛性を確保することが出来る。即ち、上記の切れ込み長さと幅Eとの関係性を満たせない場合、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みが変形しづらくなりすぎてしまい、微小切れ込みの水膜除去効果を発揮することが難しくなり、低摩擦係数路面でのグリップ性能が低下してしまう恐れがある。従って、上記の切れ込み長さと幅Eとの関係性を満たすように一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを形成すれば、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みのタイヤ回転方向に平行かつ接地面に垂直な面に投影した第1の投影長さが、タイヤ回転軸に平行かつ接地面に垂直な面に投影した第2の投影長さより短い。
このように構成された本発明においては、接地要素の接地面積を確保しつつ、微小切れ込みによる水膜除去効果を確保することが出来るため、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの幅Eは0.6mm以下である。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの円弧部の円弧の半径は3.0mm以下である。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの深さは、接地要素の高さ(又は接地要素を形作っている溝の深さ)の50%以上である。
このように構成された本発明においては、微小切れ込みによる低摩擦係数路面でのグリップ性能及びトレッドパターン耐久性を、より長い期間発揮することが出来る。
本発明において、好ましくは、複数の切れ込み要素のすべてが微小切れ込みである。
このように構成された本発明においては、より効果的に、接地要素の接地面積を維持しながら、接地要素の接地面に開口する微小切れ込みの数や密度を増加させて、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、複数の切れ込み要素は、一連の微小切れ込み及び、1又は複数の細い切れ込みを含み、一連の微小切れ込みは、少なくとも、同一の接地要素内において一方の横方向エッジと細い切れ込みとの間に形成されている。
ここで、「細い切れ込み」とは、いわゆるサイプなどとも呼ばれる、ナイフの刃のようなものにより形成された切れ込みのことを言い、この細い切れ込みのトレッド表面での幅は、主に横溝に対して相対的に小さい(例えば1.0mm以下)ものである。
このように構成された本発明においては、最も力のかかる接地要素の横方向エッジ近傍部において接地要素の剛性を高く保ちつつ、1又は複数の細い切れ込みにより接地要素全体としての剛性を調整することが容易となり、接地要素をより安定して接地させることが可能となるので、低摩擦係数路面でのグリップ性能をより効果的に向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの両端部を接続する仮想直線の延びる方向が、同一接地要素内に存在する細い切れ込みの平均して延びる方向と平行である。
このように構成された本発明においては、一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みは接地要素内に存在する他の細い切れ込みとの相乗効果により、より確実に、低摩擦係数路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。ここで、細い切れ込みの「平均して延びる方向」とは、細い切れ込みの両端を接続する仮想直線が延びる方向のことを言う。
本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素内の微小切れ込みを模式的に示す拡大図である。 本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図である。 従来技術による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。
先ず、図1乃至図2により、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図であり、図2は、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素内の微小切れ込みを模式的に示す拡大図である。
先ず、図1に示すように、符号1は、第1実施形態による空気入りタイヤトレッド1を示す。
このトレッド1には、溝4(周方向溝4a及び横方向溝4b)によって区画された接地要素(ブロック)5が形成されている。なお、「周方向溝」とは、タイヤ周方向に延びる溝をいい、図示するような直線状の溝のみならず、ジグザグ状又は波状に延び、タイヤ全体として周方向に一周する溝も含まれ、「横方向溝」とは、タイヤ幅方向に延びる溝をいい、タイヤ幅方向に対して斜めに延びるものも含まれる。接地要素5には、横方向溝4bで区画されることにより形成された第1及び第2の横方向エッジ5a、5b及び周方向溝4aで区画されることにより形成された第1及び第2の周方向エッジ5c、5dが形成されている。
符号3は一連の微小切れ込みを示す。一連の微小切れ込み3は、横方向エッジ5b(5a)にほぼ平行に連続的に並ぶよう配置された複数の微小切れ込み3aにより構成されている。一連の微小切れ込み3は、本実施形態では、図1に示すように、周方向溝4a側の周方向エッジ5c、5dが延びる方向に沿って、複数列、形成されている。一連の微小切れ込み3は、少なくとも2つの微小切れ込み3aが並んだものでも良い。
各微小切れ込み3aは、トレッド1上の接地要素5の接地面51に開口するよう、かつ溝4に開口しないように形成されている。なお、本実施形態では、一連の微小切れ込み3の複数の微小切れ込み3aは、横方向エッジ5b(5a)にほぼ平行に連続的に並ぶよう配置されているが、変形例として、横方向エッジ5b(5a)に対して角度(例えば5度)を有して連続的に並ぶようにしても良い。
ここで、本実施形態では、一連の微小切れ込み3は、接地要素5の接地面51のほぼ全面に配置されているが、一連の微小切れ込み3は、少なくとも、接地要素5の第2の横方向エッジ5b(又は、第1の横方向エッジ5a)の所定の近傍領域に形成されていれば良い。この所定の近傍領域は、一方の横方向エッジ5b(又は5a)から延びる領域であって、接地要素5において、周方向エッジ5c、5dと平行な方向(図1に示す例の場合は、接地要素5内において一方の横方向エッジ5b(又は5a)から同一接地要素5内の他方の横方向エッジ5a(又は5b)に向かう方向であって、横方向エッジ5b(又は5a)に垂直な方向と一致する)に測定した接地要素5の平均長さ(本実施形態では、接地要素5のタイヤ周方向の平均長さ)の25%の長さを有する領域である。
ここで、上述した接地要素の平均長さは、横方向エッジ(5a、5b)の辺において、接地要素(5)の平均長さが算出可能な数及び箇所を適宜設定し、そのよう箇所に対応して、周方向エッジ(5c、5d)と平行な方向で測定される平均値の長さとして定められる。このような「平均長さ」を定める手法は、後述する第2及び第3実施形態、さらに後述する各変形例においても同様である。
次に、図2(a)に示すように、これらの一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、その長さ方向のほぼ中央部に形成された円弧状の一つの円弧部33と、この円弧部33から両側に延びる二つの直線部により、接地要素5の接地面51上で略V字状に開口するよう形成されている。各微小切れ込み3aは、2つの端部31、32を有する。各微小切れ込み3aは、図1及び図2(a)に示すように、一方の端部(31)から他方の端部(32)にかけて、その長手方向(微小切れ込み3aが延びる方向)に沿った長さL(切れ込み長さ)を有する。本実施形態では、この長さLは、図示するように、微小切れ込み3aの幅Eの中間点に沿った長さである。
また、各端部31、32及び円弧部33は、図示するように、各端部31、32間を接続する仮想直線Aが、各端部31、32を除き、Lで示す中間線とは接しないように配置される。本実施形態では、切れ込み長さLが、3.0mm以下となるように形成されている。本実施形態においては、この微小切れ込み3aの切れ込み長さは2.1mmであり、微小切れ込み3aの幅Eは0.4mmであり、円弧部33の円弧の半径は2.0mmである。本実施形態においては、図1に示す接地要素5に存在する全ての微小切れ込み3aが、互いに同一の長さ、幅、円弧の半径を有している。ここで、微小切れ込み3aは、その幅Eが0.6mm以下であり、その円弧の半径が3.0mm以下であり、その深さが接地要素5の高さの50%以上であるのが好ましい。
また、本実施形態において、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、切れ込み長さLと、その円弧部33の円弧の半径とが、以下の式(1)を満たすよう形成されている。
(5×切れ込み長さL)−(3×円弧の半径)≧3 ・・・式(1)
ここで、式(1)において、切れ込み長さL及び円弧の半径の単位は、「mm」である。
また、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、切れ込み長さLと、そのトレッド面(接地面)での幅Eとが、以下の式(2)を満たすよう形成されている。
切れ込み長さL/幅E≧4 ・・・式(2)
また、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、そのタイヤ回転方向(タイヤ周方向)に平行かつ接地面に垂直な面に投影したタイヤ回転方向長さが、そのタイヤ回転軸に平行かつ接地面に垂直な面に投影したタイヤ中心軸方向切れ込み長さより短くなるように形成されている。
本実施形態において、図1に示す接地要素5に存在する全ての一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、各微小切れ込み3aの両端部31、32を結ぶ仮想直線Aが、接地要素5の横方向エッジ5a、5b(トレッド横方向溝4bにより形成される辺)と平行となるように形成されている。また、一連の微小切れ込み3における微小切れ込み3aの両端部31、32を結ぶ仮想直線Aの延びる方向は、各々の微小切れ込み3a間で、互いに平行になるように形成されている。
また、一連の微小切れ込み3を構成する各微小切れ込み3aは、隣り合う微小切れ込み3a間の最小距離が0.2mm以上1.2mm以下となるように配置されている。本実施形態において、この最小距離は0.4mmである。この最小距離とは、一連の微小切れ込み3を構成する互いに隣接する微小切れ込み3aの互いに最も近い部分の接地面上の長さ(クリアランス)である。例えば、本実施形態では、図1に示すように、ある1つの一連の微小切れ込み3において互いにトレッド幅方向に位置する隣り合う微小切れ込み3aの間では、一方の微小切れ込み3aの端部(31又は32)と、他方の微小切れ込み3aの端部(32又は31)とが最も近く、これらの間の距離が0.4mmとなるよう、各微小切れ込み3aが接地要素5上に配置され、一連の微小切れ込み3を構成している。
このように、本実施形態の一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、その切れ込み長さLが3.0mm以下となり、且つ、その一部が円弧状を有する形状であり、従来知られているサイプと比べて全体的に微小な大きさに形成されている
このように形成された本実施形態においては、まず、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aの長さが短いので、微小切れ込み3aが寸法的にタイヤの転動中に開いたり閉じたりしづらい。従って、接地要素の剛性を低下させる作用が他の細い切れ込みと比較して少なく、これにより、エッジ効果や除水効果を維持しつつ、接地要素の剛性をより高く保つことが出来る。また、全体的に微小であるので、所定の接地面積の接地要素内に、例えば、図1に示すように、より多くの一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aを配置することが出来る。
また、その形状に円弧(円弧部33)を含むので、一連の微小切れ込み3を構成する各微小切れ込み3aのエッジを様々な方向に向けることが出来、これにより、微小切れ込み3aによるエッジ効果が更に強調されるので、低摩擦路面でのグリップ性能を向上させることが出来る。さらに、各微小切れ込み3aがその形状内に一つの円弧を有するようにしているので、微小切れ込み3aの両端31、32間を接続する仮想直線Aに垂直な方向から微小切れ込みに加わる力に対して、微小切れ込み3aが変形しにくくなり(開いたり閉じたりしづらくなる)。これにより、微小切れ込み3aを有する接地要素5の剛性をより確実に向上させることが出来、その結果、トレッドパターン耐久性を向上させることが出来る。
次に、図2に示すように、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aの形状は、本実施形態(図2(a))のように、一つの円弧33と、その円弧33から延びる二つの直線により略V字形状を有するものにとどまらず、図2(b)に示すように、単一の円弧33のみからなる形状や、図2(c)に示すように、一つの円弧33と、その円弧33から延びる長さの異なる二つの直線により構成してもよい。各微小切れ込み3aは、二つの端部31、32と、幅Eを有している。本実施形態においては、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aの切れ込み長さLは、図2(a)及び図2(c)は2.1mm、図2(b)は1.5mmであり、各微小切れ込み3aの幅Eは、図2(a)及び図2(c)は0.4mm、図2(b)は0.3mmである。
本実施形態に示すように、各微小切れ込み3aは、上述したように、その長さLが短いので、二つ以上の円弧を有するように形成することは、そのような一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aを形成するための金型要素の生産性を低下させてしまうため望ましくなく、円弧から延びる直線を含む、含まないにかかわらず、微小切れ込みは一つの円弧を有することが好ましい。
次に、図3により、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。図3は、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図である。
図3に示すように、第2実施形態のトレッド1は、上述した第1実施形態と同様に、溝4によって区画された接地要素(ブロック)5が形成されている。この第2実施形態における接地要素5には、略V字形状の向きが、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向に、交互に入れ替わるように形成されている。本実施形態でも、一連の微小切れ込み3は、接地要素5のほぼ全面に配置されているが、上述した第1実施形態と同様に、一連の微小切れ込み3は、少なくとも、接地要素5の一方の横方向エッジ(例えば、第2の横方向エッジ5b)の所定の近傍領域に形成されていれば良い。
これらの一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、第1実施形態と同様に、空気入りタイヤトレッド1上の接地要素5の接地面51に開口するよう、かつ溝4に開口しないように形成されている。また、各一連の微小切れ込み3における各々の微小切れ込み3aの両端部31、32を結ぶ仮想直線Aの延びる方向は、互いに平行になるように、かつ、接地要素5の横方向エッジ5a、5b(横方向溝4b側の辺)と平行になるように形成されている。なお、この第2実施形態における一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3a自体の形状に関する構成は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
このように一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aの配置方向が入れ替わっても、第1実施形態と同様に、高い微小切れ込み密度と高い接地要素剛性の両立は可能である。また、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込みの略V字形状の向きを変えるのみならず、接地要素5に、他の形状からなる微小切れ込み(例えば、図2(b)や図2(c)に示す形状)や、従来の比較的長い細い切れ込みと組み合わせ微小切れ込みを有する複数の一連の微小切れ込み3を接地要素5に形成することもできる。
次に、図4により、本発明の第3実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。図4は、本発明の第3実施形態による空気入りタイヤ用トレッド上の接地要素を模式的に示す図である。
図4に示すように、この第3実施形態のトレッド1は、上述した第1及び第2実施形態と同様に、溝4によって区画された接地要素(ブロック)5が形成されている。この第3実施形態における接地要素5には、トレッド1上の接地要素5の接地面51に開口し、かつ接地要素5の両側の周方向エッジ5c、5d(トレッド周方向溝4aにより形成される辺)に両端が開口するように、5本の細い切れ込み2が形成されている。また、これらの細い切れ込み2は、接地要素5の周方向エッジ5c、5dの辺(一方の横方向エッジ5a(5b)から他方の横方向エッジ5b(5a)に向かう方向の接地要素5のタイヤ周方向の長さ)をほぼ等分するよう配置されている。
本実施形態では、これらの5本の細い切れ込み2により分割された6つの接地面51のうち、接地要素5の各横方向エッジ5a、5bを含む両側の接地面51aに、各々1列ずつ、一連の微小切れ込み3が形成されている。より詳しくは、第1の横方向エッジ5a及び第2の横方向エッジ5bからそれぞれ延びる領域であって、接地要素5における周方向エッジ5c、5dと平行な方向に測定した接地要素5の平均長さの25%の長さを有する領域にのみ、上述した第1実施形態と同様の形状を有する一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aが形成されている。
これらの一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aは、接地面51aにて略V字状に開口し、溝4や細い切れ込み2に開口しないよう形成されている。微小切れ込み3aの両端部31、32を結ぶ仮想直線Aの延びる方向は、細い切れ込み2の端部を結ぶ仮想直線の延びる方向(図4に示す例の場合、直線上の細い切れ込み2の延びる方向と一致する方向)と平行になるように形成されている。また、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aの両端部31、32を接続する仮想直線Aの延びる方向は、細い切れ込み2が互いに異なる角度で延びるような場合、それらの細い切れ込み2の平均して延びる方向と平行であれば良い。
また、微小切れ込み3aの両端部31、32を結ぶ仮想直線の延びる方向は、各接地面51aにおいて、横方向エッジ5a、5bとほぼ平行になるように形成されている。
なお、この第3実施形態における一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3a自体の形状に関する構成は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
本実施形態においては、タイヤ転動時に最も力のかかる接地要素(ブロック)5の端部(接地面51a)、より詳しくは第1及び第2の横方向エッジ5b、5aから延びる領域であって、同一接地要素5内の他方の横方向エッジ5a、5bに向かう方向に測定した接地要素5の平均長さの25%の長さを有する領域にのみ一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aを設けているので、接地要素5において、微小切れ込み3aのエッジ効果、除水効果を効果的に追加すると共に、他の部分を他の性能、例えばより高いトレッドパターン耐久性の向上などに振り分けることが可能となる。本実施形態においても、第2実施形態の場合のように、一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込み3aの略V字の方向を入れ替えたり、他の形状の微小切れ込みと同時に使うこともできる。
なお、上述した第1乃至第3実施形態では、接地要素5が長方形状である例で説明したが、変形例として、他の形状でも良い。例えば、横方向溝4bがタイヤ幅方向に対して角度を有して延びるよう形成され、横方向エッジが斜めに延びるようなものにも、上述した一連の微小切れ込み3は適用可能である。また、接地要素5において、横方向エッジが、図示するような単一の直線状の辺ではなく、複数の直線の辺からなるエッジ、円弧状の辺からなるエッジ、1つ又は複数の直線の辺と円弧状の辺を組み合わせたエッジ、波状の辺からなるエッジ等、を有する接地要素であっても良い。同様に、周方向エッジが、上述したような複数の直線の辺からなるエッジや、円弧状の辺からなるエッジ等を有する接地要素5であっても良い。また、2つの周方向エッジが互いに平行でないものであっても良い。
これらのような変形例の場合、上述した「平均長さ」は、周方向エッジが平均して延びる方向で測定される。例えば、2つの周方向エッジ(図示の例では5c、5d)が互いに平行でない場合には、それらが平均して延びる方向で測定される。また、複数の直線の辺からなる周方向エッジや、円弧状の辺からなる周方向エッジの場合も、それらが平均して延びる方向で測定される。なお、このような周方向エッジであって、2つの周方向エッジが互いに平行でない場合には、それぞれの周方向エッジの平均して延びる方向をさらに平均した方向である。また、上述した、平均長さが算出可能な横方向エッジの数及び箇所は、特に横方向エッジの辺の形状に応じて決定され、上述したように、接地要素の平均長さが定められる。
また、「一連の微小切れ込み」は、列状に並ぶようなものに限定されず、千鳥状に並ぶようなものでも良い。
次に、本発明の各実施形態の効果をさらに明確にするため、本発明の実施例1に係る一連の微小切れ込み3を構成する微小切れ込みを設けた空気入りタイヤ用トレッドの接地要素(図1参照)、及び、従来の直線的な細い切れ込み2を設けた従来例(図5(c)参照)、比較的長さの短い細い切れ込み2(その切れ込み長さが、上述した切れ込み長さL(3mm以下)より長いもの)を設けた比較例1(図5(b)参照)、及び、切れ込みを直線的に形成した細い切れ込み2(上述した切れ込み長さLと同じ切れ込み長さを有し且つ直線上にしたもの)を設けた比較例2(図5(a)参照)による接地要素の諸特性を、それぞれ、市販のコンピューターソフトウェアを使用したシミュレーション(有限要素法)を用いて行った検証結果について説明する。
従来例、各比較例および実施例1に係る接地要素(ブロック)モデルのサイズは、いずれも、同一のゴム系材料で形成された短辺長さ22mm、長辺長さ27mm、高さ9mmの立方体とし、従来例、各比較例における各細い切れ込み、及び、実施例1における微小切れ込みを、それぞれ、接地要素(ブロック)の接地面に相当する面に開口する幅0.4mm、深さ7mmとした。なお、実施例1は、図1に相当する接地要素(ブロック)モデルを用い、従来例は図5(c)に相当する接地要素(ブロック)モデルを用い、比較例1は図5(b)に相当する接地要素(ブロック)モデルを用い、比較例2は図5(a)に相当する接地要素(ブロック)モデルを用いた。
上記接地要素(ブロック)モデルを、適切な荷重を付加したうえで、各細い切れ込み又は一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みを、それぞれ、接地要素(ブロック)モデルの短辺に平行な面に投影した切れ込み長さの総和を、接地要素(ブロック)モデルの短辺長さと長辺長さの積で表される細い切れ込み等を設けない接地面積で除した細い切れ込み等の密度、および細い切れ込み等の接地要素(ブロック)モデルの接地面における面積を、接地要素(ブロック)モデルの細い切れ込み等を設けない接地面積で除した実接地面割合を計算した。また、接地要素(ブロック)モデルの長辺に平行な方向に1mmのせん断力を付加し、各接地要素(ブロック)モデルの剛性を求めた。上記各計算値は従来例を100とする指数で表され、数値の大きいほうが良好である。
Figure 0006085828
表1に示される如く、実施例品は、従来例及び比較例1、2と同等又はそれ以上の高い細い切れ込み等密度及び実接地面積割合を保ちながら、より高い剛性を達成しうる事が確認できる。これは言い換えると、実施例品の剛性を、従来品と同程度の剛性とした場合は、より高い細い切れ込み等密度及び実接地面積割合を達成しうることを意味する。
1 空気入りタイヤトレッド
2 細い切れ込み
3 一連の微小切れ込み
3a 微小切れ込み
31、32 微小切れ込みの端部
33 微小切れ込みの円弧部
4a タイヤ周方向溝
4b タイヤ幅方向溝
5 接地要素
51 接地要素の接地面
A 微小切れ込みの両端部を結んだ仮想直線
L 微小切れ込みの実長さ/微小切れ込みの幅方向の中間線

Claims (13)

  1. タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝と、タイヤ横方向に延びる複数の横方向溝と、これらの周方向溝及び横方向溝によって区切られた複数の接地要素と、前記横方向溝により前記接地要素に形成される横方向エッジと、前記周方向溝により前記接地要素に形成される周方向エッジと、を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、
    前記接地要素には、複数の切れ込み要素が形成され、これらの切れ込み要素は、少なくとも2つの微小切れ込みからなる少なくとも1つの一連の微小切れ込みを含み、
    前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みは、少なくともタイヤが新品時に前記トレッドの接地面上に形成される一つの円弧部及び両端部を有し、且つ、前記トレッドの接地面に幅Eで開口し且つ前記周方向溝および前記横方向溝のどちらにも開口しないよう延び、その切れ込み長さが3.0mm以下であり、
    前記一連の微小切れ込みは、少なくとも、前記接地要素の一方の横方向エッジから延び且つ前記接地要素において前記周方向エッジが平均して延びる方向に平行な方向に測定した接地要素の平均長さの25%の長さを有する領域に形成され、
    前記同一接地要素上に形成された複数の切れ込み要素のうちの前記一連の微小切れ込みの1つが、最も横方向エッジに近接するように形成され
    前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込み間の同一接地要素内における互いに最も近い部分の接地面上の長さが0.2mm以上且つ1.2mm以下であることを特徴とする空気入りタイヤ用トレッド。
  2. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの両端部を接続する仮想直線の延びる方向が、同一接地要素内における一連の微小切れ込みにおけるすべての微小切れ込みについて前記一方の横方向エッジが延びる方向と平行である請求項1に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  3. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの両端部を接続する仮想直線の延びる方向が、同一接地要素内における一連の微小切れ込みにおけるすべての微小切れ込みについて平行である請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  4. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの、前記切れ込み長さと、前記円弧部の円弧の半径とが、
    (5×切れ込み長さ)−(3×円弧の半径)≧3 (単位:mm)
    の関係性を満たす請求項1及至の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  5. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの、前記切れ込み長さと、前記トレッド面上の幅Eとが、
    切れ込み長さ/幅E≧4
    の関係性を満たす請求項1及至の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  6. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みのタイヤ回転方向に平行かつ前記接地面に垂直な面に投影した第1の投影長さが、タイヤ回転軸に平行かつ接地面に垂直な面に投影した第2の投影長さより短い請求項1乃至の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  7. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの幅Eが0.6mm以下である請求項1乃至の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  8. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの円弧部の円弧の半径が3.0mm以下である請求項1乃至の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  9. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの深さが接地要素高さの50%以上である請求項1乃至に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  10. 前記複数の切れ込み要素のすべてが前記微小切れ込みである請求項1乃至に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  11. 前記複数の切れ込み要素は、前記一連の微小切れ込み及び、1又は複数の細い切れ込みを含み、
    前記一連の微小切れ込みは、少なくとも、同一の接地要素内において前記一方の横方向エッジと前記細い切れ込みとの間に形成されている請求項1乃至の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  12. 前記一連の微小切れ込みを構成する微小切れ込みの両端部を接続する仮想直線の延びる方向が、同一接地要素内に存在する前記細い切れ込みの平均して延びる方向と平行である請求項11に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  13. 請求項1乃至12の何れか1項に記載のトレッドを有することを特徴とする空気入りタイヤ。
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