JP6395144B2 - ポリイミド系樹脂多孔体およびその製造方法 - Google Patents
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ただし、一般的に、多孔質材料では、材料の空隙率が高くなるに従い、機械的強度が著しく低下する。その傾向は、ポリイミド系樹脂多孔体でも同様であり、機械的強度を保持したまま断熱性能や低誘電性能を発揮するポリイミド系樹脂多孔体が求められている。
例えば、ポリイミドの溶液、またはその前駆体の溶液であるポリアミック酸溶液に、添加剤を添加して特定のミクロ相分離構造を形成させ、溶媒成分と添加剤成分の揮発性(沸点)や熱分解性の差、または溶媒成分と添加剤成分に対するポリアミック酸の溶解性の差を利用して、加熱または溶媒抽出、もしくはその両方により、溶媒成分や添加剤成分を除去することにより、微細なセルを有する多孔体を得る方法が提案されている。
特許文献1には、ポリアミック酸と分散性化合物とを含有し、これらがミクロ相分離構造を有するポリアミック酸前駆体膜を用い、この膜から超臨界二酸化炭素により分散性化合物を抽出除去した後、ポリアミック酸をポリイミドに変換して、ポリイミド樹脂多孔体膜を得る方法が開示されている。
しかしながら、このような手法により製造されるポリイミド樹脂多孔体は、平均孔径が数十μm未満であるが、セル密度や空隙率が低いため、断熱性能や低誘電性能は十分ではなかった。
この方法により得られたポリイミド樹脂多孔体は、微細セル構造を有することで、機械的強度の低下を抑制し、低誘電性能に優れるが、イミド化触媒や脱水剤に由来する不純物が残存するおそれがあるため、電子・電気機器および電子部品などの低汚染性が強く要求される用途には不向きなものであった。
(1)平均孔径が16.4〜200μmのマクロ孔と、平均孔径が0.1〜500nmのメソ孔とを有し、シリカを含有しないことを特徴とするポリイミド系樹脂多孔体。
(2)空隙率が15〜99%であることを特徴とする(1)に記載のポリイミド系樹脂多孔体。
(3)上記(1)に記載のポリイミド系樹脂多孔体を製造するための方法であって、単独ではポリイミド系樹脂前駆体の貧溶媒であるテトラヒドロフランとメタノールとからなる、ポリイミド系樹脂前駆体の良溶媒である混合溶媒と、ポリイミド系樹脂前駆体とからなるポリイミド系樹脂前駆体溶液に、二酸化炭素を溶解させた後、溶媒成分および二酸化炭素を除去することにより、ポリイミド系樹脂前駆体に空孔を形成し、次いでポリイミド系樹脂前駆体をイミド化することを特徴とするポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
(4)上記(1)に記載のポリイミド系樹脂多孔体を製造するための方法であって、単独ではポリイミド系樹脂の貧溶媒であるテトラヒドロフランとメタノールとからなる、ポリイミド系樹脂の良溶媒である混合溶媒と、ポリイミド系樹脂とからなるポリイミド系樹脂溶液に、二酸化炭素を溶解させた後、溶媒成分および二酸化炭素を除去することにより、ポリイミド系樹脂に空孔を形成することを特徴とするポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
(5)上記(1)または(2)に記載のポリイミド系樹脂多孔体を用いてなる低誘電率絶縁材料。
(6)上記(1)または(2)に記載のポリイミド系樹脂多孔体を用いてなる耐熱性断熱材料。
本発明のポリイミド系樹脂多孔体は、平均孔径が0.50μmを超え200μm以下のマクロ孔と平均孔径が0.1〜500nmのメソ孔とを有する。
本発明において、ポリイミド系樹脂多孔体を構成するポリイミド系樹脂は、イミド結合を有する樹脂であり、イミド結合以外の結合を有するものも含むものである。ポリイミド系樹脂の具体例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。本発明においては、ポリイミド系樹脂多孔体を構成するポリイミド系樹脂は、上記樹脂の単独または複合物でもよく、特に制限されることなく、また公知のものを用いることができる。
ポリアミドイミド樹脂は、通常、無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応、または無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応により重合した後、イミド化することにより製造することができる。
本発明のポリイミド系樹脂多孔体の上記マクロ孔とメソ孔の空隙容量の合計に対する上記マクロ孔の空隙容量の容量比率は20容量%以上であることが好ましく、40容量%以上であることがより好ましく、60容量%以上であることがさらに好ましい。前記マクロ孔の容量比率を20容量%以上とすることにより、高い空隙率を有し、かつ、機械的強度の低下を抑制することができる。
なお、本発明においては、孔径が0.50μmを超える細孔をマクロ孔と定義し、孔径が0.1〜500nmの細孔をメソ孔と定義する。よって、IUPACによる提唱に従って定義されるもの、すなわち、直径が50nm以上の細孔をマクロ細孔、直径が2〜50nmの範囲にある細孔をメソ細孔と指称するものとは異なる。
すなわち、ポリイミド系樹脂またはポリイミド系樹脂前駆体と、特定の混合溶媒とからなるポリイミド系樹脂溶液またはポリイミド系樹脂前駆体溶液に、二酸化炭素を溶解させた後、溶媒成分および二酸化炭素を除去することにより、ポリイミド系樹脂多孔体または多孔質のポリイミド系樹脂前駆体を形成し、多孔質のポリイミド系樹脂前駆体はポリイミドに変換することによってポリイミド系樹脂多孔体を製造することができる。
工程(i)において用いられるポリイミド系樹脂前駆体は、イミド化によってポリイミド系樹脂となり得るポリイミド系樹脂の前駆体およびその複合物を含むものであり、特に制限されることなく、公知のものを用いることができ、例えば、ポリアミック酸溶液が用いられる。ポリアミック酸溶液は、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、後述する溶媒中反応させることによって製造することができる。
なお、本発明においては、25℃におけるポリイミド系樹脂前駆体に対する溶解性が1g/100mL以下である溶媒を貧溶媒と定義し、溶解性が1g/100mLを超える溶媒を良溶媒と定義する。
本発明において、貧溶媒として、水溶性エーテル系化合物、水溶性アルコール系化合物等が挙げられ、混合溶媒として、これらを混合することによって良溶媒となるものを使用する。
水溶性エーテル系化合物としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トリオキサン、1,2−ジメトキエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられ、その中でもTHFが好ましい。
また、水溶性アルコール系化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、その中でもメタノールが好ましい。
本発明において、ポリイミド系樹脂溶液を構成する溶媒も、上記ポリイミド系樹脂前駆体溶液を構成する溶媒と同様に、単独ではポリイミド系樹脂の貧溶媒である溶媒の2種以上からなり、ポリイミド系樹脂の良溶媒である混合溶媒を使用する。すなわち、単独ではポリイミド系樹脂の貧溶媒である溶媒の2種以上からなる混合溶媒であって、貧溶媒を混合することによりポリイミド系樹脂の良溶媒となるものを使用する。ポリイミド系樹脂溶液を構成する溶媒として、上記ポリイミド系樹脂前駆体溶液を構成する溶媒として例示したものを使用することができる。
なお、前記同様、25℃におけるポリイミド系樹脂に対する溶解性が1g/100mL以下である溶媒を貧溶媒と定義し、溶解性が1g/100mLを超える溶媒を良溶媒と定義する。
ポリイミド系樹脂溶液は、ポリイミド系樹脂を上記混合溶媒に溶解して調製することができ、また混合溶媒中でポリイミド系樹脂を重合することによって調製してもよい。
二酸化炭素と溶媒成分が、均一相を形成することで、溶媒成分の極性が遮蔽されるため、溶媒成分からポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂が相分離する。その結果、ポリイミド系樹脂(前駆体)溶液内の溶媒および溶質は、図1(b)に示すように、二酸化炭素を含む溶媒成分の液滴3、ポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂2に分離した状態となる。ただし、溶媒成分はすべて液滴となるわけではなく、液滴とならない溶媒成分はポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂近傍に存在している(溶媒成分4)。
ポリイミド系樹脂(前駆体)溶液に二酸化炭素を溶解させる方法としては、ポリイミド系樹脂(前駆体)溶液を加圧二酸化炭素雰囲気下に保持する方法が挙げられる。二酸化炭素の圧力は、3MPa以上であることが好ましい。
液相または超臨界相の二酸化炭素に溶媒成分が溶解し、液滴3の溶媒成分およびポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂近傍に存在する溶媒成分4が減少する一方で、溶媒成分が徐々に二酸化炭素へと置換され、液滴3の溶媒成分およびポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂近傍の溶媒成分4と二酸化炭素の組成比は、二酸化炭素の割合が多い状態へと変化する。二酸化炭素の加圧を維持したまま保持する時間としては、0.5〜48時間であることが好ましく、1〜24時間であることがより好ましい。
二酸化炭素の加圧を止めることにより、液滴およびポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂内の二酸化炭素をポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂の隙間から放出させることにより、図1(c)に示すように、液滴が存在していた所にマクロ孔5が形成される。
一方で、ポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂近傍で溶媒成分4が存在していた箇所には、図1(c)に示すように、メソ孔6が形成する。
ポリイミド系樹脂を乾燥することで、ポリイミド系樹脂中に含まれる揮発性成分を気化させる。また、ポリイミド系樹脂前駆体については、加熱することで、ポリイミド系樹脂前駆体中に含まれる揮発性成分を気化させるとともに、イミド化を促し構造を安定化させる。
このようにして、本発明のポリイミド系樹脂多孔体を得ることができる。
すなわち、上記製造方法において、ポリイミド系樹脂前駆体溶液またはポリイミド系樹脂溶液を二酸化炭素により加圧後、液滴およびポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂内に存在する溶媒成分を二酸化炭素に置換した後、溶媒および二酸化炭素を除去することによって、平均孔径が0.50μmを超え200μm以下であるマクロ孔および平均孔径が0.1〜500nmであるメソ孔を形成することができ、同時に、これら二種類の孔を有することでポリイミド系樹脂多孔体の空隙率を、15〜99%とすることができる。
また、同様の理由から、一度液滴が形成されると、ポリイミド系樹脂前駆体やポリイミド系樹脂は混合溶媒に再溶解しにくくなるため、多孔構造を形成した際に、孔の凝集を抑制できる効果が得られる。とりわけその作用は、メソ孔の形成に関して効果的であり、それにより、空隙率の高いポリイミド系樹脂多孔体を得ることができる。
さらに、この混合溶媒は、ポリイミド系樹脂前駆体やポリイミド系樹脂と溶媒和しにくいため、二酸化炭素を溶解させた際に、気相または超臨界相に拡散しやすい。そのため、セル同士の合一を抑制する効果が期待でき、それによりセル径の小さい多孔構造を得ることができる。
本発明のポリイミド系樹脂多孔体は、同様の理由から、耐熱性断熱材料として利用することもでき、航空機や車両部材等の耐熱性が要求される部位の断熱材をはじめ、防振材、吸音材、保温材、緩衝材、摺動材などの好適に用いることができる。
また、本発明のポリイミド系樹脂多孔体は、メソ孔を利用することにより、エアフィルター、触媒担体、燃料電池用膜材、カラム充填材としても好適に用いることができる。
ポリイミド系樹脂多孔体について、イオンミリングにより断面出しを行い、蒸着操作を行わずに、日立テクノロジーズ社製電解放射型走査電子顕微鏡SEM−8020を用い、加速電圧0.8〜3.0kVにて観察を行ない、図3と図4のメソ孔の電子顕微鏡写真を撮影した。
また、ポリイミド系樹脂多孔体について、ミクロトームを用いて切り出した断面に対して、白金蒸着を行い、日立ハイテク社製電解放射型走査電子顕微鏡S−800を用い、加速電圧10kVにて観察を行ない、図2のマクロ孔の電子顕微鏡写真を撮影した。
ポリイミド系樹脂多孔体から試料を切り出し、試料の面積、厚み、質量を測定し、得られた値から多孔体の密度(ρs)を算出した。
得られた密度(ρs)と、公知のデータから求めたポリイミド系樹脂シートの密度(ρc)とを用いて、下記の計算式を用いて空隙率を算出した。
空隙率(P)=[1−ρs/ρc]×100
メソ孔の平均孔径については、40000〜150000倍の電子顕微鏡写真中に観測される空孔をランダムに10個選択し、それぞれの空孔について、各空孔内に引くことができる最長の直線の長さをその空孔の孔径とし、10個の平均値を平均孔径とした。
マクロ孔の平均孔径については、100〜2000倍の電子顕微鏡写真中に観測される空孔をランダムに10個選択し、それぞれの空孔について、各空孔内に引くことができる最長の直線の長さをその空孔の孔径とし、10個の平均値を平均孔径とした。
なお、メソ孔がないものについては、マクロ孔の平均孔径は測定しなかった。
試料5mgをアルミナパンに採り、島津製作所社製示差走査熱量計(DSC−60)を用いて、窒素雰囲気下で30℃から550℃まで20℃/分で昇温し、ガラス転移温度を測定した。ガラス転移温度が観測されない場合、「不検出」と表記した。
得られたポリイミド系樹脂多孔体について、Agilent社製LCRメーター(4284A)を用いて、1MHzにおける誘電率を、非接触法により測定した。
得られたポリイミド系樹脂多孔体について、英弘精機社製熱伝導率測定装置(HC-74/200VACUUM)を用いて、大気圧下、25℃付近の条件で、熱伝導率を測定した。
得られたポリイミド系樹脂多孔体について、33.0mm×5.0mmの長方形に切り出したものを試料とし、各試料について厚みの測定を行なった。
引張試験は、Instron社製2710−102装置を使用し、解析には、Bluehill Lite Softwareを使用し、2.0mm/分の条件で行なった。試験は六連で行い、計測値を試料の厚みで補正することにより、それぞれの引張弾性率(GPa)、引張強度(MPa)、破断強度(MPa)、および伸び(%)を算出したのち、それらの平均値を求めた。
厚みが0.5mm以下のポリイミド系樹脂多孔体膜を作製し、60.0mm(長辺)×5.0mm(短辺)の長方形に切り出したものを試料とし、その短辺同士が接するようにつまみ合わせて10秒間保持した際に、裂け目やひび割れが目視により確認されなかった試料に関して、曲げを「可」と評価した。
テトラカルボン酸成分としてピロメリット酸二無水物(PMDA)を、ジアミン成分として4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を(PMDAとODAの合計が1.5質量部)、重合溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)とメタノールの混合溶媒(THF/メタノール=4/1(質量比))8.5質量部を用い、ポリイミド樹脂の前駆体溶液を作製した。得られたポリイミド樹脂前駆体溶液の粘度は4.4(Pa・s/22℃)であった。
ポリイミド樹脂前駆体溶液4.5gをガラスシャーレに移し、内容積470mLの高圧容器に導入した。
高圧容器をヒーターにて40℃に加熱、保温し、容器内の圧力が15MPaになるまで二酸化炭素を導入し、加圧二酸化炭素雰囲気下で16時間保持した。その後、二酸化炭素を高圧容器外に放出することで、15MPaから8MPaまで急減圧し、ついで、8MPaから0.2MPaまで、0.4MPa/分の速度で減圧を行なった。
試料を密閉容器から取り出し、マッフル炉中、窒素雰囲気下にて、室温から130分かけて350℃まで昇温させ、さらに350℃で80分加熱してイミド化処理を行い、ポリイミド樹脂多孔体を得た。
トリカルボン酸成分としてトリメリット酸無水物(TMA)を、イソシアネート成分として4,4′−ジアミノジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を(TMAとMDIの合計が1.5質量部)、重合溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)とメタノールの混合溶媒(THF/メタノール=4/1(質量比))8.5質量部を用い、ポリアミドイミド樹脂の溶液を作製した。
ポリアミドイミド樹脂溶液4.5gをガラスシャーレに移し、内容積470mLの高圧容器に導入した。
高圧容器をヒーターにて40℃に加熱、保温し、容器内の圧力が15MPaになるまで二酸化炭素を導入し、加圧二酸化炭素雰囲気下で16時間保持した。その後、二酸化炭素を高圧容器外に放出することで、15MPaから8MPaまで急減圧し、ついで、8MPaから0.2MPaまで、0.4MPa/分の速度で減圧を行なった。試料を130℃で10分乾燥後、ポリアミドイミド樹脂多孔体を得た。
ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルの合計を2.0質量部、重合溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)8.0質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂前駆体の溶液を作製し、次いでポリイミド樹脂多孔体を得た。なおポリイミド樹脂前駆体溶液の粘度は5.9(Pa・s/30℃)であった。
一方、ポリイミド前駆体溶液を構成する溶媒として、2種以上の貧溶媒からなる混合溶媒を使用しなかった比較例では、得られたポリイミド樹脂多孔体は、平均孔径が0.1〜200nmの範囲にあるメソ孔を有しないものであった。
2 ポリイミド系樹脂前駆体またはポリイミド系樹脂
3 液滴
4 溶媒成分
5 マクロ孔
6 メソ孔
Claims (6)
- 平均孔径が16.4〜200μmのマクロ孔と、平均孔径が0.1〜500nmのメソ孔とを有し、シリカを含有しないことを特徴とするポリイミド系樹脂多孔体。
- 空隙率が15〜99%であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド系樹脂多孔体。
- 請求項1に記載のポリイミド系樹脂多孔体を製造するための方法であって、単独ではポリイミド系樹脂前駆体の貧溶媒であるテトラヒドロフランとメタノールとからなる、ポリイミド系樹脂前駆体の良溶媒である混合溶媒と、ポリイミド系樹脂前駆体とからなるポリイミド系樹脂前駆体溶液に、二酸化炭素を溶解させた後、溶媒成分および二酸化炭素を除去することにより、ポリイミド系樹脂前駆体に空孔を形成し、次いでポリイミド系樹脂前駆体をイミド化することを特徴とするポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
- 請求項1に記載のポリイミド系樹脂多孔体を製造するための方法であって、単独ではポリイミド系樹脂の貧溶媒であるテトラヒドロフランとメタノールとからなる、ポリイミド系樹脂の良溶媒である混合溶媒と、ポリイミド系樹脂とからなるポリイミド系樹脂溶液に、二酸化炭素を溶解させた後、溶媒成分および二酸化炭素を除去することにより、ポリイミド系樹脂に空孔を形成することを特徴とするポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
- 請求項1または2に記載のポリイミド系樹脂多孔体を用いてなる低誘電率絶縁材料。
- 請求項1または2に記載のポリイミド系樹脂多孔体を用いてなる耐熱性断熱材料。
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