JP6392430B2 - 抗ウイルス剤 - Google Patents
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Description
項1. 二価金属の水酸化物を含有する、抗ウイルス剤.
項2. 前記二価金属の水酸化物が水酸化亜鉛である、項1に記載の抗ウイルス剤.
項3. さらに、二価金属のリン酸塩及び四価金属のリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する、項1または2に記載の抗ウイルス剤.
項4. 二価金属のリン酸塩及び四価金属のリン酸塩を含有する、項3に記載の抗ウイルス剤.
項5. 前記二価金属のリン酸塩がリン酸亜鉛であり、且つ前記四価金属のリン酸塩がリン酸チタンである、項3又は4に記載の抗ウイルス剤.
項6. さらに、光触媒を含有する、項1〜5のいずれかに記載の抗ウイルス剤.
項7. 前記光触媒が酸化チタンである、項6に記載の抗ウイルス剤.
項8. 対象ウイルスがエンベロープウイルスである、項1〜7のいずれかに記載の抗ウイルス剤.
項9. 対象ウイルスがインフルエンザウイルスである、項1〜8のいずれかに記載の抗ウイルス剤.
項10. 抗ウイルス剤の製造のための、二価金属の水酸化物の使用.
項11. 抗ウイルス剤としての使用のための、二価金属の水酸化物.
項12. 二価金属の水酸化物を、物品に配合すること、又は物品表面にコーティングすることを含む、物品を抗ウイルス加工する方法.
項13. 二価金属の水酸化物を、物品に配合すること、又は物品表面にコーティングすることを含む、抗ウイルス加工された物品を製造する方法.
二価金属の水酸化物(好ましい態様においては二価金属の水酸化物と、二価金属のリン酸塩、四価金属のリン酸塩、及び光触媒からなる群より選択される少なくとも1種以上との組合せ)は抗ウイルス作用を有するので、二価金属の水酸化物(好ましい態様においては二価金属の水酸化物と、二価金属のリン酸塩、四価金属のリン酸塩、及び光触媒からなる群より選択される少なくとも1種以上との組合せ)は、抗ウイルス剤の有効成分として、好適に使用することができる。なお、本明細書において、「抗ウイルス」には、ウイルスの増殖を抑制すること、ウイルスを殺すこと、ウイルスの感染性を低減すること等が包含される。
有効成分は、慣用の種々の方法により得ることができる。例えば、有効成分として二価金属水酸化物以外の成分を含む場合であれば、二価金属水酸化物と他の成分を混合することにより、簡便に得ることができる。前記混合に際しては、粉砕等により得られたそれぞれの粉粒状成分を混合してもよい。
本発明の抗ウイルス剤の対象ウイルスとしては、特に制限されないが、例えばインフルエンザウイルス(例えばA型、B型等)、風疹ウイルス、エボラウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、ヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、アルボウイルス、RSウイルス、SARSウイルス、肝炎ウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス等)、黄熱ウイルス、エイズウイルス、狂犬病ウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、ニパウイルス、リッサウイルス等のエンベロープウイルス(エンベロープを有するウイルス); アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、ヒトパピローマウイルス、ポリオウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、ヒトパルボウイルス、脳心筋炎ウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス等の非エンベロープウイルス(エンベロープを有さないウイルス)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはエンベロープウイルスが挙げられ、より好ましくはインフルエンザウイルスが挙げられる。
硫酸チタン溶液(約30 g重量%濃度、和光純薬製試薬)43.7 gを水25.8 gに添加した。この水溶液は、0.055モルのTi (IV)イオンを含んでいた。この水溶液に室温下、撹拌しながら15重量%のリン酸水溶液約53.6 gを滴下したところ、白色沈殿物が生成した。白色沈殿物が生成した混合液をそのまま2時間撹拌した(熟成工程1)。そこに硫酸亜鉛の結晶(ZnSO4・7H2O、和光純薬製試薬特級)6.75 gを添加して溶解した。得られた混合液に、15%水酸化ナトリウム溶液をpHが7.0となるまで滴下した。なお、水酸化ナトリウムの滴下に際し、pHが低下した場合には、さらに水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを約7.0に保持した。pHの低下が認められなくなるまで撹拌を続けると、白色沈殿物が生成した(熟成工程2)。生成した白色沈殿物を吸引濾別し、温脱イオン水で十分洗浄した後、40℃で乾燥し、乾燥物を乳鉢で粒径120μm以下に粉砕することにより、水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、及びリン酸チタンが複合化したものを含む、非晶質且つ多孔質状の粉末を得た。得られた粉末を試験サンプル粉末とした。
実施例1で得られた試験サンプル70重量部に対して酸化チタン粉末(石原産業(株)製、MC‐90)30重量部を混合し、得られた混合物をジェットミル粉砕機に供給し、粉砕することにより、水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸チタン、及び酸化チタンが複合化したものを含む、非晶質且つ多孔質状の粉末を得た。得られた粉末を試験サンプル粉末とした。なお、得られた粉末の平均粒径は5μmであった。
水酸化亜鉛(国産化学製)を試験サンプル粉末とした。
りん酸亜鉛四水和物(和光純薬工業製、化学用)を試験サンプル粉末とした。
硫酸チタン溶液(約30 g重量%濃度、和光純薬製試薬)43.7 gを水25.8 gに添加した。この水溶液は、0.055モルのTi (IV)イオンを含んでいた。この水溶液に室温下、撹拌しながら15重量%のリン酸水溶液約53.6 gを滴下したところ、白色沈殿物が生成した。白色沈殿物が生成した混合液をそのまま2時間撹拌した(熟成工程1)。得られた混合液に、15%水酸化ナトリウム溶液をpHが7.0となるまで滴下した。なお、水酸化ナトリウムの滴下に際し、pHが低下した場合には、さらに水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを約7.0に保持した。pHの低下が認められなくなるまで撹拌を続けると、白色沈殿物が生成した(熟成工程2)。生成した白色沈殿物を吸引濾別し、温脱イオン水で十分洗浄した後、40℃で乾燥し、乾燥物を乳鉢で粒径120μm以下に粉砕することにより、リン酸チタンの粉末を得た。得られた粉末を試験サンプル粉末とした。
1)使用ウイルス懸濁液の調製
ウイルスとしてインフルエンザウイルスを用いて、試験ウイルス懸濁液(1〜4×108PFU/mL)を調製した。
試験サンプル粉末5 gを95 gの蒸留水と混合し、懸濁液を得た。得られた懸濁液0.1 mLを5×5 cmのガラス板に滴下し、4×4 cmの面積に塗布した。30分間風乾し試験サンプル片とした。
試験ウイルス懸濁液0.15 mLを試験品上に滴下し、40×40 mm のフィルム(PP 製)を乗せた後、光照射下(BLB 0.1 mW/cm2)又は暗所で8時間静置した。静置後の試験片を滅菌済ストマッカー袋内に入れ、SCDLP培地10.0 mlを加え試験液を調製し、該試験液を用いて、プラーク測定法によってウイルス感染価を測定した。ウイルス感染価に基づいて、以下の式により、抗ウイルス活性値(Mv)を算出した。
実施例2で得られた試験サンプル粉末50 mgを用いて、SEKの「消臭加工繊維製品認証基準」別表第6に準拠して、消臭性能評価試験を実施した。
Claims (10)
- (A)亜鉛、銅、鉄、コバルト、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種以上の水酸化物、
(B)リン酸亜鉛、並びに
(C)リン酸チタン
を含有する、抗ウイルス剤。 - 前記水酸化物が水酸化亜鉛である、請求項1に記載の抗ウイルス剤。
- さらに、光触媒を含有する、請求項1又は2に記載の抗ウイルス剤。
- 前記光触媒が酸化チタンである、請求項3に記載の抗ウイルス剤。
- 対象ウイルスがエンベロープウイルスである、請求項1〜4のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
- 対象ウイルスがインフルエンザウイルスである、請求項1〜5のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
- 抗ウイルス剤の製造のための、
(A)亜鉛、銅、鉄、コバルト、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種以上の水酸化物、
(B)リン酸亜鉛、並びに
(C)リン酸チタン
の使用。 - 抗ウイルス剤としての使用のための、
(A)亜鉛、銅、鉄、コバルト、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種以上の水酸化物、
(B)リン酸亜鉛、並びに
(C)リン酸チタン
を含有する組成物。 - (A)亜鉛、銅、鉄、コバルト、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種以上の水酸化物、
(B)リン酸亜鉛、並びに
(C)リン酸チタン
を、物品に配合すること、又は物品表面にコーティングすることを含む、物品を抗ウイルス加工する方法。 - (A)亜鉛、銅、鉄、コバルト、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも1種以上の水酸化物、
(B)リン酸亜鉛、並びに
(C)リン酸チタン
を、物品に配合すること、又は物品表面にコーティングすることを含む、抗ウイルス加工された物品を製造する方法。
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