JP2002087916A - 機能性材料 - Google Patents

機能性材料

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JP2002087916A
JP2002087916A JP2000272187A JP2000272187A JP2002087916A JP 2002087916 A JP2002087916 A JP 2002087916A JP 2000272187 A JP2000272187 A JP 2000272187A JP 2000272187 A JP2000272187 A JP 2000272187A JP 2002087916 A JP2002087916 A JP 2002087916A
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talc
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JP2000272187A
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Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Shinichi Inoue
眞一 井上
Masataka Sano
昌隆 佐野
Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Takami Yoshida
貴美 吉田
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Erubu KK
Original Assignee
Erubu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然物系の有効成分を用いながらも、その有
効成分の抗微生物性が本来の限界を越えて一段と増強さ
れ、また撥水性も得られるようにした機能性材料を提供
することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも一部がフッ素化セラミックス
(CF)であるセラミックス成分(C) と、抗微生物性を有す
る動植物由来の有効成分(B) との組成物からなる機能性
材料である。また、これら両成分が、対象材料(O) の内
部または/および表面に含有または/および担持された
機能性材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス成分
と動植物由来の有効成分との組成物からなる機能性材料
に関するものである。また、その組成物を対象材料の内
部または/および表面に含有または/および担持させた
機能性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維、フィルム、各種部品等の基材や、
塗料等のコーティング組成物は、産業用、民生用、医療
用、農業用をはじめとするあらゆる分野に広く普及して
いる。そして最近においては、生活環境や作業環境の改
善のため、これらの基材やコーティング組成物に消臭性
や抗微生物性などの機能性を付与することが多くなって
いる。
【0003】基材やコーティング組成物に抗微生物性を
付与するためには、合成系の薬剤を含有または担持させ
ることが有効であるが、安全性を考えると天然物系の有
効成分を用いる方が推奨される。この観点から、茶由来
の抽出物(茶葉抽出物、カテキン、サポニン等)をはじ
めとする種々の植物の抽出物や、キチン、キトサンなど
を用いる工夫がなされている。本出願人においても、特
に茶由来の抽出物を有効成分として用いて、基材やコー
ティング組成物に抗微生物性を付与する技術につき、相
当数の特許出願を行っている。
【0004】本出願人の出願にかかる特開2000−2
04277号公報には、カテキン類、サポニン類、茶葉
粉末、茶葉抽出物よりなる群から選ばれた抗微生物性を
有する機能性成分と、セラミックス成分とが配合された
成形用樹脂の溶融成形物からなる機能性成形物が示され
ている。ここで、機能性成分とセラミックス成分とは、
複合体粒子の形で成形用樹脂に配合されていることが望
ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、種々の植物の
抽出物やキチン・キトサンなどの天然物系の有効成分
は、安全性が高い反面、その機能性(抗微生物性)が必
ずしも充分ではないことがある。天然物系の有効成分を
用いたときの問題点は、たとえば次のようなものであ
る。 (1) 有効成分による機能性(抗微生物性)に限界がある
こと。 (2) 有効成分を対象材料に含有させるときまたは含有さ
せたときに、有効成分が過度にブリードアウトしたり、
有効成分が揮散により失われたりし、また水と接触する
ような使い方をしたときに、有効成分が溶出により失わ
れやすいこと。 (3) 成形性や担持性の限界により、あるいは対象材料の
風合・強度等の性質を低下させないようにするため、有
効成分の含有量や担持量が制限されること。 (4) 対象材料に付着した塵埃や油分等の汚染物により、
含有または担持させた有効成分の機能が充分に奏されな
いことがあること。
【0006】先に引用した本出願人の出願にかかる特開
2000−204277号公報の発明においては、有効
成分をセラミックス成分と併用して成形用樹脂に配合し
て溶融成形することにより、有効成分のみを配合したと
きの機能性の限界を大きく改良している。より具体的に
は、上記の課題(1) 〜(4) のうち、(2) 〜(4) の点を改
善している。
【0007】しかしながら、上記(1) の点については、
有効成分自身の能力の問題であるので、すなわち、有効
成分が天然物系であることに起因する本質的なものであ
るので、有効成分による機能性(抗微生物性)におのず
から限界があることは致し方ないことである。
【0008】もし、本来はおのずから機能性に上限のあ
る天然物系である有効成分の限界を越えることが可能に
なれば、画期的なものとなる。
【0009】本発明は、このような背景下において、天
然物系の有効成分を用いながらも、その有効成分の抗微
生物性が本来の限界を越えて一段と増強され、また撥水
性も得られるようにした機能性材料を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性材料の一
つは、少なくとも一部がフッ素化セラミックス(CF)であ
るセラミックス成分(C) と、抗微生物性を有する動植物
由来の有効成分(B) との組成物からなるものである。
【0011】本発明の機能性材料の他の一つは、対象材
料(O) の内部または/および表面に、少なくとも一部が
フッ素化セラミックス(CF)であるセラミックス成分(C)
と、抗微生物性を有する動植物由来の有効成分(B) と
が、含有または/および担持されていることを特徴とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】〈有効成分(B) 〉有効成分(B) としては、
抗微生物性を有する動植物由来の有効成分が用いられ
る。有効成分(B) は消臭性も併せ有することが多い。こ
こで「抗微生物性」は、抗菌性、殺菌性、静菌性、抗カ
ビ性、抗ウィルス性を包含する意味で用いている。なお
「消臭性」は、脱臭性、悪臭消去性、有害ガス成分除去
性を包含する意味で用いている。
【0014】動植物由来の有効成分(B) は、カテキン、
サポニン、茶抽出物、茶粉末、タンニン(酸)、キチ
ン、キトサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
成分であることが特に望ましい。これらの有効成分(B)
は、その種類によって有効な菌やウィルスの種類が相違
するので、目的に応じて有効成分(B) の種類を選択し、
あるいは2種以上の有効成分(B) を併用する。
【0015】カテキン(その属性体も含まれるものとす
る)としては、モノマー状のものやオリゴマー状のもの
が用いられる(テアフラビンも含まれる)。本発明にお
いて用いるカテキンとして特に重要性の高いものは、カ
テキンの濃度を高めた茶由来のカテキン製剤である。茶
カテキンの主たる成分は、エピガロカテキン、エピガロ
カテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレー
トなどであるが、個々の成分に単離する必要はないの
で、これらの混合物からなる茶カテキンを濃厚に含む製
剤(殊に20%以上、好ましくは25%以上含むもの)
をそのまま好適に用いることができる。市販の茶由来の
カテキン製剤には30%品、50%品、60%品、70
%品、80%品、90%品などがあるので、入手は容易
である。なおカテキンは、阿仙薬をはじめ茶以外の多種
の植物にも含まれているので、それらの植物由来のカテ
キン類を用いることもできる。
【0016】サポニンは、有機溶剤や水を用いて茶葉や
茶の種子からサポニンを含む成分を抽出し、ついでカラ
ムクロマトなどの手段を用いて繰り返し精製を行うこと
により取得できる。サポニンは、茶以外の多種の植物、
たとえば、ニンジン、チクセツニンジン、ダイズ、サイ
コ、アマチャヅル、ヘチマ、オンジ、キキョウ、セネ
ガ、バクモンドウ、モクツウ、チモ、ゴシツ、カンゾ
ウ、サンキライなどにも含まれている。ただし、入手の
容易さ、夾雑物の少なさ、染着性などの点から、先に述
べた茶由来の茶サポニンが特に好適である。サポニンに
は、ステロイド系サポニン、トリテルペノイド系サポニ
ンなどがあり、原料植物の種類によっても、ステロイド
系サポニンの多いもの、トリテルペノイド系サポニンの
多いものなどがあるが、本発明の目的にはこれらをいず
れも使用することができる。
【0017】茶の抽出物または茶粉末としては、一番茶
・二番茶・三番茶の粉茶、深むし、かぶせなどの粉末、
またはこれらの茶の抽出物、紅茶やウーロン茶の抽出物
を用いることができる。
【0018】タンニン(酸)としては、市販の精製され
たタンニン酸を用いることができ、また五倍子、没食子
などタンニン酸を多量に含む高タンニン酸含有天然植物
の抽出物またはその半精製物をそのまま用いることもで
きる。
【0019】キチン、キトサンについては、現在では各
社から種々のアセチル化度や種々の分子量のものが市販
されているので、それを用いることができる。キチンお
よびキトサンのうちでは、キトサンの方が、抗菌性およ
びセラミックス成分(C) との複合化の容易さの点で有利
である。
【0020】〈セラミックス成分(C) 〉セラミックス成
分(C) としては、その少なくとも一部がフッ素化セラミ
ックス(CF)であるセラミックス成分(C) が用いられる。
【0021】このうちフッ素化セラミックス(CF)は、任
意のセラミックスのフッ素化物またはF基を有するセラ
ミックスを用いることができる。フッ素化セラミックス
(CF)の代表例は、次に述べるようなタルクのフッ素化物
またはF基を有する合成マイカである。
【0022】タルクのフッ素化物は、たとえば、タルク
を、珪フッ化カリウム、珪フッ化ソーダ、フッ化リチウ
ムのようなフッ化物と高温(たとえば600〜1600
℃あるいはその前後、殊に800℃前後)で焼成反応さ
せることにより製造することができる。フッ化物として
珪フッ化カリウムを用いると、得られるタルクのフッ素
化物は非膨潤性を示し、フッ化物として珪フッ化ソーダ
やフッ化リチウムを用いると、得られるタルクのフッ素
化物は膨潤性を示すことが多い。
【0023】F基を有する合成マイカは、たとえば、酸
化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO) 、フッ化マ
グネシウム(MgF2)、酸化ケイ素(SiO2)などの混合物を高
温(たとえば1000〜1600℃あるいはその前後、
殊に1350℃前後)で溶融させてガラス化し、再度た
とえば1100℃程度にまで再加熱して、四ケイ素マイ
カを析出させ、これを珪フッ化カリウムの水溶液中に分
散させてから加熱乾燥することにより製造することがで
きる。ただし、この処方以外にも種々の製造法が可能で
ある。たとえば、「そこが知りたい 粘土の科学、日刊
工業新聞社発行、1993年7月30日初版1刷発行」
の146〜161頁には、合成マイカについて説明があ
る。「フィラー活用事典、株式会社大成社発行、199
4年5月31日初版第1刷発行」の243〜246頁に
も、合成マイカについて説明がある。
【0024】フッ素化セラミックス(CF)以外のセラミッ
クス成分(C) としては、含水ケイ酸ゲルを経て得られる
シリカゲル、無機質焼結助剤−無機質凝集剤を組み合わ
せたもの、または、セラミックス粒子−無機質焼結助剤
−無機質凝集剤を組み合わせたものが特に好適に用いら
れる。これらを用いれば、凝集力を利用して有効成分
(B) との複合化を図ることができる。
【0025】このうちシリカゲルとしては、含水ケイ酸
ゲルを経て得られるシリカゲルが好適に用いられる。こ
のときには、ケイ酸塩の水溶液を酸と混合することによ
りpHを調整して含水ゲルとなし、さらにこの含水ゲル
を水洗してイオンを除去してから乾燥することによりシ
リカゲルを得る。ケイ酸塩としては、Na2O・n SiO2で表
わされるケイ酸ナトリウムや、 K2O・n SiO2で表わされ
るケイ酸カリウムが用いられ、特に前者のケイ酸ナトリ
ウムが重要である。ケイ酸塩の濃厚水溶液は一般に水ガ
ラスと呼ばれ、市販の代表的な水ガラスのSiO2含有量は
22〜38重量%、Na2O含有量は5〜19重量%であ
る。
【0026】無機質焼結助剤としては、リン酸、硫酸、
硝酸、炭酸などの無機酸の多価金属塩(アルミニウム、
亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガン等)やアル
カリ金属塩;アルカリ金属やアルカリ土類金属のフッ化
やケイフッ化物があげられる。これらは通常は含水塩な
いし水和物を水に溶解した形で使用に供される。アルカ
リ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなど
があげられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム
やカルシウムがあげられる。アルカリ金属やアルカリ土
類金属のフッ化やケイフッ化物は、先に述べたフッ素化
セラミックス(C F)の役割も果たす。
【0027】無機質凝集剤としては、ゾル状または溶液
状の無機質凝集剤、殊に、ゾル状の無水ケイ酸または溶
液状のケイ酸塩(ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム)
が好適に用いられる。ゾル状の無水ケイ酸には、水を媒
体とする通常のコロイダルシリカのほか、アルコール等
の有機溶媒を媒体とするオルガノシリカゾルがある。
【0028】セラミックス粒子−無機質焼結助剤−無機
質凝集剤におけるセラミックス粒子としては、各種の粘
土鉱物、酸化物、水酸化物、複合酸化物、窒化物、炭化
物、ケイ化物、ホウ化物、ゼオライト、クリストバライ
ト、ケイ藻土、ケイ酸の多価金属塩などがあげられる。
粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイトなどがあげ
られる。酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリ
カ、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛などが例示され
る。水酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、マグネシ
ウム、カルシウム、マンガンの水酸化物などがあげられ
る。複合酸化物の例はミョウバンである。窒化物の例
は、窒化ケイ素、窒化ホウ素などである。炭化物の例
は、炭化ケイ素、炭化ホウ素などである。ケイ酸の多価
金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウ
ム塩、カルシウム塩、マンガン塩などがあげられ、ケイ
酸のアルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩などがあげられる。
【0029】各成分の割合は、無機質焼結助剤−無機質
凝集剤の組み合わせにあっては、無機質焼結助剤の固形
分100重量部に対し、無機質凝集剤が固形分で100
〜200重量部程度あるいはそれ以上とすることが多
い。セラミックス粒子−無機質焼結助剤−無機質凝集剤
の組み合わせにあっては、セラミックス粒子を主体と
し、無機質焼結助剤および無機質凝集剤はそれぞれの役
割を発揮する量とするが、セラミックス粒子100重量
部に対し、無機質焼結助剤が固形分で 0.5〜20重量部
程度、無機質凝集剤が固形分で 0.5〜25重量部程度と
することが多い。
【0030】セラミックス成分(C) としては、そのほ
か、水を吸って膨潤する性質を有する粘土鉱物、たとえ
ば、セピオライト、バーミキュライト、ベントナイト、
セリサイト粘土などを用いることもできる。これらの中
では、特異な繊維状構造を有するセピオライトが特に重
要である。
【0031】セラミックス成分(C) の一部は、酸化亜鉛
であることも好ましい。酸化亜鉛は、セラミックスであ
りながら、それ自体が消臭能力を有するからである。
【0032】またセラミックス成分(C) の一部は、低硬
度で劈開性を有する板状鉱物であることも好ましい。低
硬度で劈開性を有する板状鉱物の代表例はタルクと天然
マイカである。超微粉グレードのものを用いるときは、
種々の手段を講じて粉砕を行い、あるいは粉砕物のうち
特に微粉の部分のみを分級により取得し、できるだけ粒
径が小さいものを得るようにする。
【0033】ここでタルクは、滑石と呼ばれる鉱石の粉
砕物であって、白色〜灰色の滑りのある脂肪感ある無機
質粉末である。タルクの化学組成は、産地によって多少
異なるものの、基本的には 4SiO2・3MgO・H2O で表わさ
れる。タルクの結晶構造は、表面にケイ酸、2層目に水
酸基を持ったマグネシア、3層目にケイ酸となった3層
構造となっている。この特異な結晶構造に起因して、タ
ルクは滑りやすい性質を有しており、また無機質鉱物の
中では、モース硬度が1と最も硬度が低いものである。
【0034】天然マイカとしては、絹雲母(セリサイ
ト)、白雲母(マスコバイト)、金雲母(フロゴパイ
ト)、フッ素金雲母、着色元素が結晶中に配位した着色
マイカ、雲母チタン、紫外線吸収マイカなどがあげられ
る。フッ素金雲母は、先に述べたフッ素化セラミックス
(CF)の役割も果たす。マイカの硬度は、モース硬度で
2.5〜3.2 程度のものが多い。
【0035】〈フッ素化セラミックス(CF)と有効成分
(B) との複合体〉上述のフッ素化セラミックス(CF)と動
植物由来の有効成分(B) とは、複合体の形態にあること
が好ましい。複合体の形態とは、 ・フッ素化セラミックス(CF)と有効成分(B) との間で、
部分的にフッ素置換反応がなされている形態、 ・フッ素化セラミックス(CF)の層間に、有効成分(B) が
取り込まれている形態、 ・フッ素化セラミックス(CF)の製造が凝集工程を伴う場
合、その凝集粒子の間に有効成分(B) が混在している形
態、 ・フッ素化セラミックス(CF)に有効成分(B) が配位して
いる形態 などがあげられる。
【0036】フッ素化セラミックス(CF)が先に述べたタ
ルクのフッ素化物であるときは、たとえば、タルクを、
珪フッ化カリウム、珪フッ化ソーダ、フッ化リチウムの
ようなフッ化物と高温(たとえば600〜1600℃あ
るいはその前後)で焼成反応させたものを、必要に応じ
ケイ酸リチウムやリン酸アルミニウムなどと共に、有効
成分(B) と加熱下に(たとえば110〜250℃、殊に
150℃前後で)混合することにより、複合体の形態に
することができる。
【0037】フッ素化セラミックス(CF)が先に述べたF
基を有する合成マイカであるときは、たとえば、酸化リ
チウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO) 、フッ化マグネ
シウム(MgF2)、酸化ケイ素(SiO2)などの混合物を高温
(たとえば1000〜1600℃あるいはその前後)で
溶融させてガラス化し、再度たとえば1100℃程度に
まで再加熱して、四ケイ素マイカを析出させ、この四ケ
イ素マイカの水溶液に、有効成分(B) を溶解させた珪フ
ッ化カリウムの水溶液中に分散させてから、たとえば1
10〜250℃で加熱乾燥させることにより、複合体の
形態にすることができる。
【0038】フッ素化セラミックス(CF)と有効成分(B)
との複合体は、そのほか、セラミックスの製造工程の任
意の工程において有効成分(B) を共存させることにより
製造することができる。
【0039】〈有効成分(B) とセラミックス成分(C) と
の複合体粒子〉本発明の機能性材料の一つは、その少な
くとも一部がフッ素化セラミックス(C F)であるセラミッ
クス成分(C) と、動植物由来の有効成分(B) との組成物
からなる。このとき、フッ素化セラミックス(CF)と有効
成分(B) とは、上述のように複合体の形態にあることが
望ましいが、有効成分(B) はフッ素化セラミックス(CF)
以外のセラミックス成分(C) とも複合体粒子の形態にあ
ることが望ましい。複合化は、セラミックス成分(C) 中
の凝集力のある成分が凝集するときまたは凝集前に有効
成分(B) を存在させることによりなされる。
【0040】セラミックス成分(C) が含水ケイ酸ゲルを
経て得られるシリカゲルであるときは、ケイ酸塩水溶液
と酸との混合前、混合時または混合後のゲル化反応完了
前に有効成分(B) を添加して、その有効成分(B) をシリ
カゲル中に含有をせることが望ましい。このようにする
と、有効成分(B) を含有する状態でセラミックスを凝集
させることができる。
【0041】セラミックス成分(C) が無機質焼結助剤−
無機質凝集剤を組み合わせたものである場合は、有効成
分(B) を含有する状態でセラミックスを凝集させること
が好ましい。例をあげると、無機質焼結助剤の一例とし
てのリン酸アルミニウムの水溶液に有効成分(B) を粉末
であるいは水溶液またはアルコール溶液として混合し、
pHを3〜4に調整して、無機質凝集剤の一例としての
コロイダルシリカのコロイド液を混合して系のpHを中
性程度にもっていくと、凝集が起こるので、その凝集物
をルツボや蒸発皿に移し、乾燥器または電気炉にて乾燥
するまで加熱処理する。
【0042】セラミックス成分(C) がセラミックス粒子
−無機質焼結助剤−無機質凝集剤を組み合わせたもので
あるときも、有効成分(B) を含有する状態でセラミック
スを凝集させることが好ましい。例をあげると、ケイ酸
アルミニウム、アルミナ、チタニア等のセラミックス粒
子に無機質焼結助剤の一例としてのリン酸アルミニウム
の水溶液を硬練りペースト程度の粘度になるように加え
て混練し、続いて有効成分(B) を粉末であるいは水溶液
またはアルコール溶液として混合し(あるいはセラミッ
クス粒子に有効成分(B) を混合しておいてから無機質焼
結助剤を混練し)、また必要に応じてリン酸アルミニウ
ムの水溶液を追加混合し、pHを3〜4に調整して、無
機質凝集剤の一例としてのコロイダルシリカのコロイド
液を混合して系のpHを中性程度にもっていくと、凝集
が起こるので、その凝集物をルツボや蒸発皿に移し、乾
燥器または電気炉にて乾燥するまで加熱処理する。
【0043】〈複合体粒子中の各成分の割合〉複合体粒
子中の各成分の割合は、種々に設定できるものの、セラ
ミックス成分(C) と有効成分(B) との合計量を100重
量部とするとき、有効成分(B) の割合が1〜70重量部
(好ましくは2〜60重量部)で、セラミックス成分
(C) がその残余とすることが多い。またセラミックス成
分(C) に占めるフッ素化セラミックス(CF)の割合は、1
〜100重量部、好ましくは3〜100重量部、殊に5
〜100重量部、なかんずく10〜100重量部とする
ことが多い。このような範囲において、本発明の目的に
とってバランスがとれるようになるからである。
【0044】〈対象材料(O) 〉少なくとも一部がフッ素
化セラミックス(CF)であるセラミックス成分(C) と有効
成分(B) とからなる組成物は、粉体や粒状物あるいはそ
れを造粒または任意の形状に成形した状態で使用に供す
ることもできるが、以下に述べるように、対象材料(O)
の内部または/および表面に含有または/および担持さ
せた状態で使用することも好ましい。このときにも、有
効成分(B) は、セラミックス成分(C) との複合体粒子の
形態で対象材料(O) の表面または/および内部に担持さ
れていることが望ましい。
【0045】対象材料(O) としては、基材(O1)またはコ
ーティング組成物(O2)があげられる。基材(O1)として
は、天然繊維、再生繊維、合成繊維、半合成繊維、ある
いはそれから作られる繊維製品、たとえば、原料繊維
(鞘−芯型やバイメタル型の複合繊維を含む)、糸(モ
ノフィラメント、マルチフィラメント糸、紡績糸、紡毛
糸、カバリング糸等)、パイル、綿(わた)状物、織
布、不織布、編布、植毛布など任意であり、また他の材
質の繊維や糸との混合品、混紡品、交織品、交編品、引
き揃え品などであってもよい。基材(O1)としては、フィ
ルム、シート、ボトル、各種部品などもあげられる。コ
ーティング組成物(O2)としては、塗料、コーティング
剤、インク、接着剤、シール材などがあげられる。
【0046】基材(O1)またはコーティング組成物(O2)
が、樹脂を主剤とするものあるいは樹脂を被膜形成成分
またはバインダー成分とするものであるときの樹脂とし
ては、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、常温硬化型樹脂、
活性エネルギー線硬化型樹脂などがあげられる。「樹
脂」の用語の中には、通常の合成樹脂のほか、エラスト
マーないしゴムや、セルロース系高分子のような高分子
も含まれるものとする。
【0047】基材(O1)が樹脂成形物であるときは、その
成形物は、通常の単独の成形物であってもよく、また内
側成分Xと外側成分Yとで構成された芯鞘接合型または
バイメタル接合型の複合成形物であってもよい。複合成
形物の場合には、内側成分X、外側成分Yの樹脂成分が
それぞれ第1樹脂、第2樹脂からなる。これら第1樹脂
と第2樹脂とは、同種の樹脂、異種の樹脂のいずれであ
ってもよい。そして、内側成分Xの第1樹脂および外側
成分Yの第2樹脂の少なくとも一方に、有効成分(B) お
よびセラミックス成分(C) が配合される。
【0048】樹脂、あるいは複合成形物の場合の第1樹
脂、第2樹脂としては、溶融成形が可能な樹脂や、溶液
成形またはエマルジョン成形が可能な樹脂が用いられ
る。なお先にも述べたように、「樹脂」の用語の中に
は、エラストマーないしゴムや、セルロース系高分子の
ような高分子も含まれるものとする。
【0049】溶融成形の場合の成形法としては、押出成
形法、射出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法
をはじめとする種々の溶融成形法を採用することができ
る。溶融成形が可能な樹脂の例は、ポリオレフィン系樹
脂(エチレンやプロピレンを主体とするオレフィンのホ
モポリマーやコポリマー、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン6−66、ナイロン610、ナイロ
ン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4
6、ナイロンMXD6、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マー等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー、ポリ乳酸等)、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂
((メタ)アクリレートや(メタ)アクリロニトリルを
主体とするホモポリマーやコポリマー等)、ポリウレタ
ン系樹脂(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等)、
ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、ハイインパクトポ
リスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマー等)、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合体系樹脂、各種耐熱性樹脂、各種高強度樹脂などであ
り、他の種々の溶融成形用樹脂も使用可能である。
【0050】溶液成形またはエマルジョン成形が可能な
樹脂としては、セルロース系高分子(ビスコースレーヨ
ン、アンモニアレーヨン、アセテート、トリアセテート
等)、アクリロニトリル系ポリマー、ポリウレタン系ポ
リマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビ
ニリデン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマーなどが
例示できる。ある種の高分子(たとえばミヨシ油脂株式
会社製の「ランディCPシリーズ」)もエマルジョン成
形が可能であるので、ここに言う樹脂として使用するこ
とができる。
【0051】〈含有または担持方法〉本発明の機能性材
料は、対象材料(O) の内部または/および表面に、上述
の少なくとも一部がフッ素化セラミックス(CF)であるセ
ラミックス成分(C) と有効成分(B) とを含有または/お
よび担持させたものである。
【0052】(含有方法)対象材料(O) の内部に有効成
分(B) とセラミックス成分(C) とを含有させるときは、
基材(O1)用の成形原料(たとえばペレットないし粉粒物
段階の成形原料)に有効成分(B) とセラミックス成分
(C) とを配合し、ついでそれを押出成形やその他の成形
に供する。有効成分(B) の配合量は、たとえば 0.1〜3
0重量%程度とすることができる。セラミックス成分
(C) の配合量は、たとえば 0.1〜60重量%程度とする
ことができる。一旦有効成分(B) およびセラミックス成
分(C) の濃度の高いマスターバッチを作り、それを基材
(O1)用の成形原料を適当な割合で混合して溶融成形など
の成形に供することもできる。
【0053】基材(O1)用の成形原料に有効成分(B) とセ
ラミックス成分(C) とを配合して成形に供するときは、
得られた成形物を水と接触するような使い方をするとき
であっても、その成形物から容易には有効成分(B) が失
われないので、たとえば時々水洗を行うような用途であ
っても比較的長期にわたり機能性が維持されるという利
点がある。
【0054】成形用原料には、もし必要なら、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、艶消し
剤、流動性改善剤、可塑剤、難燃剤などの助剤を内添し
ておくことができる。特に内添材料を配合した側の樹脂
には、特に溶融成形の場合、酸化防止剤等の安定剤と共
に、金属石鹸をはじめとする凝集防止性ないし分散性の
向上に有効な成形助剤を併用配合して、内添材料の均一
分散を確保することが好ましく、また有効成分(B) の担
持性を向上させるため、銅塩、鉄塩、カルシウム塩、チ
タン塩、アルミニウム塩、銀塩、スズ塩、亜鉛塩、クロ
ム塩、コバルト塩などの金属イオン源を適当量共存させ
ておくこともできる。
【0055】フィラメント状のものを得る場合、成形後
は延伸を行うことが多い。延伸倍率に特に限定はないも
のの、倍率が余りに小さいときは、用途によっては強度
が不足する傾向があるので、延伸倍率は3倍以上、殊に
4倍以上とするのが通常である。延伸倍率の上限は一般
には10倍程度までである。延伸を行うと、フィラメン
トの表面に本発明の機能性材料が露われやすくなるの
で、効果が大きくなる。なお、延伸を必要としない用途
もあるので、延伸は必須ではない。フィルムまたはシー
ト状のものを得るときも、必要に応じ成形後に延伸を行
うことができる。本発明の機能性材料による効果を大き
くするには、延伸と共にまたは延伸に代えて、表面粗面
化処理も有効である。表面粗面化処理としては、溶剤処
理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、
機械的粗面化処理などがある。
【0056】殊に複合成形物である場合、その外側成分
Yに、第2樹脂の種類や内添物の量を選択または制御し
て熱融着性を持たせるようにすれば、熱融着品を得るこ
とができる。たとえば、芯鞘接合型の複合フィラメント
や、バイメタル接合型のフィルムを細巾にスリットした
線条を用いて、編織物(ネット、織布、編布)や不織布
を製造したとき、熱融着によりフィラメントや線条の交
叉点を融着することができるので実用時や二次加工時に
おける目ずれを防止することができ、あるいはそのよう
な編織物や不織布を枠体などに熱融着により固定するこ
とができる。
【0057】対象材料(O) がコーティング組成物(O2)で
あるときは、そのコーティング組成物(O2)の調製時に有
効成分(B) とセラミックス成分(C) とを好ましくはそれ
らの複合体粒子の形で配合すればよい。他の成分は、被
膜形成成分、媒体、添加剤などである。コーティング組
成物(O2)を用いるときは、コーティング層を2層以上と
し、そのうちの少なくとも1層、殊に最上層にこのコー
ティング組成物(O2)を使用する態様も好ましい。
【0058】このときのコーティング組成物(O2)中の本
発明の機能性材料の割合は、固形分基準で、有効成分
(B) とセラミックス成分(C) との合計量が 0.2〜90重
量%(殊に1〜80重量%)とすることが多い。有効成
分(B) とセラミックス成分(C)との比率は、先に述べた
如くである。
【0059】(担持方法)対象材料(O) が繊維などの基
材(O1)であるときは、有効成分(B) およびセラミックス
成分(C) の担持は、次のようにしてなされる。
【0060】第1の担持方法は、バインダーを用いて、
有効成分(B) およびセラミックス成分(C) を基材(O1)に
付着担持させるものである。セラミックス成分(C) が付
着力のある成分を含むときは、その成分をバインダー代
わりに用いることもできる。担持は、浸漬、コーティン
グ、スプレーなどの手段により行うことができる。
【0061】第2の担持方法は、基材(O1)に、有効成分
(B) およびセラミックス成分(C) を染着法(染色類似の
方法、以下同様)により担持させるものである。このと
きの基材(O1)は、特に繊維または繊維製品の形状にある
ことが望ましい。セラミックス成分(C) は、有効成分
(B) との組成物の形で、あるいは有効成分(B) の染着担
持とは別の段階で(ただし終局的にはセラミックス成分
(C) と有効成分(B) とが混在した形態となるように)担
持させることができる。
【0062】基材(O1)に有効成分(B) およびセラミック
ス成分(C) を染着法により担持させるにあたっては、特
に有効成分(B) の染着を図るために、キャリア剤、フィ
ックス剤、カチオン化剤、還元剤等に属する助剤、媒染
剤などを使用することができる。
【0063】染着処理は、有効成分(B) およびセラミッ
クス成分(C) 、助剤、媒染剤などを一緒にまたは別々に
含む浴中で、基材(O1)を同時にまたは逐次的に処理する
ことによりなされる。助剤、媒染剤などを一緒に含む浴
中で浴処理を行う場合、2以上の浴に分けて浴処理を行
うこともできる。別々の浴を用いる場合、浴処理の順序
は任意である。浴比は、基材(O1)の重量に対し5〜10
0倍程度、浴温は30〜140℃程度、処理時間は10
分〜3時間程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲
に限られるものではない。浴処理を100℃を越えるよ
うな高温条件下に行うときには、加圧下での浴処理とな
るので、加圧型密閉染色機を用いるのが通常である。浴
処理を行う前に、もし必要なら、基材(O1)(殊に繊維ま
たは繊維製品)の糊抜き、精練、漂白などを行っておく
ことができる。浴処理後の基材(O 1)は、必要に応じ、酸
洗浄やアルカリ洗浄、あるいはソーピングや水洗などの
後処理を行ってから、自然乾燥または熱風乾燥する。
【0064】〈含有および担持方法の組み合わせ〉上述
の含有方法および担持方法は、これらを組み合わせるこ
ともできる。たとえば、基材(O1)に有効成分(B) および
セラミックス成分(C) を含有させると共に、基材(O1)に
有効成分(B) およびセラミックス成分(C) を担持させる
如くである。なお、含有方法および担持方法のうちの一
方は、有効成分(B) 、セラミックス成分(C) のうちの一
方のみの含有または担持とすることもできる。
【0065】〈用途〉上記の機能性材料は、飲料や給水
用の水、うがい用の水、ペット用の水、浴用の水、料理
用の水、洗濯用の水、鑑賞魚用の水、食器や食材洗浄用
の水、洗顔用の水、化粧水用の水、トイレットの流し
水、プール用の水、生け花や園芸用の水などを浄化する
浄水材料、フィルタ材料(空調機・空気清浄機・掃除機
・クリーンルーム用のフィルタ、浄水フィルタ等)、フ
ァンやファン周りの成形物、冷蔵庫の内壁パネル、衣類
(衣服、芯地、裏地、エプロン、靴下、足袋等)、履物
(靴、スリッパ、靴中敷等)、身回り品(タオル、スカ
ーフ、マフラー、ベルト、帽子、手袋、テーブルクロ
ス、傘地、かばん、バッグ、財布等)、日用品・台所用
品(歯ブラシ、洋服ブラシ、ヘアブラシ、タワシ、食器
洗い、雑巾、フキン、垢こすり等)、医療用品・福祉関
連用品・生理用品・衛生材料、(手術着、白衣、ベッド
マット、マスク、包帯、ガーゼ、縫合糸、吸収材、創傷
保護材、オムツ、各種生理用品等)、化粧用部材(パ
フ、化粧用ブラシ等)、インテリア製品・内装品・家具
(ホットカーペット、カーペット、カーテン、椅子張り
地、網戸、バスマット等)、室内の内装材(壁用シー
ト、床材等)、ホルマリン・アセトアルデヒド等のVO
C(揮発性有機化合物)によるシックハウス症候群防止
用や、MCS(多種類化学物質過敏症)防止用の諸材料
(壁装材、繊維板、クロス等)、建材、寝具(ふとんわ
た、シーツ、布団カバー、毛布、マット、枕カバー、座
布団等)、スポーツ用品(スポーツ着等)、車内装品
(車用カバーシート、シートクロス、天井材、床材
等)、浴室・トイレタリー用品、ペット用品、包装材料
などである。包装材料(食品包装用のフィルム、シー
ト、ボトル、トレイ等、家電製品包装用フィルム、堆肥
バッグ)、鮮度保持用フィルム・シート、緩衝材、買物
袋、ゴミ袋、包装紙、その他産業用および民生用(テン
ト、コンベアベルト、ホース、ロープ、幌、帆布、養生
シート、植生用ネット・マット・不織布、工事用ネッ
ト、漁網、延縄、海苔網、釣り糸、防鳥網、防虫網、防
獣網、ろ過布、抄紙機用ドライキャンバス、ヘルメット
用汗取り、掃除機用アタッチメントブラシ、モップ、ぬ
いぐるみ、研磨ブラシ、縫い糸、蚊帳等、おしぼり、カ
ード類、使い捨て食器、文具、日用雑貨等) 農業用フィルム、農業用簡易被覆材、寒冷紗、結束テー
プ、防草袋、防草ネット、植木用ネット、防根シート、
育苗床・ポット、塗料、コーティング剤、インク、接着
剤、シール材、化粧料、をはじめとする多種の用途に有
用である。ただし、上に例示したもの以外の種々の用途
に用いることもできる。
【0066】〈作用〉先に述べたように、本発明の機能
性材料は、少なくとも一部がフッ素化セラミックス(CF)
であるセラミックス成分(C) と、抗微生物性を有する動
植物由来の有効成分(B) との組成物からなり、特にフッ
素化セラミックス(CF)と動植物由来の有効成分(B) と
が、複合体の形態にあることが好ましい。
【0067】この機能性材料にあっては、フッ素化セラ
ミックス(CF)を含まないセラミックス成分(C) と有効成
分(B) との組成物(複合体)と比較すると、抗微生物性
が一段と増強されている。
【0068】そして、たとえば有効成分(B) がカテキン
である場合を例にとると、カテキンは、抗酸化性を有す
る化合物であり、消臭性もあり、また抗細菌性はすぐれ
ているものの防カビ性の点では見劣りする傾向がある。
ところが、本発明のフッ素化セラミックス(CF)と有効成
分(B) との組成物(複合体)からなる機能性材料にあっ
ては、有効成分(B) としてカテキンを用いた場合であっ
ても、抗酸化性はむしろ消失傾向にあり、消臭性も若干
低下傾向にあり、一方防カビ性については確実に増強さ
れるという特異な現象が見られる。そこで本出願人は、
フッ素化セラミックス(CF)と有効成分(B) との間で部分
的にフッ素置換反応が起こり、たとえば有効成分(B) が
カテキンである場合は、一部のカテキンのOH基または
そのOH基の隣接部位にフッ素化セラミックス(CF)のF
基がつき、そのようなフッ素化されたカテキンがすぐれ
た防カビ性を発揮するのではないかと推測している。防
カビ性が強化されるということは、この機能性材料を配
合または付着させた対象材料の防カビ性に貢献するのみ
ならず、たとえばこの機能性材料を配合または付着させ
た対象材料で食品等を包装したときに、その食品等の防
カビ性にも貢献することを意味する。
【0069】加えて、この機能性材料にあっては撥水性
が向上しており、たとえばこの機能性材料を塗料に配合
したときには、それを配合していない塗料に比し、塗膜
に水滴を付着したときの接触角が上がり、かつ水滴サイ
ズが小さくなるという挙動を示す。この機能性材料をた
とえばファンに塗装したりファン成形用の樹脂に配合し
たときは、抗微生物性のみならず、防汚性も発揮され、
たとえ汚れてきても、洗浄によりその汚れを容易に落と
すことができる。またこの機能性材料にはフッ素化セラ
ミックス(CF)と有効成分(B) との組成物(複合体)から
なるので、フッ素基またはフッ素イオンに基く効果も奏
される。たとえば、これを歯ブラシ素材や歯磨き添加物
あるいはうがい水の浄化材として用いたときには、歯垢
防止効果や抗う食効果なども奏される。
【0070】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。「部」、「%」とあるのは重量基準で表わしたもの
である。
【0071】〈有効成分(B) の準備〉有効成分(B) とし
て、次のものを準備した。 ・(B1): カテキン(茶カテキン70%品) ・(B2): カテキン(茶カテキン30%品) ・(B3): 純度70%の茶サポニン ・(B4): 緑茶粉末 ・(B5): 緑茶の熱水抽出物を乾燥した粉末 ・(B6): 純度85%のタンニン酸 ・(B7): キトサン
【0072】〈有効成分(B) −セラミックス成分(C) 複
合体粒子の製造〉 製造例1 この例は、フッ素化セラミックス(CF)がタルクのフッ素
化物である場合である。天然の微粒子タルク60%を、
珪フッ化ソーダ40%と混合し、ルツボにて800℃×
1時間の条件で焼成し、フッ素タルク焼成品となした。
得られた結晶体には、MgO4(OH)2 およびSiO4の結晶構造
が層状に形成されていた。次に、有効成分(B) をケイ酸
リチウムまたはリン酸アルミニウムの20%濃度にした
水溶液を接触させてから、脱水し、ついで150℃に加
熱して保持した。これにより、「タルクフッ素化物−有
効成分(B) 複合体」が得られた。なお、上記で得られた
結晶体に配位しているFイオンは、OHイオンが来ると
容易に置換する性質があるので、それを利用して結晶内
部の電荷バランスをとるために有効成分(B) がFイオン
と置換反応を起こすものと推定される。
【0073】製造例2 この例は、フッ素化セラミックス(CF)がF基を有する合
成マイカである場合である。酸化リチウム(Li2O) 13.5
%、酸化マグネシウム(MgO) 13.5%、フッ化マグネシウ
ム(MgF2) 10.4 %、酸化ケイ素(SiO2) 60.5 %の混合物
を1350℃で5時間溶融させてガラス化したものを、
再度1100℃まで再加熱して、四ケイ素マイカを析出
させた。この四ケイ素マイカを10μm 以下にまで微細
に粉砕してから、有効成分(B) を溶解させた珪フッ化カ
リウムの15%水溶液中に分散させて、150℃で乾燥
させ、水不溶性の合成マイカ結晶、すなわち、「合成マ
イカ−有効成分(B) 複合体」が得られた。
【0074】〈フッ素化セラミックス(CF)−有効成分
(B) 複合体の特性値〉使用した有効成分(B) と、その有
効成分(B) を用いた上記製造例1および2で得られた複
合体の特性を調べた。 ・図1は、有効成分(B) であるカテキン(茶カテキン7
0%品)(B1)のFT/IRである。 ・図2は、有効成分(B) であるカテキン(茶カテキン3
0%品)(B2)のFT/IRである。 ・図3は、図1のカテキン(B1)を用いて実施例1により
製造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」の
FT/IRである。 ・図4は、図2のカテキン(B2)を用いて実施例2により
製造した「合成マイカ−有効成分(B) 複合体」のFT/
IRである。 ・図5は、図1のカテキン(B1)を用いて実施例1により
製造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」の
X線回折チャートである。 ・図6は、図2のカテキン(B2)を用いて実施例2により
製造した「合成マイカ−有効成分(B) 複合体」のX線回
折チャートである。 ・図7は、図1のカテキン(B1)を用いて実施例1により
製造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」の
熱分析チャートである。 ・図8は、図1のカテキン(B2)を用いて実施例2により
製造した「合成マイカ−有効成分(B) 複合体」の熱分析
チャートである。
【0075】図1と図3とを対比すると、両者はIR吸
収ピークが顕著に異なることがわかる。同様に、図2と
図4とを対比すると、両者はIR吸収ピークが顕著に異
なることがわかる。
【0076】〈フッ素化セラミックス(CF)−有効成分
(B) 複合体の製造〉有効成分(B) としてカテキン(B1)ま
たはカテキン(B2)を用い、製造例1に従って2種の「タ
ルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」、を製造し
た。、におけるタルクフッ素化物と有効成分(B) と
の割合は、重量比で7:3となるようにした。
【0077】有効成分(B) としてカテキン(B1)を用い、
製造例2に従って「合成マイカ−有効成分(B) 複合体」
を製造した。におけるタルクフッ素化物と有効成分
(B)との割合は、重量比で7:3となるようにした。
【0078】参考のため、天然の微粒子タルクを、有効
成分(B) の一例としてのカテキン70%品(B1)またはカ
テキン30%品(B2)のケイ酸リチウム(またはリン酸ア
ルミニウム)の20%濃度水溶液と接触させてから、加
熱乾燥して、2種の「天然タルク−有効成分(B) 混合
物」’、’を製造した。’、’における天然タ
ルクと有効成分(B) との割合は重量比で7:3となるよ
うにした。
【0079】また参考のため、天然マイカ(金雲母)
を、有効成分(B) の一例としてのカテキン70%品(B1)
のケイ酸リチウム(またはリン酸アルミニウム)の20
%濃度水溶液と接触させてから、加熱乾燥して、「天然
マイカ−有効成分(B) 混合物」’を製造した。’に
おける天然マイカと有効成分(B) との割合は重量比で
7:3となるようにした。
【0080】〈フッ素化セラミックス(CF)−有効成分
(B) 複合体の抗カビ性試験〉上記で得た複合体または混
合物を寒天培地に10%宛添加し、JIS Z2911 6.2.2
(湿式法)に準じて、抗カビ効果に対する影響を恒温恒
湿槽にて7日間評価した。
【0081】カビ菌の培養溶液は、市販の変法GAM寒
天培地を使用し、フラスコ内で加熱溶解させて、自然冷
却したものを用い、それぞれ、、、’、’、
’の処方にて各微粉末を10%ずつ寒天培地に固化す
る前に添加、混練し、試料とした。またブランクとし
て、寒天培地単体の試料をとして用意した。 カテキン(B1)とタルクフッ素化物との複合体 10
%in寒天培地 カテキン(B2)とタルクフッ素化物との複合体 10
%in寒天培地 カテキン(B1)と合成マイカとの複合体 10%in寒
天培地 ’カテキン(B1)と天然タルクとの混合物 10%in寒
天培地 ’カテキン(B2)と天然タルクとの混合物 10%in寒
天培地 ’カテキン(B1)と天然マイカとの混合物 10%in寒
天培地 ブランク(寒天培地のみ)
【0082】カビ菌は、予め調整した黒カビ菌溶液(1
00mg/500cc純水)を培地溶液1000ccに 0.5cc
ずつ植え付けた。また、カビ菌の繁殖促進は、恒温恒湿
槽を利用して、30℃、95%const.にて、7日間保持
し、最終結果を写真撮影により記録した。
【0083】結果を表1に示す。カビの生育について
は、4日間経過後と7日間経過後の試験体表面のカビ発
生の有無および発生状態を目視検査してし、+、−の記
号による増加状況を見た。カビ抵抗性については、試験
体におけるカビ占有率で判定した。カビの生育の欄、カ
ビ抵抗性の欄の記号の意味は下記の通りである。なお、
カビ抵抗性の「2〜3」は正規の評価ではないが、2の
評価には入るもののカビの生育面積が3に近いものを
「2〜3」と判定した。表1中、「Fタルク」とあるの
はタルクフッ素化物の意味である。
【0084】・カビの生育 − :カビの生育を認めない。 ± :わずかに生育を認めた。 +→++++:この順にカビの生育が著しい。 ・カビ抵抗性 1 :カビの生育は試料面積の1/3以上。 2 :カビの生育は試料面積の1/3以内。 3 :カビの生育を認めない。
【0085】
【表1】 カビの生育 カビ抵抗性 試 料 4日 7日 ランク ブランク ++ ++++ 2 B1−Fタルク複合体 - - 3 B2−Fタルク複合体 - - 3 B1−合成マイカ複合体 - - 3 ’B1−タルク混合物 ± + 2〜3 ’B2−タルク混合物 ± + 2〜3 ’B1−天然マイカ混合物 ± + 2〜3
【0086】表1から、フッ素化セラミックス(CF)と有
効成分(B) との複合体、、は、ブランクに比し
カビ抵抗性が顕著にすぐれているのみならず、フッ素化
されていないセラミックス成分(C) と有効成分(B) との
混合物’、’、’に比しても、カビ抵抗性が一段
と向上していることがわかる。
【0087】有効成分(B) として、先に述べた茶サポニ
ン(B3)、緑茶粉末(B4)、緑茶熱水抽出物(B5)、タンニン
酸(B6)、キトサン(B7)を用い、上記に準じて表2の試料
の欄の複合体および混合物を製造し、抗カビ性試験を行
った。結果を表2に示す。
【0088】
【表2】 カビの生育 カビ抵抗性 試 料 4日 7日 ランク ブランク ++ ++++ 2 B3−Fタルク複合体 - - 3 B4−Fタルク複合体 - ± 3 B5−Fタルク複合体 - - 3 B6−Fタルク複合体 - ± 3 B7−Fタルク複合体 - - 3 B3−タルク混合物 ± + 2〜3 B4−タルク混合物 + ++ 2〜3 B5−タルク混合物 ± + 2〜3 B6−タルク混合物 + ++ 2〜3 B7−タルク混合物 + ++ 2〜3
【0089】〈フッ素化セラミックス(CF)−有効成分
(B) 複合体の抗菌性試験〉上記の、、、’、
’、’、の試料を用い、下記の条件により、各試
料の抗菌性を調べた。結果を表3に示す。 ・試験項目:菌数減少率試験 ・試験菌:黄色ぶどう球菌 Staphylococcus aureus ATC
C 6538P ・試験方法:JIS L 1902定量試験(統一試験方法)によ
る。 ・試験結果: 植菌数[A] 2.5×104 log A = 4.4 無加工布菌数[B] 1.2×107 log B = 7.1 (無加工布は標準綿布を使用) log B - log A = 2.7 > 1.5 (試験は有効) 殺菌活性値 = log A - log C 静菌活性値 = log B - log C
【0090】
【表3】 実 施 例 ’ ’ ’ 抗菌性 菌数 log C 2.6 2.5 2.5 2.3 2.3 2.3 6.8 殺菌活性値 1.8 1.9 1.9 2.1 2.1 2.1 -2.4 静菌活性値 4.5 4.6 4.6 4.8 4.8 4.8 0.3 (抗菌性試験の試料は 0.2gを採取)
【0091】〈対象材料(O) への複合体粒子の含有〉 〈材料の準備〉第1樹脂(R1)として、融点163℃のポ
リプロピレンを用いた。第2樹脂(R2)として、融点12
8℃のポリプロピレンを用いた。
【0092】第2樹脂(R2)側に内添する「フッ素化セラ
ミックス(CF)−有効成分(B) 複合体」として、先に述べ
た「B2−Fタルク複合体」を用いた。
【0093】第2樹脂(R2)側に内添するフッ素化セラミ
ックス(CF)以外のセラミックス成分(C) の原料として、
次のものを準備し、下記のその1、その2、その3に従
って、複合体粒子を製造した。 ・(C1): ケイ酸塩水溶液(水ガラス) ・(C2): リン酸アルミニウムおよびコロイダルシリカ ・(C3): シリカ、リン酸アルミニウムおよびコロイダル
シリカ
【0094】(その1)セラミックス成分(C) の原料の
うち(C1)については、0℃に保った1N硫酸溶液に「フ
ッ素化セラミックス(CF)−有効成分(B) 複合体」を添加
し、また別途1N水ガラス溶液を調製した。ついで、前
記複合体を含有する1N硫酸溶液を激しく撹拌しなが
ら、数分かけて1N水ガラス溶液を滴下した。このとき
の反応液は5〜7℃となった。混合液を流水にて1日洗
浄してから、水分をよく切り、ついで細かく砕き、50
〜60℃の温度をかけながら乾燥器中で真空乾燥し、粉
末状の複合物を得た。
【0095】(その2)セラミックス成分(C) の原料の
うち(C2)については、濃度25%のリン酸アルミニウム
水溶液200部に「フッ素化セラミックス(CF)−有効成
分(B) 複合体」を混合し、pHを3〜4に調整して、コ
ロイダルシリカのコロイド液(固形分40%)の130
部を加えて混合し、pHを中性にもっていった。スラリ
ーは徐々に凝集していったので、ハンドリングが可能な
うちに蒸発皿(またはルツボ)に移し、恒温乾燥器また
は電気炉で加熱し、100〜300℃で乾燥し、加熱処
理した。これにより硬い不定形の凝集体が得られたの
で、それを自動乳鉢(またはボールミル)で微粉砕し、
篩で分級して100〜325メッシュの粒度のものを取
得した。ついでこの凝集体の粒子を恒温乾燥器または電
気炉で加熱処理した。
【0096】(その3)セラミックス成分(C) の原料の
うち(C3)については、平均粒径325メッシュアンダー
のシリカ400部と、「フッ素化セラミックス(CF)−有
効成分(B) 複合体」とを乾式混合した後、濃度25%の
リン酸アルミニウム水溶液200部を添加しながら硬め
に混練してペーストを得、このペーストにコロイダルシ
リカのコロイド液(固形分40%)50部を混合して、
pHを中性にもっていった。この時点で徐々に凝集が起
きてくるので、ハンドリングできるうちにルツボに移
し、乾燥後、100〜300℃で脱水、加水分解させ
た。これを微粉砕した。
【0097】成形例1〜3 第2樹脂(R2)に、少量の酸化防止剤および凝集防止剤
(分散剤)と共に、上記(その1)、(その2)、(そ
の3)の方法で得た複合体粒子を配合して溶融押出する
と共にペレット化した。このようにして得たペレットを
外側成分(鞘成分)Y、第1樹脂(R1)のペレットを内側
成分(芯成分)Xとして用いて、複合ダイを備えた2台
の押出機により、外側成分(鞘成分)Yについては第2
樹脂(R2)の融点より70〜90℃高い温度条件、内側成
分(芯成分)Xについては第1樹脂(R1)の融点より60
〜90℃高い温度条件をそれぞれ使用して共押出成形
し、ついで延伸することにより、複合フィラメント(複
合成形物)を得た。次に、この複合フィラメントから不
織布を製造した。条件を表4に示す。
【0098】比較例1 第2樹脂(R2)への複合体粒子の内添を省略し、代りに有
効成分(B2)を内添したほかは、上述の成形例と同様にし
て共押出し、ついで延伸することにより、複合フィラメ
ントを得、ついで不織布を製造した。条件を表4に併せ
て示す。
【0099】
【表4】 内側成分X 外側成分Y 備 考 (R1) (R2) (B) (CF) (C) 比較例1 (R1)50部 (R2)47部 (B2) 3部 - - - 成形例1 (R1)50部 (R2)35部 (B2) 3部 (CF) 4部 (C1) 8部 その1 成形例2 (R1)50部 (R2)35部 (B2) 3部 (CF) 4部 (C2) 8部 その2 成形例3 (R1)50部 (R2)35部 (B2) 3部 (CF) 4部 (C3) 8部 その3 (注)成形例1〜3における「(B) (Cf)」は、「(B)-(Cf)複合体」の意味。
【0100】〈試験〉上記で作製した不織布を常温の水
中に3時間浸漬してから一旦取り出して自然乾燥した
後、もう一度水中に3時間浸漬してから取り出して自然
乾燥し、最初の水浸漬の前および2回目の水浸漬の後の
機能性成分(A) の量を示差熱重量分析計による熱分析
(電気炉中で5℃/minの速度で昇温し、加熱過程におけ
る試料の熱収支(吸熱/発熱)とそれに伴う重量の増減
を解析)により測定した。そして、水洗前および後の不
織布につき、消臭試験および抗微生物性試験を下記の条
件にて行った。結果を表5に示す。
【0101】(消臭試験)1m3の容器内には外部から操
作できる空気清浄機、内部には上記で作製した不織布を
設置し、容器の中でタバコ5本を吸煙機に装着して着火
し、最初の1本が燃え尽きた時点で吸煙機を停止し、最
後のタバコが燃え尽きた時点で空気清浄機の運転を開始
し、運転5分後および30分後にガス検知管を用いてア
ンモニア濃度を測定し、5分後の濃度(初期濃度)に比
し30分後の濃度がどの程度減少しているかで脱臭率を
求めた。なお、有効成分(B) を内添していない第2樹脂
(R2)のみのフィラメントの延伸品を用いたときのNH3
脱臭率は約40%であり、「測定値−40%」が実質的
な脱臭率となる。
【0102】〈抗微生物試験〉水浸漬試験後の機能性繊
維製品につき、菌数減少率試験により黄色葡萄状球菌St
aphylococcus aureus ATCC 6538Pに対する抗細菌活性を
調べた。すなわち、滅菌試料に試験菌のブイヨン懸濁液
を注加し、密閉容器中で37℃で18時間培養後の生菌
数を計測し、植菌数に対する増減率を求めた。無加工布
は標準綿布を用いた。結果を下記および表5に示す。 ・植菌数Aは 1.0×105 、log A は 5.0 ・無加工布菌数Bは 1.6×107 、log B は 7.2 ・log B - log A = 2.2 > 1.5 (試験は有効) ・増減値 = log C - log A ・増減値差 = (log B - log A) - (log C - log A)
【0103】
【表5】
【0104】表5のように、成形例1〜3においては、
成形時の有効成分(B) のロスが少なく、また有効成分
(B) は水浸漬により失われがたい上、水浸漬後にあって
も消臭性および抗菌性が極めてすぐれている。
【0105】一方、単に樹脂に有効成分(B) を内添して
いる比較例1にあっては、外側層である鞘成分Y側にセ
ラミックス成分(C) を共存させていないので、成形例と
比較すると押出成形時に有効成分(B) のある程度の量が
揮散により失われており、かつ水浸漬後の機能性が不充
分であることがわかる。
【0106】〈対象材料(O) への複合体粒子の担持〉 〈材料の準備〉対象材料(基材)(O1)としてのポリエス
テル繊維糸(マルチフィラメント糸)に、先に述べた
「B2−Fタルク複合体」をポリウレタン系バインダーの
水溶液に添加混合した処理液中に浸漬し、ついで取り出
して乾燥した。
【0107】このような処理を行ったポリエステル繊維
糸から不織布を製造し、消臭性、抗微生物性を測定した
が、先の表1および表3とほぼ同様の効果が得られ、
「フッ素化セラミックス(CF)−有効成分(B) 複合体」で
ある「B2−Fタルク複合体」の良さがそのまま維持され
ていた。また、上記処理を行ったポリエステル繊維糸か
ら不織布を水に浸漬してから、消臭性、抗微生物性を測
定したが、水浸漬後も効果の低下はごく小さかった。
【0108】〈フッ素化セラミックス(CF)−有効成分
(B) 複合体の撥水性試験〉先の実施例1のフッ素化セラ
ミックス(CF)−有効成分(B) 複合体をボールミルにて乾
式粉砕して、325メッシュ(44μm )アンダーのも
のを準備した。これをアクリル系の樹脂に樹脂分に対し
5、10、20%(重量%)になるように配合して3種
の塗料を調製し、ファンヒーター用のファンに焼き付け
塗装した。比較のため、上記複合体を配合しない塗料を
用いて塗装した場合についても、焼き付け塗装を行っ
た。
【0109】このようにして得た塗装ファンを、その塗
装表面が水平になるようにセットし、その塗装表面に2
5℃の純水をマイクロピペットにて10μl の水滴とな
るように滴下した。
【0110】ファン表面にできた水滴を真横から観察で
きるように鏡を使って顕微鏡に写るようにセットし、塗
装表面と水滴との間にできた角度(接触角)を測定し
た。また、生成した水滴の大きさを測定し、高さ方向お
よび水平方向での水滴の最大直径を計測した。結果を表
6に示す。
【0111】
【表6】
【0112】表6から、フッ素化セラミックス(CF)−有
効成分(B) 複合体を配合した塗料にあっては、その塗膜
が撥水性を有すること、またその複合体の配合量が多い
ほど撥水性が上がり、複合体の配合量を20%にした試
験例4においては、接触角は90°を越えることがわか
る。
【0113】
【発明の効果】本発明の機能性材料は、少なくとも一部
がフッ素化セラミックス(CF)であるセラミックス成分
(C) と動植物由来の有効成分(B) との組成物を好ましく
は複合体の形態で用いたものである。本発明において
は、その有効成分(B) の防カビ性が従来の限界を越えて
一段と増強されている。加えて、撥水性も得られるよう
になる。なお、本発明の機能性材料はこのように撥水性
を有することと、有効成分(B) がセラミックス成分(C)
により固定されていることから、本発明の機能性材料を
水と接触するような使い方をしたときにも有効成分(B)
が容易には失われない。そのほか、作用の項で述べたよ
うに、防汚効果、フッ素基またはフッ素イオンに基く効
果など、他の効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】有効成分(B) であるカテキン(茶カテキン70
%品)(B1)のFT/IRである。
【図2】有効成分(B) であるカテキン(茶カテキン30
%品)(B2)のFT/IRである。
【図3】図1のカテキン(B1)を用いて実施例1により製
造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」のF
T/IRである。
【図4】図2のカテキン(B2)を用いて実施例2により製
造した「合成マイカ−有効成分(B) 複合体」のFT/I
Rである。
【図5】図1のカテキン(B1)を用いて実施例1により製
造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」のX
線回折チャートである。
【図6】図2のカテキン(B2)を用いて実施例2により製
造した「合成マイカ−有効成分(B) 複合体」のX線回折
チャートである。
【図7】図1のカテキン(B1)を用いて実施例1により製
造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」の熱
分析チャートである。
【図8】図1のカテキン(B2)を用いて実施例2により製
造した「タルクフッ素化物−有効成分(B) 複合体」の熱
分析チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/14 C09D 201/00 201/00 C04B 35/00 U (72)発明者 吉田 貴美 静岡県浜松市龍禅寺町536番地 Fターム(参考) 4G030 AA07 AA37 BA32 GA35 HA08 4H011 AA02 BA01 BB03 BB08 BB22 BC18 DA02 DF03 4J038 BA012 EA011 HA456 HA536 HA546 HA566 NA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部がフッ素化セラミックス(C
    F)であるセラミックス成分(C) と、抗微生物性を有する
    動植物由来の有効成分(B) との組成物からなる機能性材
    料。
  2. 【請求項2】フッ素化セラミックス(CF)と動植物由来の
    有効成分(B) とが、複合体の形態にある請求項1記載の
    機能性材料。
  3. 【請求項3】フッ素化セラミックス(CF)が、タルクのフ
    ッ素化物またはF基を有する合成マイカである請求項1
    または2記載の機能性材料。
  4. 【請求項4】動植物由来の有効成分(B) が、カテキン、
    サポニン、茶抽出物、茶粉末、タンニン(酸)、キチン
    およびキトサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種
    の成分である請求項1または2記載の機能性材料。
  5. 【請求項5】対象材料(O) の内部または/および表面
    に、少なくとも一部がフッ素化セラミックス(CF)である
    セラミックス成分(C) と、抗微生物性を有する動植物由
    来の有効成分(B) とが、含有または/および担持されて
    いることを特徴とする機能性材料。
  6. 【請求項6】少なくとも一部がフッ素化セラミックス(C
    F)であるセラミックス成分(C) と、動植物由来の有効成
    分(B) とが、組成物の形態で対象材料(O) の表面または
    /および内部に担持されている請求項5記載の機能性材
    料。
  7. 【請求項7】対象材料(O) が、基材(O1)またはコーティ
    ング組成物(O2)である請求項5記載の機能性材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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