JP6390376B2 - 粘着剤および粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、不揮発分濃度が高い溶剤型粘着剤に関する。
粘着剤は、粘着ラベルや粘着テープに使用するため広く使用されている。粘着剤は、溶剤型粘着剤と水性粘着剤が一般的であり、価格が安い水性粘着剤の需要が増えている。一方、溶剤型粘着剤は、水性粘着剤よりも価格が高いが耐水性や耐熱性など水性粘着剤では性能が不足する用途で広く使用されている。しかし、溶剤粘着剤もコストダウンの要求が強く、溶剤型粘着剤の不揮発分を高めることで有機溶剤分を減らして、粘着剤を塗工する際の溶剤を揮発させる熱エネルギーを抑制する方法、塗工速度を速めて粘着テープの生産コストを抑制する方法等粘着テープとしてコストダウンを行う方法が行なわれている。
ところが溶剤型粘着剤が含む有機溶剤の量を単純に減らすと相対的に樹脂濃度が高くなるため粘着剤の粘度が上昇する。これにより粘着剤の流動性が低下し粘着テープの粘着剤層表面が不均一になることで被着体との密着性が低下することで、粘着テープの性能が低下する塗工性の問題があった。
そこで特許文献1には、重量平均分子量5万〜30万のアクリル系重合体と、60℃における酢酸ビニルの有機溶剤への連鎖移動定数が250以上となる有機溶剤(B)を含有した固形分濃度が60%以上で粘度が20,000mPa・s/25℃以下の粘着剤が開示されている。
また、特許文献2には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル 60〜96質量%、ヒドロキシ(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0.01〜5質量%、カルボン酸ビニルエステル 3〜30質量%、ビニル基含有酸無水物 0.1〜10質量%を共重合した重量平均分子量35万以下のアクリル系重合体と、イソシアネート系架橋剤を含有する粘着剤が開示されている。
特開2011−246700号公報 特開2011−63639号公報
しかし、特許文献1の粘着剤は、アクリル系重合体の重量平均分子量が低いためある程度の塗工性は得られたが、反面、高温雰囲気で粘着テープを使用すると、粘着剤層が凝集破壊して粘着テープが剥がれる耐熱性の問題があった。また、特許文献2の粘着剤は、相溶性が悪いモノマー同士がそれぞれ共重合して、重量平均分子量35万以下のポリマーと重量平均分子量5万以下のポリマーが共存しているため、粘度が低いためある程度の塗工性およびある程度の常温粘着力が得られたが高温雰囲気での凝集力が低い耐熱性の問題があった。
本発明は、高不揮発分、高分子量でありながら良好な塗工性、および耐熱性を有する粘着剤の提供を目的とする。
本発明の粘着剤は、モノマーを含む混合物を溶液重合してなるアクリル系重合体、粘着付与樹脂、硬化剤、および有機溶剤を含み、
前記モノマーを含む混合物が、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルを含み、
前記アクリル系重合体が重量平均分子量40万〜100万であり、
25℃における粘度が2000〜20000mPa・s、かつ不揮発分が55〜75重量%である。
上記粘着剤は、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマー混合物を共重合したアクリル系重合体を含み、所定の不揮発分、所定の重量平均分子量であることで塗工に適した粘度が得られたため、良好な塗工性と良好な耐熱性が得られた。
本発明により、高不揮発分、高分子量でありながら良好な塗工性、および耐熱性を有する粘着剤の提供を提供できる。
本発明を詳細に説明する前に用語を定義する。シート、フィルムおよびテープは同義語である。(メタ)アクリル酸は、アクリル酸およびメタクリル酸を含む。(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートを含む。モノマーはエチレン性不飽和二重結合含有単量体である。被着体は、粘着テープを貼り付ける相手方をいう。
本発明の粘着剤は、モノマーを含む混合物を溶液重合してなるアクリル系重合体、粘着付与樹脂、硬化剤、および有機溶剤を含み、
前記モノマーを含む混合物が、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルを含み、
前記アクリル系重合体が重量平均分子量40万〜100万であり、
25℃における粘度が2000〜20000mPa・s、かつ不揮発分が55〜75重量%である。
本発明の粘着剤は、従来の高不揮発分・低粘度の粘着剤では得られなかった良好な塗工性と良好な耐熱性を実現できる。さらに本発明の粘着剤は、塗工することで粘着剤層を形成した、基材を備えた粘着テープに加工して使用することが好ましい。なお、本発明の粘着剤は、粘着テープだけでなく、いわゆる「糊」のようにそのままの液体で使用することを妨げるものではない。
本発明においてアクリル系重合体は、モノマーを含む混合物を溶液重合して得る。モノマーを含む混合物とは、モノマーだけではなく、重合開始剤、有機溶剤、連鎖移動効果を有する化合物(例えば有機溶剤、粘着付与樹脂、連載移動剤)等を含めて溶液重合の場に存在する化合物全体を示している。そのためモノマーを含む混合物には、ラジカル重合しない化合物を含む。
本発明においてアクリル系重合体の重量平均分子量は40万〜100万である。重量平均分子量が40万〜100万であることで耐熱性と低粘度を両立できる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算による分子量である。なお、重量平均分子量は50万〜90万がより好ましく、60万〜80万がさらに好ましい。
本発明においてモノマーは、(メタ)アクリル系モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、芳香族含有モノマー、脂環式炭化水素基を有するモノマー、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシエステル、酸性基含有モノマー、水酸基含有モノマー等が好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、公知の化合物を使用でき、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレート(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート)、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。なお、(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸アルコキシエステルを含まない。
アミド基含有モノマーとしては、公知の化合物を使用でき例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、公知の化合物を使用でき例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、公知の化合物を使用でき例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
芳香族含有モノマーとしては、公知の化合物を使用でき例えば、フェニルアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有するモノマーとしては、公知の化合物を使用でき例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
ビニルエステルとしては、公知の化合物を使用でき、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルコキシエステルとしては、公知の化合物を使用でき、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル等が挙げられる。
酸性基含有モノマーとしては、公知の化合物を使用でき、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリル酸がより好ましい。
酸性基含有モノマーは、モノマー全量100重量%のうち2〜8重量%を含むことが好ましく、2.5〜8重量%がより好ましく、3〜8重量%がさらに好ましい。酸性基含有単量体を上記の割合で含むことで凝集力が向上するため耐熱性が得やすい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
水酸基含有モノマーは、モノマー全量100重量%のうち0.05〜1重量%含むことが好ましい。0.1〜0.7重量%がより好ましく、0.2〜0.5重量%がさらに好ましい。
モノマーは、2種類以上使用することが好ましい。
本発明においてモノマーは、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートを含むこと必要である。炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートを含むことで、得られる粘着剤は、比較的高い凝集力が得られるため、高分子量・高不揮発分でありがら良好な耐熱性を得易くなる。炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートは、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートである。
炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートは、モノマー全量100重量%のうち1〜7.5重量%を含むことが好ましく、2〜7.5重量%がより好ましく、3〜7.5重量%がさらに好ましい。
また、本発明においてモノマーは、2−エチルヘキシルアクリレートを含むことが好ましい。2−エチルヘキシルアクリレートを含むことでアクリル系重合体の分子量アップに寄与しつつ、粘着剤の凝集力保持および粘着剤の低粘度による良好な塗工性が得易くなる。
2−エチルヘキシルアクリレートは、モノマー全量100重量%のうち30〜90重量%含むことが好ましく、40〜80重量%がより好ましく、45〜60重量%がさらに好ましい。2−エチルヘキシルアクリレートを30〜90重量%含むことで、アクリル系重合体の分子量アップに寄与しつつ、粘着剤の凝集力を保持し易くなり、さらに粘着剤の粘度を低くできることで良好な塗工性が得易くなる。
本発明においてモノマーを含む混合物は、60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数が250以上の化合物(以下、連鎖移動化合物ともいう)を含むことが好ましい。
連鎖移動化合物を含むモノマー混合物を共重合するとアクリル系重合体の分子量の調節が容易になる。これにより高分子量かつ低粘度のアクリル系重合体が得易くなるため、粘着剤の塗工性がより向上する。なお、連鎖移動定数は、300以上がより好ましく、400以上がさらに好ましい。一方、連鎖移動定数の上限は、使用量を減らせば少量で分子量を調節できるため限定する必要は少ないが1000程度である。なお、分子量は、特に断りが無ければ重量平均分子量である。
連鎖移動化合物は、ケトン、チオール、粘着付与樹脂等が好ましい。
ケトンは、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ヘキサノン、シクロヘキサノンメチルエチルケトン等の公知の化合物が挙げられる。これらの中でもメチルエチルケトン(MEK)が好ましい。なお、60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数は、メチルエチルケトンが738、トルエンが208.9、アセトンが117、酢酸エチルが33である。これらの数値は、J.brandrup,E.H.Immergut編“Polymer Handbook”,p.II−91,Interscience(1975年)
に基づく数値である。
チオールは、例えばメルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等の公知の化合物が挙げられる。これらの中でもチオグリコール酸オクチルが好ましい。
粘着付与樹脂は、例えばロジン系樹脂、重合ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。
連鎖移動化合物は、単独または2種類以上併用できる。
連鎖移動化合物にケトンを使用する場合、溶液重合の際に存在する有機溶媒100重量%のうち5〜45重量%を用いることが好ましく、10〜40重量%がより好ましく、15〜35重量%がさらに好ましい。また、全モノマー100重量部に対しては、10〜45重量部を用いることが好ましく、15〜35重量部がより好ましく、20〜30重量部がさらに好ましい。
連鎖移動化合物にチオールを使用する場合、全モノマー100重量部に対して0.01〜3重量部を用いることが好ましく、0.01〜2重量部がより好ましく、0.01〜1重量部がさらに好ましい。
連鎖移動化合物に粘着付与樹脂を使用する場合、全モノマー100重量部に対して0.1〜10重量部を用いることが好ましく、0.1〜7重量部がより好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。
本発明で使用する60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数Cとは、60℃で酢酸ビニルモノマーを重合させる際に、酢酸ビニルの生長末端ラジカルの酢酸ビニルと化合物への反応速度定数をそれぞれkp、ktrとした時に、下記式で計算した数値である。
(数式1) C=(ktr/kp)×10
また、連鎖移動化合物を2種類以上使用する場合、連鎖移動定数Cは平均連鎖移動定数で表す。平均連鎖移動定数は、下記数式2で計算できる。
n種類の化合物(X1、X2、・・・Xnを)用いる際に、各化合物の連鎖移動定数をA1、A2・・・An、各化合物の含有割合(重量%)をB1、B2・・・Bnとすると、下記数式2で計算できる。
(数式2) 平均連鎖移動定数=A1×(B1/100)+A2×(B2/100)+
・・・+An×(Bn/100)
本発明において溶液重合にはラジカル重合可能な重合開始剤を使用する。重合開始剤は、アゾ化合物、過酸化物等が好ましい。
アゾ化合物は、例えば2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
過酸化物は、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好ましい。
重合開始剤は、単独または2種類以上併用できる。
重合開始剤は、全モノマー100重量部に対して0.03〜1.5重量部用いることが好ましく、0.05〜0.01重量部がより好ましい。重合開始剤を0.03〜1.5重量部用いることで所望の重合平均分子量が得やすく、粘着性能を調整し易くなる。
溶液重合の温度は、適宜調整できるが一般的に70〜100℃程度である。
本発明においてアクリル系重合体の分子量分散度は3.5〜12であることが好ましく、3.5〜10がより好ましく、3.5〜8がさらに好ましい。分子量分散度は3.5〜12であることで、塗工性と耐熱性を両立し易くなる。なお、分子量分散度は、重量平均分子量を数平均分子量で除算した数値である。
本発明の粘着剤は、さらに粘着付与樹脂、硬化剤、有機溶剤を含む。
本発明において粘着付与樹脂は、溶液重合の際に使用することができるし、アクリル系重合体を得た後、配合することも出来る。溶液重合の後配合する場合は、粘着剤の粘着力をより向上させることができる。粘着付与樹脂は、軟化点80℃以上が好ましく、90℃以上が好ましく、100℃以上がさらに好ましい。また、軟化点の上限は、170℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、155℃以下がさらに好ましい。粘着付与樹脂の軟化点が80〜170℃であることで粘着力と耐熱性を高いレベルで両立し易くなる。なお、軟化点は、JIS K5902に規定されている乾球法にしたがって測定した軟化温度である。
粘着付与樹脂は、例えば、ロジン系樹脂、重合ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。これらの中でもアクリル系重合体との相溶性が良く粘着性能がより向上できる点から、ロジン系樹脂、重合ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂および重合ロジンエステル系樹脂が好ましく、ロジンエステル系樹脂および重合ロジンエステル系樹脂がより好ましい。
粘着付与樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
粘着付与樹脂の使用量は、アクリル系重合体100重量部に対して10〜40重量部用いることが好ましく、15〜35重量部がより好ましい。粘着付与樹脂を10〜40重量部用いると粘着力と凝集力をより高いレベルで両立することができるため耐熱性が得やすい。
本発明において硬化剤は、アクリル系重合体の反応性官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基等)と反応可能な官能基を複数有する化合物である。硬化剤は、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、アジリジン硬化剤、金属キレート等が好ましい。
イソシアネート硬化剤は、ジイソシアネートおよびジイソシアネートを変性した3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが好ましい。
ジイソシアネートは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の公知の化合物が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えばブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等の公知の化合物が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4'−ジイソシアネート、1,3ービス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の公知の化合物が挙げられる。
ポリイソシアネートは、ジイソシアネートを3官能ポリオール成分で変性したいわゆるアダクト体、ジイソシアネートが水と反応したビュレット体、ジイソシアネートの3分子から形成されるイソシアヌレート環を有する3量体(イソシアヌレート体)を使用することができる。
ポリイソシアネートは、例えば、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体の公知の化合物が挙げられる。
エポキシ硬化剤は、例えば1,3−ビス(N,N'−ジグリシジジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等の公知の化合物が挙げられる。
アジリジン硬化剤は、例えばジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカーボキサミド)、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカーボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリス−1−(2−メチルアジリジン)フォスフィン、トリメチロールプロパントリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等の公知の化合物が挙げられる。
金属キレートのうち金属は、例えばアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉄、スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミニウムキレート化合物が好ましい。
アルミニウムキレート化合物は、例えばジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート等の公知化合物が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上併用できる
硬化剤は、アクリル系重合体100重量部に対して、1〜10重量部用いることが好ましく、1.5〜7.5重量部がより好ましい。硬化剤を1〜10重量部用いることで凝集力および耐熱性をより向上できる。
本発明において有機溶剤は、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコール、ケトン等が好ましい。
脂肪族炭化水素は、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン等の公知の化合物が挙げられる。
脂環族炭化水素は、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン、α−ピネン、ターピノーレン、リモネン等の公知の化合物が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベントナフサ等の公知の化合物が挙げられる。
エステルは、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等の公知の化合物が挙げられる。
アルコールは、例えばn−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の公知の化合物が挙げられる。
ケトンは、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の公知の化合物が挙げられる。
本発明の粘着剤は、さらに任意成分として難燃助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、ワックス、乳剤、磁性体、誘電特性調整剤を含むことができる。
本発明の粘着剤は、これまで説明したアクリル系重合体、粘着付与樹脂、硬化剤、および有機溶剤を含むため不揮発分を55〜75重量%に調整したときに、25℃における粘度が2000〜20000mPa・sにできる。これらの不揮発分および粘度を満たした粘着剤は、塗工性が良好である。なお、粘度は、25℃雰囲気下、BL型粘度計を使用して、#3ローター、回転数12rpmで回転開始1分後に測定した粘度である。また不揮発分は、55〜70重量%がより好ましく、55〜65重量%がさらに好ましい。また、粘度は、2000〜15000mPa・sがより好ましく、2000〜10000mPa・sがさらに好ましい。
本発明の粘着シートは、基材、および粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えている。
粘着剤層は、基材上に粘着剤を塗工して形成する方法。または、剥離シート上に粘着剤を塗工して形成した粘着剤層を基材に転写する方法が一般的である。なお、粘着剤層の基材と接しない面には剥離シートを貼り合わせて保管するのが通常である。
基材は、紙、プラスチック、布が好ましい。また基材の形態は、シート状、板状、発泡体が好ましい。
基材の素材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、セロファン等のプラスチック、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙、織布、不織布等の布、エチレンプロピレンジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム等のゴム、表皮等が挙げられる。
基材の厚さは、通常25〜10000μm程度である。
粘着剤の塗工方法は、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ロールナイフコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の公知の塗工方法を使用できる。また塗工に際して、乾燥工程を行うことも好ましい。乾燥工程は、熱風オーブン、電気オーブン、赤外線ヒーター等の公知の装置を使用できる。
粘着剤層の厚さは、コストと粘着性能のバランスを考慮すると通常20〜300μm程度であり、20〜100μm程度がより好ましい。
本発明の粘着シートは、粘着剤層のゲル分率が10〜70重量%であることが好ましく、20〜50重量%がより好ましく、30〜40重量%がさらに好ましい。である。ゲル分率が10〜70重量%であることで耐熱性が得やすい。
なお、本発明におけるゲル分率は、以下の(1)〜(7)の手順で測定する。
(1)PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に粘着剤層が形成された粘着シートを用意する。粘着剤層の厚みは50μmとする。
(2)金網を用意し、秤量する。この重量をW1とする。
(3)粘着シートを金網に貼り付け、全体の重量を秤量する。この重量をW2とする。
(4)酢酸エチル中に浸漬し、密栓して、50℃雰囲気下に24時間放置する。
(5)取り出して、100℃雰囲気下で20分間乾燥後、秤量する。この重量をW3とする。
(6)金網をはずし、さらにPETフィルムから粘着剤層を除去して、PETフィルムの重量を秤量する。この重量をW4とする。
(7)下記数式3により、ゲル分率を算出する。
(数式3) ゲル分率(%)=(W3−W1−W4)/(W2−W1−W4)×100
本発明の粘着シートは、例えば車両の天板、床、内外装パネルの固定用、車両塗装や表面処理のマスキング用、出荷時の製品保護用、建築物の内外装部材固定用、コンクリートの養生保護用、家電製品の部材固定用、自動販売機の広告ステッカー用、LCDのスピーカーネット、ベゼル、化粧板の固定用、包装用、結束用、仮固定用等、様々な用途に使用できる。
以下に、実施例をもって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例で「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるのは「重量%」を意味する。
「実施例1」
攪拌器、温度計、滴下管、還流冷却器を備えた重合装置を用い、ブチルアクリレート41部、2−エチルヘキシルアクリレート50部、メチルアクリレート3.0部、アクリル酸5.0部、メタクリルアミド0.5部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.5部、メチルエチルケトン25部、酢酸エチル41.7部、ベンゾイルパーオキシド0.1部を配合した原料混合物の半分を窒素雰囲気下、反応槽に仕込んだ。別途、滴下層に原料混合物の残りの半分を仕込んだ。次いで反応槽の加熱を開始した。重合反応開始を確認した後、滴下管から原料混合物を1時間かけて滴下し、さらに還流下で7時間溶液重合を継続した。反応終了後、冷却し、不揮発分60%のアクリル系重合体溶液を得た。得られたアクリル系重合体溶液は、重量平均分子量70万、分子量分散度5.5であった。さらにアクリル系重合体溶液の不揮発分100部に対して粘着付与樹脂(荒川化学社製ペンセルD−125)40.0部、希釈溶剤として酢酸エチル26.3部、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(不揮発分37.5%)を1部添加し、充分攪拌後、粘着剤を得た。この粘着剤の不揮発分は60%、粘度は8500mPa・sであった。
「実施例2〜18」
実施例1の原料および配合量を表1および表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同様に行うことでそれぞれ実施例2〜18の粘着剤を得た。
ただし、実施例2、7、11および14は参考例である。
「比較例1」
攪拌器、温度計、滴下管、還流冷却器を備えた重合装置を用い、ブチルアクリレート82部、2−エチルヘキシルアクリレート5部、イソブチルアクリレート13部、メチルエチルケトン20部、酢酸エチル33.8部、ベンゾイルパーオキシド0.1部を配合した原料混合物の半分を窒素雰囲気下、反応槽に仕込んだ。別途、滴下層に原料混合物の残りの半分を仕込んだ。そして反応槽の加熱を開始した。重合反応開始を確認した後、滴下管から原料混合物を1時間かけて滴下し、さらに還流下で7時間溶液重合を継続した。反応終了後、冷却し、不揮発分65%のアクリル系重合体溶液を得た。得られたアクリル系重合体溶液は、重量平均分子量90万、分子量分散度4.0であった。アクリル系重合体溶液の不揮発分100部に対して粘着付与樹脂(ペンセルD−135)30.0部、希釈溶剤として酢酸エチル14.5部、ヘキサメチレンジイソシアネ−トのアロファネート体の酢酸エチル溶液(不揮発分30.0%)を3部添加し、充分攪拌後、粘着剤を得た。この粘着剤の不揮発分は65%、粘度は24000mPa・sであった。
「比較例2〜3」
比較例1の原料および配合量を表2に示す通りに変更した以外は比較例1と同様に行うことでそれぞれ比較例2〜3の粘着剤を得た。なお比較例2は、溶液重合の際ゲル化したため、下記評価が出来なかった。
<不揮発分>
不揮発分は、電気オーブンで150℃―20分後の乾燥前後の重量比から求めた。
<粘度>
粘度は、25℃において、BL型粘度計により#3ローターを用いて12rpmで回転開始1分後に測定した値である。
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、GPCを使用して以下の条件で求めた。
GPC装置:SHIMADZU Prominence 型番LC−20AD(島津製作所社製)
カラム:TOSOH TSK−GEL GMHXL 7.8*300(東ソー社製)を2本使用
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.2wt%
試料注入量:100μl
検出器:Refractive Index (波長254nm)、型番RID−10A
<塗工性>
塗工性は、粘着剤をコンマコーターを使用して塗工速度30m/min、乾燥厚さが50μmになるように塗工して形成した粘着剤層の表面を下記基準で目視観察して評価した。
○:表面が平滑な塗工面が得られた。良好
×:塗工面にロールスジやハジキが発生した。実用不可
[粘着シートの作成]
得られた粘着剤を市販の剥離シートにコンマコーターを使用して乾燥厚みが50μmになるよう塗工し、電気オーブンで100℃−2分間乾燥し、溶剤を除去した後に、粘着剤層に厚さ50μmのポリエスチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせて粘着シートを得た。これを23℃−50%RH雰囲気の恒温恒湿室にて、7日間養生し硬化を完了させた上で、以下に示す物性を評価した。
<粘着力>
得られた粘着シートを幅25mm・長さ100mmの大きさに切り取り試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下、JIS Z 0237に準拠して、試料から剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層を研磨したステンレス(SUS)板に貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、引張試験機を使用して貼着24時間後に剥離速度300mm/min、剥離角度180°の条件で粘着力(N/25mm)を測定した。
<保持力>
得られた粘着シートを幅25mm・長さ100mmの大きさに切り取り試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下、JIS Z 0237に準拠して、試料から剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層の先端部幅25mm・長さ25mm部分を研磨したステンレス(SUS)板に貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、80℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒保持した。評価は、SUS板から試料が落下した場合はその秒数を示す。試料が落下しなかった場合は、粘着剤層とSUS板の接着先端部が、荷重により下にずれたmm数を示す。評価基準を以下に示す。
◎:試料のずれが2mm未満 優れている
○:試料のずれが2mm以上5mm未満 良好
△:試料のずれが5mm以上で落下しなかった 実用上問題なし
×:試料が落下した 実用不可
<定荷重剥離>
得られた粘着シートを幅25mm・長さ100mmの大きさに切り取り試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下、JIS K 6859に準拠して、試料から剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層の先端部の幅25mm・長さ50mm部分を研磨したSUS板に25mm×50mmの面積で粘着剤層を貼付し、2kgロールで1往復圧着、80℃雰囲気下で20分間放置を行い、直後に100gの荷重をかけて、同雰囲気下2時間加熱経時させた。試験開始から試料がSUS板から剥がれた距離を下記の基準で評価した。
◎:試料の剥がれが1mm未満 優れている
○:試料の剥がれが1mm以上、2mm未満 良好
△:試料の剥がれが2mm以上で落下しなかった。 実用上問題なし
×:試料が落下した 実用不可
別途、被着体をSUS板からポリプロピレン(PP)板に換えた以外は上記同様に行うことで定荷重剥離を測定した。
Figure 0006390376
Figure 0006390376
表1、表2中の略号の意味は以下のとおりである。
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
IBA:イソブチルアクリレート
IBMA:イソブチルメタクリレート
MA:メチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
EA:エチルアクリレート
Vac:酢酸ビニル
AA:アクリル酸
AAm:アクリルアミド
MAAm:メタクリルアミド
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
MEK:メチルエチルケトン
TDI−TMP溶液:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(不揮発分37.5%)
HDI−アロファネート溶液:ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(不揮発分30.0%)
表1および表2の結果から実施例1〜18の粘着剤は、いずれも良好な塗工性と耐熱性が優れている。なお耐熱性は、保持力および定荷重剥離の結果から判定した。

Claims (8)

  1. モノマーを含む混合物を溶液重合してなるアクリル系重合体、粘着付与樹脂、硬化剤、および有機溶剤を含み、
    前記モノマーを含む混合物が、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートと、水酸基含有モノマーと、60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数が250以上の化合物とを含み、
    前記モノマー100重量%中、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートは1〜7.5重量%、水酸基含有モノマーは0.05〜1重量%であって、
    前記60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数が250以上の化合物はメチルエチルケトンであって、
    前記アクリル系重合体が重量平均分子量40万〜100万であり、
    25℃における粘度が2000〜20000mPa・s、ゲル分率が10〜70重量%、かつ不揮発分が55〜75重量%である、粘着剤。
  2. 前記アクリル系重合体の分子量分散度が3.5〜12である、請求項1記載の粘着剤。
  3. 前記モノマー100重量%中、酸性基含有モノマーを2〜8重量%含む、請求項1または2記載の粘着剤。
  4. 前記モノマー100重量%中、2−エチルヘキシルアクリレートを30〜90重量%含む、請求項1〜3いずれか1項記載の粘着剤。
  5. 前記粘着付与樹脂の含有量は、アクリル系重合体100重量部に対して10〜40重量部である、請求項1〜4いずれか1項記載の粘着剤。
  6. 粘着力が23.0(N/25mm)以上である、請求項1〜5いずれか1項記載の粘着剤。
  7. 基材、および請求項1〜いずれか1項に記載の粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、粘着シート。
  8. アクリル系重合体、粘着付与樹脂、硬化剤、および有機溶剤を含む粘着剤の製造方法であって、
    炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートと、水酸基含有モノマーと、60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数が250以上の化合物とを含有するモノマーを含む混合物を溶液重合してアクリル系重合体を得る工程を備え、
    前記モノマー100重量%中、炭素数1〜2のアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートは1〜7.5重量%、水酸基含有モノマーは0.05〜1重量%であって、
    前記60℃における酢酸ビニルに対する連鎖移動定数が250以上の化合物はメチルエチルケトンであって、
    前記アクリル系重合体の重量平均分子量は40万〜100万であり、
    25℃における粘度が2000〜20000mPa・s、ゲル分率が10〜70重量%、かつ不揮発分が55〜75重量%である、粘着剤の製造方法。
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