本発明の樹脂発泡体用粘着剤は、樹脂発泡体に用いられる粘着剤であり、(メタ)アクリル系コポリマーと粘着付与剤と架橋剤を含有することを特徴とする。本発明において好適な樹脂発泡体用粘着剤としては、酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル系モノマーを含有し、酢酸ビニルの含有率が1〜10重量%であるモノマー成分を重合させてなる(メタ)アクリル系コポリマーと粘着付与剤と架橋剤を含有する粘着剤が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」は「アクリ」または「メタクリル」を意味する。
(メタ)アクリル系コポリマーの原料として用いられるモノマー成分における酢酸ビニルの含有率は、樹脂発泡体に対する粘着剤の接着性を向上させる観点から、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上であり、樹脂発泡体に対する粘着剤の初期接着性を向上させる観点から、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは7重量%以下、さらに一層好ましくは5重量%以下である。また、モノマー成分における(メタ)アクリル系モノマーの含有率は、樹脂発泡体に対する粘着剤の濡れ性および接着性を向上させる観点から、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは93重量%以上、さらに一層好ましくは95重量%以上であり、樹脂発泡体に対する粘着剤の接着性を向上させる観点から、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下である。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が4〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル系モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記モノマー成分には、粘着剤の凝集力を向上させる観点から、カルボキシル基含有モノマーを含有させてもよい。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸などのエチレン性二重結合を有するカルボン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボキシル基含有モノマーのなかでは、粘着剤の凝集力を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。モノマー成分におけるカルボキシル基含有モノマーの含有率は、粘着剤の凝集力を向上させる観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、樹脂発泡体に対する粘着剤の濡れ性を向上させ、接着性を向上させる観点から、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
モノマー成分には、架橋剤と架橋反応させることにより、粘着剤の凝集力を向上させる観点から、架橋剤と反応する官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーを含有させることが好ましい。架橋剤と反応する官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーのなかでは、粘着剤の凝集力を向上させる観点から、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。好適な水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの中では、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
モノマー成分における水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの含有率は、架橋剤との架橋反応を効率よく進行させ、粘着剤の耐熱性を向上させる観点から、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上であり、粘着剤の初期接着性および保持力を向上させる観点から、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
前記モノマー成分には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他のモノマーを含有させてもよい。他のモノマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環構造を有する(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル、アクリロニトリルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの他のモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明において、従来の発泡体加工用粘着剤よりも樹脂発泡体の材料破壊が生じるくらいに優れた接着性を有し、さらに粘着力、保持力(耐熱性)および耐反発性に総合的に優れた粘着剤を得る観点から、モノマー成分は、好ましくは酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸および水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを含有するモノマー成分、より好ましくは酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含有するモノマー成分である。この場合、モノマー成分における酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸および水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの各含有率は、それぞれ前記したとおりであるが、モノマー成分の全体の量が100重量%となるようにするために、当該モノマー成分における残部は、アルキル基の炭素数が4〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましく、アルキル基の炭素数が4〜12であるアクリル酸アルキルエステルを含有することがより好ましく、アルキル基の炭素数が4〜8であるアクリル酸アルキルエステルを含有することがさらに好ましく、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートを含有することがさらに一層好ましい。
モノマー成分におけるn−ブチルアクリレートの含有率は、樹脂発泡体に対する接着性を向上させる観点から、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上であり、粘着力、保持力(耐熱性)および耐反発性に総合的に優れた粘着剤を得る観点から、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。また、モノマー成分における2−エチルヘキシルアクリレートの含有率は、樹脂発泡体に対する接着性を向上させる観点から、好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、粘着力、保持力(耐熱性)および耐反発性に総合的に優れた粘着剤を得る観点から、好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下である。
モノマー成分には、必要により、連鎖移動剤を適量で用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、四塩化炭素、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタンなどのハロゲン置換アルカン;n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン;チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸ドデシルなどのモノチオグリコール酸アルキルなどのチオエステル;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;α−メチルスチレンダイマー、ターピノール、テルピネン、ジペンテンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
モノマー成分は、溶液重合法によって重合させることができる。その際には、溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン;ジメチルホルムアミドなどのアミドなどの有機溶媒が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒のなかでは、人体に対する影響を小さくする観点から、脂肪族炭化水素化合物、アルコール、エーテル、エステル、ケトンおよびアミドが好ましく、脂肪族炭化水素化合物およびエステルがより好ましく、n−ヘキサンおよび酢酸エチルがさらに好ましい。
溶媒の量は、重合条件、モノマー成分に用いられるモノマーの種類およびその組成などに応じて適宜決定すればよい。
モノマー成分を溶液重合法によって重合させる際には、重合率および生産効率を高める観点から、モノマー成分を溶媒に溶解させることによって得られたモノマー成分溶液を好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは50〜85℃の温度に加熱することが望ましい。モノマー成分の重合は、例えば、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。
なお、モノマー成分の重合は、モノマー成分溶液に重合開始剤を添加することによって行なうことができる。重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アゾ系重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔例えば、日本ヒドラジン工業(株)製、商品名:ABN−Eなど〕、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔例えば、日本ヒドラジン工業(株)製、商品名:ABN−Vなど〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
過酸化物系重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシオクトエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の量は、特に限定されないが、通常、モノマー成分100重量部あたり、好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.01〜10重量部である。
モノマー成分の重合時間は、重合温度、モノマー成分の種類およびその量などによって異なるので一概には決定することができないことから、これらに応じて適宜調整することが好ましいが、通常、0.5〜10時間程度である。
以上のようにしてモノマー成分を重合することにより、(メタ)アクリル系コポリマーを含有する反応溶液が得られる。得られた(メタ)アクリル系コポリマーの重量平均分子量(Mw)は、樹脂発泡体に対する粘着剤の接着性、粘着力および保持力に総合的に優れた粘着剤を得る観点から、好ましくは30万以上、より好ましくは35万以上、さらに好ましくは40万以上、さらに一層好ましくは45万以上、特に好ましくは50万以上である。(メタ)アクリル系コポリマーの重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、粘着剤の塗工性を向上させる観点から、好ましくは120万以下、より好ましくは110万以下、さらに好ましくは100万以下、さらに一層好ましくは90万以下、特に好ましくは80万以下である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル系コポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の測定装置として、東ソー(株)製、品番:HLC−8220GPC、分離カラム:東ソー(株)製、品番:TSKgel Super HZM−Mを用い、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製〕による換算値である。
(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度(Tg)は、樹脂発泡体に対する凝集力を向上させる観点から、好ましくは−65℃以上、より好ましくは−63℃以上であり、樹脂発泡体に対する粘着剤の濡れ性を向上させる観点から、好ましくは−45℃以下、より好ましくは−50℃以下である。
なお、本願明細書において、アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分に使用されているモノマーのホモポリマーのガラス転移温度を用いて、式:
1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100
〔式中、Wmはポリマーを構成するモノマー成分におけるモノマーmの含有率(質量%)、Tgmはモノマーmのホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度を意味する。
主要なホモポリマーのガラス転移温度(Tg)を示せば、例えば、ポリアクリル酸のガラス転移温度(Tg)は106℃、ポリメタクリル酸のガラス転移温度(Tg)は130℃、ポリアクリル酸メチルのガラス転移温度(Tg)は8℃、ポリアクリル酸エチルのガラス転移温度(Tg)は22℃、ポリアクリル酸n−ブチルのガラス転移温度(Tg)は−54℃、ポリアクリル酸2−エチルへキシルのガラス転移温度(Tg)は−70℃、ポリアクリル酸ヒドロキシエチルのガラス転移温度(Tg)は−15℃、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのガラス転移温度(Tg)は55℃、ポリアクリル酸4−ヒドロキシブチルのガラス転移温度(Tg)は−70℃、ポリメタクリル酸メチルのガラス転移温度(Tg)は105℃、ポリ酢酸ビニルのガラス転移温度(Tg)は32℃、ポリアクリロニトリルのガラス転移温度(Tg)は125℃、ポリスチレンのガラス転移温度(Tg)は100℃である。
(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は、当該(メタ)アクリル系コポリマーを調製する際に用いられるモノマーの種類およびその量を適宜調整することによって容易に調節することができる。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーを含有する反応溶液は、そのまま用いてもよく、あるいは必要により当該反応溶液に含まれている溶媒を除去することにより、(メタ)アクリル系コポリマーを単離してもよいが、生産効率を高める観点から、(メタ)アクリル系コポリマーを含有する反応溶液をそのまま用いることが好ましい。
次に、(メタ)アクリル系コポリマーまたは当該(メタ)アクリル系コポリマーを含有する反応溶液と粘着付与剤と架橋剤とを混合することにより、本発明の樹脂発泡体用粘着剤が得られる。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン系粘着付与剤、重合ロジン系粘着付与剤、ロジンエステル系粘着付与剤、重合ロジンエステル系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、テルペンフェノール系粘着付与剤、クマロン系粘着付与剤、クマロンインデン系粘着付与剤、スチレン樹脂系粘着付与剤、キシレン樹脂系粘着付与剤、フェノール樹脂系粘着付与剤、石油樹脂系粘着付与剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの粘着付与剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。粘着付与剤のなかでは、従来の発泡体加工用粘着剤よりも樹脂発泡体に対する接着性、粘着力、保持力(耐熱性)および耐反発性を向上させる観点から、ロジン系粘着付与剤、重合ロジン系粘着付与剤、ロジンエステル系粘着付与剤および重合ロジンエステル系粘着付与剤が好ましく、ロジンエステル系粘着付与剤および重合ロジンエステル系粘着付与剤がより好ましい。
粘着付与剤の軟化点〔JIS K5902に規定されている乾球法にしたがって測定された軟化点(軟化温度)〕は、本発明の粘着剤の保持力(耐熱性)を向上させる観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、当該粘着付与剤の軟化点の上限値は、特に限定されないが、通常、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは155℃以下である。
粘着付与剤は、商業的に容易に入手することができるものである。商業的に容易に入手することができる粘着付与剤としては、例えば、ハリマ化成(株)製、商品名:ハリエステターDS−90、ハリエステターDS−130、ハリエステターAD−130、荒川化学工業(株)製、商品名:スーパーエステルA−100、スーパーエステルA−115、スーパーエステルA−125などのロジンエステル系粘着付与剤、丸善油化商事(株)製、商品名:PEDR−120M、荒川化学工業(株)製、商品名:ペンセルD−125、ペンセルD−135、ペンセルD−160などの重合ロジンエステル系粘着付与剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
(メタ)アクリル系コポリマー100重量部あたりの粘着付与剤の量は、粘着剤の保持力(耐熱性)を向上させる観点から、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上であり、粘着剤の凝集力および保持力を高める観点から、好ましくは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下である。
架橋剤としては、アクリル系ポリマーが有する官能基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いることができる。架橋剤の例としては、ポリイソシアネート系架橋剤、多官能エポキシ化合物系架橋剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート系架橋剤としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、前記芳香族ポリイソシアネートの水素添加物などの脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの二量体または三量体、これらのポリイソシアネートとトリメチロールプロパンなどのポリオールとからなるアダクト体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのポリイソシアネート系架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート系架橋剤は、例えば、「コロネートL」、「コロネートL−55E」、「コロネートHX」、「コロネートHL」、「コロネートHL−S」、「コロネート2234」、「コロネート」および「アクアネート」は登録商標〕、「デスモジュールN3400」〔住友バイエルウレタン(株)(現バイエルA.G.社)製、「デスモジュール」は登録商標)、「デュラネートD−201」、「デュラネートTSE−100」、「デュラネートTSS−100」、「デュラネート24A−100」、「デュラネートE−405−80T」〔以上、旭化成ケミカルズ(株)製、「デュラネート」は登録商標〕、「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」、「MTERT−オレスターNP1200」〔以上、三井化学ポリウレタン(株)製、「タケネート」および「オレスター」は登録商標)などとして商業的に容易に入手することができる。これらのポリイソシアネートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
多官能エポキシ化合物系架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの多官能エポキシ化合物系架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。多官能エポキシ化合物系架橋剤のなかで工業的に入手しやすい架橋剤としては、例えば、三菱ガス化学(株)製、商品名:TETRAD−Cなどのアミノ基含有エポキシ硬化剤などが挙げられる。
架橋剤のなかでは、イソシアネート系架橋剤が好ましく、ポリイソシアネートの二量体、ポリイソシアネートの三量体、ポリイソシアネートの2官能プレポリマーおよびポリイソシアネートのアダクト体がより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート体(三量体)およびトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系コポリマー100重量部あたりの架橋剤の量は、架橋構造を形成させることによって粘着剤の保持力を向上させる観点から、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上であり、樹脂発泡体に対する粘着剤の粘着力およびタックを向上させるから、好ましくは5重量部以下、より好ましくは4重量部以下である。
(メタ)アクリル系コポリマーが有する官能基の合計量を1当量としたときの架橋剤の量は、架橋構造を形成させることによって粘着剤の保持力を向上させる観点および樹脂発泡体に対する粘着剤の粘着力およびタックを向上させる観点から、好ましくは0.1〜2当量、より好ましくは0.3〜1.5当量である。
また、本発明においては、架橋促進剤を適量で用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、2−エチルヘキサノエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサノエート鉄、2−エチルヘキサノエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラn−ブチル錫などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、本発明の樹脂発泡体用粘着剤には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要により、(メタ)アクリル系コポリマー以外のポリマーを含有させてもよい。また、本発明の粘着剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、充填剤、カチオン性帯電防止剤、アニオン性帯電防止剤、両性帯電防止剤、ノニオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、架橋促進剤、粘着付与剤、改質剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などの添加剤を含有させてもよい。
本発明の樹脂発泡体用粘着剤は、(メタ)アクリル系コポリマーまたはその溶液と粘着付与剤と架橋剤と必要により添加剤とを混合することによって容易に調製することができる。
本発明の樹脂発泡体用粘着剤における樹脂固形分含量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、塗工性を向上させる観点から、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。本発明の樹脂発泡体用粘着剤における樹脂固形分含量は、樹脂発泡体用粘着剤に含まれる溶媒量などを調整することによって調節することができる。溶媒としては、前記モノマー成分を重合させる際に用いられる溶媒と同様であればよい。
本発明の粘着テープは、樹脂発泡体用粘着剤からなる粘着層を有するものである。粘着テープの具体的な形態としては、両面テープおよび片面テープが挙げられる。粘着テープが片面テープである場合、樹脂発泡体用粘着剤を基材に塗布することによって粘着剤層が片面に形成された片面テープを製造することができる。また、粘着テープが両面テープである場合、樹脂発泡体用粘着剤を基材に直接塗布してもよく、あるいは離型紙などに塗布した後、形成された粘着剤層を基材へ転写させてもよい。このように基材上に樹脂発泡体用粘着剤層を形成させた後、乾燥させることにより、粘着剤層が形成された粘着テープを製造することができる。
なお、樹脂発泡体用粘着剤を基材に塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター、スロットダイコーター、リップコーター、ロールコーター、フローコーター、スプレーコーター、バーコーター、ディッピングなどの方法が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
基材上に形成された粘着剤層の表面には、例えば、離型紙を貼着してもよい。粘着剤層の表面に離型紙を貼着した場合には、粘着剤層を好適に保護することができる。離型紙は、粘着テープを使用するときに粘着剤層の表面から引き剥がされる。なお、シート状、テープ状などの形状を有する基材の片面に粘着剤層が形成されている場合には、この基材の粘着剤層が形成されていない面に離型剤を塗布し、離型剤層を形成しておけば、粘着剤層を内側にしてロール状に巻いたとき、粘着剤層が基材の離型剤層と接触するので、粘着剤層を保護することができる。
基材としては、例えば、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙などの紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セロファンなどの熱可塑性樹脂からなるフィルム;パルプ、レーヨン、マニラ麻、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエステルなどの樹脂からなる不織布、織布などの繊維質基材;エーテル系ポリウレタンフォーム、ポリエステル系ポリウレタンフォームなどのポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォームなどのポリオレフィン系フォーム、塩化ビニル樹脂フォーム、ポリスチレンフォームなどの樹脂フォーム;ネオプレン系ゴム製フォーム、クロロプレン系ゴム製フォーム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム製フォーム、ニトリルゴム製フォームなどのゴム系フォームなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。基材は、本発明の粘着テープの用途を考慮して、片面テープまたは両面テープに適するものを適宜選択することが好ましい。
本発明の樹脂発泡体用粘着剤を基材に塗布した後には乾燥させるが、その乾燥方法としては、例えば、熱風、遠赤外線照射などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の粘着シートにおける乾燥後の粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常、1μm〜200μm程度であることが好ましい。
本発明の粘着テープは、本発明の樹脂発泡体用粘着剤からなる粘着剤層が形成されているので、樹脂発泡体に貼り付けたとき、樹脂発泡体の材料破壊が生じるくらいに優れた粘着力を有し、保持力(耐熱性)および耐反発性に総合的に優れている。したがって、本発明の粘着テープは、例えば、基材の少なくとも一方の表面、すなわち基材の片面または両面に樹脂発泡体用粘着剤からなる粘着層を形成させてもよく、基材を用いずに本発明の樹脂発泡体用粘着剤のみからなる粘着テープなどとして好適に使用することができる。
本発明の粘着テープを適用する被着体として好適な樹脂発泡体としては、例えば、エーテル系ポリウレタンフォーム、ポリエステル系ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニル樹脂フォーム、ポリスチレンフォーム、ネオプレン系ゴム製フォーム、クロロプレン系ゴム製フォーム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム製フォーム、ニトリルゴム製フォームなどのゴム系フォームなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるもいのではない。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例3および実施例4は、参考例として扱われるものである。
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート60部(重量部、以下同じ)、2−エチルヘキシルアクリレート37部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部および酢酸ビニル2部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内部を窒素ガス置換し、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−59℃であり、その重量分子量を以下の方法で測定したところ、78万であった。
〔(メタ)アクリル系コポリマーの重量分子量の測定方法〕
(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液0.1g程度を秤量し、テトラヒドロフランで固形分濃度が約0.3重量%となるようにテトラヒドロフランで希釈し、分子量測定用サンプルを調製した。
次に、この分子量測定用サンプルをゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の測定装置〔東ソー(株)製、品番:HLC−8220GPC〕を用い、以下の測定条件で測定し、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製〕による換算値を重量平均分子量とした。
(測定条件)
・分離カラム:東ソー(株)製、品番:TSKgel Super HZM−M
・溶出溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:0.35mL/min
・注入量:10μL/回
・試料濃度:0.2重量%
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーの樹脂固形分100部あたりの重合ロジン系粘着付与剤[丸善油化商事(株)製、商品名:PEDR−120M、軟化点:123℃]の量が25部となるように、当該(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液と粘着付与剤とを均一な組成となるように混合することにより、樹脂溶液を得た。
前記で得られた樹脂溶液の樹脂固形分100部あたりの架橋剤〔日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネートL−55E〕の量が1.0部となるように樹脂溶液と架橋剤とを混合することにより、粘着剤(不揮発分含量:50.1重量%)を得た。
次に、前記で得られた粘着剤を剥離紙に乾燥後の粘着剤層の厚さが60μmとなるように均一に塗工し、80℃で5分間加熱乾燥させた。得られた粘着シートをレーヨン製不織布〔大王製紙(株)製、縦:20cm、横:30cm〕の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cm2(約0.4MPa)の圧力でラミネートし、不織布に粘着剤を含浸させた。その後、この不織布を40℃の雰囲気中で2日間養生することにより、両面テープを得た。この両面テープを用いて粘着剤の物性を以下の方法に基づいて調べた。その結果を表1に示す。
(1)粘着力および材破率
被着体として、サンドペーパー(#280)で研磨し、キシレンで十分に洗浄し、乾燥させたステンレス鋼(SUS304)板(表1中、「SUSP」と表記)、表面をイソプロピルアルコールで洗浄したポリプロピレン板(表1中、「PPP」と表記)、ポリウレタンフォーム〔イノアック(株)製、商品名:KCSフォーム〕(表1中、「PUF」と表記)、ポリエチレンフォーム〔富士ゴム工業(株)製、品番:P0030〕(表1中、「PEF」と表記)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム製フォーム〔イノアック(株)製、商品名:E−4385〕(表1中、「EPDF」と表記)に、前記で得られた両面テープの一方表面の剥離紙を剥がし、その粘着面にポリエステルフィルム(厚さ:25μm)を裏打ちした。その後、両面テープの他方表面の剥離紙を剥がし、前記被着体に両面テープを貼り付け、両面テープの上を質量が2kgのロールで1往復させることによって接着させ、試験片を作製した。
次に、前記で得られた各試験片を用い、両面テープを貼り付けて20分間経過後に180°剥離試験を行ない、粘着力を測定した。さらに、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム製フォームが用いられている試験片については、気温が23℃で相対湿度が65%の雰囲気中に試験片を24時間放置した後に180°剥離試験を行ない、粘着力を測定した。
材破率については、被着体が破壊された面の面積および剥離させた面の面積を測定し、式:
〔材破率〕=〔被着体が破壊された面の面積〕÷〔剥離させた面の面積〕×100
に基づいて材破率を求めた。
(2)保持力(耐熱性)
前記で得られた両面テープを縦25mm、横25mmとなるように裁断することにより、試験用テープを作製した。サンドペーパー(#280)で研磨し、キシレンで十分に洗浄し、乾燥させた平滑な表面を有するステンレス鋼(SUS304)板に、前記で得られた試験用テープの一方表面の剥離紙を剥がし、その粘着面を貼付した後、両面テープの他方表面の剥離紙を剥がし、その粘着面にポリエステルフィルム(厚さ:25μm)を裏打ちすることにより、試験片を作製した。
前記で得られた試験片の貼付け面を垂直方向に保持し、80℃の雰囲気中で質量1kgの荷重を試験片に加えて静置し、試験開始から24時間の間に試験片の落下があるかどうかを調べた。
(3)耐反発性
アルミニウム板(幅:20mm、長さ:180mm、厚さ:0.4mm)とポリスチレン板(幅:25mm、長さ:200mm、厚さ:3mm)とを両面テープを介して貼り合わせた試験片を、アルミニウム板が上部、ポリスチレン板が下部となるように配置し、屈曲幅が190mmとなるように試験片全体を屈曲させた状態で40℃の雰囲気中に24時間放置したときの試験片の両端部における両面テープの浮きの長さ(mm)を測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:浮きが0.5mm未満
○:浮きが0.5mm以上1mm未満
△:浮きが1mm以上2mm未満
×:浮きが2mm以上
実施例2
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート54部、2−エチルヘキシルアクリレート40部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部および酢酸ビニル5部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−57℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、72万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
実施例3
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート35部、2−エチルヘキシルアクリレート57部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部および酢酸ビニル7部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−58℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、70万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
実施例4
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート19部、2−エチルヘキシルアクリレート70部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部および酢酸ビニル10部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−59℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、62万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
実施例5
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート54部、2−エチルヘキシルアクリレート40部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部、酢酸ビニル5部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.04部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内部を窒素ガス置換し、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−57℃であり、その重量分子量を実施例1と同様の方法で測定したところ、55万であった。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーの樹脂固形分100部あたりの重合ロジン系粘着付与剤[丸善油化商事(株)製、商品名:PEDR−120M、軟化点:123℃]の量が25部となるように、当該(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液と粘着付与剤とを均一な組成となるように混合することにより、樹脂溶液を得た。
前記で得られた樹脂溶液の樹脂固形分100部あたりの架橋剤〔日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネートL−55E〕の量が1.0部となるように樹脂溶液と架橋剤とを混合することにより、粘着剤(不揮発分含量:50.1重量%)を得た。
次に、前記で得られた粘着剤を剥離紙に乾燥後の粘着剤層の厚さが60μmとなるように均一に塗工し、80℃で5分間加熱乾燥させた。得られた粘着シートをレーヨン製不織布〔大王製紙(株)製、縦:20cm、横:30cm〕の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cm2(約0.4MPa)の圧力でラミネートし、不織布に粘着剤を含浸させた。その後、この不織布を40℃の雰囲気中で2日間養生することにより、両面テープを得た。この両面テープを用い、実施例1と同様にして粘着剤の物性を調べた。その結果を表1に示す。
実施例6
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート54部、2−エチルヘキシルアクリレート40部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部、酢酸ビニル5部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.07部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内部を窒素ガス置換し、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−57℃であり、その重量分子量を実施例1と同様の方法で測定したところ、46万であった。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーの樹脂固形分100部あたりの重合ロジン系粘着付与剤[丸善油化商事(株)製、商品名:PEDR−120M、軟化点:123℃]の量が25部となるように、当該(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液と粘着付与剤とを均一な組成となるように混合することにより、樹脂溶液を得た。
前記で得られた樹脂溶液の樹脂固形分100部あたりの架橋剤〔日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネートL−55E〕の量が1.0部となるように樹脂溶液と架橋剤とを混合することにより、粘着剤(不揮発分含量:50.1重量%)を得た。
次に、前記で得られた粘着剤を剥離紙に乾燥後の粘着剤層の厚さが60μmとなるように均一に塗工し、80℃で5分間加熱乾燥させた。得られた粘着シートをレーヨン製不織布〔大王製紙(株)製、縦:20cm、横:30cm〕の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cm2(約0.4MPa)の圧力でラミネートし、不織布に粘着剤を含浸させた。その後、この不織布を40℃の雰囲気中で2日間養生することにより、両面テープを得た。この両面テープを用い、実施例1と同様にして粘着剤の物性を調べた。その結果を表1に示す。
実施例7
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート54部、2−エチルヘキシルアクリレート40部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部、酢酸ビニル5部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.08部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内部を窒素ガス置換し、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−57℃であり、その重量分子量を実施例1と同様の方法で測定したところ、38万であった。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーの樹脂固形分100部あたりの重合ロジン系粘着付与剤[丸善油化商事(株)製、商品名:PEDR−120M、軟化点:123℃]の量が25部となるように、当該(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液と粘着付与剤とを均一な組成となるように混合することにより、樹脂溶液を得た。
前記で得られた樹脂溶液の樹脂固形分100部あたりの架橋剤〔日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネートL−55E〕の量が1.5部となるように樹脂溶液と架橋剤とを混合することにより、粘着剤(不揮発分含量:50.1重量%)を得た。
次に、前記で得られた粘着剤を剥離紙に乾燥後の粘着剤層の厚さが60μmとなるように均一に塗工し、80℃で5分間加熱乾燥させた。得られた粘着シートをレーヨン製不織布〔大王製紙(株)製、縦:20cm、横:30cm〕の両面に転写し、80℃の熱ロールで4kgf/cm2(約0.4MPa)の圧力でラミネートし、不織布に粘着剤を含浸させた。その後、この不織布を40℃の雰囲気中で2日間養生することにより、両面テープを得た。この両面テープを用い、実施例1と同様にして粘着剤の物性を調べた。その結果を表1に示す。
比較例1
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート14部、2−エチルヘキシルアクリレート70部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.3部および酢酸ビニル15部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−56℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、80万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
比較例2
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート48部、2−エチルヘキシルアクリレート46部、アクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部およびメチルアクリレート5部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−59℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、70万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
比較例3
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート40部、2−エチルヘキシルアクリレート59部、アクリル酸1部および2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−63℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、73万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
比較例4
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート77部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部および酢酸ビニル12部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−62℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、77万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
比較例5
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート98.8部、アクリル酸1.0部および2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−53℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、60万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
比較例6
攪拌機、冷却管、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコ内に、n−ブチルアクリレート9部、2−エチルヘキシルアクリレート90部、アクリル酸1部および2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部を入れた後、酢酸エチル110部をフラスコ内に入れた。
次に、フラスコの内温を80℃まで昇温し、還流を確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔(株)日本ファインケム製、品番:ABN−R〕0.2部をフラスコ内に添加し、8時間重合反応を行なうことにより、(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液に含まれている(メタ)アクリル系コポリマーのガラス転移温度は−68℃であり、その重量分子量を実施例1と同様にして測定したところ、65万であった。
次に、前記で得られた(メタ)アクリル系コポリマーの反応溶液を用いて実施例1と同様の操作を行なうことにより、両面テープを作製し、この両面テープを用いて粘着剤の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
表1に示された結果から、各実施例で得られた樹脂発泡体用粘着剤は、いずれも、各比較例で得られた樹脂発泡体用粘着剤と対比して、樹脂発泡体に対する粘着力に優れているとともに、材料破壊を生じるくらいに接着性に優れ、さらに保持力(耐熱性)および耐反発性にも総合的に優れていることがわかる。