JP2013203791A - 粘着剤および粘着加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、トルエンフリーかつ高不揮発分でありながら、塗工性および粘着物性に優れる溶剤型粘着剤を提供すること目的とする。
【解決手段】トルエンを含まない有機溶剤中でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、および硬化剤(C)を含んでなり、不揮発分濃度65〜75重量%であり、トルエンを含有しない溶剤型粘着剤である。また溶剤型粘着剤の25℃における粘度は5000〜20000mPa・sが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤に関する。
従来、ラベルの貼付や工業材の貼り合せなどをおこなうために、粘着剤は非常に広範な分野で使用されている。粘着剤の種類としては、従来、有機溶剤を媒体とする溶剤型粘着剤が主流であったが、環境問題への関心の高まりから、媒体として有機溶剤ではなく水を用いる、水性粘着剤の開発が盛んに行われている。
この水性粘着剤は、有機溶剤を全く含有しないか、含有していたとしても、ごく微量であるという特徴を有する。しかし水性粘着剤は、通常、界面活性剤などの低分子量成分を含有するのが一般的であるため、溶剤型粘着剤と比較して耐水性が劣る。そのため彗星粘着剤を使用して粘着シートを作製した場合に基材への密着性(投錨性とも称される)が悪い、貼付した粘着シートを剥離すると被着体表面が汚染されている、などという問題が生じる。そのため、用途によっては、依然として溶剤型粘着剤が広く使用されている。
上記の環境問題対応という観点から、溶剤型粘着剤においては、含有される有機溶剤量を低減させる試みがおこなわれて来ている。従来の溶剤型粘着剤は、その不揮発分濃度はたかだか40重量%程度であり、半分以上が、媒体である有機溶剤で占められている。
媒体として含有される有機溶剤量が低減された場合には、粘着シート作製時における粘着剤の乾燥工程において、揮発させる有機溶剤の絶対量が少なくなり、結果的に大気中に放出される有機溶剤量が低減されることに加え、乾燥工程において必要とされる熱エネルギー量を節減することが可能となり、エネルギー資源の節約および塗工ラインの高速化を達成できるという効果を奏する。
またさらに、粘着剤の単位不揮発分量を基準として考えると、粘着剤がハイソリッドであるほど、すなわち高不揮発分量であるほど、粘着剤としての使用量は少なくて済むこととなり、輸送コストの節減や、保管スペースの縮小という利点をもたらすことが可能となる。
このような様々な好ましい効果が得られるということも、その動機付けの要因となり、溶剤型粘着剤の分野においてはハイソリッド化、すなわち高不揮発分化が強く望まれていた。
しかしながら溶剤型粘着剤において、媒体である有機溶剤の量を単に減らした場合、相対的に樹脂濃度が高まることとなり、粘着剤の粘度が上昇し、それに伴って塗工性の低下を来たし、従来使用されていた塗工装置を使用して塗工作業をおこなった場合に均一な塗工面が得られなくなるなどの不具合が発生する。
このような不具合を防止するため、粘着剤の樹脂の分子量を下げることによって粘着剤の粘度の上昇を抑制した場合、形成される粘着剤層の凝集力の低下をもたらし、実用的な粘着物性が得られなくなってしまう。
有機溶剤の中でも、粘着剤の媒体として従来広く用いられて来たトルエンなどは、シックハウス症候群の観点からも特に敬遠されるようになって来ており、これを含有しない粘着剤が望まれるようになった。
溶剤型粘着剤の樹脂としては、従来、有機溶剤中で合成されたアクリル樹脂が主流となっており、トルエンも反応溶媒の一つとして広く用いられて来た。トルエンは、それが有する連鎖移動効果により、得られる樹脂、すなわちアクリル重合体の分子量を適正に制御できるという利点を有している。よって、反応溶媒にトルエンを使用しない場合、その連鎖移動効果が期待できず、得られる樹脂の分子量が過大となってしまいやすい。樹脂の分子量の増大は、粘着剤の粘度上昇を引き起こす。よって、トルエンを使用・含有しないこと、すなわちトルエンフリーを図るということは、溶剤型粘着剤のハイソリッド化に伴う粘度上昇という問題に、さらに拍車をかける結果となってしまう。
このように、溶剤型粘着剤において、トルエンフリーとしながらも、かつハイソリッド化を達成することは予想外に困難であり、それが故、そのような粘着剤が強く望まれていた。すなわち、トルエンフリーかつ高不揮発分でありながら、塗工性および粘着物性に優れる溶剤型粘着剤が望まれていた。
特許文献1には低粘度で高不揮発分であるクラフト粘着テープ用粘着剤が記載されている。しかし、この粘着剤は、溶剤に環境負荷物質であるトルエンを使用しているため、環境対応の点で問題がある。
また、特許文献2には、トルエンフリーである粘着剤及び該粘着剤を用いてなる粘着加工品が記載されている。これによりトルエンの不存在下であっても従来と遜色ない粘着性能を有する粘着剤を得ることができ、さらに粘着加工品から発生し得るホルムアルデヒドを低減することが可能となった。しかしこの発明では粘着性能を維持しつつ、高不揮発分にすることは困難であり、塗工時に発生するVOCは従来とほぼ変わらないという問題がある。
特開平7−268297号公報 特開2005−139323号公報
本発明は、トルエンフリーかつ高不揮発分でありながら、塗工性および粘着物性に優れる溶剤型粘着剤を提供すること目的とする。
本発明は、トルエンを含まない有機溶剤中でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、および硬化剤(C)を含んでなり、不揮発分濃度65〜75重量%であり、トルエンを含有しない溶剤型粘着剤である。
本発明により、トルエンフリーかつ高不揮発分でありながら、塗工性および粘着物性に優れる溶剤型粘着剤を提供することができた。
本発明は、トルエンを含有しない溶剤型粘着剤であり、トルエンを含まない有機溶剤中でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、および硬化剤(C)を含む。そしてその不揮発分濃度は65〜75重量%であり、従来に比べてハイソリッド化が達成されている。
重合体(A)は、トルエンを含まない有機溶剤中で、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合することにより得ることができる。
エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、イソブチルアクリレートイソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、2エチルヘキシルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート等を用いることができる。これらの中でも、ブチルアクリレート、2エチルヘキサアクリレート、エチルアクリレートがより好ましい。
また、エチレン性不飽和単量体は、水酸基含有単量体を0.05〜1重量%含むことが好ましい。なお、より好ましい割合は0.25〜0.35重量%である。
水酸基含有単量体としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2ヒドロキシプロピルアクレート、4ヒドロキシブチルアクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、ヒドロキシエチルアクリレートが好ましく用いられる。
水酸基含有単量体を上記の割合で含むことにより、耐熱性、分子間の凝集力の保持という点で優れ。0.05重量%未満では架橋度が足りず、耐熱性、凝集保持が困難となる。また1重量%よりも多く含まれると、架橋度が著しく上昇し、粘着性能の低下を引き起こす原因となる。
前記したエチレン性不飽和単量体を、トルエンを含まない有機溶剤中でラジカル重合することにより、重合体(A)が得られる。
重合溶媒として用いられる有機溶剤としては、例えば酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等を挙げることができる。
本発明の粘着剤は、主剤たる共重合体を重合する際、トルエンではなく、メチルエチルケトン(以下、MEKとも表記する)を単独で、または酢酸エチル等の他の溶剤と組合わせて用いる。
連鎖移動剤としての役割を持つMEKは、その使用量によっても得られる共重合体の分子量を調節することができ、重合溶媒の合計100重量%に対して、25重量%以上用いることが好ましく、70〜80重量%用いることがより好ましい。MEKが25重量%未満であると、重合体が高粘度となり、塗工が困難になってしまう。また併用で用いる酢酸エチルなどは製造工程時の配管洗浄の観点から20〜30重量%用いることが好ましい。
重合に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えばアゾ化合物のアゾビスイソブチロニトリル、有機過酸化物のベンゾイルパーオキサイド等を挙げることができる。これらのなかでも、アゾビスイソブチロニトリルを用いることがより好ましい。
重合開始剤量は、モノマーの合計100重量部に対して0.05〜1.25重量部用いることが好ましく、0.10〜0.50重量部用いることがより好ましい。0.05重量部未満であると、残留するモノマー量が多くなってしまい、被着体への汚染の原因となり得る。また1.25重量部よりも多く用いると、生成される重合体の重量平均分子量が著しく低下し、粘着性能の悪化を引き起こす可能性がある。なお重合温度は通常、75〜90℃である。
得られる重合体(A)は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算による重量平均分子量が15万〜30万であることが好ましく、20万〜25万であること好ましい。一般的に分子量が小さくなると、塗工物の耐熱性能や凝集力が低下する傾向にあるが、これを水酸基含有単量体と硬化剤による架橋で適度に調整することにより、従来よりも低分子量の樹脂用粘着剤層を形成することが可能となった。
重合反応時の単量体濃度は適宜設定できるが、本発明においては、45〜75重量%であることが好ましい。
単量体濃度がこの範囲内であると、重量平均分子量、粘度と架橋のバランスが比較的容易に調整し得るという利点がある。この濃度が範囲外であると、塗工性の悪化、粘着性能の低下が起こり得る。
本発明の溶剤型粘着剤は、重合体(A)、粘着付与樹脂(B)および硬化剤(C)を含む。
粘着付与樹脂(B)としては、例えば、ロジン系樹脂,テルペン系樹脂,石油系樹脂などを用いることができる。これらの中でも、軟化点が120℃〜130℃の重合ロジンエステルを用いることがより好ましい。重合ロジンエステルを用いると重合体(A)との相溶性が良く粘着性能の向上に寄与するものである。
粘着付与樹脂(B)の使用量は、重合体(A)100重量部に対して10〜20重量部であることが好ましい。
粘着付与樹脂(B)の使用量が上記範囲にあると、耐熱性、高い粘着性能が得られる。20重量部よりも多く使用すれば、粘着性能は向上するが、内部凝集力は低下する。また、10重量部未満であると、重合体(A)の粘着性能に必要な弾性率が不足し、粘着物性が十分に得られないことがある。
硬化剤(C)としては、イソシアネート化合物として、種々のポリイソシアネート化合物が挙げられる。例えば、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知の種々のジイソシアネート類が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等;、
脂肪族ジイソシアネートとしては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等;
脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4'−ジイソシアネート、1,3ービス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
これらイソシアネート化合物は、前記共重合体100重量部に対して、1.0〜10.0重量部用いることが好ましく、1.5〜6.5重量部用いることがより好ましい。
本発明においては、ハイソリッド化による粘着剤の粘度上昇を抑制すべく、粘着剤樹脂である重合体(A)の平均分子量を、従来の溶剤型粘着剤よりも低く設計し、それに伴って生じる樹脂の凝集力の低下を、架橋剤として機能する硬化剤(C)による適切な架橋によって補うことにより、従来の溶剤型粘着剤並みの粘度を維持し、かつ、特に強粘着剤としての粘着特性を発現することができる。
本発明の溶剤型粘着剤の不揮発分濃度は60〜75重量%であり、従来に比べて高い濃度であるにも関わらず、粘度は従来並みのレベルに留まっており、塗工性に悪影響を及ぼすことがない。さらに、乾燥工程における、有機溶剤の排出量が大きく低減される。
粘度は、具体的には、25℃において5000〜20000mPa・sであることが好ましい。粘度がこの範囲内にあれば、高不揮発分でありながらも従来と変わらない容易な塗工が可能となる。なお粘度は、25℃において、BL型粘度計により#3ローターを用いて12rpmの条件で測定されるものである。
さらに、本発明の溶剤型粘着剤は、トルエンを含有しないため、昨今の環境問題にかかる要求に合致するものである。
本発明の溶剤型粘着剤から形成される粘着剤層のゲル分率は、30〜70重量%であることが好ましい。上記の値は、従来の溶剤型粘着剤のゲル分率がたかだか20重量%程度であったのに対し、高い値である。ゲル分率がこの範囲内にあると、従来品に比べて分子間の架橋が密集しているため、熱による糊内部での凝集破壊を防ぐことができるという利点がある。なお、本発明におけるゲル分率は、具体的には以下の方法により測定されるものである。
(1)PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に粘着剤層が形成された粘着シートを用意する。粘着剤層の厚みは50μmとする。
(2)金網を用意し、秤量する。この重量をW1とする。
(3)粘着シートを金網に貼り付け、全体の重量を秤量する。この重量をW2とする。
(4)酢酸エチル中に浸漬し、密栓して、50℃雰囲気下に24時間放置する。
(5)取り出して、100℃雰囲気下で20分間乾燥後、秤量する。この重量をW3とする。
(6)金網をはずし、さらにPETフィルムから粘着剤層を除去して、PETフィルムの重量を秤量する。この重量をW4とする。
(7)下記の式(I)により、ゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=(W3−W1−W4)/(W2−W1−W4)×100 式(I)
シート状基材上に、本発明の溶剤型粘着剤から形成される粘着剤を積層することにより、粘着シート等の粘着加工品を得ることができる。粘着剤層は、基材上に粘着剤を塗工し、乾燥・硬化することにより形成することができる。あるいは、剥離シート上に形成した粘着剤層を、シート状基材上に転写してもよい。
シート状基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、セロファン等のプラスチック、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙、織布、不織布等の布等が挙げられるが、特に限定されるものではない。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、板状等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、基材がプラスチックである場合には、発泡体であってもよい。
粘着剤を基材に塗布する塗布方法は特に限定されるものではなく、公知の種々の方法を採用することができる。
粘着剤を基材に塗布する際に用いる塗布装置は、特に限定されるものではない。乾燥温度は、特に限定されるものではない。尚、用途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗布してもよい。また、離型紙に粘着剤を塗布した後、該塗布物を離型紙から剥離することにより、粘着剤自体がフィルム状やシート状、テープ状、板状等に形成されてなる粘着製品を製造することもできる。
乾燥後の粘着剤層の厚みは、通常、20〜50μmである。50μmを超えると、乾燥に時間を要してしまい、塗工効率の低下が起こりうる。20μmを下回ると塗工性が悪化し、粘着物性が低下することがある。
以下に、実施例をもって本発明をより具体的に説明する。なお、例中、「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるのは「重量%」を意味するものとする。
実施例1
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた重合装置を用い、アクリル酸ブチル57.5部、アクリル酸2エチルヘキシル40部、アクリル酸2.0部、アクリル酸ヒドロキシエチル0.5部、メチルエチルケトン35.0部、酢酸エチル8部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を還流下で7時間共重合させて冷却し、GPCによる重量平均分子量20万、不揮発分74%、粘度15000mPa・sのアクリル共重合体溶液を得た(合成例1)。その後、前記共重合体溶液の不揮発分100部に対して粘着付与樹脂(荒川化学社製ペンセルD−125)7.4部、酢酸エチル3部、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(不揮発分37.5%)を5部添加し、充分攪拌後、粘着剤を得た。この粘着剤の不揮発分は70%、粘度は8000mPa・sであった。
尚、不揮発分の測定は電気オーブンで150℃−20分後の乾燥前後の重量比から求めた。粘度は25℃、BL型粘度計(♯3ローター.12rpm)で測定した値である。
実施例2
合成例1において用いたメチルエチルケトンを25.0部に減らし、酢酸エチルを18.0部使用した以外は合成例1と同様にして、重量平均分子量が40万のアクリル共重合体溶液を得た(合成例2)。以下、実施例1と同様にして、不揮発分70%、粘度12000mPa・sである粘着剤を得た。
実施例3
実施例1において用いた硬化剤をヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体の酢酸エチル溶液(不揮発分30.0%)に変更し、前記共重合体溶液の不揮発分100部に対して7部使用した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分71%、粘度9000mPa・sである粘着剤を得た。
実施例4
実施例1において用いたトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(不揮発分37.5%)を5.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分70%、粘度10000mPa・sである粘着剤を得た。
比較例1
重合を終えた後に添加した酢酸エチルに代えてトルエンを用いた以外は合成例1と同様にしてアクリル共重合体溶液を得た(合成例4)。その後、前記共重合体溶液の不揮発分100部に対して粘着付与樹脂(荒川化学社製ペンセルD−125)7.4部、トルエン3部、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(不揮発分37.5%)を5部添加し、充分攪拌後、粘着剤を得た。この粘着剤の不揮発分は70%、粘度は8000mPa・sであった。
比較例2
粘着付与樹脂を配合しない以外は、実施例2と同様にして、不揮発分70%、粘度13000mPa・sである粘着剤を得た。
比較例3
硬化剤を使用しない以外は、実施例3と同様にして、不揮発分70%、粘度10000mPa・sである粘着剤を得た。
比較例4
合成例2において用いたメチルエチルケトンを7.0部に減らした以外は合成例2と同様にしてアクリル共重合体溶液を得た(合成例3)。その後、前記共重合体溶液の不揮発分100部に対して粘着付与樹脂(荒川化学社製ペンセルD−125)7.4部、酢酸エチル3部、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(不揮発分37.5%)を5部添加し、粘着剤を得た。この粘着剤の不揮発分は80%、ゲル化した。
[物性評価]
各粘着剤を市販の離型紙に乾燥厚みが50g/m2になるよう塗工し、電気オーブンで100℃−2分、乾燥し、溶剤を除去した後に、厚さ50μmのPETフィルムをラミネートして巻き取り、粘着塗工物を得た。これを23℃−50%RHの恒温恒湿室にて、所定のプレスを施して、7日間養生し、以下に示す物性(粘着力、保持力、タック)評価用の塗工物試験片とした。
<粘着力>
10cm×25mmの塗工物試験片から離型紙を剥がし、研磨したステンレス(SUS)板に粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、24時間後の180°剥離試験で計測した。
<保持力>
10cm×25mmの塗工物試験片から離型紙を剥がし、研磨したステンレス板に25mm×25mmの面積で粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、40℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒経時させ、貼付位置のズレの距離(mm)を計測した。
<タック>
JIS Z 0237 傾斜式ボールタックに準拠して試験した。
Figure 2013203791
表1中の略号の意味は以下のとおりである。
BA:アクリル酸ブチル
2EHA:アクリル酸2エチルヘキシル
AA:アクリル酸
HEA:アクリル酸ヒドロキシエチル
MEK:メチルエチルケトン
ABNR:アゾビスイソブチロニトリル
Figure 2013203791
表2中の略号の意味は以下のとおりである。
ペンセルD−125:荒川化学工業株式会社製の粘着付与剤。黄褐色フレーク状の重合ロジンエステルでガードナー色数は13以下、酸価10〜16、軟化点120〜130℃。
TDI−TMP:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
HDI−アロファネート:ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体
また、比較例3の保持力の結果欄における「100秒」とは、試験開始100秒後に試験片が落下したことを示し、粘着力および保持力の結果欄における「CF」とは、剥離の状態が、粘着剤層の凝集破壊であったことを示す。
比較例1の粘着剤は、塗工性、粘着物性が良好ではあるが、トルエンを含有するため、環境に配慮されていないという問題がある。比較例2の粘着剤は、環境負荷物質を含有しないものではあるが、粘着付与剤が含まれていないため、粘着加工品の物性が低下する。 比較例3の粘着剤は、塗工性が良好で環境負荷物質のトルエンを含有しないものではあるが、硬化剤を用いなかったので、架橋度に著しい低下が見られ、凝集力、粘着力が著しく劣る。比較例4の粘着剤は、ポリマーのゲル化により塗工性が劣り、均一な塗工面が得られなかったため、物性評価をおこなうことができなかった。
これに対し、実施例1〜4の粘着剤は、いずれも良好な塗工性を有し、粘着加工品として十分な物性を発現するものであるとともに、環境悪化の原因となる物質を含有しない、ないしそのような物質の発生を抑制・低減したものである。

Claims (7)

  1. トルエンを含まない有機溶剤中でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、および硬化剤(C)を含んでなり、不揮発分濃度65〜75重量%であり、トルエンを含有しない溶剤型粘着剤。
  2. 25℃における粘度が5000〜20000mPa・sである、請求項1記載の溶剤型粘着剤。
  3. 形成される粘着剤層のゲル分率が30〜70重量%である、請求項1または2記載の溶剤型粘着剤。
  4. エチレン性不飽和単量体が、水酸基含有単量体0.05〜1重量%を含む請求項1ないし3いずれか記載の溶剤型粘着剤。
  5. 重合体(A)が、メチルエチルケトンを25重量%以上含む有機溶剤中で重合してなることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の溶剤型粘着剤。
  6. 重合体(A)が、単量体濃度45〜75重量%の条件で、有機溶剤中で重合されてなることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の溶剤型粘着剤。
  7. シート状基材と、請求項1ないし6いずれか記載の溶剤型粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、粘着加工品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016098335A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 東洋インキScホールディングス株式会社 粘着剤および粘着シート
WO2017135102A1 (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 東洋インキScホールディングス株式会社 粘着剤および粘着シート

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