JP6384969B2 - 能動型再生磁気熱量ヒートエンジンまたは能動型再生電気熱量ヒートエンジンのための複数材料ブレード - Google Patents

能動型再生磁気熱量ヒートエンジンまたは能動型再生電気熱量ヒートエンジンのための複数材料ブレード Download PDF

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Description

(序論)
本発明は、能動型再生磁気熱量ヒートエンジンまたは能動型再生電気熱量ヒートエンジンで用いる複数材料ブレードに関する。特に、複数材料ブレードは、それぞれのエンジンにおいて能動型磁気蓄冷器(AMR)または能動型電気熱量蓄冷器(AER)として機能し、その性能をかなり高めるように設計される。
そのようなヒートエンジンは、冷却用途、ヒートポンプ用途、および、エネルギー回収用途において使用できる。
能動型磁気再生エンジンおよび能動型蓄冷器は、比較的広い温度範囲にわたって冷凍および冷却をもたらすために強磁性体の磁気熱量効果を利用できるものとしてバークレーによって最初に確認された(例えば米国特許第4,332,135号明細書参照)。ブラウン磁気熱量装置(米国特許第4,069,028号明細書参照)と称される以前の装置も再生サイクルを利用したが、能動型磁気再生サイクルではなかった。
(材料)
磁気熱量材料は、磁場の印加時または除去時の温度変化(通常は、断熱条件下で測定される)である磁気熱量効果(MCE)を有する。等温状態下での磁場の印加または除去は、MCE材料におけるエントロピーの変化をもたらす。
電気熱量材料は、電場の印加時または除去時の温度変化(一般に、断熱条件下で測定される)である電気熱量効果(ECE)を有する。等温状態下での電場の印加または除去は、ECE材料におけるエントロピーの変化をもたらす。
場(材料に応じて電場または磁場のいずれか)の存在は、1つのエントロピー状態から他のエントロピー状態への強制的な転移をもたらす。エントロピー変化の大きさは、印加される場の大きさによって決まり、また、変化の符号は、転移の性質によって決まる。エントロピー変化と関連する転移が生じる特性温度は、キュリー温度(Tc)として知られる。
これらの特性を示す材料としては、Gd(強磁性−常磁性転移)、RhFe(メタ磁性 反強磁性−強磁性転移)、BaTiO3(強誘電−常誘電転移)、および、例えばP(VDF−TrFE−クロロフルオロエチレン)(リラクサ強誘電体挙動を示す)が挙げられるが、決してこれらに限定されない。
(基本的な磁気冷却サイクル)
磁場(例えば、常磁性−強磁性)転移に晒されるときのプラス温度変化を示す磁気熱量材料に関して、基本的な(非再生)磁気冷却サイクルが図1(a)に示される。
段階1〜4が行なわれるとき、磁気熱量材料は、理想的には、図2aに示されるサイクルABCDを辿る。ABおよびCDは、増大するあるいは減少する磁場のそれぞれに起因する“断熱”温度変化であり、図1(a)の段階1および段階3にそれぞれ対応する。BCおよびDAは、磁気熱量材料と交換流体との間の熱交換によって達成され、図1(a)の段階2および段階4にそれぞれ対応する。交換流体は、熱交換器を介して外界への熱を吸収することができあるいは遮断することができる。磁気熱量材料の断熱温度変化が、ΔTとして表示される(高温および低温)。
このサイクルの最大範囲(TcoldとThotとの間の差)は、冷却力が低い‘断熱’温度変化(TcoldまたはThot)である。最大冷却力は小さい範囲のΔS・Tmeanである(ここで、図2aでは、ΔSがCAにより与えられる)。同様の冷却サイクルを電気熱量材料に関して発生させることができる。
磁気熱量(または電気熱量)材料の有用な特性は、磁場または電場の増大または減少に対してΔS(T)およびΔT(T)をマッピングすることによって特徴付けられ得る。これが図2cに示される。実際には、ΔS曲線およびΔT曲線は、図2aに示される低場曲線と高場曲線との間の差(温度またはエントロピーのいずれかの差)対温度である。最適な冷却サイクルを設計するために使用されるのは、これらのΔS曲線およびΔT曲線、ならびに、対応するT−S図である。
(能動型再生サイクル)
バークレーの能動型磁気再生サイクルは、先に説明した基本的な磁気サイクルにわたって温度範囲の著しい拡大をもたらした。
磁場の印加によって磁気冷媒が熱くされると、冷媒材料の開口多孔質構造を通じて流れる交換流体が‘熱’を一端に移動させる。磁場の除去によって冷媒材料が冷却されると、同じ交換流体が逆流されて‘冷’を他端に移動させる。交換流体がAMRの2つの端部間で周期的にブロー(blow)されて、磁場が同じ周期性をもって印加され除去されると、AMRの低温端側と高温端側との間で温度勾配が形成される。概念的な考えが図1(b)に示される。結果は、冷媒にわたって30K(またはそれ以上)の著しい温度勾配が形成され得るということである。
理想的なAMRの任意のポイントでは、局所的な冷媒材料、印加される場、および、局所的な温度が実際の局所TS(ABCD)型ループを決定する。しかしながら、各ポイントが交換流体により結び付けられるため、集合的には、全体の層が、図2bのA”B”C’D’A’に対応する、交換流体により結び付けられたカスケードを経ると見なされ得る。
(最新技術)
バークレーのAMR構成は、開口多孔質構造を有する磁気熱量材料から成り、また、交換流体は、磁気熱量材料に浸透して、磁気熱量材料と熱を交換する。簡単な開口多孔質構造は粉末充填層であり、また、そのような充填層蓄冷器に関して(米国特許第4,332,135号明細書、米国特許第6,526,759号明細書)、および、固体充填層蓄冷器に関して(米国特許出願公開第2010/0107654 A1号明細書)も、広範囲に及ぶ研究が取り組まれてきた。高温側と低温側との間の著しい温度勾配が得られた。
しかしながら、粉末層はいくつかの欠点を有する。主な欠点は、通常では僅かに0.1Hz〜1Hzというその低い動作速度である。動作速度は、交換流体および磁場をサイクル動作させることができる周波数である。低い周波数は、冷却の1ワット当たりで比較的大きな重い高価な解決策になる。より高い周波数で液状の交換流体を使用するときには、多孔質充填層AMRにわたる大きな圧力降下によって、周波数限界が生じる。圧力降下は、大きな粘性損失をもたらし、したがって、圧送損失をもたらす。気体の交換媒体の利用は圧力降下および粘性損失を減らすことができるが、気体の低い熱容量によって、利用可能な冷却力が制限される。
粉末層の別の欠点は、達成できる最大充填密度が74%(六方最密充填(HCP)においては面心立方(FCC)も)であるという点であり、実際には、現実に達成できる充填密度は更に低い。磁気熱量材料によってせいぜい26%の磁場体積しか占められない。しかしながら、磁場利用度を最大にすることは、コスト要件およびサイズ要件を満たしてコンパクトな磁石を利用する商業的な解決策を得るために欠かせない。
また、上述した“断熱温度変化”ABは、実際には、熱が伝えられる磁気熱量材料と直接に接触する交換流体の存在によって、断熱よりも小さい。したがって、図2に示されるサイクルABCDは、同様に図2に示されるサイクルAFCEに、より類似する。全体の温度変化ΔTに比べると、磁気熱量材料の変化はΔT−δTにすぎない。そのため、ΔS(冷却力に関連する)は、もはやDとAとの間のエントロピー差ではなく、むしろ、EとAとの間の更に小さいエントロピー差である。理想的なサイクルに更に近づけるため、交換流体と磁気熱量材料との間の熱容量比が最小にされる必要がある。これは、磁気熱量材料の充填密度を増大させることによって、交換流体の相対量を減らすことによって、または、磁気熱量材料の熱容量に対して交換流体の熱容量を下げることによって実現され得る。
チャネルに基づく幾何学的形態は、AMRの充填密度を原理的に0%(磁気熱量材料なし)〜100%(チャネルなし)の任意の値に設定できるため、充填層の制限を回避する。材料の充填密度を増大させることにより、両方の冷却サイクルを最適化でき、すなわち、AFを望み通りにABに近づける(または、CDをCEに近づける)ことができ、同時に、有限サイズの規則的な(したがって、低圧)チャネルを維持しつつ、磁場利用度を最大にすることができる。
同時に、規則的なチャネルは、圧力降下を減らし、したがって、粘性損失を減少させる。
多くのチャネルに基づく幾何学的形態が論じられてきた(Tishin,“The magnetocaloric effect and its application”IOP出版2003、および、その中の引用文献)。
しかしながら、商業的な冷却装置の課題は、適度に寸法付けられた磁石とコンパクトなAMRとを使用しつつ、AMRの低温端と高温端との間で高い温度勾配を実現することである。
磁気熱量(および電気熱量)材料はそれらのキュリー温度Tc付近で最も高いΔTおよびΔSを示す(図2cは、磁気熱量材料に関して〜293KでピークΔSを示す)が、転移の性質に応じて、最大値は、鋭く、あるいは、平坦で幅広い。最適なAMR(またはAER)の設計のためには、AMR(またはAER)の全長にわたって高いΔTおよびΔSを伴う材料を有することが重要である。したがって、複数の材料が使用され、その場合、それらの材料が動作する温度範囲に対してΔSおよびΔTが最適化される。効率的な設計に至るためには、適した磁気熱量材料の選択、および、AMR(またはAER)構造の詳細なモデリングが非常に重要である。
同時に、AMR(またはAER)の全体の冷却力は、交換流体との同時熱交換と高温交換器および低温交換器とによってAMR(またはAER)が経ることができる1秒当たりのサイクル(ABCDまたはAFCE)数によって決まる。したがって、小さいコンパクトな解決策においては、高い動作周波数、すなわち、上述したサイクルABCD(またはAFCE)周りの高速動作が重要である。
実際の冷却力(単位入力電力当たりの冷却力)は、損失に依存するとともに、冷媒の冷却容量のうちのどのくらいをAMR(またはAER)の磁気熱量材料から交換流体に解放できるか、その結果、AMR(またはAER)の低温端で実行して高温から低温へのブローにより低温交換器に解放できるか(または、ヒートポンプ用途に関しては、AMR(またはAER)の高温端で実行して低温から高温へのブローにより高温交換器に解放できるか)の指標である。
理想的には、(単位入力仕事当たりの)実際の冷却力と冷却容量は同じでなければならない。しかしながら、(単位入力仕事当たりの)実際の冷却力と冷却容量との間の差は、多くの異なる寄与因子から構成される“全損失”と称される。交換流体中の熱の輸送に関連する損失は、本明細書中では、“HE損失”と称され、この損失は交換流体内の温度勾配と関連付けられる。AMRを通じた高温から低温への熱の逆流と関連する損失は、“逆流損失”と呼ばれる。冷媒材料中の局所的な熱流と関連する損失は“局所損失”と呼ばれる。ヒステリシスと関連する損失は“ヒステリシス損失”と呼ばれる。流体の圧送と関連する損失は、“粘性損失”と呼ばれ、流体中の粘性消散と関連付けられる。最適なAMRの設計は、損失全ての最小化を要する。
磁気ヒートエンジンにおいて、大きな物理的構成要素は磁石である。したがって、(例えば、高い充填密度により)冷媒の単位体積当たりの磁場利用度を最大にすることは、コンパクトな解決策のためには欠かせない。
一般に、本発明の目的となる課題は、最新技術の上述した欠点を克服すること、および、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンの性能を高めるAMR(またはAER)を提供することである。最終目標は、それぞれのエンジンを商業的に実現可能にすることである。
特に、本発明は、以下を行なおうとする。
1.高性能複数材料AMRまたはAER装置のための材料選択基準を定めること。
2.最適なチャネルに基づく蓄冷器を特定すること。
3.損失(HE損失、局所損失、逆流損失、粘性損失)を最小にして、性能を最大にするとともに、印加される場の利用を最大にするために、チャネルに基づく蓄冷器にとって最適な幾何学的形態を定めること。
4.損失を最小にして製造に役立つように、アーキテクチャおよび幾何学的形態の機能強化を定めること。
5.最適なアーキテクチャの製造および機能強化のための方法を定めること。
また、AMRまたはAERは、組み付けが容易でなければならず、十分な機械的強度、信頼性のある構造を有さなければならず、処理が容易な材料を備えなければならない。
本発明はまた、AMR(またはAER)および能動型再生エンジンのサイズおよびコストを減少させることを目的とするとともに、自動化され高速で誤差が少ない製造プロセスを用いてAMR(またはAER)を製造することを目的とする。
(発明の概要)
したがって、本発明は、冷却用途、ヒートポンプ用途、および、エネルギー回収用途において使用するための能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンで用いる複数材料ブレードに関する。
ブレードは、相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料から作られた複数の要素から形成されるブレード本体を備え、このブレード本体は、その長手方向に沿って複数の要素に分割される。ブレードは、ブレード本体を貫通するとともにブレードの長手方向に沿って延びる複数の専用チャネルを更に備える。
(材料の選択)
好ましくは、複数の要素のそれぞれは、好ましくはLaFeSi,LaFeSiCo,LaFeSiH,MnPFeAs,MnPFeSi,FeRh,MnAsSb,MnPFeGe,Gd,GdDy,CoMnSi,CoMnGe,およびGdSiGeから成るグループから選択される磁気熱量材料から作られ、該磁気熱量材料には1つ以上のドーパント(しばしば、材料系に関してTcを上げあるいは下げる)が更に設けられてもよく、また、磁気熱量材料は、特定の元素を様々な比率で有してもよく、その場合、各磁気熱量材料は異なるキュリー温度を有し、また、各磁気熱量材料は、その体積に対して20%以下の多孔率を有する。
適した電気熱量材料としては、P(VDF−TrFE−クロロフルオロエチレン)、PLZT(8/65/35)、Pb(Mg1/2Nb2/3)O3−35PbTiO3(PMN−35PT))、BaTiO3、または、(NH4)2SO4が挙げられる。
理想的なシステム(損失を無視する)において、平均低温側温度Tcoldでは、冷媒から利用できる周期的な冷却エネルギーが、所定の印加された場Bに関して、Tcold・ΔS’coldによって与えられる(ここで、ΔS’coldは、図2bのポイントD’とポイントA’との間(または、実際にはE’とA’との間)の絶対エントロピー差により与えられる)。
平均Tcoldから平均高温側温度Thotにまで及ぶ再生冷却サイクルにおいて、冷却に寄与する蓄冷器の長さ部分は、〜ΔTcold・Length/Spanであり、この場合、Spanは、(AMRまたはAERの高温端と低温端との間の)温度勾配Thot−Tcoldとして規定され、また、Lengthは、AMR(またはAER)の長さである。このことは、蓄冷器に入る交換流体が適切な温度プロファイルを有すると仮定すれば、簡単な幾何学的議論によって当業者により理想的なシステムに関して簡単に実証され得る。多層AMR(またはAER)の全体の(周期的な)蓄冷器冷却容量(単位J)の一次推定値は、‘理想的な’多層形態では、
ΔTcold・ΔScold・Tcold・Length・Area・Density・Packing−Density/Span
に比例し、この場合、Lengthは蓄冷器の長さであり、Areaは蓄冷器の断面積であり、Densityは材料の密度であり、Packing−Densityは、活性冷媒、すなわち、磁気熱量材料または電気熱量材料を伴う体積%である。冷却容量と上記の方程式との間の比例定数は、0〜1の間で変化する場合がある(いくつかの特別な状況下では、比例定数が1よりも大きくなる可能性さえある)。蓄冷器全体に沿う直線的な温度プロファイルにおいて、比例定数は0.5である。
この議論は、冷却用途に限定されず、ヒートポンプ用途およびエネルギー回収用途のために使用されるヒートエンジンに関しても適用できる。
材料特性を上記の方程式から導き出すことにより(また、密度を無視することにより)、単にΔTΔSである、磁気熱量(または電気熱量)材料の性能指数がもたらされる。実用的な装置では、特に経済的観点から、印加される場の大きさが重要であり、また、更なる改良は、印加される場に対してこの値を正規化する。簡単にするため、材料に関するΔSおよびΔTの両方のピーク値をとると、性能指数を使用して様々な材料を比較できる。磁気熱量材料にとって重要な成果のいくつかが以下の表にまとめられている。
一般に、高い性能指数が、低い性能指数よりも好ましいが、磁気熱量(または電気熱量)効果のヒステリシス、または、速度、または、寿命、あるいは、成形特性などの考慮すべき事項は、より低い性能指数を有する材料の選択をもたらす場合がある。
最大エントロピー差ΔSおよび最大ΔTは、キュリー温度(または、キュリー温度付近)で生じる。増大するあるいは減少するキュリー温度を有する複数の材料が正しい方法でカスケード接続されると、それらの材料は、ブレードの高温端と低温端との間の温度勾配によって規定される温度をトレースすることができる。そのような適した材料がブレードの長手方向に沿う様々な温度ポイントで使用されると、磁場(または電場)が周期的に印加され且つ交換された流体がブレードを通じて周期的に圧送されるときに、全体の温度勾配をかなり増大させることができる。また、キュリー温度を考慮するだけでは不十分である。複数の要素の蓄冷器冷却容量を蓄冷器の長手方向に沿って最大にする必要がある。また、複数の要素は、ゆっくりと増加する蓄冷器冷却容量を有さなければならず、その増加率は、AMR(またはAER)のスパンに比例するとともに、冷却サイクルを駆動するために必要とされる入力仕事に比例する。
先の蓄冷器方程式を局所パラメータに関して表わすと、蓄冷器の複数の要素のうちの所定の要素の冷却容量は、その要素に関して、
ΔTcold,EL・ΔScold,EL・Tcold,EL・LengthEL・AreaEL・DensityLOC・Packing−DensityEL/SpanEL
として定義される。ここで、Tcold,EL、ΔScold,EL、および、ΔTcold,ELは、要素中の局所材料の局所低温度、エントロピー、および、‘断熱’温度変化であり、LengthELは要素の長さであり、AreaELは要素の断面積であり、DensityLOCは、要素中の局所材料の密度であり、Packing−DensityELは局所材料充填密度(全体積に対する活性冷媒の体積%)であり、SpanELは要素のスパンである。各要素のスパンの合計は、蓄冷器のスパンである。蓄冷器の各要素の冷却容量は、その特定の要素に沿って定められる局所的な温度勾配に比例する割合で増大する。温度勾配が蓄冷器全体に沿って一定である場合には、各要素の局所的な温度勾配は等しい。いずれの場合でも、蓄冷器全体のスパンは、複数の要素のスパンの合計である。
冷却容量の計算のために、ΔSおよびΔTの絶対値が全ての状況で使用されることに留意されたい。これは、この文書の全体にわたって当てはまると理解される。
なお、実際には、多くの場合、面積、密度、および、充填密度は複数の要素において同じまたは類似するが、長さは、要素間でかなり異なることができ、したがって、要素の冷却容量を調整するために使用され得る有用なパラメータである。
要素間の境界では、隣りの要素が異なるキュリー温度を有する異なる材料から作られる場合、したがって、相異なるΔSおよびΔT特性を有する場合、理想的には冷却容量間の滑らかな移行が求められる。これは、個々の要素の長さを調整することによって、あるいは、適切な材料またはキュリー温度を選択することによって実現できる。
それにもかかわらず、相異なるTcを有する要素間の変化は不連続であり、また、準連続的な冷却容量だけしか得られず、それにより、変化は、隣り合う要素同士の直ぐ間で30%を超えない(上下両方の場の変化に関して)。そのことは、ブレード本体に沿う2つの要素間の境界における冷却容量が30%以内であることを意味する。したがって、要素境界における一の要素から他の要素への冷却容量の変化は、30%を下回る。1つの要素内の冷却容量の最小値は、要素の2つの端部のうちのいずれかに位置する。
鋭く変化するΔSおよびΔTの曲線(例えば、図2cの一次タイプ材料で見出されるような曲線)は、多くの相異なる材料の使用を必要とし、また、準連続的な冷却容量を確保するために各要素において更に短い長さスケールが求められる。
複数の要素のそれぞれにおける温度勾配が可能な限り密接に適合されれば、局所的な温度勾配が要素間でもたらされず、それにより、蓄冷器内の局所損失が最小限に抑えられる。しかしながら、平坦な温度勾配の領域を蓄冷器の端部に有することが望ましい場合もある。
また、局所的な温度勾配(場の増大時または場の減少時のいずれか)は、相異なるTc、したがって相異なるΔT曲線を有する2つの材料間の界面で生じ得る。これは、より一層の逆流を局所的に引き起こす場合があり、あるいは、支配的な温度勾配に抗する熱の前方流を局所的に引き起こす場合がある。任意の能動型再生磁気熱量エンジンの性能に支障を来すエントロピーを発生させるそのような局所的な温度勾配を回避するため、ΔT曲線が、界面で可能な限り密接に適合されなければならない。しかしながら、図2cが示すように、所定の温度での上下の場におけるΔT曲線が全く異なる可能性があり、したがって、そのような適合は、望ましいが、完全に可能ではない。そのため、相異なる材料間で低熱伝導率のセパレータを使用できる。これらのセパレータは、冷却力に対する全逆流損失の割合に殆ど影響を与えない(逆流がそうであるように、冷却力がスペーサの全長と共に直線的に減少するため)が、‘局所損失’エントロピーの発生を減少させる。
本発明は、複数材料ブレードの複数の要素のための材料選択基準に向けられ、それにより、高い(ガドリニウムよりも大きい)性能指数を有する材料が利用されるとともに、冷却容量がAMR(またはAER)の長手方向に沿って最大にされるようになっている。また、冷却容量は、隣り合う要素同士の直ぐ間で準一定(30%以内、および、好ましくは更に低い)でなければならず、蓄冷器のスパンと入力仕事とに比例する割合で蓄冷器の長手方向に沿って増大し、その場合、任意の要素における最も低い冷却容量が2つの端部のうちの一方に位置する。
また、優先順位にしたがって、キュリー温度は、AMR(またはAER)の長手方向に沿って低温から高温へ向けて増大しなければならず、冷却容量は、材料界面で適合されなければならず(上下両方の場の変化に関して)(材料Tc、充填密度、密度、および、要素長さの正しい選択により)、材料界面でのΔT曲線間の差(上下両方の場の変化に関して)が最小限に抑えられなければならない。上述した材料選択基準は、平行プレート(図4)、平行プレートの積層体、90°回転を伴う平行プレートの積層体(図3)、有孔プレート(図9)、有孔プレートの積層体(図8)、および、インボリュート型(図16)およびその向上された変形(本明細書中に記載される)を含むがこれらに限定されない全てのチャネルアーキテクチャ(以下で更に詳しく説明する)に適用される。
更に、本発明は、相異なる材料の要素間の局所損失を最小にするとともに、局所的な逆流を最小にするように寸法付けられるAMR(またはAER)構造における局所損失を減少させるためにここに存在するスペーサに向けられる。全体的な温度勾配(スパン/長さ)を考慮するのではなく、局所的な温度勾配を用いて、スペーサが寸法付けられる(50μm〜1000μm範囲の好ましい厚さを有する)。そのようなスペーサは、低熱伝導率材料(好ましくは0.01〜2W/mK)から作られるべきであり、また、開口多孔質構造またはチャネルを完全に塞がないように形成された構造のいずれかを通じた隣り合う要素間での交換流体の流れを可能にする。磁気熱量材料の上記の配置は、本発明に係る全てのチャネルに基づくアーキテクチャにおいて有効である。
好ましくは、複数の要素のそれぞれは、0.1W/mK〜30W/mK、好ましくは0.1W/mK〜10W/mK、より好ましくは0.1W/mK〜5W/mK、より好ましくは0.1W/mK〜2W/mKの範囲内の熱伝導率を有する。複数の要素の低い熱伝導率は、AMR(またはAER)におけるいわゆる逆流損失を最小にする。逆流損失は、磁気熱量エンジンまたは電気熱量エンジンで利用されるときにブレードの高温端からブレードの低温端に必然的に流れる熱である。低い熱伝導率を得るためには、適した材料が使用されなければならない。また、複数の要素がそれぞれ、例えば相異なる磁気熱量材料の押出結合粉末から作られるときには、熱伝導率が低い結合剤が使用されるのが好ましい。結合剤は、磁気熱量材料の熱伝導率よりも低いか、またはせいぜい等しい熱伝導率を有するようになっているのが好ましい。
上述した材料(およびそれらの変形)は、大きな磁気熱量効果と高い性能指数とを示すように選択することができ、低い熱伝導率を有し、また、適切な長さスケールで製造できる。材料は、所望の温度範囲のキュリー温度Tcを有する。材料は、再生サイクルでもたらされる全体の温度勾配を増大させるために、ブレードの長手方向に沿って相異なるキュリー温度を要素に与えるのに適している。また、これらの材料の冷却容量は、最適な解決策を与えるべく適合され得る。
(アーキテクチャおよび幾何学的形態)
ブレード本体を貫通する専用チャネルを伴うアーキテクチャは、充填層AMRで生じる高い圧力損失を回避するのに役立つ。先進のAMR(またはAER)構造の目的は、損失を最小限に抑えつつ最大の冷却を行なうことである。上述した基準にしたがって材料を選択すると、AMR(またはAER)の冷却能力が最大になる。しかしながら、損失を最小にするには、更なる検討が必要である。
AMR(またはAER)システムの損失は、所定量の冷却を達成するために必要とされる入力仕事の量を増大させ、したがって、AMR装置の効率が低下する。損失を最小にするためには、AMR(またはAER)のアーキテクチャの正確な寸法設定が求められる。
既に概説したように、AMR(またはAER)と関連する主要な損失のいくつかは、HE損失、逆流損失、粘性損失、局所損失、および、ヒステリシス損失である。逆流損失は、熱伝導率が低い冷媒を使用することによって最小にすることができ、局所損失を最小にするために複数材料ブレードにおいてスペーサを使用することができ、また、低ヒステリシス材料の使用は、ヒステリシス損失を最小にする。チャネルアーキテクチャは、一般に粘性損失を減らす。しかしながら、チャネルAMR(またはAER)システムにおける支配的な損失は、HE損失 −熱を冷媒から交換流体へ、したがって熱交換器へ伝える間における流体の温度勾配と関連付けられる− である。
例えば、マイナスの断熱温度変化後に、高温流体が冷たい冷媒に直面して、急速な熱交換が起こる(図2aのステップCE)。その後、流体が高温から低温にブローされて、より熱い流体がより冷たい材料へ向けて押し進められ、それにより、熱が流体から材料に伝えられ、したがって、冷媒材料が加熱される(図2aのステップEA)。熱伝達の速度は、完全な(あるいは望ましい)冷媒熱交換のためにそれが要する時間を決定する(これは、通常、システムの最大動作周波数を制限する)。壁に隣接する流体は冷媒と熱平衡状態にあるが、チャネルの中心の流体は更に暖かい。したがって、低温ブローの初めは別として、AMRの低温端から出る流体の平均温度は、AMRの低温端よりも暖かい。流体チャネル内の温度勾配は、冷媒の冷却容量のうちのどのくらいを実際に低温交換器で利用できるのかを決定する。これは、より暖かい流体の存在が、交換流体の全体の冷却容量を低下させるからである。冷却容量のこの低下はHE損失と呼ばれる。類似の効果が高温ブローで生じる。
所定の一定した平均スパンを有するAMRにおいて、ある長さのチャネルにわたる圧力降下(または粘性損失)を固定すると、冷媒から液体への(あるいはその逆への)熱伝達速度はチャネル直径に伴って増減する(すなわち、チャネル直径が減少するにつれて熱伝達が減少する)。HE損失もまた、チャネル直径が減少するにつれて低下するが、熱伝達速度よりも(より高いスケーリングの累乗の)速い速度で低下する。チャネル直径を減少させることにより、HE損失を任意の少ない量に調整できる。しかしながら、熱伝達の速度も低下しており、したがって、動作周波数の上限が制限される。熱伝達速度は、流体から冷媒に(あるいはその逆に)伝えられている1秒当たりの熱量である。熱伝達速度の減少を補償するために、冷媒の量を減らすことによって(例えば、より薄いプレートを使用して)移動されるべき熱量を減少させることができる。
しかしながら、冷媒の量を減らすと、AMR(またはAER)における冷媒に対する液体の充填比率が減少し、それにより、CEがCDから逸れて、全体の充填密度が減少する。同時に、小さい冷媒長さスケールを作り上げることが更に困難となる。
したがって、AMRは、目標動作周波数(1Hz〜20Hzの範囲内)のため、粘性損失(AMR長さ、交換流体物理特性、および、流速、ならびに、チャネル直径によって決定される)、逆流損失(長さ、スパン、冷媒および流体の熱伝導率、液体および冷媒の体積によって決定される)、および、HE損失(チャネル幅、交換流体の特性、流速、冷媒のΔSおよびΔT、液体および冷媒の体積、ならびに、AMRの長さ&スパンによって決定される)の合計が最小限に抑えられるように寸法付けられるべきである。好ましい解決策は、これらの3つの損失が比較できる(互いの10の因数内の)サイズをもつようにする。1つの要素内の平行プレートチャネル(インボリュートを含む)において、最適なプレート厚さは、50μm〜1500μm、または、より好ましくは60μm〜700μm、または、より好ましくは70μm〜700μm、より好ましくは70μm〜350μmの範囲内でなければならない。チャネル間隔は、5μm〜100μm、または、より好ましくは10μm〜75μm、または、更に好ましくは15μm〜60μmの範囲内でなければならない。
有孔プレートにおいて、穿孔間の最適な距離は、60μm〜2000μm、または、より好ましくは80μm〜1000μm、または、より好ましくは100μm〜650μmの範囲内でなければならない。穿孔直径は、10μm〜150μm、または、より好ましくは15μm〜110μm、または、更に好ましくは20μm〜85μmの範囲内でなければならない。
与えられた値は、粘性損失、逆流、および、HE損失の間の釣り合いを達成する。
与えられた長さスケールは、幾分、使用される磁気熱量材料に依存する。
複数材料ブレードの第1の例では、複数の要素のそれぞれが複数のプレートによって形成され、複数のプレートは互いの上に積み重ねられる。また、ブレード本体における複数の要素のそれぞれは、その隣り合う要素に対して回転され、好ましくは90°回転される。この配置は、交換流体の混合を助長し、すなわち、専用チャネルにわたる温度均一性を高め、能動型再生磁気熱量エンジンで使用されるときにHE損失を減少させる。また、この配置は、ブレードの長手方向に沿う連続的に平行なチャネルが必要とされないため、組み立て製造全体の信頼性を高める。正確な平行組み立てが必要とされる長さは、ブレード全体の長さではなく、単一の要素の長さに減少される。好ましくは、プレートは、良く知られたインクジェット印刷技術、ステンシル印刷またはスクリーン印刷、フォトリソグラフィ、あるいは、ドットシステムまたはジェットシステムによる直接塗布によって好ましくは印刷された少なくとも1つのスペーサによって互いから分離され、複数のプレート間の間隔が複数の専用チャネルを形成する。
前述した良く知られた技術を使用することにより、また、その結果として製造コストを低減することにより、商業的解決策が実現可能になる。また、製造は、更に簡単に、高速に、より再現可能にもなる。製造プロセスにおいてそのような商用オフザシェルフ(COTS)機器を利用することができ、また、多くの製造ステップを自動化できる。
また、本発明は、能動型再生磁気熱量エンジンで用いる複数材料ブレードに関する。ブレードは、相異なる磁気熱量材料から作られた複数の要素から形成されるブレード本体を備え、ブレード本体はその長手方向に沿って複数の要素に分割される。ブレードは、ブレード本体を貫通するとともにブレードの長手方向に沿って延びる複数の専用チャネルを更に備える。ブレードの複数の要素のそれぞれは、複数の要素がインボリュート型のブレード本体を形成できるように湾曲形状を有する。
冷却装置において、本発明に係るブレードは、単位量の冷却力を与えることができる。複数のブレードを組み合わせることにより、装置の効率を低下させることなく冷却力を高めることができる。ブレードの組み合わせは、例えば、回転磁気システムとして実現することができ、この場合、ブレードは、円形状に配置されて、磁場によって回転される。上述したように、磁場利用度は重要である。立方ブレードが円形状に互いに密集されると、充填密度、従って磁場利用度が理想的とならない。しかしながら、ブレード本体またはブレード本体を形成する要素のインボリュート構造は、回転磁気システムにおいて複数のブレードを一定のチャネル幅をもって完全な放射状の幾何学的形態で互いに密集させることができる可能性を与える。それは、複数のブレードを完全な円形状に組み付けることができることを意味し、その場合、個々のブレード間、および、ブレードの要素内のプレート間の一定の間隔を維持できる。この配置は、30%良好な場の利用度をもたらす。それに対応して、より小さいより安価な磁石を使用できる。
流体が流れることができる専用チャネルによって、より低い多孔率を有する磁気熱量材料を使用できる。材料の多孔率は、一般に、分布した孔によってもたらされるとともに、材料の特性である。多孔率は、磁気熱量材料の全体積に対する磁気熱量材料中の空隙(孔)の体積として理解され得る。それとは対照的に、磁気熱量材料中に積極的に形成される専用チャネルは、多孔であると見なされない。
また、本発明は、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンで用いる複数材料ブレードに関する。ブレードは、相異なる磁気熱量材料から作られた複数の要素から形成されるブレード本体を備え、ブレード本体はその長手方向に沿って複数の要素に分割される。ブレードは、ブレード本体を貫通するとともにブレードの長手方向に沿って延びる複数の専用チャネルを更に備える。専用チャネルに対して垂直なブレード本体の断面は、多孔率が異なる複数の領域を所定の方向に沿って有し、隣り合う領域の界面で多孔率が少なくとも10%だけ急峻に変化する。
多孔率が高い領域は、例えば、それが開口構造であれば、複数の専用チャネルとしての役目を果たすことができ(また、これらはスペーサのように機能することもできる)、その場合、多孔率が低い領域は、より密度が高い磁気熱量材料から作られる。しかしながら、多孔率が高い材料に加えて専用チャネルを設けることができる。多孔率が高い領域は、交換流体のための混合構造として機能することもできる。多孔質領域の混合機能は、能動型再生磁気熱量エンジンでブレードが使用されるときに、HE損失を減らす。多孔率が高い領域は、柔軟なスポンジ状構造として形成することができ、このスポンジ状構造はそれらの形状を適合させて変更することができる。このようにして、多効率が高い領域は、要素の製造において引き起こされる任意の不均一性を補償できる。多孔率が高い領域および多孔率が低い領域は、複数の各要素ごとに同じように配置させることができ、あるいは、各要素ごとに異なるように配置させることができる。
材料の多孔率を測定するために、いくつかの知られた方法、例えば、光学的方法(すなわち、材料の面積に対して顕微鏡下で見える孔の面積を求める)、湿潤方法(すなわち、孔を優先的に湿らせる流体に真空下で多孔質サンプルを浸漬させる)、水飽和方法(すなわち、孔容積は、浸漬後に残された水の全体積に等しい)、または、水蒸発方法(すなわち、孔容積は、水の密度を考慮すると、飽和サンプルの重量から乾燥サンプルの重量を引いたものに等しい)を使用できる。
磁気熱量材料の任意の孔は、専用チャネルのようにブレード本体の全体を通じて延びず、通常はかなり短い。普通の孔は、一般に、0.01μm〜10μm程度の長さであり、また、直径もかなり小さく、すなわち、0.01μm〜50μm程度である。専用チャネルとは対照的に、孔は、磁気熱量材料中に無作為に分布される。
磁気熱量材料の多孔率が低くなればなるほど、複数の要素のそれぞれの充填密度を高めることができる。充填密度は、複数の要素のうちの1つの全体積、すなわち、専用チャネルの容積を含む体積に対する磁気熱量材料の割合として定義される。
最大量の交換流体が、磁気熱量材料ではなく専用チャネルを通じて流れることが望ましい。このとき、複数の要素の磁気熱量材料に関して、より高い密度を得ることができる。専用チャネルにおいては、より低い圧力損失および粘性損失が更に存在する。
好ましくは、要素間の多孔質スペーサは、その体積に対して25%よりも大きい多孔率を有する多孔質材料であり、多孔質材料は、好ましくは、コラーゲン・グリコサミノグリカン、コラーゲン発泡体、ポリテトラフルオロエチレン発泡体、スポンテックス、および、ヒドロキシアパタイトセラミックのうちの少なくとも1つである。この場合、スペーサは、交換流体のための混合構造としての役目を更に果たすことができるとともに、HE損失を減少させるのに役立つ。また、スペーサはプレートの不均一性に適合することもでき、したがって、プレートの平坦性要件が減少される。
複数材料ブレードの更なる例では、複数の要素のそれぞれが有孔プレートによって形成され、その場合、有孔プレートの複数の穿孔が複数の専用チャネルを形成する。
この例は、十分に微細な穿孔の形成という問題をもたらすが、より厚いプレートを使用して、上述した製造限界を克服できるようにする。この場合、1つの要素を、同じキュリー温度Tcを有する1つの(または複数の)有孔プレートと見なすことができる。
平行プレート形態において、最も好ましいプレート厚は90μm〜400μmの範囲内である。これらの寸法は、ある材料においては、正確にあるいは確実に形成することが難しい場合がある。有孔プレートを使用すると、プレート厚を(1桁だけ)かなり大きくすることができ、また、上限は、先に概説した冷却容量を最大にするために必要な“長さ”に関連する材料選択基準によって決定される。
好ましくは、複数の穿孔が複数の円形の、および/または角度を成す孔であり、複数の孔のそれぞれの直径または幅は、10μm〜150μm、好ましくは15μm〜110μm、または、より好ましくは20μm〜85μmの範囲内である。隣り合う孔間の距離は、60μm〜2000μm、好ましくは80μm〜1000μm、または、より好ましくは80μm〜600μm、または、随意的には100μm〜650μmの範囲内である。与えられた長さスケールは、この場合も先と同様、幾分、使用される磁気熱量材料に依存する。しかしながら、好ましい値は、能動型再生磁気熱量エンジンにおいて、最も低いHE損失を達成するとともに、プレートから交換流体への最良の熱伝達を実現する。
(向上)
HE損失の最小化は、スペーサ、プレート、または、穿孔に関して、製造の比較的小さい長さスケールを必要とする。特定の冷媒材料において、そのような小さい長さスケールの製造には問題がある。
交換流体を混合するために特別に設計された混合構造を専用チャネルで使用すると、本発明の複数材料ブレードが能動型再生磁気熱量エンジンで利用されるときに、HE損失が減少する。交換流体の混合は、圧力損失の増大がHE損失の減少よりも速くないように行なわれなければならない。混合構造の付加は、専用チャネルにわたって温度均一性を高めるので、また、最も重要なことには、流れが最も速いチャネルの中心で温度均一性を高めるので、HE損失をかなり減らすことができる。また、チャネルの中心での温度の均一化は、より高い温度勾配を壁で必要とし、それにより、熱伝達速度が更に増大するとともに、動作周波数を高めることができる。
専用チャネルに疎水性コーティング層を付加すると(混合構造ありまたはなしで)、交換流体がチャネルを通じて推し進められるときに交換流体と磁気熱量材料との間に滑り境界状態を生じさせることができる。したがって、HE損失を、交換流体の単位体積当たり10〜20%(あるいはそれ以上)減らすことができる。疎水性コーティング層の下側に薄いガラスまたはプラスチックまたは同様の層を更に加えて、疎水性コーティング層の滑らかさを高めることができる。滑らかさは、滑り境界状態の発生を助長する。
一般に、ブレードのHE損失を減らすことによる主な結果として、専用チャネルサイズ、穿孔サイズ、または、スペーササイズを絶対的に増大させることができ、それにより、製造プロセスが簡略化される。そのような寸法を増大させると、所定レベルのHE損失において、圧力損失およびポンプ損失を減らすこともできる。
あるいは、HE損失を一定レベルに維持しつつ製造を助けるために、ブレード本体を形成するそれぞれの要素内の複数の要素の長さスケール(プレート厚または穿孔間の間隔)を増大させることもできる。
最後に、HE損失を増大させることなく動作周波数を高めることもできる。
そのようなHE損失減少は、いくつかの方法で達成できる。
好ましくは、少なくとも複数のプレートのそれぞれに表面テクスチャが流体混合構造として設けられ、および/または、疎水性コーティング層が複数のプレートのそれぞれに設けられ、好ましくはガラス層またはプラスチック層が各疎水性コーティング層の下側に設けられる。表面テクスチャの付加は、ブレードが能動型再生磁気熱量エンジンで使用されるときに専用チャネルにおける温度均一性を高め、また、HE損失を減少させる。疎水性コーティング層は、その表面と交換流体との間に滑り境界状態を形成することによりHE損失を減少させる。ガラス層またはプラスチック層は、コーティング層が付着される前にプレートの滑らかさを高めることができる。コーティング層も同様に更に滑らかにすることができ、したがって、より効果的である。
好ましくは、表面テクスチャは、インクジェット印刷技術により印刷され、または、複数のプレートに接着される砂もしくは同等の砂状粗材料から形成される。両方の解決策は、実現するのが簡単であり、必要な機械的安定性を伴う低コストな解決策である。
好ましくは、対称ブレーカーが流体混合構造として複数の孔またはチャネルのそれぞれに挿入され、および/または、複数の孔のそれぞれの内壁は、流体混合構造としての役目を果たす粗面を有し、および/または、複数の孔のそれぞれの内壁には、好ましくはガラス層またはプラスチック層の上にある疎水性コーティング層が設けられる。
混合構造は、能動型再生磁気熱量エンジンにおいて交換流体を混合させるためのものであり、専用チャネル内の交換流体の温度均一性を高める。その結果、HE損失が減少される。また、疎水性コーティング層はHE損失を減少させるのに役立つ。これは、チャネル表面と交換流体との間に滑り状態が形成されるからである。
あるいは、そのような対称ブレーカー、粗面、または、疎水性滑り層によって、HE損失を増大させることなく磁気熱量材料に応じて製造を更に容易にし得る更に大きな孔を許容することができる。
全ての例では、能動型再生磁気熱量エンジンにおいて複数の要素の界面での局所的な温度勾配を補償するために、複数の要素のうちの隣り合う要素間にセパレータが設けられるのが好ましい。
複数材料ブレードの本発明は、電気熱量材料にも適用できる。AMR変換に関して概説された最適な設計原理は、電気熱量エンジン変換にも同様に適用できる(しかし、結果として得られる幾何学的形態の一部は異なる)。
ヒートエンジンで用いる複数材料ブレードの本発明は、ヒートポンプ、廃熱からのエネルギー回収、ならびに、冷凍および冷却を対象とした(ヒートエンジンを使用する)用途に適用できる。
(製造)
本発明は、更に、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンで用いる複数材料ブレードを製造するための方法に関する。方法は、相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料から作られた複数の要素からブレード本体を形成するステップであって、複数の要素がブレード本体の長手方向に沿って配置される、ステップを備える。方法は、ブレード本体を貫通するとともにブレード本体の長手方向に沿って延びる複数の専用チャネルを形成するステップと、複数の専用チャネルのそれぞれに流体混合構造および/または疎水性コーティング層を設けるステップとを更に備える。
方法は、能動型再生磁気熱量エンジンにおけるAMRとして使用され得るとともに、特にシステムにおけるHE損失を更に減少させる複数材料ブレードの製造を実現する。
本発明は、更に、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンで用いる複数材料ブレードを製造するための方法に関する。方法は、相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料から作られる複数の要素からブレード本体を形成するステップであって、複数の要素がブレード本体の長手方向に沿って配置されるステップを備える。また、方法は、ブレード本体を貫通するとともにブレード本体の長手方向に沿って延びる複数の専用チャネルを形成するステップを更に備え、複数の要素のそれぞれは、インクジェット印刷技術(または、ステンシル/スクリーン印刷、フォトリソグラフィ、もしくは、ドットシステムまたはジェットシステムによる直接塗布)によって印刷される少なくとも1つのスペーサによって互いから分離される複数のプレートを互いの上に積み重ねるとともに、複数のプレートを一緒にクランプし、および/または接着することによって形成され、複数のプレートのそれぞれは、磁気熱量材料または電気熱量材料から作られたサブプレートをフレーム内で一列に並べて、サブプレートにストリップおよび/またはドットを加えるとともに、複数のプレートを形成するべく一列に並べられたサブプレートとフレームとを焼成することによって形成される。方法は、自動化された低コストな製造プロセスに適合する。費用競争力のある商業的に実現可能な再生エンジンが可能になる。
方法は、製造ステップ、特に、この文書に記載される複数材料ブレードの任意の有利な構造および特性を形成するあるいは実現するステップを更に備えることができる。複数材料ブレードの異なる例および構造を更に組み合わせて、有利な特徴の組み合わせを得ることができる。例えば、インボリュート型のブレード構造を得るために、全ての上述した複数材料ブレードを湾曲形状に形成できる。
以下、添付図面を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
図1の(a)は、磁気熱量効果を簡単な磁気熱量エンジンでどのように利用できるのかを示す。(b)は、再生磁気熱量エンジンがどのように動作するのかを示す。 図2aは、磁気冷媒の対温度エントロピーサイクルを示す。 図2bは、AMRが理想的にトレースする対温度エントロピーサイクルを示す。 図2cは、磁気冷媒の例示的なΔS特性およびΔT特性を示す。 図3は、本発明の第1の例に係る複数材料ブレードを示す。 図4は、第1の例に係る複数材料ブレードの複数の要素のうちの1つを示す。 図5は、第1の例に係る複数材料ブレードの混合構造を示す。 図6は、第1の例に係る複数材料ブレードの混合構造を示す。 図7は、第1の実施形態に係る複数材料ブレードの複数の要素のうちの1つを示す。 図8は、本発明の第2の例に係る複数材料ブレードを示す。 図9は、第2の例に係る複数材料ブレードの複数の要素のうちの1つを示す。 図10は、第2の例に係る複数材料ブレードを示す。 図11は、第2の例に係る複数材料ブレードの混合構造を示す。 図12は、第2の例に係る複数材料ブレードの混合構造を示す。 図13は、第2の例に係る複数材料ブレードを示す。 図14は、本発明の第3の例に係る複数材料ブレードの電気熱量要素を示す。 図15は、第3の例に係る複数材料ブレードの複数の要素のうちの1つを示す。 図16は、本発明の第4の例に係る複数材料ブレードのインボリュート構造を示す。 図17は、本発明の第1の例に係る複数材料ブレードの製造ステップを示す。
(発明の詳細な説明)
上述したように、本発明に係る複数材料ブレードは、相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料で作られた複数の要素2から形成されるブレード本体1を備える。ブレード本体は、その長手方向に沿って複数の要素2に分割される。ブレード本体1を貫いて複数の専用チャネル3が通っており、これらのチャネル3はブレードの全長にわたって延びる。複数の専用チャネル3はブレード本体1を貫通し、それにより、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンにおいては、交換流体がブレードの一端から他端に専用チャネル3を通じて圧送され得る。以下において、本発明は、複数材料ブレードのいくつかの例および構造を与える。これらの例は、実現可能な場合には、組合せ的な有利な特徴を得るために組み合わせることができる。いくつかの原理は、全ての例において有効であるが、同一の詳細については繰り返し説明されない。
図3は、能動型再生磁気熱量エンジンで使用されるようになっている本発明に係る複数材料ブレードの第1の例を示す。図3では、複数の要素2のそれぞれが積層技術によって作られ、この場合、要素2は、ブレード本体1を形成するために、互いに隣り合って一列に並べられるとともに、互いにクランプされ、および/または接着される。図4に示されるように、複数の要素2のそれぞれは、この場合も先と同様に、互いに上下に積層されてスペーサ5によって分離される複数のプレート4から成る。無論、スペーサ5は、隣り合うプレート4間に隙間を画定するとともに、各要素2とブレード本体1全体とを通る専用チャネル3を形成する。
各プレート4は磁気熱量材料から作られ、1つの要素2のプレートは同じ材料から作られるのが好ましい。しかしながら、要素2の複数のプレート4について材料を変化させることもできる。材料の好ましいグループは、LaFeSi,LaFeSiCo,LaFeSiH,MnPFeAs,MnPFeSi,MnAsSb,MnPFeGe,Gd,GdDy,CoMnSi,CoMnGe,GdSiGeであり、これらの材料は、様々なドーパントを含んでもよく、あるいは、記載された元素を様々な比率で含んでもよい。複数の要素2のそれぞれは、他の要素と比べて異なる少なくとも1つの磁気熱量材料を備え、あるいは、そのキュリー温度Tcが異なる少なくとも1つの材料を備える。キュリー温度の差は、例えば、同じ材料の相異なるドーピングによって実現され得る。
各プレート4は、約50μm〜1500μm、好ましくは70μm〜700μm、より好ましくは90μm〜400μmの厚さを有する。値は、使用される磁気熱量材料に多少依存する。図4に示されるように、各要素2のプレート4は全て、同じサイズおよび形状を有し得るが、例えばブレードの湾曲を実現するために互いに異なることもできる。インボリュート型のブレード本体を形成するためには、全ての曲率が同じである。
プレート4は、図4では、長方形形状を有するように示されているが、これは全く限定的ではなく、正方形、三角形、または、円形のような他の形状を想起できる。プレート4は平坦であるようにも示されているが、図16に関して後述するように、プレート4は、それらの表面のいずれかが湾曲を成すこともできる。湾曲は、凸または凹となり得る。
プレート4を押出成形技術により作ることができ、その場合、固体プレート4を形成するために、ある種の結合剤によって磁気熱量粉末が結合される。当然ながら、プレート4を単一の磁気熱量材料の固体ブロックまたは磁気熱量材料の合金から作ることもできる。
いずれの場合でも、プレート4は、0.1W/mK〜10W/mK、好ましくは0.1W/mK〜5W/mK、より好ましくは0.1W/mK〜2W/mKの範囲内の可能な限り低い熱伝導率を有するようになっている。このとき、複数の要素2のそれぞれも低い熱伝導率を有する。プレート4が、結合剤と混合される押し出された粉末により作られる場合、結合剤は磁気熱量材料以下の熱伝導率を有さなければならない。その結果、結合剤に関しては、プラスチックのような材料が金属よりも好ましい。プレート4および複数の要素2の低い熱伝導率は、それぞれ、複数材料ブレードを通じた熱の逆流によって引き起こされる、能動型再生磁気熱量エンジンにおける損失を最小限に抑える。なお、複数の要素2のうちの隣り合う要素間のセパレータは、全冷却力の%として逆流を減少させない。しかしながら、複数の要素2のうちの隣り合う要素間のセパレータは、組立て目的のため、また、隣り合う材料間の局所的な温度勾配を減少させるために使用できる。
ブレード本体1を貫通する専用チャネル3を画定するスペーサ5は、約5μm〜100μm、好ましくは10μm〜75μm、より好ましくは15μm〜60μmの厚さを有する。値は、この場合も先と同様に、プレート4の磁気熱量材料に依存するとともに、能動型再生エンジンの専用チャネル3を通り抜ける交換流体にも依存する。理想的には、スペーサ5は可能な限り小さい。これは、チャネル3が狭いほどHE損失が少なくなるからである。しかしながら、HE損失と粘性損失および圧力損失との間の兼ね合いが考慮に入れられなければならない。スペーサは、磁気熱量材料に関して先に与えられた範囲内の、またはそれよりも低い熱伝導率の低熱伝導率材料から作られるのが好ましい。
図3における複数の要素2は、複数の要素2のそれぞれがそれに隣り合う要素2に対して90°回転されるように、ブレード本体1の長手方向に沿って一列に並べられ得る。無論、任意の他の角度も選択できる。交換流体の流れは、交換流体が混合されるようになっており、それにより、HE損失が更に減少される。
能動型再生磁気熱量エンジンでは、ブレード本体1の一端が低温端であり、他端が高温端である。交換流体は、磁場が複数材料ブレードに印加され、あるいは磁場が複数材料ブレードから除去されるときに、必要に応じて、高温端から低温端へ向けて及び低温端から高温端へ向けて専用チャネル3を通過させられる。交換流体がいくつかの圧送サイクルを経た後、ブレード本体1の低温端からブレード本体1の高温端へ向かって温度勾配が形成される。全体の温度勾配は、ブレードの構造、特に、磁気熱量材料の選択および配置に依存する。
したがって、ブレード本体1を形成する複数の要素2は、各要素2における磁気熱量材料のキュリー温度が、ブレード本体1の全長にわたって生じる温度勾配をトレースする態様で、ブレード本体に沿って要素を配置できるような磁気熱量材料から作られるようになっており、および/または、そのように配置できる態様でドープされるようになっている。温度勾配は直線的であることが好ましく、これは、複数の要素のそれぞれのキュリー温度、長さ、および、温度範囲の適合を必要とする。更に、複数の要素2のそれぞれは、それが可能な限りそのキュリー温度付近で作用する位置に配置されるようになっている。複数の要素2は、専用チャネル3の方向で、相異なる長さを有することができ、あるいは、同じ長さを有することができる。複数の要素2のそれぞれにおけるキュリー温度、長さ、および、温度変化ΔTは、好ましくは、冷却容量が均一に近付くように選択されなければならず、その場合、均一とは、ブレード本体1の長手方向に沿って配置される要素同士の直ぐ間で、すなわち、2つの要素の境界で、±30%のずれ、好ましくは±20%のずれ、より好ましくは±10%のずれを有することであると理解される。
局所的な温度勾配は、ブレード本体1の要素間に生じる可能性があり、任意の能動型再生磁気熱量エンジンの性能に支障を来すエントロピーをもたらし得る。このとき、熱を複数の要素から交換流体に最適に伝えることができない。この効果に対抗するべく、組立上の理由のために、また、2つの材料間の境界に相異なるΔTを有するサブブレード間に生じる場合がある局所的な温度勾配を減少させるために、複数の要素の一部または全部の間にスペーサまたはセパレータが使用されてもよい。磁気熱量材料(電気熱量材料も)の上記の配置は、本発明に係る複数材料ブレードの全ての例において有効である。
図5は複数のプレート4のうちの1つを示し、プレート4には2つのスペーサ5が印刷される。スペーサ5をインクジェット印刷技術によって印刷することができ、それにより、低コストな自動製造が可能である。無論、スペーサを他の技術によって印刷または接着できる。スペーサ5の数は2つである必要がなく、少なくとも1つのスペーサが存在すべきである。また、例えばインクジェット印刷技術によって表面テクスチャ6を印刷でき、あるいは、その他の方法で、プレート4の一部または全部の片面または両面に表面テクスチャ6を付着させることができる。表面テクスチャ6の付加は、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンのチャネル3を通じて交換流体が圧送されるときに、それぞれの専用チャネル3にわたる温度均一性を高める。交換流体の混合は、HE損失を減少させ、したがって、エンジンの全体性能を高める。表面テクスチャ6の形状および寸法は、図5に示されるものと異なることができる。
表面テクスチャ6に代えて、あるいは、表面テクスチャ6に加えて、疎水性コーティング層を複数のプレート4の一部または各プレート4に印刷できあるいは他の方法で付着させることができる。疎水性コーティング層は、プレート4の両面または片面にあってもよい。疎水性コーティング層と表面テクスチャ6とが、例えばプレート4の互いに反対側の面にあってもよい。随意的に、薄いガラス層またはプラスチック層が各疎水性コーティング層の下側に配置されてもよい。疎水性コーティング層は、ブレードが能動型再生磁気熱量エンジンで使用されるときに、プレート4の表面、すなわち、専用チャネル3の表面と交換流体との間に、滑り境界状態をもたらすことができる。滑り境界状態は、HE損失を減らす役目を果たす。
積層されたプレート4のアセンブリと共に適用され得る別の混合構造が図6に示される。例えばインクジェット印刷技術によってスペーサおよび/または表面テクスチャ6を印刷する代わりに、砂粉末が正しい長さスケールに合わせて篩い分けされ、また、鋭角付けされた砂構造が形成されてプレート4に接着される。鋭角付けされた砂構造は、スペーサ5としても、また、混合構造6としても役立つ。該構造は、専用チャネル3の幅を画定するために、また、HE損失を減少させるために利用される。好ましくは、上述した理由により複数の要素2のそれぞれの熱伝導率を可能な限り小さく維持するために、低熱伝導率材料(すなわち、磁気熱量材料の熱伝導率よりも低い材料)が粉末または砂について使用されるべきである。
図7は、本発明の別の第2の例における複数の要素2のうちの1つを示す。この例は、この場合も先と同様にプレート4を積層して複数の要素2を形成できるので、第1の例に類似して適合する。第2の実施形態のブレード本体1は、図7では垂直方向である一方向で多孔率が異なる領域を有する断面を有する。多孔率が異なる領域は、互いに分離されるとともに、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%である、多孔率の急上昇により画定される。図7において、多孔率が低い(多孔率は、ゼロにもなり得るが、有限値を有することもできる)領域を表わす複数のプレート4は、これらの間に挟まれる複数の多孔質層19と交互に互いの上に積層される。多孔質層19は専用チャネル3とスペーサ5とを形成する。交換流体は、高い多孔率を有する領域(開口構造)を通じて、図7の場合にはプレート4間の層19を通じて流れることが好ましい。しかしながら、幾らかの量の交換流体が、多孔率が低い領域を通じて流れることもできる。磁気熱量材料は10%未満の多孔率を有することが好ましく、このことは、全ての他の実施形態で使用される磁気熱量材料においても当てはまる。
ブレード本体1の多孔率が異なる領域においては、多くの構造が想定され得る。ブレード本体1は、その垂直方向またはその水平方向に沿って、多孔率が異なる少なくとも2つの領域を有することができるが、多孔率が異なる領域を多数有することもでき、また、各領域が異なる多孔率を有することさえできる。ブレード本体の複数の要素2のそれぞれの断面は、必ずしも同じである必要はない。また、高多孔率領域および低多孔率領域の数も要素2間で異なることができる。
多孔率が異なる領域をそれらが混合構造6として役立つように設計することができ、それにより、冷却システムにおけるHE損失が減少する。また、相異なる多孔率を使用して、複数材料ブレード内の圧力を制御でき、したがって、粘性損失を制御して減らすことができる。図7に示される多孔質層19は、多孔率に応じて15〜80μm、最大で125μmの好ましい垂直幅を有する。多孔質層19の材料は、例えば、コラーゲン・グリコサミノグリカン・スキャフォールドまたはスポンテックスとなり得る。また、コラーゲン発泡体、ポリテトラフルオロエチレン、または、ヒドロキシアパタイトセラミックも使用できる。多孔率は25〜95%の範囲内であることが好ましい。孔径は1μm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。ヒドロキシアパタイトセラミックは微小孔を有する。微小孔のサイズは0.1〜10μmであることが好ましい。多孔率が高い少なくとも1つの領域を、そのサイズおよび形状を適合させることができる、例えばスポンジ状構造のように柔軟にすることができる。したがって、ブレード本体1の複数の積層要素を組み付けるためのプレート4の平坦性要件を減らすことができる。
図8は、本発明に係る複数材料ブレードの別の第3の例を示す。この場合も先と同様に、ブレード本体1は複数の要素2と専用チャネル3とから成る。図9は、図8の複数の要素2のうちの1つを形成する有孔プレート7を示す。複数の有孔プレート7はブレード本体1の長手方向に沿って一列に並べられ、また、専用チャネル3が全てのプレート7を貫通して延びる。このため、図9に示されるように、各有孔プレート7が穿孔9を備える。有孔プレート7は、ドリル加工、押出成形、または、加圧プロセスによって、あるいは、他の粉末処理技術によって形成され得る。孔は、角度を成すことができ、長方形または円形であってもよく、あるいは、任意の他の形状を有することができる。各孔の直径は、最適化することができ、理想的には10〜150μm、好ましくは15〜110μm、または、より好ましくは20μm〜85μmである。2つの隣り合う孔間の間隔は、好ましくは60μm〜2mm、より好ましくは80〜1000μm、より好ましくは100μm〜650μmの範囲内である。長さスケールは、各有孔プレート7が作られる磁気熱量材料によって決まるが、第1の例で説明された専用チャネル3の長さスケール要件に等しい。有孔プレート7は、長方形形状または正方形形状を有するように示されるが、同様に他の形状を有することができる。先と同様に有孔プレート7は平坦プレートとして示されるが、後述するように、有孔プレート7は、湾曲または曲げ角を有することもできる。
図8に示されるように有孔プレート7が互いに積層される場合、理想的には、逆流損失を最小限に抑えようとするためだけにスペーサが使用されることはない。しかしながら、スペーサは、より均一な積層と局所的な温度勾配の減少とを可能にするために必要に応じて使用され得る。好ましくは、各有孔プレート7は、ブレード本体1の組み付けが簡単で且つ信頼できるように、位置合わせ用の切り欠きを有する。各有孔プレート7は、先と同様、第1の例で説明された材料の同じグループから選択され得る様々な磁気熱量材料から作られる。複数の要素2のそれぞれのキュリー温度を選択するための要件は、上述した要件と同じである。有孔プレート7を製造する押出成形またはプレス加工のような製造技術が、好ましくは複数材料ブレードで使用されるよりも大きい孔にのみ有効である場合には、専用チャネル3を通じた交換流体の流れを最適化するためにパイプ挿入体を更に加えることができる。それにより、HE損失を最小にできる。図10は、複数の孔9の直径を減少させるため、したがってHE損失を減少させるために複数の孔9のそれぞれに挿入されるパイプ挿入体10を示す。パイプ挿入体10は、全ての専用チャネル3の直径が同一とならないように相異なる直径を有することもできる。パイプ10は、低い熱容量および低い熱伝導率を有する材料(例えば、ガラス)から作られるのが好ましい。複数の要素2のそれぞれ、すなわち、有孔プレート7のそれぞれの熱伝導率は、0.1W/mK〜10W/mK、好ましくは0.1W/mK〜5W/mK、より好ましくは0.1W/mK〜2W/mKの範囲内にあるべきである。その理由については上述した。
各パイプ10内、または、各孔9内には、対称ブレーカーまたは流れブレーカー13を挿入できる。図11から分かるように、これらの対称ブレーカー13は、混合構造として機能し、例えば専用チャネル3を通り抜ける、長手方向に延在された螺旋となり得る。対称ブレーカー13は、交換流体が専用チャネル3を通じて圧送されるときに交換流体の混合を助長し、したがって、HE損失を減らすのに役立つ。対称ブレーカーは、磁気熱量材料が温度を変えるときに熱が交換流体へ多く伝達されるようにプラスチックのような低熱容量材料から作られるとともに、低熱伝導率材料、すなわち、磁気熱量材料の熱伝導率よりも高くない材料から作られるのが好ましい。これは、有孔プレート7の全体の熱伝導率を可能な限り低く維持するためである。
HE損失を減少させる混合構造を与える別の可能性は、一部のもしくはそれぞれの孔9またはパイプ挿入体10のそれぞれの内側の粗壁11である。図12は壁11の内側の粗さを示す。粗さは、圧力損失およびHE損失を同時に最小限に抑えるように調整されるのが好ましい。粗壁によって、HE損失を増大させることなく、更に大きい直径の孔9または更に細い壁パイプ10を使用できる。粗さは、溝、突起、尖った先、または、他の粗さパターンによって生成することができる。
HE損失を減少させるための別の手段が図13に示される。孔9またはパイプ挿入体10の内側には滑りコーティング層が設けられる。例えば、疎水性層を内壁に付着させることができる。また、ガラスパイプ10を孔9内に挿入できる。コーティングは、標準的なガラス疎水性コーティング層であってもよい。上述したように、滑りコーティング層は、交換流体と専用チャネル3の表面との間に滑り境界状態をもたらして、HE損失をかなり減少させる。いくつかの孔9に疎水性コーティング層を設けることができ、また、いくつかの他の孔に対称ブレーカー13または粗壁を設けることができる。対称ブレーカー13は単一の孔9内の複数のコーティング層とも適合する。
HE損失減少技術の使用は、より効率的なシステムを駆動させることもできる。あるいは、所定の損失において、製造が更に容易となり得る更に大きなチャネルまたは孔が許容される。
本発明の複数材料ブレードは、本発明の第4の例を表わす、少なくとも1つの電気熱量要素15から形成される複数の要素2を有することもできる。図14は電気熱量要素15を示す。電気熱量要素15は、2つの電極14によって挟まれる電気熱量材料13を備え、2つの電極14には電圧を印加することができる。したがって、電気熱量要素15の構造は、基本的に、電気熱量材料13上に形成されるキャパシタ構造である。電気熱量材料は、磁場ではなく電場によりもたらされる温度変化ΔTを材料が受ける他は、磁気熱量材料と同様である。電圧が2つの電極に印加されると、電気熱量材料にわたって電場が形成され、材料13の温度が変化する。図15は多層キャパシタ構造16を示す。この多層キャパシタ構造16は、複数の電極14により分離される単一の電気熱量材料13の複数の層を利用する点で、図14に示される実施形態とは異なる。この実施形態は、電気熱量材料のかなり薄い層を可能にするという利点を有し、したがって、より低い電圧を使用でき、あるいは、より高い電場を発生させることができ、それにより、ΔSおよびΔTを増大して、冷却容量を高めることができる。
電気熱量要素15または多層キャパシタ構造16は、専用チャネル3とスペーサ5とを有する多層構造を形成するために図4のプレート4の態様で使用することができる。
しかしながら、電気熱量要素15または多層キャパシタ構造16は、穿孔または孔を有することもでき、それぞれは、図8の場合のようにブレード本体に沿って専用チャネルをもたらす複数の要素2のうちの1つを形成する。
電極14は、金属電極であってもよく、また、好ましくは電気熱量要素15の厚さの5%以下である。
電気熱量複数材料ブレードは、材料の選択について上述した磁気熱量複数材料ブレードと同じ要件を有する。その温度付近でエントロピーの変化が存在する転移温度は、能動型再生電気熱量エンジンのブレードに沿う温度勾配によって規定される温度に従うべきである。原理上、電気熱量材料のΔTおよびΔSは、原理上、磁気熱量材料の場合よりもかなり大きい。これは、特に多層キャパシタ構造では磁場よりも大きな電場を印加できるという事実に起因する。大きなΔTおよびΔSも更に幅広い温度範囲にわたって存在し、このことは、AERの長手方向に沿って必要な材料が少なくて済むことを意味する。それにもかかわらず、基本原理は、AMRの場合と同じままである。
要するに上述したように、複数材料ブレードの形状は平坦であると見なされた。しかしながら、回転システムを伴うブレードを使用する場合、すなわち、複数のブレードを1つの円形状にまとめて組み付ける場合には、湾曲形状が有利である。図16は湾曲形状を有する要素2を示す。これは、要素2の複数のプレート4が湾曲形状に構成されるからである。したがって、要素2は、図16に示されるように、完全な円形状で完璧に密集させる可能性を与えるインボリュート構造を有し、この場合、各要素内のプレート間隔は一定である。要素間の間隔は一定のままであるので、立方要素を円形状に密集させるよりも30%小さい磁場体積が必要となる。これは、磁場利用度がかなり高いからである。したがって、それぞれの能動型再生エンジンにおいて、より小さいより安価な磁石を使用できる。磁場利用度は100%にまで達し得る。図4の積層プレートまたは図9の有孔プレート7のように、各要素を依然として多くの個々のプレートから形成することができる。湾曲押出成形によって湾曲プレートを製造できる。また、図16のインボリュート構造の場合にも、粗壁または表面テクスチャを専用チャネル3のそれぞれに付着させることができ、また、滑りコーティングを使用できる。
複数材料ブレード構造(1)を形成するために、複数の要素(2)を垂直に(または、放射状に)組み合わせることができる。一般に、全ての例は、他の例の有利な特徴および向上を使用できる。これらの例を互いに組み合わせることもできる。
図17は、本発明に係る複数材料ブレード、特に第1の実施形態を作ることができる方法の一例を示す。一般に、ブレード本体1は複数の要素2から形成され、複数の要素2のそれぞれは相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料から作られる。複数の要素2はブレード本体1の長手方向に沿って配置され、また、ブレード本体1を貫通する専用チャネル3が形成される。最後に、混合構造および/または疎水性コーティング層を専用チャネル3のそれぞれに設けることができる。
図17において、複数の要素2のそれぞれは、複数のプレート4を互いの上に積み重ねることによって形成される。複数のプレート4のそれぞれは、複数のサブプレート16をフレーム17内で一列に並べて、サブプレートにストリップおよびドット18を加えるとともに、プレート4を形成するべく一列に並べられたサブプレート16をフレーム17と一緒に焼成することによって形成される。その後、プレート4は、スペーサ5を間に挟んで互いに上下に積層されて、例えば両側で互いにクランプされあるいは接着され、随意的に封入される。最後に、複数の要素2は、ブレード本体1を形成するためにひとまとめにされる。この場合、好ましくは、各積層体は、その隣り合うプレート積層体に対して好ましくは90°回転される。
要約すると、本発明は、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンの能動型再生蓄冷器として使用される複数材料ブレードの設計および製造について説明する。ブレードは、ブレード本体をその長手方向に沿って分割する複数の要素2から成る。各要素2は相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料から作られ、また、複数の専用チャネル3がブレード本体1を貫通してブレードの長手方向に沿って延びる。能動型再生エンジンのHE損失を減少させるために、流体混合構造、多孔質層、または、疎水性コーティングを専用チャネル3に設けることができる。複数材料ブレードは、インクジェット(あるいはその均等物)技術によって低コストで得ることができる。複数材料ブレードは、インボリュート型のブレード本体1を形成するために湾曲形状を更に有することができる。全ての手段は、能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンの性能を高めることができるとともに、商業的解決のための基準を構築できる。

Claims (13)

  1. 能動型再生磁気熱量エンジンまたは能動型再生電気熱量エンジンで用いる複数材料ブレードであって、
    相異なる磁気熱量材料または電気熱量材料から作られた複数の要素(2)から形成されるブレード本体(1)であって、該ブレード本体(1)がその長手方向に沿って前記複数の要素(2)に分割される、ブレード本体(1)と、
    前記ブレード本体(1)を貫通するとともに当該複数材料ブレードの長手方向に沿って延びる複数の専用チャネル(3)と
    を備え、
    前記専用チャネル(3)に対して垂直な前記ブレード本体(1)の断面が、多孔率が異なる複数の領域を所定の方向に沿って有し、隣り合う前記領域の界面で前記多孔率が少なくとも10%だけ急峻に変化する、複数材料ブレード。
  2. 前記複数の要素(2)のそれぞれが、1つ以上のドーパントが更に設けられ得る、LaFeSi,LaFeSiCo,LaFeSiH,MnPFeAs,MnPFeSi,MnAsSb,MnPFeGe,Gd,GdDy,CoMnSi,CoMnGe,GdSiGeから成るグループから選択される磁気熱量材料、または、電気熱量材料、すなわち、P(VDF−TrFE−クロロフルオロエチレン)、PLZT(8/65/35)、Pb(Mg1/2Nb2/3)O3−35PbTiO3(PMN−35PT))、BaTiO3、または、(NH4)2SO4から作られ、各材料が相異なるキュリー温度を有し、各材料が、その体積に対して20%以下の多孔率を有する、請求項1に記載の複数材料ブレード。
  3. 複数の前記要素(2)のそれぞれが、0.1W/mK〜30W/mK、または0.1W/mK〜10W/mK、または0.1W/mK〜5W/mK、または0.1W/mK〜2W/mKの範囲内の熱伝導率を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の複数材料ブレード。
  4. 前記複数の要素(2)が、能動型再生磁気熱量エンジンにおける前記ブレード本体(1)に沿って形成される温度勾配を前記材料のキュリー温度がトレースするように、設計されて配置される、請求項またはに記載の複数材料ブレード。
  5. 前記複数の要素(2)のそれぞれが複数のプレート(4)により形成され、
    前記複数のプレート(4)が、互いの上に積み重ねられるとともに、インクジェット印刷技術、ステンシル印刷もしくはスクリーン印刷、フォトリソグラフィ、または、ドットシステムもしくはジェットシステムによる直接塗布によって印刷される少なくとも1つのスペーサ(5)によって互いから分離され、
    前記複数のプレート(4)間の間隔が前記複数の専用チャネル(3)を形成する、請求項1〜のいずれか一項に記載の複数材料ブレード。
  6. 前記スペーサ(5)が、その体積に対して25%よりも大きい多孔率を有する多孔質材料であり、前記多孔質材料が、コラーゲン・グリコサミノグリカン、コラーゲン発泡体、ポリテトラフルオロエチレン、スポンテックス、および、ヒドロキシアパタイトセラミックのうちの少なくとも1つである、請求項に記載の複数材料ブレード。
  7. 前記複数のプレート(4)のそれぞれが、50μm〜1500μm、または60μm〜700μm、または70μm〜350μmの範囲内の厚さを有し、
    前記少なくとも1つのスペーサ(5)が、5μm〜100μm、または10μm〜75μm、または15μm〜60μmの範囲内の厚さを有する、請求項またはに記載の複数材料ブレード。
  8. 少なくとも前記複数のプレート(4)のそれぞれに表面テクスチャ(6)が流体混合構造(6)として設けられ、および/または、
    疎水性コーティング層が前記複数のプレート(4)のそれぞれに設けられ、ガラス層が各疎水性コーティング層の下側に設けられる、請求項のいずれか一項に記載の複数材料ブレード。
  9. 前記表面テクスチャ(6)が、インク印刷技術により印刷され、または、前記複数のプレート(4)に接着される砂もしくは砂状材料から形成される、請求項に記載の複数材料ブレード。
  10. 前記複数の要素(2)のそれぞれが有孔プレート(7)から形成され、
    前記有孔プレート(7)の複数の穿孔(9)が前記複数の専用チャネル(3)を形成する、請求項1〜のいずれか一項に記載の複数材料ブレード。
  11. 前記複数の穿孔が、円形の、および/または角度を成す複数の孔(9)であり、
    前記複数の孔(9)のそれぞれの直径または幅が、10μm〜150μm、または20μm〜85μmの範囲内であり、
    前記複数の孔(9)のうちの隣り合う孔間の距離が、60μm〜2mm、または80μm〜600μmの範囲内である、請求項10に記載の複数材料ブレード。
  12. 対称ブレーカー(13)が流体混合構造として前記複数の孔(9)のそれぞれに挿入され、および/または、
    前記複数の孔(9)のそれぞれの内壁が、流体混合構造としての役目を果たす粗面(11)を有し、および/または、
    前記複数の孔(9)のそれぞれの前記内壁には、ガラス疎水性コーティング層である疎水性コーティング層(12)が設けられる、請求項10または11に記載の複数材料ブレード。
  13. 能動型再生磁気熱量エンジンにおける前記複数の要素の界面の局所的な温度勾配を補償するために、前記複数の要素のうちの隣り合う要素間にセパレータが設けられ、前記セパレータが、磁気熱量材料または電気熱量材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するとともに、50μm〜1000μmの範囲内の好ましい厚さを有する、請求項12のいずれか一項に記載の複数材料ブレード。
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