JP2004333053A - 蓄冷器および蓄冷材の形成方法 - Google Patents
蓄冷器および蓄冷材の形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004333053A JP2004333053A JP2003131354A JP2003131354A JP2004333053A JP 2004333053 A JP2004333053 A JP 2004333053A JP 2003131354 A JP2003131354 A JP 2003131354A JP 2003131354 A JP2003131354 A JP 2003131354A JP 2004333053 A JP2004333053 A JP 2004333053A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cold storage
- regenerator
- storage material
- thermal conductivity
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】蓄冷材同士の接触による熱伝導によるロスを低減し、高性能な蓄冷器を提供する。
【解決手段】蓄冷材11同士が接触する面に蓄冷材11より低い熱伝導率の被覆20を形成することにより、蓄冷器内での熱伝導による熱の逆流を低減することとなり高性能な蓄冷器が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】蓄冷材11同士が接触する面に蓄冷材11より低い熱伝導率の被覆20を形成することにより、蓄冷器内での熱伝導による熱の逆流を低減することとなり高性能な蓄冷器が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング冷凍機、ギフォード・マクマホン冷凍機、パルス管冷凍機などの往復蓄冷型冷凍機の蓄冷器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
往復蓄冷型冷凍機は、液体窒素温度以下が必要な高温超伝導デバイスの冷却やクライオポンプなどの超低温冷却のために用いられる。
【0003】
往復蓄冷型冷凍機のひとつで、近年、進歩が目覚しい従来のパルス管冷凍機の構成について図6ないし図8を用いて説明する。(例えば特許文献1参照)図6および図7は従来のパルス管冷凍機における構成を示す概念図、図8は従来のパルス管冷凍機における蓄冷器内部の作動流体挙動と熱の授受の関係を示す模式図である。
【0004】
図中、1は圧力振動源、2は第1の放熱部、3は蓄冷器、4はコールドヘッド、5はパルス管、7は第2の放熱部、8は連通管、9はバッファタンクである。パルス管5と圧力振動源1との間に、気体の移動を許容しつつ気体との接触面積を大きくするように部材を詰め込んだ蓄冷器3が配置されている。
【0005】
パルス管冷凍機は、圧力振動源1の圧力振動によってパルス管5内のガス圧縮および膨張を繰返し行うと共に圧力振動源1の圧力振動とガスの圧縮および膨張との間に位相差を持たせることによって、蓄冷器3内で熱交換を行って、パルス管5の一端側であるコールドヘッド4から取り去った熱を外部へと搬送するようになっている。
【0006】
なお、連通管8、バッファタンク9は圧力振動源1の圧力振動とガスの圧縮および膨張との間の位相差を制御する手段を構成する。
【0007】
図6は蓄冷材としてメッシュ11を用いたもので、メッシュ11は蓄冷器3の軸方向に対して垂直に積層される。図7は金属粒12を用いた場合を示しており、蓄冷器3の内部に詰め込まれている。材質としてはメッシュ11の場合はステンレスや銅、金属粒12の粒状の場合は鉛や特殊な磁性体などが用いられる。
【0008】
これらのパルス管冷凍機は、内部に封入した気体である作動流体の圧縮・膨張に伴う顕熱変化を利用して熱を輸送するもので、その仕組みは図8のようになっている。
【0009】
図8において16は単位質量の作動流体を、17は蓄冷材の断面を模式的に表したものである。また作動流体16と蓄冷材17の間の矢印Aは熱の流れの方向を、水平方向の矢印Bは作動流体16の移動方向を表している。図8(a)より図8(b)のほうが作動流体16を表す円が大きいのは図8(a)が圧縮された状態、図8(b)が膨張された状態であることを示している。
【0010】
圧力振動源1の圧縮作用により、図8(a)に示すように作動流体16は圧縮され、作動流体16の温度が上昇すると共に、矢印B方向へ移動する。矢印B方向に移動した作動流体16は熱をA方向の蓄冷材17に伝達する。これは、作動流体16と蓄冷材17の温度を比較すると、作動流体16の温度が蓄冷材17の温度より高く、温度は高温から低温の箇所に移動するためである。次ぎに、圧力振動源1の膨張作用により、図8(b)に示すように作動流体16は膨張して、作動流体16の温度が下降すると共に、BB方向に移動する。矢印BB方向に移動した作動流体16の温度は蓄冷材17の温度より低くなっているので、蓄冷材17の熱がAA方向の作動流体16に伝達する。
【0011】
このような局所的な熱搬送を蓄冷器3の全体で繰り返し発生させることにより、熱を一方向に搬送する。これによりコールドヘッド4が低温、第1の放熱部2側が高温となり、蓄冷器3に大きな温度勾配ができる。第1の放熱部2では運び込まれた熱を外部へ絶えず放出することにより、コールドヘッド4を非常に低い温度にすることができる。
【0012】
蓄冷材17は、作動流体16から熱を速やかに受け取り、また作動流体16に熱を速やかに受け渡すことができるよう、表面積が大きいことが必要である。また実際に作動流体16は飛び飛びに存在するわけではないので、蓄冷材17の隙間があると、そこへ来た作動流体16は熱の授受ができなくなるので、できるだけ密に蓄冷材17が詰まっている方が熱搬送の効率の点では有利である。しかし一方で、蓄冷材17同士が接触することによる熱伝導のため、熱搬送によって生じた温度勾配を打ち消す方向に熱が流れようとするので、蓄冷材17間の熱伝導を小さくすることが高性能化のためには必要である。
【0013】
この熱伝導による熱の逆流を低減するために、蓄冷器3の内部に積層される蓄例材からなるプレートの外周部のみが相互に結合されることにより、相互に離間した構造が提案されている。
【0014】
【特許文献1】
特許番号第2941771号公報(第2−4頁、図6)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の構成では、蓄例材17であるプレート間の距離をとりすぎると蓄冷材17の量が少なくなり、熱輸送を担うだけの熱容量や迅速に熱を授受するための表面積が不十分になる恐れがある。蓄冷材17としてよく用いられる金属製メッシュは厚さ数10〜数100μmであるので、高い冷却性能を得るためにできるだけ充填量を多くするには、この厚さと同等以下、すなわち数〜数10μmの狭い隙間ができるような加工が必要であり、それだけの加工精度が要求される。
【0016】
本発明は従来技術が有する上記課題を解決するもので、簡便な構成で蓄冷材同士の接触による熱伝導によるロスを低減し高性能の蓄冷器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の蓄冷器は、複数の板状の蓄冷材を接触させると共に蓄冷材同士の接触面に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施した構成を有している。
【0018】
この構成によって、蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施さない蓄冷材同士が接触している場合よりも、熱伝導は小さいため、温度勾配を打ち消す方向への熱の流れが低減でき、蓄冷材同士の接触による熱伝導によるロスを低減し蓄冷器の性能を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、気体の移動を許容するよう積層された複数の板状の蓄冷材を備え、蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、複数の板状の蓄冷材を接触させると共に蓄冷材同士の接触面に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施したものである。
【0020】
本発明の請求項2に記載の発明は、気体の移動を許容するよう積層された複数の板状の蓄冷材を備え、蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、蓄冷材より低い熱伝導率の被覆が蓄冷材の片側のみに施され、蓄冷材に被覆を施した面が隣接する蓄冷材の被覆のない面に接触するように積層されたものである。
【0021】
本発明の請求項3に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を低粘性のコーティング剤とし、蓄冷材の少なくとも一部の表面にコーティング剤を形成した後、コーティング剤を固化させるものである。
【0022】
本発明の請求項4に記載の発明は、蓄冷材を低粘性のコーティング剤に浸漬し、蓄冷材の一方の面からブローしてコーティング剤を除去し、蓄冷材の他方の面を固化させるものである。
【0023】
本発明の請求項5に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を治具に塗布し、治具から蓄冷材に転写塗布した後、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を固化させるものである。
【0024】
本発明の請求項6に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の被覆が蓄冷材の面の一部にのみ施されたものである。
【0025】
本発明の請求項7に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の物質をパターン形成したスクリーンを用いた印刷によって、蓄冷材に部分的に塗布した後、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を固化させるものである。
【0026】
本発明の請求項8に記載の発明は、気体の移動を許容するよう複数の金属粒からなる蓄冷材を備え、蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、蓄冷材の表面に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を斑点状に形成したものである。
【0027】
本発明の請求項9に記載の発明は、蓄冷材より低熱伝導率の物質をスプレーによって斑点状に蓄冷材表面に塗布した後、蓄冷材より低熱伝導率の物質を固化させるものである。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における蓄冷器の内部構成を示す模式図であり、図中11aないし11fは多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11であり、図示しない蓄冷器内に複数のメッシュ11a〜11fが接触して積層されている。20は多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11a〜11fより低い熱伝導率の被覆であり、被覆20はメッシュ11a〜11fの全表面に形成されている。メッシュ11aないし11fの丸と蛇行している線はメッシュ11の縦糸11g、横糸11hをそれぞれ示している。
【0030】
蓄冷材であるメッシュ11aないし11fは一般に金属製であるので、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20の物質としては樹脂やセラミックなどから適当なものを選ぶことができるが、蓄冷器の低温側は超低温になるので熱膨張率は蓄冷材に近い方が剥離しにくい点で望ましい。
【0031】
蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20の物質として低粘性のコーティング剤とし、蓄冷材の少なくとも一部の表面にコーティング剤を形成した後、コーティング剤を固化させるものである。
【0032】
固化方法としては、市販のコーティング剤で室温乾燥または低温での焼成で十分なものがあるので、特に困難はない。
【0033】
このように多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の物質を被覆20として多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの全表面に塗布することにより、多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11aないし11f同士の接触面に被覆20が形成されることとなり、多孔性板状の蓄冷材同士が接触している場合よりも、熱伝導は小さいため、温度勾配を打ち消す方向への熱の流れが低減でき、冷凍機の性能を向上させることができる。さらに、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fを接触させて積層することにより、蓄冷材の充填量を多くすることができ高い冷却性能を得ることができる。
【0034】
また、図2には蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20を蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの片側のみに施し、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの被覆20がある面が隣接する蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの被覆20のない面に接触するように積層した場合を示しており、この場合でも前述と同様の効果が得られ、さらに被覆20の塗布による蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの表面積低下を両面塗布の場合よりも小さくすることができる。
【0035】
蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの片面のみに被覆20を形成する簡便な方法としては、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20を非常に粘性の低いコーティング剤として、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fを浸漬したのちブローすれば、ブローした側のコーティング剤は吹き飛ばされ、ブローをしていない反対側のみに被覆20が残ることになる。この状態でコーティング剤を固化すれば、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの片面に蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20ができる。
【0036】
また、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20を形成する別の方法としては転写やスクリーン印刷がある。転写の方法を図3に示す。図中、11は蓄冷材であるメッシュ、14は治具としての転写板、21は蓄冷材であるメッシュ11より低い熱伝導率の被覆を形成するための物質であるコ−ティング剤である。
【0037】
まず、図3(a)に示すように蓄冷材より低い熱伝導率の物質を含むコーティング剤21を転写板14に塗布した後、図3(b)に示すように、コーティング剤21が塗布された塗布面にメッシュ11を押し付ける。次に、図3(c)のように、転写板14からメッシュ11を離すと、メッシュ11にはコーティング剤21が転写される。この状態でコーティング剤21を固化すれば、蓄冷材であるメッシュ11の片面に蓄冷材であるメッシュ11より低い熱伝導率の被覆20ができる。
【0038】
コーティング剤21の粘度、転写の圧力を調節することにより、塗布厚さを調節することが可能であるので、熱伝導を妨げるため必要最小限の厚さになるようにすれば、蓄冷材の充填枚数の減少による熱容量の低下を最小限に抑えることができる。
【0039】
なお、図3では1枚のメッシュ11に被覆20を転写しているが、複数のメッシュに対して被覆を一度に転写塗布することも可能である。
【0040】
また、平面状の転写板14を用いているが、ローラーを用いて転写しても同様の効果が得られる。
【0041】
スクリーン印刷によるメッシュに被覆を形成する方法を図4に基づいて説明する。図中、11は蓄冷材であるメッシュ、15はスクリーン、21はコ−ティング剤である。
【0042】
まず、図4(a)に示すように塗布する箇所のパターン15Aを形成したスクリーン15をメッシュ11に重ね、図4(b)のように、パターン15A部分にコーティング剤21を加圧によって押し込んだ後、図4(c)のようにスクリーン15を取り外すことにより、必要な部分だけに被覆20を塗布することができる。この状態でコーティング剤21を固化すれば、蓄冷材であるメッシュ11の片面の必要な部分に蓄冷材であるメッシュ11より低い熱伝導率の被覆20ができる。このようにすると、蓄冷材であるメッシュ11の表面の限られた一部を被覆20で覆うだけであるので、熱搬送にかかわる蓄冷材表面積の低減を抑えることができる。
【0043】
図4ではスクリーン15のパターン15Aとメッシュ11の位置・ピッチがうまくあっている状態を示しているが、特にこのように合わせる必要はなく、角度も合っている必要はない。また多数同時に塗布することも可能である。
【0044】
塗布厚さもスクリーン15の目の粗さ、コーティング剤の粘度、印刷の圧力によって調節できる。したがって蓄冷材同士が互いに接触しない最小限の間隔をあけて被覆を形成することにより、蓄冷材充填枚数の減少による熱容量の低下を最小限に抑えることができる。
【0045】
なお、本実施の形態において蓄冷材としてメッシュを用いているが、金属発泡体など、貫通孔を有する硬質の薄い材質であれば、同様の効果が得られる。
【0046】
以上のように本実施の形態においては、簡単な方法で蓄冷材11の表面に蓄冷材11より低い熱伝導率の被覆20を形成することにより、蓄冷材11同士の接触による熱伝導で温度勾配を打ち消す方向への熱の流れを抑え、冷却性能を向上することができるものである。
【0047】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における蓄冷器の内部構成を示す模式図であり、12は蓄冷材である金属粒、20は蓄冷材である金属粒12より低い熱伝導率の被覆である。
【0048】
蓄冷材である金属粒12より低い熱伝導率の被覆20は金属粒12の表面にまばらに斑点状に塗布して形成されている。個々の被覆がある程度の厚みを持っていれば金属粒12同士が直接接触することを高い確率で防ぐことができる。
【0049】
表面積としてはごくわずかの塗布ですむので、熱搬送性能の低下も小さく、冷却性能を向上することができる。
【0050】
このような被覆20を形成する方法としては、蓄冷材である金属粒12より低熱伝導率の物質をスプレーによって斑点状に金属粒12の表面に塗布した後、低熱伝導率の物質を固化させるものである。スプレーを用いれば、ひとつひとつの斑点状被覆の大きさは、塗布する時のコーティング剤の粘度・スプレーの吹き出し穴径・スプレーするときのエアー圧力によって調節することができる。また、被覆の密度はスプレーする時間で調節できるので、非常に簡単に多数の蓄冷材に塗布することができる。
【0051】
なお本実施の形態では粒状の蓄冷材について示したが、実施の形態1で用いたような多孔性板状の蓄冷材で少なくとも一方の面からスプレー塗布した後、固化しても同様の効果が得られる。
【0052】
以上のように本実施の形態においては、蓄冷材12の表面に斑点状に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆20を形成することにより、蓄冷材同士の接触による熱伝導で温度勾配を打ち消す方向への熱の流れを抑え、冷却性能を向上することができるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の蓄冷器によれば、非常に簡単な構成で蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を形成することにより、蓄冷材同士の直接接触を妨ぎ、熱伝導により蓄冷器内の温度勾配を打ち消す方向への熱の流れを低減できるので、蓄冷器の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における蓄冷器の構成を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1における蓄冷器の構成を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態1における蓄冷材の形成方法を示す工程図
【図4】本発明の実施の形態1における蓄冷材の形成方法を示す工程図
【図5】本発明の実施の形態2における蓄冷器の構成を示す模式図
【図6】従来のパルス管冷凍機の構成を示す概念図
【図7】従来のパルス管冷凍機における他の構成を示す概念図
【図8】従来のパルス管冷凍機における蓄冷器内部の作動流体挙動と熱の授受の関係を示す模式図
【符号の説明】
11 メッシュ
12 金属粒
14 転写板
15 スクリーン
20 被覆
21 コ−ティング剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング冷凍機、ギフォード・マクマホン冷凍機、パルス管冷凍機などの往復蓄冷型冷凍機の蓄冷器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
往復蓄冷型冷凍機は、液体窒素温度以下が必要な高温超伝導デバイスの冷却やクライオポンプなどの超低温冷却のために用いられる。
【0003】
往復蓄冷型冷凍機のひとつで、近年、進歩が目覚しい従来のパルス管冷凍機の構成について図6ないし図8を用いて説明する。(例えば特許文献1参照)図6および図7は従来のパルス管冷凍機における構成を示す概念図、図8は従来のパルス管冷凍機における蓄冷器内部の作動流体挙動と熱の授受の関係を示す模式図である。
【0004】
図中、1は圧力振動源、2は第1の放熱部、3は蓄冷器、4はコールドヘッド、5はパルス管、7は第2の放熱部、8は連通管、9はバッファタンクである。パルス管5と圧力振動源1との間に、気体の移動を許容しつつ気体との接触面積を大きくするように部材を詰め込んだ蓄冷器3が配置されている。
【0005】
パルス管冷凍機は、圧力振動源1の圧力振動によってパルス管5内のガス圧縮および膨張を繰返し行うと共に圧力振動源1の圧力振動とガスの圧縮および膨張との間に位相差を持たせることによって、蓄冷器3内で熱交換を行って、パルス管5の一端側であるコールドヘッド4から取り去った熱を外部へと搬送するようになっている。
【0006】
なお、連通管8、バッファタンク9は圧力振動源1の圧力振動とガスの圧縮および膨張との間の位相差を制御する手段を構成する。
【0007】
図6は蓄冷材としてメッシュ11を用いたもので、メッシュ11は蓄冷器3の軸方向に対して垂直に積層される。図7は金属粒12を用いた場合を示しており、蓄冷器3の内部に詰め込まれている。材質としてはメッシュ11の場合はステンレスや銅、金属粒12の粒状の場合は鉛や特殊な磁性体などが用いられる。
【0008】
これらのパルス管冷凍機は、内部に封入した気体である作動流体の圧縮・膨張に伴う顕熱変化を利用して熱を輸送するもので、その仕組みは図8のようになっている。
【0009】
図8において16は単位質量の作動流体を、17は蓄冷材の断面を模式的に表したものである。また作動流体16と蓄冷材17の間の矢印Aは熱の流れの方向を、水平方向の矢印Bは作動流体16の移動方向を表している。図8(a)より図8(b)のほうが作動流体16を表す円が大きいのは図8(a)が圧縮された状態、図8(b)が膨張された状態であることを示している。
【0010】
圧力振動源1の圧縮作用により、図8(a)に示すように作動流体16は圧縮され、作動流体16の温度が上昇すると共に、矢印B方向へ移動する。矢印B方向に移動した作動流体16は熱をA方向の蓄冷材17に伝達する。これは、作動流体16と蓄冷材17の温度を比較すると、作動流体16の温度が蓄冷材17の温度より高く、温度は高温から低温の箇所に移動するためである。次ぎに、圧力振動源1の膨張作用により、図8(b)に示すように作動流体16は膨張して、作動流体16の温度が下降すると共に、BB方向に移動する。矢印BB方向に移動した作動流体16の温度は蓄冷材17の温度より低くなっているので、蓄冷材17の熱がAA方向の作動流体16に伝達する。
【0011】
このような局所的な熱搬送を蓄冷器3の全体で繰り返し発生させることにより、熱を一方向に搬送する。これによりコールドヘッド4が低温、第1の放熱部2側が高温となり、蓄冷器3に大きな温度勾配ができる。第1の放熱部2では運び込まれた熱を外部へ絶えず放出することにより、コールドヘッド4を非常に低い温度にすることができる。
【0012】
蓄冷材17は、作動流体16から熱を速やかに受け取り、また作動流体16に熱を速やかに受け渡すことができるよう、表面積が大きいことが必要である。また実際に作動流体16は飛び飛びに存在するわけではないので、蓄冷材17の隙間があると、そこへ来た作動流体16は熱の授受ができなくなるので、できるだけ密に蓄冷材17が詰まっている方が熱搬送の効率の点では有利である。しかし一方で、蓄冷材17同士が接触することによる熱伝導のため、熱搬送によって生じた温度勾配を打ち消す方向に熱が流れようとするので、蓄冷材17間の熱伝導を小さくすることが高性能化のためには必要である。
【0013】
この熱伝導による熱の逆流を低減するために、蓄冷器3の内部に積層される蓄例材からなるプレートの外周部のみが相互に結合されることにより、相互に離間した構造が提案されている。
【0014】
【特許文献1】
特許番号第2941771号公報(第2−4頁、図6)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の構成では、蓄例材17であるプレート間の距離をとりすぎると蓄冷材17の量が少なくなり、熱輸送を担うだけの熱容量や迅速に熱を授受するための表面積が不十分になる恐れがある。蓄冷材17としてよく用いられる金属製メッシュは厚さ数10〜数100μmであるので、高い冷却性能を得るためにできるだけ充填量を多くするには、この厚さと同等以下、すなわち数〜数10μmの狭い隙間ができるような加工が必要であり、それだけの加工精度が要求される。
【0016】
本発明は従来技術が有する上記課題を解決するもので、簡便な構成で蓄冷材同士の接触による熱伝導によるロスを低減し高性能の蓄冷器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の蓄冷器は、複数の板状の蓄冷材を接触させると共に蓄冷材同士の接触面に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施した構成を有している。
【0018】
この構成によって、蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施さない蓄冷材同士が接触している場合よりも、熱伝導は小さいため、温度勾配を打ち消す方向への熱の流れが低減でき、蓄冷材同士の接触による熱伝導によるロスを低減し蓄冷器の性能を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、気体の移動を許容するよう積層された複数の板状の蓄冷材を備え、蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、複数の板状の蓄冷材を接触させると共に蓄冷材同士の接触面に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施したものである。
【0020】
本発明の請求項2に記載の発明は、気体の移動を許容するよう積層された複数の板状の蓄冷材を備え、蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、蓄冷材より低い熱伝導率の被覆が蓄冷材の片側のみに施され、蓄冷材に被覆を施した面が隣接する蓄冷材の被覆のない面に接触するように積層されたものである。
【0021】
本発明の請求項3に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を低粘性のコーティング剤とし、蓄冷材の少なくとも一部の表面にコーティング剤を形成した後、コーティング剤を固化させるものである。
【0022】
本発明の請求項4に記載の発明は、蓄冷材を低粘性のコーティング剤に浸漬し、蓄冷材の一方の面からブローしてコーティング剤を除去し、蓄冷材の他方の面を固化させるものである。
【0023】
本発明の請求項5に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を治具に塗布し、治具から蓄冷材に転写塗布した後、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を固化させるものである。
【0024】
本発明の請求項6に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の被覆が蓄冷材の面の一部にのみ施されたものである。
【0025】
本発明の請求項7に記載の発明は、蓄冷材より低い熱伝導率の物質をパターン形成したスクリーンを用いた印刷によって、蓄冷材に部分的に塗布した後、蓄冷材より低い熱伝導率の物質を固化させるものである。
【0026】
本発明の請求項8に記載の発明は、気体の移動を許容するよう複数の金属粒からなる蓄冷材を備え、蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、蓄冷材の表面に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を斑点状に形成したものである。
【0027】
本発明の請求項9に記載の発明は、蓄冷材より低熱伝導率の物質をスプレーによって斑点状に蓄冷材表面に塗布した後、蓄冷材より低熱伝導率の物質を固化させるものである。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における蓄冷器の内部構成を示す模式図であり、図中11aないし11fは多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11であり、図示しない蓄冷器内に複数のメッシュ11a〜11fが接触して積層されている。20は多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11a〜11fより低い熱伝導率の被覆であり、被覆20はメッシュ11a〜11fの全表面に形成されている。メッシュ11aないし11fの丸と蛇行している線はメッシュ11の縦糸11g、横糸11hをそれぞれ示している。
【0030】
蓄冷材であるメッシュ11aないし11fは一般に金属製であるので、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20の物質としては樹脂やセラミックなどから適当なものを選ぶことができるが、蓄冷器の低温側は超低温になるので熱膨張率は蓄冷材に近い方が剥離しにくい点で望ましい。
【0031】
蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20の物質として低粘性のコーティング剤とし、蓄冷材の少なくとも一部の表面にコーティング剤を形成した後、コーティング剤を固化させるものである。
【0032】
固化方法としては、市販のコーティング剤で室温乾燥または低温での焼成で十分なものがあるので、特に困難はない。
【0033】
このように多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の物質を被覆20として多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの全表面に塗布することにより、多孔性板状の蓄冷材であるメッシュ11aないし11f同士の接触面に被覆20が形成されることとなり、多孔性板状の蓄冷材同士が接触している場合よりも、熱伝導は小さいため、温度勾配を打ち消す方向への熱の流れが低減でき、冷凍機の性能を向上させることができる。さらに、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fを接触させて積層することにより、蓄冷材の充填量を多くすることができ高い冷却性能を得ることができる。
【0034】
また、図2には蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20を蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの片側のみに施し、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの被覆20がある面が隣接する蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの被覆20のない面に接触するように積層した場合を示しており、この場合でも前述と同様の効果が得られ、さらに被覆20の塗布による蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの表面積低下を両面塗布の場合よりも小さくすることができる。
【0035】
蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの片面のみに被覆20を形成する簡便な方法としては、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20を非常に粘性の低いコーティング剤として、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fを浸漬したのちブローすれば、ブローした側のコーティング剤は吹き飛ばされ、ブローをしていない反対側のみに被覆20が残ることになる。この状態でコーティング剤を固化すれば、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fの片面に蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20ができる。
【0036】
また、蓄冷材であるメッシュ11aないし11fより低い熱伝導率の被覆20を形成する別の方法としては転写やスクリーン印刷がある。転写の方法を図3に示す。図中、11は蓄冷材であるメッシュ、14は治具としての転写板、21は蓄冷材であるメッシュ11より低い熱伝導率の被覆を形成するための物質であるコ−ティング剤である。
【0037】
まず、図3(a)に示すように蓄冷材より低い熱伝導率の物質を含むコーティング剤21を転写板14に塗布した後、図3(b)に示すように、コーティング剤21が塗布された塗布面にメッシュ11を押し付ける。次に、図3(c)のように、転写板14からメッシュ11を離すと、メッシュ11にはコーティング剤21が転写される。この状態でコーティング剤21を固化すれば、蓄冷材であるメッシュ11の片面に蓄冷材であるメッシュ11より低い熱伝導率の被覆20ができる。
【0038】
コーティング剤21の粘度、転写の圧力を調節することにより、塗布厚さを調節することが可能であるので、熱伝導を妨げるため必要最小限の厚さになるようにすれば、蓄冷材の充填枚数の減少による熱容量の低下を最小限に抑えることができる。
【0039】
なお、図3では1枚のメッシュ11に被覆20を転写しているが、複数のメッシュに対して被覆を一度に転写塗布することも可能である。
【0040】
また、平面状の転写板14を用いているが、ローラーを用いて転写しても同様の効果が得られる。
【0041】
スクリーン印刷によるメッシュに被覆を形成する方法を図4に基づいて説明する。図中、11は蓄冷材であるメッシュ、15はスクリーン、21はコ−ティング剤である。
【0042】
まず、図4(a)に示すように塗布する箇所のパターン15Aを形成したスクリーン15をメッシュ11に重ね、図4(b)のように、パターン15A部分にコーティング剤21を加圧によって押し込んだ後、図4(c)のようにスクリーン15を取り外すことにより、必要な部分だけに被覆20を塗布することができる。この状態でコーティング剤21を固化すれば、蓄冷材であるメッシュ11の片面の必要な部分に蓄冷材であるメッシュ11より低い熱伝導率の被覆20ができる。このようにすると、蓄冷材であるメッシュ11の表面の限られた一部を被覆20で覆うだけであるので、熱搬送にかかわる蓄冷材表面積の低減を抑えることができる。
【0043】
図4ではスクリーン15のパターン15Aとメッシュ11の位置・ピッチがうまくあっている状態を示しているが、特にこのように合わせる必要はなく、角度も合っている必要はない。また多数同時に塗布することも可能である。
【0044】
塗布厚さもスクリーン15の目の粗さ、コーティング剤の粘度、印刷の圧力によって調節できる。したがって蓄冷材同士が互いに接触しない最小限の間隔をあけて被覆を形成することにより、蓄冷材充填枚数の減少による熱容量の低下を最小限に抑えることができる。
【0045】
なお、本実施の形態において蓄冷材としてメッシュを用いているが、金属発泡体など、貫通孔を有する硬質の薄い材質であれば、同様の効果が得られる。
【0046】
以上のように本実施の形態においては、簡単な方法で蓄冷材11の表面に蓄冷材11より低い熱伝導率の被覆20を形成することにより、蓄冷材11同士の接触による熱伝導で温度勾配を打ち消す方向への熱の流れを抑え、冷却性能を向上することができるものである。
【0047】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における蓄冷器の内部構成を示す模式図であり、12は蓄冷材である金属粒、20は蓄冷材である金属粒12より低い熱伝導率の被覆である。
【0048】
蓄冷材である金属粒12より低い熱伝導率の被覆20は金属粒12の表面にまばらに斑点状に塗布して形成されている。個々の被覆がある程度の厚みを持っていれば金属粒12同士が直接接触することを高い確率で防ぐことができる。
【0049】
表面積としてはごくわずかの塗布ですむので、熱搬送性能の低下も小さく、冷却性能を向上することができる。
【0050】
このような被覆20を形成する方法としては、蓄冷材である金属粒12より低熱伝導率の物質をスプレーによって斑点状に金属粒12の表面に塗布した後、低熱伝導率の物質を固化させるものである。スプレーを用いれば、ひとつひとつの斑点状被覆の大きさは、塗布する時のコーティング剤の粘度・スプレーの吹き出し穴径・スプレーするときのエアー圧力によって調節することができる。また、被覆の密度はスプレーする時間で調節できるので、非常に簡単に多数の蓄冷材に塗布することができる。
【0051】
なお本実施の形態では粒状の蓄冷材について示したが、実施の形態1で用いたような多孔性板状の蓄冷材で少なくとも一方の面からスプレー塗布した後、固化しても同様の効果が得られる。
【0052】
以上のように本実施の形態においては、蓄冷材12の表面に斑点状に蓄冷材より低い熱伝導率の被覆20を形成することにより、蓄冷材同士の接触による熱伝導で温度勾配を打ち消す方向への熱の流れを抑え、冷却性能を向上することができるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の蓄冷器によれば、非常に簡単な構成で蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を形成することにより、蓄冷材同士の直接接触を妨ぎ、熱伝導により蓄冷器内の温度勾配を打ち消す方向への熱の流れを低減できるので、蓄冷器の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における蓄冷器の構成を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1における蓄冷器の構成を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態1における蓄冷材の形成方法を示す工程図
【図4】本発明の実施の形態1における蓄冷材の形成方法を示す工程図
【図5】本発明の実施の形態2における蓄冷器の構成を示す模式図
【図6】従来のパルス管冷凍機の構成を示す概念図
【図7】従来のパルス管冷凍機における他の構成を示す概念図
【図8】従来のパルス管冷凍機における蓄冷器内部の作動流体挙動と熱の授受の関係を示す模式図
【符号の説明】
11 メッシュ
12 金属粒
14 転写板
15 スクリーン
20 被覆
21 コ−ティング剤
Claims (9)
- 気体の移動を許容するよう積層された複数の板状の蓄冷材を備え、前記蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、前記複数の板状の蓄冷材を接触させると共に前記蓄冷材同士の接触面に前記蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を施したことを特徴とする蓄冷器。
- 気体の移動を許容するよう積層された複数の板状の蓄冷材を備え、前記蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、前記蓄冷材より低い熱伝導率の被覆が前記蓄冷材の片側のみに施され、前記蓄冷材に被覆を施した面が隣接する蓄冷材の被覆のない面に接触するように積層されたことを特徴とする蓄冷器。
- 蓄冷材より低い熱伝導率の物質を低粘性のコーティング剤とし、前記蓄冷材の少なくとも一部の表面に前記コーティング剤を形成した後、前記コーティング剤を固化させることを特徴とする蓄冷材の形成方法。
- 蓄冷材を低粘性のコーティング剤に浸漬し、前記蓄冷材の一方の面からブローして前記コーティング剤を除去し、前記蓄冷材の他方の面を固化させることを特徴とする請求項3記載の蓄冷材の形成方法。
- 蓄冷材より低い熱伝導率の物質を治具に塗布し、前記治具から前記蓄冷材に転写塗布した後、前記蓄冷材より低い熱伝導率の物質を固化させることを特徴とする請求項3記載の蓄冷材の形成方法。
- 蓄冷材より低い熱伝導率の被覆が前記蓄冷材の面の一部にのみ施されたことを特徴とする請求項1、2記載の蓄冷器。
- 蓄冷材より低い熱伝導率の物質をパターン形成したスクリーンを用いた印刷によって、前記蓄冷材に部分的に塗布した後、前記蓄冷材より低い熱伝導率の物質を固化させることを特徴とする請求項3記載の蓄冷材の形成方法。
- 気体の移動を許容するよう複数の金属粒からなる蓄冷材を備え、前記蓄冷材と気体の間で熱交換を行う蓄冷器であって、前記蓄冷材の表面に前記蓄冷材より低い熱伝導率の被覆を斑点状に形成したことを特徴とする蓄冷器。
- 蓄冷材より低熱伝導率の物質をスプレーによって斑点状に蓄冷材表面に塗布した後、蓄冷材より低熱伝導率の物質を固化させることを特徴とする請求項3記載の蓄冷材の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131354A JP2004333053A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 蓄冷器および蓄冷材の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131354A JP2004333053A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 蓄冷器および蓄冷材の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004333053A true JP2004333053A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003131354A Pending JP2004333053A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 蓄冷器および蓄冷材の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004333053A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014518371A (ja) * | 2011-06-30 | 2014-07-28 | ケンフリッジ リミテッド | 能動型再生磁気熱量ヒートエンジンまたは能動型再生電気熱量ヒートエンジンのための複数材料ブレード |
US20140374054A1 (en) * | 2013-06-20 | 2014-12-25 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Regenerator material and regenerative refrigerator |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131354A patent/JP2004333053A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014518371A (ja) * | 2011-06-30 | 2014-07-28 | ケンフリッジ リミテッド | 能動型再生磁気熱量ヒートエンジンまたは能動型再生電気熱量ヒートエンジンのための複数材料ブレード |
US20140374054A1 (en) * | 2013-06-20 | 2014-12-25 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Regenerator material and regenerative refrigerator |
JP2015025648A (ja) * | 2013-06-20 | 2015-02-05 | 住友重機械工業株式会社 | 蓄冷材および蓄冷式冷凍機 |
US11137216B2 (en) | 2013-06-20 | 2021-10-05 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Regenerator material and regenerative refrigerator |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Rashidi et al. | Abilities of porous materials for energy saving in advanced thermal systems | |
GB2086032A (en) | Heat storage composition | |
US11072023B2 (en) | Cryocooler containing additively-manufactured heat exchanger | |
CN1430039A (zh) | 热交换器 | |
JP2004333053A (ja) | 蓄冷器および蓄冷材の形成方法 | |
US20040000149A1 (en) | High-frequency, low-temperature regenerative heat exchanger | |
EP1422484B1 (en) | Regenerator, and heat regenerative system for fluidized gas using the regenerator | |
US10527328B2 (en) | Coiled adsorption heat exchanger | |
CN111076588B (zh) | 一种带有梯度铜纤维毛细芯网的超薄均热板 | |
JP3744413B2 (ja) | パルス管冷凍機の熱交換器 | |
JP2001153308A (ja) | 触媒燃焼一体型蒸発器 | |
JP2000310457A (ja) | 蓄冷式冷凍機 | |
GB2237866A (en) | Thermo-acoustic refrigeration apparatus | |
JPH10115472A (ja) | パルスチュ−ブ冷凍機 | |
CN115615227B (zh) | 一种合欢花粉形高效相变储热球 | |
JP2002228391A (ja) | フィン付き空気熱交換器 | |
JPH0530135U (ja) | 蓄冷器用蓄冷材 | |
JPH0244158A (ja) | 冷却装置 | |
Ackermann et al. | Small cryogenic regenerator performance | |
CN219531773U (zh) | 超导复合相变蓄热蓄冷板 | |
JP2004333054A (ja) | パルス管冷凍機 | |
Chafe et al. | A neodymium plate regenerator for low-temperature Gifford-McMahon refrigerators | |
Kumar et al. | Performance Analysis of Staggered Wire Mesh Matrix Regenerative Heat Exchanger | |
JPS636397A (ja) | 熱交換器 | |
JP2003262300A (ja) | 水素貯蔵装置およびその製造方法 |