JP6384931B2 - ステータ、回転電機及びコイルの固定方法 - Google Patents

ステータ、回転電機及びコイルの固定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステータ、回転電機及びコイルの固定方法に関する。
従来から、ステータ及びロータを備えた回転電機が知られている。ステータは、筒状に形成されたステータコアと、ステータコアに装着されたコイルと、を有している。ロータは、ステータコアの内側に回転可能に配置されたロータコアと、ロータコアに取り付けられた磁石と、を有している。回転電機では、コイルに電流が供給されるとステータに磁界が形成され、ロータの永久磁石との間に磁気的な吸引力や反発力が生じる。これによって、ロータがステータに対して回転するようになっている。
ところで、上述したステータには、ステータをケース等に取り付けるためのステータ固定部がステータの周方向に間隔をあけて形成されている場合がある。この場合、ステータにおけるステータ固定部周辺の領域では、ステータ固定部での締結力の影響で、ステータ固定部から離れた領域に比べて剛性が高くなる。すなわち、ステータの周方向位置において、剛性が不均一になる。そのため、回転電機の駆動時には、ロータの磁気吸引力により、ステータ固定部周辺の領域を節とし、ステータ固定部から離れた領域を腹として、ステータが径方向に振動するおそれがある(いわゆる、円環振動)。ステータの円環振動は、回転電機の異音に繋がる。
そこで、下記特許文献1には、ステータコアのうち、円環振動の節となる部位にスプリング棒を配設した構成が開示されている。
特開平5−304742号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の構成は、ステータコアの円環振動が基礎に伝達されることを防止するためのものであり、ステータコアの円環振動そのものを抑制するものではない。また、特許文献1の構成では、ステータコアに別途スプリング棒を配設する等、構成の複雑化に繋がるという課題もある。
したがって、従来の回転電機では、簡素な構成で、ステータコアの円環振動を抑制させる点で未だ改善の余地があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、ステータコアの円環振動を抑制させ、通電時の静粛性に優れたステータ、回転電機及びコイルの固定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、スロット(例えば、実施形態におけるスロット23)を有する筒状のステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア11)と、前記スロット内に収容された状態で前記ステータコアに装着されたコイル(例えば、実施形態におけるコイル12)と、前記スロット内に充填され、前記コイルを前記ステータコアに固定する接着剤(例えば、実施形態における接着剤51)と、を備え、前記ステータコアには、前記ステータコアを固定するためのステータ固定部(例えば、実施形態における取付片24)が前記ステータコアの周方向に間隔をあけて複数形成され、前記ステータコアにおいて、前記周方向で前記ステータ固定部を含む第1領域(例えば、実施形態における第1領域27)と、前記第1領域以外の第2領域(例えば、実施形態における第2領域28)と、で前記接着剤の塗布状態が異なっている。
請求項2に記載した発明では、前記接着剤は、前記ステータコアの前記第2領域のみに塗布されている。
請求項3に記載した発明では、前記第2領域での前記接着剤の塗布量が、前記第1領域での前記接着剤の塗布量よりも多くなっている。
請求項4に記載した発明では、前記接着剤は、前記第1領域に塗布された第1接着剤と、前記第2領域に塗布され、前記第1接着剤よりも接着力の大きい第2接着剤と、を有している。
請求項5に記載した発明では、前記コイルは、異なる前記スロット内に挿入された一対の直線部(例えば、実施形態における直線部40A,40B)と、前記直線部同士を接続する接続部(例えば、実施形態における接続部41,42)と、を有するセグメントコイル(例えば、実施形態におけるセグメントコイル30)であり、一対の前記直線部のうち、少なくとも一方の前記直線部は、前記第2領域の前記スロット内に挿入されている。
請求項6に記載した発明は、上記本発明のステータを備えている回転電機(例えば、実施形態における回転電機1)である。
請求項7に記載した発明では、スロットを有する筒状のステータコアと、前記スロット内に収容された状態で前記ステータコアに装着されたコイルと、を備えたステータにおけるコイルの固定方法であって、前記コイルを前記ステータコアに固定する接着剤を前記スロット内に供給する接着剤供給工程を有し、前記ステータコアにおいて、周方向に間隔をあけて形成されたステータ固定部を含む領域を第1領域、前記第1領域以外の領域を第2領域とすると、前記接着剤供給工程では、前記第1領域と前記第2領域とで前記接着剤の塗布状態を異ならせる。
請求項1,7に記載した発明によれば、ステータは、ステータ固定部を介して例えばケースに締結される。そのため、ステータコアのうち、ステータ固定部を含む領域(第1領域)では、ケースへの締結力により径方向の剛性が向上する。そのため、第1領域は、第2領域に対して剛性が相対的に高くなる。また、接着剤は、硬化して固体になることで、ステータの剛性に影響を与える。
そこで、接着剤の塗布状態を第1領域と第2領域で異ならせることで、第1領域及び第2領域での接着剤による剛性の影響を調整できる。すなわち、第2領域での接着剤による剛性向上の影響を第1領域での接着剤による剛性向上の影響よりも大きくすることで、ステータの全周に亘って接着剤を塗布する場合に比べて、第1領域と第2領域とにおける剛性差を緩和することができる。その結果、ステータの剛性を周方向で均一化でき、ステータの周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
しかも、接着剤の塗布状態を変更するだけで、ステータの剛性を周方向で均一化できるので、構成の複雑化を抑制できる。
請求項2に記載した発明によれば、接着剤の硬化後において、第1領域では、ステータ固定部での締結力による剛性向上の影響を主に受ける。一方、第2領域では、硬化した接着剤による剛性向上の影響を主に受ける。これにより、ステータの全周に亘って接着剤を塗布する場合に比べて、第1領域と第2領域とにおける剛性差を緩和することができる。特に、第1領域27に接着剤を供給しないので、第1領域及び第2領域間での剛性差を大きく緩和できる。その結果、ステータの剛性を周方向で均一化でき、ステータの周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
請求項3に記載した発明によれば、第2領域での接着剤による剛性向上の影響が、第1領域での接着剤による剛性向上の影響よりも大きくなるので、第1領域と第2領域とにおける剛性差を緩和することができる。その結果、ステータの剛性を周方向で均一化でき、ステータの周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
しかも、各領域のそれぞれに接着剤を供給することで、各領域への接着剤の供給量に応じて各領域の剛性を適宜調整できる。そのため、第1領域に接着剤を供給しない場合に比べて第1領域での剛性を調整し易くなる等の効果がある。
また、各領域に接着剤が供給されるので、コイルをステータコアに確実に固定できる。そのため、コイルがステータコアから抜けたり、コイルがステータコアに対してがたついたりするのを抑制できる。
請求項4に記載した発明によれば、第2領域での接着剤による剛性向上の影響が、第1領域での接着剤による剛性向上の影響よりも大きくなるので、第1領域と第2領域とにおける剛性差を緩和することができる。その結果、ステータの剛性を周方向で均一化でき、ステータの周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
しかも、各領域のそれぞれに異なる接着剤を供給することで、選択する材料に応じて各領域の剛性を適宜調整できる。そのため、第1領域に接着剤を供給しない場合に比べて第1領域での剛性を調整し易くなる等の効果がある。
また、各領域に接着剤が供給されるので、コイルをステータコアに確実に固定できる。そのため、コイルがステータコアから抜けたり、コイルがステータコアに対してがたついたりするのを抑制できる。
請求項5に記載した発明によれば、各セグメントコイルの少なくとも一部に確実に接着剤が塗布されるので、コイルをステータコアに確実に固定できる。そのため、コイルがステータコアから抜けたり、コイルがステータコアに対してがたついたりするのを抑制できる。
請求項6に記載した発明によれば、上記本発明のステータコアを備えているので、簡素な構成で、回転電機の異音を軽減でき、静粛性に優れた回転電機を提供できる。
実施形態に係る回転電機の全体構成を示す断面図である。 実施形態に係るステータの部分断面図である。 セグメントコイルを示す斜視図である。 図2のIV部拡大図である。 図2のV部拡大図である。 実施形態に係るスロット内への接着剤の供給方法を示す斜視図である。 各実施形態での接着剤の供給パターンと、従来例での接着剤の供給パターンと、を比較して示すグラフである。 第4実施形態に係るセグメントコイルの接着状態を示す展開図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
[回転電機]
図1は、実施形態に係る回転電機1の全体構成を示す概略構成図(断面図)である。
図1に示す回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される走行用モータである。但し、本発明の構成は、走行用モータに限らず、発電用モータやその他用途のモータ、又は車両用以外の回転電機(発電機を含む)にも適用可能である。
回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5と、を備えている。
出力シャフト5は、ケース2に回転可能に支持されている。
ロータ4は、ロータコア6と、ロータコア6に取り付けられた磁石(不図示)と、を有している。ロータコア6は、出力シャフト5に外嵌された筒状に形成されている。なお、以下の説明では、出力シャフト5の軸線Cに沿う方向を単に軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。
図2は、ステータ部分断面図である。
図2に示すように、ステータ3は、ステータコア11と、ステータコア11に装着されたコイル12と、を備えている。
ステータコア11は、ロータ4を径方向の外側から取り囲む筒状に形成されている。ステータコア11は、電磁鋼板に対して打ち抜き加工等を施して形成された環状のプレートが軸方向に積層されて構成されている。
ステータコア11は、バックヨーク部21と、複数のティース部22と、を有している。
バックヨーク部21は、軸線Cと同軸上に配置された筒状に形成されている。バックヨーク部21の外周面には、径方向の外側に突出する取付片(ステータ固定部)24が形成されている。ステータコア11は、取付片24を介してケース2に固定されている。なお、図2の例において、取付片24は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。取付片24には、取付片24を軸方向に貫通する取付孔25が形成されている。取付孔25には、ステータコア11を締結するためのボルト(不図示)が挿通される。なお、取付片24の個数や位置等は適宜変更が可能である。
各ティース部22は、バックヨーク部21の内周面から径方向の内側に突出している。各ティース部22は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。周方向で隣り合うティース部22間には、コイル12が挿通されるスロット23が形成されている。すなわち、スロット23は、ステータコア11を軸方向に貫通している。なお、本実施形態のスロット23は、径方向の内側が開放された、いわゆるオープンスロットである。但し、スロット23は、径方向の内側が閉じられた、いわゆるクローズドスロットであっても構わない。
コイル12は、ステータコア11のスロット23内に一部が収容された状態で、ステータコア11に装着されている。コイル12は、U相、V相、W相の3相有している。各相のコイル12は、それぞれ複数のセグメントコイル30が互いに連結されて構成されている。
図3は、1つのセグメントコイル30を示す斜視図である。
図3に示すように、セグメントコイル30は、複数(例えば4つ)のセグメント導体31が径方向に重ね合わされて構成されている。各セグメント導体31は、芯線が絶縁被覆に覆われて構成されている。各セグメント導体31は、例えば平角線である。すなわち、各セグメント導体31における延在方向に直交する断面形状は、長方形状に形成されている。
各セグメント導体31は、2つの直線部40(40A,40B)と、第1接続部41と、2つの第2接続部42と、を有している。
各直線部40A,40Bは、軸方向に互いに平行に延在している。各直線部40A,40Bは、例えば絶縁紙(不図示)に覆われた状態で、互いに異なるスロット23に分けて収容される。すなわち、各セグメント導体31の一方の直線部40Aは、何れかのスロット23における径方向の内側の領域に挿入される。他方の直線部40Bは、一方の直線部40Aが挿入されたスロット23から所定数の離れた位置にあるスロット23における径方向の外側の領域に挿入される。
第1接続部41は、スロット23の外部において、2つの直線部40A,40Bにおける軸方向の第1端部同士を接続している。
各第2接続部42は、直線部40A,40Bにおける軸方向の第2端部にそれぞれ連なって、スロット23の外部に引き出されている。各第2接続部42の端部は、芯線が露出している。各第2接続部42のうち、一方の第2接続部42は、別のセグメントコイル30の第2接続部42に接合(例えば、TIG溶接やレーザ溶接等)される。他方の第2接続部42は、さらに別のセグメントコイル30の第2接続部42に接合される。これにより、複数のセグメントコイル30が順次連結されている。
図2に示すように、同一のスロット23に挿入される複数のセグメント導体31は、径方向に沿って一列に配列されている。すなわち、セグメント導体31の直線部40A,40Bは、同一のスロット23内において、短辺方向が径方向と一致するとともに、長辺方向が径方向と直交(交差)するように配列されている。なお、1つのセグメントコイル30を構成する複数のセグメント導体31には、U相、V相、W相の3相のうち、互いに同相の電流が流れる。
図3に示すように、セグメントコイル30は、ステータコア11の軸方向に沿って、ステータコア11の外部からスロット23に挿入される。具体的に、セグメントコイル30は、第2接続部42が直線部40A,40Bに対して真っ直ぐな状態で、スロット23に挿入される。セグメントコイル30は、直線部40A,40Bがスロット23に挿入された後に、径方向で隣り合うセグメント導体31間で曲げ方向が逆方向になるように、各接続部42を周方向に屈曲させる。これにより、周方向で隣り合うセグメントコイル30同士が第2接続部42を介して接続される。
図2に示すように、コイル12は、接着剤51(図5参照)によってステータコア11に固定される。接着剤51としては、硬化後に所定の絶縁性と接着強度を有するものであれば特に制限はない。本実施形態の接着剤51には、高い絶縁性と接着強度を発揮できることから、ワニスが好適に用いられる。
接着剤51は、スロット23内において軸方向及び径方向の全体に充填されている。接着剤51は、スロット23内において、各セグメント導体31間やステータコア11とセグメントコイル30との間に浸透した後に硬化して、ステータコア11に対してコイル12を固定する。なお、接着剤51は、スロット23の外部にはみ出していても構わない。
ここで、本実施形態において、取付片24のうち、取付孔25の中心を締結点(ステータ固定部)26とする。さらに、本実施形態では、ステータコア11の周方向において、少なくとも締結点26を含む所定範囲を第1領域27とし、第1領域27以外の領域(締結点26を含まない範囲)を第2領域28とする。この場合、第1領域27及び第2領域28は、周方向に交互に配列される。
図4は、図2のIV部拡大図である。図5は、図2のV部拡大図である。
図4、図5に示すように、本実施形態のステータ3では、第1領域27と第2領域28とで接着剤51の塗布状態を異ならせている。具体的に、本実施形態のステータ3では、第2領域28のみに接着剤51が塗布されている(第1領域27には接着剤51が塗布されていない)。なお、第1領域27は、締結点26での締結力が及ぶ範囲であって、取付片24の全体を少なくとも含んでいる。また、第1領域27及び第2領域28の周方向の幅は、互いに等しくても異なっていても構わない。
[コイルの固定方法]
図6は、ステータコア11に対するコイル12の接着剤51を用いた固定方法を示している。但し、図4においては、ステータコア11に装着されたセグメントコイル30の図示を省略している。
図6に示すように、ステータコア11にコイル12を固定するには、ステータコア11にコイル12を装着した後、ステータコア11に対して接着剤51を供給する(接着剤供給工程)。具体的に、接着剤供給工程は、例えば軸線Cを上下方向に対して傾けた状態で、ステータコア11を軸線C回りに回転させる。この状態で、ステータコア11の上方に配置されたノズル52からステータコア11に対して硬化前(液状)の接着剤51を供給する。接着剤51の径方向での塗布範囲は、少なくともティース部22における径方向の全体に設定されている。この場合、接着剤51は、接着剤51の自重やステータコア11の回転に伴う遠心力によって径方向に濡れ広がってもよく、ノズル52自体を径方向に移動させることで径方向に濡れ広がっても供給しても構わない。なお、図6に示す例においては、ノズル52が1つのみ図示されているが、ノズル52の数については制限があるものではなく、2個以上のノズル52を備えることもできる。
ステータコア11に供給された接着剤51は、周方向や径方向、軸方向に濡れ広がることで、各セグメント導体31間やステータコア11とセグメントコイル30との間に浸透する。その後、接着剤51が硬化することで、コイル12がステータコア11に固定される。
ここで、本実施形態に係るステータ3は、上述したように取付片24の取付孔25に挿通されたボルトによってケース2に締結される。そのため、ステータコア11のうち、締結点26の周辺領域(第1領域27)では、ボルトの締結力により径方向の剛性が向上する。そのため、第1領域27は、第2領域28に対して剛性が相対的に高くなる。また、接着剤51は、硬化して固体になることで、ステータ3の剛性に影響を与える。すなわち、接着剤51が塗布されている領域(第2領域28)は、接着剤51が塗布されていない領域(第1領域27)に比べて剛性が高くなる。
図7は、接着剤51の供給パターンを示すグラフである。図7において、横軸はステータコア11の周方向位置を示し、縦軸は接着剤51の塗布量を示している。図7において、「塗布量100%」とは、接着剤51の塗布量が多いことを示しており、ノズル52の供給能力の最大値を示すものではない。同様に、「塗布量50%」とは、接着剤51の塗布量が少ないことを示しており、ノズル52の供給能力の中間値を示すものではない。「塗布量0%」は、ノズル52から接着剤51を供給しないことを示している。
図7における従来例のように、ステータコア11の周方向に関して接着剤51の塗布量を一定量(100%)にすると、第1領域27においては、ボルトの締結力による剛性向上と、硬化した接着剤51による剛性向上と、の双方の影響を受ける。一方、第2領域28においては、硬化した接着剤51による剛性向上の影響を主に受ける。その結果、第1領域27は、第2領域28に対して相対的に径方向の剛性が高くなる。このため、従来例に係るステータ3は、通電時に円環振動を起こし易く、異音が生じ易い。
そこで、第1実施形態では、接着剤51の供給量をステータコア11の周方向で異ならせている。これにより、接着剤51の塗布状態を第1領域27と第2領域28で異ならせることで、第1領域27及び第2領域28での接着剤51による剛性の影響を調整できる。すなわち、第2領域28での接着剤51による剛性向上の影響を第1領域27での接着剤51による剛性向上の影響よりも大きくすることで、ステータ3の全周に亘って接着剤51を塗布する場合に比べて、第1領域27と第2領域28とにおける剛性差を緩和することができる。
具体的には、第2領域28のみにノズル52から多量の接着剤51を供給している(第1領域27には接着剤51を供給していない。)。そのため、接着剤51の硬化後において、第1領域27では、ボルトの締結力による剛性向上の影響を主に受ける。一方、第2領域28では、硬化した接着剤51による剛性向上の影響を主に受ける。これにより、本実施形態では、ステータ3の全周に亘って接着剤51を塗布する場合に比べて、第1領域27と第2領域28とにおける剛性差を緩和することができる。
特に、本実施形態では、第1領域27に接着剤51を供給しないので、第1領域27及び第2領域28間での剛性差を大きく緩和できる。その結果、ステータ3の剛性を周方向で均一化でき、ステータ3の周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
しかも、接着剤51の塗布状態を変更するだけで、ステータ3の剛性を周方向で均一化できるので、構成の複雑化を抑制できる。
よって、簡素な構成で、回転電機1の異音を軽減でき、静粛性に優れた回転電機1を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、図7に示すように、第1領域27及び第2領域28間で接着剤51の供給量を異ならせている。具体的に、第1領域27には、ノズル52から少量(例えば、50%)の接着剤51を供給している。一方、第2領域28には、ノズル52から大量(例えば、100%)の接着剤51を供給している。但し、各領域27,28での接着剤51の供給比率は、第1領域27が少量であれば、適宜変更が可能である。
この構成によれば、上述した第1実施形態と同様に、第1領域27と第2領域28とにおける剛性差を緩和することができる。その結果、ステータ3の剛性を周方向で均一化でき、ステータ3の周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
しかも、本実施形態では、各領域27,28のそれぞれに接着剤51を供給することで、各領域27,28への接着剤51の供給量に応じて各領域27,28の剛性を適宜調整できる。そのため、第1領域27に接着剤51を供給しない場合に比べて第1領域27での剛性を調整し易くなる等の効果がある。
また、本実施形態では、各領域27,28に接着剤51が供給されるので、コイル12をステータコア11に確実に固定できる。そのため、コイル12がステータコア11から抜けたり、コイル12がステータコア11に対してがたついたりするのを抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、図7に示すように、第1領域27及び第2領域28間で接着剤51の材料を異ならせている。具体的に、第2領域28に供給する接着剤(第2接着剤)51は、第1領域27に供給する接着剤(第1接着剤)51に比べて接着力(硬化後の剛性)が高い材料を選択する。この場合、接着剤51の供給方法としては、例えば供給する接着剤51の異なる2つのノズル(第1ノズル及び第2ノズル)を用いる。すなわち、接着力の小さい接着剤51は、第1ノズルを通して第1領域27に供給する。一方、接着力の大きい接着剤51は、第2ノズルを通して第2領域28に供給する。なお、第1領域27への接着剤51の供給と、第2領域28への接着剤51の供給と、を1つのノズルを用いて切り替えても構わない。
この構成によれば、上述した実施形態と同様に、第1領域27と第2領域28とにおける剛性差を緩和することができる。その結果、ステータ3の剛性を周方向で均一化でき、ステータ3の周方向位置での剛性差により生じる円環振動を抑制できる。
しかも、本実施形態では、各領域27,28のそれぞれに異なる接着剤51を供給することで、選択する材料に応じて各領域27,28の剛性を適宜調整できる。そのため、第1領域27に接着剤51を供給しない場合に比べて第1領域27での剛性を調整し易くなる等の効果がある。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図8は、第4実施形態に係るステータ3において、コイル12と各領域27,28との関係を示す概略図である。なお、以下の説明において、接着剤51の塗布状態は第1実施形態を基にして説明する。
図8に示すように、本実施形態のステータ3は、セグメントコイル30(セグメント導体31)の直線部40のうち、少なくとも一方の直線部40が第2領域28に位置するように設定されている。すなわち、本実施形態では、少なくとも一方の直線部40に、接着剤51が確実に塗布されるようになっている。
図8の例において、各セグメントコイル30(セグメント導体31)の直線部40のうち、一方の直線部40が第1領域27に位置し、他方の直線部40が第2領域28に位置している。
この構成によれば、各セグメントコイル30(セグメント導体31)の少なくとも一部に確実に接着剤51が塗布されるので、コイル12をステータコア11に確実に固定できる。そのため、コイル12がステータコア11から抜けたり、コイル12がステータコア11に対してがたついたりするのを抑制できる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述した実施形態では、コイル12にセグメントコイル30を用いた場合について説明したが、この構成に限られない。コイル12は、巻線を波巻きや重ね巻き等しても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…回転電機
3…ステータ
11…ステータコア
12…コイル
23…スロット
24…取付片(ステータ固定部)
26…締結点(ステータ固定部)
27…第1領域
28…第2領域
30…セグメントコイル
40…直線部
40A…直線部
40B…直線部
41…第1接続部(接続部)
42…第2接続部(接続部)
51…接着剤(第1接着剤、第2接着剤)

Claims (7)

  1. スロットを有する筒状のステータコアと、
    前記スロット内に収容された状態で前記ステータコアに装着されたコイルと、
    前記スロット内に充填され、前記コイルを前記ステータコアに固定する接着剤と、を備え、
    前記ステータコアには、前記ステータコアを固定するためのステータ固定部が前記ステータコアの周方向に間隔をあけて複数形成され、
    前記ステータコアにおいて、前記周方向で前記ステータ固定部を含む第1領域と、前記第1領域以外の第2領域と、で前記接着剤の塗布状態が異なっていることを特徴とするステータ。
  2. 前記接着剤は、前記ステータコアの前記第2領域のみに塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  3. 前記第2領域での前記接着剤の塗布量が、前記第1領域での前記接着剤の塗布量よりも多くなっていることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  4. 前記接着剤は、
    前記第1領域に塗布された第1接着剤と、
    前記第2領域に塗布され、前記第1接着剤よりも接着力の大きい第2接着剤と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  5. 前記コイルは、異なる前記スロット内に挿入された一対の直線部と、前記直線部同士を接続する接続部と、を有するセグメントコイルであり、
    一対の前記直線部のうち、少なくとも一方の前記直線部は、前記第2領域の前記スロット内に挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のステータ。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載のステータを備えていることを特徴とする回転電機。
  7. スロットを有する筒状のステータコアと、
    前記スロット内に収容された状態で前記ステータコアに装着されたコイルと、を備えたステータにおけるコイルの固定方法であって、
    前記コイルを前記ステータコアに固定する接着剤を前記スロット内に供給する接着剤供給工程を有し、
    前記ステータコアにおいて、周方向に間隔をあけて形成されたステータ固定部を含む領域を第1領域、前記第1領域以外の領域を第2領域とすると、
    前記接着剤供給工程では、前記第1領域と前記第2領域とで前記接着剤の塗布状態を異ならせることを特徴とするコイルの固定方法。
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