JPH1155879A - 電動機 - Google Patents

電動機

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JPH1155879A
JPH1155879A JP20798297A JP20798297A JPH1155879A JP H1155879 A JPH1155879 A JP H1155879A JP 20798297 A JP20798297 A JP 20798297A JP 20798297 A JP20798297 A JP 20798297A JP H1155879 A JPH1155879 A JP H1155879A
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清隆 川村
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義春 信太
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、継鉄鉄心の嵌合溝に磁極部鉄心を構
成する磁極歯端部を嵌合する際および、回転子を着磁す
る際の各磁極歯における電磁力の強弱に影響されること
なく、連結部の変形を確実に防止して、高精度の組立て
および信頼性の向上を図った電動機を提供する。 【解決手段】回転子Aが挿通される環状の連結部2を介
して連結され、外側に向けて放射状にそれぞれ延びる複
数の磁極歯3を備えた磁極部鉄心4と、この磁極部鉄心
の外側を囲むように配置され、内周部に上記各磁極歯端
部が嵌合される複数の嵌合溝5が形成される継鉄鉄心6
とを具備し、上記磁極部鉄心を構成する磁極歯は、内周
側である連結部側の幅寸法が、外周側である継鉄鉄心嵌
合溝側の幅寸法よりも広く形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子と固定子と
からなる電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来より用いられる電動機の平
面視の図である。この電動機は、中心軸をなす回転軸S
を介してたとえば圧縮機構部に連結され、この圧縮機構
部を駆動する密閉型圧縮機に用いられる。この密閉型圧
縮機は、空気調和機の冷凍サイクルを構成する。
【0003】上記電動機は、回転軸Sに一体に取付けら
れる回転子Aと、この回転子Aの外周面と狭小の間隙を
存して配置され、密閉型圧縮機を構成する密閉ケースに
取付けられる固定子Bからなる。
【0004】上記電動機は、省エネルギの観点から可変
速化が普通となっていて、そのため上記回転子に永久磁
石Mが用いられている。この永久磁石Mは、磁性粉が固
められて成形されるものであるため、はじめは磁極を有
しておらず、組立て完了後になされる着磁処理によって
初めて磁極が形成される。
【0005】上記固定子Bは、回転子Aが挿通される環
状の連結部aを介して連結され、外側に向けて放射状に
それぞれ延びる複数の磁極歯b…を備えた磁極部鉄心c
と、この磁極部鉄心cの外側を囲むように配置され、内
周部に上記各磁極歯端部b1が嵌合される複数の嵌合溝
dが形成される継鉄鉄心eとから構成される。
【0006】そして、図9にも示すように、巻線fが巻
装された絶縁部材であるボビンgが各磁極歯bに嵌入固
定される。すなわち、ボビンgは枠状に形成されて、こ
の外周面に巻線eが巻装され、内周開口部が磁極歯bに
嵌入されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような電動機Bで
あるが、以下のような問題があった。 1.磁極部鉄心cを構成する磁極歯端部b1 を継鉄鉄心
eに設けられる嵌合溝dに圧入嵌合する際、その影響で
磁極部鉄心cにおいては内径側へ応力が発生する。
【0008】特に磁極部鉄心cを構成する連結部aは、
回転に寄与しない磁界を遮断するため極く狭い幅寸法に
形成される。したがって、連結部aに内径側へ作用する
応力がかかると、その影響で歪み変形することがある。
すると、固定子Bとして完成された状態で、回転子Aと
のギャップが均一でなくなり、磁気的アンバランスにな
って騒音が発生したり、回転軸Sに不均一な力(プルフ
ォース)がかかって始動が不可能になる場合もある。
【0009】2.上記回転子Aの永久磁石Mに対する着
磁処理をなすのに、図10(A)に示す2相通電と、図
11(A)に示す3相通電がある。2相通電の場合は、
図10(B)に示す回路を構成して着磁電流(パルス電
流)を流し、3相通電の場合は、図11(B)に示す回
路を構成して着磁電流(パルス電流)を流す。
【0010】2相通電の場合は、着磁電流がU相巻線
(磁極歯No1,4)を介してV相巻線(磁極歯No3,
6)に流れるため、図10(C)に示す不均一な磁束の
流れとなり、上記巻線を巻装する磁極歯に電磁力が強く
出る。逆に、着磁電流が流れないW相巻線(磁極歯No
2,5)に対応する磁極歯では電磁力が弱い。
【0011】その結果、図12(A)に示すように、電
磁力が強い磁極歯No1とNo3および、No4とNo6との間
に挟まれた磁極歯No2とNo5の、それぞれ両側の連結部
2に影響が出て変形xが生じる。また、互いに電磁力が
強く、かつ隣接する磁極歯No3とNo4およびNo6とNo1
相互は、互いの電磁力が打ち消しあうため、これらの間
の連結部2は変形がない。
【0012】3相通電の場合は、着磁電流の全てがU相
巻線に流れるのに対して、V相巻線とW相巻線では互い
に半分に分流されるため、図11(C)に示す不均一な
磁束の流れとなる。したがって、磁極歯No1,4で電磁
力が強く出る反面、磁極歯No2,3,5,6での電磁力
が弱い。
【0013】その結果、図12(B)に示すように、電
磁力が強く出る磁極歯No1とNo4を結ぶ線Lを中心に左
右対称となり、その中央部である磁極歯No2とNo3およ
び磁極歯No5とNo6相互間における連結部aに影響が出
て変形xが生じる。
【0014】このような連結部aにおける変形xの影響
で、先に説明したように回転子Aとのギャップが均一で
なくなり、磁気的アンバランスが生じて騒音が発生し、
プルフォース増大によって始動が不可能になる場合があ
る。
【0015】3.再び図9に示すように、上記磁極歯b
に巻線fを施したボビンgを嵌入すると、連結部a側端
部である基端部が隣接するボビンgの基端部と、ある程
度の隙間sが形成される。
【0016】この状態で、磁極歯端部b1 を継鉄鉄心e
の嵌合溝dに圧入嵌合するのであるが、互いに隣接する
ボビンg,g間に形成される隙間s分だけ磁極歯bに対
してボビンgが位置ズレし易く、よって連結部aの変形
につながる恐れがある。これは、回転子Aの永久磁石M
に対する着磁時においても全く同様の影響が出る。
【0017】4.図13(A)に模式的に示すように、
着磁電流を通電(2相通電および3相通電)する前は断
面が概略矩形状をなしている巻線fが、着磁電流を通電
することにより、同図(B)に示すように、対向する辺
部fa ,fb で電流の流れる方向と磁界の発生方向とが
互いに逆になるため、互いに反発力が働いて外側に膨出
変形する。
【0018】再び図8に示すように、6スロットを有す
る固定子Bでは、着磁時に、磁極歯bに施される巻線f
の対向する辺部fa ,fb で電流の向きが互いに逆にな
り、したがって磁界の方向も互いに逆になる。
【0019】特にU相巻線では、各辺部fa ,fb が同
一スロットH内にある異相(V相、W相)巻線の辺部f
a ,fb に対して、電流の向きと磁界の発生方向とが同
一である。したがって、同一スロットH内でのU相巻線
と異相巻線では、互いに吸引力が働く。
【0020】先に説明したように、もともと巻線7に着
磁電流を通電すると対向する辺部fa ,fb で反発力が
働いて外側に膨出変形する傾向にあるところへ、U相巻
線の対向する辺部fa ,fb では、この反発力と、同一
スロットH内にある異相巻線の影響で膨出変形の度合い
が大となる。
【0021】ところが、V相巻線と、W相巻線が存在し
ている同一スロットHでは、電流方向がそれぞれ逆にな
っているので、対向する辺部fa ,fb における反発力
が相殺され、膨出変形がほとんど見られない。
【0022】図14に示すように、着磁量に対する着磁
電流は、従来の電動機(固定子内周部に沿ってスロット
が形成され、複数スロットに亘って巻線が施されたも
の)の一点鎖線変化Mと比較して、以上説明した電動機
の実線変化Nは、非常に大きな電流を必要とし、反発力
や吸引力の発生が大となっている。
【0023】したがって、ボビンgを用いず磁極歯bに
直接巻線fを巻いたものは勿論のこと、反発力や吸引力
が大きな場合にはボビンgを用いたものにおいても、上
述のようにU相巻線が膨出変形することにより、隣接す
る異相巻線に接触する恐れがあり、この接触個所におい
て巻線の被覆が落ちた場合などは、異相同士で短絡する
こととなり、電動機として機能しなくなる。
【0024】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
第1の目的とするところは、継鉄鉄心の嵌合溝に磁極部
鉄心を構成する磁極歯端部を嵌合する際の圧入力およ
び、回転子を着磁する際の電磁力に影響されることな
く、連結部の変形を確実に防止して、高精度の組立てお
よび信頼性の向上を図った電動機を提供しようとするも
のである。
【0025】第2の目的とするところは、巻線が施され
た絶縁部材の位置ズレによる連結部の変形を防止して、
高精度の組立ておよび信頼性の向上を図った電動機を提
供しようとするものである。第3の目的とするところ
は、着磁処理の際の巻線相互の短絡を防止して、電動機
特性の向上を図った電動機を提供しようとするものであ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を満足す
るため、請求項1の発明は、回転子と固定子とからな
り、この固定子は回転子が挿通される環状の連結部を介
して連結され、外側に向けて放射状にそれぞれ延びる複
数の磁極歯を備えた磁極部鉄心と、この磁極部鉄心の外
側を囲むように配置され、内周部に上記各磁極歯端部が
嵌合される複数の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具備
した電動機において、上記磁極部鉄心を構成する磁極歯
は、内周側である連結部側の幅寸法が、外周側である継
鉄鉄心嵌合溝側の幅寸法よりも広く形成されることを特
徴とする。
【0027】請求項2として、請求項1記載の電動機に
おいて上記磁極歯は、内周側である連結部側から、外周
側である継鉄鉄心嵌合溝側に亘って、幅寸法が漸次狭く
なる杆部を有することを特徴とする。
【0028】請求項3として、請求項1記載の電動機に
おいて上記磁極歯は、連結部近傍にてテーパ状に幅寸法
が広くなる基端部を有することを特徴とする。上記第2
の目的を満足するため、請求項4の発明は、請求項1な
いし請求項3のいずれかに記載の電動機において、上記
磁極部鉄心を構成する磁極歯には、それぞれ巻線が施さ
れた絶縁部材が嵌入され、これら絶縁部材の連結部側端
部である基端部は、隣接する絶縁部材の基端部と面接触
することを特徴とする。
【0029】請求項5として、請求項4記載の電動機に
おいて上記絶縁部材の基端部は、磁極歯嵌入部分を頂角
部とする三角状に形成され、隣接する絶縁部材の基端部
と面接触する部分は、頂角部に対する対辺部であること
を特徴とする。
【0030】上記第3の目的を満足するため、請求項6
の発明は、永久磁石を有する回転子と、この回転子が挿
通される固定子とからなり、上記固定子は環状の連結部
を介して連結され、外側に向けて放射状にそれぞれ延び
るとともに、巻線が施された複数の磁極歯を備えた磁極
部鉄心と、この磁極部鉄心の外側を囲むように配置さ
れ、内周部に複数の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具
備し、上記固定子の各巻線に電流を通して上記回転子の
永久磁石に対する着磁処理を行なう電動機において、上
記各巻線のうち、着磁処理時に隣接する巻線と電流の流
れる方向が同一となる巻線に絶縁処理を施したことを特
徴とする。
【0031】請求項7として、請求項6記載の電動機に
おいて上記絶縁処理は、電流の流れる方向が同一となる
巻線間に介在される絶縁体であることを特徴とする。請
求項8として、請求項7記載の電動機において上記絶縁
体は、耐冷媒性を有することを特徴とする。
【0032】請求項9として、請求項6記載の電動機に
おいて上記絶縁処理は、一方の巻線を構成する銅線に対
するワニス処理であり、銅線相互を密に固着して上記巻
線を固形化することを特徴とする。
【0033】請求項10として、請求項6記載の電動機
において上記絶縁処理は、一方の巻線を構成する自己融
着性銅線に対する加熱処理であり、銅線相互を密に固着
して上記巻線を固形化することを特徴とする。
【0034】以上の課題を解決する手段を採用すること
により、請求項1ないし請求項3の発明では、継鉄鉄心
の嵌合溝に磁極部鉄心を構成する磁極歯端部を嵌合する
際および回転子着磁時の、連結部の変形を防止する。
【0035】請求項4および請求項5の発明では、巻線
が施された絶縁部材の位置ズレを防止し、よって連結部
への応力の伝達を防止する。請求項6ないし請求項10
の発明では、着磁処理における所定の巻線相互の短絡を
防止する。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面にもとづいて説明する。ここに用いられる電動機は、
たとえば先に説明したように空気調和機に備えられる密
閉型圧縮機の圧縮機構部を駆動するためのものである。
【0037】基本的には、回転軸に一体に取付けられる
回転子と、この回転子の外周面と狭小の間隙を存して配
置される固定子からなり、後述する固定子以外は先に説
明したものと同一である。
【0038】図1および図2(A)(B)(C)に示す
ように、上記固定子1は、内径側に先に説明した回転子
が挿通される連結部2を介して連結され、外側に向けて
放射状にそれぞれ延びる複数の磁極歯3を備えた磁極部
鉄心4と、この磁極部鉄心4の外側を囲むように配置さ
れ、内周部に上記各磁極歯先端部3aが嵌合される複数
の嵌合溝5が設けられる継鉄鉄心6とから構成される。
【0039】上記磁極歯3の外周側である先端部3aは
T字状に形成されており、継鉄鉄心6に設けられる嵌合
溝5は同形状の凹部となっている。上記磁極歯3の内周
側である連結部2側端部には、円形の連結部2内径に対
して接線方向に傾斜するテーパ状の基端部3bが設けら
れ、左右両側の基端部3b,3bをもって末広がり状を
なす。
【0040】この基端部3bと先端部3aとの間はスト
レート状の杆部3cに形成されているが、磁極歯3全体
として、内周側である連結部2側の幅寸法が外周側であ
る継鉄鉄心嵌合溝5側の幅寸法よりも広く形成されるこ
とになる。
【0041】図3に示すように、上記磁極歯3には、巻
線7が施された絶縁部材であるボビン8が嵌入される。
このボビン8は、磁極歯3のT字状先端部3aを露出す
る位置にある鍔部8aと、磁極歯3のテーパ状基端部3
b,3bを覆う三角状の基端部8b、8bおよび、磁極
歯3のストレート状杆部3cに嵌入される主杆部8cと
からなる。上記巻線7は、ボビン8の鍔部8aと基端部
8bとの間の主杆部8cに密に巻装されている。
【0042】また、ボビン8のテーパ状基端部8bは、
主杆部8c側端を頂角部kとした三角状に形成されてい
て、上記頂角部kに対する対辺部p、すなわち基端部3
b側面が各ボビン8を磁極歯3に嵌入した状態で隣接す
るボビン8に対向する。
【0043】そして、ボビン8の左右両側のテーパ状基
端部8b,8b両側面である両対辺部p,pのなす角度
αは、隣接するボビン基端部8bの対辺部pと面接触す
るように設定されていることが特徴であり、組立てられ
た状態で少しの隙間も存在しない。
【0044】しかして、固定子1を成形するため、それ
ぞれの磁極歯3に巻線7を巻装したボビン8を嵌入した
あと、磁極部鉄心4を継鉄鉄心6に組み込む。すなわ
ち、連結部2で連結された磁極歯3の先端部3aを継鉄
鉄心6に設けられる嵌合溝5に圧入嵌合する。
【0045】このとき、磁極歯先端部3aと継鉄鉄心嵌
合溝5の嵌合部分において反方向に反発力が生じるが、
磁極歯先端部3aと嵌合溝5が互いにT字状に形成され
るところから、反方向への反発力の発生がなく、したが
って連結部2に影響が及ばずにすみ変形が生じない。
【0046】さらに、磁極歯3の左右両基端部3b,3
bを三角状に形成したので、磁極部鉄心4を継鉄鉄心6
に組み込む際に発生する応力に対して磁極歯3自身が十
分な強度を保持することとなり、よって磁極歯基端部3
b,3bに連なる連結部2の変形が確実に防止される。
【0047】全ての磁極歯3に巻線7を施したボビン8
を嵌入した状態で、隣接するボビン基端部8b,8bの
対辺部p,pが互いに密接する。したがって、磁極部鉄
心4を継鉄鉄心6に組み込む際にボビン8の位置ズレが
ないから、磁極歯3を介して連結部2に外力が加わるこ
とがない。
【0048】および、後述するように着磁電流を巻線7
に通電した際の、巻線7の変形がボビン8を介して磁極
歯3に及んだ場合、あるいは直接磁極歯3が電磁力の影
響で変形した場合でも、同様の作用効果を得られる。
【0049】これらの条件から、連結部2に変形が生じ
ることは全くなく、このあと組立てられた固定子1を密
閉ケースに取付け固定するのに何らの問題もないばかり
か、この内径側に配置される上記回転子とのギャップが
均一に保持されるので、磁気騒音やプルフォースの発生
が防止される。
【0050】上記連結部2は、可能な限り桟幅を薄くす
ることができて、連結部2の磁束密度を十分に高くする
ことが可能となる。特に、磁極歯3間の中間部において
連結部2の桟幅が薄くなることにより、ここで回転に寄
与しない磁界が遮断されて効率向上を図ることができ、
高効率な電動機を提供できる。
【0051】なお、上記実施の形態においては、各磁極
歯3は、先端部3aと基端部3bとの間の杆部3cをス
トレート状の同一幅に形成したが、これに限定されるも
のではなく、以下のような変形実施が可能である。
【0052】すなわち、図4(A)に示すように、磁極
歯3Aは、先端部3aがT字状に形成され、基端部3b
は両側に三角状に形成されることは同一であるが、これ
ら先端部3aと基端部3bとの間は、内周部である基端
部3b側(連結部2側でもある)から外周部である先端
部3a側(嵌合溝5側でもある)に亘って、幅寸法が漸
次狭くなるテーパ状の杆部3dに形成される。
【0053】したがって、この磁極歯3Aでは両基端部
3b,3bが三角状に形成されることと相俟って、テー
パ状杆部3dを設けたことにより外力に対する強度の増
大を得られ、連結部2の変形をより確実に防止すること
ができる。
【0054】同図(B)に示すように、上記磁極歯3A
に嵌入されるボビン8Aは、鍔部8aと三角状の基端部
8b,8bを備えていて、外見的には先に説明したもの
と全く同一であるが、磁極歯3Aのテーパ状杆部3dと
嵌合する主杆部8d内部はこの杆部3dと同一形状に形
成され、嵌合した状態で位置ズレがない。
【0055】図5(A)に示すように、全ての磁極歯3
Aは、先端部3aと基端部3bとの間を、テーパ状杆部
3dとしたものに代えてもよい。この場合は、2相通電
と、3相通電の種類にかかわらず、全てに適用できる。
【0056】また、上記回転子Aを構成する永久磁石M
の着磁にあたって、2相通電をなす場合は、U相巻線が
施される磁極歯No1とNo4の電磁力が他の磁極歯と比較
して大であるので、これに耐え得るよう、同図(B)に
示すように、上記Noはテーパ状杆部3dを備えた磁極歯
3Aとし、他はストレート状杆部3cを備えた磁極歯3
としてもよい。
【0057】同図(C)に示すように、3相通電をなす
場合は、U相巻線とV相巻線が施される磁極歯No1およ
びNo4と、磁極歯No3およびNo6の電磁力が大であるの
で、これに耐え得るように、上記Noはテーパ状杆部3d
を備えた磁極歯3Aとし、他のW相巻線が施される磁極
歯No2とNo5はストレート状杆部3cを備えた磁極歯3
としてもよい。
【0058】図6(A)に示すような磁極歯3Bであっ
てもよい。この磁極歯3Bは、先端部3aがT字状に形
成され、両側の基端部3b,3bは三角状に形成される
ことは同一であるが、これらの間は基端部3b側から先
端部3a側に亘って、幅寸法が漸次狭くなる段状の杆部
3eに形成される。
【0059】同図(B)に示すように、上記磁極歯3B
に嵌入されるボビン8Bは、鍔部8aと三角状の基端部
8b,8bを備えていて、外見的には先に説明したもの
と全く同一であるが、磁極歯3Bの段状杆部3eと嵌合
する主杆部8e内部はこの杆部3eと同一形状に形成さ
れ、嵌合した状態でボビン8Bの位置ズレがない。
【0060】また、着磁時の反発力や吸引力が大きく巻
線7の膨出変形が顕著な場合などには、図7に示すよう
に、磁極歯No1および磁極歯No4に巻装される巻線7に
対する絶縁処理を施す。
【0061】すなわち、磁極歯No1,No4の両側と、そ
れぞれに隣接する磁極歯3との間に、絶縁体である絶縁
板10が介在される。具体的には、ボビン8の基端部8
bから巻線7を介して継鉄鉄心6の内周部に亘る部分に
絶縁板10が設けられる。
【0062】ここで説明する電動機は、たとえば空気調
和機に用いられる密閉型圧縮機を構成するものであり、
冷媒としてはR22などに代表されるHCFC冷媒は勿
論のこと、134aなどに代表されるHFC冷媒が使用
されるので、長期の使用に耐えられるよう、上記絶縁板
10は耐冷媒性を有することが必要となる。
【0063】先に説明したように、3相通電をなすと、
U相巻線を構成する磁極歯No1およびNo4に巻装される
巻線7の対向する辺部が外側へ膨出変形する。しかしな
がら、この両側には絶縁板10が介在しているので、巻
線7がいくら膨出変形をしても絶縁板10に阻止されて
隣接する巻線7に接触することがない。
【0064】すなわち、隣接する巻線7,7相互の短絡
事故を防止することができて、信頼性と電動機特性の向
上を図れる。加えて、膨出変形する恐れのない部分には
絶縁板10を設けることは不用であるので、この部分に
おける絶縁板10のコストの低減および組立て工数の省
略が可能となる。
【0065】また、巻線7の膨出変形にともなう絶縁処
理として、巻線7相互間に絶縁板10を介在させるばか
りでなく、たとえば膨出変形する巻線7を構成する銅線
として、通常のエナメル銅線を用い、これに対してワニ
ス処理してもよい。
【0066】この場合は、銅線相互が密に固着されるこ
とになり、巻線7が固形化する。したがって、その磁極
歯3にたとえ大なる電磁力がかかっても、巻装される巻
線7が膨出変形することがないから、隣接する巻線7に
接触して短絡事故を発生する恐れもない。
【0067】あるいは、自己融着性銅線を用いた絶縁処
理であってもよい。この場合は、銅線を加熱することに
より、銅線が自己融着して相互に密に固着し、巻線が固
形化する。
【0068】したがって、その磁極歯3にたとえ大なる
電磁力がかかっても、巻装される巻線7が膨出変形する
ことがないから、隣接する巻線7に接触して短絡事故を
発生する恐れもない。
【0069】加えて、膨出変形する恐れのない部分にお
いては、通常の巻線に対してコストのかかるワニス処理
を施すことや、自己融着性銅線を用いる必要がないの
で、この部分における絶縁処理のコスト低減や処理作業
工程の省略が可能となる。
【0070】なお、上記実施の形態における絶縁処理
は、ボビンを用いたものについて説明したが、これに限
定されるものではなく、ボビンを用いず、巻線を磁極歯
に直接巻装したものにおいても当然有効である。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
極部鉄心を構成する磁極歯の端部を継鉄鉄心に設けられ
る嵌合溝に圧入嵌合するときの圧入力の影響と、着磁時
の巻線の電磁力によって生じる連結部の変形を確実に防
止して高精度の組立てをなし、かつ巻線同士の接触と短
絡を防止して、電動機の特性と信頼性の向上を得るとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す、電動機の一部を
分解した平面図と、その要部を拡大した図。
【図2】同実施の形態の、組立てられた固定子要部の平
面図。
【図3】同実施の形態の、固定子の平面図と、その要部
を拡大した図。
【図4】他の実施の形態の、磁極歯要部と、ボビンの平
面図。
【図5】同実施の形態の、磁極歯を用いた固定子各種の
平面図。
【図6】さらに他の実施の形態の、磁極歯要部と、ボビ
ンの平面図。
【図7】さらに他の実施の形態の、固定子の平面図。
【図8】従来の、電動機の平面図。
【図9】従来の、電動機の平面図。
【図10】回転子に対する着磁であって、2相通電の場
合の回路構成と、磁束の流れを説明する図。
【図11】回転子に対する着磁であって、3相通電の場
合の回路構成と、磁束の流れを説明する図。
【図12】連結部の変形の状態を説明する図。
【図13】通電前と通電時での巻線の形態の変化を模式
的に表す図。
【図14】従来構成のモータと本発明で説明するモータ
の着磁量に対する着磁電流の特性を示す図。
【符号の説明】
A…回転子、 2…連結部、 3…磁極歯、 4…磁極部鉄心、 5…嵌合溝、 6…継鉄鉄心、 7…巻線、 8…絶縁部材(ボビン)、 8b…(ボビンの)基端部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転子と固定子とからなり、この固定子は
    回転子が挿通される環状の連結部を介して連結され、外
    側に向けて放射状にそれぞれ延びる複数の磁極歯を備え
    た磁極部鉄心と、 この磁極部鉄心の外側を囲むように配置され、内周部に
    上記各磁極歯端部が嵌合される複数の嵌合溝が形成され
    る継鉄鉄心とを具備した電動機において、 上記磁極部鉄心を構成する磁極歯は、内周側である連結
    部側の幅寸法が、外周側である継鉄鉄心嵌合溝側の幅寸
    法よりも広く形成されることを特徴とする電動機。
  2. 【請求項2】上記磁極歯は、内周側である連結部側か
    ら、外周側である継鉄鉄心嵌合溝側に亘って、幅寸法が
    漸次狭くなる杆部を有することを特徴とする請求項1記
    載の電動機。
  3. 【請求項3】上記磁極歯は、連結部近傍にてテーパ状に
    幅寸法が広くなる杆部を有することを特徴とする請求項
    1記載の電動機。
  4. 【請求項4】上記磁極部鉄心を構成する磁極歯にはそれ
    ぞれ巻線が施された絶縁部材が嵌入され、これら絶縁部
    材の連結部側端部である基端部は、隣接する絶縁部材の
    基端部と面接触することを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の電動機。
  5. 【請求項5】上記絶縁部材の基端部は、磁極歯嵌入部分
    を頂角部とする三角状に形成され、隣接する絶縁部材の
    基端部と面接触する部分は、頂角部に対する対辺部であ
    ることを特徴とする請求項4記載の電動機。
  6. 【請求項6】永久磁石を有する回転子と、この回転子が
    挿通される固定子とからなり、上記固定子は環状の連結
    部を介して連結され、外側に向けて放射状にそれぞれ延
    びるとともに、巻線が施された複数の磁極歯を備えた磁
    極部鉄心と、 この磁極部鉄心の外側を囲むように配置され、内周部に
    複数の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具備し、上記固
    定子の各巻線に電流を通して上記回転子の永久磁石に対
    する着磁処理を行なう電動機において、 上記各巻線のうち、着磁処理時に隣接する巻線と電流の
    流れる方向が同一となる巻線に絶縁処理を施したことを
    特徴とする電動機。
  7. 【請求項7】上記絶縁処理は、電流の流れる方向が同一
    となる巻線間に介在される絶縁体であることを特徴とす
    る請求項6記載の電動機。
  8. 【請求項8】上記絶縁体は、耐冷媒性を有することを特
    徴とする請求項7記載の電動機。
  9. 【請求項9】上記絶縁処理は、一方の巻線を構成する銅
    線に対するワニス処理であり、銅線相互を密に固着して
    上記巻線を固形化することを特徴とする請求項6記載の
    電動機。
  10. 【請求項10】上記絶縁処理は、一方の巻線を構成する
    自己融着性銅線に対する加熱処理であり、銅線相互を密
    に固着して上記巻線を固形化することを特徴とする請求
    項6記載の電動機。
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