JP2016129450A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動時の振動や騒音を低減することができる回転電機を提供することである。【解決手段】実施形態の回転電機は、固定子と回転子とを持つ。固定子は、巻線が巻回される複数のティースを持つ。回転子は、固定子に対して回転自在に設けられ、ティースの先端と径方向で対向する位置に複数の磁極を持つ。ティースは、ティース本体部と鍔部とを持つ。ティース本体部は、径方向に沿って延びる。鍔部は、ティース本体部の先端に設けられ、周方向に沿って延びる。また、周方向に隣接する鍔部の間に複数のスロットが形成される。回転子の回転軸線を中心に対向する2つのスロットのスロット幅は、互いに異なるように設定されていると共に、周方向で隣接する2つのスロットのスロット幅は、互いに異なるように設定されている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、回転電機に関する。
回転電機としては、巻線が巻回される複数のティースを有する固定子と、この固定子に対して回転自在に設けられ、磁極を有する回転子と、を備えたものがある。ティースは、径方向に延びるティース本体部と、このティース本体部の先端に設けられ、周方向に延びる鍔部とが一体成形されたものである。そして、ティース本体部に巻線が巻回されている。
この種の回転電機は、各ティースに巻回された巻線に選択的に電流を供給し、これによって生じる磁力と、回転子の磁極との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって、回転子が回転する。
この種の回転電機は、各ティースに巻回された巻線に選択的に電流を供給し、これによって生じる磁力と、回転子の磁極との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって、回転子が回転する。
ここで、隣接するティース間には、蟻溝状のスロットが形成される。このスロットに巻線が収納されることになる。また、スロットを形成することにより、ティースに形成される磁束が回転子に伝達されずに、隣接するティースに短絡されてしまうことを防止している。
ところが、スロットには磁束が形成されないので、このスロットが存在する位置とティースが存在する位置とでは、回転子とティースとの間の空隙(以下、鉄心間空隙という)における磁束密度の変化が大きくなる。そして、これに起因して回転電機のトルク脈動が発生する場合があると共に、固定子が楕円モード変形して振動、騒音が発生する場合があった。
ところが、スロットには磁束が形成されないので、このスロットが存在する位置とティースが存在する位置とでは、回転子とティースとの間の空隙(以下、鉄心間空隙という)における磁束密度の変化が大きくなる。そして、これに起因して回転電機のトルク脈動が発生する場合があると共に、固定子が楕円モード変形して振動、騒音が発生する場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、駆動時の振動や騒音を低減することができる回転電機を提供することである。
実施形態の回転電機は、固定子と回転子とを持つ。固定子は、巻線が巻回される複数のティースを持つ。回転子は、固定子に対して回転自在に設けられ、ティースの先端と径方向で対向する位置に複数の磁極を持つ。ティースは、ティース本体部と鍔部とを持つ。ティース本体部は、径方向に沿って延びる。鍔部は、ティース本体部の先端に設けられ、周方向に沿って延びる。また、周方向に隣接する鍔部の間に複数のスロットが形成される。回転子の回転軸線を中心に対向する2つのスロットのスロット幅は、互いに異なるように設定されていると共に、周方向で隣接する2つのスロットのスロット幅は、互いに異なるように設定されている。
以下、実施形態の回転電機を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、回転電機1の概略構成図である。
同図に示すように、回転電機1は、略円筒状に形成された固定子2と、固定子2の径方向内側に回転自在に設けられた回転子3と、を備えている。
図1は、回転電機1の概略構成図である。
同図に示すように、回転電機1は、略円筒状に形成された固定子2と、固定子2の径方向内側に回転自在に設けられた回転子3と、を備えている。
回転子3は、回転軸4に円柱状の回転子鉄心5が外嵌固定されたものである。回転子鉄心5は、電磁鋼板を複数積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりすることにより形成される。回転子鉄心5の径方向中央には、回転軸4を圧入可能な貫通孔6が形成されている。また、回転子鉄心5には、外周面側に、複数(例えば、この第1の実施形態では4つ)のスリット7が周方向に等間隔で形成されている。各スリット7は、断面形状が略矩形状となるように形成されており、その短手方向が径方向に沿うように配置されている。
各スリット7には、板状の永久磁石8が挿入されて固定されている。各永久磁石8は、回転子鉄心5の外周面側の磁極が周方向に順番となるように配置されている。このように、回転電機1は、回転子鉄心5に永久磁石8が埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)モータとして構成されている。
なお、回転軸4の軸心P1と永久磁石8との間の距離をbとし、回転子鉄心5の半径をrとしたとき、距離bと半径rとの比r/bは、
1.2≦r/b≦1.4・・・(1)
を満たすように設定されていることが望ましい。
1.2≦r/b≦1.4・・・(1)
を満たすように設定されていることが望ましい。
ここで、(r/b)が大きい場合、1つの永久磁石8から発生する磁束は、隣り合う別の永久磁石8の影響を大きく受けるので、永久磁石8の隣接部において鉄心間空隙の磁束密度が大きくなる。このため、鉄心間空隙における磁束密度分布は正弦波波形から大きくずれる結果となる。
一方、(r/b)が小さい場合、隣り合う永久磁石8同士が大きく離間することになるので、永久磁石8付近での磁束密度は小さくなり過ぎる。このため、鉄心間空隙における磁束密度分布は正弦波波形から大きくずれる結果となる。
これらの結果に鑑み、(r/b)を式(1)を満たすように設定することにより、鉄心間空隙の磁束密度を正弦波波形に近似させることができる。なお、この磁束密度の波形の詳細については、後述する。
一方、(r/b)が小さい場合、隣り合う永久磁石8同士が大きく離間することになるので、永久磁石8付近での磁束密度は小さくなり過ぎる。このため、鉄心間空隙における磁束密度分布は正弦波波形から大きくずれる結果となる。
これらの結果に鑑み、(r/b)を式(1)を満たすように設定することにより、鉄心間空隙の磁束密度を正弦波波形に近似させることができる。なお、この磁束密度の波形の詳細については、後述する。
固定子2は、略円筒状の固定子鉄心9と、固定子鉄心9から径方向内側に向かって突設された複数(例えば、この第1の実施形態では6つ)のティース10とが一体成形されたものである。そして、周方向に隣接するティース10間に、それぞれ蟻溝状のスロット11が形成されている。固定子2は、積層鋼板を複数積層したり、軟磁性粉を加圧成形したりすることにより形成される。
このように、回転電機1は、磁極数(永久磁石8の数)が4極、スロット11の数(ティース10の数)が6つの4極6スロットの3相(U相、V相、W相)構造になっている。
このように、回転電機1は、磁極数(永久磁石8の数)が4極、スロット11の数(ティース10の数)が6つの4極6スロットの3相(U相、V相、W相)構造になっている。
図2は、図1のA部拡大図である。
図1、図2に示すように、ティース10は、軸方向の平面視が略T字状になるように形成されており、径方向に沿って延びるティース本体部12と、ティース本体部12の先端に設けられ周方向に沿って延びる鍔部13と、を有している。各ティース本体部12は、周方向に等間隔に配置されている。そして、各ティース本体部12に、それぞれ巻線14が巻回されている。
図1、図2に示すように、ティース10は、軸方向の平面視が略T字状になるように形成されており、径方向に沿って延びるティース本体部12と、ティース本体部12の先端に設けられ周方向に沿って延びる鍔部13と、を有している。各ティース本体部12は、周方向に等間隔に配置されている。そして、各ティース本体部12に、それぞれ巻線14が巻回されている。
一方、鍔部13は、ティース本体部12の幅方向中央P2を中心にして非対称に形成されている。すなわち、一方の周方向端部のティース本体部12からの突出長さが、他方の周方向端部のティース本体部12からの突出長さよりも短く設定されている。より具体的には、鍔部13は、短鍔部15と長鍔部16とにより構成されている。
ここで、短鍔部15と長鍔部16の配置位置は、ティース10ごとにそれぞれ異なる。すなわち、図1に詳示するように、回転軸4の軸心P1を中心にして対向する2つのスロット11のうち、鍔部13に対応する箇所のスロット幅(以下、単にスロット幅という)が互いに異なるように、且つ周方向で隣接する2つのスロット11のスロット幅が異なるように、短鍔部15と長鍔部16とが配置されている。
ここで、短鍔部15と長鍔部16の配置位置は、ティース10ごとにそれぞれ異なる。すなわち、図1に詳示するように、回転軸4の軸心P1を中心にして対向する2つのスロット11のうち、鍔部13に対応する箇所のスロット幅(以下、単にスロット幅という)が互いに異なるように、且つ周方向で隣接する2つのスロット11のスロット幅が異なるように、短鍔部15と長鍔部16とが配置されている。
図2に詳示するように、短鍔部15の先端は、円弧面15aになっている。円弧面15aの直径Dは、固定子鉄心9の外周面からティース本体部12の根元までの幅をBとしたとき、
D≒0.25B・・・(2)
を満たすように設定されている。
一方、長鍔部16の先端の径方向に沿う幅hは、
h≒0.2B・・・(3)
を満たすように設定されている。
D≒0.25B・・・(2)
を満たすように設定されている。
一方、長鍔部16の先端の径方向に沿う幅hは、
h≒0.2B・・・(3)
を満たすように設定されている。
また、周方向で対向する短鍔部15間の隙間をC1とし、周方向で対向する長鍔部16間の隙間をC2としたとき、隙間C1,C2は、
C1:C2=(1.2〜2.2):1・・・(4)
を満たすように設定されている。
長鍔部16間の隙間C2が小さすぎると、隣接する長鍔部16間で磁束が短絡してしまうからである。
C1:C2=(1.2〜2.2):1・・・(4)
を満たすように設定されている。
長鍔部16間の隙間C2が小さすぎると、隣接する長鍔部16間で磁束が短絡してしまうからである。
このような構成のもと、回転電機1を駆動する際には、同一相の巻線14に電流を供給し、電流を供給する巻線14の相を順次切り替えていく。これにより、回転子3に同一回転方向の磁力を付与し続け、回転子3を継続的に回転させる。
ここで、上述のように鍔部13を構成した理由について詳述する。
すなわち、上記の従来技術でも述べたように、鉄心間空隙における磁束密度の変化が大きくなると、回転電機1のトルク脈動が発生する場合があると共に、固定子2が楕円モード変形して振動、騒音が発生する。この現象は、周方向の磁束密度分布を展開したとき、この磁束密度分布が矩形波波形のようになっているほど大きくなる。そこで、従来では、磁束密度分布を正弦波波形に近似させるべく、ティースの鍔部の形状を、周方向両端に向かうに従って、鉄心間空隙を徐々に大きくする技術がある。
すなわち、上記の従来技術でも述べたように、鉄心間空隙における磁束密度の変化が大きくなると、回転電機1のトルク脈動が発生する場合があると共に、固定子2が楕円モード変形して振動、騒音が発生する。この現象は、周方向の磁束密度分布を展開したとき、この磁束密度分布が矩形波波形のようになっているほど大きくなる。そこで、従来では、磁束密度分布を正弦波波形に近似させるべく、ティースの鍔部の形状を、周方向両端に向かうに従って、鉄心間空隙を徐々に大きくする技術がある。
しかしながら、磁束密度分布を正弦波波形に近づけただけでは、振動、騒音を低減することが困難である。これは、巻線14に電流を供給することにより生じる磁力としては、運転周波数に応じて発生するものに加えてn次高調波成分によるものも発生するからである。このため、そのn次高調波成分による磁力と固定子鉄心9の共振現象に着目する必要がある。
すなわち、回転子3の回転に寄与する磁力の成分は、回転子3の周方向(回転方向)であるのに対し、振動、騒音を引起こす磁力は主に回転子3の径方向に作用するので、鉄心間空隙の磁束密度分布を正弦波波形とすることだけに着目していても騒音は低減できない。
とりわけ、鉄心間空隙の磁束密度分布は回転子3を駆動するためのトルクを発生するもので周方向に作用する磁力が主であるものの、騒音の原因は、回転子3の径方向に作用する磁力が主であることから、磁力の高調波成分に着目する必要がある。
とりわけ、鉄心間空隙の磁束密度分布は回転子3を駆動するためのトルクを発生するもので周方向に作用する磁力が主であるものの、騒音の原因は、回転子3の径方向に作用する磁力が主であることから、磁力の高調波成分に着目する必要がある。
このため、磁極の外周半径(回転子鉄心5の半径)と、その外周半径の中心と回転子3の中心とのずれ量との比をパラメータとして騒音が低減する形状を見出だすため、モデルを作り検証すると共に、磁束解析から電磁力を計算し、電磁力の発生成分の周波数分析を行い、電磁力のn次高調波成分を低減させることを検討した。
図3は、有限要素法による磁束解析図である。
同図に示すように、磁力は、鉄心間空隙における固定子2側と回転子3側に起因する磁束の相互作用により発生するものである。
ここで、磁力は、磁束からマックスウェルの応力により求めることができる。したがって、有限要素法による磁束密度分布から直接磁力を求めることができるので、磁力についても磁束密度の場合と同様に、空間成分と回転子3を回転させたときの時間成分を計算し、それぞれフーリエ解析により周波数分析を行う。そして、固定子鉄心9の固有振動数に基づいて、共振するどの磁力のn次高調波成分を低減すれば効果的であるかが予測できる。なお、本実施形態では、8次高調波成分を低減することが、振動、騒音を効果的に低減することが分かった。
同図に示すように、磁力は、鉄心間空隙における固定子2側と回転子3側に起因する磁束の相互作用により発生するものである。
ここで、磁力は、磁束からマックスウェルの応力により求めることができる。したがって、有限要素法による磁束密度分布から直接磁力を求めることができるので、磁力についても磁束密度の場合と同様に、空間成分と回転子3を回転させたときの時間成分を計算し、それぞれフーリエ解析により周波数分析を行う。そして、固定子鉄心9の固有振動数に基づいて、共振するどの磁力のn次高調波成分を低減すれば効果的であるかが予測できる。なお、本実施形態では、8次高調波成分を低減することが、振動、騒音を効果的に低減することが分かった。
また、本実施形態では、鍔部13を、短鍔部15と長鍔部16とにより構成することにより、回転軸4の軸心P1を中心にして対向するスロット幅が互いに異なっていると共に、周方向で隣接するスロット幅が異なっている(図1参照)。
ここで、同一相の巻線14に電流を供給すると、前述の図3で示したように、固定子2には回転軸4を中心にして対向するように磁束が形成される。このとき、仮に回転軸4の軸心P1を中心にして対向するスロット幅が同一であると共に、周方向で隣接するスロット幅が同一であると、回転軸4を中心にして対向するティース10にそれぞれ同一の磁力が発生することになる。このため、固定子鉄心9の楕円モード変形量が大きくなる。
しかしながら、回転軸4の軸心P1を中心にして対向するスロット幅が互いに異なっていると共に、周方向で隣接するスロット幅が異なっていると、回転軸4を中心にして対向する磁力がそれぞれ異なる。このため、固定子鉄心9は、楕円モード変形とはならず、アンバランスな変形を起す。楕円モード変形のように、左右対称な変形は、各々の振幅が増幅される形になり、振動、騒音が増加する。一方、左右アンバランスな変形は、各々の振幅が打ち消し合う形になり、振動、騒音が低減する。
したがって、上述の第1の実施形態によれば、回転電機1を駆動した際の固定子鉄心9の変形がアンバランスになり、この結果、振動や騒音を低減することができる。
とりわけ、ティース10の鍔部13のうち、短鍔部15の円弧面15aにおける直径Dを式(2)を満たすように設定すると共に、長鍔部16の先端の径方向に沿う幅hを式(3)を満たすように設定することにより、4極6スロット構造の回転電機1における所望のn次高調波成分(例えば、8次高調波成分)を減少できる。よって、回転電機1全体の振動や騒音を効果的に低減できる。
とりわけ、ティース10の鍔部13のうち、短鍔部15の円弧面15aにおける直径Dを式(2)を満たすように設定すると共に、長鍔部16の先端の径方向に沿う幅hを式(3)を満たすように設定することにより、4極6スロット構造の回転電機1における所望のn次高調波成分(例えば、8次高調波成分)を減少できる。よって、回転電機1全体の振動や騒音を効果的に低減できる。
図4は、縦軸を騒音レベル(dB)とし、横軸を回転電機1の運転周波数(Hz)としたときの騒音レベルの変化を示すグラフである。
同図に示すように、従来と比較して本実施形態では、所望の運転周波数域における騒音レベルを顕著に低減させていることが確認できる。
同図に示すように、従来と比較して本実施形態では、所望の運転周波数域における騒音レベルを顕著に低減させていることが確認できる。
また、短鍔部15の先端を円弧面15aとすることにより、短鍔部15の根元から先端に向かうに従って、徐々に鉄心間空隙が大きくなるので、この短鍔部15における鉄心間空隙の磁束密度の変化を滑らかにすることができる。つまり、磁束密度分布を矩形波波形から正弦波波形に近似させることができる。このため、さらに回転電機1の振動や騒音を効率よく低減できる。
さらに、回転軸4の軸心P1と永久磁石8との間の距離bと、回転子鉄心5の半径rとの比r/bを、式(1)を満たすように設定することにより、鉄心間空隙の磁束密度を正弦波波形に近似させることができる。このため、回転電機1の振動や騒音を効率よく低減できる。
また、周方向で対向する短鍔部15間の隙間C1と、周方向で対向する長鍔部16間の隙間C2を、式(4)を満たすように設定することにより、長鍔部16間で磁束が短絡してしまうことを防止できる。このため、固定子2で形成される磁束を効率よく回転子3に伝達することができる。よって、回転電機1の特性を向上させつつ、回転電機1の駆動時における振動や騒音を低減できる。
また、周方向で対向する短鍔部15間の隙間C1と、周方向で対向する長鍔部16間の隙間C2を、式(4)を満たすように設定することにより、長鍔部16間で磁束が短絡してしまうことを防止できる。このため、固定子2で形成される磁束を効率よく回転子3に伝達することができる。よって、回転電機1の特性を向上させつつ、回転電機1の駆動時における振動や騒音を低減できる。
なお、上述の第1の実施形態では、ティース10の鍔部13のうち、短鍔部15の円弧面15aにおける直径Dを式(2)を満たすように設定すると共に、長鍔部16の先端の径方向に沿う幅hを式(3)を満たすように設定することにより、4極6スロット構造の回転電機1における所望のn次高調波成分(8次高調波成分)を減少できる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、短鍔部15の円弧面15aにおける直径D、長鍔部16の先端の径方向に沿う幅hの寸法は、所望のn次高調波成分に応じて変更してもよい。
(第2の実施形態)
次に、図5に基づいて、第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態における回転電機201の概略構成図であって、前述の図1に対応している。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
この第2の実施形態における回転電機201は、スイッチトリラクタンスモータ(Switched Reluctance Motor、以下SRモータという)として構成されている。この点、前述の第1の実施形態と相違する。
次に、図5に基づいて、第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態における回転電機201の概略構成図であって、前述の図1に対応している。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
この第2の実施形態における回転電機201は、スイッチトリラクタンスモータ(Switched Reluctance Motor、以下SRモータという)として構成されている。この点、前述の第1の実施形態と相違する。
より具体的には、回転電機201における固定子2は、前述の第1の実施形態と同一である。
一方、回転子203は、回転軸4に外嵌固定されている回転子鉄心205の外周面に、径方向外側に向かって突設された複数(例えば、この第2の実施形態では4つ)突極21を有しており、上述の第1の実施形態のように、回転子鉄心205に永久磁石8が埋設されていない。
一方、回転子203は、回転軸4に外嵌固定されている回転子鉄心205の外周面に、径方向外側に向かって突設された複数(例えば、この第2の実施形態では4つ)突極21を有しており、上述の第1の実施形態のように、回転子鉄心205に永久磁石8が埋設されていない。
このような構成のもと、固定子2の巻線14に電流が供給されると、ティース10に生じた磁力により回転子203の突極21が吸引される。これにより、回転子203が回転する。
このように、SRモータである回転電機201にも、前述の第1の実施形態の固定子2と同様の構成を採用できる。そして、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
このように、SRモータである回転電機201にも、前述の第1の実施形態の固定子2と同様の構成を採用できる。そして、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
次に、図6、図7に基づいて、第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態における回転電機301の概略構成図であって、前述の図1に対応している。図7は、図6のB部拡大図であって、前述の図2に対応している。
図6、図7に示すように、第1の実施形態と第3の実施形態との相違点は、第1の実施形態の固定子2の形状と、第3の実施形態の固定子302の形状とが異なる点にある。
次に、図6、図7に基づいて、第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態における回転電機301の概略構成図であって、前述の図1に対応している。図7は、図6のB部拡大図であって、前述の図2に対応している。
図6、図7に示すように、第1の実施形態と第3の実施形態との相違点は、第1の実施形態の固定子2の形状と、第3の実施形態の固定子302の形状とが異なる点にある。
より具体的には、固定子302のティース310を構成する鍔部313は、ティース本体部312の幅方向中央P2を中心にして線対称に形成されている。すなわち、鍔部313のティース本体部312からの左右の突出長さは、同じ長さに設定されている。
そして、鍔部313には、第1の実施形態における短鍔部15(図1、図2参照)に対応する位置に、この短鍔部15に代わって開口部31が形成されている。
そして、鍔部313には、第1の実施形態における短鍔部15(図1、図2参照)に対応する位置に、この短鍔部15に代わって開口部31が形成されている。
開口部31は、軸方向からみて円形に形成されている。また、開口部31は、ティース310の軸方向全体に渡って形成されている。しかしながら、これに限られるものではなく、鍔部313の軸方向全体のうち、一部に形成されていてもよい。
すなわち、固定子302を、電磁鋼板を複数積層して形成する場合には、開口部31が形成されている電磁鋼板と、開口部31が形成されていない電磁鋼板とを組み合わせて固定子302を形成してもよい。また、固定子302を、軟磁性粉を加圧成形したりすることにより形成する場合には、開口部31が形成されているものと、形成されていないものとを重ね合わせて固定子302を形成してもよい。
すなわち、固定子302を、電磁鋼板を複数積層して形成する場合には、開口部31が形成されている電磁鋼板と、開口部31が形成されていない電磁鋼板とを組み合わせて固定子302を形成してもよい。また、固定子302を、軟磁性粉を加圧成形したりすることにより形成する場合には、開口部31が形成されているものと、形成されていないものとを重ね合わせて固定子302を形成してもよい。
開口部31を形成することにより、鍔部313は、開口部31が形成されている側(図7において鍔部313の右側に突出している箇所)の飽和磁束密度が、開口部31が形成されていない側(図7において鍔部313の左側に突出している箇所)の飽和磁束密度よりも低くなる。このため、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、開口部31を軸方向全体に渡って形成することにより、確実に固定子302の楕円モード変形をアンバランスにすることができるので、回転電機301の振動や騒音を効果的に低減できる。
なお、開口部31を軸方向全体に渡って形成することにより、確実に固定子302の楕円モード変形をアンバランスにすることができるので、回転電機301の振動や騒音を効果的に低減できる。
また、上述の第3の実施形態では、開口部31が軸方向からみて円形に形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、三角形状や楕円形状等、さまざまな形状を適用することができる。但し、開口部31を軸方向からみて円形とすることにより、開口部31を形成することによる応力集中を防止することができ、固定子302(鍔部313)の剛性を確保することができる。
さらに、開口部31に非磁性体を埋設してもよい。このように構成することで、固定子302(鍔部313)の剛性を確実に確保しつつ、回転電機301の振動や騒音を効果的に低減できる。
さらに、開口部31に非磁性体を埋設してもよい。このように構成することで、固定子302(鍔部313)の剛性を確実に確保しつつ、回転電機301の振動や騒音を効果的に低減できる。
さらに、上述の第1,第3の実施形態では、回転電機1,301は、磁極数が4極、スロット数が6つの3相(U相、V相、W相)構造になっている場合について説明した。また、上述の第2の実施形態では、回転電機201は、回転子3の突極数が4つ、スロット数が6つのSRモータである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、磁極数、スロット数、突極数は、任意に設定することが可能である。但し、スロット数は、偶数個に設定する必要がある。このように構成することで、上述の実施形態の構成を採用することが可能になる。
また、回転電機1,201,301は、3相モータに限られるものではなく、3相以上の複数相構造であってもよい。
また、回転電機1,201,301は、3相モータに限られるものではなく、3相以上の複数相構造であってもよい。
さらに、上述の第1,第3の実施形態では、回転子鉄心5に板状の永久磁石8が埋設されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、回転子鉄心5の外周面に、瓦状、またはリング状の永久磁石を設け、回転電機1,301を、SPM(Surface Permanent Magnet)モータとして構成してもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、ティース10の鍔部13を短鍔部15と長鍔部16とで構成し、回転軸4の軸心P1を中心にして対向するスロット幅が互いに異ならせると共に、周方向で隣接するスロット幅が異ならせることにより、回転電機1を駆動した際の振動や騒音を効果的に低減することができる。
また、鍔部313に、短鍔部15に代わって開口部31を形成することにより、回転電機301を駆動した際の振動や騒音を効果的に低減することができる。
また、鍔部313に、短鍔部15に代わって開口部31を形成することにより、回転電機301を駆動した際の振動や騒音を効果的に低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,201,301…回転電機、2,302…固定子、3,203…回転子、4…回転軸、5,205…回転子鉄心、6…貫通孔、7…スリット、8…永久磁石(磁極)、9…固定子鉄心、10,310…ティース、11…スロット、12,312…ティース本体部、13,313…鍔部、14…巻線、15…短鍔部、15a…円弧面、16…長鍔部、P1…軸心(回転軸線)、P2…幅方向中央、C1,C2…隙間
Claims (6)
- 巻線が巻回される複数のティースを有する固定子と、
前記固定子に対して回転自在に設けられ、前記ティースの先端と径方向で対向する位置に複数の磁極を有する回転子と、
を備え、
前記ティースは、
径方向に沿って延びるティース本体部と、
前記ティース本体部の先端に設けられ、周方向に沿って延びる鍔部と、
を備え、
周方向に隣接する前記鍔部の間に複数のスロットが形成され、
前記回転子の回転軸線を中心に対向する2つの前記スロットのスロット幅は、互いに異なるように設定されていると共に、
周方向で隣接する2つの前記スロットのスロット幅は、互いに異なるように設定されている回転電機。 - 前記鍔部の周方向両端のうち、少なくとも何れか一方の端部は、前記回転軸線に直交する方向の断面形状が弧状となるように形成されている請求項1に記載の回転電機。
- 巻線が巻回される複数のティースを有する固定子と、
前記固定子に対して回転自在に設けられ、前記ティースの先端と径方向で対向する位置に複数の磁極を有する回転子と、
を備え、
前記ティースは、
径方向に沿って延びるティース本体部と、
前記ティース本体部の先端に設けられ、周方向に沿って延びる鍔部と、
を備え、
周方向に隣接する前記鍔部の間に複数のスロットが形成され、
前記回転子の回転軸線を中心に対向する2つの前記スロットのうち、一方の前記スロットを形成する2つの前記鍔部には、互いに対向する端部に開口部が形成されていると共に、
周方向で隣接する2つの前記スロットのうち、一方の前記スロットを形成する2つの前記鍔部には、互いに対向する端部に開口部が形成されている回転電機。 - 前記開口部は、前記回転軸線の軸方向の全体に亘って形成されている請求項3に記載の回転電機。
- 前記開口部は、前記回転軸線の軸方向からみて円形状となるように形成されている請求項3または請求項4に記載の回転電機。
- 前記固定子は、
円筒状に形成された固定子鉄心と、
前記固定子鉄心から径方向内側に向かって突出する前記ティースと、
を備え、
前記回転子は、前記固定子の径方向中央に配置されている請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の回転電機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015003232A JP2016129450A (ja) | 2015-01-09 | 2015-01-09 | 回転電機 |
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JP2015003232A JP2016129450A (ja) | 2015-01-09 | 2015-01-09 | 回転電機 |
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JP2015003232A Pending JP2016129450A (ja) | 2015-01-09 | 2015-01-09 | 回転電機 |
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-
2015
- 2015-01-09 JP JP2015003232A patent/JP2016129450A/ja active Pending
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