JP6832538B2 - 回転電気機械 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電気機械に関するものであり、特にトルクリップルを低減するための技術に関する。
従来より、固定子と、1極あたり複数層のフラックスバリアスリットが形成された回転子とを備えた回転電気機械が知られている(例えば、特許文献1)。同文献の回転電気機械では、逆円弧状のフラックスバリアスリットと長方形状のフラックスバリアスリットとの2層のフラックスバリアスリットが、回転子において径方向に並べて形成されている。これら2層のフラックスバリアスリットの周方向端部は、それぞれ回転子の外周面に向かって延びていて当該外周面に近接している。
特開平11−103547号公報
ところで、特許文献1の回転電気機械では、回転子の外周部分における磁気抵抗が周方向にわたって変動する。これは、透磁率の比較的高いコア材料が回転子の外周部分において径方向に分厚く存在する部分と、透磁率の比較的低いフラックスバリアスリットの周方向端部が回転子の外周面近傍に位置する部分とが周方向において交互に存在するためである。この磁気抵抗の変動が大きくなるほど、回転電気機械の駆動中に発生するトルクリップルが大きくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転電気機械において生じるトルクリップルを低減することにある。
第1の発明は、固定子(20)と、該固定子(20)の内側に設けられて1極あたり複数層のフラックスバリアスリット(31,35,40)が形成された回転子(30)とを備えた回転電気機械(10)を対象とする。この回転電気機械(10)では、所定の隣り合う2層の上記フラックスバリアスリット(31,35,40)が、上記回転子(30)の外周面に向かって延びる周方向端部(32,36,41)を周方向両端に有する。また、回転電気機械(10)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の周方向において互いに隣り合う上記周方向端部(32,36,41)の間における該隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)のうち径方向内側のフラックスバリアスリット(35,40)寄りに設けられ、上記回転子(30)のコア材料よりも透磁率の低い第1非磁性部(46)を備えている。上記回転電気機械(10)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の各々に埋め込まれた永久磁石(43〜45)を備え、上記永久磁石(43〜45)によって発生する主磁束が流れる経路上には上記第1非磁性部(46)が存在しない。
上記第1の発明では、所定の隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の周方向において互いに隣り合う周方向端部(32,36,41)の間に第1非磁性部(46)が存在するので、この第1非磁性部(46)が無い場合に比べて、回転子(30)の外周部分の周方向における磁気抵抗の変動周期が高くなる。したがって、回転電気機械(10)の駆動中に発生するトルクリップルの変動周期も高くなり、よってトルクリップルの振幅が小さくなる。永久磁石(43〜45)によって発生する主磁束が流れる経路上には第1非磁性部(46)が存在しないので、第1非磁性部(46)によってマグネットトルクの発生を阻害することなくトルクリップルを低減することができる。
また、回転電気機械(10)の駆動において進角制御(永久磁石を有する回転電気機械または永久磁石を補助的に用いる回転電気機械の場合にはいわゆるq軸よりも電流位相を進めた制御のことを言う。本明細書において以下同様)を行う場合には、進角制御を行わない場合に比べて、所定の隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の間のコア部分のうち径方向内側の部分を磁束が流れやすい。これに対し、本発明では、所定の隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)のうち径方向内側のフラックスバリアスリット(35,40)寄りに第1非磁性部(46)を設けているので、当該磁束の流れが効果的に抑制され、これによりトルクリップルが効果的に低減される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記第1非磁性部(46)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の周方向において互いに隣り合う上記周方向端部(32,36,41)の間の全てに設けられていることを特徴とする。
上記第2の発明では、所定の隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の周方向端部(32,36,41)の間の一部のみに第1非磁性部(46)が設けられている場合に比べ、第1非磁性部(46)によるトルクリップル低減の効果がより顕著となる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の各々の上記周方向端部(32,36,41)は、上記永久磁石(43〜45)が埋め込まれておらず、上記回転子(30)のコア材料よりも透磁率の低い第2非磁性部(32,36,41)として構成され、上記第1非磁性部(46)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)のうち一方における上記永久磁石(43〜45)と上記周方向端部(32,36,41)との境界部分と、他方における上記永久磁石(43〜45)と上記周方向端部(32,36,41)との境界部分とを結ぶ線分(LS,LS1,LS2)よりも径方向外側に設けられていることを特徴とする。
上記第3の発明では、回転電気機械(10)がいわゆる磁石埋込型の回転電気機械(10)である。そして、永久磁石(43〜45)によって発生する主磁束が流れる経路上には第1非磁性部(46)が存在しないので、第1非磁性部(46)によってマグネットトルクの発生が阻害されることが回避される。その一方で、第2非磁性部(32,36,41)の間に設けられた第1非磁性部(46)によってトルクリップルを低減することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記第1非磁性部(46)は、上記永久磁石(43〜45)の着磁方向と交差する方向に延びる形状を有することを特徴とする。
上記第4の発明では、第1非磁性部(46)によっていわゆるd軸インダクタンスが低下する。これにより突極比が大きくなり、大きなリラクタンストルクを発生させることが可能となる。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、上記フラックスバリアスリット(31,35,40)は、上記回転子(30)において1極あたり3層以上形成されており、各上記フラックスバリアスリット(31,35,40)間に、上記第1非磁性部(46)が設けられていることを特徴とする。
上記第5の発明では、各フラックスバリアスリット(31,35,40)間における周方向の磁気抵抗変動の周期が第1非磁性部(46)によって高められる。これにより、1極あたり3層以上のフラックスバリアスリット(31,35,40)が形成されている場合に、効果的にトルクリップルが低減される。
第6の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、上記第1非磁性部(46)は、上記回転子(30)を軸方向に貫通する貫通孔(46)であることを特徴とする。
上記第6の発明では、第1非磁性部(46)を単なる貫通孔(46)とすることで、この第1非磁性部(46)を容易かつ安価に形成することが可能となる。
第7の発明は、上記第1〜第6の発明のいずれか1つにおいて、上記回転子(30)のうち径方向最外側の上記フラックスバリアスリット(31)の径方向外側の部分における上記回転電気機械(10)の回転方向と反対側の半部に設けられ、上記回転子(30)のコア材料よりも透磁率の低い第3非磁性部(47)を備えていることを特徴とする。
上記第7の発明では、第3非磁性部(47)によってトルクリップルの発生要因となる他の磁束成分が抑制され、これによりトルクリップルがより効果的に低減される。
第8の発明は、上記第1〜第7の発明のいずれか1つにおいて、少なくとも1層の上記フラックスバリアスリット(31,35,40)は、軸方向から見て上記回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなす形状を有することを特徴とする。
上記第8の発明では、少なくとも1層のフラックスバリアスリット(31,35,40)が、トルクリップルが大きくなりやすい形状(すなわち、軸心方向に向かって凸状をなす形状)を有する。これに対し、第1非磁性部(46)を設けているので、トルクリップルを低減するという本発明の効果がより有効に活用され得る。
本発明によれば、回転電気機械(10)の駆動時に生じるトルクリップルを低減することができる。また、進角制御を行う場合に、効果的にトルクリップルを低減することができる。
また、上記第2の発明によれば、より顕著にトルクリップルを低減することができる。
また、上記第3の発明によれば、永久磁石(43〜45)を有する回転電気機械(10)において、マグネットトルクの発生を阻害することなくトルクリップルを低減することができる。
また、上記第4の発明によれば、永久磁石(43〜45)を有する回転電気機械(10)において、大きなリラクタンストルクを発生させることができる。
また、上記第5の発明によれば、1極あたり3層以上のフラックスバリアスリット(31,35,40)が形成された回転電気機械(10)において、効果的にトルクリップルを低減することができる。
また、上記第6の発明によれば、第1非磁性部(46)を容易かつ安価に形成することができる。
また、上記第7の発明によれば、より効果的にトルクリップルを低減することができる。
また、上記第8の発明によれば、トルクリップルが大きくなりやすい構造の回転電気機械(10)に第1非磁性部(46)を設けることで、そのトルクリップル低減効果を有効に活用することができる。
図1は、実施形態1の回転電気機械の正面図である。 図2は、実施形態1の回転電気機械のうち回転子の一部のみを拡大して示す正面図である。 図3は、第1貫通孔の位置の変更による回転電気機械の発生トルクおよびトルクリップルの変化を示すグラフである。 図4は、実施形態1の変形例の回転電気機械のうち回転子の一部のみを拡大して示す正面図である。 図5は、実施形態2の回転電気機械のうち回転子の一部のみを拡大して示す正面図である。 図6は、実施形態3の回転電気機械のうち回転子の一部のみを拡大して示す正面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の回転電気機械(10)は、例えば圧縮機や自動車において使用される電動機であり、より具体的には磁石埋込型の同期電動機である。なお、回転電気機械(10)は、例えば水力発電に利用される発電機であってもよい。回転電気機械(10)は、固定子(20)と回転子(30)とを備えている。
固定子(20)は、軸方向(すなわち、図1における紙面直交方向)に延びる筒状の部材である。固定子(20)は、実質的に円筒形状のバックヨーク部(21)と、このバックヨーク部(21)の内周面から径方向内側に突出する複数のティース部(22)と、ティース部(22)に巻き付けられたコイル(23)とを有する。
バックヨーク部(21)およびティース部(22)は、例えば、圧粉鉄心、アモルファス鉄心、ナノ結晶合金鉄心などで形成されることが好ましい。これらの材料は、飽和磁束密度が例えば2.0T以下であって鉄損も小さい。しかしながら、バックヨーク部(21)およびティース部(22)が電磁鋼板で形成されていてもよい。
コイル(23)は、図示しない電源から電力を供給され、これにより回転子(30)に対して回転磁界を発生させる。コイル(23)は、複数のティース部(22)にまたがって導体線を巻き付ける分布巻方式である。しかしながら、コイル(23)は、1つのティース部(22)ごとに導体線を巻き付ける集中巻方式であってもよい。
回転子(30)は、軸方向に延びる実質的に円筒状の部材であって、固定子(20)の内部に設けられている。回転子(30)と固定子(20)のティース部(22)との間には所定間隔のエアギャップが形成されている。回転子(30)の中心部には図示しないシャフトを挿入するためのシャフト孔(48)が形成されている。回転子(30)の軸方向長さは、固定子(20)の軸方向長さと実質的に等しい。しかしながら、回転子(30)の軸方向長さは、固定子(20)の軸方向長さと異なっていてもよい。
回転子(30)には、1極あたり複数層のフラックスバリアスリット(31,35)が形成されており、これらのフラックスバリアスリット(31,35)の各々には永久磁石(43〜45)が埋め込まれている。つまり、本実施形態の回転電気機械(10)は、インナーロータ式の磁石埋込型同期電動機である。
回転子(30)のコア材料は、例えば圧粉鉄心、アモルファス鉄心、ナノ結晶合金鉄心を用いることが好ましい。これらの材料を用いることで、高速回転時の低振動化および低騒音化を実現することができる。しかしながら、回転子(30)のコア材料は、電磁鋼板であってもよい。
図2に示すように、回転子(30)には、1極あたり2層のフラックスバリアスリット(31,35)(すなわち、第1フラックスバリアスリット(31)および第2フラックスバリアスリット(35))が形成されている。
径方向外側のフラックスバリアスリットである第1フラックスバリアスリット(31)は、2つの第1スリット部(33)で構成されている。2つの第1スリット部(33)は、互いに近づくにつれて径方向内側に向かうように傾斜して延びている。2つの第1スリット部(33)の間には1つの第1リブ(34)が設けられている。
径方向内側のフラックスバリアスリットである第2フラックスバリアスリット(35)は、2つの第2スリット部(37)および1つの第3スリット部(38)で構成されている。2つの第2スリット部(37)は、それぞれ回転子(30)の外周面近傍から径方向内側に向かって延びている。2つの第2スリット部(37)は、径方向内側に向かうにつれて互いに近づくように延びている。第3スリット部(38)は、第1スリット部(33)よりも径方向内側において周方向に沿って延びている。第2スリット部(37)と第3スリット部(38)との間には、それぞれ1つの第2リブ(39)が設けられている。
図2に示すように、第1フラックスバリアスリット(31)および第2フラックスバリアスリット(35)は、両方ともが軸方向から見て回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなす形状を有する。具体的に、第1フラックスバリアスリット(31)は、回転子(30)の軸心方向に向かって凸となる略V字状に形成され、第2フラックスバリアスリット(35)は、回転子(30)の軸心方向に向かって凸となる逆円弧状に形成されている。
上述したように、各フラックスバリアスリット(31,35)には永久磁石(43〜45)が埋め込まれている。永久磁石(43〜45)の軸方向長さは、回転子(30)の軸方向長さと実質的に等しい。永久磁石(43〜45)は、第1スリット部(33)に埋め込まれた第1永久磁石(43)と、第2スリット部(37)に埋め込まれた第2永久磁石(44)と、第3スリット部(38)に埋め込まれた第3永久磁石(45)とを含む。第1〜第3永久磁石(43〜45)は、それぞれの横断面が実質的に長方形状に形成されている。
第1〜第3永久磁石(43〜45)は、一方の長辺から他方の長辺に向かって磁束が流れるように着磁されている。図2に示す部分では、第1〜第3永久磁石(43〜45)は、それぞれの径方向外側がN極となるように着磁されている。なお、周方向において互いに隣り合う極の第1〜第3永久磁石(43〜45)は、それぞれの径方向外側がN極とS極とで反対になるように着磁されている。つまり、第1〜第3永久磁石(43〜45)は、回転子(30)の周方向においてN極とS極とが交互に現れるように着磁されている。
第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)(すなわち、図2において上側の第1スリット部(33)の上側端部および下側の第1スリット部(33)の下側端部)は、回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第1空隙部(32)となっている。また、上側の第1スリット部(33)の下側端部および下側の第1スリット部(33)の上側端部も空隙部となっている。第1空隙部(32)は、第2非磁性部を構成している。
第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)(すなわち、図2において上側の第2スリット部(37)の径方向外側端部および下側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)は、回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第2空隙部(36)となっている。また、上側の第2スリット部(37)の径方向内側端部および下側の第2スリット部(37)の径方向内側端部も空隙部となっている。さらに、第3スリット部(38)の周方向両端部も空隙部となっている。第2空隙部(36)は第2非磁性部を構成している。
回転子(30)には、1極あたり2つの第1貫通孔(46)および1つの第2貫通孔(47)が形成されている。第1貫通孔(46)および第2貫通孔(47)は、それぞれ回転子(30)を軸方向に貫通する円形の貫通孔である。よって、第1貫通孔(46)および第2貫通孔(47)の透磁率は、回転子(30)のコア材料の透磁率よりも低い。第1貫通孔(46)は第1非磁性部または貫通孔を構成し、第2貫通孔は第3非磁性部を構成している。
一方の第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)の一方の周方向端部(32)(すなわち、図2において上側の第1スリット部(33)の上側端部)と、第2フラックスバリアスリット(35)の一方の周方向端部(36)(すなわち、図2において上側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)との間に形成されている。他方の第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)の他方の周方向端部(32)(すなわち、図2において下側の第1スリット部(33)の下側端部)と、第2フラックスバリアスリット(35)の他方の周方向端部(36)(すなわち、図2において下側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)との間に形成されている。
具体的に、2つの第1貫通孔(46)は、第1リブ(34)を基点とした第1永久磁石(43)の周方向外側端部と、第2永久磁石(44)の径方向外側端部とを結ぶ線分(LS)よりも径方向外側に形成されている。つまり、2つの第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)における第1永久磁石(43)と周方向端部(32)との境界部分と、第2フラックスバリアスリット(35)における第2永久磁石(44)と周方向端部(36)との境界部分とを結ぶ線分(LS)よりも径方向外側に設けられている。また、各第1貫通孔(46)は、回転子(30)の外周面に近接した位置に形成されている。
各第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)との間における第2フラックスバリアスリット(35)寄りに形成されている。具体的に、第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L1)は、第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L2)よりも長い(L1>L2)。
第2貫通孔(47)は、回転子(30)のうち第1フラックスバリアスリット(31)(すなわち、径方向最外側のフラックスバリアスリット)の径方向外側の部分(図2における平たい扇状の部分)に形成されている。第2貫通孔(47)は、当該部分における回転電気機械(10)の回転方向(図2に矢印で示す)と反対側の半部に形成されている。第2貫通孔(47)は、回転子(30)の外周面に近接した位置であって、第1永久磁石(43)の長手方向中央部に近接した位置に形成されている。
−運転動作−
回転電気機械(10)の運転動作について説明する。電源からコイル(23)に電力が供給されると、コイル(23)を流れる電流によって回転磁界が発生し、当該回転磁界に同期して固定子(20)の内部で回転子(30)が回転する。
次に、冒頭で述べた進角制御を本実施形態の回転電気機械(10)において行う場合について説明する。進角制御では、例えば、所定振幅の電流に対して最大のトルクを発生する最大トルク制御や、一定の回転速度以上での高速回転をさせるための弱め磁束制御を行う。具体的に、これらの進角制御では、dq軸座標系(磁極がつくる磁束の方向をd軸とし、このd軸よりも電気角でπ/2だけ進んだ軸をq軸とする座標系)においてq軸よりも所定角度だけ位相を進めた電流位相を選択する。進角制御を行う場合には、進角制御を行わない場合に比べて、第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)との間のコア部分のうち第2フラックスバリアスリット(35)寄りの領域を磁束が流れやすくなる。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)と第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)との間に第1貫通孔(46)を形成することにより、トルクの脈動周期を小さくしてトルクリップルを低減することができる。また、第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)とのうち第2フラックスバリアスリット(35)寄りに第1貫通孔(46)を形成することにより、進角制御を行う場合に多く流れる磁束成分を効果的に抑制してトルクリップルを効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、各フラックスバリアスリット(31,35)の一方の周方向端部(32,36)の間と他方の周方向端部(32,36)の間との両方(すなわち、各フラックスバリアスリット(31,35)の周方向において互いに隣り合う周方向端部(32,36)の間の全て)に第1貫通孔(46)を形成することにより、これらの一方のみに第1貫通孔(46)を形成する場合に比べてより顕著にトルクリップルを低減することができる。
ここで、図3は、第1貫通孔(46)の位置の変更による回転電気機械(10)の発生トルクおよびトルクリップルの変化を示すグラフである。このグラフにおいて、縦軸は発生トルクおよびトルクリップル率(すなわち、発生トルクに対するトルクリップルの比率)を、横軸は第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L1)と、第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)と第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)との間の周方向距離(L)との比率(L1/L)を、それぞれ示す。同図からわかるように、L1/Lの値が大きくなるにつれて(すなわち、第1貫通孔(46)の形成位置が第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)のうち後者寄りに変化するにつれて)発生トルクが大きくなると同時にトルクリップル率が小さくなる。
また、本実施形態では、第1〜第3永久磁石(43〜45)によって生じる主磁束の流れる経路内には第1貫通孔(46)を形成していないので、この第1貫通孔(46)によってマグネットトルクの発生を阻害することなくトルクリップルを低減することができる。
また、本実施形態では、単なる貫通孔である第1貫通孔(46)によって第1非磁性部を構成しているので、第1非磁性部を容易かつ安価に形成することができる。
また、本実施形態では、図1において下側の第1スリット部(33)の近傍に第2貫通孔(47)を形成しているので、トルクリップルの要因となる磁束成分をさらに抑制することでトルクリップルをより効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、各フラックスバリアスリット(31,35)が軸方向から見て回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなす形状を有しており、これに対して第1貫通孔(46)および第2貫通孔(47)を形成している。つまり、トルクリップルが生じやすい構成の回転電気機械(10)において、トルクリップル低減効果を有する第1貫通孔(46)および第2貫通孔(47)を設けているので、当該効果を有効に活用することができる。
−実施形態1の変形例−
実施形態1の変形例について説明する。この変形例では、第1貫通孔(46)の形状が実施形態1のそれと異なる。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
図4に示すように、本変形例では、第1貫通孔(46)が、軸方向から見て永久磁石(43〜45)の着磁方向と交差する方向に延びる形状を有する。つまり、第1貫通孔(46)は、長軸が第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)の延びる方向に沿って延びる楕円形状を有する。そして、図2に示すように、第1〜第3永久磁石(43〜45)の短辺の延びる方向(すなわち、着磁方向)は、第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)の延びる方向(すなわち、第1貫通孔(46)の延びる方向)と交差している。具体的に、図2において上側の第1貫通孔(46)は、長軸が上側の第1および第2永久磁石(43,44)ならびに第3永久磁石(45)の着磁方向と交差する方向に延びる楕円形状を有する。一方、図2において下側の1貫通孔(46)は、長軸が下側の第1および第2永久磁石(43,44)ならびに第3永久磁石(45)の着磁方向と交差する方向に延びる楕円形状を有する。これにより、d軸インダクタンスが低下して突極比が大きくなるので、大きなリラクタンストルクを発生させることが可能となる。また、本変形例では、第2貫通孔(47)が設けられていない。
なお、2つの第1貫通孔(46)の一方が円形状に形成され、他方が上述の楕円形状に形成されていてもよい。また、第1貫通孔(46)が、例えば、永久磁石(43〜45)の着磁方向と交差する方向に延びる長円形状または長方形状を有していてもよい。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。この実施形態2の回転電気機械(10)では、第1フラックスバリアスリット(31)が回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなしていない。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
図5に示すように、第1フラックスバリアスリット(31)は、回転子(30)の外周面の近傍において周方向に沿って直線状に延びている。また、第1フラックスバリアスリット(31)にはリブが設けられておらず、1つの第1永久磁石(43)が埋め込まれている。
第1フラックスバリアスリット(31)の両方の周方向端部(32)は、それぞれ回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第1空隙部(32)となっている。第1空隙部(32)は、第2非磁性部を構成している。
また、第2フラックスバリアスリット(35)は、回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなす形状を有する。第2フラックスバリアスリット(35)は、2つの第2スリット部(37)で構成されている。第2スリット部(37)は、回転子(30)の外周面の近傍から径方向内側に直線状に延びる部分と、当該部分の径方向内側端に連続して他方の第2スリット部(37)に近づくように径方向および周方向に対して交差する方向に延びる部分とから構成されている。各第2スリット部(37)には、それぞれ第2永久磁石(44)が1つずつ埋め込まれている。
第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)(すなわち、図5において上側の第2スリット部(37)の径方向外側端部および下側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)は、回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第2空隙部(36)となっている。また、上側の第2スリット部(37)の径方向内側端部および下側の第2スリット部(37)の径方向内側端部も空隙部となっている。第2空隙部(36)は、第2非磁性部を構成している。
−実施形態2の効果−
本実施形態においても、上記実施形態1と同様の効果が得られる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。この実施形態3の回転電気機械(10)では、フラックスバリアスリット(31,35,40)が1極あたり3層形成されている。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
図6に示すように、回転子(30)には、1極あたり3層のフラックスバリアスリット(31,35,40)(すなわち、第1フラックスバリアスリット(31)、第2フラックスバリアスリット(35)および第3フラックスバリアスリット(40))が形成されている。第1〜第3フラックスバリアスリット(31,35,40)は、それぞれ回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなす形状を有する。具体的に、第1〜第3フラックスバリアスリット(31,35,40)は、それぞれ回転子(30)の軸心方向に向かって凸となる逆円弧状に形成されている。
第1フラックスバリアスリット(31)は、2つの第1スリット部(33)で構成されている。2つの第1スリット部(33)は、回転子(30)の外周面の近傍からやや湾曲しながら互いに近づくように延びている。各第1スリット部(33)には、それぞれ第1永久磁石(43)が1つずつ埋め込まれている。
第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)(すなわち、図6において上側の第1スリット部(33)の上側端部および下側の第1スリット部(33)の下側端部)は、回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第1空隙部(32)となっている。2つの第1スリット部(33)の間には、1つの第1リブ(34)が設けられている。第1空隙部(32)は、第2非磁性部を構成している。
第2フラックスバリアスリット(35)は、第1フラックスバリアスリット(31)の径方向内側に形成されていて、2つの第2スリット部(37)で構成されている。2つの第2スリット部(37)は、回転子(30)の外周面の近傍から湾曲しながら互いに近づくように径方向内側に延びている。各第2スリット部(37)には、それぞれ第2永久磁石(44)が1つずつ埋め込まれている。
第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)(すなわち、図6において上側の第2スリット部(37)の径方向外側端部および下側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)は、回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第2空隙部(36)となっている。2つの第2スリット部(37)の間には、1つの第2リブ(39)が設けられている。第2空隙部(36)は、第2非磁性部を構成している。
第3フラックスバリアスリット(40)は、第2フラックスバリアスリット(35)の径方向内側に形成されていて、2つの第3スリット部(38)で構成されている。2つの第3スリット部(38)は、回転子(30)の外周面の近傍から湾曲しながら互いに近づくように径方向内側に延びている。各第3スリット部(38)には、それぞれ第3永久磁石(45)が1つずつ埋め込まれている。
第3フラックスバリアスリット(40)の周方向端部(41)(すなわち、図6において上側の第3スリット部(38)の径方向外側端部および下側の第3スリット部(38)の径方向外側端部)は、回転子(30)の外周面に向かって延びていて、当該外周面に近接している。第3フラックスバリアスリット(40)の周方向端部(41)は、永久磁石が埋め込まれておらず、第3空隙部(41)となっている。2つの第3スリット部(38)の間には、1つの第3リブ(42)が設けられている。第3空隙部(41)は、第2非磁性部を構成している。
回転子(30)には、1極あたり4つの第1貫通孔(46)が形成されている。第1貫通孔(46)は、回転子(30)を軸方向に貫通している。第1貫通孔(46)の透磁率は、回転子(30)のコア材料の透磁率よりも低い。第1貫通孔(46)は第1非磁性部を構成している。
第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)の間の一方の第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)の一方の周方向端部(32)(すなわち、図6において上側の第1スリット部(33)の上側端部)と、第2フラックスバリアスリット(35)の一方の周方向端部(36)(すなわち、図6において上側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)との間に形成されている。第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)の間の他方の第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)の他方の周方向端部(32)(すなわち、図6において下側の第1スリット部(33)の下側端部)と、第2フラックスバリアスリット(35)の他方の周方向端部(36)(すなわち、図6において下側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)との間に形成されている。
具体的に、これら2つの第1貫通孔(46)は、第1リブ(34)または第2リブ(39)を基点とした第1永久磁石(43)の周方向外側端部と、第2永久磁石(44)の径方向外側端部とを結ぶ第1線分(LS1)よりも径方向外側に形成されている。つまり、2つの第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)における第1永久磁石(43)と周方向端部(32)との境界部分と、第2フラックスバリアスリット(35)における第2永久磁石(44)と周方向端部(36)との境界部分とを結ぶ第1線分(LS1)よりも径方向外側に設けられている。また、各第1貫通孔(46)は、回転子(30)の外周面に近接した位置に形成されている。
2つの第1貫通孔(46)は、第1フラックスバリアスリット(31)と第2フラックスバリアスリット(35)との間における第2フラックスバリアスリット(35)寄りに形成されている。具体的に、第1フラックスバリアスリット(31)の周方向端部(32)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L1)は、第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L2)よりも長い(L1>L2)。
第2フラックスバリアスリット(35)と第3フラックスバリアスリット(40)の間の一方の第1貫通孔(46)は、第2フラックスバリアスリット(35)の一方の周方向端部(36)(すなわち、図6において上側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)と、第3フラックスバリアスリット(40)の一方の周方向端部(41)(すなわち、図6において上側の第3スリット部(38)の径方向外側端部)との間に形成されている。第2フラックスバリアスリット(35)と第3フラックスバリアスリット(40)の間の他方の第1貫通孔(46)は、第2フラックスバリアスリット(35)の他方の周方向端部(36)(すなわち、図6において下側の第2スリット部(37)の径方向外側端部)と、第3フラックスバリアスリット(40)の他方の周方向端部(41)(すなわち、図6において下側の第3スリット部(38)の径方向外側端部)との間に形成されている。
具体的に、これら2つの第1貫通孔(46)は、第2リブ(39)または第3リブ(42)を基点とした第2永久磁石(44)の周方向外側端部と、第3永久磁石(45)の径方向外側端部とを結ぶ第2線分(LS2)よりも径方向外側に形成されている。つまり、2つの第1貫通孔(46)は、第2フラックスバリアスリット(35)における第2永久磁石(44)と周方向端部(36)との境界部分と、第3フラックスバリアスリット(40)における第3永久磁石(45)と周方向端部(41)との境界部分とを結ぶ第2線分(LS2)よりも径方向外側に設けられている。また、各第1貫通孔(46)は、回転子(30)の外周面に近接した位置に形成されている。
2つの第1貫通孔(46)は、第2フラックスバリアスリット(35)と第3フラックスバリアスリット(40)との間における第3フラックスバリアスリット(40)寄りに形成されている。具体的に、第2フラックスバリアスリット(35)の周方向端部(36)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L3)は、第3フラックスバリアスリット(40)の周方向端部(41)と第1貫通孔(46)との間の周方向距離(L4)よりも長い(L3>L4)。
−実施形態3の効果−
本実施形態においても、上記実施形態1と同様の効果が得られる。
さらに、本実施形態では、1極あたり3層のフラックスバリアスリット(31,35,40)が形成された回転電気機械(10)において、各フラックスバリアスリット(31,35,40)間にそれぞれ第1貫通孔(46)を形成している。よって、1極あたり複数層のフラックスバリアスリット(31,35,40)を形成した回転電気機械(10)において、効果的にトルクリップルを低減することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、各フラックスバリアスリット(31,35,40)の両方の周方向端部(32,36,41)の近傍に第1貫通孔(46)が形成されているが、各フラックスバリアスリット(31,35,40)の一方の周方向端部(32,36,41)の近傍のみに第1貫通孔(46)が形成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、第1貫通孔(46)および第2貫通孔(47)は円形の貫通孔であるか、例えば多角形の貫通孔であってもよい。
また、上記各実施形態では、第1〜第3非磁性部(47)は貫通孔(46,47)または空隙部(32,36,41)であるが、第1〜第3非磁性部(47)が例えば樹脂などの非磁性材料によって構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、各フラックスバリアスリット(31,35,40)への挿入前に予め成形されるタイプの永久磁石(43〜45)を用いているが、これに限らず、例えばボンド磁石を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、回転電気機械(10)は磁石埋込型の同期電動機であるが、例えば、回転電気機械(10)が、永久磁石を有さずリラクタンストルクを主に利用するリラクタンスモータであってもよいし、永久磁石を有する永久磁石補助型のリラクタンスモータであってもよい。
以上説明したように、本発明は、回転電気機械について有用である。
10 回転電気機械
20 固定子
30 回転子
31 第1フラックスバリアスリット(フラックスバリアスリット)
32 周方向端部、第1空隙部(第2非磁性部)
35 第2フラックスバリアスリット(フラックスバリアスリット)
36 周方向端部、第2空隙部(第2非磁性部)
40 第3フラックスバリアスリット(フラックスバリアスリット)
41 周方向端部、第3空隙部(第2非磁性部)
43 第1永久磁石(永久磁石)
44 第2永久磁石(永久磁石)
45 第3永久磁石(永久磁石)
46 第1貫通孔(貫通孔、第1非磁性部)
47 第2貫通孔(第3非磁性部)
LS 線分
LS1 第1線分(線分)
LS2 第2線分(線分)

Claims (8)

  1. 固定子(20)と、該固定子(20)の内側に設けられて1極あたり複数層のフラックスバリアスリット(31,35,40)が形成された回転子(30)とを備えた回転電気機械(10)であって、
    所定の隣り合う2層の上記フラックスバリアスリット(31,35,40)は、上記回転子(30)の外周面に向かって延びる周方向端部(32,36,41)を周方向両端に有し、
    上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の周方向において互いに隣り合う上記周方向端部(32,36,41)の間における該隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)のうち径方向内側のフラックスバリアスリット(35,40)寄りに設けられ、上記回転子(30)のコア材料よりも透磁率の低い第1非磁性部(46)を備え
    上記回転電気機械(10)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の各々に埋め込まれた永久磁石(43〜45)を備え、
    上記永久磁石(43〜45)によって発生する主磁束が流れる経路上には上記第1非磁性部(46)が存在しない
    ことを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    上記第1非磁性部(46)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の周方向において互いに隣り合う上記周方向端部(32,36,41)の間の全てに設けられている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1または2において
    上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)の各々の上記周方向端部(32,36,41)は、上記永久磁石(43〜45)が埋め込まれておらず、上記回転子(30)のコア材料よりも透磁率の低い第2非磁性部(32,36,41)として構成され、
    上記第1非磁性部(46)は、上記隣り合う2層のフラックスバリアスリット(31,35,40)のうち一方における上記永久磁石(43〜45)と上記周方向端部(32,36,41)との境界部分と、他方における上記永久磁石(43〜45)と上記周方向端部(32,36,41)との境界部分とを結ぶ線分(LS,LS1,LS2)よりも径方向外側に設けられている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項3において、
    上記第1非磁性部(46)は、上記永久磁石(43〜45)の着磁方向と交差する方向に延びる形状を有する
    ことを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記フラックスバリアスリット(31,35,40)は、上記回転子(30)において1極あたり3層以上形成されており、
    各上記フラックスバリアスリット(31,35,40)間に、上記第1非磁性部(46)が設けられている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    上記第1非磁性部(46)は、上記回転子(30)を軸方向に貫通する貫通孔(46)である
    ことを特徴とする回転電気機械。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、
    上記回転子(30)のうち径方向最外側の上記フラックスバリアスリット(31)の径方向外側の部分における上記回転電気機械(10)の回転方向と反対側の半部に設けられ、上記
    回転子(30)のコア材料よりも透磁率の低い第3非磁性部(47)を備えている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    少なくとも1層の上記フラックスバリアスリット(31,35,40)は、軸方向から見て上記回転子(30)の軸心方向に向かって凸状をなす形状を有する
    ことを特徴とする回転電気機械。
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