JP2009213259A - 磁石発電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ティース16は、コイル線材を巻装するための巻胴部31と、巻胴部31の先端面に設けられ巻胴部31の延出方向に交差して延出する周壁部32とで構成され、ロータ3の周壁7の内周面には、永久磁石8が配置され、永久磁石8におけるティース16の周壁部32との対向面は平坦面8aとして形成されるとともに、ロータ3の内周面との対向面も平坦面8bとして形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
この発電機は、自動二輪車のエンジンのクランクシャフトに連係される有底筒状のロータと、エンジンのケースの内側に固定されたステータとを備えている。ロータの内周面側には、内周面の形状に合わせて弧状に形成されたフェライト磁石等からなる永久磁石が設けられている。一方、ステータには複数の電機子コイルが巻装されたティースが永久磁石に対応するように設けられている。そして、ロータが回転することによりティースに流れる磁束が変化し、これが起電力となって電機子コイルに電流が流れるようになっている。
そこで、発電機の高出力化を図るために、例えば永久磁石の極数を増加する構成が考えられる。また、従来用いられていたフェライト磁石に替わる永久磁石の構成材料として、ネオジウム磁石等の希土類磁石を用いるような構成が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。この構成によれば、希土類磁石は、フェライト磁石に比べて磁束密度が高いため、発電機の小型化を図った上で、高出力化が可能になるとされている。
希土類磁石は、フェライト磁石等に比べ、単価が高いことに加え、ロータの内周面の形状に合わせて面取り加工等を施すことで、さらなるコストアップとなる。
また、希土類磁石を用いることで、高出力化を図ることができるが、電機子コイルと永久磁石との磁気的な吸引力や反発力により、永久磁石が振動してロータの内周面と永久磁石との衝突音(いわゆる、磁気音という)が発生する。その結果、発電機の騒音が大きくなるという問題がある。
この構成によれば、希土類磁石におけるティースの周壁部との対向面を平坦面として形成するとともに、ロータの内周面との対向面を平坦面として形成することで、希土類磁石をロータ等の形状に合わせて加工を施すことがない。これにより、ロータ等の形状に合わせて永久磁石を加工する場合に比べて、製造コストを低減することができる。
さらに、希土類磁石におけるロータとの対向面を平坦面として形成することで、ロータと希土類磁石との接触面積を減少させることができる。
この構成によれば、周壁部の両端部から希土類磁石までの距離を、周壁部の中央部から希土類磁石までの距離より広く形成することで、ティースが希土類磁石の両端部を通過する際の磁気的な吸引力や反発力の変化を小さくすることができる。これにより、希土類磁石の振動を低減させることができるため、コギングトルクを減少させることができる。
この構成によれば、ロータと希土類磁石との間に緩衝材を設けることで、ティースと希土類磁石との磁気的な吸引力や反発力により生じる希土類磁石の振動を吸収することができる。
また、ロータと希土類磁石との接触面積を減少させることで、磁気音の発生を低減させることができる。したがって、発電機から発生する騒音を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、希土類磁石の振動を低減させることができるため、コギングトルクを減少させることができる。したがって、磁気音の発生を低減させることができるため、発電機から発生する騒音を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、希土類磁石の振動を吸収することができるため、磁気音の発生を低減させることができる。したがって、発電機から発生する騒音を低減することができる。
図1,2に示すように、発電機(磁石発電機)1は、例えば自動二輪車に用いられるアウターロータ型の発電機であって、エンジンのクランクシャフト2の先端に固定されたロータ3と、エンジンのケース(不図示)に固定されたステータ4とを備えている。
各結合部21には、それぞれ管状の絶縁チューブ22が装着されている。絶縁チューブ22は、各結合部21の絶縁を確保するためのものであり、コイル線材25及び発電出力用リード線19のそれぞれの端末部を覆うようになっている。各絶縁チューブ22は、断面矩形状の固定具23に束ねられ、この固定具23を介してステータコア17にボルト27によって締結固定されている。
周壁部32は、巻胴部31の延出方向に交差する方向に延出するとともに、巻胴部31対して左右対称となるように形成されている。周壁部32は、径方向外側に向かって湾曲するように形成されている。具体的には、周壁部32は軸線方向平面視で弧状に形成されており、その曲率がロータ3の周壁(筒部)7と同等に形成されている。すなわち、各ティース16の先端に設けられた周壁部32がステータ4の外周面を構成している。
また、クランクシャフト2と共にロータ3が回転すると、永久磁石8がステータ4の周りを回転するので、電機子コイル18に誘導起電力が発生し、この起電力が発電出力用リード線を介して不図示のバッテリに蓄電されたり、付属電気機器に電力供給されたりする。
まず、従来の発電機の構成について説明する。なお、以下の説明において上述した本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、従来の発電機51は、軸線方向平面視で弧状の永久磁石50を備えている。具体的には、永久磁石50のロータ3との対向面は、ロータ3の周壁7の内周面と同等の曲率で形成されている一方、永久磁石50のティース16の周壁部32との対向面は、ティース16の周壁部32の曲率と同等の曲率を有するように形成されている。つまり、永久磁石50の幅方向(周方向)における中央部からティース16の周壁部32までの距離a’と、永久磁石50の周方向における両端部からティース16の周壁部32までの距離c’とが等しく形成されている(a’=c’)。したがって、永久磁石50とティース16の周壁部32との距離が周方向において等しく形成されている。
図5に示すように、本実施形態の発電機においては、従来の発電機に比べて磁気音を低減できることが確認された。
これに対して、図3に示すように、本実施形態の発電機1では、永久磁石8のロータ3の周壁7との対向面を平坦面8bとして形成することで、永久磁石8の平坦面8bとロータ3の周壁7が線接触することになる。これにより、永久磁石8とロータ3との接触面積を減少させることができるため、磁気音の発生を抑制することができる。
さらに、永久磁石8とロータ3との間に接着剤33が充填されているため、この接着剤33が緩衝材となり永久磁石8の振動を吸収することができる。したがって、磁気音の発生を抑制することができる。
これに対して、図3に示すように、本実施形態の発電機1では、永久磁石8の中央から周方向両端に向かうにつれ、永久磁石8の平坦面8aとティース16の周壁部32との間の距離が広くなるように形成されている構成とした。これにより、各ティース16の周壁部32が永久磁石8の両端を通過する際の磁気的な吸引力や反発力の変化を永久磁石8の中央を通過する際と比較して小さくすることができ、コギングトルクを減少させることができる。
例えば、上述の実施形態では、外径が160mm、18スロットのステータを有し、20極の永久磁石を有する発電機について説明したが、これに限られることはなく、種々の設計変更が可能である。
Claims (3)
- 複数のティースを備えたステータと、前記ステータに対して回転自在に設けられ、筒部を有するロータと、を備えた磁石発電機において、
前記ティースは、コイル線材を巻装するための巻胴部と、前記巻胴部の先端面に設けられ前記巻胴部の延出方向に交差して延出する周壁部とで構成され、
前記ロータの前記筒部の内周面には、複数の希土類磁石が配置され、
前記希土類磁石における前記ティースの前記周壁部との対向面は平坦面として形成されるとともに、前記ロータの前記内周面との対向面も平坦面として形成されていることを特徴とする磁石発電機。 - 前記周壁部は、前記希土類磁石と前記ティースとが対向配置された状態において、前記周壁部の延出方向における両端部から前記希土類磁石までの距離が、前記周壁部の延出方向における中央部から前記希土類磁石までの距離より広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁石発電機。
- 前記ロータと前記希土類磁石と間に緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁石発電機。
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