JP2017046508A - 回転電機およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルエンド周長を短くしつつ、ステータ起磁力波形に空間高調波を少なくできてコイルの小型化、効率改善を図った回転電機を提供する。
【解決手段】円筒状の電機子鉄心11の内径側にスロット15を通して電機子巻線16がティース12に巻回されてコイル部21、22が構成されており、各コイル部21、22は、電機子鉄心11の周方向に沿って各相ごとに形成され、かつ複数のティース12を跨いで配置されるコイル部を少なくとも一つ有しており、コイル部の巻線角度ピッチをC、ティースの数をT、極数をp、相の数をQとすると、360/T[°]≦C≦((2×(T/(Q×p)−1)×360/T)[°](ただしT、Q、pはT/(Q×p)>1となる自然数)の関係を満たすように設定されている。
【選択図】図4

Description

この発明は、回転電機およびその製造方法に関する。
近年、電動機や発電機などの回転電機において、小型高出力、高効率が求められている。この種の回転電機を小型化、高出力化とするに当たり、コイルエンドが小さくなる集中巻の回転電機が用いられていた。しかしながら、集中巻のステータがステータとロータの間で発生する起磁力分布の空間高調波が高くなり、損失増加の要因となっていた。
これらの課題に対して、特許文献1に記載の従来技術では、ティースを周方向に変位させ、巻線ピッチを短くしつつ、分布巻の場合と同様に、毎極毎相ごとに設けられたコイルが複数のスロットにわたって分布するように、複数のティースを跨いでコイルを配置することで、空間高調波を低減していた。
特開平7−95750号公報
しかし、特許文献1に記載された従来構造では、ティースを周方向に折り曲げる構造のために、ティースを径方向に変形させるだけのスペースが必要となり、電機子鉄心の形状が径方向に拡大するため、モータの小型化を図る上での阻害要因となっている。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ステータとロータ間の空隙に発生するステータ起磁力の高調波成分を低減することができるとともに、従来のように電機子鉄心の形状が径方向に拡大することがなくてモータの小型化を図ることができる回転電機およびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明の回転電機は、円筒状の電機子鉄心の内径側には電機子巻線のコイル部が装着されるスロットと上記コイル部が発生する磁束の磁極となるティースとが、上記電機子鉄心の周方向に沿って交互に順次形成されている回転電機において、上記コイル部は、上記電機子鉄心の周方向に沿って各相ごとに形成され、かつ複数のティースを跨いで配置されるコイル部を少なくとも一つ有しており、上記コイル部を構成するための上記電機子巻線が上記ティースを跨ぐ場合の上記電機子鉄心の周方向の機械的な角度を巻線角度ピッチとしたとき、この巻線角度ピッチをC、上記ティースの数をT、極数をp、相の数をQとすると、
360/T[°]≦C≦((2×(T/(Q×p)−1)×360/T)[°]
(ただしT、Q、pはT/(Q×p)>1となる自然数)の関係を満たすように設定されていることを特徴としている。
また、この発明の回転電機の製造方法は、円筒状の電機子鉄心の内径側には電機子巻線のコイル部が装着されるスロットと上記コイル部が発生する磁束の磁極となるティースとが、上記電機子鉄心の周方向に沿って交互に順次形成されており、上記コイル部は、上記電機子鉄心の周方向に沿って各相ごとに形成されるとともに、上記電機子鉄心の径方向の内側に配置される内層コイルと、径方向の外側に配置される外層コイルとで構成され、上記内層コイルと上記外層コイルの少なくとも一方は、複数のティースを跨いで配置されるコイル部が設けられており、上記コイル部を構成するための上記電機子巻線が上記ティースを跨ぐ場合の上記電機子鉄心の周方向の機械的な角度を巻線角度ピッチとしたとき、この巻線角度ピッチをC、上記ティースの数をT、極数をp、相の数をQとすると、
360/T[°]≦C≦((2×(T/(Q×p)−1)×360/T)[°]
(ただしT、Q、pはT/(Q×p)>1となる自然数)の関係を満たすように設定されている回転電機を製造する方法であって、
上記電機子鉄心と上記電機子巻線と電気的に絶縁するスロットライナを組み付ける絶縁部材組み付け工程と、上記電機子鉄心の径方向の外側に上記外層コイルを形成する外層コイル形成工程と、上記外層コイルの内側に層間絶縁部材を挿入する層間絶縁部材組み付け工程と、上記層間絶縁部材の内側に上記内層コイルを形成する内層コイル形成工程と、を有することを特徴としている。
この発明の回転電機によれば、巻線ピッチを短くすることで、コイルエンドでの干渉を抑え、かつステータとロータ間の空隙(ギャップ)に発生するステータ起磁力の高調波成分を低減することができる。しかも、コイルの配置構成のみで達成することができ、従来のようにティースを周方向に変形させる必要がないので、電機子鉄心の形状が径方向に拡大することがなく、モータの小型化を図ることができる。
また、この発明の回転電機の製造方法によれば、上記構成および効果を有する回転電機をコイルの配置構成を工夫するだけで達成できるので、少ない工数で製造することができ、製造コストの削減を図ることができる。
この発明の実施の形態1における回転電機を示す半裁断断面図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の全体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子を軸方向から見た拡大部分断面図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子を周方向に沿って展開して内層コイルと外層コイルの巻線状態を示したもので、同図(a)は模式的な平面図、同図(b)は模式的な正面図である。 従来の回転電機の固定子とこの発明の実施の形態1における回転電機の固定子とを比較するために、固定子を周方向に沿って展開して示した模式的な平面図で、同図(a)は従来のスロット内の巻線配置を、同図(b)はこの実施の形態1のスロット内の巻線配置を示す。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法を工程順に示す説明図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の製造方法の内の絶縁部材組み付け工程と外層コイル形成工程の手順を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の製造方法の内の外層コイル形成工程のコイルエンドの形成手順を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の製造方法の内の層間絶縁部材組み付け工程の手順を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の製造方法の内の層間絶縁部材組み付け工程の手順を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の製造方法の内の内層コイル形成工程の手順を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1の固定子の製造方法の内の内層コイル形成工程のコイルエンドの形成手順を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における回転電機の固定子が発生する起磁力分布を従来例と比較して示す説明図である。 この発明の実施の形態1の回転電機の固定子の変形例を示すもので、同図(a)は固定子を周方向に沿って展開して内層コイルと外層コイルの巻線状態を示した模式的な平面図、同図(b)は模式的な正面図である。 この発明の実施の形態2における回転電機の固定子を周方向に沿って展開して示す模式的な平面図で、同図(a)は内層コイルと外層コイルのスロット内の巻線配置を、同図(b)は内層コイルと外層コイルの巻線状態を示す。 この発明の実施の形態2における回転電機の固定子が発生する起磁力分布を従来例と比較して示す説明図である。 この発明の実施の形態3における回転電機の固定子を周方向に沿って展開して示す模式的な平面図で、同図(a)は内層コイルと外層コイルのスロット内の巻線配置を、同図(b)は内層コイルと外層コイルの巻線状態を示す。 図17(b)のA−A線に沿う部分断面図である。 この発明の実施の形態3における回転電機の固定子が発生する起磁力分布を従来例と比較して示す説明図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す半裁断断面図である。
図1において、回転電機1は、略有底円筒状のフレーム2、およびこのフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング5と、フレーム2の円筒部に内嵌状態に固着された電機子としての固定子7と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、固定子7の内周側に回転可能に配設された回転子8とを備えている。
この回転子8は、永久磁石型回転子であって、回転軸6にその軸心位置が挿着された円筒状の回転子鉄心9と、この回転子鉄心9の外周面側に埋設されて周方向に所定のピッチで配列されて磁極を構成する永久磁石10とを備えている。
なお、回転子8は、このような永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心9のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡した、いわゆるかご形回転子や、電機子巻線を回転子鉄心9に形成したスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
次に、固定子7の構成について、図2から図4を参照して説明する。
図2は固定子の全体を示す斜視図、図3は固定子を軸方向から見た拡大部分断面図である。また、図4はこの発明の実施の形態1の回転電機の固定子を周方向に沿って展開して内層コイルと外層コイルの巻線状態を示したもので、図4(a)は模式的な平面図、図4(b)は模式的な正面図である。
固定子7は、略円筒状の電機子鉄心11を備え、この電機子鉄心11の内径側には絶縁された電機子巻線16が装着されるスロット15と電機子巻線16のコイル部に発生する磁束の磁極となるティース12とが電機子鉄心11の周方向に沿って交互に順次形成されるとともに、各ティース12を磁気的および物理的に接続する円環状のバックヨーク部17を有する。また、各スロット15内には、電機子鉄心11と電機子巻線16とを電気的に絶縁するスロットライナ18が装着されている。
なお、この実施の形態1においては、説明の便宜上、極数を4極、電機子鉄心11のスロット15の数を36個、電機子巻線16を三相巻線とする。したがって、スロット15は、毎極毎相当たり3個の割合で電機子鉄心11に形成されている。ただし、この発明はこのような構成に限定されるものでないのは勿論である。
また、この固定子7は、図4(a)、(b)に示すように、各ティース12に対して電機子巻線16をリング状に複数回巻回して構成されたU、V、W相それぞれのコイル部を備えている。
しかも、この実施の形態1の特徴として、電機子鉄心11の径方向の内側にU、V、W相それぞれにつき2つのコイル部が周方向に沿って設けられた内層コイル21と、径方向の外側にU、V、W相それぞれにつき2つのコイル部が周方向に沿って設けられた外層コイル22とを備えている。そして、内層コイル21と外層コイル22を構成する各相における各コイル部の位置は、電機子鉄心11の周方向において各相につき4ティース分ずれた状態で形成されている。
すなわち、内層コイル21については、電機子鉄心11の径方向の内側においてその周方向に沿って211U、212U、211V、212V、211W、212Wの各コイル部がそれぞれの磁極の中心が電機角で120°離れて順次等間隔で配置されている。また、外層コイル22については、内層コイル21によりも径方向の外側の位置においてその周方向に沿って221U、222U、221V、222V、221W、222Wの各コイル部がそれぞれの磁極の中心が電機角で120°離れて順次等間隔で配置されている。
そして、内層コイル21を構成する各コイル部211U、212U、211V、212V、211W、212Wと、外層コイル22を構成する各コイル部221U、222U、221V、222V、221W、222Wとは、電機子鉄心11の周方向において各相ごとに電機角で60°ずれて形成されている。
したがって、内層コイル21と外層コイル22を含めた全体で見ると、ここでは、電機子鉄心11の周方向に沿って、U、V、Wの各相について4極と同数の4つのコイル部が形成されている。具体的には、例えばU相に着目すれば、211U、212U、221U、222Uの4つのコイル部が存在する。他のV、Wの各相のコイル部についても同様である。
また、図4(a)に示すように、内層コイル21と外層コイル22の各相のコイル部は、電機子鉄心11の径方向を軸心中心として3段階にわたって同心状となるようにスロット15を通して電機子巻線16をリング状に巻回して形成されている。
図5は、3相で36スロットの4極の回転電機の固定子について、従来のスロット内の巻線配置(図5(a))と、この実施の形態1におけるスロット内の巻線配置(図5(b))を比較するために、固定子を周方向に沿って展開して示した模式的な平面図である。
ここで、従来例を示す図5(a)では、毎極毎相ごとに設けられたコイル部が各ティースに集中して巻き付けられているので、ある一つの相の電機子巻線16が他相の電機子巻線16が配置されたスロット15の上を跨ぐ必要がある。この例では7つのティース12を跨いでいる。
ここで、各コイル部を構成するためにスロット15に挿入される電機子巻線16がティース12を跨ぐ場合の電機子鉄心11の周方向の機械的な角度を巻線角度ピッチと定義すると、図5(a)に示した従来構成の場合、巻線角度ピッチC0は70°と大きい。このため、各々のコイル部が電機子鉄心11から軸方向に突出するコイルエンドにおいて他相のコイルエンドと接触するなどの干渉が生じ易く、これを防ぐためにコイルエンドの長さやコイルエンドの収納スペースを十分に確保する必要が生じて固定子7の寸法拡大を招いている。
これに対して、図5(b)に示すこの実施の形態1の構成では、内層コイル21と外層コイル22のU、V、Wの各相の各コイル部について、巻線角度ピッチが最も大きいのは5つのティース12を跨ぐ巻線角度ピッチC1で50°である。また、巻線角度ピッチが最も小さいのは1つのティース12を跨ぐ巻線角度ピッチC2で10°である。したがって、図5(b)に示した構成の巻線配置における巻線角度ピッチをCとすれば、巻線角度ピッチCを10°≦C≦50°の範囲に設定すれば、ある一つの相の電機子巻線16が他相の電機子巻線16が巻回されたスロット15を跨ぐことなく配置することができる。
これを一般化して考えると、内層コイル21と外層コイル22を構成する各相のコイル部の巻線角度ピッチCは、ティース12の数をT、極数をp、固定子7である電機子の相の数をQとした場合、
360/T[°]≦C≦((2×(T/(Q×p)−1)×360/T)[°]
(ただしT、Q、pはT/(Q×p)>1となる自然数)
とすることにより、ある一つの相のコイル部の電機子巻線16が他相のコイル部の電機子巻線16が巻回されたスロット15を跨ぐことなく配置することができる。
このように、この実施の形態1の巻線配置をすると、巻線角度ピッチCが従来の構成よりも小さくなるため、電機子巻線16のコイルエンドの周長が全体的に低減し、使用する銅等の量を低減することができる。また、図5(b)に示すように、各相のコイルエンドを他相のコイルエンドと干渉することなく配置することができる。その結果、コイルエンドの長さを徒に長くする必要がなく、またコイルエンドの収納スペースが大きくなるなどの不具合発生を低減することができる。
ところで、内層コイル21と外層コイル22は、図2、図3に示すように、層間絶縁紙13で互いに電気的に隔離されている。すなわち、層間絶縁紙13は、スロット15内で内層コイル21と外層コイル22の相互の電機子巻線16を絶縁するスロット絶縁部13aと、内層コイル21と外層コイル22の各コイルエンドを絶縁するコイルエンド絶縁部13bとを有する。また各コイル21、22の飛出し防止のためにウェッジ19が各スロット15の開口部側に挿着されている。
次に、この実施の形態1の回転電機における固定子の製造方法、特にここでは電機子巻線16の組み付け手順について、図6から図12を参照して説明する。
電機子巻線16の組み付け手順は、図6に示すように、絶縁部材組み付け工程500、外層コイル形成工程600、層間絶縁部材組み付け工程700、および内層コイル形成工程800を経て製造される。
まず、絶縁部材組み付け工程500において、電機子鉄心11のスロット15に、スロットライナ18をセットし、次いで、外層コイル形成工程600において、図7のように外層コイル22を電機子鉄心11の軸方向の一端側から挿入する。そして、図8に示すように、外層コイル22の挿入後に、外層コイル22のコイルエンドを径方向外方に向けて屈曲して電機子鉄心11の軸方向の両側の端面からそれぞれ軸方向に突出するようにする。
次に、層間絶縁部材組み付け工程700では、図9(a)に示すようなスロット絶縁部13aの両端がコイルエンド絶縁部13bによって連結されてなる層間絶縁紙13を適用し、図9(b)に示すように円筒状に丸めた上で、図10のように外層コイル22を挿入した後の電機子鉄心11の内側にセットする。
続く内層コイル形成工程800では、図11に示すように、外層コイル22と同様に、内層コイル21を電機子鉄心11の軸方向の一端側から挿入する。そして、内層コイル21の挿入後は、図12に示すように、内層コイル21のコイルエンドを径方向外方に向けて屈曲して電機子鉄心11の軸方向の両側の端面からそれぞれ軸方向に突出するようにする。最後に電機子鉄心11の内側にウェッジ19を挿入して固定子7が完成する。
このようにして製造されたこの実施の形態1における回転電機の固定子と集中巻した従来の場合の固定子とについて、起磁力によるギャップ磁束密度についてフーリエ変換による周波数分布を比較した結果を図13に示す。
図13は巻線抵抗値と占積率、その他径寸法、軸寸法を同じとした時の比較である。図13から分かるように、トルクに寄与する基本波は同等であるが、高調波については従来よりも低減されている。従来の集中巻では基本波の半分以上存在していた2次の高調波は、この実施の形態1の構成では激減し、これによる損失低下が大幅に改善されることが理解される。
図14はこの実施の形態1における固定子の配線配置の変形例を示すもので、図14(a)は固定子を周方向に沿って展開して内層コイル21と外層コイル22の巻線状態を示した模式的な平面図、図14(b)は模式的な正面図である。
この実施の形態1では、図1から図5に示したように、毎相ごとに形成された内層コイル21と外層コイル22の各相のコイル部は、電機子鉄心11の径方向において3段階にわたって同心状となるように電機子巻線16をスロット15を通して巻回して形成しているが、このような構成に限らず、例えば図14(a)、(b)に示すように、各々のコイル部の電機子鉄心11の径方向における重なり具合が周方向に沿って順次ずれる状態となるように、3段階にわたってスロット15を通して電機子巻線16を巻回して形成してもよく、同様の作用、効果が得られる。
実施の形態2.
図15は、この発明の実施の形態2における回転電機の固定子を周方向に沿って展開して示す模式的な平面図で、図15(a)は内層コイルと外層コイルのスロット内の巻線配置を、図15(b)は内層コイルと外層コイルの巻線状態を示している。
この実施の形態2の固定子の巻線配置は、実施の形態1の構成と比較した場合、内層コイル21と外層コイル22の各相のコイル部において、ティース12を跨ぐ最も小さい巻線角度ピッチとなるコイル部を省いた構成となっている。すなわち、内層コイル21と外層コイル22の各相のコイル部は、電機子鉄心11の径方向を軸心中心として2段階わたって同心状となるように、スロット15を通して電機子巻線16をリング状に巻回して形成されている。
したがって、この実施の形態2の場合、図15(a)に示すように、スロット15に挿入される電機子巻線16がティース12を跨ぐ最も大きい巻線角度ピッチC1は5ティースを跨いで50°であり、また、ティース12を跨ぐ最も小さい巻線角度ピッチC2は1ティースを跨いで30°となっている。
この実施の形態2における回転電機の固定子と集中巻した従来の場合の固定子とについて、起磁力によるギャップ磁束密度についてフーリエ変換による周波数分布を比較した結果を図16に示す。
実施の形態1の構成の場合、スロット15に挿入される電機子巻線16がティース12を跨ぐ最も小さい巻線角度ピッチは10°で、その値が小さいために短節巻係数が小さく、基本波が多少小さかった。これに対して、この実施の形態2では、図15(a)、(b)に示したような巻線配置とすることで、高調波を抑制しつつ、トルクに寄与する基本波を増加させることができる。
実施の形態3.
図17は、この発明の実施の形態3における回転電機の固定子を周方向に沿って展開して示す模式的な平面図であり、図17(a)は内層コイルと外層コイルのスロット内の巻線配置を、図17(b)は内層コイルと外層コイルの巻線状態を示している。また、図18は、図17(b)のA−A線に沿う部分断面図である。
この実施の形態3の固定子の巻線配置は、実施の形態2の構成(図15)と比較した場合、内層コイル21については各相のコイル部の構成は同じであるが、外層コイル22についてはその構成が異なり、各相のコイル部221U、222U、221V、222V、221W、222Wは、電機子鉄心11の径方向において1段階のみになるようにスロット15を通して電機子巻線16をリング状に巻回して形成されている。
この実施の形態3のような構成とすれば、各々のスロット15内には互いに異なる相の電機子巻線16が共存することがないので、スロット15内の層間絶縁が不要となり、スロット15内における電機子巻線16の占有割合を大きくすることができる。
なお、この実施の形態3の構成の場合も、実施の形態1の場合と同様、内層コイル21と外層コイル22の各相のコイル部について、巻線角度ピッチが最も大きいのは5つのティース12を跨ぐ巻線角度ピッチC1で50°である。また、最も小さい巻線角度ピッチC2は、1つのティース12を跨いで30°となっている。
ただし、外層コイル22の各相のコイル部221U、222U、221V、222V、221W、222Wは、内層コイル21の各相のコイル部のように、電機子鉄心11の径方向において同心状に重複しないので、外層コイル22の各相のコイル部を内層コイル21の場合と同じ磁束量とするためには、外層コイル22の各相のコイル部を構成する上で、スロット15を通してリング状に巻回する際の電機子巻線16の巻数を、内層コイル21の各相のコイル部を構成するために各スロット15に挿通される電機子巻線16の巻数よりも増やすと良い。
そのため、図17に示すように、内層コイル21が配置されるスロット15の面積よりも外層コイル22を形成するための電機子巻線16が挿入されるスロット15の面積を拡大する。ただし、その場合、スロット15の径方向内方の開口部分の周方向に沿った幅のピッチをいずれのスロット15についても等間隔にしておけば、ギャップ中の起磁力波形のひずみを抑制することができるので都合が良い。
この実施の形態3の構成では、外層コイル22の各相のコイル部221U、222U、221V、222V、221W、222Wを形成するための電機子巻線16の巻数が増え、かつ、ある一つの相の電機子巻線16が他相の電機子巻線16が挿入されるスロット15を跨ぐため、外層コイル22と内層コイル21の各コイルエンド同士の干渉を防止する上で、次のような構成とすることが好ましい。
すなわち、外層コイル22の各コイル部221U、222U、221V、222V、221W、222Wにおけるコイルエンドは、図18に示すように電機子鉄心11の外径側に向けて屈曲し、内層コイル21の各コイル部のコイルエンドは、電機子鉄心11の軸方向において外層コイル22のコイルエンドの上側を跨ぐように形成する。これにより、外層コイル22と内層コイル21の各コイルエンド同士が干渉するのを防ぐことができる。
このようにして製造されたこの実施の形態3における回転電機の固定子と集中巻した従来の場合の固定子とについて、起磁力によるギャップ磁束密度についてフーリエ変換による周波数分布を比較した結果を図19に示す。図19に示すように、基本波は実施の形態2の場合と略同等となっている。
なお、この発明は上記の実施の形態1〜3の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、各実施の形態1〜3の構成につき変形を加えたり、構成の一部を省略することができ、さらに、各実施の形態1〜3の構成を適宜組み合わせることが可能である。
1 回転電機、7 固定子、8 回転子、11 電機子鉄心、12 ティース、
13 層間絶縁紙(層間絶縁部材)、15 スロット、16 電機子巻線、
18 スロットライナ(絶縁部材)、21 内層コイル、22 外層コイル、
211U,212U,211V,212V,211W,212W コイル部、
221U,222U,221V,222V,221W,222W コイル部。

Claims (7)

  1. 円筒状の電機子鉄心の内径側には電機子巻線のコイル部が装着されるスロットと上記コイル部が発生する磁束の磁極となるティースとが、上記電機子鉄心の周方向に沿って交互に順次形成されている回転電機において、
    上記コイル部は、上記電機子鉄心の周方向に沿って各相ごとに形成され、かつ複数のティースを跨いで配置されるコイル部を少なくとも一つ有しており、上記コイル部を構成するための上記電機子巻線が上記ティースを跨ぐ場合の上記電機子鉄心の周方向の機械的な角度を巻線角度ピッチとしたとき、この巻線角度ピッチをC、上記ティースの数をT、極数をp、相の数をQとすると、
    360/T[°]≦C≦((2×(T/(Q×p)−1)×360/T)[°]
    (ただしT、Q、pはT/(Q×p)>1となる自然数)の関係を満たすように設定されていることを特徴とする回転電機。
  2. 各相の上記コイル部は、上記電機子鉄心の径方向の内側に配置される内層コイルと、径方向の外側に配置される外層コイルとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 上記内層コイルと上記外層コイルの各相に対応して設けられている上記コイル部は、各相につきその総数が極数と同数であり、かつ上記電機子鉄心の周方向に沿って等間隔で配置されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
  4. 各々の上記コイル部は、上記電機子鉄心の径方向を軸心中心として同心状となるように上記スロットを通して上記電機子巻線を巻回して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  5. 各々の上記コイル部は、上記電機子鉄心の径方向における重なり具合が周方向に沿って順次ずれる状態で上記スロットを通して上記電機子巻線を巻回して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  6. 各々の上記コイル部は、上記スロットを通して巻回される上記電機子巻線の巻数が上記電機子鉄心の径方向につき不均等であり、かつ巻数の不均等に対応して上記スロットの面積が異なるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  7. 円筒状の電機子鉄心の内径側には電機子巻線のコイル部が装着されるスロットと上記コイル部が発生する磁束の磁極となるティースとが、上記電機子鉄心の周方向に沿って交互に順次形成されており、上記コイル部は、上記電機子鉄心の周方向に沿って各相ごとに形成されるとともに、上記電機子鉄心の径方向の内側に配置される内層コイルと、径方向の外側に配置される外層コイルとで構成され、上記内層コイルと上記外層コイルの少なくとも一方は、複数のティースを跨いで配置されるコイル部が設けられており、上記コイル部を構成するための上記電機子巻線が上記ティースを跨ぐ場合の上記電機子鉄心の周方向の機械的な角度を巻線角度ピッチとしたとき、この巻線角度ピッチをC、上記ティースの数をT、極数をp、相の数をQとすると、
    360/T[°]≦C≦((2×(T/(Q×p)−1)×360/T)[°]
    (ただしT、Q、pはT/(Q×p)>1となる自然数)の関係を満たすように設定されている回転電機を製造する方法であって、
    上記電機子鉄心と上記電機子巻線と電気的に絶縁するスロットライナを組み付ける絶縁部材組み付け工程と、上記電機子鉄心の径方向の外側に上記外層コイルを形成する外層コイル形成工程と、上記外層コイルの内側に層間絶縁部材を挿入する層間絶縁部材組み付け工程と、上記層間絶縁部材の内側に上記内層コイルを形成する内層コイル形成工程と、を有することを特徴とする回転電機の製造方法。
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