JP2018170924A - ステータ、回転電機及び温度センサの固定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このように、コイルの温度を正確かつ安定的に検出できるので、コイルの焼損等の不具合を未然に抑制できる。
また、ステータコアにおける軸方向で任意の位置に温度センサを配置できるので、ステータコアにおける軸方向で任意の位置でのコイルの温度を検出することができる。
[回転電機]
図1は、実施形態に係る回転電機1の全体構成を示す概略構成図(断面図)である。
図1に示す回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車輌に搭載される走行用モータである。但し、本発明の構成は、走行用モータに限らず、発電用モータやその他用途のモータ、又は車輌用以外の回転電機(発電機を含む)にも適用可能である。
出力シャフト5は、ケース2に回転可能に支持されている。
ロータ4は、ロータコア6と、ロータコア6に取り付けられた磁石(不図示)と、を有している。ロータコア6は、出力シャフト5に外嵌された筒状に形成されている。なお、以下の説明では、出力シャフト5の軸線Cに沿う方向を単に軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。
図2に示すように、ステータコア11は、ロータ4(図1参照)を径方向の外側から取り囲む筒状に形成されている。ステータコア11は、電磁鋼板に対して打ち抜き加工等を施して形成された環状のプレート14が軸方向に積層されて構成されている。
バックヨーク部21は、軸線Cと同軸上に配置された筒状に形成されている。バックヨーク部21の外周面には、径方向の外側に突出する取付片24が形成されている。ステータコア11は、取付片24を介してケース2に固定される。なお、図2の例において、取付片24は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。取付片24には、取付片24を軸方向に貫通する取付孔25が形成されている。取付孔25には、ステータコア11をケース2に締結するためのボルト(不図示)が挿通される。なお、取付片24の個数や位置等は、適宜変更が可能である。
図3に示すように、各センサ収容溝26は、バックヨーク部21の内周面から径方向の外側に窪むとともに、バックヨーク部21の軸方向の全体に亘って延在している。すなわち、各センサ収容溝26は、周方向で同じ位置に配置されたスロット23(以下、スロット23Aという。)内に軸方向の全体に亘ってそれぞれ連通している。図3の例において、各センサ収容溝26は、対応するスロット23Aに対して周方向の幅よりも狭くなっている。これにより、仮に対応するスロット23A内のコイル12が径方向の外側に移動しようとしたときに、バックヨーク部21の内周面に当接することで、センサ収容溝26内に進入するのが規制されている。但し、各センサ収容溝26と対応するスロット23Aとの軸方向及び周方向での連通範囲は、適宜変更が可能である。また、センサ収容溝26の平面視形状は、円形状や矩形状等適宜変更が可能である。
図4に示すように、セグメントコイル30は、複数(例えば4つ)のセグメント導体31が径方向に重ね合わされて構成されている。各セグメント導体31は、芯線が絶縁被覆に覆われて構成されている。各セグメント導体31は、例えば平角線である。すなわち、各セグメント導体31における延在方向に直交する断面形状は、長方形状に形成されている。
各直線部40A,40Bは、軸方向に互いに平行に延在している。各直線部40A,40Bは、例えば絶縁紙(不図示)に覆われた状態で、互いに異なるスロット23に分けて収容される。すなわち、各セグメント導体31の一方の直線部40Aは、何れかのスロット23における径方向の内側の領域に挿入される。他方の直線部40Bは、一方の直線部40Aが挿入されたスロット23から所定数の離れた位置にあるスロット23における径方向の外側の領域に挿入される。
各第2接続部42は、直線部40A,40Bにおける軸方向の第2端部にそれぞれ連なって、スロット23の外部に引き出されている。各第2接続部42の端部は、芯線が露出している。各第2接続部42のうち、一方の第2接続部42は、別のセグメントコイル30の第2接続部42に接合(例えば、TIG溶接やレーザ溶接等)される。他方の第2接続部42は、さらに別のセグメントコイル30の第2接続部42に接合される。これにより、複数のセグメントコイル30が順次連結されている。
図5、図6に示すように、上述したセンサ収容溝26のうち、何れかのセンサ収容溝26A内には、温度センサ45が収容されている。温度センサ45は、例えばサーミスタである。すなわち、温度センサ45は、温度変化に伴う抵抗値の変化を利用して温度を検出する。温度センサ45のリード線46は、センサ収容溝26を通ってステータコア11の外部に引き出されている。なお、本実施形態では、各センサ収容溝26のうち、一のセンサ収容溝26A内に温度センサ45が収容されている構成について説明するが、複数のセンサ収容溝26内に各別に温度センサ45が収容されていても構わない。また、温度センサ45は、サーミスタ以外であっても構わない。
温度センサ45における径方向の内側端面は、対応するスロット23A内に位置するセグメントコイル30(直線部40A,40B)のうち径方向の外側に位置するセグメントコイル30における径方向の外側端面に近接している。但し、温度センサ45とセグメントコイル30とは径方向に接触していても構わない。
図7は、ステータ3の製造方法を説明するための工程図である。以下の説明では、ステータ3の製造方法のうち、ステータコア11の製造後、コイル12及び温度センサ45の固定方法について主に説明する。但し、図7においては、コイル12の図示を省略する。
この構成によれば、コイル12のうちステータコア11(スロット23A)内に位置する部分と、温度センサ45と、を近接配置できる。これにより、従来のようにコイルエンドの温度を検出する場合に比べて、コイル12の最高温度と温度センサ45による検出温度との乖離を小さくでき、コイル12の最高温度付近の温度を正確に検出できる。また、温度センサ45がセンサ収容溝26内に収容されているので、ステータ3の外部温度の影響を受け難い。そのため、温度センサ45によりコイル12の温度を安定して検出できる。
このように、本実施形態では、コイル12の温度を正確かつ安定的に検出できるので、コイル12の焼損等の不具合を未然に抑制できる。
また、コイル温度の検出誤差が小さくなることで、コイル保護を考慮した電力投入制限を行う際、コイル保護開始温度をコイル耐熱温度に近づけることができ、回転電機1として高トルク状態を維持し易くなる。これにより、例えば回転電機1が車輌に搭載されれば、その車輌の商品性が向上する。
この構成によれば、例えば温度センサ45をステータコア11に組み付ける際に、軸方向の何れの方向からでも温度センサ45をセンサ収容溝26内に挿入できる。これにより、ステータコア11に対する温度センサ45の組立性を高めることができる。
また、ステータコア11における軸方向で任意の位置に温度センサ45を配置できるので、ステータコア11における軸方向で任意の位置でのコイル12の温度を検出することができる。
この構成によれば、例えば接着剤51とは別の固定部材を用いて温度センサ45をステータコア11に固定したり、温度センサ45をステータコア11に直接固定したりする場合に比べて構成の簡素化を図ることができる。
この構成によれば、バックヨーク部21以外の部分(例えばティース部22等)にセンサ収容溝26を形成する場合に比べて、設計の自由度を向上させることができるとともに、センサ収容溝26の追加に伴うステータコア11での渦電流損の増加を抑制できる。
この構成によれば、コイル12及び温度センサ45を同一の接着剤51により同時にステータコア11に固定できる。これにより、温度センサ45を簡単、かつ確実にステータコア11に固定できるので、組付作業の複雑化や部品点数の増加を抑制して、低コスト化を図ることができる。
例えば、上述した実施形態では、コイル12にセグメントコイル30を用いた場合について説明したが、この構成に限られない。コイル12は、巻線を波巻きや重ね巻き等しても構わない。
上述した実施形態では、センサ収容溝26がステータコア11を軸方向に貫通する構成について説明したが、この構成のみに限られない。
センサ収容溝26は、少なくとも一部がスロット23A内に連通する構成であれば、バックヨーク部21以外の部分に形成されていても構わない。
3…ステータ
11…ステータコア
12…コイル
23…スロット
26…センサ収容溝
45…温度センサ
51…接着剤
Claims (7)
- スロットを有する筒状のステータコアと、
前記スロット内に収容された状態で前記ステータコアに装着されたコイルと、を備え、
前記ステータコアには、前記スロットに連通するセンサ収容溝が形成され、
前記センサ収容溝内には、前記コイルの温度を検出する温度センサが収容されていることを特徴とするステータ。 - 前記センサ収容溝は、前記ステータコアを軸方向に貫通するとともに、前記スロットに前記軸方向の全体に亘って連通していることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
- 前記センサ収容溝は、前記ステータコアの周方向に等間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステータ。
- 前記コイル及び前記温度センサは、前記スロット及び前記センサ収容溝内に充填された接着剤により前記ステータコアに固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のステータ。
- 前記ステータコアは、
筒状のバックヨーク部と、
前記バックヨーク部の周方向に間隔をあけて複数突設され、前記コイルが装着されるティース部と、を備え、
前記スロットは、前記周方向で隣り合う前記ティース部間に形成され、
前記センサ収容溝は、前記バックヨーク部における前記周方向で前記スロットと同じ位置に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のステータ。 - 請求項1から請求項5の何れか1項に記載のステータを備えていることを特徴とする回転電機。
- スロット及び前記スロットに連通するセンサ収容溝を有するステータコアと、
前記スロット内に収容された状態で前記ステータコアに装着されたコイルと、を備えたステータに対して温度センサを固定する温度センサの固定方法であって、
前記ステータコアに前記コイルを装着するとともに、前記センサ収容溝内に前記温度センサを収容した状態で、前記スロット及び前記センサ収容溝に対して接着剤を供給することを特徴とする温度センサの固定方法。
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