JP5938892B2 - ブラシレスモータ及び回転電機の固定子 - Google Patents
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従来から、回転電機として、例えば、ブラシレスモータ等、様々なモータが提案されている。例えば、固定子の組立に従来必要であった高価なレーザー溶接の設備を不要とした回転電機の固定子として、極歯単位ごとに周方向に分割された複数の積層鉄心に極歯に直交する方向に巻線を施し、複数の積層鉄心を円筒状に組み合わせると共に、この積層鉄心の外周部の周方向の一端に形成された突起部を隣接する積層鉄心の外周部の他端に形成された凹部に嵌合し、凹部の外側片を内周方向にかしめて積層鉄心を互いに固定する構成を備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明のブラシレスモータは、前記ステータコア構成部は、前記バックヨークの円周方向の一方の延長線上に設けられた第一の係合凸部と、前記バックヨークの前記ティースの外径方向の延長線上に前記第一の係合凸部と嵌合可能に設けられた第一の係合凹部とを有し、前記ステータコアの接合部は、円周方向に隣接する各2つの前記ステータコア構成部の一方の前記第一の係合凹部と、該第一の係合凹部と嵌合する他方の前記第一の係合凸部とから構成されている。
この構成を備えたブラシレスモータは、ティースの略延長上でバックヨークの交差部に、第一の係合凸部と第一の係合凹部との嵌合部から構成される接合部が設けられているので、磁束密度が高い部分の接合を避けることができる。これにより、バックヨークの磁束密度の損失を低減し、ロストルクを従来の回転電機よりも少なくすることができる。また、溶接する場合の熱の分散する面積が大きく確保できることから変形を防止することができる。これらにより、接続の不安定によるコイル毎の磁気特性のバラツキを改善することが可能になり、コギングトルク、トルクリップルを少なくすることができる。
また、前記ステータコア構成部は、組み立て時に前記ステータコア構成部を径方向に位置規制する、前記第一の係合凸部の前記第二の係合凸部よりも内径側の位置から前記円周方向の一方の延長線上に設けられた第三の係合凸部及び、前記第一の係合凹部の前記円周方向の他方側の端面の前記第二の係合凹部よりも内径側の位置に前記第三の係合凸部と嵌合可能に設けられた第三の係合凹部を有し、前記ステータコアの接合部は、更に、隣接する各2つの前記ステータコア構成部の一方の前記第三の係合凹部と、該第三の係合凹部と嵌合する他方の前記第三の係合凸部とから構成されている。
さらにまた、前記ステータコア構成部は、組み立て時に前記ステータコア構成部を円周方向に位置規制する、前記第一の係合凹部の外径方向の延長線上に設けられた第四の係合凸部及び、前記第一の係合凸部の内径側端部に設けられた前記第四の係合凸部と嵌合可能な第四の係合凹部を有し、前記ステータコアの接合部は、更に、隣接する各2つの前記ステータコア構成部の一方の前記第四の係合凹部と、該第四の係合凹部と嵌合する他方の前記第四の係合凸部とから構成されている。
このような構成とすることで、溶接時に発生する熱を放熱する際の面積を大きくすることができるので、接合の位置のバラツキを低減することができる。これにより、接続の不安定によるコイル毎の磁気特性のバラツキを改善することが可能になり、コギングトルク、トルクリップルを少なくすることができる。
また、本発明にかかる回転電機の固定子は、複数のステータコア及び当該複数のステータコアに巻装された複数のコイルを有する回転電機の固定子であって、前記ステータコアは、前記コイルが巻装されるティースと前記ステータコアの外周を形成するバックヨークとを一組とする組立式のステータコアからなり、前記ステータコアの接合部は、前記ティースの略延長線上で前記バックヨークとの交差部に設けられていることを特徴とする回転電機の固定子である。
この構成を備えた回転電機の固定子は、ティースの略延線長上でバックヨークの交差部に、接合部が設けられているので、磁束密度が高い部分の接合を避けることができる。これにより、バックヨークの磁束密度の損失を低減し、ロストルクを従来の回転電機よりも少なくすることができる。また、溶接する場合の熱の分散する面積が大きく確保できることから変形を防止することができる。これらにより、接続の不安定によるコイル毎の磁気特性のバラツキを改善することが可能になり、コギングトルク、トルクリップルを少なくすることができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかるブラシレスモータの断面図、図2は、図1に示すブラシレスモータに用いられるステータコアを示す平面図である。なお、本実施の形態では、ロータの回転軸の軸芯方向を「軸方向」と定義し、ロータの回転軸の軸芯に対し垂直な方向を「径方向」と定義し、ロータの回転方向を「周方向」と定義して説明する。
図3は、図1に示すブラシレスモータに用いられるステータコアを示す実施の形態の第2例の平面図である。ステータコア16の外周には、隣り合うティース46同士を結合するための第一の係合凸部48がバックヨーク47の円周方向の延長上に設けられ、ティース46の延長上に設けられた第一の係合凹部49が嵌合し接合部60をTIG溶接などで接合する構成となっている。
第一の係合凸部48及び第一の係合凹部49に径方向の位置規制のための第二の係合凸部78及び第二の係合凹部79が設けられ、各ステータコア構成部の径方向の位置ズレを防止し、組立精度を向上させて磁束密度を安定させている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1の実施例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
図4は、図1に示すブラシレスモータに用いられるステータコアを示す実施の形態の第3例の平面図である。ステータコア16の外周には、隣り合うティース46同士を結合するための第一の係合凸部48がバックヨーク47の円周方向の延長上に設けられ、ティース46の延長上に設けられた第一の係合凹部49が嵌合し接合部60をTIG溶接などで接合する構成となっている。
第一の係合凸部48及び第一の係合凹部49に径方向の位置規制のための第三の係合凸部78a及び第三の係合凹部79aがティース46の径方向略先端の内側に設けられ、各ステータコア構成部の径方向の位置ズレを防止し、組立精度を向上させて磁束密度を安定させている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1の実施例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
図5は、図1に示すブラシレスモータに用いられるステータコアを示す実施の形態の第4例の平面図である。ステータコア16の外周には、隣り合うティース46同士を結合するための第一の係合凸部48がバックヨーク47の円周方向の延長上に設けられ、ティース46の延長上に設けられた第一の係合凹部49が嵌合し接合部60をTIG溶接などで接合する構成となっている。
第一の係合凸部48及び第一の係合凹部49に径方向の位置規制のための第二の係合凸部78及び第二の係合凹部79と、径方向の位置規制のための第三の係合凸部78a及び第三の係合凹部79aを組合せた例である。この構成によって、各ステータコア構成部の径方向の位置ズレを防止し、組立精度を向上させて磁束密度を安定させている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1の実施例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
図6は、図1に示すブラシレスモータに用いられるステータコアを示す実施の形態の第5例の平面図である。ステータコア16の外周には、隣り合うティース46同士を結合するための第一の係合凸部48がバックヨーク47の円周方向の延長上に設けられ、ティース46の延長上に設けられた第一の係合凹部49が嵌合し接合部60をTIG溶接などで接合する構成となっている。
第一の係合凸部48及び第一の係合凹部49に径方向の位置規制のための第二の係合凸部78及び第二の係合凹部79、更に、周方向の位置規制のための第四の係合凸部88及び第四の係合凹部89が各々ティース46の径方向略先端の内側に設けられ、各ステータコア構成部の径方向及び周方向の位置ズレを防止し、組立精度を向上させて磁束密度を安定させている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1の実施例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
図7は、図1に示すブラシレスモータに用いられるステータコアを示す実施の形態の第5例の平面図である。ステータコア16の外周には、隣り合うティース46同士を結合するための第一の係合凸部48がバックヨーク47の円周方向の延長上に設けられ、ティース46の延長上に設けられた第一の係合凹部49が嵌合し接合部60をTIG溶接などで接合する構成となっている。
第一の係合凸部48及び第一の係合凹部49に径方向の位置規制のための第二の係合凸部78及び第二の係合凹部79、径方向の位置規制のための第三の係合凸部78a及び係合凹部79a、更に、周方向の位置規制のための第四の係合凸部88及び第四の係合凹部89が各々ティース46の径方向略先端の内側に設けられ、各ステータコア構成部の径方向及び周方向の位置ズレを防止し、組立精度を向上させて磁束密度を安定させている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1の実施例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
12 モータケース
14 ブラケット
15 内壁
16 ステータコア
18 コイル
19 制振部材
20 ロータ
22 シャフト
24 ロータコア
30 フロントベアリング
32 リヤベアリング
36 レゾルバロータ
38 レゾルバステータ
40 端子台
41 第1の保持部材
46 ティース
47 バックヨーク
48 係合凸部
49 係号凹部
51 第2の保持部材60 接合部
Claims (4)
- ステータコア及び当該ステータコアに巻装された複数のコイルを有するステータを備え、前記ステータコアは、前記コイルが巻装されるティースと前記ステータコアの外周を形成するバックヨークとを一組とするステータコア構成部の複数組から構成される組立式のステータコアからなるブラシレスモータであって、
前記ステータコアの接合部は、前記ティースの略延長線上で前記バックヨークとの交差部に設けられており、
前記ステータコア構成部は、
前記バックヨークの円周方向の一方の延長線上に設けられた第一の係合凸部、及び前記バックヨークの前記ティースの外径方向の延長線上に前記第一の係合凸部と嵌合可能に設けられた第一の係合凹部と、
組み立て時に前記ステータコア構成部を内径方向に位置規制する、前記第一の係合凸部の前記円周方向の一方の延長線上でかつ外径側端部に設けられた第二の係合凸部、及び前記第一の係合凹部の前記円周方向の他方側の端面に設けられた前記第二の係合凸部と嵌合可能な第二の係合凹部と、
組み立て時に前記ステータコア構成部を径方向の両方向に位置規制する、前記第二の係合凸部の前記円周方向の一方の延長線上に平面視で略凸字状に設けられた第三の係合凸部、及び前記第二の係合凹部の前記円周方向の他方側の端面に設けられた前記第三の係合凸部と嵌合可能な第三の係合凹部と、
組み立て時に前記ステータコア構成部を円周方向に位置規制する、前記第一の係合凹部の径方向の端面の外径方向の延長線上に設けられた第四の係合凸部及び、前記第一の係合凸部の内径側端部に凹状に設けられた前記第四の係合凸部と嵌合可能な第四の係合凹部とを有し、
前記ステータコアの接合部は、円周方向に隣接する各2つの前記ステータコア構成部の一方の前記第一から第四の係合凹部と、該第一から第四の係合凹部と嵌合する他方の前記第一から第四の係合凸部とから構成されるとともに、前記第二の係合凸部と前記第二の係合凹部との接合部分における前記第三の係合凸部よりも内径側の位置で溶接により接合されていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記ステータコアは、少なくとも1枚の電磁鋼板を転積してなる請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 電動パワーステアリングに用いられる請求項1又は請求項2に記載のブラシレスモータ。
- ステータコア及び当該ステータコアに巻装された複数のコイルを有する回転電機の固定子であって、前記ステータコアは、前記コイルが巻装されるティースと前記ステータコアの外周を形成するバックヨークとを一組とするステータコア構成部の複数組を組み立てて構成される組立式のステータコアからなり、
前記ステータコアの接合部は、前記ティースの略延長線上で前記バックヨークとの交差部に設けられており、
前記ステータコア構成部は、
前記バックヨークの円周方向の一方の延長線上に設けられた第一の係合凸部、及び前記バックヨークの前記ティースの外径方向の延長線上に前記第一の係合凸部と嵌合可能に設けられた第一の係合凹部と、
組み立て時に前記ステータコア構成部を内径方向に位置規制する、前記第一の係合凸部の前記円周方向の一方の延長線上でかつ外径側端部に設けられた第二の係合凸部、及び前記第一の係合凹部の前記円周方向の他方側の端面に設けられた前記第二の係合凸部と嵌合可能な第二の係合凹部と、
組み立て時に前記ステータコア構成部を径方向の両方向に位置規制する、前記第二の係合凸部の前記円周方向の一方の延長線上に平面視で略凸字状に設けられた第三の係合凸部、及び前記第二の係合凹部の前記円周方向の他方側の端面に設けられた前記第三の係合凸部と嵌合可能な第三の係合凹部と、
組み立て時に前記ステータコア構成部を円周方向に位置規制する、前記第一の係合凹部の径方向の端面の外径方向の延長線上に設けられた第四の係合凸部及び、前記第一の係合凸部の内径側端部に凹状に設けられた前記第四の係合凸部と嵌合可能な第四の係合凹部とを有し、
前記ステータコアの接合部は、円周方向に隣接する各2つの前記ステータコア構成部の一方の前記第一から第四の係合凹部と、該第一から第四の係合凹部と嵌合する他方の前記第一から第四の係合凸部とから構成されるとともに、前記第二の係合凸部と前記第二の係合凹部との接合部分における前記第三の係合凸部よりも内径側の位置で溶接により接合されていることを特徴とする回転電機の固定子。
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