JP6383577B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
前記カーカスプライの補強コードが、1.5cN/dtex負荷時における中間伸度が4.2%以下であって、かつ、スティフネスが50mN以上の有機繊維コードであることを特徴とするものである。ここで、中間伸度とはJIS L 1017に準拠し、ディップ処理後の補強コードから、コード1本を採取し、1.5cN/dtexの張力下、145℃で3分間加熱し、冷却後に25±2℃の温度条件で、引張荷重1.5cN/dtexで引張試験を実施した時の伸度(%)のこという。また、スティフネス(曲げ剛性)とは、ディップ処理後の補強コードを、150℃で1分間乾燥器に設置し、真直に引き伸ばした状態に固定した後、JIS L 1096に準拠し、ガーレ式柔軟度試験機(ガーレ式スティフネステスター)で測定して得られた値をいう。
前記(A)熱可塑性重合体の主鎖が、付加反応性のある炭素間2重結合を実質的に有さず、直鎖状構造を主体としたエチレン性付加重合体およびウレタン系高分子重合体のうち少なくとも一方からなり、ペンダント基として架橋性を有する官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。
乾熱処理時熱収縮率(%)={(Lb−La)/Lb}×100
により求められる値である。ここで、Laは熱処理後のコード長、Lbは熱処理前のコード長である。また、タフネスとは、ディップ処理後の補強コードに対して、25±2℃の温度条件で引張試験を行い、歪−応力曲線(S−S曲線)を求め、原点からコードが破断するまでのS−S曲線の下側の面積をいうものとする。
図1は、本発明の空気入りタイヤの一好適例の右半分の断面図である。図示するタイヤ10は、接地部を形成するトレッド部1と、このトレッド部1の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイド部2と、各サイド部2の内周側に連続するビード部3と、を備え、トレッド部1、サイド部2およびビード部3は、一方のビード部3から他方のビード部3にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカスプライからなるカーカス4により補強されている。図示するように、本発明のタイヤ10においては、カーカス4のトレッド部1のタイヤ半径方向外側には2層のベルト層5a、5bからなるベルト5が配置されていてもよく、ベルト5のタイヤ半径方向外側には、ベルト補強層6が配置されていてもよい。さらに、図示するように、サイド部2のカーカス4の内側に断面三日月状サイド補強ゴム7が配置されていてもよいが、この限りではない。
(式中、Aは官能基数3〜5の有機ポリイソシアネート化合物のイソシアネート残基を示し、Yは熱処理によりイソシアネート基を遊離するブロック剤化合物の活性水素残基を示し、Zは分子中、少なくとも1個の活性水素原子および少なくとも1個のアニオン形成性基を有する化合物の活性水素残基を示し、Xは2〜4個の水酸基を有し平均分子量が5000以下のポリオール化合物の活性水素残基であり、nは2〜4の整数であり、p+mは2〜4の整数(m≧0.25)である。)
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10−3
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)で表される。
<実施例1〜3、5〜7、参考例、比較例1〜4>
図1に示すタイプのタイヤをタイヤサイズ:215/55R17にて作製した。カーカスプライの補強コードは、下記表1および2に示す物性のコードを用いた。また、使用した接着剤は、A、Bの2種類であって、その調整方法は以下のとおりである。得られた各タイヤにつき、タイヤ耐久性、操縦安定性、および生産性について評価した。評価方法は、以下のとおりである。
1浴目のディップ液がA−1であり、エポクロスK1010E(日本触媒(株)製)16.5質量%(固形分重量)、エラストロンBN27(第一工業製薬(株)製6質量%(固形分重量)、デナコールEX614B(ナガセ化成工業(株)製7.5質量%(固形分重量)および水70質量%よりなる。また、2浴目のディップ液がA−2であり、水524.01質量部、レゾルシン15.12質量部、ホルマリン(37%)16.72質量部および苛性ソーダ(10%)4.00質量部、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(JSR0655、JSR(株)製、固形分濃度41%)233.15質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(JSR2108、JSR(株)製、固形分濃度40%)207.00質量部よりなる。
従来からPETに用いられている2浴のディップ液の配合である。1浴目のディップ液B−1はエポキシ系接着剤であり、ジグリセロールトリグリシジルエーテル1.20質量部、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート0.02質量部、苛性ソーダ(10%水溶液)0.14質量部および軟水98.64質量部よりなる。また、2浴目のディップ液B−2はRFL系接着剤であり、軟水518.59質量部、レゾルシン15.12質量部、ホルムアルデヒド(37%水溶液)16.72質量部、苛性ソーダ(10%水溶液)11.00質量部、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンラテックス(41%濃度)216.58質量部およびスチレン−ブタジエンラテックス(40%濃度)221.99質量部よりなる。
各タイヤを規定リムに装着し、空気圧を230kPaとし、正規荷重を負荷し、一定速度、ステップロード条件のドラムテストを実施し、タイヤが破壊したときの走行距離でタイヤ耐久性を評価した。得られた結果を、比較例1のタイヤを基準として、上回った場合もしくは同等の場合を○、下回った場合を×として表1、2に併記する。
各タイヤを規定リムに装着し、空気圧を230kPaとし、正規荷重を負荷し、サーキットで走行させ、テストドライバーによるフィーリング試験により評価を行った。結果は、比較例1のタイヤを5.0とした、相対的な評価とした。なお、この数値は、大きいほど操縦安定性に優れていることを示す。得られた結果を表1および2に併記する。
ディップコードの撚糸工程での生産性を調査した。比較例1のディップコードを基準として、生産性が向上する場合を◎、同等の場合を○、低下する場合を×として表1、2に併記する。
2 サイド部
3 ビード部
4 カーカス
5 ベルト
6 ベルト補強層
7 サイド補強ゴム
8 ビードコア
10 空気入りタイヤ(タイヤ)
Claims (7)
- 少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とする空気入りタイヤにおいて、
前記カーカスプライの補強コードが、1.5cN/dtex負荷時における中間伸度が4.2%以下であって、スティフネスが50mN以上の有機繊維コードであり、かつ、前記補強コードの熱処理後の熱収縮率が、0.5〜1.8%であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記補強コードが、(A)熱可塑性重合体、(B)熱反応型水性ウレタン樹脂および(C)エポキシド化合物からなる群のうち、少なくとも一種を含む接着剤を1浴処理液として用いるとともに、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス系接着剤を2浴処理液として用いて接着剤処理なされたものであり、かつ、
前記(A)熱可塑性重合体の主鎖が、付加反応性のある炭素間2重結合を実質的に有さず、直鎖状構造を主体としたエチレン性付加重合体およびウレタン系高分子重合体のうち少なくとも一方からなり、ペンダント基として架橋性を有する官能基を少なくとも1つ有する請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記補強コードのスティフネスが、60mN以上である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強コードのタフネスが、45cN・%/dtex以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強コードの撚り係数が、0.30〜0.50である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強コードが、ポリエチレンテレフタレートからなる請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド部にサイド補強ゴムが配置されてなる請求項1〜6のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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