JP6382460B2 - 吸収性物品製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品製造方法に関する。
従来、尿などの排泄物を吸収する吸収性物品として使い捨ておむつ等が知られている。例えば、文献1に示すように、パンツ型使い捨ておむつ1は外装体3と吸収性本体2を有しており、外装体3には、厚さ方向に貫通する複数の孔5が設けられている。この複数の孔5を設けることで、吸収性物品の通気性を向上させることができる。また、外装体3は、横方向に沿った弾性部材33の収縮によって、縦方向に沿った複数の皺が形成されており、孔5の周囲にも複数の皺が形成される。
特開2015−92957号
文献1に示されるような使い捨ておむつを製造する際には、外装体3が所定の方向に帯状に連なった連続部材を該所定方向に搬送しながら、他の部材と接合したり連続部材を切断したりする加工を施すことが一般的である。しかしながら、文献1に示す使い捨ておむつ1を製造する場合、製造過程で外装体3の一部を切り欠いて複数の孔5を形成する際に、孔5の形状(例えば菱型や星形)と同じ形状の切り屑が発生する。このような切り屑は加工や搬送の邪魔になるため、切り屑を除去する工程が別途必要になり、製造効率や製造コストを悪化させてしまう場合があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、通気性及びフィット性の良好な使い捨て吸収性物品を効率よく製造することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに直交する縦方向と横方向とを有し、
着用者の腹側に設けられる腹側部と、前記着用者の背側に設けられる背側部と、を備え、肌側から非肌側に貫通する貫通孔を有する吸収性物品を製造する吸収性物品製造方法であって、
前記腹側部が前記横方向に連続してなる腹側帯状部材、及び前記背側部が前記横方向に連続してなる背側帯状部材を前記横方向に沿って搬送する間に、前記横方向に伸長させた状態の弾性部材を接合する弾性部材取り付け工程と、
前記弾性部材が取り付けられた前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材の少なくともいずれかに対して、カッターを用いて、前記肌側と前記非肌側とを厚さ方向に貫通する切り込みを入れると共に、前記弾性部材を切断することで、前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
を有し、
前記縦方向において、
前記貫通孔の前記横方向の一端における前記弾性部材の位置と、
前記貫通孔の前記横方向の他端における前記弾性部材の位置と、
が異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、通気性及びフィット性の良好な使い捨て吸収性物品を効率よく製造することができる。
図1は、本実施形態の吸収性物品の一例としてのおむつ1の概略斜視図である。 図2は、展開した伸長状態のおむつ1を肌側から見た平面図である。 図3は、図2のA−A断面について表す図である。 おむつ1を製造する際に行われる各工程のフローを表す図である。 おむつ1の製造時の各工程について説明する概念図である。 図6Aは、スリットS(貫通孔50)を形成する前の伸長状態の帯状腹側外装部材300の一部を示した図である。図6Bは、スリットS(貫通孔50)を形成したときの伸長状態の帯状腹側外装部材300の一部を示した図である。図6Cは、着用状態における腹側外装部材30の一部を示した図である。 貫通孔形成工程を実施する貫通孔形成装置500の一例を示す概略側面図である。 図2の部分Bについて拡大して示した図である。 スリットSを縦方向にずらした場合に形成される貫通孔50aについて説明する図である。 スリットSを縦方向に対して所定の角度だけ傾けた場合に形成される貫通孔50aについて説明する図である。 他の実施形態のおむつ100を肌側から見た平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに直交する縦方向と横方向とを有し、着用者の腹側に設けられる腹側部と、前記着用者の背側に設けられる背側部と、を備え、肌側から非肌側に貫通する貫通孔を有する吸収性物品を製造する吸収性物品製造方法であって、前記腹側部が前記横方向に連続してなる腹側帯状部材、及び前記背側部が前記横方向に連続してなる背側帯状部材を前記横方向に沿って搬送する間に、前記横方向に伸長させた状態の弾性部材を接合する弾性部材取り付け工程と、前記弾性部材が取り付けられた前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材の少なくともいずれかに対して、カッターを用いて、前記肌側と前記非肌側とを厚さ方向に貫通する切り込みを入れると共に、前記弾性部材を切断することで、前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、を有する、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
このような吸収性物品製造方法によれば、線状の切り込みを設けることで貫通孔を形成することができるため、製造過程において切り屑が生じにくい。したがって、吸収性物品を連続的に製造する際に、切り屑を処理する工程を別途設ける必要が無くなる。これにより、通気性及びフィット性の良好な使い捨て吸収性物品を効率よく製造することが可能となる。
かかる吸収性物品製造方法であって、前記縦方向において、前記貫通孔の中心位置と、前記縦方向において前記貫通孔と重なる前記弾性部材の位置と、が異なる、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、貫通孔の周囲に形成される皺の数が上下で異なるようになる。そして、上下のうち皺が多く形成された領域では、皺の頂部が貫通孔の横方向内側に向かって倒れ込むことにより、外観上、貫通孔をより小さく見せることができる。これにより、通気性を向上させつつ、着用者や保護者等に排泄物等が貫通孔から漏れてしまうのではないかと感じさせてしまう恐れを軽減させることができる。
かかる吸収性物品製造方法であって、前記貫通孔は、前記縦方向において前記切り込みの中心位置からずれた位置で前記弾性部材を切断することによって形成される、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、縦方向において、貫通孔の中心位置と、弾性部材の位置とを簡単にずらすことができる。これにより、縦方向において非対称な形状の貫通孔を形成することが容易になり、吸収性物品の外観及び通気性をより向上させやすくなる。
かかる吸収性物品製造方法であって、第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、前記第1貫通孔の中心位置と、前記縦方向において前記第1貫通孔と重なる第1弾性部材の位置との間の前記縦方向における距離と、前記第2貫通孔の中心位置と、前記縦方向において前記第2貫通孔と重なる第2弾性部材の位置との間の前記縦方向における距離とが異なる、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、第1貫通孔と第2貫通孔とで、周囲に形成される皺の形状や大きさを異ならせることができる。これにより、各貫通孔が設けられる位置に応じて吸収性物品の通気性や外観を自在に調整することができる。
かかる吸収性物品製造方法であって、前記縦方向において、前記貫通孔の前記横方向の一端における前記弾性部材の位置と、前記貫通孔の前記横方向の他端における前記弾性部材の位置と、が異なる、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、貫通孔の両側に配置されている弾性部材の位置が縦方向においてずれることにより、それぞれの弾性部材が折れ曲がりの基点となり、吸収性物品が縦方向に細かく折れ曲がりやすくなる。これにより、吸収性物品が着用者の身体の動きに追従して変形しやすく、フィット性が向上する。
かかる吸収性物品製造方法であって、前記貫通孔は、前記縦方向に対して所定の角度だけ傾けた前記切り込みで前記弾性部材を切断することによって形成される、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、縦方向において、貫通孔の右端の位置と左端の位置とを簡単にずらすことができる。これにより、縦方向への折れ曲がり基点を多く設けられ、吸収性物品が着用者の身体の動きに追従してより変形しやすくなるため、吸収性物品のフィット性をより向上させることができる。
かかる吸収性物品製造方法であって、吸収性本体を備えており、前記吸収性本体の一方側の端部は、前記腹側部に重ねて接合され、他方側の端部は、前記背側部に重ねて接合されており、前記縦方向において、前記貫通孔の前記横方向の内側端の位置が、前記貫通孔の前記横方向の外側端の位置よりも低い、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、貫通孔の両側に設けられている弾性部材に傾きが生じ、着用者の股下側から斜め上側に作用する収縮力が発現するようになる。これにより、吸収性本体が横方向の外側へ拡幅されつつ、縦方向の上側に引っ張り上げられ、吸収性物品着用時において吸収性本体が身体にフィットしやすくなる。
かかる吸収性物品製造方法であって、第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、前記縦方向において前記第1貫通孔と重なる第1弾性部材の、前記第1貫通孔の前記横方向の一端における位置と、前記第1貫通孔の前記横方向の他端における位置との間の前記縦方向における距離と、前記縦方向において前記第2貫通孔と重なる第2弾性部材の、前記第2貫通孔の前記横方向の一端における位置と、前記第2貫通孔の前記横方向の他端における位置との間の前記縦方向における距離とが異なる、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、第1貫通孔と第2貫通孔とで、貫通孔の周囲に形成される皺の形状や弾性部材によって作用する張力の方向が異なるようになり、貫通孔の周囲における折れ曲がりの基点や肌触りを変化させることができる。これにより、各貫通孔が設けられる位置に応じて吸収性物品のフィット性を自在に調整することができる。
かかる吸収性物品製造方法であって、前記縦方向において、前記貫通孔の前記横方向の端の位置と、前記弾性部材の前記貫通孔側の端の位置とが重複している、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、弾性部材によって貫通孔の横方向の両端がそれぞれ横方向の外側へ引っ張られるため、貫通孔がひし形の形状となる。これにより、貫通孔の通気性が確保されやすくなり、また、腹側外装部材(背側外装部材)の表面に美しいひし形が揃って配列されていることにより、吸収性物品の美観が向上する。
かかる吸収性物品製造方法であって、第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、前記第1貫通孔の前記横方向の幅と、前記第2貫通孔の前記横方向の幅とが異なる、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、腹側外装部材(背側外装部材)の領域毎に形状の異なる貫通孔が形成されるため、吸収性物品のデザイン性や美観を高めることができる。
かかる吸収性物品製造方法であって、第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、前記第1貫通孔の開口面積と、前記第2貫通孔の開口面積とが異なる、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、腹側外装部材(背側外装部材)の領域毎に開口面積が大きい部分と小さい部分とが設けられるため、汗をかきやすい部位の開口面積を大きくする等、貫通孔の通気性能を調整することができる。これにより、吸収性物品着用による不快感を生じにくくさせることができる。
かかる吸収性物品製造方法であって、第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、前記第1貫通孔の外縁の長さと、前記第2貫通孔の外縁の長さとが等しい、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、各貫通孔の面積や形状が異なる場合であっても、該貫通孔の周囲における強度にばらつきが生じることが抑制される。これにより、吸収性物品の着用時等において腹側外装部材(背側外装部材)が横方向や縦方向に引っ張られた場合であっても、特定の領域(特定の貫通孔の周囲)が破れやすくなる等の問題は生じにくく、吸収性物品全体として強度を確保しやすくなる。
かかる吸収性物品製造方法であって、前記貫通孔形成工程において、回転ドラムの外周面に前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材を巻き付けた状態で前記回転ドラムを回転させることで、前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材を、前記横方向に沿った搬送方向に搬送し、前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材が前記回転ドラムによって搬送される間に、前記吸収性物品の前記横方向の中央領域において、前記弾性部材の少なくとも一部を切断する、ことが望ましい。
このような吸収性物品製造方法によれば、貫通孔を形成する工程と、弾性部材の一部を切断する工程とを同じ装置によって実現することができるため、製造装置全体をコンパクトに構成することが可能となり、また、より効率よく吸収性物品を製造することができる。
===本実施形態に係る使い捨ておむつについて===
<使い捨ておむつ1の構成について>
図1は、本実施形態の吸収性物品の一例としてのおむつ1の概略斜視図である。図2は、展開した伸長状態のおむつ1を肌側から見た平面図である。図3は、図2のA−A断面について表す図である。
以下の説明では、図1の状態(着用状態)のおむつ1は、「縦方向」と、縦方向と交差する「横方向」と、縦方向及び横方向と交差する「厚さ方向」とを有する。また、図2の状態(展開状態)でのおむつ1の長手方向を「長手方向」、おむつ1の長手方向における一端と他端をそれぞれ「上端」といい、長手方向におけるおむつ1の略中央部C10を「下端」ともいう。さらに、厚さ方向のうち、着用者に接触する側を「肌側」、その反対側を「非肌側」という。図2等におけるA−Aは、横方向中心を示している。なお、「伸長状態」とは、おむつ1を皺がなくなるまで伸長させた状態をいい、具体的には、おむつ1を構成する部材(例えば、腹側外装部材30や背側外装部材40)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長された状態をいう。
本実施形態に係る使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」と呼ぶ。)は、主に乳幼児を着用対象とした所謂3ピースタイプのパンツ型おむつであり、着用者の股間に配置される吸収性本体10と、着用者の腹側部を覆う腹側外装部材(腹側部)30と、背側外装部材(背側部)40を有している。
図2の展開状態では、吸収性本体10は、長手方向における各端部が、腹側外装部材30と背側外装部材40と重なるように、腹側外装部材30から背側外装部材40に亘って設けられ、接着剤等により腹側外装部材30及び背側外装部材40にそれぞれ肌側から接合固定されている。その外観形状は平面視略H形状をなしている。そして、長手方向の略中央部C10を折り返し位置として二つ折りして、互いに対向する腹側外装部材30と背側外装部材40の横方向の各端部である腹側外装部材側縁部30se、背側外装部材側縁部40seにて接合・連結すると、胴回り開口1HB及び一対の脚回り開口1HLが形成されたおむつ1(図1)となる。
腹側外装部材30のうち、縦方向の上側の端部30eの領域には、吸収性本体10が重ねられておらず、端部30eよりも縦方向の中央側の部分30cに吸収性本体10が重ねられている。また、腹側外装部材30のうち、横方向の中央部には、吸収性本体10が重ねられており、吸収性本体10の横端10eより横方向外側の領域30sには、吸収性本体10が重ねられていない。
同様に、背側外装部材40のうち、縦方向の上側の端部40eの領域には、吸収性本体10が重ねられておらず、端部40eよりも縦方向の中央側の部分40cに吸収性本体が重ねられている。また、背側外装部材40のうち、横方向の中央部には、吸収性本体10が重ねられており、吸収性本体10の横端10eより横方向外側の領域40sには、吸収性本体10が重ねられていない。
図2及び図3に示すように、吸収性本体10は、吸収体11と、吸収体11を肌側から覆う表面シート部材13と、吸収体11を非肌側から覆う裏面シート部材15を備えている。表面シート部材13は、不織布等の液透過性のシート部材である。裏面シート部材15は、ポリエチレン等の液不透過性の防漏シート15aと不織布等の液透過性の外装シート15bとの2層から構成されるシート部材である。また、外装シート15b等によって立体ギャザーや脚周りギャザーが形成されていても良い(不図示)。
吸収体11は、液体吸収性素材を積層してなる吸収性コアであり、尿等の排泄物を吸収することができる。吸収体11は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維や、吸収性ポリマー(SAP)等を用いることができ、本実施形態においては、平面視略砂時計形状を有している(図2)。また、吸収体11は、ティッシュペーパー等の液透過性シート(不図示)で被覆されていても良い。
腹側外装部材30及び背側外装部材40は、いずれも不織布等の柔軟な素材からなる平面視略矩形のシート部材である。図3に示すように、腹側外装部材30は、厚さ方向の肌側から順に肌側シート31及び非肌側シート32が重ねて接合されており、背側外装部材40は、厚さ方向の肌側から順に肌側シート41及び非肌側シート42が重ねて接合されている。
図3に示すように、腹側外装部材30の上部は、肌触りの向上と耐久性向上のために、非肌側シート32が、腹側外装部材30の上端である腹側上端30etを起点として、肌側の下方へ折り返されて、折り返し部分32fが形成されている。同様に、背側外装部材40の上部も、非肌側シート42が、背側外装部材40の上端である背側上端40etを起点として、肌側の下方へ折り返されて、折り返し部分42fが形成されている。
また、腹側外装部材30は、折り返し部分32fの下端部と吸収性本体10の腹側の上端部を肌側から覆うように配置したシート部材34を備えている。同様に、背側外装部材40は、折り返し部分42fより下側から、吸収性本体10の背側の上端部を肌側から覆うように配置したシート部材44を備えている。シート部材34、44は、腹側外装部材30、背側外装部材40とは異なる、不織布等からなる矩形状のシート部材である。このシート部材34、44を設けることによって、吸収性本体10の縦方向における腹側上端縁部や背側上端縁部が着用者の肌と直接接触することを抑制することができ、着用時における胴回りの肌触りを良好なものにすることができる。また、シート部材34、44は、腹側外装部材30及び背側外装部材40の縦方向の上側端部における強度を高めることができる。
さらに、腹側外装部材30及び背側外装部材40には、縦方向に所定の長さを有し、各外装部材30、40を、肌側から非肌側に貫通する貫通孔50が、縦方向及び横方向に所定の間隔で複数設けられている。貫通孔50の詳細については、後述する。
腹側外装部材30の肌側シート31と非肌側シート32の間には、横方向に沿った糸ゴム等の複数の弾性部材35、35・・・が配置されている。弾性部材35は、横方向に伸長された状態で、肌側シート31及び非肌側シート32に、接着剤により接合固定されている。複数の弾性部材35、35・・・は、縦方向に間隔をあけながら、並んで設けられている。
同様に、背側外装部材40の肌側シート41と非肌側シート42の間には、横方向に沿った糸ゴム等の複数の弾性部材45、45・・・が配置されている。弾性部材45は、横方向に伸長された状態で、肌側シート41及び非肌側シート42に、接着剤により接合固定されている。複数の弾性部材45、45・・・は、縦方向に間隔をあけながら、並んで設けられている。
弾性部材35、45は、腹側外装部材30及び背側外装部材40に対して横方向の伸縮性を付与し、腹側外装部材30及び背側外装部材40に複数の皺を形成させている。腹側外装部材30及び背側外装部材40に形成された皺の多くは、縦方向に沿った形状を有している。皺の形状については、後述する。
なお、弾性部材35、45のうち、横方向の中央部付近の吸収体11と重複する領域を非連続として、伸縮力が作用しないようにしている。これにより、吸収体11に作用する横方向の収縮が抑制されて、吸収体11が略平坦に維持されやすくなるため、排泄物の漏れ等を抑制することができる。吸収体11より横方向の外側の領域には、側方部弾性部材35s、45sが設けられている。
複数の弾性部材35は、最も上側に位置する上側弾性部材35tと、上側弾性部材35tより下側に設けられ、横方向の一方側の腹側外装部材側縁部30seから他方側の腹側外装部材側縁部30seまで連続した連続弾性部材(下側弾性部材)35mと、側方部弾性部材(下側弾性部材)35sと、最も下側に位置し、連続弾性部材35mや側方部弾性部材35sより下側で最も離れた位置に設けられている最下側弾性部材35uとを有している。
同様に、複数の弾性部材45は、最も上側に位置する上側弾性部材45tと、上側弾性部材45tより下側に設けられ、横方向の一方側の背側外装部材側縁部40seから他方側の背側外装部材側縁部40seまで連続した連続弾性部材(下側弾性部材)45mと、側方部弾性部材(下側弾性部材)45fと、最も下側に位置し、連続弾性部材45mや側方部弾性部材45sより下側で最も離れた位置に設けられている最下側弾性部材45uとを有している。
<おむつ1の製造方法>
続いて、おむつ1の製造方法について説明する。図4は、おむつ1を製造する際に行われる各工程のフローを表す図である。図5は、おむつ1の製造時の各工程について説明する概念図である。おむつ1は、おむつ1の製造ラインで図4のS101〜S107で表される各工程を実施することによって断続的に製造される。
先ず、適宜な搬送機構により、おむつ1の基材が所定の搬送方向に沿って所定の搬送速度で搬送される(S101)。ここで、「おむつ1の基材」は、腹側外装部材30のうち非肌側シート32が横方向に複数繋がった状態で連続してなる帯状非肌側シート320、及び、背側外装部材40のうち非肌側シート42が横方向に複数繋がった状態で連続してなる帯状非肌側シート420である。また、「搬送方向」は上述の「横方向」に沿った方向である。この帯状非肌側シート320及び帯状非肌側シート420が搬送方向に搬送される間に、以下の各工程の処理が実施される。但し、腹側外装部材30の肌側シート31が横方向に複数繋がった状態で連続してなる帯状肌側シート310、及び、背側外装部材40の肌側シート41が横方向に複数繋がった状態で連続してなる帯状肌側シート410が搬送されるのであっても良い。
次いで、弾性部材35が横方向に連続してなる連続弾性部材350をおむつ1の基材に取り付ける(S102)。本弾性部材取り付け工程では、連続弾性部材350の少なくとも一部に接着剤を設け、横方向(搬送方向)に伸長させた状態で、搬送方向と交差する交差方向(すなわち縦方向に沿った方向)に複数並べて帯状非肌側シート320上に配置する。そして、帯状非肌側シート320及び複数の連続弾性部材350に対して、帯状肌側シート310を厚さ方向から重ね合せて配置する。これにより、接着剤が設けられた連続弾性部材350を介して帯状非肌側シート320と帯状肌側シート310とが接合され、帯状腹側外装部材(腹側帯状部材)300が形成されると共に、該帯状腹側外装部材300に連続弾性部材350が取り付けられる。同様に、連続弾性部材450を介して帯状非肌側シート420と帯状肌側シート410とが接合され、帯状背側外装部材(背側帯状部材)400が形成されると共に、該帯状背側外装部材400に連続弾性部材450が取り付けられる。
次いで、帯状腹側外装部材300及び帯状背側外装部材400の少なくとも一方に、複数の貫通孔50が形成される(S103)。この貫通孔形成工程については後で説明する。
次いで、搬送方向に搬送される帯状腹側外装部材300と帯状背側外装部材400との交差方向の間に吸収性本体10が架け渡されるように配置され、接合される(S104)。なお、貫通孔形成工程(103)が吸収性本体接合工程(S104)よりも後に実施されるのであっても良い。すなわち、帯状腹側外装部材300(帯状背側外装部材400)に吸収性本体10が接合されてから、貫通孔50が形成されるのであっても良い。但し、貫通孔形成工程(103)は切り離し工程(S107)よりも前に行われることが望ましい。
次いで、吸収性本体10が交差方向の中央部(C10)にて折り畳まれ、帯状腹側外装部材300と帯状背側外装部材400とが厚さ方向において重なるようにする(S105)。
次いで、腹側外装部材30(背側外装部材40)の横方向両端部たる腹側外装部材側縁部30se(背側外装部材側縁部40se)に相当する位置において、帯状腹側外装部材300と帯状背側外装部材400とが接合される(S106)。
次いで、おむつ1の横方向両端部の位置(すなわち、外装部材側縁部30se,40se)の位置にて帯状腹側外装部材300及び帯状背側外装部材400が切断され、帯状部材から個々のおむつ1が切り離される(S107)。このように、搬送動作中に一連の処理を連続して実施することによって、効率よくおむつ1を製造することができる。
<貫通孔形成工程の説明>
図4で説明した貫通孔形成工程(S103)において行われる具体的な動作について説明する。図6Aは、スリットS(貫通孔50)を形成する前の伸長状態の帯状腹側外装部材300の一部を示した図である。図6Bは、スリットS(貫通孔50)を形成したときの伸長状態の帯状腹側外装部材300の一部を示した図である。図6Cは、着用状態における腹側外装部材30の一部を示した図である。
図6Aは、スリットSを形成する前の帯状腹側外装部材300について、帯状肌側シート310及び帯状非肌側シート320の皺がほぼなくなるまで伸長させた状態を示している。
続いて、図6Bに示すように、伸長状態の帯状腹側外装部材300に、一部の連続弾性部材350を横断するように、縦方向の成分を有する線状のスリットSを形成する。スリットSは、帯状肌側シート310と連続弾性部材350と帯状非肌側シート320とをカットすることで形成される。具体的には、所定のカッター(レーザーカッター等の非接触式カッターも含む)を用いて、帯状肌側シート310と帯状非肌側シート320とを厚さ方向に貫通する切り込みを入れると共に、連続弾性部材350を切断することで、スリットSが形成される。図6Bは、スリットS(切り込み)を形成した瞬間を示している。形成されたスリットSは、その後、連続弾性部材350の伸縮力の作用により図6Cのような貫通孔50となる。
図7は、貫通孔形成工程を実施する貫通孔形成装置500の一例を示す概略側面図である。貫通孔形成装置500はアンビルロール510とカッターロール520と搬送補助ロール530とを備えている。アンビルロール510は回転軸回りに回転する回転ドラム(回転体)であり、その周面には不図示の吸着機構を備えている。そして、当該周面に帯状腹側外装部材300(帯状背側外装部材400)を吸着固定した状態で回転することにより、帯状腹側外装部材300(帯状背側外装部材400)を回転方向に搬送する。
アンビルロール510の周面には、複数のアンビルブロック511が設けられている。アンビルブロック511は、アンビルロール510の軸方向(図5における交差方向に相当する)に長い部材である。また、カッターロール520は、アンビルロール510と対向する位置に配置された回転体であり、その周面にはカッターロール520の軸方向(交差方向に相当)に沿ってカッターブロック521が設けられている。そして、アンビルロール510が回転する間にカッターロール520が反対方向に回転することにより、アンビルブロック511とカッターブロック521とが周期的に対向する位置関係となる。カッターブロック521には軸方向(交差方向)に沿ったカッター部が複数設けられており、当該カッター部とアンビルロール510のアンビルブロック511とが対向して基材と当接する際に、基材に対して交差方向(縦方向)の成分を有するスリットSを形成する。搬送補助ロール530はアンビルロール510の搬送方向上流側及び下流側に設けられ、帯状腹側外装部材300がアンビルロール510の周面に沿って搬送されるのを補助しつつ、搬送される帯状腹側外装部材300に作用するテンションの大きさを調整する。搬送時に作用するテンションを一定にすることで、スリットSの位置ずれを生じにくくすることができる。
なお、貫通孔形成装置500が、連続弾性部材350,450の一部を切断する機能を有していても良い。図2において、弾性部材35、45のうち、横方向の中央部付近の吸収体11と重複する領域を非連続として、伸縮力が作用しないようにすることを説明したが、当該領域において貫通孔形成装置500によって連続弾性部材350,450が切断されるようにする。この場合、カッターロール53と同等の機能を有する弾性部材切断ロール540をアンビルロール510と対向する位置に設けることにより(図7参照)、連続弾性部材350,450を精度良く切断することができる。これにより、貫通孔50を形成する工程と、連続弾性部材350,450の一部を切断する工程とが同じ装置により実現され、製造装置をコンパクトに構成することが可能となり、より効率よくおむつ1を製造することができるようになる。なお、連続弾性部材350,450は搬送方向(横方向)の一箇所で切断されるのであっても良いし、複数箇所で切断されるのであっても良い。
本実施形態のスリットSは、線状のスリットであり、資材に対して切れ目を入れるだけで形成することができるため、従来のおむつ製造方法において所定の面積を有する形状を切り抜く場合と異なり、切り屑が生じにくい。したがって、図5で示したように基材を搬送しながら連続的におむつ1を製造する際に、切り屑を処理する工程を別途設けることなく貫通孔50を形成することができる。また、切り屑が発生して貫通孔形成装置500等おむつ1製造設備の正常な動作を妨げたり、製造設備が故障したりすることが抑制される。これにより、おむつ1の生産性を高めることが可能となり、また、おむつ1の製造コストや製造設備のメンテナンスコストを削減することができる。
図6Cは、着用者がおむつ1を着用している状態における腹側外装部材30の一部を示している。着用状態の腹側外装部材30の貫通孔50は、その輪郭が横方向の両側に開いて、貫通孔50の形状は略ひし形となる。これは、図6Cに示すように、弾性部材35が収縮することによって、貫通孔50の周囲が横方向に引っ張られるからである。これによって、着用状態において、貫通孔50がより大きく開孔するため、おむつ1の通気性をより向上させることができる。1つの貫通孔50が、より大きく開孔されることによって、より少ない数の貫通孔50で、おむつ1の通気性を確保することができる。さらに、着用前の状態においても、収縮状態の弾性部材35によって、貫通孔50を横方向により開孔させることができるため、乳幼児等の着用者におむつ1を履かせる保護者等に、外観的に貫通孔50を視認させることができ、通気性の向上を認識させることができる。
また、収縮した弾性部材35が、貫通孔50の周囲の不織布を引っ張ることによって、貫通孔50の周囲には、貫通孔50の輪郭に沿った皺が複数形成される。この複数の皺によって、おむつ1の肌触りをより柔らかくすることができる。特に、貫通孔を所定範囲の切り抜きで形成した場合には貫通孔の周囲がほぼ平坦な状態で開孔するのに対し、本実施形態においては、貫通孔50を線状のスリットSで形成しているため、貫通孔50の周囲には、開孔によって引っ張られた不織布が盛り上がり複数の皺を形成する。そのため、おむつ1の肌触りをより向上させることができる。
背側外装部材40の貫通孔50も、腹側外装部材30の貫通孔50と同様に形成される。なお、本実施形態においては、腹側外装部材30と背側外装部材40の各貫通孔50を、それぞれ別途形成する場合を考慮して説明したが、これに限られない。腹側外装部材30及び背側外装部材40を一体として形成し(S106)、貫通孔50を形成した後、腹側外装部材30と背側外装部材40に分離する(S107)ものであっても良い。
<スリットSによって形成される貫通孔50の詳細>
本実施形態のおむつ1で形成される貫通孔50の構成の詳細について説明する。図2に示すように、腹側外装部材30の貫通孔50は、腹側外装部材30のうち、折り返し部32f、シート部材34、及び吸収性本体10が設けられていない領域に複数個設けられている。具体的には、縦方向は、端部30eより下側で、かつ、シート部材34の下端より下側の領域であり、横方向は、吸収性本体10より外側に設けられている。また、腹側外装部材30の横方向における一方側と他方側とで、横方向中心A−Aに対して左右対称に配置されている。
また、貫通孔50は、縦方向において、腹側外装部材30の最も上側に位置する上側弾性部材35tより下側で、腹側外装部材30の最も下側に位置する最下側弾性35uより上側に設けられている。貫通孔50によって、連続弾性部材35m及び側方部弾性部材35sの一部が非連続とされている。上述のように、貫通孔50の形成時に、連続弾性部材350を、帯状肌側シート310及び帯状非肌側シート320と共にカットするからである。上側弾性部材35t及び最下側弾性部材35uは、貫通孔50によって非連続とはされていない。
本実施形態において、複数の貫通孔50は、千鳥状に配置されている。図8は、図2の部分Bについて拡大して示した図である。図8において、貫通孔50a(第1貫通孔)と、貫通孔50aの左斜め上に位置し、縦方向において隣接している貫通孔50b(第2貫通孔)と、貫通孔50aの上側に位置し、横方向において貫通孔50aと重なっている貫通孔50c(第3貫通孔)と、貫通孔50aの横方向の左側に位置し、縦方向において貫通孔50aと重なっている貫通孔50dを示している。また、弾性部材35a(第1弾性部材)が貫通孔50a及び貫通孔50dと縦方向で重なっており、同様に、弾性部材35b(第2弾性部材)が貫通孔50bと縦方向で重なり、弾性部材35c(第3弾性部材)が貫通孔50cと縦方向で重なっている。縦方向において、弾性部材35dは、貫通孔50aより下側に設けられており、弾性部材35eは、貫通孔50aと貫通孔50bとの間に設けられており、弾性部材fは、貫通孔50bと貫通孔cとの間に設けられている。弾性部材35d、e、fは、いずれの貫通孔50とも縦方向において重なっていない。なお、弾性部材35cは、連続弾性部材35mであり、弾性部材35a、35b、35e、35fは、側方部弾性部材35sであり、弾性部材35dは、最下側弾性部材35uである。
図8に示すように、各貫通孔50は、略ひし形の形状を有しており、貫通孔50の内側は、非肌側まで貫通している。このとき、横方向において、略ひし形の横方向の頂点と、弾性部材35の切断端がほぼ同じ位置である。そして、各貫通孔50の内側には、切断された弾性部材35が設けられておらず、切断された弾性部材35は横方向において貫通孔50内で非連続となっている。これは、貫通孔50の形成時に、貫通孔50の形成位置に設けられた弾性部材35が一緒に切断されているからである。そのため、例えば、弾性部材35aは、貫通孔50aより横方向の外側から貫通孔50dの横方向外側まで連続しており、貫通孔50a及び貫通孔50dの内側には設けられていない。同様に、弾性部材35bは貫通孔50b内に設けられておらず、弾性部材35cは貫通孔50c内に設けられていない。
また、各貫通孔50に外接する横方向に沿った辺gと縦方向に沿った辺hで囲まれた矩形領域(図8の左下斜線部)には、接着剤等が設けられていない。本実施形態においては、肌側シート31及び非肌側シート32の接合は、弾性部材35に塗布した接着剤によってなされている。
また、本実施形態において、各貫通孔50は、ほぼ同じ大きさであり、縦方向において、貫通孔50aと貫通孔50cとは、横方向において重なっている。この貫通孔50aの下端と貫通孔50cの下端との縦方向における距離をL1とし、貫通孔50の縦方向の長さL2としたとき、L1はL2より大きい(L1>L2)。
貫通孔50によって非連続にされた弾性部材と、非連続にされた弾性部材と縦方向に隣接し、貫通孔50によって非連続とされていない弾性部材との、縦方向における長さL3は、貫通孔50の長さL2より短い(L3<L2)。例えば、弾性部材35aと弾性部材35eとの距離L3が貫通孔50aの縦方向の長さL2より小さい。
また、本実施形態に係るおむつ1の製造方法によれば、スリットSの形成の仕方によって、貫通孔50の形状や該貫通孔50と縦方向において重なる弾性部材35の配置を以下のように変更することが可能である。
図9は、スリットSを縦方向にずらした場合に形成される貫通孔50aについて説明する図である。同図9では、スリットS形成時に、弾性部材35aより下側の方をより長くカットすることにより、貫通孔50aを形成している。つまり、スリットSの縦方向の中心位置からずれた位置で弾性部材35aを切断することによって、縦方向において貫通孔50aの中心位置と、弾性部材35aの位置とを簡単にずらすことができる。図9の場合、縦方向において、貫通孔50aの上側頂点(以下、単に上端etとも呼ぶ)から弾性部材35aまでの距離Luは、貫通孔50aの下側頂点(以下、単に下端ebとも呼ぶ)から弾性部材35aまでの距離Ldよりも小さい。つまり、貫通孔50aの縦方向における中心位置Cは、弾性部材35aよりも縦方向下側に位置しており、貫通孔50aは、縦方向において非対称な形状を有している。なお、図9では貫通孔50aについて示されているが、他の貫通孔50(例えば貫通孔50bや貫通孔50c)についても同様に、スリットSを縦方向にずらして形成しても良い。その際、距離Lu及びLdの長さが図9の場合と異なっていても良い。すなわち、貫通孔50毎に縦方向のずれ量が異なっていても良い。
図10は、スリットSを縦方向に対して所定の角度だけ傾けた場合に形成される貫通孔50aについて説明する図である。同図10では、スリットS形成時に、スリットSの中心位置Cが弾性部材35a(連続弾性部材350)を横断し、かつ、スリットSが縦方向に対して角度θだけ右側(図10では横方向の外側)に傾くようにカットすることにより、貫通孔50aを形成している。これにより、縦方向において貫通孔50aの横方向の一方側の端の位置と、横方向の他方側の端の位置とを簡単にずらすことができる。図10の場合、貫通孔50の横方向右側端er(以下、単に右端erとも呼ぶ)は、縦方向において中心位置Cよりも下側に位置している。これは、貫通孔50aの輪郭において、上端etと右端erとの間の長さと下端ebと右端erとの間の長さとが等しく、右端erを頂点とする2等辺三角形となることから、スリットSの傾きに応じて右端erの位置が中心位置Cよりも下側になるためである。そして、右端erの位置が中心位置Cよりも下側にずれるのに応じて、弾性部材35aの切断端(すなわち、貫通孔50a側の端)の位置も、縦方向において中心位置Cよりも下側にずれる。同様の理由により、貫通孔50aの横方向左側端el(以下、単に左端elとも呼ぶ)は、縦方向において中心位置Cよりも上側に位置することになる。そして、左端elの位置が中心位置Cよりも上側にずれるのに応じて、弾性部材35aの切断端(貫通孔50a側の端)の位置も、図10のように縦方向において中心位置Cよりも上側にずれる。
その結果、貫通孔50aは図10のように縦方向に対して角度θだけ傾いたひし形の形状となり、縦方向において貫通孔50の左端elの位置と右端erとが異なるようになる。図10では、貫通孔50aの左端elの位置と右端erの位置とが縦方向においてd50aだけずれている。したがって、貫通孔50aの横方向両側に配置されている弾性部材35aの位置も、縦方向においてd50aだけずれることになる。さらに、縦方向にd50aのずれ量が発生するのに伴って、貫通孔50の上端etの位置と下端ebの位置とが横方向においてw50aだけずれることになる。このように、貫通孔50aは縦方向及び横方向について非対称な形状を有している。
なお、図10では貫通孔50aについて示されているが、他の貫通孔50(例えば貫通孔50bや貫通孔50c)についても同様に、スリットSを縦方向に対して傾けて形成しても良い。その際、スリットSの傾き角度θがスリットS毎に異なっていても良い。すなわち、貫通孔50毎に縦方向のずれ量d50a及び横方向のずれ量w50aが異なっていても良い。
<おむつ1の有効性について>
本実施形態に係る製造方法によって製造されたおむつ1では、肌側から非肌側に貫通する貫通孔50を有することによって通気性を向上させるとともに、弾性部材35を切断することによって、弾性部材35の張力の調整を行うことができる。
例えば、図8における、弾性部材35aと縦方向で重なっている貫通孔50a及び貫通孔50dの場合について説明する。弾性部材35aと弾性部材35eは、同じ材質の弾性部材で、スリットS(貫通孔50a及び貫通孔50d)が形成される前は、同様の伸長状態で肌側シート31及び非肌側シート32へ接合固定されたものである。弾性部材35aは、スリットS(貫通孔50a及び貫通孔50d)によって切断され、弾性部材35eは、いずれのスリットSによっても切断されない。そのため、弾性部材35aと縦方向で隣接する弾性部材35eの横方向への張力の大きさをTeとし、貫通孔50dの左側(中央側)から吸収体11と厚さ方向で重なる位置まで設けられた弾性部材35aの横方向への張力の大きさをTa1としたとき、張力Ta1は、張力Teより小さい(Ta1<Te)。同様に、貫通孔50dと貫通孔50aとの間に位置する弾性部材35aの横方向への張力の大きさをTa2としたとき、張力Ta2は、張力Teよりも小さく(Ta2<Te)、また、張力Ta1よりも小さい(Ta2<Ta1)。
さらに、弾性部材35aは、貫通孔50a、50d等によって非連続とされているため、縦方向及び横方向への力が加えられた場合に、弾性部材35aは、連続している場合に比べてより自由に伸縮することができる。つまり、貫通孔50dより左側の弾性部材35aと、貫通孔50aと貫通孔50dの間に位置する弾性部材35aは、連続している場合に比べて動きに対してより自由に伸縮することができるため、横方向への動きだけでなく縦方向への動きに対しても追従しやすくなる。これによって、おむつ1の腹部や臀部のフィット性を向上させることができる。
このように、スリットS(貫通孔50)によって切断された弾性部材35と、スリットS(貫通孔50)によって切断されていない弾性部材35を設けることによって、弾性部材35の張力を調整することができるため、胴回りの締め付けを確保しつつ、過度に締め付けてしまう恐れを軽減し、おむつ1のフィット性を向上させることができる。
また、貫通孔50を形成する際に、弾性部材35に対してスリットSの中心位置Cを縦方向にずらしても良い。この場合、図9に示されるように、縦方向において貫通孔50(貫通孔50a)の中心位置Cと、弾性部材35(弾性部材35a)の位置とが異なるようになり、貫通孔50を縦方向について非対称な形状とすることができる。これによって、貫通孔50の周囲に設けられる不織布の盛り上がりによる複数の皺が、貫通孔50の上側の領域(図9で弾性部材35aよりも上側)よりも下側の領域(図9で弾性部材35aよりも下側)でより多く形成される。例えば、腹側外装部材30を伸長させた状態からおむつ1着用前等の伸長を緩めた状態にすると、貫通孔50の下側に形成された複数の皺の頂部(厚さ方向における皺の端部)が貫通孔50の横方向内側に向かって倒れ込む。その結果、貫通孔50が大きく開孔されている場合にも、外観上は、貫通孔50の下側をより小さく見せることができる。そのため、通気性を向上させつつ、着用者や保護者等に排泄物等が貫通孔から漏れてしまうのではないかと感じさせてしまう恐れを軽減させることができる。なお、縦方向における貫通孔50a(スリットS)の中心位置Cと、弾性部材35aの中心位置は、適宜変更が可能であり、必ずしも縦方向における貫通孔50aの中心位置Cを弾性部材35aの中心位置より下側に設けなくても良い。縦方向における貫通孔50aの中心位置Cを弾性部材35aの中心位置より上側に設けても良い。
また、各貫通孔50について、中心位置Cの縦方向におけるずれ量を変更することにより、各貫通孔50の周囲に形成される皺の形状や大きさを異ならせることができる。例えば、第1貫通孔50aの中心位置Cと第1弾性部材35aとの縦方向におけるずれ量と、第2貫通孔50bの中心位置Cと第2弾性部材35bとの縦方向におけるずれ量とが異なるようにする。これにより、貫通孔50aの周囲に形成される皺の形状や大きさと、貫通孔50bの周囲に形成される皺の形状や大きさとが異なるようになり、貫通孔50a,50bが設けられる位置に応じておむつ1の通気性や外観を自在に調整することができるようになる。
また、貫通孔50を形成する際に、縦方向に対してスリットSを所定の角度だけ傾けても良い。この場合、図10に示されるように、縦方向において貫通孔50(貫通孔50a)の左端elの位置と右端erの位置とが異なるようになり、縦方向及び横方向について貫通孔50を非対称な形状とすることができる。これにより、縦方向において貫通孔50aと重なるように配置されている弾性部材35aの縦方向の位置も、貫通孔50aの両側で異なるようになる。おむつ1の着用時において着用者が身体を動かしたとき、腹側外装部材30は、横方向に沿って配置されている弾性部材35の位置を基点として縦方向に折れ曲がるように変形する。すなわち、弾性部材35がおむつ1の縦方向における折れ曲がり基点となる。したがって、図10のように貫通孔50の横方向の両側で弾性部材35の縦方向位置がずれることにより(図10の場合、ずれ量はd50aで表されている)、縦方向への折れ曲がり基点を1箇所(縦方向のずれが無い場合)から2箇所(縦方向にずれている場合)に増やすことができる。これにより、腹側外装部材30が縦方向に細かく折れ曲がるようになり、おむつ1が着用者の身体の動きに追従してより変形しやすく、フィット性が向上する。
そして、貫通孔50の横方向の両側で弾性部材35の縦方向位置がずれることにより、横方向に線状に長く伸びた弾性部材の跡が着用者の肌に付いてしまうことが抑制される。さらに、上述した張力Ta1が作用する位置と張力Ta2が作用する位置とが縦方向において異なることから、貫通孔50の上下方向及び左右方向についてそれぞれ異なる力が作用し、貫通孔50の周囲に形成される皺の形状が上下左右で非対称となる。したがって、貫通孔50の外縁における不織布の盛り上がり(皺)が不規則になると共に、大きく長い皺が形成されにくくなる。これにより、おむつ1の着用時において着用者の肌に局所的な圧力が作用することや、着用者の肌に皺の跡が付いてしまうことが抑制され、肌触りをより向上させることができる。
また、図10の例では、貫通孔50の傾き方向が横方向の外側である。この場合、縦方向において、貫通孔50の左端el(横方向の内側端)は貫通孔50の中心位置Cよりも高くなり、貫通孔50の右端el(横方向の外側端)は中心位置Cよりも低くなる。すなわち、貫通孔50の左端elにおける弾性部材35の位置よりも貫通孔50の右端erにおける弾性部材35の位置の方が低くなる。このような貫通孔50が横方向の同じ位置に並んで配置される場合、隣り合う2つの貫通孔50の間で弾性部材35が横方向対して斜めに傾く。例えば、図8において横方向に隣り合う貫通孔50aと貫通孔50dとの間では、貫通孔50dの右端erから貫通孔50aの左端elに向けて弾性部材35aが斜め上方に傾くことになる。したがって、腹側外装部材30(背側外装部材40)では、弾性部材35aによって着用者の股下側(横方向の内側かつ縦方向の下側)から斜め上側(横方向の外側かつ縦方向の上側)に作用する収縮力が発現する。このように、おむつ1で縦方向において貫通孔50と重複する弾性部材35(すなわち貫通孔50によって切断されている弾性部材35)は、着用者の股下側から斜め上方向へ収縮力を作用させる。この収縮力により、吸収性本体10が横方向の外側へ拡幅されつつ、縦方向の上側に引っ張り上げられ、おむつ1着用時において吸収性本体10が身体にフィットしやすくなる。
また、各貫通孔50について、縦方向に対する傾き角度θを変更することにより、貫通孔50の横方向両端における縦方向のずれ量d50を異ならせることができる。例えば、第1貫通孔50aにおける縦方向のずれ量d50aと、第2貫通孔50bにおける縦方向のずれ量d50bとが異なるようにする。これにより、貫通孔50aの周囲に形成される皺の形状や大きさと、貫通孔50bの周囲に形成される皺の形状や大きさとが異なるようになり、また、弾性部材35aによって作用する張力の方向と弾性部材35bによって作用する張力の方向とが異なるようになる。そのため、貫通孔50a,50bが設けられる位置に応じて、上述した折れ曲がりの基点や肌触りを変化させ、おむつ1のフィット性を自在に調整することができるようになる。
また、図10の例では、貫通孔50の上端etの位置と下端ebの位置とが横方向においてw50だけずれており、これにより、フィット性を向上させることができる。おむつ1では、弾性部材35が横方向に収縮することによって、腹側外装部材30に縦方向に沿った縦皺が複数形成される。仮に、貫通孔50の上端etと下端ebとが横方向において重複していた場合、縦皺は上端et及び下端ebを縦方向に通過する直線上に形成されやすくなり、腹側外装部材30の上端から下端に亘って長く大きな皺が形成されやすい。この場合、おむつ1の着用時において着用者の肌に皺が押し当てられることによって、皺の跡が肌に付きやすくなる。これに対して、本実施形態で製造されるおむつ1では、貫通孔50の上端etと下端ebとが横方向にずれているため、貫通孔50の上下で縦皺が分断され、上述の場合と比較して大きな皺が形成されにくくなる。また、多数の細かい縦皺が横方向に並んで形成されるようになるため、該縦皺が横方向への折れ曲がりの基点となり、おむつ1が着用者の身体の動きに追従して変形しやすくなる。これにより、おむつ1のフィット性を向上させることができる。
また、図9や図10で示されるように、横方向及び縦方向の少なくともいずれかについて、貫通孔50が非対称な形状となっていれば、各々の貫通孔50の形状が目立ちやすくなり、視認性が向上する。したがって、使用者は、腹側外装部材30に貫通孔50(通気口)が設けられていることを一見して把握することが可能となり、安心しておむつ1を着用対象者に着用させることができるようになる。また、貫通孔50の形状が非対称であることによって、貫通孔50の周囲に形成される皺も非対称となるため、おむつ1着用時における肌触りを向上させることができる。
なお、図8〜図10で説明したいずれの場合についても、貫通孔50毎に横方向における幅が異なるようにしても良い。例えば、図8の貫通孔50a(第1貫通孔)と貫通孔50b(第2貫通孔)とで、横方向において左端elと右端erとの間の距離が異なるようにしても良い。このようにすれば、腹側外装部材30の領域毎に形状の異なる貫通孔50を形成することができるため、おむつ1のデザイン性や美観を高めることができる。
同様に、貫通孔50毎に開口面積が異なっていても良い。例えば、図8の貫通孔50a(第1貫通孔)と貫通孔50b(第2貫通孔)とで、開口している部分の面積(すなわちひし形の面積)が異なるようにしても良い。このようにすれば、腹側外装部材30の領域毎に開口面積が大きい部分と小さい部分とが設けられるため、汗をかきやすい脚回りや背中側において開口面積を大きくする等、貫通孔50の通気性能を調整することが可能となる。これにより、おむつ1着用時における蒸れの発生等が抑制され、おむつ着用による不快感を生じにくくさせることができる。
このように各貫通孔50の開口面積や形状が異なっていたとしても、スリットSの長さが一定であれば、貫通孔50の外縁の長さ(貫通孔50の周長)は一定である。言い換えると、各々の貫通孔50について、上端etと左端elとの間の距離、左端elと下端ebとの間の距離、下端ebと右端erとの間の距離、右端erと上端etとの間の距離の合計値は一定である。例えば図8で、第1貫通孔50aの外縁の周長と、第2貫通孔50bの外縁の周長とは等しい。つまり、各貫通孔50において、資材(例えば不織布)が切断される部分長さは一定であり、貫通孔50の周囲における強度にばらつきが生じにくくなっている。これにより、おむつ1の着用時等において腹側外装部材30が横方向や縦方向に引っ張られた場合であっても、特定の領域(特定の貫通孔50の周囲)が破れやすくなる等の問題は生じにくく、おむつ1全体として強度を確保することができる。
また、本実施形態のおむつ1では、貫通孔50の横方向の両端el,erと、スリットSによって切断された弾性部材35の切断端(貫通孔側の端)とが、縦方向において重複した位置にある。そして、貫通孔50の横方向の両端el,erが弾性部材35によってそれぞれ横方向の外側へ引っ張られることにより、該貫通孔50は、左端el、右端er、上端et、下端ebを頂点とするひし形の形状となる。これにより、十分な通気性が確保され、また、腹側外装部材30の表面に美しいひし形が揃って配置されることとなり、おむつ1の美観が向上する。また、弾性部材35の切断端は、貫通孔50の横方向の両端el,erよりも横方向の外側に位置し、該切断端が貫通孔50の内部に突出していない。すなわち、横方向について弾性部材35の切断端が貫通孔50の両端から内側にはみ出していないため、おむつ1の着用時において弾性部材35の切断端が着用者の肌と直接接触することが抑制され、着用者に違和感を与えにくくなっている。
さらに、本実施形態においては、腹側外装部材30は、肌側シート31及び非肌側シート32を有しており、肌側シート31と非肌側シート32との間に弾性部材35が配置され、少なくとも貫通孔50に外接し、横方向に沿った辺gと縦方向に沿った辺hからなる矩形領域には、接着剤が設けられていない。これによって、矩形領域内は、接着剤の固化によって貫通孔50の周囲が固くなってしまったり、開孔が不十分になってしまったりする恐れを軽減することができる。また、接着剤によって固化されていないため、貫通孔50の周囲が不織布等の素材本来の柔らかさによって、適度な皺を形成し、より柔らかい肌触りにすることができる。
さらに、本実施形態においては、縦方向において、貫通孔50bは貫通孔50aに隣接しており、縦方向において、貫通孔50aと貫通孔50bとの間に、他の弾性部材である弾性部材35eが設けられている。これによって、貫通孔50a、50bによって非連続とされた弾性部材35a、35bを設けて、締め付け力を低下させた場合であっても、弾性部材35a、35bのそれぞれに縦方向に隣接した、貫通孔50によって非連続とされていない弾性部材35eを設けることによって、おむつ1の引き締め力を確保することができ、着用時におむつ1が落ちてしまう等の恐れを軽減することができる。
さらに、本実施形態においては、貫通孔50aと貫通孔50cは、横方向において少なくとも一部が重なっており、縦方向における貫通孔50aと貫通孔50cとの間の距離L1は、貫通孔50aと貫通孔50cのそれぞれの長さ(L2)より長い。これによって、おむつ1に、着用しようとする際など、上下方向への力が加えられた場合であっても、貫通孔50a及び貫通孔50cの周囲が裂けてしまう恐れを軽減することができる。
なお、おむつ1の有効性について、腹側外装部材30を用いて説明したが、背側外装部材40についても同様である。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態においては、腹側外装部材30及び背側外装部材40に、それぞれ貫通孔50を形成したが、これに限られない。腹側外装部材30又は背側外装部材40のいずれかに貫通孔50を形成したものでも良い。但し、腹側外装部材30と背側外装部材40の両方に貫通孔50形成することによって、おむつ1の通気性をより向上させることができる。
上述の実施形態においては、腹側外装部材30及び背側外装部材40のそれぞれ肌側にシート部材34、44を設けているが、これに限られない。腹側外装部材30又は背側外装部材40のいずれかにシート部材34、44を設けても良いし、両方ともに設けなくても良い。
上述の実施形態においては、縦方向において互いに隣り合う弾性部材35の間の距離をほぼ等しく配置したがこれに限られない。弾性部材35は、縦方向において任意の間隔で配置することができ、それぞれ異なる間隔で配置しても良い。
また、図11は、他の実施形態のおむつ100を肌側から見た平面図である。図11に示すように、より汗をかきやすい下側(30c,40c)のみに貫通孔50を設けても良く、着用者のそけい部に沿って貫通孔50を配置しても良い。また、図11に示すように、腹側外装部材30及び背側外装部材40における貫通孔50の配置はほぼ同じとしても良い。貫通孔50の配置は、適宜変更することができる。
上記実施の形態に係るおむつ1は、乳幼児を着用対象としたが、これに限定されるものではなく、大人を着用対象としても良い。また、上述の実施形態においては、吸収性物品の一例として所謂3ピースタイプの使い捨ておむつ1を例示したが、何らこれに限られない。例えば、腹側部と股下部と背側部とを有した外装シートを第1部品、外装シートの肌側面に固定される吸収性本体を第2部品として有する2ピースタイプの使い捨ておむつや、テープ式の使い捨ておむつでも良い。
1、100 おむつ(吸収性物品)、1HB 胴回り開口、1HL 脚回り開口、
10 吸収性本体、10e 横端、
11 吸収体、11ta、11tb 上端、
13 表面シート部材、15 裏面シート部材、
30 腹側外装部材(腹側部)、30c 部分、30e 端部、30s 領域、
30et 腹側上端、30se 腹側外装部材側縁部、
31 肌側シート、32 非肌側シート、32f 折り返し部分、
34 シート部材、
35 弾性部材、
35a 弾性部材、35b 弾性部材、35c 弾性部材、
35h 弾性部材、35i 弾性部材、
35t 上側弾性部材、35m 連続弾性部材(下側弾性部材)、
35s 側方部弾性部材(下側弾性部材)、35u 最下側弾性部材、
40 背側外装部材(背側部)、40c 部分、40e 端部、40s 領域、
40et 背側上端、40se 背側外装部材側縁部、
41 肌側シート、42 非肌側シート、42f 折り返し部分、
44 シート部材、
45 弾性部材、
45t 上側弾性部材、45m 連続弾性部材(下側弾性部材)、
45f 側方部弾性部材(下側弾性部材)、45u 最下側弾性部材、
50 貫通孔、
50a 貫通孔(第1貫通孔)、50b 貫通孔(第2貫通孔)、
50c 貫通孔(第3貫通孔)、50d 貫通孔、50e 貫通孔、50f 貫通孔、
300 帯状腹側外装部材(腹側帯状部材)、310 帯状肌側シート、320 帯状非肌側シート、
350 連続弾性部材、
400 帯状背側外装部材(背側帯状部材)、410 帯状肌側シート、420 帯状非肌側シート、
450 連続弾性部材、
500 貫通孔形成装置、
510 アンビルロール、511 アンビルブロック、
520 カッターロール、521 カッターブロック、
530 搬送補助ロール、540 弾性部材切断ロール、
C10 中央部、
C 中心位置(貫通孔)、et 上端、eb 下端、el 左端、er 右端、
S スリット

Claims (12)

  1. 互いに直交する縦方向と横方向とを有し、
    着用者の腹側に設けられる腹側部と、前記着用者の背側に設けられる背側部と、を備え、肌側から非肌側に貫通する貫通孔を有する吸収性物品を製造する吸収性物品製造方法であって、
    前記腹側部が前記横方向に連続してなる腹側帯状部材、及び前記背側部が前記横方向に連続してなる背側帯状部材を前記横方向に沿って搬送する間に、前記横方向に伸長させた状態の弾性部材を接合する弾性部材取り付け工程と、
    前記弾性部材が取り付けられた前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材の少なくともいずれかに対して、カッターを用いて、前記肌側と前記非肌側とを厚さ方向に貫通する切り込みを入れると共に、前記弾性部材を切断することで、前記貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    を有し、
    前記縦方向において、
    前記貫通孔の前記横方向の一端における前記弾性部材の位置と、
    前記貫通孔の前記横方向の他端における前記弾性部材の位置と、
    が異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品製造方法であって、
    前記縦方向において、
    前記貫通孔の中心位置と、
    前記縦方向において前記貫通孔と重なる前記弾性部材の位置と、
    が異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  3. 請求項2に記載の吸収性物品製造方法であって、
    前記貫通孔は、前記縦方向において前記切り込みの中心位置からずれた位置で前記弾性部材を切断することによって形成される、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  4. 請求項2または3に記載の吸収性物品製造方法であって、
    第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、
    前記第1貫通孔の中心位置と、前記縦方向において前記第1貫通孔と重なる第1弾性部材の位置との間の前記縦方向における距離と、
    前記第2貫通孔の中心位置と、前記縦方向において前記第2貫通孔と重なる第2弾性部材の位置との間の前記縦方向における距離とが異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    前記貫通孔は、前記縦方向に対して所定の角度だけ傾けた前記切り込みで前記弾性部材を切断することによって形成される、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    吸収性本体を備えており、
    前記吸収性本体の一方側の端部は、前記腹側部に重ねて接合され、他方側の端部は、前記背側部に重ねて接合されており、
    前記縦方向において、前記貫通孔の前記横方向の内側端の位置が、前記貫通孔の前記横方向の外側端の位置よりも低い、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、
    前記縦方向において前記第1貫通孔と重なる第1弾性部材の、前記第1貫通孔の前記横方向の一端における位置と、前記第1貫通孔の前記横方向の他端における位置との間の前記縦方向における距離と、
    前記縦方向において前記第2貫通孔と重なる第2弾性部材の、前記第2貫通孔の前記横方向の一端における位置と、前記第2貫通孔の前記横方向の他端における位置との間の前記縦方向における距離とが異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    前記縦方向において、前記貫通孔の前記横方向の端の位置と、前記弾性部材の前記貫通孔側の端の位置とが重複している、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、
    前記第1貫通孔の前記横方向の幅と、前記第2貫通孔の前記横方向の幅とが異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、
    前記第1貫通孔の開口面積と、前記第2貫通孔の開口面積とが異なる、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    第1貫通孔と第2貫通孔とを形成し、
    前記第1貫通孔の外縁の長さと、前記第2貫通孔の外縁の長さとが等しい、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の吸収性物品製造方法であって、
    前記貫通孔形成工程において、
    回転ドラムの外周面に前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材を巻き付けた状態で前記回転ドラムを回転させることで、前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材を、前記横方向に沿った搬送方向に搬送し、
    前記腹側帯状部材及び前記背側帯状部材が前記回転ドラムによって搬送される間に、前記吸収性物品の前記横方向の中央領域において、前記弾性部材の少なくとも一部を切断する、ことを特徴とする吸収性物品製造方法。
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