JP6382426B1 - 具にバターと味噌と乳酸菌とを含む健康包皮食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】具が主成分のバターと味噌に、乳酸菌粉末を加えて円やかさと健康増進を図り、その具を、イモ類や食用粉類等を主原料とする皮で包む、健康包皮食品を提供することを目的とする。
【解決手段】 バターと味噌とを主材料として含む具と、加熱後に潰したイモ類、あるいは食用粉類等を主材料として前記具を包む皮とを具備する健康包皮食品であって、前記具には、それに含まれる前記バターと前記味噌に、乳酸菌粉末を、少なくとも添加したことを特徴とする。 前記具には、それに含まれるバターと味噌の分離を防止し一体化させるゼラチン及び/または寒天と、乳酸菌粉末とを、それぞれ添加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、イモ類、食用粉類等を含む皮で、バターと味噌と乳酸菌を含む具を包んだ健康包皮食品に関する。
従来、包皮食品として、特許文献1には、茹でたジャガイモを裏ごし、それをペースト状にした皮でバターや塩辛等を包んで加熱した饅頭が記載されている。
また、特許文献2には、バターと味噌とを含む具と、加熱後に潰したイモ類を主材料として前記具を包む皮とを具備する饅頭であって、前記具に含まれるバターと味噌の分離を防止するべく具にゼラチン及び/または寒天を添加した饅頭が開示されている。
登録実用新案第3073851号公報 特開2009−50277号公報
特許文献1では、イモ類を蒸煮又はゆで煮した後、潰したものを饅頭の皮として成形して具を包んでいるに過ぎず、特許文献2では、具としてバターと味噌が使用され、この具には、バターと味噌の分離を防止するためゼラチン及び/または寒天を添加して、具の分離を防止したものであるが、具がバターと味噌を主原料では皮の種類によって相性や食感が異なり円やかさに欠け、且つ、健康食材としの観点からして物足りないものであった。
本発明は、バターと味噌が主成分の具に乳酸菌粉末を加えて、具の円やかさと健康食としての役目を持たせ、その具を、イモ類や食用粉類を主原料とする皮で包む、健康包皮食品を提供することを目的とする。
本発明は上記問題点に鑑み、これを達成するべく、以下の構成を提供する。
つまり、一体化させたバターと味噌と、乳酸菌粉末とを主材料として含む具と、加熱後に潰したイモ類、あるいは食用粉類等を主材料として前記具を包む皮とを具備する健康包皮食品であって、前記具には、それに含まれる前記バターと前記味噌の分離を防止し一体化させるゼラチン及び/または寒天と、殺菌した乳酸菌粉末とを、少なくとも添加したことを特徴とする。
尚、殺菌した乳酸菌粉末は、バターや味噌に対して発酵作用がなく、具(11)が変質しないので好ましい。
前記具に含まれるバターの重量に対し、味噌が10〜30%重量であり、前記乳酸菌粉末が1〜5%重量であるのがよい。
前記ゼラチン及び/または寒天は、前記具に含まれるバターと味噌の重量に対して2〜5%重量であるのがよい。
具のバターと味噌に乳酸菌粉末を添加したことにより、具が乳酸菌の酸味で、円やかでさっぱりした食感を呈し、しかも体内に取り入れた乳酸菌は、腸内の老廃物や有害物質を吸着して体外に排出する働きや、免疫細胞を活性化させ、病気に対し強い免疫を発揮する効果を有する。
また、バターと味噌にゼラチン及び/又は寒天を添加することで、動物性油脂を含むバターと、植物性油脂を含む味噌との融合を可能とし、一体化した具材として扱うことができる。
更に、具を皮で包む包皮食品に於いて、乳酸菌粉末を具の方に添加したことにより、加熱調理した際に、皮が断熱材となり、中の乳酸菌に対し温度の影響がなく、乳酸菌の健康機能を維持させることができる。
本発明の健康包皮食品の実施例を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の健康包皮食品の実施例を示す断面図である。
この健康包皮食品(1)は、略中心部に具(11)があり、その周囲を皮(12)で包まれている。また、任意で該皮(12)の表面に衣(13)を付けてもよい。
また、健康包皮食品(1)は、具(11)を皮(12)で包んであればよく、例えば、饅頭、餃子、春巻き、コロッケ等であり、その外形は、例えば球体形、楕円形、椀型、円柱状等であるが、これらの形状に限定されない。また、表面に凹凸があってもよい。
皮(12)の主材料としては、加熱後に潰したイモ類が具(11)との相性が良く、最も好ましいが、食用粉類でもよく、食用粉類は小麦粉、そば粉、米粉等であり、これらを水で練って皮(12)の生地として使用される。
また、これらイモ類又は食用粉類の主材料に、バター等の油脂類と、牛乳と、生クリームとを含ませてもよく、バター等の油脂類には、バターの他に、マーガリン、チーズ、又はこれらの内の1又は複数を混合したものを含む。
このような皮(12)の主材料のみを加工して生地にしてもよいが、この主材料にゼラチン及び/又は寒天を添加して皮(12)の生地を調製するのが好ましく、ゼラチンと寒天は、何れか一方を添加してもよいし、また双方を混合して加えてもよい。
ゼラチンは混合後比較的短時間で固まり、寒天は混合後比較的長時間で固まるという違いはあるが、いずれにおいても皮(12)の硬化防止効果、及び過剰な軟化防止効果を有する。
イモ類は、ジャガイモまたはサツマイモが好適である。しかしながら、これら以外のイモ類、例えばヤーコン等でもよい。
また、厳密にはイモの種類ではないが、本発明のイモ類にはかぼちゃも含めることとする。
また、前述の加熱後に潰したイモ類とは、茹で、蒸し、焼く等の加熱調理(電子レンジ・オーブン等の使用を含む)を行った後に、ポテトマッシャー等の適宜の器具を用いて潰したり、裏ごししたりした状態のものをいう。
更に実際にイモ類を潰す際には、該イモ類の粒度の大小を調節することで所望する食感に対応可能となる。
皮(12)の主材料の好適配合例は次の通りである。
尚、適宜量の水を加えて、該皮(12)の硬度を調節できる。
また、配合例はこれに限定されず、各成分を適宜増減させて調製できることはいうまでもない。
イモ類:1kgに対して
バター:300g、牛乳:1000ml、生クリーム:1000ml、砂糖:250g
また、別の配合例として、イモ類:1kgに対して
牛乳:1400ml、鶏卵:14個
が挙げられる。
更に、上記皮(12)の主材料の混合物に対して、ゼラチン及び/又は寒天を2〜5%程度量添加することが好適である。
この割合より多く添加すると、該ゼラチン及び/又は寒天のゲル化機能が強すぎて皮(12)が硬くなりすぎ、またこれより少なくても、具(11)に含まれる油脂類の皮(12)への流出防止効果が十分に得られない。
具(11)は、少なくともバターと味噌とゼラチン及び/又は寒天及び殺菌した乳酸菌粉末を含み、その他に木の実、甲殻類、海藻、ジャム、米、トウモロコシ等の穀類、野菜、醤油、塩、マヨネーズ、カレー粉、小豆等のあん、塩辛、漬け物、挽肉、魚類のすり身及び果物からなる群から選択される1または複数の材料を、あくまでバターと味噌の風味及び食感を損なわない範囲で、嗜好に合わせて適宜含めてもよい。
以上のように、具(11)は主成分として、バターと味噌とゼラチン及び/又は寒天及び殺菌した乳酸菌粉末とを、必ず含み、更に、適量の添加物として、皮(12)により包むことができる食材であれば殆んど全ての食材が選択可能であって、味や食感のバランスを考慮しながら適宜選択する。
具(11)に添加するバターは、包皮食品によって異なるが、例えば、ジャガイモを皮とする饅頭一個分につき、その皮50gに対し、具に添加するバターの量は約9〜12g程度である。
また、具(11)にゼラチン及び/又は寒天を添加した場合、ゼラチン及び/又は寒天がゲル化した安定剤としてバターと味噌とを一体化させ、保存時にバターと味噌の分離を防止するので好ましい。
乳酸菌粉末としては、殺菌した乳酸菌の粉末であり、この乳酸菌をバターと味噌に加えても、生菌の乳酸菌のようにバターや味噌に対して発酵作用がなく、具(11)が変質しないので好ましく、この乳酸菌粉末を添加することにより、乳酸菌の酸味がバターの油を円やかにし食感がよく、乳酸菌の機能で健康増進が図れる包皮食品になる。
また、具(11)に加える乳酸菌粉末の量は、バターに対して1〜5%が好ましく、例えば、饅頭50gの場合、具(11)のバターが10gでは乳酸菌粉末を0.2g程度添加すればよい。
この乳酸菌粉末は、市販のものとして例えば、コンビ株式会社製の乳酸菌素材、商品名EC−12が使用される。
この市販の乳酸菌粉末には、1g当たり乳酸菌体が約5兆個存在し、人が通常1日に摂取するのに必要な乳酸菌体量は0.1〜0.5g程度でよいとされ、このことからして、バターに対して1%以下では乳酸菌の効果が低く、5%以上では乳酸菌を余分に取りすぎて無意味となる。
尚、包皮食品(1)によって、一個当たりのバターの量が異なるが、バターの量が少ないもの、例えば、春巻き風のもの、餃子風のものでは一度に食する数が多いので、上記乳酸菌の必要量が摂取され健康に良い。
このように、特に本発明は具に殺菌した乳酸菌粉末を添加することに最も特徴を有し、しかも皮でなく具(11)に乳酸菌粉末を入れたことにより、本包皮食品を160〜180℃の油で揚げ色がつくまで揚げても、外部の皮(12)で内部の具(11)は断熱され、具(11)の温度が上がらず120℃以下のため、乳酸菌の健康機能が保たれ、加熱調理時の影響が殆んどない点である。
仮に皮(12)に乳酸菌を加えた場合には、油等の高温(160℃〜180℃)に直接晒されて、乳酸菌の健康機能が壊され著しく低下する。従って、乳酸菌粉末は具(11)に添加するのである。
因みに、市販の乳酸菌粉末における乳酸菌体は、殺菌され熱に強い加熱耐性を有し、約120℃で10分間以下の加熱では乳酸菌の持つ健康機能が殆んど損なわれない。
尚、乳酸菌の健康機能としては、腸内環境改善、免疫細胞活性化、体質改善等である。
具(11)に入れるゼラチン及び/又は寒天の割合は、バターと味噌との混合物に対して2〜5%程度である。
また、バターと味噌との好適な混合例としては、バターに対し味噌1割〜3割程度であるが、この混合例に限定されるものでなく、嗜好に合わせて適宜調節できる。
ゼラチン及び寒天は、動物性と植物性という、所謂異種の油脂を含有するバターと味噌とを混合する際に、両者を一体化させる食用安定剤の役目として使用している。
また、皮(12)においても、前述主材料の混合物にゼラチン及び/又は寒天を添加した生地をベースとして、該ベースに前記木の実、甲殻類、海藻、ジャム、米、トウモロコシ等の穀類、野菜、味噌、醤油、塩、マヨネーズ、カレー粉、小豆等のあん、塩辛、漬け物、挽肉、魚類のすり身及び果物からなる群から選択される1または複数の材料を、粉末の状態或いは顆粒の状態にして適宜練り込むこともできる。
このようにして調製された皮(12)は、皮(12)自体に味のバリエーションが得られると共に、前述具(11)との組み合わせによって、全体として味の深みと奥行きを持たせることができる。
皮(12)の表面につける衣(13)は必須でなく、小麦粉や片栗粉あるいはパン粉等でよい。また、他の食用粉類でもよい。
参考のために、本発明の健康包皮食品(1)の一例として、饅頭の調理方法は次の通りである。
先ず、皮(12)の主材料並びにゼラチン及び/又は寒天を混合し、皮(12)の生地を成形する。
次に、バターと味噌及び殺菌した乳酸菌粉末とを混合した具(11)を用意し、更にゼラチン及び/又は寒天を加える
そして、饅頭1個分の皮(12)約51gの材料で饅頭1個分の具(11)約10gを包みこみ、適宜の形状に成形し、最後に、饅頭を加熱調理する。
最後の加熱調理は、「茹で」、「揚げ」、「焼き」及び「蒸し」からなる群から選択される何れかの調理手段が用いられ、電子レンジやオーブンの使用を妨げない。
尚、この饅頭を170℃の油で3分揚げた際の具の温度は約90℃であった。
また、前記饅頭1個分(約50g)の具(約10g)には、殺菌した乳酸菌粉末が約0.2g添加されている。
本発明の健康包皮食品(1)は、最後の加熱調理を行う前に冷凍することもできる。
これによって長期間の保存が可能となり、また流通の利便を図ることが容易となるばかりか、冷凍した状態のまま店頭に置くこともできる。
具(11)に添加した乳酸菌粉末は、健康包皮食品に冷凍加工を施しても、長期にわたって乳酸菌の機能が失われることはなく、消費者は健康包皮食品を必要量だけ解凍し、油で揚げる等の前述加熱調理を適宜行うことによって、美味しく食することができる。
以上のように、本発明の健康包皮食品(1)は、従来の物に比べ、食感が円やかになり、しかも乳酸菌が有する健康機能が加わり健康食として食することが出来る。
1 健康包皮食品
11 具
12 皮
13 衣

Claims (3)

  1. 一体化させたバターと味噌と、乳酸菌粉末とを主材料として含む具と、加熱後に潰したイモ類、あるいは食用粉類等を主材料として前記具を包む皮とを具備する健康包皮食品であって、前記具には、それに含まれる前記バターと前記味噌の分離を防止し一体化させるゼラチン及び/または寒天と、殺菌した乳酸菌粉末とを、少なくとも添加したことを特徴とする健康包皮食品。
  2. 前記具に含まれるバターの重量に対し、味噌が10〜30%重量であり、前記乳酸菌粉末が1〜5%重量であることを特徴とする請求項1記載の健康包皮食品。
  3. 前記ゼラチン及び/または寒天は、前記具に含まれるバターと味噌の重量に対して2〜5%重量であることを特徴とする請求項1又は2記載の健康包皮食品。
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