JP6379554B2 - 既製杭、及び既製杭の支持方式 - Google Patents

既製杭、及び既製杭の支持方式 Download PDF

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Description

本発明は、建造物等の基礎構造として用いられる既製杭、及び既製杭の支持方式に関する。
建造物等の基礎構造として、PHC杭、RC杭、PRC杭、鋼杭、SC杭、節杭等の既製杭を地盤に形成された杭孔内に埋設してなる杭基礎が多用されている。既製杭は、工場での製造や施工現場への輸送制限等を考慮して、通常、その長さの最大値が10〜15m程度に制限される。このため、杭の施工現場における支持層が深く、杭孔が50〜70mの深さを有する場合には、当該施工現場で複数の既製杭を溶接継手や無溶接継手等を介して継ぎ足す、いわゆる「継ぎ杭工法」が採用される。
すなわち、プレボーリングした杭孔に対して、下杭の頂部を地上に出した状態で保持して、その下杭の頂部上に上杭を吊り込んで双方の杭を順次一体的に略鉛直方向に接合して、杭孔に沈設していく。その作業過程において、下杭の頂部を地上に出した状態で保持するために、従来では、杭孔開口部に保持台を置き、当該保持台に固定したワイヤを既製杭の外周面に巻いて、既製杭を保持する方法が使用されていた。
しかしながら、杭基礎に建てられる建造物の高層化、大型化に伴って既製杭の径が1200mm程度まで大径化し、重量が70t程度まで重量化することにより、ワイヤによる杭保持では、安全面や施工現場における作業効率等において、各種問題が発生していた。例えば、既製杭の重量化に伴い、ワイヤが連結した既製杭の重量を支えきれずに切断したり、作業中に下杭が動いてしまうおそれがあり、後の既製杭の連結作業に危険が生じる問題があった。一方、杭の重量に耐久可能とするためにワイヤを太くすれば、ワイヤが切れるおそれは低減するが、ワイヤが堅くて折り曲げ難いため、強い締め付け力を付与することが困難となり、施工現場でのワイヤによる下杭の固定作業に手間を要していた。
複数の既製杭を継ぎ足して連結させる際に、ワイヤを用いずに上杭と下杭を連結可能とする従来技術について、下杭を保持する杭保持装置を杭孔の開口部に設置する手法が特許文献1、特許文献2で開示されている。これら特許文献に係る従来技術は、何れも既製杭の上端から所定距離に杭孔径内に納まる形状大きさの係止手段を形成して、当該係止手段を係止可能な保持筒等の保持手段に保持することによって、ワイヤを用いずに上杭と下杭を連結可能としている。
特開2008−248493号公報 特許4437234号公報
複数の既製杭を連結させる際に、ワイヤを使わずに杭保持装置によって大径化、重量化された既製杭を安定した状態で保持するためには、既製杭に設けられる係止手段がある程度以上の重量に対する耐久性を有する必要がある。また、複数の既製杭を連結させて杭孔に建て込む際には、施工作業の効率を高めるためにも、杭保持装置による既製杭の保持がぶれることなく、より確実に定位置に保持されることが重要となる。特許文献1及び特許文献2の既製杭の埋設方法では、何れもワイヤを使用しないで、複数の既製杭を連結可能としているが、重量に対する係止手段の耐久性、及び定位置での保持状態の維持に課題が残る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大径化、重量化された既製杭をより確実に定位置で安定させて支持することの可能な、新規かつ改良された既製杭、及び既製杭の支持方式を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、杭孔に建て込まれる既製杭であって、略円柱形状又は略円筒形状の杭本体と、前記杭本体の外周面に沿って環状に一体成型され、該外周面の所定の位置から前記杭本体の一端部を有する方向に拡径して形成される連続面が設けられる環状凸部と、を備えており、前記環状凸部は、前記外周面の前記所定の位置から前記一端部を有する方向に一定の割合で拡径して形成されるテーパ面と、当該テーパ面の頂部から前記一端部を有する方向に縮径して形成される他のテーパ面とを有し、前記テーパ面の前記頂部から前記外周面に降ろした垂線に対する前記他のテーパ面のテーパ角は、少なくとも前記外周面に対する前記テーパ面のテーパ角の大きさ以上であり、前記テーパ面は、前記杭孔への建て込み時に前記既製杭を前記テーパ面にて支持した際に、前記テーパ面に作用する圧力が前記既製杭の破壊応力よりも小さくなる面積を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、既製杭の外周面の所定の位置に係止手段として、このような連続面を有する環状凸部を設けることによって、杭保持装置や杭吊り装置で既製杭を支持する際に当該連続面に均等に荷重がかかるようになるので、既製杭が定位置に安定した状態で支持されるようになる。また、環状凸部の連続面としてテーパ面を設けることによって、杭保持装置や杭吊り装置で既製杭を支持する際に、当該テーパ面に均等に荷重がかかり易くなるので、既製杭を定位置に安定した状態で支持可能となる。さらに、環状凸部が杭本体の軸方向に安定した構造となるので、より大きな荷重に耐えられるようになる。
また、本発明の他の態様は、既製杭を杭孔に建て込む際に該既製杭を略鉛直方向に支持する既製杭の支持方式であって、上記の何れかに記載の既製杭と、略円筒形状を呈し、前記既製杭の外周面に沿って環状に形成された環状凸部と嵌合可能な環状凹部が内周面側に形成され、前記環状凸部を覆うように前記既製杭に巻着され、該既製杭を略鉛直方向に支持可能な支持受部とを備えることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば、既製杭の外周面の所定の位置に連続面を有する環状凸部を設け、支持受部の内周面側に環状凹部を設けることによって、既製杭を支持受部で支持する際に、支持受部の環状凹部に対向する連続面に均等に荷重がかかるようになる。このため、大径化、重量化された既製杭をより定位置に安定した状態で支持可能となる。
このとき、本発明の他の態様では、前記既製杭の前記環状凸部の前記連続面は、前記外周面の所定の位置から前記既製杭の一端部を有する方向に一定の割合で拡径して形成される杭側テーパ面であり、前記支持受部に形成された前記環状凹部は、前記支持受部の内周面に沿って環状に形成され、前記略鉛直方向における該内周面の底部側から頂部側に向けて一定の割合で拡径して形成される支持側テーパ面であり、前記既製杭が前記支持受部によって支持される際に、前記杭側テーパ面と前記支持側テーパ面が互いに対向することとしてもよい。
このようにすれば、環状凸部の連続面として杭側テーパ面を設け、支持受部の内周面側に環状凹部として、杭側テーパ面と対向する支持側テーパ面を設けることによって、杭側テーパ面と支持側テーパ面が密接し、既製杭を支持受部で支持する際に、支持受部の環状凹部に対向する杭側テーパ面に均等に荷重がかかり易くなる。このため、大径化、重量化された既製杭を定位置に安定した状態で支持することが可能になる。
また、本発明の他の態様では、前記支持受部は、前記既製杭を杭孔に建て込む際に、前記杭孔の開口部で前記既製杭を略鉛直方向に保持する杭保持装置に適用されることとしてもよい。
このようにすれば、既製杭を杭孔に建て込む際に、杭保持装置で既製杭を保持する際に、より安定した状態で定位置に既製杭を略鉛直方向に保持することができる。
また、本発明の他の態様では、前記支持受部は、前記既製杭を杭孔に建て込む際に、前記既製杭を吊り上げる杭吊り装置に適用されることとしてもよい。
このようにすれば、既製杭を杭孔に建て込む際に、杭吊り装置で既製杭を吊り上げる際に、より安定した状態で既製杭を略鉛直方向に支持することができる。
以上説明したように本発明によれば、既製杭の外周面の周囲にわたってテーパ面が形成された環状凸部が設けられるので、杭保持装置等の支持受部によって、大径化、重量化された既製杭をより確実に安定させて定位置で支持することができる。
本発明の一実施形態に係る既製杭の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る既製杭に備わる環状凸部の概略構成を示す部分断面図である。 (A)乃至(C)は、本発明の一実施形態に係る既製杭に備わる環状凸部の変形例の概略構成を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る既製杭の支持方式に備わる支持受部の一適用例となる杭保持装置の概略構成を示す斜視図である。 図4のA−A断面図である。 本発明の一実施形態に係る既製杭の支持方式に備わる支持受部を適用した杭保持装置の構成を示す平面図である。 (A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る既製杭の支持方式に備わる支持受部を適用した杭保持装置の一接続部を開放した状態を示す平面図である。 (A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る既製杭の支持方式に備わる支持受部を杭保持装置に適用した場合の施工動作の説明図である。 (A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る既製杭の支持方式に備わる支持受部を杭吊り装置に適用した場合の施工動作の説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る既製杭の概略構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る既製杭の概略構成を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る既製杭10は、施工現場で杭孔50(図4参照)に建て込む際に、ワイヤを用いずに既製杭10を支持することによって、効率的に上杭と下杭を連結可能とするために、既製杭10に備える係止手段の形状、構造、製法等に特徴を有するものとなっている。
既製杭10は、図1に示すように、略円柱形状の杭本体12と、当該杭本体12の外周面12cの所定の位置に沿って環状に一体成型された環状凸部18とを備える。本実施形態では、杭保持装置100(図4参照)を用いて既製杭10を所定の高さ位置で保持するための係止手段として、既製杭10の上端から所定距離に、杭孔50の内径に納まる形状大きさを有する環状凸部18を一体成型で設けたことを特徴とする。
このような環状凸部18を設けることによって、施工現場で複数の既製杭10を継ぎ足して連結させて杭孔50に建て込む際に、当該環状凸部18が杭保持装置100で係止されて、定位置で安定して保持されるようになるので、ワイヤを用いずに上杭と下杭を連結できる。なお、本実施形態では、杭本体12の形状を略円柱形状としているが、その外周面12cの断面が略円形となる曲面となっていればよいので、杭本体12の形状は、略円柱形状以外にも、中心部が中空となる略円筒形状としてもよい。
環状凸部18は、既製杭10の遠心成型時に杭本体12と一体に成型される。本実施形態では、環状凸部18は、継ぎ杭工法で上杭と下杭とを連結させる際に、下杭を定位置に保持して、安定した杭の建て込み等の施工作業を効率的に行えるようにするために、通常、杭本体10の頂部12aに近い部位の外周面12cに設けられる。なお、環状凸部18の設置部位は、杭本体12の外周面12cの何れかに設けられていればよいので、その形成部位は、頂部12aに近い領域に限定されない。
また、環状凸部18は、外周面12cの所定の位置から杭本体12の頂部12aへ向かって拡径して形成される連続面が設けられる。本実施形態では、環状凸部18の連続面として、杭本体12の外周面12cの所定の位置から頂部12aが有する方向(図1に示すY方向)に一定の割合で拡径して形成されるテーパ面14が設けられる。すなわち、環状凸部18に設けられる連続面として、外周面12cと一定のテーパ角をなすテーパ面14が設けられる。
このように、本実施形態では、環状凸部18の形状を既製杭10の外周面12cの周囲に連続して形成されるテーパ面14とすることによって、当該テーパ面14に均等に荷重がかかり易くなるので、既製杭10を定位置に安定した状態で支持できる。また、既製杭10を杭保持装置100等で保持した際に、係止手段となるテーパ面14に既製杭10の荷重が均等にかかり易くなるので、環状凸部18にかかる既製杭10の荷重をより分散させて、その耐久度を向上させることができる。さらに、環状凸部18の形状をテーパ面14とすることによって、既製杭10を杭孔50内に挿入しながら、杭孔50の中心軸と既製杭10の中心軸とを一致させることができる。
また、本実施形態では、 環状凸部18には、テーパ面14の頂部14aから杭本体12の一端部となる頂部12aを有する方向に縮径して形成される他のテーパ面として、頂部側テーパ面16(図2に示す14aから16aまで)が更に設けられている。すなわち、杭本体12の頂部12a側に向けて、テーパ面14と逆方向に傾斜する頂部側テーパ面16が展開される。
このように、環状凸部18が下側のテーパ面14と上側の頂部側テーパ面16を備える構成とすることによって、環状凸部18が杭本体12の軸方向(図1に示すY方向)に安定した構造となるので、既製杭10を杭保持装置100等で保持した際に、環状凸部18がより大きな荷重に耐えられるようになる。すなわち、大径化に伴う重量化が進む既製杭10を施工現場の杭孔50に建て込む場合でも、既製杭10を杭保持装置100で保持することによって、ワイヤレスでの施工に適用できるようになる。
次に、本発明の一実施形態に係る既製杭10に備わる環状凸部18の構成の詳細について、図面を使用しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る既製杭10に備わる環状凸部18の概略構成を示す部分断面図である。
まず、環状凸部18の高さ、すなわちテーパ面14の頂部14aから杭本体12の外周面12cに降ろした垂線h1の長さは、既製杭10の重量や径によって決まる。例えば、垂線h1の長さと既製杭10の重量とは比例関係であり、既製杭10の重量が大きくなるにつれて垂線h1も長くなる。
次に、テーパ面14の長さ、すなわち外周面12cよりテーパ面14へ変化する開始地点14bから頂部14aに至るまでの長さlは、テーパ面14の全体の面積や既製杭10の重量、既製杭10の破壊応力等に基づいて決まる。具体的には、既製杭10を支持した際に、テーパ面14に作用する圧力が既製杭10の破壊応力PTよりも小さくなるように、テーパ面14の面積を調整するために、テーパ面14の長さlを調整する。
ここで、既製杭10の重量Pをテーパ面14の全体で支持すると仮定して、当該既製杭10の外径をLとした場合におけるテーパ面14に作用する圧力Tは、近似的に下記の式(1)で示される。
T=P/(π・L・l)・・・・・(1)
既製杭10がテーパ面14で支持されるためには、テーパ面14に作用する圧力Tは、既製杭10の破壊応力PTより小さい必要がある。ここで、既製杭10の破壊応力PTは、当該既製杭10の仕様によって与えられる規定値である。
そこで、上記の式(1)をかかる条件で変形すると、下記の式(2)の条件を満たす。
T=P/(π・L・l)<PT・・・・・(2)
前述の式(2)を更に変形すると、下記の式(3)の条件を満たし、当該式(3)から、必要最小限のテーパ面14の長さlが決まる。
l>P/(π・L・PT)・・・・・(3)
そして、図2に示すように、環状凸部18の高さ(垂線h1)とテーパ面14の長さlが決まると、外周面12cに対するテーパ面14がなす角度であるテーパ角θ1の値が求まる。
本実施形態では、例えば、既製杭10の杭本体12の外径を1000mmとした場合に、環状凸部18の高さh1は、20mm程度となる。また、このときのテーパ面14の長さは、400mm程度となる。このことから、テーパ面14のテーパ角θ1は、5度未満の極めて小さい角度となる。本発明者は、前述した本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本実施形態の既製杭10に備わる環状凸部18のテーパ面14のテーパ角θ1を5度未満の微小な角度としても、定位置における安定した支持が可能となることを見出した。
また、既製杭10の杭本体12の外周面12cに設けられる係止手段を微小なテーパ角θ1のテーパ面14が設けられる環状凸部18とすることによって、環状凸部18が既製杭10の杭本体12の外周面12cから殆ど隆起しない構成となる。このため、既製杭10を建て込む杭孔50の内径を必要以上に大径化させる必要がなくなり、かつ、既製杭10の保管場所の省スペース化が図れる。
一方、テーパ面14の頂部14aから杭本体12の外周面12cに降ろした垂線h1に対する頂部側テーパ面16のテーパ角θ2は、テーパ面14の上端側で既製杭10を支持することによって、環状凸部18に不均一に荷重がかかる場合を考慮すると、ある程度の大きさが必要となる。具体的には、テーパ面14の荷重に対する垂直抗力による環状凸部18の破損を未然に防止するために、頂部側テーパ面16のテーパ角θ2は、少なくとも環状凸部18の下側に有するテーパ面14のテーパ角θ1以上の大きさであることが好ましい。
すなわち、頂部側テーパ面16のテーパ角θ2を、少なくともテーパ面14のテーパ角θ1以上の大きさとすることで、垂直抗力を環状凸部18で支持することなく当該垂直抗力全てを杭本体12へ伝達することが可能となる。テーパ面14と頂部側テーパ面16とのテーパ角の大きさをこのような関係とすることによって、特に、頂部側テーパ面16も含めて環状凸部18が杭本体12の軸方向に安定した構造となるので、より大きな荷重に耐えられるようになる。
ここで、頂部側テーパ面16の構成条件に関して、具体的に検証する。外周面12cに対するテーパ面14がなす角度を示すテーパ角θ1が45度以下の場合では、テーパ面14の上端側で杭の重量を支持しても、環状凸部18のテーパ面14の破損を防止するためには、前述したように、頂部側テーパ面16のテーパ角θ2を少なくともテーパ面14のテーパ角θ1以上の大きさとすることが好ましい。
このため、テーパ面14の頂部14aから杭本体12の外周面12cに降ろした垂線h1の足14cと外周面12cよりテーパ面14へ変化する開始地点14bとの距離L1と、当該垂線h1の足14cと頂部側テーパ面16と外周面12cとの境界16aとの距離L2に関して、テーパ角θ1とテーパ角θ2は、それぞれ下記の式(4)及び式(5)の条件を満たす必要がある。
tanθ1=h1/L1・・・・・(4)
tanθ2=L2/h1・・・・・(5)
θ2とθ1が等しい場合は、下記の式(6)の条件を満たす。
tanθ1=h1/L1=L2/h1=tanθ2・・・・・(6)
前述の式(6)より、距離L2は、下記の式(7)の条件を満たす。
L2=(h1)/L1・・・・・(7)
ただし、前述の式(7)の条件を満たすことが好ましいが、テーパ面14のテーパ角θ1が45度以下の場合では、環状凸部18のテーパ面14は、L2が0でも大きな荷重に対する耐性維持が可能となる。
従って、距離L2は、下記の式(8)の条件を満たすことが好ましい。
0≦L2≦(h1)/L1・・・・・(8)
なお、テーパ角θ1が45度以下の場合では、環状凸部18のテーパ面14の破損リスクが小さいので、距離L2が(h1)/L1より大きい態様としてもよい。
一方、テーパ角θ1が45度より大きい場合では、環状凸部18のテーパ面14の破損を防止するためにも、頂部側テーパ面16を必ず設ける必要がある。また、前述したように、θ2は、θ1より大きいことが好ましいので、距離L2は、下記の式(9)の条件を満たす必要がある。
L2≧h1tanθ2≧h1tanθ1=(h1)/L1・・・・・(9)
なお、既製杭10の杭本体12の外周面12cに設けられる環状凸部18の形状は、図1に示す本実施形態の形状に限定されない。すなわち、環状凸部18が杭本体12の外周面12cに沿って環状に一体成型され、かつ、当該環状凸部18が杭本体12の頂部12a側へ向かって拡径して形成される連続面となっていればよい。
例えば、図3(A)に示すように、環状凸部28の頂部側テーパ面26(図中の24aから26aまで)の方が底部側のテーパ面24(図中の24aから24bまで)よりも外周面12cに対するテーパ角が小さい構成とすることも可能である。また、図3(B)に示すように、環状凸部38の頂部側テーパ面を設けずに、底部側のテーパ面34(図中の34aから34bまで)のみを設ける構成としてもよい。さらに、環状凸部48の下部が連続面となっていればよいので、図3(C)に示すように、環状凸部48の連続面が内側に抉るような曲面44(図中の44aから44bまで)としてもよい。
このように、本実施形態では、施工現場で既製杭10を略鉛直方向に支持する際における係止手段として、杭本体12の外周面12cに沿って環状に展開するテーパ面14、16により構成された環状凸部18を一体成型によって設けた。このため、従来のように、別体で成型したブロック状の係止手段を溶接等により外周面に備え付けたものや、一体成型でも板状のフランジ部を係止手段としたものと比べると、既製杭10の荷重に対する耐久度が向上する。すなわち、既製杭10が大径化に伴って重量化が進んでも、環状凸部18が既製杭10を略鉛直方向に支持する際における係止手段としての持続性が向上する。
また、環状凸部18は、遠心成型時に杭本体12と一体に成型されるので、従来のように別部材の係止手段を取り付けるよりも、その設置が容易に行え、かつ、杭本体12から外れにくい構造となる。このため、ワイヤレスでの施工が可能な係止手段を備える既製杭10の生産効率と、係止手段としての耐久度を向上させられる。
さらに、既製杭10の外周面12cの所定の位置にこのような連続面を有する環状凸部18を設けることによって、後述する杭保持装置や杭吊り装置で既製杭を支持する際に、当該環状凸部18の連続面に均等に荷重がかかるようになる。特に、環状凸部18の連続面としてテーパ面14を設けることによって、杭保持装置や杭吊り装置で既製杭10を支持する際に、当該テーパ面14に均等に荷重がかかり易くなるので、既製杭10を定位置に安定した状態で支持可能となる。
次に、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式の一適用例となる杭保持装置100の構成について、図面を使用しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式に備わる支持受部の一適用例となる杭保持装置100の概略構成を示す斜視図であり、図5は、図4のA−A断面図である。なお、図5は、既製杭10を保持している状態の杭保持装置100の連結部106、107を回避したA−A断面図となっている。
図4及び図5に示すように、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式は、既製杭10を杭孔50に建て込む際に当該既製杭10を略鉛直方向に支持する際に使用される。すなわち、既製杭10の支持方式は、前述した本実施形態に係る既製杭10と、当該既製杭10に備わる環状凸部18を覆うように既製杭10に巻着されて、既製杭10を略鉛直方向に支持可能な支持受部とを備える。本実施形態では、当該支持受部として、杭保持装置100が適用される。
本実施形態の杭保持装置100は、杭孔50に既製杭10を建て込む際に、既製杭10を略鉛直方向に保持するために、杭孔50の開口部50aに設置して使用される。杭保持装置100は、図4に示すように、既製杭10の杭本体12の外周面12c(図1参照)の所定の部位に巻着される略円筒形状の保持筒体102と、当該保持筒体102の底部側に設けられ、保持筒体102より外径が大きいフランジ部104とを備える。本実施形態では、杭保持装置100は、杭孔開口部50aに設置する際に、当該開口部50aの周囲に略U字型の杭受け台60を設けてから、当該杭受け台60にフランジ部104が載置されるようにして、杭孔50の開口部50aに設置される。
なお、本実施形態では、杭保持装置100を杭受け台60に載置するために補助部材としてフランジ部104を設けたが、当該補助部材は、フランジ形状に限定されるものではなく、例えば、保持筒体102の外周面側に取り付けた縦リブ等でもよい。また、杭孔50が形成される地盤GNが安定している場合等には、杭受け台60を置かずに、直接、杭保持装置100のフランジ部104を開口部50aに載置してもよい。
保持筒体102は、その内周面側に既製杭10の外周面12cに形成された環状凸部18と嵌合可能な環状凹部が形成され、当該環状凸部18を覆うように既製杭10に巻着されることによって、既製杭10を略鉛直方向に支持する。本実施形態では、図5に示すように、環状凹部として、保持筒体102の内周面側に当該保持筒体102の底部102b側から頂部102a側に向けて一定の割合で拡径して形成されるテーパ面102cが設けられる。また、本実施形態では、環状凹部となるテーパ面102cと環状凸部18とを嵌合させて、保持筒体102が既製杭10をがたつかせることなく安定させて保持するために、当該テーパ面102cのテーパ角は、既製杭10の杭本体12の外周面12cに設けられた環状凸部18のテーパ面14と略同一となっている。
テーパ面102cは、保持筒体102の内周面側に沿って環状に形成され、更にその内周面側には、所定の範囲内のゴム硬度を有する硬質ゴム等からなる衝撃緩衝部材110が設けられる。本実施形態では、既製杭10を杭保持装置100で支持する際に、既製杭10への衝撃を確実に緩和し、かつ既製杭10の製造誤差等に基づくクリアランスがある場合における既製杭10のがたつきを低減して、定位置における安定した保持が可能となるように、衝撃緩衝部材110のゴム硬度は、50度以上100度未満の範囲内としている。なお、本明細書中における「ゴム硬度」とは、ISO7619やJIS_K_6253の規格に基づいたデュロメータを計測器に用いて測定した弾性材や緩衝材の硬度をいう。
このように、本実施形態では、既製杭10を杭保持装置100で支持する際に、既製杭10の環状凸部18に設けられるテーパ面14(杭側テーパ面)と、保持筒体102の内周面側に設けられるテーパ面102c(支持側テーパ面)が衝撃緩衝部材110を介して互いに対向する構成となっている。すなわち、杭側テーパ面14は、保持筒体102の支持側テーパ面102cに設けられる衝撃緩衝部材110と当接する。このため、既製杭10を杭保持装置100で支持する際に、支持側テーパ面102cに対向する杭側テーパ面14に均等に荷重がかかり易くなる。従って、大径化に伴い重量化された既製杭10を杭孔50に建て込む際に、定位置に安定した状態で支持することが可能になる。
次に、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式に備わる支持受部を適用した杭保持装置100の詳細な構成について、図面を使用しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式に備わる支持受部を適用した杭保持装置100の構成を示す平面図であり、図7(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式に備わる支持受部を適用した杭保持装置100の一接続部を開放した状態を示す平面図である。
本実施形態に係る杭保持装置100は、図6に示すように、保持筒体102は、略円弧形状の曲面板となる保持具片103を4つ環状に配列して連結することによって、略円筒形状に構成される。各保持具片103は、それぞれの両端部が互いに連結部106、107を介して、連結されている。
これら連結部106、107のうち、図6における紙面の左右両端側に有する支持固定用連結部106a、106cは、それぞれ回転用固定ピン105a、105cで連結されている。すなわち、支持固定用連結部106aは、保持具片103a、103bを回転可能に支持している。一方、支持固定用連結部106cは、保持具片103c、103dを回転可能に支持している。
これに対して、開閉用連結部106bは、着脱が可能な開閉用脱着ピン105bで支持されている。このため、開閉用連結部106bは、開閉用脱着ピン105bを外すと、図7(A)に示すように、保持具片103b、103cがそれぞれ支持固定用連結部106a、106cを中心に回転自在となって、開放されるようになる。すなわち、開閉用連結部106bは、開閉用脱着ピン105bの抜き差しによって着脱可能に構成され、既製杭10に杭保持装置100を着脱する際には、開閉用脱着ピン105bを外して、開閉自在となった保持具片103b、103cを動かせる。
一方、開閉用連結部106bに対向する固定用連結部107は、不図示のネジやボルト等の接続部材によって保持具片103a、103dを連結している。すなわち、固定用連結部107は、通常、保持具片103a、103dを連結した状態で固定している。しかしながら、開閉用連結部106bの開閉用脱着ピン105bが経年変化や摩耗等により、固定されて外れなくなった場合等の緊急時に杭保持装置100を既製杭から外す際に、固定用連結部107のボルト等を外して、図7(B)に示すように、開閉自在となった保持具片103a、103dを動かす。すなわち、固定用連結部107は、ボルトやネジの脱着によって着脱可能に構成され、緊急時等における保持筒体102の開放手段となる。
このように、本実施形態では、保持筒体102を4つの保持具片103a、103b、103c、103dを連結部106、107で連結した構成としているので、保持筒体102の開閉が容易に行えるようになり、既製杭10に保持筒体102を装着し易くなる。このため、施工現場における既製杭10の建て込み作業の効率化が図れる。なお、本実施形態では、4つの保持具片103a、103b、103c、103dから保持筒体102が構成されているが、保持具片103の数は、4つに限定されず、少なくとも3つ以上の保持具片103が環状に配列されて連結される構成となっていればよい。
次に、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式を杭保持装置100に適用した場合の施工動作について、図面を使用しながら説明する。図8(A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る既製杭10の支持方式に備わる支持受部を杭保持装置100に適用した場合の施工動作の説明図である。
まず、図8(A)に示すように、杭孔50の開口部50aに杭受け台60を設置する。そして、次に、吊り治具152及び吊り治具端板154からなる杭吊り装置150を既製杭10の頂部に取り付けて、既製杭10を吊り上げる。具体的には、吊り治具152を既製杭10の頂部に取り付けると共に、既製杭10の頂部に吊り治具端板154をボルトやナット等で取り付けて、ワイヤ156を介して、既製杭10を吊り上げる。そして、施工現場となる地盤GNに形成された杭孔50へ既製杭10を移動させる。
次に、図8(B)に示すように、杭保持装置100を杭受け台60上に設置する。その際に、杭保持装置100の開閉用脱着ピン105bを外して、保持具片103b、103cがそれぞれ開放された状態(図7(A)参照)で設置する。
続いて、開放された状態の杭保持装置100の内方を通過するように既製杭10を杭孔50内に建て込む。既製杭10を杭孔50に建て込む過程において、環状凸部18のテーパ面14が杭孔50の開口部50aに近づいてきたら、開閉用脱着ピン105bを開閉用連結部106bに挿入して保持具片103b、103cを連結し、杭保持装置100を閉じた状態(図6参照)にする。
その後、既製杭10を降下させて、環状凸部18のテーパ面14と杭保持装置100のテーパ面102cとを密接させることで杭保持装置100により既製杭10を保持する。そして、既製杭10から杭吊り装置150を取り外す。
本実施形態では、環状凸部18の下側にテーパ面14を設け、かつ、杭保持装置100の保持筒体102の内周面側にテーパ面102cを設ける構成の既製杭10の支持方式となっている。そして、環状凸部18のテーパ面14のテーパ角と支持側テーパ面102cのテーパ角は、略同一となっている。このため、杭保持装置100を杭孔50の開口部50aに設置してから、そのまま既製杭10を落とし込むことによって、既製杭10の自重によって、保持筒体102の支持側テーパ面102cで支持される方向に導かれる。
このようにして、環状凸部18のテーパ面14がそのまま保持筒体102の支持側テーパ面102cに嵌合されて支持されるように、杭保持装置100が既製杭10に取り付けられる。すなわち、本実施形態に係る既製杭10の支持方式を適用することにより、既製杭10に杭保持装置100を取り付け易くした上で、既製杭10の自重によって、そのまま保持筒体102の支持側テーパ面102cで支持される方向に導かれるので、確実に定位置で既製杭10が保持されるようになる。
そして、図8(C)に示すように、杭保持装置100を取り付けた下杭となる既製杭10aの頂部側に連結する上杭となる既製杭10bに杭吊り装置150を取り付けて、下杭10aの頂部12a側に向けて、上杭10bを移動させる。
その後、図8(D)に示すように、下杭10aの頂部12aと上杭10bの底部12bが当接したら、下杭10aと上杭10bの継手作業を行う。継手作業が完了したら、杭保持装置100を下杭10aから取り外して、上杭10bの環状凸部18が杭孔50の開口部50aに近づくまで、上杭10bを杭孔50に挿入する。
このような手順を繰り返すことによって、既製杭10の継手作業をしながら、連結された既製杭10を杭孔50に建て込めるようになる。本実施形態では、既製杭10の外周面12cにテーパ面14を有する環状凸部18を設け、かつ、既製杭10に巻着される杭保持装置100の保持筒体102の内周面側の全周に亘ってテーパ面102cからなる環状凹部を設けている。このため、既製杭10を保持筒体102で支持する際に、環状凹部となるテーパ面102cに既製杭10の外周面側に有する環状凸部18からの荷重が分散されて、均等にかかり易くなる。
すなわち、大径化、重量化された既製杭10を杭保持装置100の保持筒体102で支持する際に、定位置での安定した保持状態を維持することができる。換言すると、既製杭10を杭孔50に建て込む過程において、杭保持装置100で既製杭10を保持する際に、既製杭10がぶれることなく、より安定した状態で定位置に既製杭10を略鉛直方向に保持することができる。
このため、既製杭10を継ぎ足しながら杭孔50に建て込む作業の効率が上がると同時に、かかる施工作業における安全性も向上される。また、下杭10aに上杭10bを継ぎ足して連結する際に、テーパ面14が設けられる環状凸部18を備える下杭10aがテーパ面102cからなる環状凹部を備える保持筒体102によって定位置に保持されるので、下杭10aと上杭10bを精度よく連結できる。
なお、本発明に係る杭保持装置100は、既製杭10を吊り上げる杭吊り装置にも適用可能である。そこで、杭保持装置100を杭吊り装置に適用した一例について、図面を使用しながら説明する。図9(A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100を杭吊り装置及び杭保持治具として適用した場合の施工動作の説明図である。
まず、図9(A)に示すように、杭保持装置100を既製杭10に取り付けて、当該既製杭10を吊り上げる。具体的には、既製杭10の環状凸部18と杭保持装置100のテーパ面102cが当接するように、杭保持装置100を既製杭10に取り付けて、ワイヤ156を介して持ち上げる。そして、施工現場となる地盤GNに形成された杭孔50に略鉛直方向に支持された既製杭10を移動させる。
次に、杭孔50の開口部50aに向けて既製杭10を建て込む過程において、杭保持装置100のフランジ部104が地盤GNの地表面に到達したら、図9(B)に示すように、杭保持装置100からワイヤ156を取り外す。係る際に、杭保持装置100で既製杭10をそのまま支持する。
そして、図9(C)に示すように、下杭となる既製杭10aの頂部側に連結する上杭となる既製杭10bに他の新たな杭保持装置100を取り付けて、下杭10aの頂部12a側に向けて、上杭10bを移動させる。
その後、図9(D)に示すように、下杭10aの頂部12aと上杭10bの底部12bが当接したら、下杭10aと上杭10bの継手作業を行う。継手作業が完了したら、地表面上に載置されている杭保持装置100を下杭10aから取り外す。そして、上杭10bを吊った状態のままで他の新たな杭保持装置100が、地表面に到達するまで上杭10bを杭孔50に挿入する。
このような手順を繰り返すことによって、既製杭10の継手作業をしながら、連結された既製杭10を杭孔50に建て込めるようになる。すなわち、杭保持装置100を用いることで、既製杭10を杭孔50に建て込む際や既製杭10を吊り上げる際に、より安定した状態で既製杭10を略鉛直方向に支持しながら吊り上げることができる。
なお、上のように本発明の各実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、既製杭、及び既製杭の支持方式の構成、動作も本発明の各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 既製杭、10a 下杭、10b 上杭、12 杭本体、12a 頂部(一端部)、12b 底部、12c 外周面、14 テーパ面(杭側テーパ面)、16 頂部側テーパ面(他のテーパ面)、18 環状凸部、50 杭孔、50a 開口部、100 杭保持装置(支持受部)、102 保持筒体、102c テーパ面(支持側テーパ面)、103 保持具片、104 フランジ部、105a、105c 回転用固定ピン、105b 開閉用脱着ピン、106 連結部、106a、106c 支持固定用連結部、106b 開閉用連結部、107 固定用連結部、110 衝撃緩衝部材、150 杭吊り装置

Claims (5)

  1. 杭孔に建て込まれる既製杭であって、
    略円柱形状又は略円筒形状の杭本体と、
    前記杭本体の外周面に沿って環状に一体成型され、該外周面の所定の位置から前記杭本体の一端部を有する方向に拡径して形成される連続面が設けられる環状凸部と、を備えており、
    前記環状凸部は、前記外周面の前記所定の位置から前記一端部を有する方向に一定の割合で拡径して形成されるテーパ面と、当該テーパ面の頂部から前記一端部を有する方向に縮径して形成される他のテーパ面とを有し、
    前記テーパ面の前記頂部から前記外周面に降ろした垂線に対する前記他のテーパ面のテーパ角は、少なくとも前記外周面に対する前記テーパ面のテーパ角の大きさ以上であり、
    前記テーパ面は、前記杭孔への建て込み時に前記既製杭を前記テーパ面にて支持した際に、前記テーパ面に作用する圧力が前記既製杭の破壊応力よりも小さくなる面積を有することを特徴とする既製杭。
  2. 既製杭を杭孔に建て込む際に該既製杭を略鉛直方向に支持する既製杭の支持方式であって、
    請求項1に記載の既製杭と、
    略円筒形状を呈し、前記既製杭の外周面に沿って環状に形成された環状凸部と嵌合可能な環状凹部が内周面側に形成され、前記環状凸部を覆うように前記既製杭に巻着され、該既製杭を略鉛直方向に支持可能な支持受部とを備えることを特徴とする既製杭の支持方式。
  3. 前記既製杭の前記環状凸部の前記連続面は、前記外周面の所定の位置から前記既製杭の一端部を有する方向に一定の割合で拡径して形成される杭側テーパ面であり、
    前記支持受部に形成された前記環状凹部は、前記支持受部の内周面に沿って環状に形成され、前記略鉛直方向における該内周面の底部側から頂部側に向けて一定の割合で拡径して形成される支持側テーパ面であり、
    前記既製杭が前記支持受部によって支持される際に、前記杭側テーパ面と前記支持側テーパ面が互いに対向することを特徴とする請求項に記載の既製杭の支持方式。
  4. 前記支持受部は、前記既製杭を杭孔に建て込む際に、前記杭孔の開口部で前記既製杭を略鉛直方向に保持する杭保持装置に適用されることを特徴とする請求項又は請求項に記載の既製杭の支持方式。
  5. 前記支持受部は、前記既製杭を杭孔に建て込む際に、前記既製杭を吊り上げる杭吊り装置に適用されることを特徴とする請求項又は請求項に記載の既製杭の支持方式。
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