JP6361200B2 - 杭保持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単独で使用し又は上端に他の杭を連結して使用可能な既製杭を施工現場の杭孔に建て込む際に、既製杭を保持するために杭孔開口部に設けられる杭保持装置に関する。
建造物等の基礎構造として、PHC杭、RC杭、PRC杭、鋼杭、SC杭、節杭等の既製杭を地盤に形成された杭孔内に埋設してなる杭基礎が多用されている。既製杭は、工場での製造や施工現場への輸送制限等を考慮して、通常、その長さの最大値が10〜15m程度に制限される。このため、杭の施工現場における支持層が深く、杭孔が50〜70mの深さを有する場合には、当該施工現場で複数の既製杭を溶接継手や無溶接継手等を介して継ぎ足す、いわゆる「継ぎ杭工法」が採用される。
すなわち、プレボーリングした杭孔に対して、下杭の頂部を地上に出した状態で保持して、その下杭の頂部上に上杭を吊り込んで双方の杭を順次一体的に略鉛直方向に接合して、杭孔に沈設していく。その作業過程において、下杭の頂部を地上に出した状態で保持するために、従来では、杭孔開口部に保持台を置き、当該保持台に固定したワイヤを既製杭の外周面に巻いて、既製杭を保持する方法が使用されていた。
しかしながら、杭基礎に建てられる建造物の高層化、大型化に伴って既製杭の径が1200mm程度まで大径化し、重量が70t程度まで重量化することにより、ワイヤによる杭保持では、安全面や施工現場における作業効率等において、各種問題が発生していた。例えば、既製杭の重量化に伴い、ワイヤが連結した既製杭の重量を支えきれずに切断したり、作業中に下杭が動いてしまうおそれがあり、後の既製杭の連結作業に危険が生じる問題があった。一方、杭の重量に耐久可能とするためにワイヤを太くすれば、ワイヤが切れるおそれは低減するが、ワイヤが堅くて折り曲げ難いため、強い締め付け力を付与することが困難となり、施工現場でのワイヤによる下杭の固定作業に手間を要していた。
複数の既製杭を継ぎ足して連結させる際に、ワイヤを用いずに上杭と下杭を連結可能とする従来技術について、下杭を保持する杭保持装置を杭孔の開口部に設置する手法が特許文献1、特許文献2で開示されている。これら特許文献に係る従来技術は、何れも既製杭の上端から所定距離に杭孔径内に納まる形状大きさの係止手段を形成して、当該係止手段を係止可能な保持筒等の保持手段に保持することによって、ワイヤを用いずに上杭と下杭を連結可能としている。
特開2008−248493号公報 特許4437234号公報
複数の既製杭を連結させる際に、ワイヤを使わずに、杭保持装置によって大径化、重量化された既製杭を安定した状態で保持するためには、既製杭に設けられる係止手段がある程度以上の重量に対する耐久性を有する必要がある。また、複数の既製杭を連結させて杭孔に建て込む際には、施工作業の効率を高めるためにも、杭保持装置による既製杭の保持がぶれることなく、より確実に定位置に保持されることが重要となる。特に、施工現場において、上杭と下杭を連結させる際に、既製杭の製造誤差等がある場合でも、既製杭を保持する際にぶれることなく、より確実に定位置に保持されることが重要となる。特許文献1及び特許文献2の既製杭の埋設方法では、何れもワイヤを使用しないで、複数の既製杭を連結可能としているが、重量に対する係止手段の耐久性、及び定位置での保持状態の維持に課題が残る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、施工現場の杭孔に既製杭を建て込む際に、より確実に既製杭の定位置での安定した保持状態を維持することの可能な、新規かつ改良された杭保持装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、杭孔に既製杭を建て込む際に、前記杭孔の開口部で前記既製杭を略鉛直方向に保持可能な杭保持装置であって、前記既製杭の外周面の所定の部位に巻着される略円筒形状の保持筒体を備えており、前記保持筒体は、前記保持筒体の内周面に沿って環状に形成され、前記略鉛直方向における該内周面の底部側から頂部側に向けて一定の割合で拡径して形成されるテーパ面からなる環状凹部を有し、前記既製杭は、略円柱形状の杭本体と、前記杭本体の外周面に沿って環状に一体成型され、該外周面の所定の位置から前記杭本体の一端部を有する方向に一定の割合で拡径して形成される杭側テーパ面が設けられる環状凸部とを備え、前記保持筒体が前記既製杭に巻着される際に、前記環状凹部が前記環状凸部と嵌合されることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、既製杭に巻着される保持筒体の内周面側の全周にわたりテーパ面が形成される環状凹部を設けることによって、既製杭を保持筒体で支持する際に、環状凹部のテーパ面に既製杭の外周面側に有する凸部からの荷重が均等にかかり易くなる。このため、大径化、重量化された既製杭を定位置での安定した保持状態を維持することができる。特に、外周面に環状凸部が設けられる既製杭を保持筒体で支持する際に、環状凹部のテーパ面に既製杭の外周面側に有する環状凸部の杭側テーパ面からの荷重が均等にかかり易くなる。このため、大径化、重量化された既製杭を杭孔に建て込む際に、既製杭の定位置での安定した保持状態を維持することができる。
また、本発明の一態様では、前記保持筒体は、少なくとも3つ以上の保持具片が環状に配列されて連結される構成となっており、これらの保持具片の連結部のうち、少なくとも1つの連結部が着脱可能に構成され、前記少なくとも1つの連結部を除く他の連結部が当該他の連結部に連結される保持具片を回転可能に支持する構成となっていることとしてもよい。
このようにすれば、保持筒体の開閉が容易に行えるので、既製杭に保持筒体を装着し易くなる。
このとき、本発明の一態様では、前記テーパ面の内周面に所定の範囲内のゴム硬度を有する衝撃緩衝部材が設けられることとしてもよい。
このようにすれば、既製杭を支持する際における既製杭への衝撃を緩和し、かつ既製杭の製造誤差等がある場合における既製杭のがたつきを低減して、定位置における安定した保持が可能となる。
また、本発明の一態様では、前記衝撃緩衝部材のゴム硬度は、50度以上100度未満の範囲内であることとしてもよい。
このようにすれば、特に大径化に伴って重量化した既製杭を支持する際における既製杭への衝撃を確実に緩和し、かつ既製杭の製造誤差等がある場合における既製杭のがたつきを低減して、定位置における安定した保持が可能となる。
また、本発明の一態様では、前記衝撃緩衝部材は、複数の略台形形状の衝撃緩衝片が前記テーパ面に沿って周方向に所定の間隔で並列して設けられる構成となっていることとしてもよい。
このようにすれば、既製杭を保持した際に生じる衝撃緩衝片の周方向への伸びを隣接する衝撃緩衝片間に形成された隙間で吸収することができる。また、既製杭の荷重が衝撃緩衝部材を構成する衝撃緩衝片のそれぞれに分散されるので、衝撃緩衝部材の一部変形に伴う交換頻度を低減することができる。
また、本発明の一態様では、前記テーパ面は、その内周面を略円筒形状に変更可能とする適合部材が設置可能な構成となっていることとしてもよい。
このようにすれば、既製杭の外周面に環状凸部等が設けられていないストレート杭の保持にも適用可能となる。
以上説明したように本発明によれば、施工現場の杭孔に既製杭を建て込む過程において、既製杭を保持筒体で支持する際に、環状凹部のテーパ面に既製杭の外周面側に有する環状凸部からの荷重が均等に分散してかかり易くなる。このため、大径化、重量化された既製杭を定位置での安定した保持状態を維持することができる。
本発明の一実施形態に係る杭保持装置の概略構成を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の一実施形態に係る杭保持装置の概略構成を示す平面図である。 (A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置の一接続部を開放した状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る杭保持装置の保持筒体の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材の設置状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る杭保持装置の保持筒体の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材の設置状態を示す断面図である。 (A)、(B)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置の保持筒体の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材を構成する弾性緩衝片の概略構成図である。 (A)、(B)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置の保持筒体の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材の変形例の設置状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る杭保持装置の保持筒体の内周面側に適合部材を設けた状態を示す断面図である。 (A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置をも使用した施工動作の説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る杭保持装置の構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A断面図である。なお、図2は、既製杭10を保持している状態の杭保持装置100の連結部106、107を回避したA−A断面図となっている。
本発明の一実施形態に係る杭保持装置100は、杭孔50に既製杭10を建て込む際に、既製杭10を略鉛直方向に保持するために、杭孔50の開口部50aに設置して使用される。杭保持装置100は、図1に示すように、既製杭10の外周面12cの所定の部位に巻着されて、既製杭10を略鉛直方向に保持する略円筒形状の保持筒体102と、当該保持筒体102の底部側に設けられ、保持筒体102より外径が大きいフランジ部104とを備える。本実施形態では、杭保持装置100は、杭孔開口部50aに設置する際に、当該開口部50aの周囲に略U字型の杭受け台60を設けてから、当該杭受け台60にフランジ部104を載置させて、杭孔50の開口部50aに設置される。
なお、本実施形態では、杭保持装置100を杭受け台60に載置するために補助部材としてフランジ部104を設けたが、当該補助部材は、フランジ形状に限定されるものではなく、例えば、保持筒体102の外周面側に取り付けた縦リブ等でもよい。また、杭孔50が形成される地盤GNが安定している場合等には、杭受け台60を置かずに、直接、杭保持装置100のフランジ部104を開口部50aに載置してもよい。
保持筒体102は、その内周面側に既製杭10の杭本体12の外周面12cに形成された環状凸部18と嵌合可能な環状凹部が形成され、当該環状凸部を覆うように既製杭10に巻着されることによって、既製杭10を略鉛直方向に支持する。本実施形態では、図2に示すように、環状凹部として、当該保持筒体102の内周面側に底部102b側から頂部102a側に向けて一定の割合で拡径して形成されるテーパ面102cが設けられる。
テーパ面102cは、保持筒体102の内周面側に沿って環状に形成され、更にその内周面側に、所定の範囲内のゴム硬度を有する硬質ゴム等からなる衝撃緩衝部材110が設けられる。本実施形態では、既製杭10に杭保持装置100を取り付ける際に、既製杭10への衝撃を確実に緩和し、かつ既製杭10の製造誤差等に基づくクリアランスがある場合における既製杭10のがたつきを低減して、定位置における安定した保持が可能となるように、衝撃緩衝部材110のゴム硬度は、50度以上100度未満の範囲内としている。すなわち、大径化に伴う重量化が進む既製杭10の荷重による衝撃を緩衝しながら、当該既製杭10を定位置に保持するためには、衝撃緩衝部材110のゴム硬度の数値範囲は、50度以上100度未満であることが好ましい。
テーパ面102cに設けられる衝撃緩衝部材110は、ゴム硬度が上記範囲内の材質であればよく、例えば、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等のゴム系の材質や、ポリスチレン等の合成樹脂系の材質といった弾性材や緩衝材として使用されるものが適用される。本明細書中における「ゴム硬度」とは、ISO7619やJIS_K_6253の規格に基づいたデュロメータを計測器に用いて測定した弾性材や緩衝材の硬度をいう。なお、衝撃緩衝部材110の詳細な構成等については、後述する。
このように、本実施形態では、既製杭10を杭保持装置100で支持する際に、既製杭10の環状凸部18に設けられるテーパ面14(杭側テーパ面)と、保持筒体102の内周面側に設けられるテーパ面102c(支持側テーパ面)が衝撃緩衝部材110を介して互いに対向する構成となっている。このため、既製杭10を杭保持装置100で支持する際に、支持側テーパ面102cに対向する杭側テーパ面14に均等に荷重がかかり易くなる。従って、大径化に伴い重量化された既製杭10を杭孔50に建て込む際に、定位置に安定した状態で支持することが可能になる。
次に、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の詳細な構成について、図面を使用しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の概略構成を示す平面図であり、図4(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の一接続部を開放した状態を示す平面図である。
本実施形態に係る杭保持装置100は、図3に示すように、保持筒体102は、略円弧形状の曲面板となる保持具片103を4つ環状に配列して連結することによって、略円筒形状に構成される。各保持具片103は、それぞれの両端部が互いに連結部106、107を介して、連結されている。
これら連結部106、107のうち、図3における紙面の左右両端側に有する支持固定用連結部106a、106cは、それぞれ回転用固定ピン105a、105cで連結されている。すなわち、支持固定用連結部106aは、保持具片103a、103bを回転可能に支持している。一方、支持固定用連結部106cは、保持具片103c、103dを回転可能に支持している。
これに対して、開閉用連結部106bは、着脱が可能な開閉用脱着ピン105bで支持されている。このため、開閉用連結部106bは、開閉用脱着ピン105bを外すと、図4(A)に示すように、保持具片103b、103cがそれぞれ支持固定用連結部106a、106cを中心に回転自在となって、開放されるようになる。すなわち、開閉用連結部106bは、開閉用脱着ピン105bの抜き差しによって着脱可能に構成され、既製杭10に杭保持装置100を着脱する際には、開閉用脱着ピン105bを外して、開閉自在となった保持具片103b、103cを動かせる。
一方、開閉用連結部106bに対向する固定用連結部107は、不図示のネジやボルト等の接続部材によって保持具片103a、103dを連結している。すなわち、固定用連結部107は、通常、保持具片103a、103dを連結した状態で固定している。しかしながら、開閉用連結部106bの開閉用脱着ピン105bが経年変化や摩耗等により、固定されて外れなくなった場合等の緊急時に杭保持装置100を既製杭10から外す際に、固定用連結部107のボルト等を外して、図4(B)に示すように、開閉自在となった保持具片103a、103dを動かす。すなわち、固定用連結部107は、ボルトやネジの脱着によって着脱可能に構成され、緊急時等における保持筒体102の開放手段となる。
このように、本実施形態では、保持筒体102を4つの保持具片103a、103b、103c、103dを連結部106、107で連結した構成としているので、保持筒体102の開閉が容易に行えるようになり、既製杭10に保持筒体102を装着し易くなる。このため、施工現場における既製杭10の建て込み作業の効率化が図れる。なお、本実施形態では、4つの保持具片103a、103b、103c、103dから保持筒体102が構成されているが、保持具片103の数は、4つに限定されず、少なくとも3つ以上の保持具片103が環状に配列されて連結される構成となっていればよい。
次に、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の保持筒体102の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材110の構成について、図面を使用しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の保持筒体102の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材110の設置状態を示す正面図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の保持筒体102の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材110の設置状態を示す断面図である。また、図7は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100の保持筒体102の内周面側に設けられる衝撃緩衝部材110を構成する弾性緩衝片112の概略構成図であり、(A)は平面図、(B)は、図7(A)のB−B断面図である。
保持筒体102の内周面側に設けられるテーパ面102cには、衝撃緩衝部材110が設けられている。本実施形態では、衝撃緩衝部材110は、図5に示すように、複数の略台形形状の衝撃緩衝片112がテーパ面102cに沿って、所定の間隔で隙間114を形成しながら周方向へ並列して設けられる構成となっていることを特徴とする。すなわち、各衝撃緩衝片112がスリット状の隙間114を介して互いに並列することによって、テーパ面102cに衝撃緩衝部材110が設けられる。
それぞれの衝撃緩衝片112は、図6に示すように、テーパ面102cに形成されたボルト孔115に嵌合されるボルト116によって固定されている。また、衝撃緩衝片112の下側には、衝撃緩衝片112が下方へ移動することを防止するための係止部118が周方向に沿って設けられている。このように、係止部118を設けることによって、既製杭10を保持する際に、当該既製杭10の移動に伴って衝撃緩衝片112が下方へ引っ張られて、衝撃緩衝片112が剥がれてしまうことを防止できる。
衝撃緩衝片112は、上端に向かって拡径するように形成されるテーパ面102cを覆うように、スリット状の隙間114を介して並列して設けられるので、図7(A)に示すように、上底112aが下底112bよりも幾分長い略台形形状となっている。衝撃緩衝片112の上底112aと下底112bの長さは、各衝撃緩衝片112が等間隔の隙間114を介して配列されるように、テーパ面102cのテーパ角の大きさに応じて適宜決められる。また、衝撃緩衝片112の表面には、図7(A)、(B)に示すように、既製杭10の荷重をより分散させ易くするために、溝部117が設けられている。
このように、本実施形態では、衝撃緩衝部材110を複数の衝撃緩衝片112をスリット状の隙間114を介して、並列した構成とすることによって、既製杭10の荷重が衝撃緩衝部材110を構成する衝撃緩衝片112のそれぞれに分散させることができる。このため、使用頻度に伴い、衝撃緩衝部材110の一部が変形、劣化した場合でも、その変形、劣化した部位に該当する衝撃緩衝片112のみを交換すればよいので、衝撃緩衝部材110の性能を維持するためのメンテナンスが容易になる。すなわち、衝撃緩衝部材110の一部変形に伴う交換頻度を低減することができる。
また、衝撃緩衝部材110が1枚の衝撃緩衝片112のみで構成されると、既製杭10を保持した際に生じる衝撃緩衝片112の周方向への伸びを吸収することができずに、衝撃緩衝片112の一部が内方へ向かって伸びることがある。このような場合に、内方へ向かって伸びた衝撃緩衝片112の一部によって、既製杭10が押されて既製杭10の中心軸と杭保持装置100の中心軸とがずれてしまう虞がある。このため、本実施形態では、衝撃緩衝部材110は、複数の衝撃緩衝片112をスリット状の隙間114を介して、並列した構成としている。
なお、衝撃緩衝部材110を構成する衝撃緩衝片112の設置方法は、上述の内容に限定されない。すなわち、テーパ面102cへの衝撃緩衝編12の取り付け方は、ボルト止め以外の他の態様でも可能である。例えば、図8(A)に示すように、テーパ面102cの下端側に係止フック218を設けて、既製杭10を杭保持装置100に保持させるために落とし込むタイミングで衝撃緩衝片212を差し込むようにして設けることとしてもよい。また、図8(B)に示すように、衝撃緩衝片312の上端側に保持筒体102の頂部102aに係止可能なフック部313を設ける構成として、後付可能としてもよい。このような変形例に係る衝撃緩衝片212、312を用いることによって、事前にボルト留めせずに、施工作業の過程で容易に着脱可能として、施工作業の効率向上が図られる。
このように、本実施形態では、テーパ面102cに衝撃緩衝部材110を設けることによって、既製杭10を支持する際における既製杭10への衝撃を緩和できる。また、弾性力を有する衝撃緩衝部材110をテーパ面102cに設けることによって、既製杭10の製造誤差等がある場合に生ずるクリアランスを埋め合わせることができるので、杭保持装置100で保持する際における既製杭10のがたつきを低減して、定位置における安定した保持が可能となる。
前述した本実施形態に係る杭保持装置100では、杭本体12の外周面12cに環状凸部18を備える既製杭10を保持するために、保持筒体102の内周面側にテーパ面102cを設けた構成としている。しかしながら、本実施形態の杭保持装置100は、環状凸部18のないストレート杭に適応可能とするために、図9に示すように、その内周面130cを略円筒形状に変更可能とする適合部材130が設置可能な構成としてもよい。
具体的には、上底130aが下底130bより大きい構成となる適合部材130をテーパ面102cにボルト132で留めて、内周面130cを略円筒形状とする。このとき、衝撃緩衝片112を固定するためのボルト孔115と共通して使用可能な構成としても、別途、ボルト孔を設ける構成としてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る杭保持装置100に適用した場合の施工動作について、図面を使用しながら説明する。図10(A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る杭保持装置を使用した施工動作の説明図である。
まず、図10(A)に示すように、杭孔50の開口部50aに杭受け台60を設置する。次に、吊り治具152及び吊り治具端板154からなる杭吊り装置150を既製杭10の頂部に取り付けて、既製杭10を吊り上げる。具体的には、吊り治具152を既製杭10の頂部に取り付けると共に、既製杭10の頂部に吊り治具端板154をボルトやナット等で取り付けて、ワイヤ156を介して、既製杭10を吊り上げる。そして、施工現場となる地盤GNに形成された杭孔50へ既製杭10を移動させる。
次に、図10(B)に示すように、杭保持装置100を杭受け台60上に設置する。その際に、杭保持装置100の開閉用脱着ピン105bを外して、保持具片103b、103cがそれぞれ開放された状態(図4(A)参照)で設置する。
続いて、開放された状態の杭保持装置100の内方を通過するように既製杭10を杭孔50内に建て込む。既製杭10を杭孔50に建て込む過程において、環状凸部18のテーパ面14が杭孔50の開口部50aに近づいてきたら、開閉用脱着ピン105bを開閉用連結部106bに挿入して保持具片103b、103cを連結し、杭保持装置100を閉じた状態(図3参照)にする。
その後、既製杭10を降下させて、環状凸部18のテーパ面14と杭保持装置100のテーパ面102cとを密接させることで杭保持装置100により既製杭10を保持する。そして、既製杭10から杭吊り装置150を取り外す。
本実施形態では、環状凸部18の下側にテーパ面14を設け、かつ、杭保持装置100の保持筒体102の内周面側にテーパ面102cを設ける構成の既製杭10の支持方式となっている。このため、杭保持装置100を杭孔50の開口部50aに設置してから、そのまま既製杭10を落とし込むことによって、環状凸部18のテーパ面14がそのまま保持筒体102のテーパ面102cに嵌合されて支持されるように、杭保持装置100を既製杭10に取り付けられる。すなわち、既製杭10に杭保持装置100を取り付け易くした上で、既製杭10の自重によって、そのまま保持筒体102のテーパ面102cで支持される方向に導かれるので、確実に定位置で既製杭10が保持されるようになる。
そして、図10(C)に示すように、杭保持装置100を取り付けた下杭となる既製杭10aの頂部側に連結する上杭となる既製杭10bに杭吊り装置150を取り付けて、下杭10aの頂部12a側に向けて、上杭10bを移動させる。
その後、図10(D)に示すように、下杭10aの頂部12aと上杭10bの底部12bが当接したら、下杭10aと上杭10bの継手作業を行う。継手作業が完了したら、杭保持装置100を下杭10aから取り外して、上杭10bの環状凸部18が杭孔50の開口部50aに近づくまで、上杭10bを杭孔50に挿入する。
このような手順を繰り返すことによって、既製杭10の継手作業をしながら、連結された既製杭10を杭孔50に建て込めるようになる。本実施形態では、既製杭10の外周面12cにテーパ面14を有する環状凸部18を設け、かつ、既製杭10に巻着される杭保持装置100の保持筒体102の内周面側の全周に亘ってテーパ面102cからなる環状凹部を設けている。このため、既製杭10を保持筒体102で支持する際に、環状凹部のテーパ面102cに既製杭10の外周面側に有する環状凸部18からの荷重が分散されて、均等にかかり易くなる。
すなわち、大径化、重量化された既製杭10を杭保持装置100の保持筒体102で支持する際に、定位置での安定した保持状態を維持することができる。換言すると、既製杭10を杭孔50に建て込む過程において、杭保持装置100で既製杭10を保持する際に、既製杭10がぶれることなく、より安定した状態で定位置に既製杭10を略鉛直方向に保持することができる。
このため、既製杭10を継ぎ足しながら杭孔50に建て込む作業の効率が上がると同時に、かかる施工作業における安全性も向上される。また、下杭10aに上杭10bを継ぎ足して連結する際に、テーパ面14が設けられる環状凸部18を備える下杭10aがテーパ面102cからなる環状凹部を備える保持筒体102によって定位置に保持されるので、下杭10aと上杭10bを精度よく連結できる。
なお、上記のように本発明の各実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、杭保持装置の構成、動作も本発明の各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 既製杭、10a 下杭、10b 上杭、12 杭本体、12a 頂部(一端部)、12b 底部、12c 外周面、14 テーパ面(杭側テーパ面)、18 環状凸部、50 杭孔、50a 開口部、100 杭保持装置、102 保持筒体、102a 頂部、102b 底部、102c テーパ面(支持側テーパ面)、103 保持具片、104 フランジ部、105a、105c 回転用固定ピン、105b 開閉用脱着ピン、106 連結部、106a、106c 支持固定用連結部、106b 開閉用連結部、107 固定用連結部、110 衝撃緩衝部材、112 衝撃緩衝片、114 隙間、115 ボルト孔、116 ボルト、117 溝部、118 係止部、130 適合部材、130c 内周面、150 杭吊り装置

Claims (6)

  1. 杭孔に既製杭を建て込む際に、前記杭孔の開口部で前記既製杭を略鉛直方向に保持可能な杭保持装置であって、
    前記既製杭の外周面の所定の部位に巻着される略円筒形状の保持筒体を備えており、
    前記保持筒体は、前記保持筒体の内周面に沿って環状に形成され、前記略鉛直方向における該内周面の底部側から頂部側に向けて一定の割合で拡径して形成されるテーパ面からなる環状凹部を有し、
    前記既製杭は、略円柱形状の杭本体と、前記杭本体の外周面に沿って環状に一体成型され、該外周面の所定の位置から前記杭本体の一端部を有する方向に一定の割合で拡径して形成される杭側テーパ面が設けられる環状凸部とを備え、
    前記保持筒体が前記既製杭に巻着される際に、前記環状凹部が前記環状凸部と嵌合されることを特徴とする杭保持装置。
  2. 前記保持筒体は、少なくとも3つ以上の保持具片が環状に配列されて連結される構成となっており、これらの保持具片の連結部のうち、少なくとも1つの連結部が着脱可能に構成され、前記少なくとも1つの連結部を除く他の連結部が当該他の連結部に連結される保持具片を回転可能に支持する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の杭保持装置。
  3. 前記テーパ面の内周面に所定の範囲内のゴム硬度を有する衝撃緩衝部材が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の杭保持装置。
  4. 前記衝撃緩衝部材のゴム硬度は、50度以上100度未満の範囲内であることを特徴と する請求項3に記載の杭保持装置。
  5. 前記衝撃緩衝部材は、複数の略台形形状の衝撃緩衝片が前記テーパ面に沿って周方向に 所定の間隔で並列して設けられる構成となっていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の杭保持装置。
  6. 前記テーパ面は、その内周面を略円筒形状に変更可能とする適合部材が設置可能な構成 となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の杭保持装置。
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