JP6379347B2 - 有機発光パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機材料の電界発光現象を利用した有機発光パネルおよびその製造方法に関し、特に、光学設計の技術に関する。
近年、デジタルテレビ等の表示装置に用いられる表示パネルとして、有機材料の電界発光現象を利用した有機発光パネルの採用が提案されている。有機発光パネルは、一般的に、行列状に配列されたR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色の有機発光素子を備える。各色の有機発光素子は、反射電極と、反射電極に対向して設けられる透明電極と、反射電極と透明電極との間に各色に対応して設けられた有機発光層とを備える。
従来から、有機発光パネルの分野では、光学設計の工夫により有機発光素子の光取り出し効率(入力電力に対する出力輝度の割合)を向上させる技術が知られている。特に、特許文献1乃至3には、有機発光素子の光取り出し側に光学調整層を設けることで、光取り出し効率を向上させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、反射電極と、有機化合物層と、透明電極と、光路長調整層と、透明層とを備える有機EL素子アレイにおいて、光路長調整層と透明層との屈折率差を光路長調整層と透明電極との屈折率差よりも大きくすることで、反射電極と有機化合物層との界面と光路長調整層と透明層との界面とで微小共振構造を構成することが開示されている(段落0014、0027、請求項1参照)。
また、特許文献2には、金属電極と、エレクトロルミネッセンス層と、透明電極と、高屈折率層と、低屈折率層と、透明基材とを備える有機EL素子において、高屈折率層の屈折率を(透明電極の屈折率−0.2)よりも大きくすることが記載されている(段落0013、0020−0023参照)。
また、特許文献3には、陰極と、電子輸送層と、有機発光層と、ホール輸送層と、陽極と、中間層と、透明基板とを備えた有機電界発光素子において、中間層の屈折率を陽極の屈折率と透明基板の屈折率との中間値にすることが記載されている(段落0021、0022)。
特開2008−218081号公報 特開2007−294266号公報 特開2004−134158号公報
しかしながら、上記技術を採用しても有機発光素子の光取り出し効率は十分であるとは言い難い。そこで、本発明は、有機発光素子の光取り出し側に光学調整層を設ける構造を採用した上で、有機発光素子の光取出し効率を向上させことができる有機発光パネルを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る有機発光パネルは、光反射性を備える第1電極と、前記第1電極に積層され、1または複数の層を有する機能層と、前記機能層に積層される有機発光層と、前記有機発光層の上方に設けられ、光透過性を備える第2電極と、前記第2電極に積層される第1の層と、前記第1の層に積層される第2の層と、を有し、前記第1の層の屈折率は、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下であり、前記第1の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下であり、前記第1の層の厚みは、20nm以上130nm以下である。
上記構成によれば、有機発光素子の光取り出し側に光学調整層として第1の層が設けられている。第1の層と第2の電極との屈折率の大小関係とその差、第1の層と第2の層との屈折率の大小関係とその差、第1の層の厚みが上記の特定の条件を満たしていることにより、有機発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る有機発光パネルの画素構造を模式的に示す断面図 (a)は青色の有機発光素子の内部に存在する共振器構造を例示する図であり、(b)は有機発光素子の外部の共振器構造を例示する図であり、(c)は有機発光素子の内部に存在する別の共振器構造を例示する図 フッ化ナトリウム、酸化シリコンおよびITOの屈折率の波長依存性を示す図 低屈折率層の厚みを0nmから100nmまで変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図 低屈折率層の厚みを0nmから100nmまで変化させたときの色度の変化を示す図 低屈折率層が有る場合と無い場合での光取り出し効率を示すテーブル 各層の屈折率、膜厚および光学距離の適用範囲を示すテーブル 第2のシミュレーションで用いた各層の屈折率および膜厚を示すテーブル 第2のシミュレーションで得られた光取り出し効率の向上率を示すマップ 低屈折率層の膜厚と光取り出し効率の向上率の関係を示す図 青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示す図 青色の有機発光素子の色度の視野角依存性を示す図 青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示し、(a)は有機発光素子の内部の共振器構造が1st cavityの場合、(b)は2nd cavityの場合、(c)は1.5 cavityの場合を示す図 図13の1.5 cavityを1st cavityと重ねた図 封止層が無い構造で低屈折率層の厚みを0nmから200nmまで変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図 封止層が無い構造での青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示す図 機能層の膜厚を0nmから200nmまで変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は、各層の屈折率に図7の中間値(ave)を採用し、機能層以外の層の膜厚に図7の最小値(min)を採用した場合、(b)は、各層の屈折率に図7の中間値(ave)を採用し、機能層以外の層の膜厚に図7の最大値(max)を採用した場合を示す図 青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示す図 光が発光層から外部に出射される様子を模式的に示す図 本発明の実施形態に係る有機表示装置の機能ブロックを示す図 本発明の実施形態に係る有機表示装置の外観を例示する図 本発明の実施形態に係る有機発光パネルの製造方法を説明するための図 本発明の実施形態に係る有機発光パネルの製造方法を説明するための図 本発明の実施形態に係る有機発光パネルの製造方法を説明するための図
<発明の一態様の概要>
本発明の一態様に係る有機発光パネルは、光反射性を備える第1電極と、前記第1電極に積層され、1または複数の層を有する機能層と、前記機能層に積層される有機発光層と、前記有機発光層の上方に設けられ、光透過性を備える第2電極と、前記第2電極に積層される第1の層と、前記第1の層に積層される第2の層と、を有し、前記第1の層の屈折率は、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下であり、前記第1の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下であり、前記第1の層の厚みは、20nm以上130nm以下である。
また、前記第1の層の厚みは、50nm以上110nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1の層は、フッ化金属を含み、前記第1の層の厚みは、75nm以上120nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1の層の厚みは、50nm以上100nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層の厚みが80nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層の厚みが70nm以下であることとしてもよい。
また、前記第2電極の屈折率は、2.0以上2.4以下であり、前記第1の層の屈折率は、1.3以上1.6以下であり、前記第2の層の屈折率は、1.7以上2.1以下であることとしてもよい。
また、前記第2電極の厚みは、30nm以上40nm以下であり、前記第2の層の厚みは、100nm以上680nm以下であることとしてもよい。
また、前記第2電極は、ITOまたはIZOを含み、前記第1の層はフッ化金属、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンを含み、前記第2の層は窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含むこととしてもよい。
また、さらに、前記第2の層の上方に設けられたカラーフィルタを備えることとしてもよい。
また、前記有機発光層は、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の有機発光層を含み、前記第1の層の厚みは、R,G,B各色で同じであることとしてもよい。
また、本発明の別の一態様に係る有機発光パネルは、光反射性を備える第1電極と、前記第1電極に積層され、1または複数の層を有する機能層と、前記機能層に積層される有機発光層と、前記有機発光層の上方に設けられ、光透過性を備える第2電極と、前記第2電極に積層される第1の層と、前記第1の層に積層される第2の層と、を有し、前記第1の層の屈折率は、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下であり、前記第1の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下であり、前記第1の層の厚みの光学距離は、26nm以上208nm以下である。
また、前記第1の層の厚みの光学距離は、65nm以上176nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1の層は、フッ化金属を含み、前記第1の層の厚みの光学距離は、99.8nm以上160nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1の層の厚みの光学距離は、65nm以上160nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層の厚みの光学距離が184nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層の厚みの光学距離が161nm以下であることとしてもよい。
また、前記第2電極の屈折率は、2.0以上2.4以下であり、前記第1の層の屈折率は、1.3以上1.6以下であり、前記第2の層の屈折率は、1.7以上2.1以下であることとしてもよい。
また、前記第2電極の厚みの光学距離は、60nm以上96nm以下であり、前記第2の層の厚みの光学距離は、170nm以上1428nm以下であることとしてもよい。
また、前記第2電極は、ITOまたはIZOを含み、前記第1の層はフッ化金属、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンを含み、前記第2の層は窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含むこととしてもよい。
また、さらに、前記第2の層の上方に設けられたカラーフィルタを備えることとしてもよい。
また、前記有機発光層は、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の有機発光層を含み、前記第1の層の厚みは、R,G,B各色で同じであることとしてもよい。
また、本発明の一態様に係る有機発光パネルの製造方法は、光反射性を備える第1電極を設ける工程と、前記第1電極に、1または複数の層を有する機能層を積層する工程と、前記機能層に有機発光層を積層する工程と、前記有機発光層の上方に、光透過性を備える第2電極を設ける工程と、前記第2電極に第1の層を積層する工程と、前記第1の層に第2の層を積層する工程と、を有し、前記第1の層を積層する工程において、前記第1の層の屈折率を、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下とし、前記第1の層の屈折率を、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下とし、前記第1の層の厚みを、20nm以上130nm以下とする。
また、本発明の別の一態様に係る有機発光パネルの製造方法は、光反射性を備える第1電極を設ける工程と、前記第1電極に、1または複数の層を有する機能層を積層する工程と、前記機能層に有機発光層を積層する工程と、前記有機発光層の上方に、光透過性を備える第2電極を設ける工程と、前記第2電極に第1の層を積層する工程と、前記第1の層に第2の層を積層する工程と、を有し、前記第1の層を積層する工程において、前記第1の層の屈折率を、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下とし、前記第1の層の屈折率を、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下とし、前記第1の層の厚みの光学距離を、26nm以上208nm以下とする。
<実施形態>
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[有機発光パネルの画素構造]
図1は、本発明の実施形態に係る有機発光パネルの画素構造を模式的に示す断面図である。
有機発光パネルは、基板1、反射電極2、透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層6b、6g、6r、電子輸送層7、透明電極8、低屈折率層9、第1薄膜封止層10、第2薄膜封止層11、樹脂封止層12、カラーフィルタ13b、13g、13r、基板14およびバンク15を備える。反射電極2から透明電極8までの積層構造が有機発光素子である。この例では、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の有機発光素子において、基板1、電子輸送層7、透明電極8、低屈折率層9、第1薄膜封止層10、第2薄膜封止層11、樹脂封止層12および基板14が共通である。これらの層の厚みはR,G,B各色で同一である。反射電極2、透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層6b、6g、6rは、有機発光素子毎にバンク15で区分されている。
有機発光パネルでは、光の干渉効果を利用した共振器構造が実現されている。図2(a)に青色の有機発光素子の内部に存在する共振器構造を例示する。有機発光素子には、有機発光層6bから出射された光の一部が、反射電極2側に進行することなく、透明電極8側に進行し、透明電極8を通じて有機発光素子の外部に出射される第1光路C1と、有機発光層6bから出射された光の残りの一部が、反射電極2側に進行し、反射電極2により反射された後、有機発光層6bおよび透明電極8を通じて有機発光素子の外部に出射される第2光路C2とが形成される。反射電極2と有機発光層6bとの間に配置された機能層(本実施形態では透明導電層3、正孔注入層4および正孔輸送層5からなる)の膜厚を適切に設定することにより、第1光路C1を通過する光と第2光路C2を通過する光との干渉効果を得ることができ、光取り出し効率を向上させることができる。
また、図2(b)に青色の有機発光素子の外部に存在する共振器構造を例示する。本実施形態では、透明電極8と第1薄膜封止層10との間に、光学調整層として低屈折率層9が設けられている。低屈折率層9の屈折率は、透明電極8および第1薄膜封止層10のどちらの屈折率よりも低い。この構成により、低屈折率層9には、有機発光素子から出射された光の一部が反射することなく通過する第3光路C3と、有機発光素子から出射された残りの一部が透明電極8と低屈折率層9との界面および低屈折率層9と第1薄膜封止層10との界面で多重反射して通過する第4光路C4とが形成される。透明電極8と低屈折率層9との屈折率差、低屈折率層9と第1薄膜封止層10との屈折率差、および、低屈折率層9の厚みを適切に設定することにより、第3光路を通過する光と第4光路を通過する光の干渉効果を得ることができ、光取り出し効率を向上させることができる。
さらに、発明者らの研究により、図2(c)に示す共振器構造も存在することが判明している。本実施形態では、透明電極8上に低屈折率層9が設けられている。この構成により、透明電極8と低屈折率層9との界面で反射されることなく通過する第5光路C5と、透明電極8と低屈折率層9との界面および反射電極2と透明電極層3との界面で多重反射して通過する第6光路C6とが形成される。
透明電極8の屈折率をna、低屈折率層9の屈折率をnb、第1薄膜封止層10の屈折率をncとし、透明電極8と低屈折率層9の屈折率差をΔnab、低屈折率層9と第1薄膜封止層10の屈折率差をΔnbcとし、低屈折率層9の厚みをdbとすると、本実施形態では以下の条件a〜fを満たす。なお、図3に示すように、フッ化ナトリウム(NaF)および酸化シリコン(SiOx)の屈折率は可視光域において波長依存性が小さい。これに対し、ITOの屈折率は可視光域において波長依存性が比較的大きい。本明細書では、特に断らない限り、光の波長が600nmのときの屈折率で説明することとする。
(a) 2.0≦na≦2.4
(b) 1.3≦nb≦1.6
(c) 1.7≦nc≦2.1
(d) 0.4≦Δnab≦1.1
(e) 0.1≦Δnbc≦0.8
(f) 20nm≦db≦130nm
[シミュレーション]
以下、発明者らが実施したシミュレーションについて説明する。なお、従来からR,G,Bのうち特に青色の光取り出し効率の改善要求がある。本シミュレーションは、青色の有機発光素子の光取り出し効率を向上させることに主眼を置いたものである。
<1> 低屈折率層の膜厚
<1−1> 第1のシミュレーション
第1のシミュレーションでは、各層の屈折率を、それぞれの構成材料を考慮して以下のように設定した。
反射電極2の屈折率 n2=0.14
透明導電層3の屈折率 n3=2.1
正孔注入層4の屈折率 n4=2.0
正孔輸送層5の屈折率 n5=1.7
有機発光層6b、6g、6rの屈折率 n6=1.8
電子輸送層7の屈折率 n7=1.9
樹脂封止層12の屈折率 n12=1.5
基板14の屈折率 n14=1.5
そして、透明電極8の材料をITO(Indium Tin Oxide)、低屈折率層9の材料をフッ化ナトリウム、第1薄膜封止層10の材料を窒化シリコンと想定し、透明電極8、低屈折率層9、第1薄膜封止層10の屈折率を、仮に、以下のように設定した。なお、これらの屈折率は、成膜条件を調整することなどにより適宜調整することが可能である。
透明電極8の屈折率 na=2.0
低屈折率層9の屈折率 nb=1.3
第1薄膜封止層10の屈折率 nc=1.9
図4は、上記条件の下で低屈折率層9の厚みを0nmから100nmまで変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図である。同図には、赤色の有機発光素子でカラーフィルタが有る場合(R_withCF)とカラーフィルタが無い場合(R_CFless)、青色の有機発光素子でカラーフィルタが有る場合(B_withCF)とカラーフィルタが無い場合(B_CFless)が示されている。また、図5は、カラーフィルタが無い場合において低屈折率層9の厚みを0nmから100nmまで変化させたときの有機発光素子の発光色の色度の変化を示す図である。同図には、赤色のx値(Ry)、y値(Ry)、緑色のx値(Gx)、y値(Gy)、青色のx値(Bx)、y値(By)が示されている。ここで、x値、y値は、CIE色度座標における値である。
図4において、青色に着目すると、0nmから50nmまでの範囲では、カラーフィルタが無い場合は膜厚を厚くするほど光取り出し効率が低減し、その一方で、カラーフィルタが有る場合は膜厚を厚くするほど光取り出し効率が増加していることが分かる。これは、この膜厚範囲では膜厚を厚くするほど青色の有機発光素子の発光色の色度が目標色度に近づくため、カラーフィルタによる色度補正が軽度で済むからである。具体的には、図5に示すように、青色のy値(By)は、0nmから50nmまでの範囲で、0.15から0.10まで低減している。通常、有機発光パネルでは青色の目標色度はy値で0.06から0.09程度に設定されるので、この膜厚範囲では、膜厚を厚くするほど有機発光層の発光色の色度が目標色度に近づいていると言える。このように、カラーフィルタが無い場合の発光色の色度が元々目標色度に近ければ、カラーフィルタによる色度補正が軽度で済み、その結果、カラーフィルタが有る場合の光取り出し効率を高めることができる。
このことを考慮すると、低屈折率層9の膜厚は、0nmから100nmまでのシミュレーションの範囲の中では、50nmから100nmまでの範囲が好ましい。この膜厚範囲では、図5に示すように、青色のy値(By)は0.1以下を維持しており、目標色度に近いからである。現に、図4のB_withCFを見ると、膜厚が50nmから100nmまでの範囲では、膜厚が0nmの場合(即ち、低屈折率層が無い場合)に比べて光取り出し効率が向上している。具体的には、0nmのとき1.1cd/Aであるのが、50nmでは1.7cd/Aとなり、85nmでは2.3cd/Aまで向上している。
図6は、低屈折率層が有る場合と無い場合での光取り出し効率を示すテーブルである。図中、1st cavity、1.5 cavityは、図2(a)で説明した有機発光素子の内部の共振器構造の次数を示している。反射電極2と有機発光層6b、6g、6rとの間の機能層の膜厚をゼロから増加させると、光の干渉効果により光取り出し効率が周期的に変化する。このとき現れる極大値の次数を、膜厚の薄いものから順に1次(1st cavity)、2次(2nd cavity)、3次(3rd cavity)と称する。有機発光素子の内部の共振器構造には、1次の共振器構造が採用される場合もあるし、2次の共振器構造が採用される場合もある。また、発明者らの研究により、機能層の膜厚の変化に伴い光取り出し効率が変化するのに加えて色度も変化すること、さらに、光取り出し効率が極大値を示すときに色度が目標色度に近いとは限らないことが判明している。色度が目標色度から遠ければ、その分だけ重度のカラーフィルタによる色度補正をする必要がある。そうすると、色度補正前では光取り出し効率が極大値を示していても、色度補正後には光取り出し効率が極大値を示さなくなる場合がある。逆に、色度補正前では光取り出し効率が極大値を示さなくても、色度補正後には光取り出し効率が極大値を示す場合がある。このような場合、機能層の膜厚として、1次の極大値と2次の極大値との中間の膜厚が採用されることがある。このときの次数を、便宜上、1.5次(1.5 cavity)と称している。
図6によれば、有機発光素子の内部の共振器構造が1st cavityであれば、低屈折率層が有る場合(NaF=85nm)、青色の光取り出し効率が2.3cd/Aである。一方、低屈折率層が無い場合(NaF=0nm)、青色の光取り出し効率が1.1cd/Aである。この例では、低屈折率層を設けることで、光取り出し効率を約2倍向上させることができる。なお、低屈折率層が無い場合(NaF=0nm)でも1.5 cavityを採用すれば、青色の光取り出し効率を1.5cd/Aまで向上させることができるが、低屈折率層を設けた場合、それを遥かに超える効果が得られる。
図7は、各層の屈折率、膜厚および光学距離の範囲を示すテーブルである。低屈折率層にフッ化ナトリウムを採用すると屈折率が1.3程度となり、フッ化リチウムを採用すると屈折率が1.4程度となる。また、低屈折率層に酸化シリコンまたは酸窒化シリコンを採用すると屈折率が1.4から1.6までの範囲となる。酸化シリコンおよび酸窒化シリコンの場合は、組成比に応じて屈折率が変動する。これらを考慮すると、低屈折率層の屈折率は1.3以上1.6以下となる。また、低屈折率層の膜厚は、0nmから100nmまでのシミュレーションの範囲の中では、50nm以上100nm以下であるのが好ましい。このとき、屈折率と膜厚とを乗じて得られる光学距離は65nm以上160nm以下となる。
<1−2> 第2のシミュレーション
第1のシミュレーションでは、低屈折率層の膜厚の変動幅を0nmから100nmまでとし、低屈折率層の屈折率を1.3としている。第2のシミュレーションでは、より広い範囲で低屈折率層の膜厚および屈折率を変動させている。具体的には、第2のシミュレーションでは、低屈折率層の膜厚の変動幅を0nmから500nmまでとし、低屈折率層の屈折率の変動幅を1.0から2.0までとしている。
なお、第2のシミュレーションでは、屈折率は、光の波長が460nmのときの数値を表記することとしている。ただし、ITO以外の物質では屈折率の波長依存性が小さいので、光の波長に応じて屈折率の数値を使い分ける必要はない。一方、ITOでは屈折率の波長依存性が大きいので、光の波長に応じて屈折率の数値を使い分ける必要がある。ITOでは、光の波長が460nmのとき屈折率が2.21であり、光の波長が600nmのとき屈折率が2.0である。
図8に、第2のシミュレーションで用いた各層の屈折率および膜厚を示す。
図9は、第2のシミュレーションで得られた結果を示す図である。同図は、青色の有機発光素子の光取り出し効率の向上率を示す。光取り出し効率の向上率ΔEffは、低屈折率層が存在しない場合の有機発光素子の光取り出し効率をEff1とし、低屈折率層が存在する場合の有機発光素子の光取り出し効率をEff2としたとき、Eff2/Eff1で定義される。また、ここでは、色度のy値が0.06になるようなカラーフィルタを設けた場合の光取り出し効率を求めている。
図9によると、屈折率を固定すると膜厚の変化に応じて向上率ΔEffが周期的に変化することが分かる。これは、低屈折率層を設けることで光の干渉効果が生じていることを示している。また、膜厚を固定すると屈折率が小さいほど向上率が高いことが分かる。これは、低屈折率層の屈折率を小さくするほど、低屈折率層の界面での反射率が高くなり、光の干渉効果が強くなることを示している。
なお、上述の通り、低屈折率層を構成する材料を考慮すると、低屈折率層の現実的な屈折率は1.3以上1.6以下の範囲である。図9によると、低屈折率層の膜厚が20nm以上130nm以下であれば、屈折率が1.3以上1.6以下の範囲において光取り出し効率の向上率ΔEffが1を超えることが分かる。即ち、この場合には、低屈折率層が存在しない構造(従来構造)に比べて光取り出し効率を向上させることができる。このとき、低屈折率層の膜厚の光学距離は、26nm以上208nm以下となる。
また、図9によると、低屈折率層の膜厚が50nm以上110nm以下であれば、屈折率が1.3以上1.6以下の範囲において光取り出し効率の向上率ΔEffが1.125以上となることが分かる。この場合、光取り出し効率をより一層向上させることができる。このとき、低屈折率層の膜厚の光学距離は、65nm以上176nm以下となる。
図10は、低屈折率層の材料として具体的に3種類の物質を採用した場合の光取り出し効率の向上率を示す図である。3種類の物質とは、NaF(屈折率n=1.33)、SiOx(屈折率n=1.43)、および、SiOxy(屈折率n=1.59)である。
同図に示すように、低屈折率層の材料にフッ化金属であるNaFを採用した場合、膜厚が100nm付近で光取り出し効率の向上率が極大となり、その極大値が約1.7である。即ち、低屈折率層の材料にNaFを採用することで、最大で1.7倍まで光取り出し効率を向上できることが分かる。また、低屈折率層の材料にNaFを採用した場合、低屈折率層の膜厚を75nm以上120nm以下の範囲内とすることで、光取り出し効率の向上率を1.53倍(極大値1.7の90%)以上とすることができる。このとき、低屈折率層の膜厚の光学距離は、99.8nm以上160nm以下となる。
<2> 視野角
図11は、青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示す図である。また、図12は、青色の有機発光素子の色度の視野角依存性を示す図である。これらの図には、カラーフィルタが無く且つ低屈折率層が無い場合(B_CFless_NaF0nm)、カラーフィルタが無く且つ低屈折率層が有る場合(B_CFless_NaF85nm)、カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が無い場合(B_withCF_NaF0nm)、カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が有る場合(B_withCF_NaF85nm)が示されている。カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が無い場合が比較例に相当し、カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が有る場合が実施例に相当する。
図11に示すように、実施例では、視野角が0degから50degまでの範囲では、比較例に比べて光取出し効率が高い。また、視野角が50degから90degまでの範囲では、実施例は比較例と同程度の光取り出し効率を維持している。即ち、低屈折率層を設けることで、有機発光パネルの正面方向(0deg)の輝度を高めながら、斜め方向(例えば、50deg)の輝度もある程度維持することができる。正面方向の輝度を高めるには、共振器構造の改良により出射光の指向性を高める手法があるが、その場合は斜め方向の輝度が低下してしまう。本実施例は、そのようなトレードオフの関係がなく、正面方向の輝度を高めながら斜め方向の輝度もある程度維持することができる。
また、図12に示すように、視野角が0degから50degまでの範囲では、実施例は比較例と同程度の色度(y値)である。したがって、色度の視野角依存性に関して、本実施例は比較例と同程度を維持することができる。
次に、有機発光素子の内部の共振器構造が異なる場合について説明する。
図13は、青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示し、(a)は有機発光素子の内部の共振器構造が1st cavityの場合、(b)は2nd cavityの場合、(c)は1.5 cavityの場合である。これによると、共振器構造が2nd cavityの場合でも、視野角が0degから50degまでの範囲では、低屈折率層を設けることで、有機発光パネルの正面方向の輝度を高めながら、斜め方向の輝度もある程度維持できることが分かる。一方、1.5 cavityの場合は、有意な効果は見られなかった。1.5 cavityを1st cavityと重ねると図14のようになる。これによると、1.5 cavityでは、1st cavityの比較例(B_withCF_NaF0nm)に比べて正面方向の輝度は高いものの、斜め方向の輝度が低いことが分かる。したがって、低屈折率層を設ける場合は、有機発光素子の内部の共振器構造として1st cavityまたは2nd cavityを採用するのが好ましい。また、光取り出し効率の向上効果を考慮すると、特に1st cavityを採用するのがより好ましい。
<3> 低屈折率層とその上層との屈折率差
次に、低屈折率層の上層の屈折率が異なる場合について検討する。上記シミュレーションでは、低屈折率層の上層に第1薄膜封止層が積層された構造を想定している。これに対し、本シミュレーションでは、低屈折率層の上層にガラス基板が積層された構造を想定する。この場合、上記シミュレーションでは低屈折率層とその上層との屈折率差が0.6であったのに対し、本シミュレーションでは低屈折率層とその上層との屈折率差が0.2となる。
図15は、上記条件において低屈折率層の厚みを0nmから200nmまで変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図である。同図には有機発光素子の内部の共振器構造が1st cavityの場合と2nd cavityの場合とが示されている。これによると、低屈折率層の厚みが50nmから100nmまでの範囲では光取り出し効率が向上していることが分かる。したがって、低屈折率層の上層がガラス基板である構造であっても、低屈折率層を設けることで光取り出し効率を向上させることができる。
図16は、上記条件での青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示す図である。カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が無い場合(B_CFless_NaF0nm)が比較例に相当し、カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が有る場合(B_withCF_NaF85nm)が実施例に相当する。
図16に示すように、実施例では、視野角が0degから50degまでの範囲では、比較例に比べて光取出し効率が高い。また、視野角が50degから90degまでの範囲では、実施例は比較例と同程度の光取り出し効率を維持している。したがって、低屈折率層とその上層の屈折率差が0.2程度であっても、有機発光パネルの正面方向(0deg)の輝度を高めながら、斜め方向(例えば、50deg)の輝度もある程度維持するという効果を得ることができる。
なお、図11の実施例のほうが図16の実施例よりも光取り出し効率の向上の程度が大きい。これは、図16の実施例では低屈折率層とガラス基板との屈折率差が0.2であるのに対し、図11の実施例では低屈折率層と封止層との屈折率差が0.6と大きく、光の干渉効果が強く現れるからであると考えられる。
<4> 機能層の膜厚
次に、機能層(透明導電層、正孔注入層、正孔輸送層)の膜厚について検討する。図17は、機能層の膜厚を0nmから200nmまで変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は、各層の屈折率に図7の中間値(ave)を採用し、機能層以外の層の膜厚に図7の最小値(min)を採用した場合、(b)は、各層の屈折率に図7の中間値(ave)を採用し、機能層以外の層の膜厚に図7の最大値(max)を採用した場合を示す。これによると、機能層以外の層の膜厚が最小値の場合も最大値の場合も、光取り出し効率の1次極大値は機能層の膜厚が0nmから70nmまでの範囲に現れることが分かる。
また、図18は、青色の有機発光素子の光取り出し効率の視野角依存性を示す図であり、(a)は機能層の膜厚が70nmの場合、(b)は機能層の膜厚が80nmの場合である。カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が無い場合(B_CFless_NaF0nm)が比較例に相当し、カラーフィルタが有り且つ低屈折率層が有る場合(B_withCF_NaF85nm)が実施例に相当する。
機能層の膜厚が70nmの場合、低屈折率層が有るときは無いときに比べて正面方向(0deg)での光取り出し効率を高め、斜め方向(50deg)での光取り出し効率を維持している。これに対し、機能層の膜厚が80nmの場合、低屈折率層が有るときは無いときに比べて正面方向(0deg)での光取り出し効率を高められるものの、斜め方向(50deg)での光取り出し効率は低下している。
これらの結果から、有機発光素子の共振器構造に1st cavityを採用する場合、青色の有機発光素子の機能層の膜厚は0nm以上70nm以下にするとよいと考えられる。このときの光学距離は、0nm以上161nm以下となる。なお、機能層の膜厚の適切な範囲は、色毎に異なる。緑色の有機発光素子および赤色の有機発光素子の機能層の膜厚は0nm以上80nm以下にしても構わない。このときの光学距離は、0nm以上184nm以下となる。
<5> 原理の検討
次に、低屈折率層を設けることで光取り出し効率が向上する原理について検討する。
図19は、光が発光層から外部に出射される様子を模式的に示す図である。(a)は発光層(EML)上にガラスが積層された2層構造のモデルである。発光層の屈折率n1、ガラスの屈折率n2および空気の屈折率n3は、n1>n2>n3の関係を満たす。(b)は(a)からガラスを取り外したモデルである。この場合、光は発光層の中を導波伝播するため、光取り出し効率は向上しない。(c)は発光層の中の導波伝播を低減させるため、発光層を薄膜化したモデルである。この場合も光取り出し効率は向上しない。(d)はガラスを取り外して且つ発光層を薄膜化したモデルである。この場合、発光層の中の導波伝播が低減するので、光取り出し効率が向上する。ただし、実際の製品では発光層が空気に晒されるのは現実的ではない。(e)は、発光層を薄膜化して且つ低屈折率層を積層したモデルである。低屈折率層の屈折率n4は、n1>n4およびn2>n4の関係を満たす。この場合、光取り出し効率が向上する。(f)は、発光層を薄膜化し、且つ、発光層、低屈折率層およびガラスの3層構造としたモデルである。この場合、低屈折率層とガラスとの界面で正面方向に向けて光が屈折し、正面方向に取り出される光の量が増加する。これにより、光取り出し効率が向上するものと考えられる。
[各層の具体例]
<基板>
基板1は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板である。基板1の材料は、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラスなどのガラス板及び石英板、並びに、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂などのプラスチック板又はプラスチックフィルム、並びに、アルミナなどの金属板又は金属ホイルなどである。
<バンク>
バンク15は、絶縁性材料により形成されていれば良く、有機溶剤耐性を有することがよいと考えられる。また、バンク15はエッチング処理、ベーク処理などされることがあるので、それらの処理に対する耐性の高い材料で形成されることがよいと考えられる。バンク15の材料は、樹脂などの有機材料であっても、ガラスなどの無機材料であっても良い。有機材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などを使用することができ、無機材料として、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)などを使用することができる。
<反射電極>
反射電極2は、基板1に配されたTFTに電気的に接続されており、有機発光素子の正極として機能すると共に、有機発光層6b,6g,6rから反射電極2に向けて出射された光を反射する機能を有する。反射機能は、反射電極2の構成材料により発揮されるものでもよいし、反射電極2の表面部分に反射コーティングを施すことにより発揮されるものでもよい。反射電極2は、例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)、ACL(アルミニウム、コバルト、ランタンの合金)等で形成されている。
<透明導電層>
透明導電層3は、製造過程において反射電極2が自然酸化するのを防止する保護層として機能する。透明導電層3の材料は、有機発光層6b,6g,6rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが適用できる。室温で成膜しても良好な導電性を得ることができるからである。
<正孔注入層>
正孔注入層4は、正孔を有機発光層6b,6g,6rに注入する機能を有する。例えば、酸化タングステン(WOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化モリブデンタングステン(MoxWyOz)などの遷移金属の酸化物で形成される。遷移金属の酸化物で形成することで、電圧−電流密度特性を向上させ、また、電流密度を高めて発光強度を高めることができる。なお、これ以外に、遷移金属の窒化物などの金属化合物も適用できる。
<正孔輸送層>
正孔輸送層5の材料は、例えば、特開平5−163488号に記載のトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体である。特に好ましくは、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物である。
<有機発光層>
有機発光層6b,6g,6rの材料は、例えば、特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2−ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質である。
<電子輸送層>
電子輸送層7の材料は、例えば、特開平5−163488号公報のニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体である。
なお、電子注入性を更に向上させる点から、上記電子輸送層を構成する材料に、Na,Ba,Caなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドーピングしてもよい。
<透明電極>
透明電極8は、有機発光素子の負極として機能する。透明電極8の材料は、有機発光層6b,6g,6rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが適用できる。
<低屈折率層>
低屈折率層9は、その下層(本実施形態では透明電極8)よりも屈折率が低く、且つ、その上層(本実施形態では第1薄膜封止層10)よりも屈折率が低ければよい。低屈折率層9の材料としては、フッ化金属、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンが考えられる。フッ化金属にはアルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物が含まれる。アルカリ金属のフッ化物には、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化フランシウムがある。アルカリ土類金属のフッ化物には、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化ラジウムがある。
<第1薄膜封止層>
第1薄膜封止層10は、水分や酸素が有機発光素子に侵入することを防止する機能を有する。第1薄膜封止層10の材料としては、例えば、窒化シリコン(SiNx)や酸窒化シリコン(SiOxy)が適用できる。窒化シリコンや酸窒化シリコンは結晶構造が緻密なので水分や酸素の遮断性が高く、封止層の材料として適している。
<第2薄膜封止層>
第2薄膜封止層11は、第1薄膜封止層10に生じた隙間を埋めることで、より一層封止性を高める機能を有する。第2薄膜封止層11の材料としては、例えば、酸化アルミニウム(AlOx)が適用できる。ただし、酸化アルミニウムの他でも、ALD法で成膜可能な材料であれば適用可能である。
<樹脂封止層>
樹脂封止層12は、基板1から第2薄膜封止層11までの各層からなる背面パネルと、基板14とカラーフィルタ13b,13g,13rからなる前面パネルとを貼り合わせるとともに、各層が水分や酸素に晒されることを防止する機能を有する。樹脂封止層12の材料は、例えば、樹脂接着剤等である。
<カラーフィルタ>
カラーフィルタ13b,13g,13rは、有機発光層から出射された光の色度を補正する機能を有する。
<基板>
基板14の材料は、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラスなどのガラス板及び石英板、並びに、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂などのプラスチック板又はプラスチックフィルムである。
[有機表示装置]
図20は、本発明の実施形態に係る有機表示装置の機能ブロックを示す図である。図21は、本発明の実施形態に係る有機表示装置の外観を例示する図である。有機表示装置20は、有機表示パネル21と、これに電気的に接続された駆動制御部22とを備える。有機表示パネル21は、図1に示す画素構造を有するものである。駆動制御部22は、各有機発光素子の反射電極2と透明電極8との間に電圧を印加する駆動回路23と、駆動回路23の動作を制御する制御回路24とからなる。
[有機発光パネルの製造方法]
次に、有機発光パネルの製造方法を説明する。図22、図23、図24は、本発明の実施形態に係る有機発光パネルの製造方法を説明するための図である。
まず、基板1上に反射電極2を蒸着法やスパッタ法によって形成する(図22(a))。次に、反射電極2上に、蒸着法やスパッタ法により透明導電層3を形成する(図22(b))。
次に、透明導電層3上に、例えば、蒸着法やスパッタ法により正孔注入層4を形成し、バンク15を形成し、さらに、正孔注入層4上に、例えば、インクジェット法などの印刷法により正孔輸送層5を形成する(図22(c))。なお、機能層(透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5)の膜厚は、1st cavityまたは2nd cavityの共振器構造となるようにR,G,B各色で個別に設定される。1st cavityを採用する場合には、機能層の膜厚を70nm以下とし、その光学距離を161nm以下とする。
次に、正孔輸送層5上に、例えば、インクジェット法などの印刷法により有機発光層6b,6g,6rを形成する(図22(d))。
次に、有機発光層6b,6g,6r上に蒸着法やスパッタ法により電子輸送層7を形成する(図23(a))。
次に、電子輸送層7上に、蒸着法やスパッタ法により透明電極8を形成する(図23(b))。透明電極8の膜厚は30nm以上40nm以下とし、屈折率は2.0以上2.4以下とし、その光学距離は60nm以上96nm以下とする。
次に、透明電極8上に蒸着法、スパッタ法により低屈折率層9を形成する(図23(c))。低屈折率層9の膜厚は50nm以上130nm以下とし、屈折率は1.3以上1.6以下とし、その光学距離は26nm以上208nm以下とする。
次に、低屈折率層9上に蒸着法、スパッタ法またはCVD法により第1薄膜封止層10を形成し、さらに、第1薄膜封止層10上にALD法により第2薄膜封止層11を形成する(図24(a))。第1薄膜封止層10の膜厚は100nm以上680nm以下とし、屈折率は1.7以上2.1以下とし、その光学距離は170nm以上1428nm以下とする。
次に、第2薄膜封止層11上にカラーフィルタ13b,13g,13rが形成された基板14を、樹脂封止層12を用いて貼り合わせる(図24(b))。樹脂封止層12の膜厚は、例えば、1000nm以上10000nm以下とする。
[変形例]
上記実施形態以外に、例えば、以下のような変形例が考えられる。
<1>実施形態では、反射電極と有機発光層との間に機能層として、透明導電層、正孔注入層および正孔輸送層が存在している。しかしながら、この例に限らず、これらの何れかが無くてもよいし、これ以外の層が含まれていてもよい。
<2>実施形態では、有機発光層と透明電極との間に電子輸送層が存在している。しかしながら、この例に限らず、電子輸送層が無くてもよいし、これ以外の層、例えば電子注入層が含まれていてもよい。
<3>実施形態では、第1薄膜封止層と第2薄膜封止層との2層構造の薄膜封止層を設けている。しかしながら、この例に限らず、単層構造の薄膜封止層でもよいし、3層以上の多層構造でもよい。
<4>実施形態では、低屈折率層の上層に第1薄膜封止層、第2薄膜封止層および樹脂封止層からなる封止層が積層されている。しかしながら、これに限らず、これらの封止層が無くてもよい。
<5>実施形態では、屈折率に関して以下の(a)から(e)までの条件を満たしていることとしている。光の干渉を得るには各層の屈折率自体が重要ではなく、各層の屈折率の差が重要である。したがって、屈折率に関しては少なくとも(d)、(e)の条件を満たしていればよい。
(a) 2.0≦na≦2.4
(b) 1.3≦nb≦1.6
(c) 1.7≦nc≦2.1
(d) 0.4≦Δnab≦1.1
(e) 0.1≦Δnbc≦0.8
<6>実施形態では、透明電極の上層に低屈折率層が設けられ、低屈折率層の上層に第1薄膜封止層が設けられている。しかしながら、光学設計の観点では、低屈折率層の上層に設けられる層が封止層である必要はない。別の目的の層、例えば、光学調整のみを目的とする層が設けられていることとしてもよい。
本発明は、有機ELディスプレイ等に利用可能である。
1 基板
2 反射電極
3 透明導電層
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6b,6g,6r 有機発光層
7 電子輸送層
8 透明電極
9 低屈折率層
10 第1薄膜封止層
11 第2薄膜封止層
12 樹脂封止層
13b,13g,13r カラーフィルタ
14 基板
15 バンク
20 有機表示装置
21 有機表示パネル
22 駆動制御部
23 駆動回路
24 制御回路

Claims (20)

  1. 光反射性を備える第1電極と、
    前記第1電極に積層され、1または複数の層を有する機能層と、
    前記機能層に積層される有機発光層と、
    前記有機発光層の上方に設けられ、光透過性を備える第2電極と、
    前記第2電極に積層される第1の層と、
    前記第1の層に積層される第2の層と、
    前記第2の層に積層される第3の層と、を有し、
    前記第1の層の屈折率は、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下であり、
    前記第1の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下であり、
    前記第1の層の厚みは、20nm以上130nm以下であり、
    前記機能層の厚みが70nm以下であり、
    前記第3の層は、封止層である
    ことを特徴とする有機発光パネル。
  2. 前記第1の層の厚みは、50nm以上110nm以下である、
    ことを特徴とする請求項1記載の有機発光パネル。
  3. 前記第1の層は、フッ化金属を含み、前記第1の層の厚みは、75nm以上120nm以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機発光パネル。
  4. 前記第1の層の厚みは、50nm以上100nm以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機発光パネル。
  5. 前記第2電極の屈折率は、2.0以上2.4以下であり、
    前記第1の層の屈折率は、1.3以上1.6以下であり、
    前記第2の層の屈折率は、1.7以上2.1以下である、
    請求項1に記載の有機発光パネル。
  6. 前記第2電極の厚みは、30nm以上40nm以下であり、
    前記第2の層の厚みは、100nm以上680nm以下である、
    請求項1に記載の有機発光パネル。
  7. 前記第2電極は、ITOまたはIZOを含み、
    前記第1の層はフッ化金属、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンを含み、
    前記第2の層は窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含む、
    請求項1に記載の有機発光パネル。
  8. さらに、前記第2の層の上方に設けられたカラーフィルタを備える、
    請求項1に記載の有機発光パネル。
  9. 前記有機発光層は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)各色の有機発光層を含み、
    前記第1の層の厚みは、R、G、B各色で同じである、
    請求項1に記載の有機発光パネル。
  10. 光反射性を備える第1電極と、
    前記第1電極に積層され、1または複数の層を有する機能層と、
    前記機能層に積層される有機発光層と、
    前記有機発光層の上方に設けられ、光透過性を備える第2電極と、
    前記第2電極に積層される第1の層と、
    前記第1の層に積層される第2の層と、
    前記第2の層に積層される第3の層と、を有し、
    前記第1の層の屈折率は、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下であり、
    前記第1の層の屈折率は、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下であり、
    前記第1の層の厚みの光学距離は、26nm以上208nm以下であり、
    前記機能層の厚みの光学距離が161nm以下であり、
    前記第3の層は、封止層である
    ことを特徴とする有機発光パネル。
  11. 前記第1の層の厚みの光学距離は、65nm以上176nm以下である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の有機発光パネル。
  12. 前記第1の層は、フッ化金属を含み、前記第1の層の厚みの光学距離は、99.8nm以上160nm以下である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の有機発光パネル。
  13. 前記第1の層の厚みの光学距離は、65nm以上160nm以下である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の有機発光パネル。
  14. 前記第2電極の屈折率は、2.0以上2.4以下であり、
    前記第1の層の屈折率は、1.3以上1.6以下であり、
    前記第2の層の屈折率は、1.7以上2.1以下である、
    請求項10に記載の有機発光パネル。
  15. 前記第2電極の厚みの光学距離は、60nm以上96nm以下であり、
    前記第2の層の厚みの光学距離は、170nm以上1428nm以下である、
    請求項10に記載の有機発光パネル。
  16. 前記第2電極は、ITOまたはIZOを含み、
    前記第1の層はフッ化金属、酸化シリコンまたは酸窒化シリコンを含み、
    前記第2の層は窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含む、
    請求項10に記載の有機発光パネル。
  17. さらに、前記第2の層の上方に設けられたカラーフィルタを備える
    請求項10に記載の有機発光パネル。
  18. 前記有機発光層は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)各色の有機発光層を含み、
    前記第1の層の厚みは、R、G、B各色で同じである、
    請求項10に記載の有機発光パネル。
  19. 光反射性を備える第1電極を設ける工程と、
    前記第1電極に、1または複数の層を有する機能層を積層する工程と、
    前記機能層に有機発光層を積層する工程と、
    前記有機発光層の上方に、光透過性を備える第2電極を設ける工程と、
    前記第2電極に第1の層を積層する工程と、
    前記第1の層に第2の層を積層する工程と、
    前記第2の層に、封止層である第3の層を積層する工程と、を有し、
    前記第1の層を積層する工程において、
    前記第1の層の屈折率を、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下とし、
    前記第1の層の屈折率を、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下とし、
    前記第1の層の厚みを、20nm以上130nm以下とし、
    前記機能層の厚みを70nm以下とする
    ことを特徴とする有機発光パネルの製造方法。
  20. 光反射性を備える第1電極を設ける工程と、
    前記第1電極に、1または複数の層を有する機能層を積層する工程と、
    前記機能層に有機発光層を積層する工程と、
    前記有機発光層の上方に、光透過性を備える第2電極を設ける工程と、
    前記第2電極に第1の層を積層する工程と、
    前記第1の層に第2の層を積層する工程と、
    前記第2の層に、封止層である第3の層を積層する工程と、を有し、
    前記第1の層を積層する工程において、
    前記第1の層の屈折率を、前記第2電極の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.4以上1.1以下とし、
    前記第1の層の屈折率を、前記第2の層の屈折率よりも低く、かつ、その屈折率の差は、0.1以上0.8以下とし、
    前記第1の層の厚みの光学距離を、26nm以上208nm以下とし、
    前記機能層の厚みの光学距離を161nm以下とする
    ことを特徴とする有機発光パネルの製造方法。
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