JP5600752B2 - 有機elパネル、それを用いた表示装置および有機elパネルの製造方法 - Google Patents

有機elパネル、それを用いた表示装置および有機elパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機材料の電界発光現象を利用した有機ELパネル、それを用いた表示装置および有機ELパネルの製造方法に関し、特に、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の光取り出し効率を高めるための光学設計に関する。
近年、デジタルテレビ等の表示装置に用いられる表示パネルとして、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルの採用が提案されている。有機ELパネルは、基板上にR,G,Bの各色の有機EL素子が配列された構成を有している。
有機ELパネルでは、消費電力低減や長寿命化などの観点から、R,G,B各色の有機EL素子の光取り出し効率を向上させることが重要である。そこで、有機EL素子の光学設計の工夫により光取り出し効率を向上させる技術が多数提案されている(特許文献1〜6参照)。例えば、特許文献1には、光を反射する第1の電極と光を透過する第2の電極との間に、正孔を発生する第1の層、各発光色の発光層を含む第2の層、電子を発生する第3の層を有し、第1の層の膜厚が発光色毎に異なる発光素子が開示されている(段落0022〜0025)。同文献には、第1の電極と第2の層との間の光学距離を発光波長の(2m−1)/4倍(mは任意の正の整数)としたときに光の干渉効果により光取り出し効率が高くなると記載されている(段落0026,0027)。
また、有機ELパネルでは、光取り出し効率の向上に加えて、色再現性を向上させることも重要である。色再現性を向上させるには、R,G,B各色の光の色度を目標色度に近づける必要がある。そこで、R,G,B色毎にカラーフィルタを設けることで、不要な色成分をカットし、光の色度を調整することが行われている。
特開2006−156344号公報 特開2005−317255号公報 特開2005−322435号公報 特開2005−100946号公報 特開2008−41925号公報 特開2006−179780号公報
しかしながら、発明者らの研究により、単純に、光の干渉効果を最大限に高めてからカラーフィルタで色純度を高めようとしても、光取り出し効率の向上と色再現性の向上とを両立させることが困難なことが判明した。また、R,G,B各色のうちBでは、R,Gに比べて光取り出し効率が低く、特にBの光取り出し効率を改善することが有機ELパネルの実用化に向けての課題となっている。
そこで、本発明は、光取り出し効率の向上と色再現性の向上とを両立し、かつ、Bの光取り出し効率を改善することができる有機ELパネル、それを用いた表示装置および有機ELパネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る有機ELパネルは、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に設けられ、入射された光を反射する第1電極と、前記R,G,B各色の第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R、G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置された、1または2以上の層からなる機能層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置されたカラーフィルタと、を備え、前記有機発光層から出射された光の一部が、前記機能層を通じて前記第1電極側に進行し、前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された光の残りの一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極をおよび前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第2光路と、が形成され、前記R,G,B各色の機能層は、同一の膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さな値を示し、前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、前記R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示す。
本発明の一態様では、R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示す。外部に出射される光は、カラーフィルタを通過しているので、色度が目標色度に近づけられている。その上で、光取り出し効率が1次の極大値を示すので、光取り出し効率の向上と色再現性の向上を両立させることができる。
本発明の実施形態に係る有機ELパネルの画素構造を模式的に示す断面図 青色の有機EL素子における共振器構造を例示する図 シミュレーションで用いたR,G,B各色のカラーフィルタの透過スペクトルを示す図 正孔輸送層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は実施例1のCF無しの場合、(b)は実施例1のCF有りの場合、(c)は比較例1のCF無しの場合、(d)は比較例1のCF有りの場合を示す図 各層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示し、(a)は正孔輸送層でCF無しの場合、(b)は正孔輸送層でCF有りの場合、(c)は有機発光層でCF無しの場合、(d)は有機発光層でCF有りの場合を示す図 正孔輸送層の膜厚を最適値に設定した場合の光取り出し効率等を示す図であり、(a)は実施例1、(b)は比較例1を示す図 各種許容範囲を示す図 実施例1の有機EL素子の各層の膜厚の最小値(min)、中間値(ave)、最大値(max)を示す図 正孔輸送層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は実施例2のCF無しの場合、(b)は実施例2のCF有りの場合、(c)は比較例2のCF無しの場合、(d)は比較例2のCF有りの場合を示す図 正孔輸送層の膜厚を最適値に設定した場合の光取り出し効率等を示す図であり、(a)は実施例2、(b)は比較例2を示す図 実施例2の有機EL素子の各層の膜厚の最小値(min)、中間値(ave)、最大値(max)を示す図 正孔輸送層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は実施例3のCF無しの場合、(b)は実施例3のCF有りの場合、(c)は比較例3のCF無しの場合、(d)は比較例3のCF有りの場合を示す図 正孔輸送層の膜厚を最適値に設定した場合の光取り出し効率等を示す図であり、(a)は実施例3、(b)は比較例3を示す図 実施例3の有機EL素子の各層の膜厚の最小値(min)、中間値(ave)、最大値(max)を示す図 は、実施例3において、正孔輸送層の膜厚を変化させたときの色度(x,y)の変化を示す図であり、(a)はR、(b)はG、(c)はBの各色を示す図 実施例3における数1の各パラメータを示す図 本発明の実施形態に係る有機表示装置の機能ブロックを示す図 本発明の実施形態に係る有機表示装置の外観を例示する図 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図
[本発明の一態様を得るに至った経緯]
光を反射する第1の電極と光を透過する第2の電極との間に有機発光層が配置され、第1の電極と有機発光層との間に機能層が配置された有機ELパネルでは、有機発光層から出射された光の一部が第1の電極側に進行し第1の電極で反射されて機能層、有機発光層および第2電極とを通過する第1の光路と、有機発光層から出射された光の残りの一部が第1の電極側に進行せず第2の電極側に進行し第2の電極を通過する第2の光路とが形成される。このような有機ELパネルでは、機能層の膜厚をゼロから増加させていくと、光の干渉効果により光取り出し効率が周期的に変化していく。このとき現れる極大値の次数を、機能層の膜厚が薄いものから順に1次、2次、3次と称する。従来、機能層の膜厚を、光取り出し効率が極大値を示す膜厚にすればよいことが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、本発明者らの研究により、機能層の膜厚の変化に伴い光取り出し効率が変化するのに加えて色度も変化すること、さらに、光取り出し効率が極大値を示すときに色度が目標色度に近いとは限らないこと、また、そのような傾向は短波長域の青色光で顕著に見られることが判明した。色度が目標色度から遠ければ、その分だけカラーフィルタにより色度補正する必要がある。そうすると、色度補正前では光取り出し効率が極大値を示していても、色度補正後には光取り出し効率が極大値を示さなくなる場合がある。逆に言えば、色度補正前では光取り出し効率が極大値を示さなくても、色度補正後には光取り出し効率が極大値を示す場合がある。
上記事項から、特に、青色では、色度補正に用いるカラーフィルタの特性を考慮した上で各層の膜厚を最適化するのが好ましいことが分かる。本発明の一態様は、このような新たな知見に基づいて得られたものである。
[本発明の一態様の概要]
本発明の一態様に係る有機ELパネルは、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に設けられ、入射された光を反射する第1電極と、前記R,G,B各色の第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R、G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置された、1または2以上の層からなる機能層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置されたカラーフィルタと、を備え、前記有機発光層から出射された光の一部が、前記機能層を通じて前記第1電極側に進行し、前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された光の残りの一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極をおよび前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第2光路と、が形成され、前記R,G,B各色の機能層は、同一の膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さな値を示し、前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、前記R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示す。
本発明の一態様では、R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示す。外部に出射される光は、カラーフィルタを通過しているので、色度が目標色度に近づけられている。その上で、光取り出し効率が1次の極大値を示すので、光取り出し効率の向上と色再現性の向上を両立させることができる。
また、通常、有機発光層は、R,G,B各色で材料が異なるので、膜厚が同一であるか否かにかかわらず色毎に作り分ける必要がある。これに対し、機能層は、R,G,B各色で材料が同一なので、膜厚が同一であれば色毎に作り分ける必要がない。本発明の一態様では、機能層の膜厚がR,G,B各色で同一であり、有機発光層の膜厚がR,G,Bで相違する。すなわち、本来、色毎に作り分けを必要とする有機発光層のみで色毎の膜厚が調整されている。したがって、製造工程を簡便にすることができる。
なお、「機能層単独での光取り出し効率」とは、カラーフィルタの特性を考慮せずに、機能層の膜厚のみを考慮した場合の光取り出し効率、即ち、カラーフィルタが無いものと仮定した場合の光取り出し効率を言う。
また、前記Bの機能層の膜厚が、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚であることとしてもよい。
発明者らの研究により、R,Gでは、機能層の膜厚をそれ単独で1次の極大値を示す膜厚に調整すると、カラーフィルタを設けた場合でも光取り出し効率が極大値を示し、かつ、別の次数の極大値を示す膜厚に調整した場合に比べて極大値が大きいことが判明した。また、Bでは、機能層の膜厚を1次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚に調整すると、カラーフィルタを設けた場合に光取り出し効率が極大値を示すことが判明した。本発明の一態様である有機ELパネルでは、R,Gでは機能層の膜厚が1次の極大値を示す膜厚に調整され、Bでは機能層の膜厚が1次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚に調整されているので、カラーフィルタが有る場合の光取り出し効率をより高めることができる。
また、前記有機発光層の膜厚が、Rでは81nm以上99nm以下、Gでは63nm以上77nm以下、Bでは36nm以上44nm以下であり、前記機能層の膜厚が、31.5nm以上38.5nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層は、前記第1の電極である陽極上に形成された透明導電層と、前記透明導電層上に形成された正孔注入層と、前記正孔注入層上に形成された正孔輸送層とを含み、前記透明導電層の膜厚が、13.5nm以上16.5nm以下であり、前記正孔注入層の膜厚が、4.5nm以上5.5nm以下であり、前記正孔輸送層の膜厚が、13.5nm以上16.5nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1電極の材料が銀または銀合金であり、前記透明導電層の材料がITO(Indium Tin Oxide)であることとしてもよい。
また、前記有機発光層の膜厚が、Rでは81nm以上99nm以下、Gでは72nm以上88nm以下、Bでは36nm以上44nm以下であり、前記機能層の膜厚が、31.5nm以上38.5nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層は、前記第1の電極である陽極上に形成された透明導電層と、前記透明導電層上に形成された正孔注入層と、前記正孔注入層上に形成された正孔輸送層とを含み、前記透明導電層の膜厚が、18nm以上22nm以下であり、前記正孔注入層の膜厚が、4.5nm以上5.5nm以下であり、前記正孔輸送層の膜厚が、9nm以上11nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1電極の材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記透明導電層の材料がIZO(Indium Zinc Oxide)であることとしてもよい。
また、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に設けられ、入射された光を反射する第1電極と、前記R,G,B各色の第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R、G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置された、1または2以上の層からなる機能層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置されたカラーフィルタと、を備え、前記有機発光層から出射された光の一部が、前記機能層を通じて前記第1電極側に進行し、前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された光の残りの一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極をおよび前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第2光路と、が形成され、前記R,G各色の機能層は、同一の膜厚を有し、かつ、前記Bの機能層は、異なる膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さく且つ前記1次の極大値に較べて小さな値である2次の極大値よりも大きな値を示し、前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、前記R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示す。
本発明の一態様では、R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示す。外部に出射される光は、カラーフィルタを通過しているので、色度が目標色度に近づけられている。その上で、光取り出し効率が1次の極大値を示すので、光取り出し効率の向上と色再現性の向上を両立させることができる。
また、前記Bの機能層の膜厚が、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値を示す膜厚よりも厚く、かつ、2次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚であることとしてもよい。
発明者らの研究により、R,Gでは、機能層の膜厚をそれ単独で1次の極大値を示す膜厚に調整すると、カラーフィルタを設けた場合でも光取り出し効率が極大値を示し、かつ、別の次数の極大値を示す膜厚に調整した場合に比べて極大値が大きいことが判明した。また、Bでは、機能層の膜厚を1次の極大値を示す膜厚よりも厚く、かつ、2次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚に調整すると、カラーフィルタを設けた場合に光取り出し効率が極大値を示すことが判明した。本発明の一態様である有機ELパネルでは、R,Gでは機能層の膜厚が1次の極大値を示す膜厚に調整され、Bでは機能層の膜厚が1次の極大値を示す膜厚よりも厚く、かつ、2次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚に調整されているので、カラーフィルタが有る場合の光取り出し効率をより高めることができる。
また、前記機能層は、印刷法で形成される層と物理蒸着法で形成される層とを含み、前記機能層のうちの塗布法で形成される層のR,Gの膜厚が同一であり、Bの膜厚が異なり、前記機能層のうちの物理蒸着法で形成される層のR,G,Bの膜厚が同一であることとしてもよい。
通常、有機発光層は、R,G,B各色で材料が異なるので、膜厚が同一であるか否かにかかわらず色毎に作り分ける必要がある。機能層は、R,G,B各色で材料が同一なので、膜厚が異なれば色毎に作り分ける必要があるが、膜厚が同一であれば色毎に作り分ける必要がない。また、印刷法は、物理蒸着法に比べて色毎の作り分けが容易である。本発明の一態様である有機ELパネルによれば、本来、色毎に作り分けを必要とする有機機能層、および、色毎の作り分けが容易である印刷法により形成される層で、色毎の膜厚が調整されている。したがって、製造工程を簡便にすることができる。
また、前記有機発光層の膜厚が、Rでは54nm以上66nm以下、Gでは36nm以上44nm以下、Bでは90nm以上110nm以下であり、R,Gの機能層の膜厚が45nm以上55nm以下であり、Bの機能層の膜厚が112.5nm以上137.5nm以下であることとしてもよい。
また、前記機能層は、前記第1の電極である陽極上に形成された透明導電層と、前記透明導電層上に形成された正孔注入層と、前記正孔注入層上に形成された正孔輸送層とを含み、前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚が、27nm以上30nm以下であり、前記R,G,B各色の正孔注入層の膜厚が、4.5nm以上5.5nm以下であり、前記R,Gの正孔輸送層の膜厚が、13.5nm以上16.5nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚が、81nm以上99nm以下であることとしてもよい。
また、前記第1電極の材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記透明導電層の材料がIZO(Indium Zinc Oxide)であることとしてもよい。
また、前記有機発光層は、有機材料を含み、印刷法を用いて形成されることとしてもよい。
本発明の一態様である表示装置は、上記有機ELパネルを備える。
本発明の一態様に係る有機ELパネルの製造方法は、入射された光を反射する第1電極を、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に準備する第1工程と、前記R,G,B各色の第1電極上に、1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、前記R,G,B各色の有機発光層の上方に、前記第1の電極と対向して配置され、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程と、前記R,G,Bの色毎に、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置されるカラーフィルタを設ける第5工程を備え、前記第2工程では、前記R,G,B各色の機能層は、同一の膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さな値を示すように、形成され、前記第3工程では、前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、かつ、前記R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示すように、形成される。
本発明の一態様に係る有機ELパネルの製造方法は、入射された光を反射する第1電極を、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に準備する第1工程と、前記R,G,B各色の第1電極上に、1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、前記R,G,B各色の有機発光層の上方に、前記第1の電極と対向して配置され、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程と、前記R,G,Bの色毎に、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置されるカラーフィルタを設ける第5工程を備え、前記第2工程では、前記R,G各色の機能層は、同一の膜厚を有し、かつ、前記Bの機能層は、異なる膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さく且つ前記1次の極大値に較べて小さな値である2次の極大値よりも大きな値を示すように、形成され、前記第3工程では、
前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、前記R,G,B各色のカラーフィルタを通じて外部に出射される光の光取り出し効率が1次の極大値を示すように、形成される。
なお、本明細書において、「膜厚が同一」とは、実測値が一致している場合のほか、実測値が一致していなくても製造誤差を考慮して実測値が±10%の範囲内でずれている場合も含むものとする。
また、本発明の一態様に係る有機ELパネルは、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に設けられ、入射された光を反射する第1電極と、前記R,G,B各色の第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R、G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置された、1または2以上の層からなる機能層と、前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置されたカラーフィルタと、を備え、前記有機発光層から出射された光の一部が、前記機能層を通じて前記第1電極側に進行し、前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第1光路と、前記有機発光層から出射された光の残りの一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極をおよび前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第2光路と、が形成され、Rでは、光取り出し効率が極大値を示す機能層の膜厚が、前記カラーフィルタが有る場合と無い場合とで同一になるように、前記有機発光層の膜厚が調整され、Gでは、光取り出し効率が極大値を示す機能層の膜厚が、前記カラーフィルタが有る場合と無い場合とで同一になるように、前記有機発光層の膜厚が調整され、Bでは、光取り出し効率が極大値を示す機能層の膜厚が、前記カラーフィルタが有る場合と無い場合とで異なるように、かつ、それらが同一の場合に比べて前記カラーフィルタが有る場合の光取り出し効率が高くなるように、前記有機発光層の膜厚が調整され、R,G,B各色の機能層の膜厚が、前記カラーフィルタが有る場合の光取り出し効率が極大値となる膜厚である。
本発明の一態様では、R,G,B各色のカラーフィルタが有る場合の光取り出し効率が極大値となるように機能層の膜厚が調整されている。「カラーフィルタが有る場合」なので、色度が目標色度に近づけられた上での光取り出し効率が考慮されている。そして、その光取り出し効率が極大値を示すように機能層の膜厚が調整されているので、光取り出し効率の向上と色再現性の向上とを両立させることができる。さらに、Bでは、カラーフィルタが有る場合と無い場合とで光取り出し効率が同一となる場合に比べて、カラーフィルタが有る場合の光取り出し効率が高くなるように有機発光層の膜厚が調整されている。そのため、Bの光取り出し効率をさらに改善することができる。
[有機ELパネルの画素構造]
図1は、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの画素構造を模式的に示す断面図である。
有機ELパネルでは、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色の画素が行方向及び列方向にマトリックス状に規則的に配置されている。各画素は有機材料を用いた有機EL素子で構成されている。
青色の有機EL素子は、基板1、反射電極2、透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層6b、電子輸送層7、透明電極8、薄膜封止層9、樹脂封止層10、基板11およびカラーフィルタ13bを備える。以下、反射電極2と有機発光層6bとの間に配置された、透明導電層3、正孔注入層4および正孔輸送層5を「第1機能層」と称し、有機発光層6bと透明電極8との間に配置された電子輸送層7を「第2機能層」と称することがある。
緑色の有機EL素子は、有機発光層6gおよびカラーフィルタ13gを除き、青色の有機EL素子と同様の構成を有する。赤色の有機EL素子も、有機発光層6rおよびカラーフィルタ(CF)13rを除き、青色の有機EL素子と同様の構成を有する。この例では、R,G,B各色の有機EL素子において、基板1、電子輸送層7、透明電極8、薄膜封止層9、樹脂封止層10および基板11が共通であり、それ以外の層はバンク12で区分されている。
各色の有機EL素子では、反射電極2の存在により光の干渉効果を利用した共振器構造が実現されている。図2に青色の有機EL素子における共振器構造を例示する。有機EL素子には、有機発光層6bから出射された光の一部が、第1機能層を通じて反射電極2側に進行し、反射電極2により反射された後、第1機能層、有機発光層6b、第2機能層および透明電極8を通じて外部に出射される第1光路C1と、有機発光層6bから出射された光の残りの一部が、反射電極2側に進行することなく、第2機能層を通じて透明電極8に進行し、透明電極8を通じて外部に出射される第2光路C2とが形成される。第1機能層の膜厚を適切に設定することにより、第1光路C1を通過する光と第2光路C2を通過する光とが強め合い、光取り出し効率を高めることができる。
カラーフィルタ(CF)無しの場合に、有機発光層の膜厚を固定して第1機能層の膜厚を変化させると、光取り出し効率が周期的に変化し、その極大値が周期的に現れる。この光取り出し効率が極大値となる第1機能層の膜厚(以下、これを「ピーク位置」と呼び、ピーク位置とピーク位置との間に相当する膜厚を「ピーク間」と呼ぶこともある。)は、有機発光層の膜厚を調整することによりシフトさせることができる。
本実施形態において、R,G,B各色の第1機能層の膜厚は同一である。また、R,G,B各色の有機発光層の膜厚は、以下の条件1,2を満たした上で、第1機能層の膜厚が同一になるように調整されており、その結果、互いに異なっている。
(条件1)R,G各色の第1の機能層の膜厚が、CF無しの場合でもCF有りの場合でも1次の極大値を示す膜厚である。
(条件2)Bの第1の機能層の膜厚が、CF無しの場合にピーク間に相当する膜厚であり、かつ、CF有りの場合に1次の極大値を示す膜厚である。
以下、便宜上、1次よりも薄い膜厚の次数を「0.5次」、1次よりも厚く2次よりも薄い膜厚の次数を「1.5次」、2次よりも厚く3次よりも薄い膜厚の次数を「2.5次」などと称する。そうすると、条件2は、Bの第1の機能層の膜厚がCF無しの場合に0.5次、1.5次または2.5次などのピーク間に相当する膜厚であり、かつ、CF有りの場合に1次の極大値を示す膜厚であると言い換えることができる。
上記の通り、本実施形態では、R,G,B各色の第1機能層の膜厚は、CF有りの場合の光取り出し効率が極大値となるように調整されている。そのため、光取り出し効率の向上と色再現性の向上とを両立させることができる。
なお、R,G,B各色の第1機能層の膜厚の次数が、1次、1次、0.5次の場合と、1次、1次、1.5次の場合には、光取り出し効率および製造工程の簡便性の観点から、より好ましいことが判明した。以下、詳細に説明する。
[第1のシミュレーション]
発明者らは、実施例1と比較例1とを用意し、これらの各層の最適膜厚をシミュレーションにより求めた。
第1のシミュレーションでは、反射電極の材料をAg合金、透明導電層の材料をITO(Indium Tin Oxide)、R,G,B各色の有機発光層の材料を、サメイション(SUMATION)社製のRP158、GP1200、BP105とした。図3に、本シミュレーションで用いたR,G,B各色のカラーフィルタの透過スペクトルを示す。本シミュレーションで用いたカラーフィルタ特性は、公知技術を元に、本実施形態における光学特性などの観点から適宜調整して作成した。例えば、Red,GreenのCF特性は、特開2005−116516(図5)を参考にし、BlueのCF特性は、B440(株式会社オプトライン)を参考にしている。
図4は、正孔輸送層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は実施例1のCF無しの場合、(b)は実施例1のCF有りの場合、(c)は比較例1のCF無しの場合、(d)は比較例1のCF有りの場合である。
実施例1では、電子輸送層の膜厚を30nm、正孔注入層の膜厚を5nm、透明導電層の膜厚を15nm、有機発光層の膜厚をR,G,B各色でそれぞれ90nm、70nm、40nmに固定し、正孔輸送層の膜厚のみを変化させている。
比較例1では、電子輸送層の膜厚を30nm、正孔注入層の膜厚を5nm、透明導電層の膜厚を15nm、有機発光層の膜厚をR,G,B各色でそれぞれ80nm、80nm、60nmに固定し、正孔輸送層の膜厚のみを変化させている。
CF有りの場合は、任意の膜厚を選択し、その膜厚でのCF無しの場合の色度を求め、得られた色度を目標色度に近づけるためのCF特性を求め、そのCF特性を有するCFを設けた場合の光取り出し効率を求めるという一連の作業を、調査範囲の全ての膜厚に対して行うことにより得られる。
図4(a)、(c)を見ると、以下のことが分かる。
(1)正孔輸送層の膜厚を変化させると、光取り出し効率が周期的に変化し、光取り出し効率の極大値が周期的に現れる。
(2)極大値が現れる周期は、R,G,Bの順、即ち、光の波長が短くなるほど短くなる。
(3)周期的に現れる極大値を、正孔輸送層の膜厚の薄い順に1次(1st)、2次(2nd)と名付けた場合、次数が小さいほど極大値が大きくなる。
上記(1)、(2)は、第1光路C1を通過する光と第2光路C2を通過する光とで干渉が生じていることを示している。また、上記(3)は、次数が小さな極大値をとるように正孔輸送層の膜厚を設定することにより光取り出し効率を高められることを示している。
また、図4(a)、(b)を見ると、R,Gでは、CF無しの場合に15nmで光取り出し効率が1次の極大値を示し、CF有りの場合でも15nmで光取り出し効率が極大値となる。つまり、R,Gでは、光取り出し効率が極大値を示す膜厚が、CF有りの場合とCF無しの場合とで同一である。これに対し、Bでは、CF無しの場合に40nmで光取り出し効率が1次の極大値を示し、CF有りの場合には15nmで光取り出し効率が極大値となる。つまり、Bでは、光取り出し効率が極大値を示す膜厚が、CF有りの場合とCF無しの場合とで異なる。
また、図4(b)から、実施例1では、光取り出し効率を高めるためには、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚を15nm、15nm、15nmにするのが最適である。一方、図4(d)から、比較例1では、光取り出し効率を高めるためには、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚を20nm、9nm、5nmにするのが最適である。このように、実施例1では、光取り出し効率を高めるのに最適な正孔輸送層の膜厚がR,G,B各色で一致しているのに対し、比較例1では一致していない。これらの相違は、有機発光層の膜厚調整に起因している。実は、実施例1では、CF有りの場合に光取り出し効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚がR,G,B各色で一致するように、R,G,B各色の有機発光層の膜厚が設定されている。具体的には、R,G,B各色で膜厚が90nm、70nm、40nmである。これに対し、比較例1では、そのような設計思想はなく、単に、発光に支障が無い範囲でR,G,B各色の有機発光層の膜厚を揃えるように設定されている。具体的には、R,G,B各色で膜厚が80nm、80nm、60nmである。このような設計思想の相違に起因して、実施例1と比較例1とで異なる結果が現れている。
なお、図4(c)に示すように、比較例1でも、CF無しの場合には、光取り出し効率が1次極大値を示す正孔輸送層の膜厚がR,G,B各色で一致している。しかしながら、図4(d)に示すように、CF有りの場合にはそれらがR,G,B各色で不一致となる。これは、CF無しを前提として各層の膜厚を最適に設計したとしても、それにCFを設けた場合には必ずしも最適にはならないことを示唆している。つまり、CF有りを前提とする場合には、CF特性を絡めて各層の膜厚を検討する必要がある。実施例1は、CF特性を絡めて各層の膜厚を検討した結果得られたものであり、CF有りの場合に最適な設計になっている。
なお、実施例1では、正孔輸送層の膜厚、ひいては第1機能層の膜厚がR,G,B各色で同一であり、有機発光層の膜厚がR,G,B各色で異なる。以下に示すように、R,G,B各色の有機発光層の膜厚を調整することで、第1機能層の膜厚を調整するよりも、光取り出し効率を高められる場合が多くなる。
図5は、各層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示し、(a)は正孔輸送層でCF無しの場合、(b)は正孔輸送層でCF有りの場合、(c)は有機発光層でCF無しの場合、(d)は有機発光層でCF有りの場合である。
図5(b)、(d)を比較すると、正孔輸送層と有機発光層とで、光取り出し効率の変化の周期はほぼ同じであるが、光取り出し効率の変化幅h1、h2が異なる。即ち、膜厚変化に対する光取り出し効率の変化の割合が、有機発光層のほうが正孔輸送層よりも小さい。
有機EL素子の各層をインクジェット法で作製する場合、インクの滴下数で膜厚が調整されることになる。このとき、インク一滴の量が膜厚調整の最小単位となる。そのため、膜厚の調整は、連続的ではなく離散的にしかすることができない。このような場合、膜厚変化に対する光取り出し効率の変化の割合が小さな層で膜厚を調整したほうが、光取り出し効率を最も高めることができる膜厚に合わせ込むのに有利である。
実施例1では、有機発光層でR,G,B各色の膜厚を調整しているので、光取り出し効率を最も高めることができる膜厚に合わせ込みやすい。
図6は、正孔輸送層の膜厚を最適値に設定した場合の光取り出し効率等を示す図であり、(a)は実施例1、(b)は比較例1である。
上述のように、実施例1では、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚の最適値は、15nm、15nm、15nmである。このとき、R,G,B各色の光取り出し効率は、それぞれ2.1cd/A、5.0cd/A、0.57cd/Aとなり、色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.68)、(0.13,0.06)となる。また、第1機能層におけるR,G,B各色の膜厚誤差の許容範囲は、−10〜+10nm、−9〜+11nm、−15〜+10nmとなり、R,G,B各色の膜厚誤差の許容幅は、20nm、20nm、25nmとなる。
「膜厚誤差の許容範囲」とは、図7に示す許容範囲を満たすことを条件として、各層の膜厚を最適値からずらすことができる限度を示している。図7では、次の許容範囲が示されている。
(1)有機ELパネルの面内での光取り出し効率のばらつきが20[%]以内
(2)有機ELパネルの面内での色度のばらつきがx,yともに0.04以内
(3)視野角30°における輝度が視野角0°における輝度に対して90[%]以上、かつ、視野角45°における輝度が視野角0°における輝度に対して80[%]以上
(4)視野角50°における色度と視野角0°における色度との差がx,yともに0.04以内
膜厚誤差の許容範囲が広いほど、製造工程において各層の膜厚調整が容易となることを意味する。「膜厚誤差の許容幅」とは、許容範囲の上限と下限の差である(例えば、実施例1のRでは、上限が+10、下限が−10なので、差が20となる)。
一方、比較例1では、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚の最適値は、20nm、9nm、5nmである。このとき、R,G,B各色の光取り出し効率は、それぞれ2.1cd/A、5.0cd/A、0.51cd/Aとなり、色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.68)、(0.13,0.06)となる。また、R,G,B各色の膜厚誤差の許容範囲は、−11〜+9nm、−7〜+11nm、−7〜+11nmとなり、R,G,B各色の膜厚誤差の許容幅は、20nm、18nm、18nmとなる。
このように、実施例1は、比較例1と比べて同程度の色度を確保しながら、特にBでは光取り出し効率を高めることができる。しかも、第1機能層の膜厚をR,G,B各色で一致させることができるので、製造工程を簡便にすることができる。
なお、実施例1において、Bでは、有機発光層の膜厚を40nmにすることにより、CF有りの場合とCF無しの場合とで、光取り出し効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が異なるようにしている。ここで、Bの有機発光層の膜厚を55nmにすると、CF有りの場合とCF無しの場合とでそれらが同一になり、このときBの光取り出し効率が0.51cd/Aになることが判明している。それらを比較すると、実施例1では、CF有りの場合とCF無しの場合とで光取り出し効率が極大値を示す正孔輸送層の膜厚が同一となるように調整した場合よりも、光取り出し効率を高めることができると言える。
以上より、光取り出し効率および製造工程の簡便性の観点から、R,G,B各色の第1機能層の膜厚の次数が、1次、1次、0.5次の場合が好ましいと言える。
また、有機EL素子の各層の膜厚は、製造誤差を考慮して、上記シミュレーションにより得られた膜厚から±10%のずれの範囲内であればよいものとする。図8に、実施例1の有機EL素子の各層の膜厚の最小値(min)、中間値(ave)、最大値(max)を示す。即ち、R,G,B共通に、透明導電層は13.5nm以上16.5nm以下、正孔注入層は4.5nm以上5.5nm以下、正孔輸送層は13.5nm以上16.5nm以下、電子輸送層は27nm以上33nm以下であればよい。このとき、有機発光層から反射電極までの光学的な距離が57.6nm以上70.4nm以下となり、有機発光層から透明電極までの光学的な距離が48.6nm以上59.4nm以下となる。また、Rの有機発光層は81nm以上99nm以下、Gの有機発光層は63nm以上77nm以下、Bの有機発光層は36nm以上44nm以下であればよい。
[第2のシミュレーション]
発明者らは、さらに、実施例2と比較例2とを用意し、これらの各層の最適膜厚をシミュレーションにより求めた。第2のシミュレーションが第1のシミュレーションと異なるのは、反射電極の材料をAl合金、透明導電層の材料をIZO(Indium Zinc Oxide)としたことである。
図9は、正孔輸送層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は実施例2のCF無しの場合、(b)は実施例2のCF有りの場合、(c)は比較例2のCF無しの場合、(d)は比較例2のCF有りの場合である。
実施例2では、電子輸送層の膜厚を30nm、正孔注入層の膜厚を5nm、透明導電層の膜厚を20nm、有機発光層の膜厚をR,G,B各色でそれぞれ90nm、80nm、40nmに固定し、正孔輸送層の膜厚のみを変化させている。
比較例2では、電子輸送層の膜厚を30nm、正孔注入層の膜厚を5nm、透明導電層の膜厚を20nm、有機発光層の膜厚をR,G,B各色でそれぞれ80nm、80nm、60nmに固定し、正孔輸送層の膜厚のみを変化させている。
図9(b)から、実施例2では、光取り出し効率を高めるためには、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚を10nm、10nm、10nmにするのが最適である。一方、図9(d)から、比較例2では、光取り出し効率を高めるためには、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚を25nm、16nm、9nmにするのが最適である。このように、実施例2では、光取り出し効率を高めるのに最適な正孔輸送層の膜厚がR,G,B各色で一致しているのに対し、比較例2では一致していない。この理由は、第1のシミュレーションで説明した通りである。実施例2では、CF有りの場合に光取り出し効率の1次極大値を示す正孔輸送層の膜厚がR,G,B各色で一致するように、R,G,B各色の有機発光層の膜厚が、90nm、80nm、40nmに設定されている。これに対し、比較例2では、第1のシミュレーションと同様、R,G,B各色の有機発光層の膜厚が、80nm、80nm、60nmに設定されている。
図10は、正孔輸送層の膜厚を最適値に設定した場合の光取り出し効率等を示す図であり、(a)は実施例2、(b)は比較例2である。
上述のように、実施例2では、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚の最適値は、10nm、10nm、10nmである。このとき、R,G,B各色の光取り出し効率は、それぞれ1.8cd/A、4.7cd/A、0.58cd/Aとなり、色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.67)、(0.13.0.06)となる。また、第1機能層におけるR,G,B各色の膜厚誤差の許容範囲は、−10〜+12nm、−10〜+17nm、−6〜+9nmとなり、R,G,B各色の膜厚誤差の許容幅は、22nm、27nm、15nmとなる。
一方、比較例2では、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚の最適値は、25nm、16nm、9nmである。このとき、R,G,B各色の光取り出し効率は、それぞれ1.9cd/A、4.7cd/A、0.49cd/Aとなり、色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.67)、(0.13,0.06)となる。また、第1機能層におけるR,G,B各色の膜厚誤差の許容範囲は、−13〜+13nm、−17〜+11nm、−9〜+11nmとなり、R,G,B各色の膜厚誤差の許容幅は、26nm、28nm、20nmとなる。
このように、実施例2は、比較例2と比べて同程度の色度を確保しながら、特にBでは光取り出し効率を高めることができる。しかも、第1機能層の膜厚をR,G,B各色で一致させることができるので、製造工程を簡便にすることができる。
以上より、光取り出し効率および製造工程の簡便性の観点から、R,G,B各色の第1機能層の膜厚の次数が、1次、1次、0.5次の場合が好ましいと言える。
また、有機EL素子の各層の膜厚は、製造誤差を考慮して、上記シミュレーションにより得られた膜厚から±10%のずれの範囲内であればよいものとする。図11に、実施例2の有機EL素子の各層の膜厚の最小値(min)、中間値(ave)、最大値(max)を示す。即ち、R,G,B共通に、透明導電層は18nm以上22nm以下、正孔注入層は4.5nm以上5.5nm以下、正孔輸送層は9nm以上11nm以下、電子輸送層は27nm以上33nm以下であればよい。このとき、有機発光層から反射電極までの光学的な距離が60.5nm以上74.0nm以下となり、有機発光層から透明電極までの光学的な距離が48.6nm以上59.4nm以下となる。また、Rの有機発光層は81nm以上99nm以下、Gの有機発光層は72nm以上88nm以下、Bの有機発光層は36nm以上44nm以下であればよい。
[第3のシミュレーション]
発明者らは、さらに、実施例3と比較例3とを用意し、これらの各層の最適膜厚をシミュレーションにより求めた。第3のシミュレーションが第1のシミュレーションと異なるのは、反射電極の材料をAl合金、透明導電層の材料をIZO(Indium Zinc Oxide)としたこと、R,G,B各色の第1機能層の膜厚の次数が、1次、1次、1.5次であることである。
図12は、正孔輸送層の膜厚を変化させたときの光取り出し効率の変化を示す図であり、(a)は実施例3のCF無しの場合、(b)は実施例3のCF有りの場合、(c)は比較例3のCF無しの場合、(d)は比較例3のCF有りの場合である。
実施例3では、電子輸送層の膜厚を30nm、正孔注入層の膜厚を5nm、透明導電層の膜厚を30nm、有機発光層の膜厚をR,G,B各色でそれぞれ60nm、40nm、100nmに固定し、正孔輸送層の膜厚のみを変化させている。
比較例3では、電子輸送層の膜厚を30nm、正孔注入層の膜厚を5nm、透明導電層の膜厚を30nm、有機発光層の膜厚をR,G,B各色でそれぞれ50nm、50nm、50nmに固定し、正孔輸送層の膜厚のみを変化させている。
図12(b)から、実施例3では、光取り出し効率を高めるためには、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚を15nm、15nm、90nmにするのが最適である。一方、図12(d)から、比較例3では、光取り出し効率を高めるためには、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚を20nm、10nm、110nmにするのが最適である。
正孔輸送層は、印刷法の一種であるインクジェット法で成膜することができる。インクジェット法は、物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法に比べて、色毎の作り分けが容易である。実施例3のように、インクジェット法で成膜可能な正孔輸送層で各色の膜厚を調整することにより、製造工程を簡便にすることができる。また、実施例3では、比較例3に比べて、R,G,Bでの正孔輸送層の膜厚差が小さい。そのため、インクジェット法での成膜がより容易であり、製造工程の簡便化に貢献することができる。
図13は、正孔輸送層の膜厚を最適値に設定した場合の光取り出し効率等を示す図であり、(a)は実施例3、(b)は比較例3である。
上述のように、実施例3では、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚の最適値は、15nm、15nm、90nmである。このとき、R,G,B各色の光取り出し効率は、それぞれ2.1cd/A、5.0cd/A、0.51cd/Aとなり、色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.68)、(0.13.0.06)となる。
一方、比較例3では、R,G,B各色の正孔輸送層の膜厚の最適値は、20nm、10nm、110nmである。このとき、R,G,B各色の光取り出し効率は、それぞれ2.0cd/A、5.2cd/A、0.51cd/Aとなり、色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.68)、(0.13,0.06)となる。
このように、実施例3は、比較例3と同程度の光取り出し効率および色度を実現しつつ、R,G,B各色での第1機能層の膜厚差を小さくすることができる。したがって、光取り出し効率を高めながら、製造工程を簡便にすることができる。
また、有機EL素子の各層の膜厚は、製造誤差を考慮して、上記シミュレーションにより得られた膜厚から±10%のずれの範囲内であればよいものとする。図14に、実施例3の有機EL素子の各層の膜厚の最小値(min)、中間値(ave)、最大値(max)を示す。即ち、R,G,B共通に、透明導電層は27nm以上33nm以下、正孔注入層は4.5nm以上5.5nm以下、電子輸送層は27nm以上33nm以下であればよい。また、R,Gの正孔輸送層は13.5nm以上16.5nm以下、Bの正孔輸送層は、81nm以上99nm以下であればよい。このとき、有機発光層から反射電極までの光学的な距離がR,Gでは86.4nm以上105.6nm以下となり、Bでは202.8nm以上247.9nm以下となり、有機発光層から透明電極までの光学的な距離が48.6nm以上59.4nm以下となる。さらに、Rの有機発光層は54nm以上66nm以下、Gの有機発光層は36nm以上44nm以下、Bの有機発光層は90nm以上110nm以下であればよい。
[補足説明]
既に、CF有りの場合にはCF特性を絡めて各層の膜厚を検討すべきことを説明した。これについてもう少し詳細に説明する。
図15は、実施例3において、正孔輸送層の膜厚を変化させたときの色度(x,y)の変化を示す図であり、(a)はR、(b)はG、(c)はBの各色である。
図15から、正孔輸送層の膜厚を変化させたときに色度が変化することが分かる。また、図15および図12(a)から、光取り出し効率が極大値のときに色度が目標色度に近いとは限らないことが分かる。ここで、R,G,B各色の目標色度は、それぞれ(0.66,0.34)、(0.28,0.68)、(0.13,0.06)である。例えば、Bでは正孔輸送層の膜厚が125nmのときに光取り出し効率が2次の極大値を示す(図12(a)参照)。このとき、Bの色度のy値は、0.20付近にあり(図15(c)参照)、目標色度のy値0.06から遠い。
CF無しの場合の色度が目標色度から遠ければ、その分だけカラーフィルタにより色度補正をする必要がある。そのため、CF無しの場合では光取り出し効率が極大値であっても、CF有りの場合には光取り出し効率が極大値ではなくなる場合がある。
以上より、CF有りの場合には、CF特性を絡めて各層の膜厚を検討する必要があると言える。
また、共振器構造の一般的な分析手法により、次の事項も導き出すことができる。共振器構造では、反射電極と有機発光層との間の光学的な距離L[nm]、共振波長λ[nm]、位相シフトΦ[ラジアン]が、以下の数1を満たす。
Figure 0005600752
反射電極での位相シフトΦは、以下の数2で求めることができる。
Figure 0005600752
ただし、nは透明導電層の屈折率、nは反射電極の屈折率、kは反射電極の消衰係数である。
図16に示すように、実施例3のR,Gでは、数1の右辺mが整数「0」になり、Bでは数1の右辺mが小数「0.5」になることが確認できる。
[各層の具体例]
<基板>
基板1は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板である。基板1の材料は、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラスなどのガラス板及び石英板、並びに、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂などのプラスチック板又はプラスチックフィルム、並びに、アルミナなどの金属板又は金属ホイルなどである。
<バンク>
バンク12は、絶縁性材料により形成されていれば良く、有機溶剤耐性を有することが好ましい。また、バンク12はエッチング処理、ベーク処理などされることがあるので、それらの処理に対する耐性の高い材料で形成されることが好ましい。バンク12の材料は、樹脂などの有機材料であっても、ガラスなどの無機材料であっても良い。有機材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などを使用することができ、無機材料として、シリコンオキサイド(SiO)、シリコンナイトライド(Si)などを使用することができる。
<反射電極>
反射電極2は、基板1に配されたTFTに電気的に接続されており、有機発光素子の正極として機能すると共に、有機発光層6b,6g,6rから反射電極2に向けて出射された光を反射する機能を有する。反射機能は、反射電極2の構成材料により発揮されるものでもよいし、反射電極2の表面部分に反射コーティングを施すことにより発揮されるものでもよい。反射電極2は、例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等で形成されている。
<透明導電層>
透明導電層3は、製造過程において反射電極2が自然酸化するのを防止する保護層として機能する。透明導電層3の材料は、有機発光層6b,6g,6rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが好ましい。室温で成膜しても良好な導電性を得ることができるからである。
<正孔注入層>
正孔注入層4は、正孔を有機発光層6b,6g,6rに注入する機能を有する。例えば、酸化タングステン(WOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化モリブデンタングステン(MoxWyOz)などの遷移金属の酸化物で形成される。遷移金属の酸化物で形成することで、電圧−電流密度特性を向上させ、また、電流密度を高めて発光強度を高めることができる。なお、これ以外に、遷移金属の窒化物などの金属化合物も適用できる。
<正孔輸送層>
正孔輸送層5の材料は、例えば、特開平5−163488号に記載のトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体である。特に好ましくは、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物である。
<有機発光層>
有機発光層6b,6g,6rの材料は、例えば、特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2−ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体等の蛍光物質である。
<電子輸送層>
電子輸送層7の材料は、例えば、特開平5−163488号公報のニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体である。
なお、電子注入性を更に向上させる点から、上記電子輸送層を構成する材料に、Na,Ba,Caなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドーピングしてもよい。
<透明電極>
透明電極8は、有機EL素子の負極として機能する。透明電極8の材料は、有機発光層6b,6g,6rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが好ましい。
<薄膜封止層>
薄膜封止層9は、基板1との間に挟まれた各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。薄膜封止層9の材料は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)や樹脂等である。
<樹脂封止層>
樹脂封止層10は、基板1から薄膜封止層9までの各層からなる背面パネルと、カラーフィルタ13b,13g,13rが形成された基板11とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。樹脂封止層10の材料は、例えば、樹脂接着剤等である。
<カラーフィルタ>
カラーフィルタ13b,13g,13rは、有機発光層から出射された光の色度を矯正する機能を有する。
[有機表示装置]
図17は、本発明の実施形態に係る有機表示装置の機能ブロックを示す図である。図18は、本発明の実施形態に係る有機表示装置の外観を例示する図である。有機表示装置15は、有機表示パネル16と、これに電気的に接続された駆動制御部17とを備える。有機表示パネル16は、図1に示す画素構造を有するものである。駆動制御部17は、各有機EL素子の反射電極2と透明電極8との間に電圧を印加する駆動回路18〜21と、駆動回路18〜21の動作を制御する制御回路22とからなる。
[有機ELパネルの製造方法]
次に、有機ELパネルの製造方法を説明する。図19、図20は、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図である。
まず、基板1上に反射電極2を蒸着法やスパッタ法によって形成する(図19(a))。次に、反射電極2上に、蒸着法やスパッタ法により透明導電層3を形成する(図19(b))。このとき、透明導電層3の膜厚をR,G,B各色で同一にする。
次に、透明導電層3上に、例えば、蒸着法やスパッタ法により正孔注入層4を形成し、バンク12を形成し、さらに、正孔注入層4上に、例えば、インクジェット法などの印刷法により正孔輸送層5を形成する(図19(c))。このとき、正孔注入層4の膜厚は、R,G,B各色で同一にする。また、正孔輸送層5の膜厚は、実施例1、2の場合にはR,G,B各色で同一にし、実施例3の場合にはR,Gで同一とし、Bだけ異ならせる。
次に、正孔輸送層5上に、例えば、インクジェット法などの印刷法により有機発光層6b,6g,6rを形成する(図19(d))。このとき、有機発光層6b,6g,6rの膜厚をR,G,B各色で適宜異ならせる。
次に、有機発光層6b,6g,6r上に蒸着法やスパッタ法により電子輸送層7を形成する(図20(a))。このとき、電子輸送層7の膜厚をR,G,B各色で同一にする。
次に、電子輸送層7上に、蒸着法やスパッタ法により透明電極8を形成する(図20(b))。透明電極8の膜厚は、例えば、90nm以上110nm以下とする。
次に、透明電極8上に蒸着法やスパッタ法により薄膜封止層9を形成し、カラーフィルタ13b,13g,13rが形成された基板11を、樹脂封止層10を用いて貼り合わせる(図20(c))。これらの封止層の膜厚は、例えば、900nm以上1100nm以下とする。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例がある。
(1)実施例1では、第1機能層の膜厚を31.5nm以上38.5nm以下としているが、本発明は、これに限らない。光取り出し効率を高める効果は、第1光路C1を通過する光と第2光路C2を通過する光の干渉効果により得られるものと考えられる。そうすると、第1機能層の膜厚が重要ではなく、有機発光層から反射電極までの光学的な距離が重要であると言える。したがって、有機発光層から反射電極までの光学的な距離が57.6nm以上70.4nm以下であればよく、この条件を満たす限り、第1機能層の膜厚を変えても同一の効果を得ることができる。
同様に、実施例2では、第1機能層の膜厚を31.5nm以上38.5nm以下としているが、本発明は、これに限らない。有機発光層から反射電極までの光学的な距離が60.5nm以上74.0nm以下であればよく、この条件を満たす限り、第1機能層の膜厚を変えても同一の効果を得ることができる。
また、実施例3では、第1機能層の膜厚をR,Gでは45nm以上55nm以下、Bでは112.5nm以上137.5nm以下としているが、本発明は、これに限らない。有機発光層から反射電極までの光学的な距離がR,Gでは86.4nm以上105.6nm以下であり、Bでは202.8nm以上247.9nm以下であればよく、この条件を満たす限り、第1機能層の膜厚を変えても同一の効果を得ることができる。
同様に、第2機能層についても膜厚を27nm以上33nm以下としているが、本発明はこれに限らない。有機発光層から透明電極までの光学的な距離が48.6nm以上59.4nm以下であればよく、この条件を満たす限り、第2機能層の膜厚を変えても同一の効果を得ることができる。
(2)実施形態では、第1機能層が透明導電層、正孔注入層および正孔輸送層から構成されているが、本発明は、これに限らない。これらの何れかが無くてもよいし、これ以外の機能層が含まれていてもよい。
(3)実施形態では、第2機能層が電子輸送層から構成されているが、本発明は、これに限らない。例えば、電子注入層が含まれていてもよい。
本発明は、有機ELディスプレイ等に利用可能である。
1 基板
2 反射電極
3 透明導電層
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6b,6g,6r 有機発光層
7 電子輸送層
8 透明電極
9 薄膜封止層
10 樹脂封止層
11 基板
12 バンク
13b,13g,13r カラーフィルタ
15 有機表示装置
16 有機表示パネル
17 駆動制御部
18〜21 駆動回路
22 制御回路

Claims (18)

  1. R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に設けられ、入射された光を反射する第1電極と、
    前記R,G,B各色の第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、
    前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R、G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層と、
    前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置された、1または2以上の層からなる機能層と、
    前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置された、色度補正のためのカラーフィルタと、を備え、
    前記有機発光層から出射された光の一部が、前記機能層を通じて前記第1電極側に進行し、前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第1光路と、
    前記有機発光層から出射された光の残りの一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第2光路と、が形成され、
    前記R,G,B各色の機能層は、同一の膜厚を有し、
    前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、
    前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さな値を示し、
    前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、
    前記R,G,B各色毎に設けられたカラーフィルタを通じて外部に出射される各色毎の光の光取り出し効率が極大値を示すこと
    を特徴とする有機ELパネル。
  2. 前記Bの機能層の膜厚が、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚であること
    を特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
  3. 前記有機発光層の膜厚が、Rでは81nm以上99nm以下、Gでは63nm以上77nm以下、Bでは36nm以上44nm以下であり、
    前記機能層の膜厚が、31.5nm以上38.5nm以下であること
    を特徴とする請求項2に記載の有機ELパネル。
  4. 前記機能層は、前記第1の電極である陽極上に形成された透明導電層と、前記透明導電層上に形成された正孔注入層と、前記正孔注入層上に形成された正孔輸送層とを含み、
    前記透明導電層の膜厚が、13.5nm以上16.5nm以下であり、
    前記正孔注入層の膜厚が、4.5nm以上5.5nm以下であり、
    前記正孔輸送層の膜厚が、13.5nm以上16.5nm以下であること
    を特徴とする請求項3に記載の有機ELパネル。
  5. 前記第1電極の材料が銀または銀合金であり、
    前記透明導電層の材料がITO(Indium Tin Oxide)であること
    を特徴とする請求項4に記載の有機ELパネル。
  6. 前記有機発光層の膜厚が、Rでは81nm以上99nm以下、Gでは72nm以上88nm以下、Bでは36nm以上44nm以下であり、
    前記機能層の膜厚が、31.5nm以上38.5nm以下であること
    を特徴とする請求項2に記載の有機ELパネル。
  7. 前記機能層は、前記第1の電極である陽極上に形成された透明導電層と、前記透明導電層上に形成された正孔注入層と、前記正孔注入層上に形成された正孔輸送層とを含み、
    前記透明導電層の膜厚が、18nm以上22nm以下であり、
    前記正孔注入層の膜厚が、4.5nm以上5.5nm以下であり、
    前記正孔輸送層の膜厚が、9nm以上11nm以下であること
    を特徴とする請求項6に記載の有機ELパネル。
  8. 前記第1電極の材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、
    前記透明導電層の材料がIZO(Indium Zinc Oxide)であること
    を特徴とする請求項7に記載の有機ELパネル。
  9. R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に設けられ、入射された光を反射する第1電極と、
    前記R,G,B各色の第1電極に対向して配置され、入射された光を透過する第2電極と、
    前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることにより前記R、G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層と、
    前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置された、1または2以上の層からなる機能層と、
    前記R,G,Bの色毎に設けられ、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置された、色度補正のためのカラーフィルタと、を備え、
    前記有機発光層から出射された光の一部が、前記機能層を通じて前記第1電極側に進行し、前記第1電極により反射された後、前記機能層、前記有機発光層、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第1光路と、
    前記有機発光層から出射された光の残りの一部が、前記第1電極側に進行することなく前記第2電極側に進行し、前記第2電極および前記カラーフィルタを通じて外部に出射される第2光路と、が形成され、
    前記R,G各色の機能層は、同一の膜厚を有し、かつ、前記Bの機能層は、異なる膜厚を有し、
    前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、
    前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さく且つ前記1次の極大値に較べて小さな値である2次の極大値よりも大きな値を示し、
    前記R,G,B各色の有機発光層は、前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、
    前記R,G,B各色毎に設けられたカラーフィルタを通じて外部に出射される各色毎の光の光取り出し効率が極大値を示すこと
    を特徴とする有機ELパネル。
  10. 前記Bの機能層の膜厚が、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値を示す膜厚よりも厚く、かつ、2次の極大値を示す膜厚よりも薄い膜厚であること
    を特徴とする請求項9に記載の有機ELパネル。
  11. 前記機能層は、印刷法で形成される層と物理蒸着法で形成される層とを含み、
    前記機能層のうちの塗布法で形成される層のR,Gの膜厚が同一であり、Bの膜厚が異なり、前記機能層のうちの物理蒸着法で形成される層のR,G,Bの膜厚が同一であること
    を特徴とする請求項10に記載の有機ELパネル。
  12. 前記有機発光層の膜厚が、Rでは54nm以上66nm以下、Gでは36nm以上44nm以下、Bでは90nm以上110nm以下であり、
    R,Gの機能層の膜厚が45nm以上55nm以下であり、Bの機能層の膜厚が112.5nm以上137.5nm以下であること
    を特徴とする請求項11に記載の有機ELパネル。
  13. 前記機能層は、前記第1の電極である陽極上に形成された透明導電層と、前記透明導電層上に形成された正孔注入層と、前記正孔注入層上に形成された正孔輸送層とを含み、
    前記R,G,B各色の透明導電層の膜厚が、27nm以上30nm以下であり、
    前記R,G,B各色の正孔注入層の膜厚が、4.5nm以上5.5nm以下であり、
    前記R,Gの正孔輸送層の膜厚が、13.5nm以上16.5nm以下であり、前記Bの正孔輸送層の膜厚が、81nm以上99nm以下であること
    を特徴とする請求項12に記載の有機ELパネル。
  14. 前記第1電極の材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、
    前記透明導電層の材料がIZO(Indium Zinc Oxide)であること
    を特徴とする請求項13に記載の有機ELパネル。
  15. 前記有機発光層は、有機材料を含み、印刷法を用いて形成されること
    を特徴とする請求項1または9に記載の有機ELパネル。
  16. 請求項1または9に記載の有機ELパネルを用いた表示装置。
  17. 入射された光を反射する第1電極を、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に準備する第1工程と、
    前記R,G,B各色の第1電極上に、1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、
    前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、
    前記R,G,B各色の有機発光層の上方に、前記第1の電極と対向して配置され、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程と、
    前記R,G,Bの色毎に、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置される、色度補正のためのカラーフィルタを設ける第5工程を備え、
    前記第2工程では、
    前記R,G,B各色の機能層は、
    同一の膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さな値を示すように、形成され、
    前記第3工程では、
    前記R,G,B各色の有機発光層は、
    前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、かつ、前記R,G,B各色毎に設けられたカラーフィルタを通じて外部に出射される各色毎の光の光取り出し効率が極大値を示すように、形成されること
    を特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  18. 入射された光を反射する第1電極を、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色毎に準備する第1工程と、
    前記R,G,B各色の第1電極上に、1または2以上の層からなる機能層を設ける第2工程と、
    前記R,G,B各色の機能層上に、それぞれR,G,Bのうちの対応する色の光を出射する有機発光層を設ける第3工程と、
    前記R,G,B各色の有機発光層の上方に、前記第1の電極と対向して配置され、入射された光を透過する第2電極を設ける第4工程と、
    前記R,G,Bの色毎に、前記第2電極を挟んで前記有機発光層の反対側に配置される、色度補正のためのカラーフィルタを設ける第5工程を備え、
    前記第2工程では、
    前記R,G各色の機能層は、
    同一の膜厚を有し、かつ、前記Bの機能層は、異なる膜厚を有し、前記R,G各色の機能層は、前記膜厚において、それら単独での光取り出し効率が1次の極大値を示し、前記Bの機能層は、前記膜厚において、それ単独での光取り出し効率が1次の極大値よりも小さく且つ前記1次の極大値に較べて小さな値である2次の極大値よりも大きな値を示すように、形成され、
    前記第3工程では、
    前記R,G,B各色の有機発光層は、
    前記R,G,B各色の機能層が前記膜厚を有するように、互いに異なる膜厚を有し、前記R,G,B各色毎に設けられたカラーフィルタを通じて外部に出射される各色毎の光の光取り出し効率が極大値を示すように、形成されること
    を特徴とする有機ELパネルの製造方法。
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