JP6111478B2 - 発光素子及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子及び発光素子を備える表示装置に関し、特に、青色発光素子において、電極間に発光層が設けられた光共振器構造を有するものに関する。
近年、発光型のディスプレイとして、基板の上に、複数の有機EL(Electro Luminescence)素子が配列された有機ELパネルが実用化されている。
各有機EL素子は、絶縁層の上に陽極、陽極上に有機発光材料からなる発光層を含む機能層が設けられ、その機能層を鋏んで陰極が設けられた基本構造を有している。機能層には、発光層に加えて、必要に応じて、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層が積層される。
各有機EL素子は、駆動時には一対の電極間に電圧が印加され、発光層に注入されるホールと電子との再結合に伴って発光する電流駆動型である。フルカラー表示の有機EL発光装置においては、RGB各色を発光する有機EL素子がサブピクセルを形成し、隣り合うRGBのサブピクセルの組み合わせにより一画素が形成されている。
3色発光法では、有機EL素子の発光層自体が各色を発光するが、このような光共振器構造(マイクロキャビティ構造)をRGB各色の有機EL素子に採用することによって、各色の波長領域の光を選択的に取り出すことができる。
このような光共振器構造を適用した青色発光素子においては、光共振器構造から取り出される光取り出し効率のスペクトルが、青色領域(450nm〜495nm)に最大のピーク(1次ピーク)を有するように設定され、この波長領域の光が選択的に出射される。
例えば特許文献1には、発光素子に光共振器構造を採用することによって、コントラストを向上させる技術が開示されている。特許文献1には、1対の電極で光共振器を構成し、発光層で発生した光が多重干渉を起こして、一種の狭帯域フィルタとして作用させることにより、取り出される光の色純度を向上させることが記載されている。
特開2003−86358号公報
ディスプレイにおける色再現性を良好にする上で、特に、青色素子から出射される青色光の純度を高めることが望まれる。具体的にはCIE色度系のY値が小さい青色光、例えばY値が0.06〜0.08程度の青色光を青色素子から出射することが望まれる。
そこで、光共振器構造を有する有機EL素子において、さらに、対応する色のカラーフィルタ(Color Filter)を配設して、光共振器構造から出射される光を、カラーフィルタ通過させることによって青色光の色純度を高める方法がとられている。しかし、出射光がカラーフィルタを透過するときにカラーフィルタの透過率(CF透過率)に応じて光強度が減衰するので、その分、カラーフィルタ透過後の発光効率は低くなる。
本発明は、光共振器構造を採用した青色発光素子において、出射される青色光のカラーフィルタ透過後の色純度を高く確保しながら、その発光効率を高めることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様にかかる発光素子は、透明電極と反射電極の間に発光層が設けられた光共振器構造を備え、当該光共振器構造は、透明電極を透過して出射される光の取り出し効率が、青色領域(450nm〜495nm)内の第1波長において第1極大値を取り、第1波長よりも長波長側の緑色領域(495nm〜570nm)にある第2波長において第1極大値よりも小さい第2極大値を取るものであって、発光層の青色発光材料として、第1波長よりも10nm以上小さい波長において発光強度が最大値を取る発光スペクトルを有するものを用いることとした。
上記態様の発光素子によれば、発光層の青色発光材料の発光スペクトルにおいて、ピーク波長が、光共振器構造における光取り出し効率の極大波長よりも10nm以上小さい波長(短波長)にあるので、緑色領域(波長530nm付近)の発光強度が従来よりも低い。
従って、光共振器構造の有機EL素子から出射される青色光は、緑色の成分が少なく、色純度が高くなるので、カラ―フィルタとして透過率の高いものを用いても、必要な色純度の基準を確保できる。
よって、上記態様にかかる発光素子によれば、出射される青色光のカラーフィルタ透過後の色純度を高く確保しながら、その発光効率を高めることができる。
実施の態様に係る表示装置の素子断面構造を模式的に示す図である。 青色有機発光素子に形成された光共振器構造を示す図である。 (a)は光共振器を構成する各層の膜厚などの例、(b)は青色発光材料、カラーフィルタの例を示す表である。 実施例と比較例にかかる青色発光材料の発光スぺクトルを示すグラフである。 実施例と比較例にかかる青色発光素子の光共振器から光取り出し効率スペクトル及び青色発光材料の発光スぺクトルを示すグラフである。 実施例及び比較例にかかる青色発光素子のELスペクトル(カラーフィルタ透過前)を示すグラフである。 青色の発光素子に設けられるカラーフィルタCF1〜CF4の透過スペクトルを示すグラフである。 実施例及び比較例にかかる青色発光素子のカラーフィルタ透過後のELスペクトルを示すグラフである。 (a)は実施例及び比較例にかかる各発光素子においてカラーフィルタ透過率を示す図、(b)はカラーフィルタ透過後のEL相対強度比を示す図である。 (a)は、実施例及び比較例において、ピーク強度に対する波長530nmの強度比とCF透過後のEL相対強度比との関係を示すグラフ、(b)は、ピーク強度に対する波長530nmの強度比とCF透過率との関係を示すグラフである。 実施の形態に係る表示装置の機能ブロックを示す図である。 実施の形態に係る表示装置の外観を例示する図である。 実施の形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。 実施の形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
<本発明に到った経緯>
光共振器構造を採用した青色発光素子では、青色光を効率よく取りだすことができるが、光共振器構造からの光取り出し効率のスペクトルにおいては、一般に、1次ピークが青色領域内の波長465nm付近にあり、それより長波長側の530nm付近に2次ピークが現れる。
ここで、発光層に用いる青色発光材料を選択する際に、光共振器構造による光取り出し効率の1次ピーク波長(465nm付近)と、材料のPL(Photo Luminescence)スペクトルの最大強度となる波長とを合わせるのが一般的である。
しかし、青色発光材料の発光スペクトルは、最大ピークから長波長側にテーリングし、波長530nm付近でもある程度の発光強度を有しているので、光共振器から出射される光のスペクトル(ELスペクトル)には、波長496nm〜570nmの範囲内の緑色成分も含まれる。青色光にこの緑色成分が多く含まれると、青色光の色純度が低下する(Y値が大きくなる)。
そこで、素子出射する青色光の色純度を高めるために、光共振器の出射側にカラーフィルタを設けてこれを透過させることが行われているが、色純度の低い青色光を高い純度に変えることのできるカラーフィルタは光透過率も低いので、カラーフィルタを透過させた後の発光強度が低下し、発光効率が低下することになる。
このような点に着目し、本発明者は、光共振器から出射される青色光における緑色領域の強度を低減させる方法を検討した結果、青色発光材料の発光スペクトル(PL(Photo Luminescence)スペクトル)のピーク波長に注目し、光共振器構造による光取り出し効率の1次ピーク波長から、低波長側に10nm以上ずれた波長(430nm〜455nmの波長領域)にピーク波長を有する発光材料を用いることによって、緑色領域の発光強度が低く抑えられることがわかり、また、それによって、透過率の高いカラーフィルタを用いても色純度の高い青色光が得られるので、発光強度が高められることもわかった。
このような知見に基づいて本発明に到った。
<発明の態様>
本発明の一態様にかかる発光素子は、透明電極と反射電極の間に発光層が設けられた光共振器構造を備え、当該光共振器構造は、透明電極を透過して出射される光の取り出し効率が、青色領域内の第1波長において第1極大値を取り、第1波長よりも高波長領域にある第2波長において第1極大値よりも小さい第2極大値を取るものであって、発光層の青色発光材料として、第1波長よりも10nm以上小さい波長において発光強度が最大値を取る発光スペクトルを有するものを用いることとした。
ここで、発光材料の発光スペクトルは、材料を成膜して発光させたときに得られるPLスペクトルを指す。
この発光素子によれば、光共振器構造の有機EL素子から出射される青色光は、緑色領域である530nm付近の強度が小さく、緑色成分が少ないので、カラ―フィルタとして透過率の高いものを用いても、必要とされる色純度を確保できる。
従って、本態様にかかる発光素子によれば、必要な色純度を確保しながら、カラ―フィルタ透過後の発光効率を高くすることができる。
なお、下記の具体例では、第1波長が465nmである場合について示しているが、第1波長が465nmの近傍領域である450nm〜495nmの範囲内、第2波長が530nmの近傍領域である500nm〜550nmの範囲内にある場合は、同様に実施可能であって、同様の効果が得られる。
上記発光材料の発光スペクトルにおいて、発光強度が最大値を取る波長と、前記第1波長との差は、25nm〜35nmの範囲内であれば、特に、色純度を確保しながらカラ―フィルタ透過後の発光効率を高くする効果が得られる。
上記発光材料の発光スペクトルにおいて、発光強度が最大値を取る波長は430nm以上であることが好ましい。
また、上記発光材料は、色純度を確保しながら、カラ―フィルタ透過後の発光効率を高くする上で、第2波長における発光強度が、最大値に対して0.165以下である発光スペクトルを有することが好ましい。
さらに、上記発光材料は、第2波長における発光強度が、最大値に対して0.1以下である発光スペクトルを有することが好ましい。
上記発光素子において、さらに、透明電極の光出射側に、青色カラーフィルタが配置されていてもよい。
青色光を出射する発光素子と、緑色光を出射する発光素子と、赤色光を出射する発光素子とを備える表示装置において、青色光を出射する発光素子に、上記態様の発光素子を用いてもよい。
<実施の形態>
[表示装置および発光素子の全体構成]
図1は、実施の態様に係る表示パネルの素子断面構造を模式的に示す図である。
この表示パネルは、有機ELディスプレイであって、青(B)、緑(G)および赤(R)の各EL発光素子が、行方向及び列方向にマトリックス状に規則的に配置されてなる。
図1においては、1画素を形成する3色(左からB,G,R)の発光素子が示されている。隣接する発光素子同士の間には両者を仕切るバンク12が介在している。
青色の発光素子は、基板1、反射電極2、透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6b、電子輸送層7、透明電極8、薄膜封止層9、樹脂封止層10、カラーフィルタ13bをこの順に積層したものである。
すなわち、反射電極2と透明電極9との間に、発光層6bを含む5つの機能層(透明導電層4、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6b、電子輸送層7)が積層されている。
緑色の発光素子は、発光層6gおよびカラーフィルタ13gを除き、青色の発光素子と同様の構成を有する。赤色の発光素子も、発光層6rおよびカラーフィルタ13rを除き、青色の発光素子と同様の構成を有する。
基板1、電子輸送層7、透明電極8、薄膜封止層9、樹脂封止層10は、複数の発光素子に共通に形成されている。
基板1及び各層の構成について、以下に具体例を挙げて説明する。
<基板>
基板1は、例えば、ベース基板にTFT層が形成されてなるTFT(Thin Film Transistor)基板である。
ベース基板は、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラスからなるガラス板、石英板、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂からなるプラスチック板、プラスチックフィルム、アルミナなどの金属板などである。
<バンク>
バンク12は、絶縁性材料により形成されている。有機溶剤耐性を有する材料であることが好ましい。バンク12はエッチング処理、ベーク処理などされることがあるので、それらの処理に対する耐性の高い材料で形成されることが好ましい。
バンク12の材料は、樹脂などの有機材料であっても、ガラスなどの無機材料であっても良い。有機材料としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などを使用することができる。また、無機材料としては、シリコンオキサイド(SiO2)、シリコンナイトライド(Si34)などを使用することができる。
<反射電極>
反射電極2は、基板1に配されたTFTに電気的に接続されており、発光素子の正極として機能すると共に、発光層6b,6g,6rから反射電極2に向けて出射された光を反射する機能を有する。
反射電極2は、例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、Al(アルミニウム)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等で形成される。反射電極2の材料で反射機能を持たせてもよいし、反射電極2の表面部分に反射コーティングを施すことにより反射性を発揮させてもよい。
<透明導電層>
透明導電層3は、反射電極2と正孔注入層4との間に介在してこれらの接合性を良好にすると共に、製造過程において反射電極2の形成直後に反射電極2が自然酸化するのを防止する保護層として機能する。
透明導電層3の材料は、発光層6b,6g,6rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZO(Indium Zinc Oxide)などが好ましい。
<正孔注入層>
正孔注入層4は、正孔を発光層6b,6g,6rに注入する機能を有する。例えば、酸化タングステン(WOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化モリブデンタングステン(MoxWyOz)などの遷移金属の酸化物で形成される。遷移金属の酸化物で形成することで、電圧−電流密度特性を向上させ、また、電流密度を高めて発光強度を高めることができる。
なお、これ以外に、従来から知られているPEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を用いてもよい。
<正孔輸送層>
正孔輸送層5の材料は、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体である。特に好ましくは、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物である。
<発光層>
発光層6b,6g,6rの材料としては、一般的に、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質が用いられる。
青色の発光層6bの材料については、後で述するように、430nm〜455nmに発光ピークを有する材料を選択して用いる。
<電子輸送層>
電子輸送層7の材料は、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体である。
<透明電極>
透明電極8は、発光素子の負極として機能する。透明電極8の材料は、発光層6b,6g,6rで発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により形成されればよく、例えば、ITOやIZOなどが好ましい。
<薄膜封止層>
薄膜封止層9は、基板1との間に挟まれた各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。薄膜封止層9の材料は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)や樹脂等である。
<樹脂封止層>
樹脂封止層10は、基板1から薄膜封止層9までの各層からなる背面パネルと、カラーフィルタ13b,13g,13rが形成された前面パネルとを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。樹脂封止層10の材料は、例えば、樹脂接着剤等である。
<カラーフィルタ>
カラーフィルタ13b,13g,13rは、各色の発光素子の透明電極8よりも出射側に設けられ、各色の発光素子から出射された光を透過させて純度の高い色の光を得る機能を有する。
<光共振器構造>
RGB各色の発光素子において、透明電極8と反射電極2との間に各色の発光層6b,6g,6rが存在し、以下のように、発光層6b,6g,6rからの光を共振させて透明電極8側から出射させる光共振器構造が形成されている。
発光層6b,6g,6rにおいて発生した光は、透明電極8から外部に出射されるが、その光には、発光層6b,6g,6rから透明電極8に向けて直接出射される「直接光」と、発光層6b,6g,6rから反射電極2に向けて出射され、反射電極2で反射されてから透明電極8に向かう「反射光」の両方の成分が含まれる。
図2は、発光素子に形成された光共振器構造における直接光と反射光を示す図である。
なお、当図では青色の発光層6bを有する青色素子を示しているが、赤色、緑色の素子においても同様である。
発光素子の光共振器構造においては、発光層6から出射された光の一部が、反射電極2側に進行することなく、透明電極8側に進行し、透明電極8を通じて有機発光素子の外部に出射される第1光路C1と、発光層6から出射された光の残りの一部が、反射電極2側に進行し、反射電極2により反射された後、発光層6および透明電極8を通じて有機発光素子の外部に出射される第2光路C2とが形成される。
この直接光と反射光との干渉によって、各色に対応する光成分が強め合うように、発光層6と反射電極2との間の光学距離Lが設定されている。
この光学距離Lは、発光層6b,6g,6rと反射電極2との間に挟まれた3つの機能層(透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5)の合計の光学膜厚(膜厚と屈折率との積、nm)である。
Figure 0006111478
ここで、λは各色の共振波長である。
Φは反射電極2における位相シフト[ラジアン]であって、下記数2で表わされる。
mは整数である。
Figure 0006111478
ここで、n1は正孔注入層4の屈折率、n0は反射電極3の屈折率、k0は反射電極3の消衰係数である。
なお、図1,2に示す例では、発光層6b,6g,6rと反射電極2との間に、透明導電層3、正孔注入層4および正孔輸送層5の3つの機能層が挟まれているが、これ以外の機能層の構成もあり得る。その場合でも、発光層6b,6g,6rと反射電極2との間に挟まれる機能層の光学膜厚の合計Lが上記式を満たすように設定することによって、同様の光共振器構造を実現することができる。
また、透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5の膜厚は、各EL素子における中央部の膜厚を指すこととする。すなわち、図1,2においては、各EL素子内で、透明導電層3、正孔注入層4、正孔輸送層5の膜厚が均一に図示されているが、各層の膜厚は素子内で均一とは限らず、バンク12に近い周辺部では中央部よりも膜厚が大きくなっている場合や、逆に周辺部で膜厚が小さくなっている場合もあり得る。そのような場合でも、中央部には膜厚がほぼ均一な領域が存在するので、その中央部の膜厚を指すこととする。
[表示装置の全体構成および外観]
図11は、実施の形態に係る表示装置の機能ブロックを示す図である。図12は、実施の形態に係る表示装置の外観を例示する図である。
表示装置20は、有機ELパネル21と、これに電気的に接続された駆動制御部22とを備える。有機ELパネル21は、図1に示す画素構造を有するものである。
駆動制御部22は、各有機EL素子の反射電極2と透明電極8との間に電圧を印加する駆動回路23と、駆動回路23の動作を制御する制御回路24とを備える。
[パネルの製造方法]
図13および図14は、実施の形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
まず、基板1上に反射電極2を形成する(図13(a))。次に、反射電極2上に、透明導電層3を形成する(図13(b))。
透明導電層3は、例えば、スパッタリング法を用いて基板1の全面に形成し、その後、画素毎にパターニングすることにより得られる。
次に、透明導電層3上に、例えば、正孔注入層4、バンク12、正孔輸送層5を形成する(図13(c))。
次に、正孔輸送層5上に、例えば、インクジェット法などの印刷法により発光層6b、6g、6rを形成する(図13(d))。
次に、発光層6b、6g、6r上に電子輸送層7を形成する(図14(a))。
次に、電子輸送層7上に、蒸着法やスパッタリング法により透明電極8を形成する(図14(b))。
次に、透光性電極8上に蒸着法やスパッタリング法により薄膜封止層9を形成し、カラーフィルタ13b、13g、13rとブラックマトリクス13brが形成された基板11を、樹脂封止層10を介して貼り合わせる(図14(c))。
以上の工程により、表示装置を製造することができる。
[青色発光素子]
以下、青色発光素子の構成について詳述する。
<青色発光素子における各層の膜厚など>
青色発光素子においては、反射電極2と透明電極8と間に発光層6bを含む機能層が挟まれた光共振器を有している。そして、光共振器における光学距離Lは、共振波長λを青色波長領域の範囲内にある値(ここでは465nm)であって、上記数1式を満たすように設定される。
青色発光素子において、光共振器を構成する各層の膜厚は、例えば、図3(a)の表に示す値に設定される。
この青色発光素子の光共振器において、波長ごとの光取り出し効率を算出すると、図5、6で破線で示す曲線のようになる。当図において最大になる1次ピークが波長465nmのところに表われ、530nm付近に2次ピークが表われている。
このように青色発光素子の光共振器においては、通常、光取り出し効率のスペクトルが、青色領域内の第1波長において第1の極大値を取り、第1波長よりも高波長領域側にある第2波長において第1の極大値よりも小さい第2極大値を取る。
<青色発光層6b>
青色発光層6bの発光材料として、発光スペクトルのピーク波長(発光ピーク波長)が430〜455nmの範囲内にある発光材料を用いる。
ここでいる「発光スペクトル」は、発光材料をフォトルミネッセンス法(PL法)で測定した内部量子効率のスペクトルである。
発光ピーク波長が430nm〜455nmの範囲にある発光材料の具体例としては、図3(b)の表に示すSample1〜Sample4を挙げることができる。
なお、図3(b)の表において、Sample5は、比較例にかかる青色発光材料(TATa)であって、その発光ピーク波長は465nmである。
図4に、実施例にかかるSample1〜4及び比較例にかかるSample5の各青色発光材料についての発光スぺクトル(PLスペクトル)を示す。図4(a)〜(e)に示す各発光スペクトルは、最大ピーク強度を基準1としている。
このような発光材料を、蒸着法もしくは湿式塗布法で成膜することによって、青色発光層6bを形成することができる。

図4(a)〜(e)に示す各波形からわかるように、青色発光材料の発光スペクトルにおいて、ピーク波形は高波長側にテーリングしており、通常、ピーク波長から数十nm程度高い波長領域においても、ある程度の発光強度を有している。
Sample1〜4に用いた青色発光材料の発光スペクトルにおいて、最大ピークの発光強度1に対して、530nmにおける発光強度h1〜h4は、0.165より小さい値である。
なお、比較例にかかるSample5に用いた青色発光材料の発光スペクトルでは、530nmにおける発光強度h5は約0.17である。
<青色カラ―フィルタ13b>
青色カラ―フィルタ13bは、青色波長領域の光は透過させ、緑色領域の光成分をカットして、青色光の純度を高める機能を持つフィルタである。
青色用のカラ―フィルタ13bは、青色発光素子から出射されてフィルタ通過した後の青色光の純度が一定基準を満たすように、すなわち、フィルタ透過後の青色光のy値が、要求される基準以下となるように選択される。
<青色発光素子による効果>
本実施形態にかかる青色発光素子は、上記のように、最大波長465nmにおいて光取り出し効率が最大値を取り、波長530nmにおいて光取り出し効率が第2の極大値を取る光共振器構造を備え、発光層6bの発光材料として、発光ピーク波長が430nm〜455nmの範囲にあるものを用いている。
この430nm〜455nmは、光共振器の光取り出し効率が最大となる波長465nmに対して10nm〜35nm小さい波長である。
これによって、発光層6bの青色発光材料として発光ピーク波長が465nmのものを用いた場合と比べて、光共振器構造から出射される青色光に含まれる緑色領域の成分は少なくなる。
従って、カラーフィルタ13bとして、透過率が比較的高いものを用いても、カラーフィルタ透過後の青色光のY値が小さくなるので、カラーフィルタ透過後のEL発光効率は高くなる。
このような効果は、以下のシミュレーションによって確かめられる。
[青色発光素子のEL発光シミュレーション]
青色発光素子の光共振器構造において、光取り出し効率の1次ピークが465nmになるように機能層の光学膜厚Lを設定した条件下で、上記図3(b)に示すSample1〜5の各青色発光材料を青色発光層に用いた場合について、以下のようにシミュレーションによって、EL発光スペクトル(カラーフィルタ透過前及び透過後)を求めた。
図5に、青色発光素子の光共振器から光取り出し効率スペクトル(キャビティスペクトル)をシミュレーションした結果を点線で示している。この効率は、発光層から発せられた光に対して、光共振器の前方に取り出される光の割合である。
光共振器からの光取り出し効率のスペクトルにおいて、1次ピーク(最大値)が波長465nmのところにあり、2次ピークが波長530nmのところに表われ、さらに長波長側に、3次ピークも表われている。
ELスペクトル算出:
実施例(Sample1〜4)と比較例(Sample5)の各サンプルについて、発光素子から出射されるELスペクトル(カラーフィルタ透過前)を算出する。
このELスペクトルは、各実施例及び比較例の各サンプルのPLスペクトル(図5参照)と、光共振器光取り出し効率(図5中の点線)とを掛け合わせることによって得られる。
算出された各Sample1〜5のカラーフィルタ透過前のELスペクトルは、図4(a)〜(e)にEL(CFなし)で示している。
図7(a)に、青色の発光素子に設けられるカラーフィルタCF1〜CF4の透過スペクトル(CFスペクトル)を示す。
図7(a)のCFスペクトルに示されるように、青色カラーフィルタは、青色光の純度を高めるために、青色波長領域の光を選択的に透過させ、緑色波長領域の光成分をカットする機能を有するが、CF1〜CF4の透過率の特性は互いに異なっている。
図7(b)に、各カラーフィルタの特性値を示す。
図7(b)に示されるように、最大透過率は、CF1が一番高く、CF2,CF3,CF4の順に低くなっている。
波長500nm、530nmにおける透過率も、CF1が一番高く、CF2,CF3,CF4の順に低くなっている。
透過率が最大透過率の半分になる波長は、CF1が512nmで、CF2,CF3,CF4の順に短波長側に寄っている。
このように、CF1は、透過率が高いが、緑色波長領域をカットする機能も小さい。そして、カラーフィルタCF2,CF3,CF4の順に、透過率は低くなり、緑色波長領域をカットする機能は高くなる。
カラーフィルタの選択:
各サンプルごとに、CF1〜4の中から、適したカラーフィルタを選択するが、このときのカラーフィルタの選択基準については、カラーフィルタ透過後のEL発光のy値が一定基準以下となる条件下で、できるだけ透過率が高くなるように選択する。
この基準については、一般にY値が0.06〜0.08となるように、カラーフィルタを選択する。この0.06はEBU規格の目標値であり、0.08はNTSCの目標値である。
ここで、実施例にかかるSample1〜4から出射される青色光は、上記のように緑色成分が比較的少ないので、カラーフィルタ13bで緑色成分をあまりカットしなくても、純度の良好な青色光を得ることができる。
従って、実施例にかかるSample1〜4では、カラーフィルタ13bとして、比較的透過率の高いカラーフィルタ(CF1,2,3)が選択される。
特に、Sample3のように、カラーフィルタ透過前のELスペクトルにおいて、緑色成分が少ないものでは、透過率の高いカラーフィルタCF1が選択される。
一方、比較例にかかる青色素子から出射される青色光は、緑色成分が比較的多く含まれているので、青色光の純度を高めるために、透過率の低いカラーフィルタ(CF5)が選択される。
図3(b)の表には、このようにして、Sample1〜5についてCF1〜4の中から選択されたカラーフィルタ番号が記載されている。
カラーフィルタ透過後のELスペクトル算出:
Sample1〜5におけるELスペクトル(カラーフィルタ透過前)と、選択されたカラーフィルタの透過スペクトルから、カラーフィルタ透過後のELスペクトルを算出する。このカラーフィルタ透過後のEL発光強度スペクトルは、各波長ごとに、EL発光強度(カラーフィルタ透過前)に、カラーフィルタの透過率を掛け合わせることによって算出される。
算出された各Sample1〜5のカラーフィルタ透過後のELスペクトルは、図4(a)〜(e)にEL(CFあり)で示している。
[考察]
上記シミュレーションの結果に基づいて、以下のように考察した。
1.ここでは、説明を簡略にするため、実施例にかかるSample3と、比較例にかかるSample5の2つを対比しながら説明する。
図5に、実施例(S3)と比較例(S5)の青色発光材料の発光スぺクトルを示している。当図に示すように、実施例にかかる青色発光材料(S3)は、発光スペクトルの最大ピーク波長が445nmであって、比較例の青色発光材料(S5)の最大ピークの波長465nmと比べて、短波長側にずれている。
そして、実施例にかかる青色発光材料(S3)の530nmにおける発光強度h3は、比較例の青色発光材料(S5)の530nmにおける発光強度h5よりも小さい。
図6は、実施例(Sample3)及び比較例(Sample5)にかかる青色発光素子のELスペクトル(カラーフィルタ透過前)を示している。
図6から、比較例(Sample5)と比べて実施例(Sample3)では、ELスペクトル(カラーフィルタ透過前)が、495m〜570nmの範囲で強度が小さく、緑色の成分が少ないことがわかる。従って、実施例(Sample3)では、透過率の高いカラーフィルタCF1を用いても、カラーフィルタ透過後のEL発光のy値が基準以下となるが、比較例(Sample5)では、カラーフィルタ透過後のEL発光のy値を一定基準以下とするために、透過率の低いカラーフィルタCF4が用いられることになる。
図8には、実施例にかかるSample3と、比較例にかかるSample5のカラーフィルタ透過後のELスペクトルを示している。
実施例にかかるSample3と比較例にかかるSample5のカラーフィルタ透過後のELスペクトルを比べると、共に波長495nm〜570nmの領域の緑色成分が少なく、青色の純度が共に良好であるが、実施例にかかるSample3の方が高い光強度を示している。
2.図9(a)は、Sample1〜5の各発光素子においてカラーフィルタ透過率を示す図である。
横軸はサンプル1〜5の青色発光材料の発光ピーク波長を示し、縦軸は各サンプルにおけるカラーフィルタ透過率(CF透過率)の値を示している。
ここに示すCF透過率の値は、各Sampleから出るEL発光の中でカラーフィルタを透過する割合を示すものであって、青色波長領域全体について、EL発光強度に対してカラーフィルタを透過して出射されるEL発光強度の割合を算出したものである。
図9(a)に示されるように、実施例にかかるSample1〜4では、比較例にかかるSample5ではと比べて、CF透過率が高い値を示している。
図9(b)は、各Sample1〜5においてカラーフィルタ透過後のEL相対強度比を示す図である。
横軸は、Sample1〜5で用いている青色発光材料の発光ピーク波長を示している。
縦軸は、各Sample1〜5についてのカラーフィルタ透過後のEL相対強度比を示している。ここに示すカラーフィルタ透過後のEL相対強度比は、波長ごとにカラーフィルタ透過後のEL発光強度に視感度を掛け合わせたものを、青色波長領域全体にわたって積分して求めたものであり、Sample5のカラーフィルタ透過後のEL発光強度を基準1とした比率である。
図9(b)に示されるように、実施例にかかるSample1〜4では、比較例にかかるSample5と比べて、カラーフィルタ透過後のEL相対強度比が高い値を示している。
これは、上述したように、実施例のSample1〜4で用いているカラーフィルタ(CF2〜4)のCF透過率が、比較例にかかるSample5で用いているカラーフィルタ(CF5)よりも、CF透過率が良好であるためと考えられる。
図9(a)中の曲線は、発光材料のピーク波長とCF透過率との関係の傾向を示す。また、図9(b)中の曲線は、発光材料のピーク波長とEL相対強度比との関係の傾向を示す。これらの曲線では、発光材料のピーク波長が430nm〜455nmの範囲内、特に、440nm〜450nmの範囲内でCF透過率が高く、カラーフィルタ透過後のEL強度が高い値を示し、カラーフィルタ透過後の発光効率も高いことを示している。
以上のように、シミュレーションに基づいて考察することによって、青色発光層の発光材料として、ピーク波長が430nm〜455nmの範囲(光共振器の取り出し効率のピーク波長465nmに対して10nm〜35nm短い波長範囲)にあるものは、透過率の高い青色カラーフィルタを用いても色純度の高い青色光が得られ、青色カラーフィルタ透過後の出射光の発光効率が高くなることがわかる。
また、特にピーク波長が440nm〜450nmの範囲(光共振器の取り出し効率のピーク波長465nmに対して15nm〜25nm短い波長範囲)にある発光材料は、その効果が高いこともわかる。
なお、図9から、青色発光層の発光材料のピーク波長が430nm未満あるいは455nmを超える場合は、青色カラーフィルタ透過後のEL発光の発光効率向上効果があまり得られないことがわかる。
青色発光層の発光材料のピーク波長が430nm未満で効果が得られにくいのは、短波長領域なので光の視感度が低いこと、並びに光共振器構造の1次ピークとの重なりが少なくなることなどによると考えられる。
3.図10(a)は、各サンプルにおいて、横軸にピーク強度に対する波長530nmの強度比、縦軸にCF透過後のEL相対強度比を示している。図10(b)は、横軸にピーク強度に対する波長530nmの強度比、縦軸にCF透過率を示している。
実施例にかかるSample1〜4では、比較例にかかるSample5と比べて、波長530nmにおける強度比が比較的小さく、CF透過率が高く、CF透過後のEL相対強度比も高いことがわかる。
上記図5〜8を参照しながら行った考察と、図10に示す結果から、青色カラーフィルタを透過させて色純度の高い青色光を出射させるには、比較例ではEL素子から出射される青色光に含まれる530nm付近の光強度が比較的大きいので、その成分を除くために、CF透過率の低いカラーフィルタを使用することになるのに対して、実施例の場合は、EL素子から出射される青色光に含まれる530nm付近の光強度が小さいので、CF透過率の高いカラーフィルタを用いても、色純度の高い青色光を得られると考察される。
また、図10(a)中の曲線は、発光材料の発光スペクトルにおけるピーク強度に対する波長530nmの強度比と、EL相対強度比との関係の傾向を示し、図10(b)中の曲線は、発光材料の発光スペクトルにおけるピーク強度に対する波長530nmの強度比と、CF透過率との関係の傾向を示す。
これらの曲線から、発光材料の発光スペクトルにおいて、ピーク強度に対する波長530nmの強度比が小さいほど、EL相対強度比及びCF透過率が高いことがわかる。
また、カラーフィルタ透過後の発光効率を高くする上で、発光材料の発光スペクトルにおいて、ピーク強度に対する波長530nmの強度比が0.165以下であることが好ましく、0.1以下がより好ましいことがわかる。
[第1波長及び第2波長について]
上記説明では、光共振器の光取り出し効率スペクトルにおいて、465nmで第1極大値、530nmで第2極大値を取る場合について説明したが、光共振器からの光の取り出し効率スペクトルが、465nmの近傍である455nm〜475nm、あるいは450〜495nm内の第1波長において第1極大値を取り、500nm〜550nmの範囲内の第2波長において第2極大値を取るものであれば、発光層の青色発光材料として、第1波長よりも10nm以上短い波長においてピーク(発光強度が最大値)を取る発光スペクトルを有するものを用いることによって、同様の効果が得られる。
また、光共振器の取り出し効率のピーク波長に対して15nm〜25nm短い波長範囲にある発光材料を用いれば特に効果が高いことも同様である。
ただし、この場合も、青色発光材料の発光強度のピーク波長は430nm以上であることが好ましい。
本発明にかかる発光素子を用いた発光装置は、携帯電話用やテレビなどのディスプレイに適している。特に、青色発光素子において高純度で青色を発光することが要求されるディスプレイに有用である。
1 基板
2 反射電極
3 透明導電層
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6b,6g,6r 発光層
7 電子輸送層
8 透明電極
9 薄膜封止層
10 樹脂封止層
11 基板
12 バンク
13b,13g,13r カラーフィルタ

Claims (7)

  1. 透明電極と反射電極の間に発光層が設けられた光共振器構造を備え、
    当該光共振器構造は、前記透明電極を透過して出射される光の取り出し効率スペクトルが、青色領域内の第1波長において第1極大値を取り、前記第1波長よりも長波長の緑色領域にある第2波長において前記第1極大値よりも小さい第2極大値を取り、
    前記発光層は、
    前記第1波長よりも10nm以上小さい波長において発光強度が最大値を取る発光スペクトルを有する青色の発光材料を含み、
    前記第1波長は、450nm〜495nmの範囲内にあり、
    前記第2波長は、530nmであり、
    前記発光材料は、
    前記第2波長における発光強度が、
    前記最大値に対して0.165以下である発光スペクトルを有する、
    発光素子。
  2. 前記発光材料は、
    第2波長における発光強度が、
    前記最大値に対して0.1以下である発光スペクトルを有する、
    請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記発光材料の発光スペクトルにおいて、
    発光強度が最大値を取る波長と、前記第1波長との差は、
    15nm〜25nmの範囲内である、
    請求項1又は2記載の発光素子。
  4. 前記発光材料の発光スペクトルにおいて、
    発光強度が最大値を取る波長は430nm以上である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子。
  5. さらに、前記透明電極の光出射側に、青色カラーフィルタが配置された、
    請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子。
  6. 前記発光材料は、
    6,6,12,12-tetraethyl-2,8-bis-[1,10;30,10]terphenyl-40-yl-6,12-dihydro-indeno[1,2-b]fluorine、
    ポリイミド、
    2-metyl-9,10-di(2'-naphthyl)anthracene、又は、
    DSA+DSAアミンであり、DSAは、ジスチリルアリーレンである
    請求項1〜5のいずれかに記載の発光素子。
  7. 青色光を出射する発光素子と、緑色光を出射する発光素子と、赤色光を出射する発光素子とを備える表示装置であって、
    前記青色光を出射する発光素子が、請求項1〜6のいずれかに記載の発光素子である、
    表示装置。
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