JP6379286B2 - 原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸とその調製方法及び質量検出方法 - Google Patents

原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸とその調製方法及び質量検出方法 Download PDF

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Description

本発明は原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸に関する。
クロロゲン酸(chlorogenic acid)、別名3−O−カフェオイルキナ酸(3−O−caffeoylquinic acid)は、植物中に広く存在する一種のポリフェノール化合物であり、スイカズラ類、杜仲、コーヒー等の植物に多く含まれる。クロロゲン酸は、抗アレルギー、体内血糖の調節、酸素フリーラジカルの除去、抗癌、抗HIV等の働きが比較的強く、その著しい治療効果や、毒性と副作用が少ないことから、広く研究がなされている。クロロゲン酸は植物から抽出するが、構造が不安定であるため、生産や貯蔵、輸送の過程で関連不純物が非常に入り込みやすい。薬物の安全性、有効性、品質の制御性を保証するため、関連不純物の研究は新薬の品質研究の重要部分となっており、そのためクロロゲン酸中の関連不純物についての研究はきわめて必要なものである。(田晨煦ほか、「高速液体クロマトグラフィ−タンデム質量分析法によるクロロゲン酸及びその関連不純物の分離同定」、クロマトグラフィ、2007年7月(田晨煦等、「高効液相色譜-串聯質譜法分離鑑定緑原酸及其相関雑質」、色譜、2007年7月))。
また、クロロゲン酸の標準についても、以下のような関連文献により報告されている。廖麗雲、「クロロゲン酸及び凍結乾燥製剤の品質標準、安定性の研究及びクロロゲン酸精製品の構造識別」、薬物分析、四川大学、2005、修士(廖麗云、「緑原酸及凍干制剤質量標準、穏定性的研究和緑原酸精制品結構確証」、薬物分析、四川大学、2005、碩士)。
上記関連文献ではクロロゲン酸中の不純物を分析しているが、どの不純物がクロロゲン酸の品質に影響するかについては説明していない。
本発明の課題解決手段は、原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸とその調製方法及び質量検出方法を提供するものである。
本発明は、クロロゲン酸の含有量が98重量%以上、不純物の含有量が1.9重量%以下の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸を提供し、不純物には3−クマロイルキナ酸が含まれ、3−クマロイルキナ酸は、中間体の総重量に対して0.1〜0.5%を占める。
本発明で述べる「原料クロロゲン酸」は、杜仲葉から抽出したクロロゲン酸単体であり、クロロゲン酸の含有量は98重量%以上、その他不純物の含有量は1.9重量%以下である。杜仲を由来とする以外に、スイカズラなどクロロゲン酸を含む他の植物を由来として抽出し純化してもよい。
さらに好ましくは、原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸は、5−カフェオイルキナ酸(ネオクロロゲン酸)、4−ビニルピロカテコール(カフェ酸脱炭酸物)、カフェ酸、4−カフェオイルキナ酸(クリプトクロロゲン酸)、クロロゲン酸メチドのうちの一種又は複数種を含み、その含有量の重量%は以下の通り。すなわち、カフェ酸の含有量は0.4重量%以下、カフェ酸を除くその他関連物質の単独の含有量は0.5重量%以下である。
ただし、3−クマロイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸(ネオクロロゲン酸)、4−ビニルピロカテコール(カフェ酸脱炭酸物)、4−カフェオイルキナ酸(クリプトクロロゲン酸)、クロロゲン酸メチドの合計含有量は1.5重量%以下である。
好ましくは、原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸は、クロロゲン酸の含有量が98.0〜99.8重量%、不純物の含有量が0.1〜1.9重量%である。
本発明はさらに、原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製方法を提供し、それは以下のステップa〜iを含む。
a.母液調製:クロロゲン酸含有量が20%〜60%の杜仲葉抽出物を用意し、濃度20%〜80%の粗生成物水溶液を調合する。クロロゲン酸の濃度は40mg/ml〜480mg/ml、調合温度は10℃〜60℃、pH=1.0〜3.0とする。
b.抽出:酢酸エチルを用いて抽出する。抽出回数は3〜8回、抽出1回当たりの酢酸エチルの使用量は母液体積の5〜10倍、毎回の抽出前の母液pHは1.0〜3.0とし、抽出温度は5℃〜60℃とする。
c.脱色:活性炭の使用量は粗生成物の質量の0.1〜0.5倍とし、脱色温度は50℃〜70℃、脱色時間は0.5h〜2.0hとする。
d.濃縮:濃縮温度は50℃〜70℃、真空度は−0.06〜−0.08MPとし、濃縮液のクロロゲン酸含有量を20mg/ml〜50mg/mlに制御する。
e.沈降:沈降温度は0℃〜25℃、沈降時間は12h〜24hとする。
f.結晶:沈降後、結晶させる。結晶温度は50℃〜70℃、結晶時間は0.5h〜3.0hとし、結晶後、10℃〜40℃まで冷却する。
g.粉砕:ステップfの結晶物を乳化又は研磨粉砕する。粉砕後の結晶体の粒度は100μm〜500μmとする。粉砕の過程で溶剤は使用してもしなくてもよく、溶剤の種類は酢酸エチル、水又は一定割合の酢酸エチルと水との混合液とし、酢酸エチルと水との混合比率は1%〜99%とする。
h.洗浄:酢酸エチル、水又は一定割合の酢酸エチルと水との混合液で洗浄する。酢酸エチルと水との混合比率は1%〜99%、洗浄溶剤の使用量は、材料の質量の数値の1〜10倍の数値の体積とし、溶剤(液)の温度は0℃〜70℃とする。
i.乾燥:乾燥材料の粒度は120メッシュ〜20メッシュとし、乾燥温度は30℃〜80℃、乾燥真空度は常圧〜−0.09MPとする。
より好ましくは、原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸は、下記のステップa〜iを含んで調製される。
a.母液調製:クロロゲン酸の含有量が40%の杜仲葉抽出物を用意し、濃度60%の粗生成物水溶液を調合し、クロロゲン酸の濃度は240mg/ml、調合温度は25℃、pH=1.0とする。
b.抽出:酢酸エチルを用いて抽出する。抽出回数は5回、抽出1回当たりの酢酸エチルの使用量は母液体積の8倍、毎回の抽出前の母液pHは1.0とし、抽出温度は25℃とする。
c.脱色:活性炭の使用量は粗生成物の質量の0.2倍とし、脱色温度は60℃、脱色時間は1.0hとする。
d.濃縮:濃縮温度は60℃、真空度は−0.08MPとし、濃縮液のクロロゲン酸含有量を40mg/mlに制御する。
e.沈降:沈降温度は25℃、沈降時間は12hとする。
f.結晶:沈降後、結晶させる。結晶温度は70℃、結晶時間は1.0h、結晶終了温度は25℃とする。
g.粉砕:ステップfの結晶物を乳化又は研磨粉砕する。粉砕後の結晶体の粒度は200μm〜300μmとする。粉砕の過程で酢酸エチル溶剤を使用する。
h.洗浄:水で洗浄する。水の使用量は材料の質量の数値の3倍の数値の体積とし、水の温度は5℃とする。
i.乾燥:乾燥材料の粒度は60メッシュとし、乾燥温度は60℃、乾燥真空度は−0.08MPとする。
本発明はさらに、上記の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の検出方法を提供し、それはクロロゲン酸の検出方法及び不純物の検出方法を含む。
クロロゲン酸の含有量検出方法は以下の通りである。
高速液体クロマトグラフィ(中国薬典2010年版二部付録VD)によって測定する。
クロマトグラフィ条件とシステム適合性試験 オクタデシル基結合シリカを填充剤とし、0.1%のギ酸溶液−アセトニトリル(92:8)を移動相とし、検出波長は215nmとする。理論段数はクロロゲン酸のピークに基づいた計算で3000以上とし、クロロゲン酸のピークと隣接する不純物のピークとの分離度が要求を満たすものとする。
測定法 本品を適量用意して精密に秤量し、移動相を加えて、1ml当たり約10μg含有する溶液を作り、試験液とする。試験液を20μl精密に秤取して液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録する。別途クロロゲン酸標準品を適量用意して精密に秤量し、移動相を加えて、1ml当たり10μg含有する溶液を作り、同様の方法で測定する。外部標準法でピーク面積をもって計算する。
不純物の検出方法は以下の通りである。
本品を適量用意して精密に秤量し、移動相を加えて、1ml当たり0.5mg含有する溶液を作り、試験液とする。試験液を1ml用意して100mlメスフラスコに入れ、移動相を加えて目盛まで希釈し、希釈試験液とする。別途カフェ酸標準品を適量用意して精密に秤量し、移動相を加えて、1ml当たり2μg含有する溶液を作り、標準液とする。含有量測定項目におけるクロマトグラフィ条件に従い、希釈試験液を20μl用意して液体クロマトグラフ装置に注入し、主成分のクロマトグラムピークのピーク高さがフルスケールの約20%となるように検知感度を調節する。そして、試験液、希釈試験液及び標準液を各20μl精密に秤取し、それぞれ液体クロマトグラフ装置に注入して、主成分のピーク保持時間の3倍までクロマトグラムを記録する。試験液のクロマトグラムにおいてカフェ酸不純物のピークが見られた場合は、外部標準法によって計算し、その他の不純物のピークが見られた場合は、自身対照法によって計算する。
本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製方法は、結晶後、再結晶工程を経て処理をする必要がなく、再結晶によるクロロゲン酸の損失を減らし、生成物の得率を高める。それとともに、再結晶工程を削減することで生産サイクルを短縮でき、実用性が高く、クロロゲン酸の大規模な生産調製に有利である。また、生成物の品質を制御しやすく、関連不純物はいずれも制御可能な範囲内にあり、含有量が0.1%以上の関連不純物は定性・定量分析が可能である。検出方法は、クロロゲン酸及び類似体に対する検知感度が高く、移動相は、関連物質の検知に対する明らかな干渉がない。また、理論段数が高く、分離度は良好で、主なピークの対称性が高い。
図1は、原薬クロロゲン酸の水溶液と移動相溶液の紫外線スペクトル図である。 図2は、原薬クロロゲン酸の高温破壊DAD三次元検出図である。 図3は、原薬クロロゲン酸の高温破壊HPLC図(215nm)である。 図4は、原薬クロロゲン酸の高温破壊の各ピークのDAD検出紫外線スペクトル図である。 図5は、原料クロロゲン酸のシステム適合クロマトグラムである。 図6は、クロロゲン酸検出限界図である。 図7は、クロロゲン酸定量限界図である。 図8は、システム適合性試験のHPLC図である。 図9は、カフェ酸と試験品のアルカリ酸化破壊前後のHPLC図である。 図10は、カフェ酸の定量限界図である。 図11は、カフェ酸の検出限界図である。 図12は、その他関連物質の検出クロマトグラムである。 図13は、実施例1の関連物質の検出クロマトグラムである。 図14は、実施例2の関連物質の検出クロマトグラムである。 図15は、実施例3の関連物質の検出クロマトグラムである。 図16は、実施例4有の関連物質の検出クロマトグラムである。 図17は、実施例5の関連物質の検出クロマトグラムである。 図18は、実施例6の関連物質の検出クロマトグラムである。 図19は、実施例7の関連物質の検出クロマトグラムである。 図20は、実施例8の関連物質の検出クロマトグラムである。
実施例1 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=20%)を10kg用意し、50Lになるまで水を加え、10℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を40mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を1.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて8回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は500Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を1.0に調整し、抽出温度は5℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭5kgを加え、50℃の条件下で2.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、50℃、真空度−0.08MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約20mg/ml(濃縮液の体積は約90Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を0℃の条件下で24h静置し、液温度を0℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を70℃まで加熱し、3.0h攪拌し結晶させ、冷却水で10℃まで冷却し、ろ過して3.3kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、酢酸エチル30Lを加えて乳化機内で結晶体粒度が400〜500μmになるまで乳化させ、ろ過して2.8kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した残渣を用意し、0℃の氷水2.8Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、80℃、真空度−0.09MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を120メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:1.407kg
(2)含有量:99.56%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.231%、カフェ酸0.038%
(4)クロロゲン酸移行率:70.04%
実施例2 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=60%)を10kg用意し、12.5Lになるまで水を加え、60℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を480mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を3.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて8回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は125Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を3.0に調整し、抽出温度は60℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭5kgを加え、70℃の条件下で0.5h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、70℃、真空度−0.06MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約50mg/ml(濃縮液の体積は約110Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を25℃の条件下で12h静置し、液温度を25℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を70℃まで加熱し、0.5h攪拌し結晶させ、冷却水で40℃まで冷却し、ろ過して9.3kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、水10Lを加えて乳化機内で結晶体粒度が100〜150μmになるまで乳化させ、ろ過して6.4kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した残渣を用意し、0℃の氷水20Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、80℃、真空度−0.09MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を120メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:4.327kg
(2)含有量:99.69%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.128%、カフェ酸0.040%、クリプトクロロゲン酸0.016%
(4)クロロゲン酸移行率:71.89%
実施例3 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=40%)を10kg用意し、15Lになるまで水を加え、25℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を267mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を1.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて3回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は150Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を1.0に調整し、抽出温度は25℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭1kgを加え、50℃の条件下で2.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、50℃、真空度−0.08MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約40mg/ml(濃縮液の体積は約90Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を25℃の条件下で12h静置し、液温度を25℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を50℃まで加熱し、3.0h攪拌し結晶させ、25℃まで冷却し、ろ過して6.8kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、酢酸エチル20Lを加えて乳化機内で結晶体粒度が300〜400μmになるまで乳化させ、ろ過して5.2kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した残渣を用意し、25℃の酢酸エチル52Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、70℃、常圧の条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を20メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:2.990kg
(2)含有量:99.47%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.215%、ネオクロロゲン酸0.009%、カフェ酸0.043%、クリプトクロロゲン酸0.022%
(4)クロロゲン酸移行率:74.35%
実施例4 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=40%)を10kg用意し、20Lになるまで水を加え、40℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を200mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を3.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて8回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は100Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を3.0に調整し、抽出温度は40℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭3kgを加え、60℃の条件下で1.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、60℃、真空度−0.06MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約50mg/ml(濃縮液の体積は約70Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を25℃の条件下で12h静置し、液温度を25℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を60℃まで加熱し、0.5h攪拌し結晶させ、25℃まで冷却し、ろ過して6.3kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、研磨機内で結晶体粒度が500μmになるまで研磨した。
8.洗浄
研磨粉砕した材料を用意し、70℃の酢酸エチル63Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、30℃、真空度−0.09MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を60メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:2.861kg
(2)含有量:98.93%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.395%、ネオクロロゲン酸0.020%、カフェ酸脱炭酸物0.040%、カフェ酸0.028%、クリプトクロロゲン酸0.017%、クロロゲン酸メチド0.029%
(4)クロロゲン酸移行率:70.69%
実施例5 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=30%)を10kg用意し、30Lになるまで水を加え、25℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を100mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を1.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて6回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は150Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を1.0に調整し、抽出温度は25℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭3kgを加え、70℃の条件下で1.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、70℃、真空度−0.08MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約30mg/ml(濃縮液の体積は約90Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を25℃の条件下で24h静置し、液温度を25℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を70℃まで加熱し、1.5h攪拌し結晶させ、25℃まで自然冷却し、ろ過して5.8kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、酢酸エチル混合液(酢酸エチル:水=99:1)10Lを加えて、乳化機内で結晶体粒度が200〜300μmになるまで乳化させ、ろ過して4.8kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した材料を用意し、25℃の酢酸エチル混合液(酢酸エチル:水=99:1)48Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、60℃、真空度−0.09MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を60メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:2.206kg
(2)含有量:99.34%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.217%、ネオクロロゲン酸0.030%、カフェ酸脱炭酸物0.058%、カフェ酸0.074%
(4)クロロゲン酸移行率:73.05%
実施例6 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=50%)を10kg用意し、25Lになるまで水を加え、25℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を200mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を2.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて4回抽出する。1回当たりの酢酸エチルの使用量は150Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を2.0に調整し、抽出温度は25℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭2kgを加え、60℃の条件下で1.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、60℃、真空度−0.06MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約50mg/ml(濃縮液の体積は約90Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を15℃の条件下で24h静置し、液温度を15℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を60℃まで加熱し、2.0h攪拌し結晶させ、水で10℃まで冷却し、ろ過して9.8kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、酢酸エチル混合液(酢酸エチル:水=1:99)10Lを加えて、乳化機内で結晶体粒度が100〜150μmになるまで乳化させ、ろ過して8.2kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した材料を用意し、60℃の酢酸エチル混合液(酢酸エチル:水=1:99)48Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、60℃、真空度−0.09MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を60メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:3.563kg
(2)含有量:99.63%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.096%、ネオクロロゲン酸0.043%、カフェ酸脱炭酸物0.062%、カフェ酸0.049%
(4)クロロゲン酸移行率:71.00%
実施例7 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=40%)を10kg用意し、20Lになるまで水を加え、25℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を200mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を2.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて5回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は100Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を2.0に調整し、抽出温度は25℃とした。
3.脱色
合わせた抽出液に活性炭3kgを加え、50℃の条件下で2.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、50℃、真空度−0.08MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約40mg/ml(濃縮液の体積は約90Lとした)となるよう制御した。
5.沈降
濃縮液を25℃の条件下で12h静置し、液温度を25℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を70℃まで加熱し、1.0h攪拌し結晶させ、水で25℃まで冷却し、ろ過して7.2kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、水10Lを加えて、乳化機内で結晶体粒度が100〜150μmになるまで乳化させ、ろ過して5.4kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した材料を用意し、5℃の酢酸エチル55Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、60℃、真空度−0.08MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を60メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:2.811kg
(2)含有量:99.52%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.239%、カフェ酸0.040%
(4)クロロゲン酸移行率:69.94%
実施例8 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製
1.母液調製
杜仲葉抽出物(クロロゲン酸=40%)を10kg用意し、16.7Lになるまで水を加え、25℃の条件下で攪拌し溶解させ、クロロゲン酸を240mg/mlの割合で含有する水溶液を調合し、塩酸でpH値を1.0に調整した。
2.抽出
酢酸エチルを用いて5回抽出した。1回当たりの酢酸エチルの使用量は134Lとし、毎回の抽出前の母液pH値を1.0に調整し、抽出温度は25℃とした。
3.脱色
合併した抽出液に活性炭2kgを加え、60℃の条件下で1.0h攪拌し脱色した。
4.濃縮
脱色後の抽出液から炭素を除去した後、60℃、真空度−0.08MPの条件下で濃縮を行い、濃縮液中のクロロゲン酸含有量が約40mg/ml(濃縮液の体積は約90Lとした)となるよう制御する。
5.沈降
濃縮液を25℃の条件下で12h静置し、液温度を25℃にして、ろ過し、濾液を収集した。
6.結晶
沈降後の濾液を70℃まで加熱し、1.0h攪拌し結晶させ、水で25℃まで冷却し、ろ過して6.9kgの残渣を収集した。
7.粉砕
結晶しろ過された結晶体を用意し、酢酸エチル10Lを加えて、乳化機内で結晶体粒度が200〜300μmになるまで乳化させ、ろ過して5.8kgの残渣を収集した。
8.洗浄
粉砕した材料を用意し、5℃の水17.4Lで攪拌して材料を十分に分散させた後、ろ過して残渣を収集した。
9.乾燥
洗浄した残渣を、60℃、真空度−0.08MPの条件下で乾燥させ、ほぼ乾燥した材料を60メッシュのふるいにかけ、同じ条件下で、完全に乾燥するまでさらに乾燥を行った。
10.生成物の特徴
(1)生成物重量:3.204kg
(2)含有量:99.78%(乾燥品で計算)
(3)関連物質:3−クマロイルキナ酸0.165%
(4)クロロゲン酸移行率:79.92%
実施例9 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸中の不純物の含有量範囲の実験根拠
HPLC法とLC−MS法を用いて、原薬クロロゲン酸中に存在する関連物質について分離及び同定を行い、キナ酸、カフェ酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、3−クマロイルキナ酸、カフェ酸脱炭酸物及びクロロゲン酸メチド等、計7つの主要な関連物質を分離し同定した。
キナ酸には法定の標準品があり、HPLC標準品法を用いてキナ酸の分離検出条件、方法論及び含有量について予備研究を行った。その結果、原薬クロロゲン酸からはキナ酸は検出されなかったため、更なる研究と標準品の使用は行っていない。また、カフェ酸には法定の標準品があり、HPLC標準品法を用いてカフェ酸の分離検出条件と方法論について研究を行った。その結果、確立された検出条件と方法は、原薬クロロゲン酸中のカフェ酸の検査に適することが証明された。その他関連物質には法定の標準品はなく、いずれもクロロゲン酸の類似体であり、応答値がクロロゲン酸に近いため、HPLC自身対照法を用いてその他関連物質の分離検出条件と方法論について研究を行った。その結果、確立された検出条件と検出方法は、原薬クロロゲン酸中のその他関連物質の検査に適することが証明された。3グループの小サンプル(080801、080802、080803)及び3グループの中サンプル(090101、090102、090103)の関連物質検査結果と、3グループの中サンプル(100101、100102、100103)の48カ月の長期安定性実験における関連物質の検査結果は、表2、表3を参照。
6グループのサンプル中のカフェ酸含有量は0.076〜0.092%、その他関連物質の合計含有量は0.479〜0.511%、その他関連物質の単独の含有量は0.045〜0.226%であった。また、48カ月長期安定性実験における関連物質の検査結果では、カフェ酸含有量は0.149〜0.161%、その他関連物質の合計含有量は0.770〜0.787%、その他関連物質の単独の含有量は0.091〜0.309%であった。関連文献の報告では、マウスにLD50が1583mg/kgのカフェ酸を腹腔注射し、ウサギに14mg/kg/日のカフェ酸静脈注射を10日間続けたところ、それらの心臓、肝臓、腎臓の機能及び解剖顕微鏡による検査では、ともに病理変化が見られなかった。これは、カフェ酸の安全性が比較的高いことを示しており、生産及び貯蔵の過程での影響因子の変動を考慮して、カフェ酸の含有量を0.40%以下とした。また、その他関連物質は主にクロロゲン酸の異性体及びその類似体であり、生産及び貯蔵の過程での影響因子の変動を考慮して、その他の関連物質の単独の含有量を0.50%以下、合計で1.5%以下とした。
実施例10 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸中のクロロゲン酸の検出方法の試験
1)検出波長の選択
移動相溶液(アセトニトリル−0.1%ギ酸 8:92)及び水溶液におけるクロロゲン酸の紫外線スペクトルの特徴はほぼ一致しており、215nm及び323nmの波長付近でいずれも最大吸收が見られた。また、原薬クロロゲン酸の高温破壊サンプルのLC−DAD三次元検出図では、クロロゲン酸及び検出された関連物質は波長215nmと323nm付近でいずれも最大吸收が見られた。そのうち、323nmの波長ではクロロゲン酸及びその類似体の検出感度が高かったが、215nmの波長ではクロロゲン酸及びその類似体を検出できたうえ、さらに末端基のみが紫外線を吸収する不純物の検出に有利であった。323nmの波長では、移動相の関連物質検出に対する目立った干渉は見られず、215nmの波長では、溶剤のピークが比較的明らかでありながら、溶剤のピーク付近の関連物質検出に対して目立った干渉が見られなかった。従って、原薬クロロゲン酸の品質コントロールにおいて、215nmの波長をクロロゲン酸関連物質検査の検出波長とした。スペクトル図及びクロマトグラムは図1〜4を参照。
2)分離条件の選択
(ア)移動相の選択 異なる有機相(アセトニトリル、メタノール)、異なる酸により組成された移動相がクロロゲン酸及びその関連物質を分離するクロマトグラフィ動作について、それぞれ考察し、成分中の分離困難なペア(クロロゲン酸とカフェ酸)の分離度と分析時間を評価指標として、異なる移動相の分離効果について評価を行った。
本品を約25mg用意し、水50mlを加えて溶解させ、0.5mg/ml相当の溶液を作って試験液とした。
異なる有機相の評価 下表に従って異なる有機相を含む移動相を調合し、ODS 150mm×4.6mmをクロマトグラフィカラムとし、検出波長215nm、流速1ml/minとした。試験液20μlを用意してクロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録した。結果は表4を参照。
この結果は、有機相の比率が同じ場合、メタノール系の分離度はアセトニトリル系の分離度より高いものの、メタノール系が費やした分析時間は長く、カラム効率はアセトニトリル系に劣ること、また、総合的な判断では、アセトニトリル系はメタノール系よりも優れ、アセトニトリル−0.1%ギ酸の比率が8:92の場合、クロロゲン酸との分離が難しいカフェ酸の分離度はかなり理想的であることを示している。よって、実験では移動相としてアセトニトリル−0.1%ギ酸(8:92)を選択した。
異なる酸の評価 クロロゲン酸とその類似体が弱酸性であるという特徴から、移動相に適量の酸を加え、酸によりクロマトグラムのピークのテーリングを抑制してクロマトグラムの対称性を高めることとした。一般的なギ酸、酢酸及びリン酸を選択し、これらがクロロゲン酸及びその関連物質の分離に与える影響をそれぞれ考察した。ピーク対称性、分離度、分析時間等の要素を総合評価の指標とし、酸の種類をスクリーニングした。結果は表5を参照。
この結果は以下のことを示している。すなわち、リン酸溶液で水相を作った場合、主ピークの対称性は良好であったが、分離度は劣っていた。酢酸溶液で水相を作った場合、分離度は良好であったが、主ピークの対称性は劣っていた。ギ酸溶液で水相を作った場合、分離度は良好で、主ピークの対称性も良好であった。よって、0.1%ギ酸溶液で移動相の水相を作ることとした。
総合評価を行った後、移動相を0.1%ギ酸−アセトニトリル(92:8)とすることとした。
(イ)クロマトグラフィカラムの選択:クロロゲン酸の主ピークのカラム効率、クロロゲン酸とカフェ酸の分離度を指標として評価を行い、AichromBond−AQ、Zirchrom、Kromasil、Gemini等、異なるメーカーのC18カラムのクロマトグラフィ動作について考察した。データは表6を参照。
この結果は、クロロゲン酸の主ピークのカラム効率が3000以上となる場合、異なるC18カラムはいずれも本品中の分離困難な成分であるクロロゲン酸とカフェ酸を良好に分離し、分離度はいずれも2を上回ったことを示している。よってC18カラムを関連物質検出のカラムに選定した。
以上から、関連物質はHPLC法によって検出し、クロマトグラフィ条件は、オクタデシル基結合シリカを填充剤とし、0.1%ギ酸−アセトニトリル(92:8)を移動相とし、流速は1ml/min、検出波長は215nm、理論段数はクロロゲン酸のピークに基づいた計算で3000を上回り、クロロゲン酸の主成分ピークとカフェ酸不純物ピークの分離度は1.5を上回る、と確認した。図5を参照。
含有量測定方法論の考察
1クロマトグラフィ条件の選択とシステム適合性試験
クロロゲン酸関連物質の研究において決定した検出波長、移動相、カラムは、本品と関連物質を完全に分離することができ、且つ理論段数はクロロゲン酸のピークに基づいた計算で3000を上回り、クロロゲン酸含有量の測定要求を満たす。よって215nmを検出波長とし、オクタデシル基結合シリカを填充剤とし、0.1%ギ酸−アセトニトリル(92:8)を移動相とすることとして、含有量の測定と研究を進めた。
2測定方法
試験液の調製:原薬クロロゲン酸を適量用意し、精密に秤量し、移動相を加えて溶解させ、希釈して1ml当たり約10μg含有する溶液を作り、試験液とした。
標準液の調製:クロロゲン酸標準品を適量用意し、精密に秤量し、移動相を加えて1ml当たり約10μg含有する溶液を作って、標準液とした。
試験液と標準液を10μlずつ精密に秤取し、それぞれ液体クロマトグラフ装置に注入して、クロマトグラムを記録した。外部標準法によってクロロゲン酸の含有量を計算した。
3直線性
クロロゲン酸標準品を約12mg用意し、精密に秤量し、移動相を加え、溶解させて希釈し、125、75、50、25、12.5、2.50、0.25μg/mlの一連の溶液を作った。一連の溶液を10μlずつ精密に秤取し、それぞれ液体クロマトグラフ装置に注入して、クロマトグラムを記録した。クロロゲン酸ピーク面積を縦軸に、対応する濃度を横軸とし、線形回帰を行って、線形方程式を得た。結果は表7を参照。
その結果、クロロゲン酸の濃度が0.25〜125μg/mlの範囲内であるとき、良好な線形関係をみせ、相関係数は0.9994であった。
4検出限界と定量限界
直線性の研究における低濃度溶液(0.25μg/ml)を用意し、徐々に希釈して投入した。信号雑音比法によって、S/N≧3で測定されたクロロゲン酸検出量は0.625ngであり、S/N≧10で測定されたクロロゲン酸検出量は2.5ngであった。よって、クロロゲン酸の検出限界は0.625ng、定量限界は2.5ngと確認した。クロマトグラムは図6、7を参照。
5サンプル投入回収実験
本品を適量用意し、移動相を加えて溶解させ、希釈して、1ml当たり約78.00μgのクロロゲン酸を含有するストック溶液を作った。9つの10mlメスフラスコにストック溶液を1.0mlずつ取って、低、中、高の3グループに分け、それぞれに濃度が50μg/ml、62.5μg/ml、75μg/mlのクロロゲン酸標準液を1.0ml投入し、移動相を加え、目盛まで希釈して試験液とした。この試験液を10μlずつ精密に秤取し、それぞれ液体クロマトグラフ装置に注入して、クロマトグラムを記録し、以下の式でサンプル投入回収率を計算した。結果は表8を参照。
この結果は、本方法によるサンプル投入回収率の平均値が100.9%、RSDが0.88%であることを示しており、この方法による測定結果の真度が優れていることを表している。
6再現性
本品を適量用意し、精密に秤量して移動相を加え、低、中、高(約10、12、15μg/ml)の3種類の濃度の試験液をそれぞれ3つずつ作った。試験液と標準液(12.5μg/ml)をそれぞれ10μlずつ精密に秤取して液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録して、各グループの含有量の相対標準偏差(RSD%)を計算した。結果は表9を参照。
測定結果の平均値は99.49%、RSDは0.27%であり、この方法による再現性は良好であることを示している。
7範囲
上記再現性の実験結果から、本品の3つの濃度勾配の精度はいずれも良好であり、試験液の濃度が9.6〜14.4μg/mlの間で、所定の方法で測定した場合、検出結果はいずれも良好な精度に達することができる、ということがわかった。
8中間精度
異なる時間、異なる人員、異なる設備の条件のもとで中間精度の実験を行った。本品を適量用意し、精密に秤量して移動相を加え、低、中、高の3種類の濃度の試験液(計18のサンプル)を作った。各試験液を10μlずつ精密に秤取して、液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録した。低、中、高濃度それぞれのグループの含有量の相対標準偏差(RSD%)と総相対標準偏差(RSD%)を計算した。結果は表10を参照。
含有量の平均値は99.59%、総平均相対標準偏差は0.43%であり、異なる時間、異なる人員、異なる設備条件における本品の検出結果の中間精度は良好であることを示している。
9溶液の安定性実験
同一の試験液を用意し、一定の時間を空けてそれぞれサンプル投入し、ピーク面積を記録した。測定結果は表11を参照。RSD=2.30%は、被測定溶液が24時間以内で安定していることを示している。
10耐久性
中国薬典2000年版二部付録XIX A「薬品品質標準分析法の検証」の要求に従って、カラムのメーカーとロット番号、移動相の組成、カラム温度、波長等が変化する条件での、測定方法に対する影響を考察した。
(1)異なるメーカーのクロマトグラフィカラム
上記試験液について、同一タイプでメーカーが異なるカラムを用いて、それぞれ含有量を測定した。結果は表12を参照。異なるメーカーのC18カラム(150mm×4.6mm、5μm)を用いて測定したところ、保持時間ではわずかに差が見られたが、理論段数はいずれも要求を満たしており、含有量の結果には明らかな差がなかったことを示している。
(2)比率の異なる移動相
上記試験液について、比率の異なる移動相でそれぞれ含有量を測定した。結果は表13を参照。比率の異なる移動相という条件において、理論段数はいずれも要求を満たし、含有量の結果に明らかな差はなかったことを示している。よって、移動相の比率の微小な変化が含有量の測定に及ぼす影響は大きくない。
(3)異なるカラム温度
上記試験液について、異なるカラム温度でそれぞれ含有量を測定した。結果は表14を参照。異なるカラム温度という条件において、理論段数はいずれも要求を満たし、含有量の結果に明らかな差はなかったことを示している。従って、カラム温度が含有量の測定に与える影響は大きくない。
(4)異なる検出波長
上記試験液について、215nmと323nmの波長でそれぞれ含有量を測定した。結果は表15を参照。2つの検出波長という条件下で、理論段数はいずれも要求を満たし、含有量の結果に明らかな差は見られない。
上記をまとめると、この方法はシステム適合性、特異性、直線性、真度、精度、耐久性において方法論のバリデーション要求に合致しており、本方法でのクロロゲン酸含有量測定は正確であり、実行可能であることを示している。
11サンプルの含有量測定結果
上記方法により、実施例の各サンプルについて、それぞれクロロゲン酸の含有量を測定した。結果は表16を参照。
実施例11 本発明の原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸中の関連物質の分離及び同定
本品の関連物質を詳細に知り、研究するため、上記のクロマトグラフィ条件で原薬クロロゲン酸の関連物質について分離及び同定を行った。
(1)カフェ酸の検査
1)機器と試薬
LC−6A高速液体クロマトグラフ装置、SPD−10Avp紫外可視検出器、N2000クロマトグラフィワークステーション。
カラム:Aichrom Bond AQ、Gemini C18カラム(150mm×4.6mm、5μm)。
標準品:カフェ酸標準品(ロット番号114930050)。
試剤:アセトニトリルはクロマトグラフィグレード、ギ酸は分析グレードとし、水は自製した再蒸留水とした。
2)クロマトグラフィ条件及びシステム適合性の実験
カフェ酸は、上記で決定した関連物質の分離と検出の条件において、保持時間が適度で、隣接する成分(クロロゲン酸)とは完全に分離されており、カフェ酸の定量測定の要求を満たすことができた。よって上記決定された関連物質の分離及び検出の条件を、カフェ酸検査のクロマトグラフィ条件とした。
クロマトグラフィ条件及びシステム適合性:オクタデシル基結合シリカカラム(150mm×4.6mm、5μm)をクロマトグラフィカラムとし、0.1%ギ酸−アセトニトリル(92:8)を移動相とし、流速は1ml/minであり、理論段数はカフェ酸のピークに基づいた計算で3000を上回り、検出波長は215nm、クロロゲン酸の主成分のピークとカフェ酸不純物のピークとの分離度は1.5を上回った。システム適合性試験のグラフは図8を参照。図8から、移動相は測定結果に干渉せず、クロロゲン酸とカフェ酸の分離度は1.5を上回り、相対保持時間0.35までは溶剤ピークとシステムピークであることがわかる。よってこのクロマトグラフィ条件はカフェ酸の検査に適する。
3)標準液の調製
カフェ酸標準品を精密に適量秤取し、移動相を加えて1ml当たり2μg含有する溶液になるよう定量に希釈し、標準液とした。
4)試験液の調製
本品を適量用意し、精密に秤量し、移動相を加えて1ml当たり0.5mg含有する溶液を作り、試験液とした。
5)測定法
標準液と試験液をそれぞれ20μlずつ精密に吸い取って、液体クロマトグラフ装置に注入し、ピーク面積を測定して、外部標準法で計算した。
6)方法論の考察
(ア)特異性の考察
上記決定したクロマトグラフィ条件が本品の関連物質を効果的に検出できるか考察し、この検査方法の特異性を検証した。そのため、原薬に対して強制破壊実験を行い、原薬の分解生成物について考察した。
破壊実験 原薬水溶液(1mg/ml)を1ml用意し、30%の過酸化水素溶液を3ml、0.01mol/LのNaOH溶液0.1mlを加え、70℃で30min水浴加熱し、試験液(破壊後)とした。別途原薬水溶液を用意して水を加え、0.25mg/mlの溶液に希釈し、希釈試験液(破壊前)とした。試験液と希釈試験液をそれぞれ20μlずつ精密に秤取して、液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録した。その結果、クロロゲン酸の主なピークと各不純物のピークはいずれも有効に分離され、各不純物のピークは互いにほぼ分離した。カフェ酸のピークは著しく高くなり、ネオクロロゲン酸のピークは明らかに高くなり、これはこのクロマトグラフィ条件が原薬のアルカリ酸化破壊後の関連物質を十分に分離検出でき、良好な特異性を有することを示している。クロマトグラムは図9を参照。
上記実験結果はこのクロマトグラフィ条件が良好な特異性を有することを示している。
(イ)直線性
カフェ酸標準品を適量用意し、精密に秤量し、移動相を加えて1ml当たり0.01mg含有するストック溶液を作った。ストック溶液をそれぞれ適量用意して、移動相を用いて希釈し、濃度が4.0、3.0、2.0、1.0、0.5、0.05μg/mlの一連の溶液を作った。上記溶液を20μlずつ精密に秤取して、液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録した。カフェ酸のピーク面積を縦軸に、濃度を横軸とし、回帰を行って線形方程式を得た。結果は表17を参照。
この結果は、カフェ酸は濃度0.05〜4.0μg/mlの範囲において良好な直線性関係を示し、相関係数は0.9996であることを表している。
(ウ)検出限界と定量限界
直線性の研究における低濃度溶液(0.05μg/ml)を用意し、徐々に希釈して投入した。信号雑音比法によって、S/N≧3のとき、カフェ酸の検出限界であると確認し、0.3ngであった。S/N≧10のとき、カフェ酸の定量限界であると確認し、1ngであった。クロマトグラムは図10、11を参照。
(エ)サンプル投入回収実験
原薬クロロゲン酸(0.09%のカフェ酸を含む)を適量用意し、精密に秤量し、移動相を加えて1ml当たり約500μgのクロロゲン酸を含有するストック溶液を作った。ストック溶液を1.0ml取って9つの10mlメスフラスコに入れ、2、4、6μg/mlのカフェ酸標準液1.0mlをそれぞれ添加し、移動相を加えて目盛まで希釈し、試験液とした。別途、直線性の研究項におけるカフェ酸標準液(0.5μg/ml)を用意し、標準液とした。標準液と試験液をそれぞれ20μlずつ精密に秤取して液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラムを記録した。標準曲線の方程式により測定量を計算し、さらに回収率を計算した。結果は表18を参照。
この結果は、本方法のサンプル投入回収率の平均値が101.1%で、RSDが0.57%であることを示しており、この方法による測定結果の真度が優れていることを表している。
(オ)再現性
原薬クロロゲン酸を約0.35、0.50、0.65g、それぞれ3部ずつ用意し、精密に秤量して、100mlメスフラスコに入れ、移動相を加えて溶解させ、目盛まで希釈し、さらに1mlを精密に秤取して10mlフラスコに入れ、移動相で目盛まで希釈して試験液とした。別途適量のカフェ酸標準品を用意し、精密に秤量し、移動相を加えて1ml当たり0.5μg含有する溶液を作って標準液とした。試験液と標準液をそれぞれ20μlずつ精密に秤取して液体クロマトグラフ装置に注入し、クロマトグラフィのピーク面積を記録して、外部標準法で含有量及び相対標準偏差(RSD%)を計算した。結果は表19を参照。
測定結果の総相対標準偏差は0.77%であり、カフェ酸の検出結果の再現性が比較的良好であることを示している。
(カ)範囲
上記再現性の実験結果から、本品の3つの濃度勾配の精度はいずれも良好であり、試験液中のカフェ酸濃度が0.32〜0.61μg/mlの間で、所定の方法で測定した場合、検出結果はいずれも良好な精度に達することができる、ということがわかる。
(キ)中間精度の実験
再現性の項に従って、低、中、高の試験液を調合した。別途カフェ酸標準品を適量用意し、移動相を加えてカフェ酸を0.5μg/mlの割合で含有する溶液を作り、標準液とした。カフェ酸クロマトグラフィ条件に照らし、異なる人員、異なる時間、異なるクロマトグラフ装置で検出を行い、クロマトグラフィのピーク面積を記録した。1点法によって測定量を計算し、さらに相対標準偏差RSDを計算した。結果は表20を参照。
測定結果の平均含有量は0.093%、総相対標準偏差は0.80%であり、この方法の中間精度が良好であることを示している。
(ク)耐久性
中国薬典2000年版二部付録XIX A「薬品品質標準分析法の検証」の要求に従って、カラムのメーカーとロット番号、移動相の組成、カラム温度等が変化する条件での、検出方法に対する影響を考察した。
異なるメーカーのクロマトグラフィカラム 同一の試験液を、同一タイプでメーカーの異なるカラムを用いて、それぞれ含有量を測定した。結果は表21を参照。
異なるメーカーのC18カラム(150mm×4.6mm、5μm)を用いて測定したところ、保持時間ではわずかに差が見られたが、分離度、理論段数はいずれも要求を満たしており、測定されたカフェ酸含有量には明らかな差がなかったことを示している。
比率の異なる移動相 上記の試験液について、比率の異なる移動相でそれぞれ含有量を測定した。結果は表22を参照。
この結果は、比率の異なる移動相という条件において、分離度、理論段数はいずれも要求を満たし、測定されたカフェ酸含有量には明らかな差はなかったことを示している。よって、移動相の比率の微小な変化が含有量の測定に及ぼす影響は大きくない。
異なるカラム温度 上記試験液について、異なるカラム温度でそれぞれ含有量を測定した。結果は表23を参照。異なるカラム温度という条件において、理論段数はいずれも要求を満たし、含有量の結果に明らかな差はなかったことを示している。従って、カラム温度がカフェ酸の測定に与える影響は大きくないこと示している。
上記をまとめると、この方法はシステム適合性、特異性、直線性、真度、精度、耐久性において方法論のバリデーション要求に合致しており、本方法でのカフェ酸含有量測定は正確であり、実行可能であることを示している。
7)検出と結果
上記検査方法により、試験品についてカフェ酸の検査を行った。結果は表24を参照。
(3)その他関連物質の検査
原薬クロロゲン酸中のその他関連物質は、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、3−クマロイルキナ酸、クロロゲン酸メチド及びその他同定されていない関連物質を含み、これら関連物質には法定の標準品がないため、いずれもクロロゲン酸主成分自身対照法で研究を行った。
1)機器と試薬
LC−6A高速液体クロマトグラフ装置、SPD−10Avp紫外可視検出器、N2000クロマトグラフィワークステーション。
カラム:Aichrom Bond AQカラム(150mm×4.6mm、5μm)
試剤:アセトニトリルはクロマトグラフィグレード、ギ酸は分析グレードとし、水は自製した再蒸留水とした。
2)クロマトグラフィ条件及びシステム適合性実験
カフェ酸のクロマトグラフィ条件及びシステム適合性試験は、その他関連物質を十分に分離し検出することができるため、その他関連物質の検出条件をカフェ酸と一致させることとした。
3)試験液の調製
原薬クロロゲン酸を適量用意し、精密に秤量し、移動相を加えて1ml当たり0.5mg含有する溶液を作って試験液とした。
4)希釈試験液の調製
試験液を1.0ml精密に秤取して100mlメスフラスコに入れ、移動相を加えて目盛まで希釈し、希釈試験液とした。
5)測定法
希釈試験液を20μl精密に秤取して液体クロマトグラフ装置に注入し、クロロゲン酸主成分のピークがフルスケールの10〜20%となるように検出器の感度を調節した。そして上記試験液と希釈試験液を20μlずつ精密に秤取して液体クロマトグラフ装置に注入し、クロロゲン酸のピーク保持時間の3倍以上までクロマトグラムを記録した。試験液のクロマトグラムにおいてカフェ酸以外のその他不純物のピークが見られた場合は、その他各不純物のピーク面積と希釈試験液の主ピーク面積の比を計算し、その他関連物質の含有量を得て、その他関連物質の合計を計算した。
6)方法論の考察
(ア)特異性の考察 カフェ酸の特異性考察の結果と同じ。
(イ)検出限界
原薬クロロゲン酸を適量用意し、移動相を加えて1ml当たり1mg含有する溶液を作って試験液とした。試験液を徐々に希釈して投入し、クロマトグラムを記録した。ピーク面積が最小の関連物質を考察対象とし、信号雑音比(S/N)≧3のときにサンプルを注入した濃度を、その他関連物質の検出限界とした。
この結果は、サンプル中のその他関連物質の検出限界は、試験液の濃度により0.125mg/mlと計算されることを示している。原料クロロゲン酸中のその他関連物質を十分に検出するため、試験液の濃度を0.5mg/mlとした。クロマトグラムは図12を参照。
7)検出結果
上記関連物質の検出方法に基づいて、実施例における各生成物について、それぞれ関連物質の検出を行った。結果は表25、図13〜図20を参照。

Claims (2)

  1. クロロゲン酸の含有量が98重量%以上、不純物の含有量が1.9重量%以下であり、不純物には3−クマロイルキナ酸が含まれ、3−クマロイルキナ酸は、原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の総重量に対して0.1〜0.5%を占める原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調整方法であって、以下のステップa〜iを含むことを特徴とする原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調整方法。
    a.母液調製:クロロゲン酸含有量が20重量%〜60重量%の杜仲葉抽出物を用意し、クロロゲン酸の濃度を40mg/ml〜480mg/mlに調合し、調合温度を10℃〜60℃、pH=1.0〜3.0とする、
    b.抽出:酢酸エチルを用いて抽出し、抽出回数は3〜8回、抽出1回当たりの酢酸エチルの使用量は母液体積の5〜10倍、毎回の抽出前の母液pHは1.0〜3.0とし、抽出温度は5℃〜60℃とする、
    c.脱色:ステップbの抽出物に漂白のために活性炭を加え、活性炭の使用量は粗生成物の質量の0.1〜0.5倍とし、脱色温度は50℃〜70℃、脱色時間は0.5h〜2.0hとする、
    d.濃縮:ステップcの脱色後の抽出液から炭素を除去した後、減圧下および低温下で濃縮し、濃縮温度は50℃〜70℃、真空度は−0.06〜−0.08MPaとし、濃縮液のクロロゲン酸含有量を20mg/ml〜50mg/mlに制御する、
    e.沈降:ステップdの濃縮液を冷却して沈降させ、沈降温度は0℃〜25℃、沈降時間は12h〜24hとする、
    f.結晶:ステップeの沈降後の溶液を加熱し、攪拌して冷却し、結晶させ、結晶温度は50℃〜70℃、結晶時間は0.5h〜3.0hとし、結晶後、10℃〜40℃まで冷却する、
    g.粉砕:ステップfの結晶物を乳化又は研磨粉砕し、粉砕後の結晶体の粒度は100μm〜500μmとし、粉砕の過程で溶剤は使用してもしなくてもよく、溶剤の種類は酢酸エチル、水又は体積比1%〜99%の酢酸エチルと水との混合液とする、
    h.洗浄:ステップgの粉砕後の結晶物を酢酸エチル、水又は1%〜99%の比率の酢酸エチルと水との混合液で洗浄し、洗浄溶剤の使用量は、材料の質量の数値の1〜10倍の数値の体積とし、温度は0℃〜70℃とし、洗浄を行う、
    i.乾燥:ステップhで洗浄した結晶物を乾燥させ、乾燥温度は30℃〜80℃、乾燥真空度は常圧〜−0.09MPaとする。
  2. 請求項1において、
    下記のステップa〜iを含んで調製されることを特徴とする原料クロロゲン酸又は原薬クロロゲン酸の調製方法。
    a.母液調製:クロロゲン酸の含有量が40重量%の杜仲葉抽出物を用意し、濃度60重量%の粗生成物水溶液を調合し、クロロゲン酸の濃度は240mg/ml、調合温度は25℃、pH=1.0とする、
    b.抽出:酢酸エチルを用いて抽出し、抽出回数は5回、抽出1回当たりの酢酸エチルの使用量は母液体積の8倍、毎回の抽出前の母液pHは1.0とし、抽出温度は25℃とする、
    c.脱色:ステップbの抽出物に漂白のために活性炭を加え、活性炭の使用量は粗生成物の質量の0.2倍とし、脱色温度は60℃、脱色時間は1.0hとする、
    d.濃縮:ステップcの脱色後の抽出液から炭素を除去した後、減圧下および低温下で濃縮し、濃縮温度は60℃、真空度は−0.08MPaとし、濃縮液のクロロゲン酸含有量を40mg/mlに制御する、
    e.沈降:ステップdの濃縮液を冷却して沈降させ、沈降温度は25℃、沈降時間は12hとする、
    f.結晶:ステップeの沈降後の溶液を加熱し、攪拌して冷却し、結晶させ、結晶温度は70℃、結晶時間は1.0h、結晶終了温度は25℃とする、
    g.粉砕:ステップfの結晶物を乳化又は研磨粉砕し、粉砕後の結晶体の粒度は200μm〜300μmとし、粉砕の過程で酢酸エチル溶剤を使用する、
    h.洗浄:ステップgの粉砕後の結晶物を水で洗浄し、水の使用量は材料の質量の数値の3倍の数値の体積とし、水の温度は5℃とする、
    i.乾燥:ステップhで洗浄した結晶物を乾燥させ、乾燥温度は60℃、乾燥真空度は−0.08MPaとする。
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